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JPH09509054A - 抗体部分および非抗体部分を含む融合タンパク質 - Google Patents

抗体部分および非抗体部分を含む融合タンパク質

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JPH09509054A
JPH09509054A JP7520642A JP52064295A JPH09509054A JP H09509054 A JPH09509054 A JP H09509054A JP 7520642 A JP7520642 A JP 7520642A JP 52064295 A JP52064295 A JP 52064295A JP H09509054 A JPH09509054 A JP H09509054A
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JP
Japan
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fusion protein
domain
molecule
sequence
effector domain
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Pending
Application number
JP7520642A
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ウィリアム ジェイ. ラロケッレ
スチュアート エー. アロンソン
オラフ ダスチ
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US Government
Original Assignee
US Government
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    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
    • C07K14/71Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for growth factors; for growth regulators
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
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Abstract

(57)【要約】 ヒンジ:CH2:CH3セグメントを含みかつCH1ドメインを欠いたIgG由来の配列のアミノ末端に結合した、エフェクタードメインを含む非抗体部分を有し、好ましくは非抗体部分の上流にシグナルペプチドがさらに提供された融合タンパク質において、好ましい分泌および柔軟性/適合性とともに、IgG重鎖のホモダイマーに特徴的な高親和性が、達成される。この構造のキメラ分子は、該分子をコードするDNAを形質転換した哺乳動物細胞により安定な形で、容易に分泌され、例えばプロテインAを用いて、迅速に効率よく均質に精製できる。これらの分子は、フローサイトメトリー、免疫組織化学、免疫沈降、およびELIZAなどに関してモノクローナル抗体の有効な代替物である。開示された融合タンパク質はまた、融合タンパク質の非抗体部分の同族結合相手に対するアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニングにも用いられうる。さらに、非抗体部分が増殖因子ドメインを含むキメラ分子は、細胞外受容体ドメインに対する抗体に関する一般的な場合とは異なり、天然の増殖因子と本質的に同様に細胞内へと取り込まれる。

Description

【発明の詳細な説明】 抗体部分および非抗体部分を含む融合タンパク質 発明の背景 免疫グロブリン(Ig)分子は、広範な抗原と反応し、異なる機能を有し、生物 学的に重要であるため、進行中の研究の焦点である。特に関心を集めているのが 、哺乳類における主要な血清免疫グロブリンであるIgGである。IgGは、ほとんど の抗原に対する二次免疫反応の主要な構成成分である。 免疫グロブリンGは、二つの同一の軽(L)鎖および二つの同一の重(H)鎖か らなる四量体である。それぞれの鎖は、ジスルフィド結合で結合している。L鎖 は、2つの機能ドメインへと折りたたまれ、H鎖は、4つまたは5つのドメイン へと折りたたまれる。各ドメインは、約100から120アミノ酸残基を含む。 H鎖およびL鎖ハーフマーは、図1に示すように、H-鎖の「ヒンジ」領域でジス ルフィド結合により共有結合している。ヒンジにおけるジスルフィド結合の数は 、H鎖のアイソタイプにより様々である。ヒンジ領域は、自由に折れ曲がること ができ、タンパク分解を受けやすい。 各鎖のN-末端側のドメインにより形成されるいわゆる「可変」領域は、抗体に よりアミノ酸配列が異なり、特別な特異性および親和性を有する抗原結合部位を 定義づけている。その他のIgG「定常」(C)ドメイン、CH1、CH2、およびCH3は、 アイソタイプが同一のある抗体については、数箇所における一残基の違いを除け ば、同一のアミノ酸配列を有し、そして抗原を排除するための宿主のエフェクタ ー機構の活性化に寄与する。 このように、IgG分子のVドメインは、抗原認識および抗原結合を担い、Cドメ インは、免疫系の様々な細胞およびいくつかの食細胞を含む宿主細胞、ならびに 古典経路の補体系の最初の成分であるC1qへの免疫グロブリンの結合を媒介する 。詳細にはC1qはIgGのCH2ドメインと相互作用する。4つの確認されているIgGサ ブタイプのうち、2つ(IgG1およびIgG3)は、それ以外(IgG2およびIgG4)より も高い補体固定活性を有する。 IgGおよびその他の抗体のドメイン構造により、それらはタンパク質工学の標 的とし易い。「Rothwell,Nature342:99(1989)」を参照のこと。これに関して 過去 になされた努力は、例えば「Wright et al.,Crit.Rev.Immunol.12:125(1992) 」に概説されているように、ヒトの疾患に対する治療剤として有用な可能性があ るものを創り出すことに焦点が置かれていた。この「抗体工学」のほとんどは、 あるIg分子のV領域の本来の特異性を維持する一方、例えば酵素、毒素、または 増殖因子を分子の全部または一部に結合させることにより、分子の残りの部分を 変化させることを含んでいた。例えば、「Shin & Morrison,Proc.Nat'l Acad.Sc i.USA 87:5322(1990)(インスリン様増殖因子1でマウスヒトIgG3抗ダンシル 抗体の定常領域を置換する。)」を参照のこと。反対に、V領域を他の分子の全 部または一部と置き換えたキメラタンパク質も作成されている。他の分子には、 CD4[Capon et al.,Nature:525(1989)]、ヒトナトリウム排泄増加性ペプチド受 容体[Bennett et al.,J.Biol.Chem.266:23060(1991)]、およびヒト肝細胞増殖 因子受容体[Mark et al.,ibid.267:26166(1992)]のような受容体分子、ならび にサイトカインであるインターロイキン-2[Landolfi,J.Immunol.146:915(1992 )]が含まれる。 これらのIgG含有融合タンパク質は、可変領域を、いわゆる「免疫グロブリン スーパーファミリー」に関連し、IgG定常領域と適合するように折りたたまれるC D4のような非抗体成分と置換した場合のみならず、Igスーパーファミリーとは構 造が全く異なるIL-2のような非抗体ドメインと置換した場合にも、Igのエフェク ター機能を維持する可能性を示している。例えば、Landolfi(1992)は、「結合 特異性が自然状態において非Igである様々な免疫リガンド(例えば、ホルモン、 レクチン、ペプチド、またはその他のリガンド)を作成する可能性」に注目し、 「このような剤は、結合特異性が、腫瘍や疾患の状態に特徴的なその他の組織に 特有であるならば、治療に用いることができる可能性がある。」と考えた。同上 、918ページ。 にもかかわらず、このようなIgGを土台としたキメラの実用への応用は、実際 には出現が遅れている。その理由の一部は、IgGのH鎖およびL鎖が、それぞれ対 となるL鎖およびH鎖が存在しないと、ほとんど分泌されず急速に分解されてしま うことであり、この状況は、問題としているキメラ分子にも当てはまる。また、 カテゴリーの異なるキメラ分子の生物学的性質を説明するための特別な情報また は推 測理論が、比較的わずかしか存在しない。 発明の概要 したがって、形質転換した哺乳動物細胞において異種発現したときに、安定な 形で分泌され、抗体または非抗体それぞれの親分子に特徴的なエフェクター効果 を示すIgG/非IgG融合タンパク質を提供することが、本発明の目的である。 フローサイトメトリー、免疫組織化学、および免疫沈降を含む、モノクローナ ル抗体に通常関連する適用において容易に用いられうる形態で、Fc含有キメラ分 子を作成するための方法を提供することが、本発明のもう一つの目的である。 これらおよびその他の目的を果たすため、本発明の一つの局面に従い、(A)I gG配列、(B)IgG配列のアミノ末端に共有結合した非抗体配列、および(C)非 抗体配列のアミノ末端に共有結合した異種シグナルペプチドを含む融合タンパク 質が提供されている。該融合タンパク質において、 (i)IgG配列は、順にヒンジ領域、CH2ドメイン、およびCH3ドメインから本質的 になり、CH1ドメインを含まず、 (ii)非抗体配列は、分子のエフェクタードメインを含み、かつ (iii)エフェクタードメインは、分子のエフェクタードメインに特徴的な活性 を示す。 本発明のもう一つの態様に従い、順にヒンジ領域、CH2ドメイン、およびCH3ド メインから本質的になり、CH1ドメインを含まないIgG配列のアミノ末端に共有結 合した、非抗体配列を含む融合タンパク質が提供されている。ここで、非抗体配 列は、自然状態において一単位の受容体に結合する増殖因子分子のエフェクター ドメインを含む。したがって、融合タンパク質は、標的細胞において、3H−チミ ジンの取り込みにより測定されるDNA合成を誘導する。 本発明のさらにもう一つの態様にしたがい、結合相互作用に関与する分子の過 剰発現に関連した病理学的状態を検出する方法が提供されている。該方法は、以 下の段階を含む。 (A)順にヒンジ領域、CH2ドメイン、およびCH3ドメインから本質的になり、CH1 ドメインを含まないIgGのアミノ末端に共有結合した非抗体配列を含む融合タン パク質であって、非抗体配列が分子のエフェクタードメインを含み、かつエフェ ク タードメインが分子のエフェクタードメインに特徴的な活性を示す融合タンパク 質を提供する段階、 (B)エフェクタードメインとその結合相手との結合に対する推定アゴニストま たはアンタゴニストの存在下で、融合タンパク質を、結合相手を含む試料と接触 させる段階、および (C)推定アゴニストまたはアンタゴニストが、結合相手のエフェクタードメイ ンへの結合に影響を与えるか否かを判定する段階。 もう一つの態様において、本発明の融合タンパク質をコードするDNA分子が提 供される。 図面の簡単な説明 図1は、IgG抗体分子の構造の概略図を示している。V(L)およびV(H)は、軽 鎖および重鎖の可変領域を示している。V(L)およびV(H)ドメイン中の3つの 相補性決定基を太線で示す。影をつけた領域は、L鎖およびH鎖の定常領域である 。重鎖は、CH1、CH2、およびCH3ドメインを含む。二つの重鎖は、ヒンジ領域に おいて、ジスルフィド結合(SS)で連結されている。 図2は、代表的なチロシン−キナーゼ受容体を示す線画である。あるファミリ ーの受容体に結合することが知られている増殖因子を上に挙げ、各ファミリーを 構成する受容体を下に挙げた。四角は、その遺伝子が、最初活性化癌遺伝子とし て同定された増殖因子または受容体を示す。c-oncの表記は、レトロウイルス癌 遺伝子の細胞性ホモログを特定するために用いられる。円は、Ig様反復を示す。 線のついた四角は、システインリッチなドメインを示す。点のついた四角は、保 存されたチロシンキナーゼドメインを示す。 図3は、以下の実施例1に関する、本発明のいくつかの融合タンパク質を含む分 子の概略図である。 図4は、実施例2に記載された、本発明のKGF-HFc融合タンパク質をコードするD NAを含むプラスミド(MMTneo)の構成を示す模式図である。PCRを用いてBamHIに 適合する末端を作成した後、免疫グロブリン重鎖遺伝子のFc部分をpUC18のBamHI 部位にクローニングした。図Aに示すように、異種のシグナルペプチドを有する もの、有しないものという二つの構築物を作成した。図Aは、またcDNA配列の結 合部、 およびそれによりコードされるアミノ酸を示している。HFc-pUC18またはspHFc-p UC18のBamHIクローニング部位は、結果的にMMTneo発現ベクターのBglII部位にお けるクローニングを容易にし、ベクターMMTneo-HFcまたはMMTneo-spHFcを生じた (図B)。後者のベクターは、PDGF Aシグナルペプチドを、MMTneo-HFcのXhoIク ローニング部位に、上流に、インフレームで挿入することにより作成した(図A )。HFcまたはspHFcのPCR産物は、PCRにより、HFc領域で5'側にインフレームで 導入された、5’BamHI部位には続かないXhoIクローニング部位を含んでいた。こ のように、GFまたはGFRのcDNAは、XhoIまたはSalIに適合する末端でPCRにより増 幅され、制限酵素で消化され、それからIgGHFcドメインでインフレームでMMTneo HFcベクターへとライゲーションされた。 好ましい態様の詳細な説明 ヒンジ:CH2:CH3セグメントから本質的になるCH1を持たないIgG由来配列のア ミノ末端に結合した増殖因子または増殖因子受容体のエフェクタードメインを含 む非抗体部を持つ融合タンパク質において、IgG重鎖のホモダイマーに特徴的な 高親和性が、好ましい分泌および柔軟性/適合性を伴い、達成されることが見出 された。該セグメント「から本質的になる」配列は、異種発現(以下を参照)の 際に安定な形で分泌される能力のような融合タンパク質の顕著な性質に実体的に 影響を与えないその他の成分を含んでいてもよい。IgG由来配列の例としては、 ヒンジ領域、CH2ドメイン、およびCH3ドメインを含むγ1配列が挙げられる。 本発明におけるキメラ分子の非抗体部分の上流に供給された異種シグナルペプ チドは、一般的に融合タンパク質の分泌に影響を与えることもまた見出された。 このことは、融合タンパク質の非抗体部分が、それ自体は分泌されない分子の細 胞内タンパク質またはセグメントである場合にすら、当てはまる。 本発明のキメラタンパク質は、該分子をコードするDNAを形質転換された哺乳 動物細胞により、安定な形で容易に分泌される。さらに、それらは、例えばプロ テインAを用いて、迅速に効率的に均質になるよう精製されうる。このように、 これらの分子は、商業的に有用な量および形で入手することができるため、フロ ーサイトメトリー、免疫組織化学、免疫沈降、および酵素結合免疫測定法(ELIZ A)などと関連して、モノクローナル抗体の代用品として有利に用いられうる。 また、本発明のキメラ分子のカテゴリーは、カテゴリー内の該融合タンパク質 により示される細胞分裂促進活性が特に顕著である。特に、細胞分裂促進活性は 、非抗体部分が、「一単位の」受容体である受容体に自然状態において結合する 増殖因子のエフェクタードメインを含む、本発明の融合タンパク質の特徴である ことが見出された。「一単位の」受容体とは、α鎖、β鎖、およびγ鎖を含む高親 和性IL-2受容体のような、複数単位の受容体ではないものである。 非抗体部分が、強力なチロシンキナーゼ活性を有する一単位受容体に自然状態 において結合する、増殖因子のエフェクタードメインを含む融合タンパク質が、 この点に関して特に有用である。図2は、このような受容体が、細胞外リガンド 結合ドメイン、および同種のGFが結合すると細胞分裂促進シグナルを伝達する細 胞内チロシンキナーゼドメインを含むことを図示している。「Aaronson,Science 254:1146(1991)」を参照。この内容は、参照として本明細書に含まれる。 上記のカテゴリー内の融合タンパク質は、典型的に細胞外の受容体ドメインに 対する抗体の場合とは異なり、本質的に天然のGFと同様に、受容体を介したエン ドサイトーシスによる「取り込み」を受ける。ここで「取り込み」とは、融合タ ンパク質が同種の受容体とともに細胞内へ移動し、さらに細胞内器官を通過する ことをさす。これは、それぞれ受容体−リガンドの解離、受容体の回収と関連す る。融合タンパク質は、細胞内器官で蓄積され、それから最終的に分解される。 「Jackle et al.,J.Biol.Chem.266:1396(1991)」を参照。この内容は、参照と して本明細書に含まれる。このように、問題の融合タンパク質は、受容体の回収 と関連した細胞内器官には集中しないと考えられ、したがって回収受容体ととも に細胞表面へと戻されるとは考えられない。したがって、これらの融合タンパク 質は、生物活性分子を輸送し、該物質を標的細胞の内部へとイメージングするた めの特に効果的な手段である。 このような融合タンパク質の取り込みの効果は、細胞の増殖および/または分 化の変化として観察される。たとえば、ケラチノサイト増殖因子融合タンパク質 は、以下の実施例2に示したように、BALB/MK細胞において細胞分裂促進反応を誘 導する。増殖因子エフェクタードメインを含む融合タンパク質は、本質的に天然 の増殖因子と同様のシグナル経路で、細胞増殖および/または分化を誘導するこ とが期待される。 本明細書において、「増殖因子」(GF)とは、標的細胞の細胞外膜に結合した 受容体タンパク質へ結合することにより、標的細胞の増殖および/または代謝を 調節するポリペプチドである。GFの例としては、血小板由来増殖因子(PDGF)、 ケラチノサイト増殖因子(KGF)、上皮増殖因子(EGF)、血管内皮増殖因子(VE GF)、インスリン、神経増殖因子(NGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、トラ ンスフォーミング増殖因子(TGF)、肝増殖因子(HGF)、繊維芽細胞増殖因子( FGF)、Wnt-2癌原遺伝子の産物(wnt-2)が挙げられる。「Aaronson,supra」、 「Norman et al.,HORMONES,pp.719-748(Academic Press 1987)」を参照。一般 的には「Heath(ed.),GROWTH FACTORS,IRL Press(1990)」も参照のこと。 「増殖因子受容体」(GFR)とは、細胞外GF結合ドメインを介してGFの効果を伝 達する膜タンパク質である。GFRの例としては、PDGER、KGFR、EGFR、HGFR、FGFR 1、インスリン受容体、IGF-1R、HGFR「(Met)」、およびNGFRが挙げられる。好 ましいGFRは、少なくとも一つの、ジスルフィド結合により安定化されたサンド イッチを形成する二つのβシートを含むドメインを有する。このような構造は、 「免疫グロブリン(Ig)様ドメイン」と呼ばれる。 分子の「エフェクタードメイン」とは、その分子に特徴的な機能を担う分子の 部分である。例えば、GFのエフェクタードメインは、同種の受容体に結合するGF の部分であり、GFRのエフェクタードメインは、同種のリガンドに結合するGFRの 部分である。したがって、GFエフェクタードメインおよびGFRエフェクタードメ インに「特徴的な活性」とは、それぞれ、同種のGFRへの結合および同種のGFへ の結合を含む。本明細書において、「非抗体配列」とは、抗体ではない分子の一 つまたは複数のエフェクタードメインのアミノ酸配列を意味する。 「シグナルペプチド」とは、分泌タンパク質分子または膜タンパク質分子の小胞 体の通過を促進するアミノ酸配列である。「Kreil.Ann.Rev.Biochem.50:317(19 81)」、「Walter et al.,Cell 38:5(1984)」。有核細胞において、シグナル ペプチドは、(1)タンパク質のN末端に位置し、(2)およそ16からおよそ35ア ミノ酸残基の長さであり、(3)最初の2から10残基内に正に帯電した領域をもち 、(4)中央にαヘリックスを形成することができる少なくとも9の中性または疎 水 性の残基のコア領域をもち、(5)疎水性コアの隣に回転を誘導するアミノ酸を もち、(6)シグナルペプチダーゼによる特異的な切断部位をもつという特徴を 有する。「von Heijne,Nucl.Acids Res.14:4683(1986)」。数多くの特異的な シグナルペプチドが見出されており、それらは、例えば「Table 21-7 of Darnel l et al.,MOLECULAR CELL BIOLOGY(Scientific American Books,Inc.1986)」 に記載されている。 本明細書において、「異種」シグナルペプチドとは、本発明の融合タンパク質 の非抗体部分と天然には関係のないシグナルペプチドである。好ましい異種シグ ナルペプチドは、PDGF A、PDGF B、KGF、血管内皮増殖因子(VEGF)、KGF受容体 (KGFR)、およびβPDGF受容体(βPDGFR)からなる群より選ばれるタンパク質 のような、天然においてGFまたはGFRと関連したシグナルペプチドを含む。 本明細書において「細胞内タンパク質」とは、それを合成する細胞から通常分 泌されず、タンパク質相互作用、核酸相互作用、または酵素機能に関与するもの のようなエフェクタードメインを含む、p53タンパク質、網膜芽腫(Rb)タンパ ク質、およびrasのようなタンパク質である。 本明細書において「マーカー部分」とは、あらかじめ決められた状態において シグナルを生じる分子をさす。マーカー部分の例としては、放射性同位体、酵素 、蛍光標識、化学発光標識、生物発光標識、および常磁性標識が挙げられる。 I.融合タンパク質の製造 A.融合タンパク質発現ベクターの構築 本発明に従い、抗体部分および非抗体部分を含み、哺乳動物細胞から安定な形 で分泌される融合タンパク質を製造するため、哺乳動物を形質転換するために用 いられる発現ベクターへと融合タンパク質をコードするDNA配列をサブクローニ ングする。抗体配列を含む融合タンパク質を製造するための一般的な手法は、「 Coligan et al.(eds.),CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY,at pp.10.19.1-10.1 9.11(Wiley Interscience 1992)」に記載されている。その内容は参照として本 明細書に含まれる。「METHODS:A COMPANION TO METHODS IN ENZYMOLOGY,Volume2 (No.2),Academic Press(1991)」および「ANTIBODY ENGINEERING:A PRACTICA L GUIDE,W.H.Freeman and Company(1992)」も参照のこと。各々、全体にわた り、 融合タンパク質の製造に関する説明が記載されている。 このように、融合タンパク質の製造の第一段階は、融合タンパク質の部分をク ローニングベクターへとサブクローニングすることである。ここで、「クローニ ングベクター」とは、宿主の有核細胞において自律複製できる、プラスミド、コ スミド、またはバクテリオファージのようなDNA分子である。クローニングベク ターは、典型的に、ベクターの本質的な生物学的機能を損なうことなく決定可能 な方法で外来DNA配列を挿入しうる、一つまたは少数の制限エンドヌクレアーゼ 認識部位を含み、さらに該クローニングベクターで形質転換された細胞の同定、 選択に用いるための適当なマーカー遺伝子を含む。マーカー遺伝子は、典型的に 、テトラサイクリン耐性またはアンピシリン耐性を提供する遺伝子を含む。好ま しいクローニングベクターは、「Sambrook et al.(eds.),MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,Second Edition(Cold Spring Harbor Press 1989)(以後 「Sambrook」と記載する。)」、「Ausubel et al.(eds.),CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(Wiley Interscience 1987)(以後「Ausubel」と記載す る。)」、および「Brown(ed.),MOLECULAR BIOLOGY LABFAX(Academic Press 19 91)」に記載されている。クローニングベクターは、例えば「GIBCO/BRL(Gaith ersburg,MD)」、「Clontech Laboratories,Inc.(Palo Alto,CA)」、「Promeg a Corporation(Madison,WI)」、「Stratagene Cloning Systems(La Jolla,CA )」、「Invitrogen(San Diego,CA)」、および「American Type Culture Coll ection(Rockville,MD)」から入手できる。 本発明の融合タンパク質のIg部分をコードするDNA配列は、好ましくは、Ig重 鎖をコードする。より好ましくは、このようなDNA配列は、上述のように、IgGの ヒンジ、CH2、およびCH3ドメインをコードする。免疫グロブリンDNA配列は、例 えば「Coligan et al.(eds.),CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY,pages10.20.1- 10.20.8(Wiley Interscience 1992)(以後「Coligan」と記載する。)」に記 載されているようなポリメラーゼチェーン反応(PCR)を用いて得ることができ る。 一つの方法として、抗体DNA配列は、免疫グロブリンを合成する細胞のRNAから 増幅される(Larrick et al.,"PCR Amplification of Antibody Genes,”in 2 M ETHODS:A COMPANION TO METHODS IN ENZYMOLOGY 106(1991))。簡単に述べる と、 全RNAを、標準的手法を用いて免疫グロブリン産生細胞から単離する。「Ausubel at pages 4.1.2-4.2.8」を参照。それから、ポリA+RNAを、例えば「Sambrook 」に記載されているようなオリゴdTカラムクロマトグラフィーという標準的な手 法を用いて全RNAから単離する。次に、逆転写酵素を用いてポリA+RNAから一本 鎖cDNA分子を合成する。cDNAを合成する手法は、「Sambrook」、「Ausubel」、 および「Coligan」のそれぞれに記載されている。さらに、商業的に入手できる キットを、cDNA分子を合成するために用いることもできる。例えば、そのような キットは、「GIBCO/BRL(Gaithersburg,MD)」、「Clontech Laboratories,Inc. (Palo Alto,CA)」、「Promega Corporation(Madison,WI)」、および「Strat agene Cloning Systems(La Jolla,CA)」などから入手可能である。 PCR反応を、一本鎖cDNA鋳型およびオリゴヌクレオチドプライマー混合物で行 う。オリゴヌクレオチドプライマーは、目的の免疫グロブリンのDNA配列に基づ いて設計する。また、オリゴヌクレオチドプライマーは、「Kabat et al.,SEQUE NCE OF PROTEINS OF IMMUNOLOGICAL INTEREST,U.S.Department of Health and H uman Services(1983)」のような免疫グロブリンアミノ配列のデータベースか らの情報に基づき、各アミノ酸の縮重を考慮して設計することもできる。オリゴ ヌクレオチドの合成および精製の方法は、それぞれ、「Sambrook」および「Ausubel」 に記載されている。PCR法は、周知の方法により行う。例えば、「Ausubel」、 「Coligan」、および「Bangham」、「"The Polymerase Chain Reaction:Getting Started,"in PROTOCOLS IN HUMAN MOLECULAR GENETICS(Humana Press 1991) 」を参照。さらに、PCRキットを、「Stratagene Cloning Systems(La Jolla,CA )」および「Invitrogen(San Diego,CA)」のような会社から購入することも可 能である。 また、免疫グロブリンをコードするDNA配列は、クローニングされた免疫グロ ブリンでPCRを用いて合成することもできる。本方法は、以下の実施例1に例示す る。 GFまたはGFRエフェクタードメインをコードするDNA配列は、上述のように、GF またはGFRタンパク質を産生する細胞から単離したRNAでPCRを用いて合成するこ とができる。好ましくは、GFR DNA配列は、Ig様ドメインの構造を有する一つま たは複数のエフェクタードメインをコードする。 また、GFまたはGFRエフェクタードメインをコードするDNA配列は、以下の実施 例1に例示するように、GF cDNAまたはGFR cDNA鋳型でPCRを用いて入手できる。 さらに、GFまたはGFRをコードするクローンは、「American Type Culture Colle ction(ATCC;Rockville,Maryland USA)」その他から商業的に入手することもで きる。 異種シグナルペプチドをコードするDNA配列は、上述のように、GFまたはGFRタ ンパク質を産生する細胞から単離したRNAでのPCRにより得られる。このようなDN A配列はまた、シグナルペプチドをコードするGFまたはGFRのcDNAの断片を単離す ることによっても得ることができる。例えば、実施例1の発現ベクター構築にお いて用いたPDGF Aシグナルペプチドは、「Betsholtz et al.,Nature 320:695(19 86)(この内容は参照として本明細書に含まれる。)」に記載のPDGF A cDNAクロ ーンの5'末端から得られた。 また、シグナルペプチドをコードするDNA配列は、既知のシグナルペプチドア ミノ酸配列をコードするオリゴヌクレオチドを合成することによっても得られる 。このようなアミノ酸配列は、例えば「Darnell et al.,supra」および「Wallis et al.,THE BIOCHEMISTRY OF THE POLYPEPTIDE HORMONES,page212(John Wiley & Sons 1985)」に開示されている。オリゴヌクレオチド合成の手法は、例えば 「Ausubel at pp.2.11.1-2.12.5」に開示されている。また、「Eckstein et al .(ed.),OLIGONUCLEOTIDES AND ANALOGUES:A PRACTICAL APPROACH(IRL Press 1 992)」も参照のこと。 異種シグナルペプチドをコードするDNA配列は、GFまたはGFRエフェクタードメ インのN末端をコードするDNA配列とインフレームでサブクローニングされ、GFま たはGFRエフェクタードメインのN末端をコードするDNA配列は、融合タンパク質 の抗体部分のN末端とインフレームでサブクローニングされる。サブクローニン グは、適当な末端を提供するための制限酵素消化の使用、DNA分子の望ましくな い結合を避けるためのアルカリホスファターゼ処理の使用、および適当なリガー ゼによるライゲーションといった通常の手法により行う。このような操作の方法 は、「Sambrook」および「Ausubel」により開示されており、当技術分野において よく知られている。細菌宿主におけるクローニングされたDNAの増幅、および細 菌宿主からのクローニングされたDNAの単離の方法は、よく知られている。Id。 クローニングされた融合タンパク質は、クローニングベクターから切り出され 、発現ベクターへと挿入する。適当な発現ベクターは、典型的に、(1)細菌複 製開始部位と、細菌宿主における発現ベクターの増殖および選択を提供する抗生 物質耐性マーカーとをコードする原核細胞性DNA因子、(2)プロモーターのよう な、転写の開始を調節する真核細胞性DNA因子、ならびに(3)転写終結/ポリア デニル化配列のような、転写産物のプロセシングを調節するDNA因子、を含む。 本発明の融合タンパク質は、好ましくは、哺乳動物細胞、昆虫細胞、および酵 母細胞のような真核細胞において発現させられる。哺乳動物細胞は、グリコシル 化のような適当な翻訳後修飾を提供するため、特に好ましい真核細胞宿主である 。哺乳動物宿主細胞の例としては、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO-K1;A TCC CCL61)、ラット下垂体細胞(GH1;ATCC CCL82)、HeLa S3細胞(ATCC CCL2. 2)、ラット肝癌細胞(H-4-11-E;ATCC CRL1548)、SV40形質転換サル腎細胞(CO S-1;ATCC CRL1650)、およびネズミ胎児細胞(NIH-3T3;ATCC CRL1658)が挙げら れる。好ましくは、哺乳動物宿主細胞は、NIH-3T3細胞である。 哺乳動物宿主にとって、転写および翻訳の調節シグナルは、アデノウイルス、 ウシピパローマウイルス、サルウイルスなどのウイルスに由来するものであって もよい。該調節シグナルは、高レベル発現をする特定の遺伝子と関連するもので ある。適当な転写および翻訳の調節配列はまた、アクチン、コラーゲン、ミオシ ン、およびメタロチオネインのような哺乳動物遺伝子からも得られる。 転写調節配列は、RNA合成の開始を指揮することができるプロモーター領域を 含む。適当な真核細胞プロモーターは、マウスメタロチオネインI遺伝子のプロ モーター[Hamer et al.,J.Molec.Appl.Genet.1:273(1982)]、ヘルペスウイル スのTKプロモーター[McKnight,Cell 31:355(1982)]、SV40初期プロモーター[B enoist et al.,Nature 290:304(1981)]、ラウス肉芽腫ウイルスプロモーター[ Gorman et al.,Proc.Nat'l Acad.Sci.USA 79:6777(1982)]、およびサイトメガ ロウイルスプロモーター[Foecking et al.,Gene 45:101(1980)]を含む。 また、原核細胞プロモーターが真核細胞プロモーターにより調節される場合、 バクテリオファージT3 RNAポリメラーゼプロモーターのような原核細胞プロモー ターが、融合遺伝子の発現を調節するために用いられうる[Zhou et al.,Mol.Cel l.Biol.10:4529(1990);Kaufman et al.,Nucl.Acids Res.19:4485(1991)]。 発現ベクターは、カルシウムリン酸形質転換、リポソームによる形質転換、エ レクトロポレーションなどを含む様々な方法を用いて宿主細胞へと導入すること ができる。好ましくは、発現ベクターが安定に宿主細胞ゲノムへと取り込まれ、 安定な形質転換体を生じている形質転換細胞が、選択され増殖される。ベクター を真核細胞へと導入する方法、および主に選択可能なマーカーを用いて安定な形 質転換体を選択する方法は、「Sambrook」、「Ausubel」、「Bebbington,"Expre ssion of Antibody Genes in Nonlymphoid Mammalian Cells,"in 2 METHODS:A C OMPANION TO METHODS IN ENZYMOLOGY 136(1991)」、および「Murray(ed.), GENE TRANSFER AND EXPRESSION PROTOCOLS(Humana Press 1991)」に開示され ている。 融合タンパク質を産生する安定な形質転換体は、様々な方法を用いて同定する ことができる。例えば、安定な形質転換体は、融合タンパク質の非抗体部分に結 合する抗体、または融合タンパク質の抗体部分に結合する抗体を用いてスクリー ニングすることができる。融合タンパク質を産生する細胞を同定するための免疫 沈降の利用を、以下の実施例2に例示する。 融合タンパク質産生細胞が同定された後、細胞は培養され、融合タンパク質が 培養上清から単離される。例えば「Coligan」により開示されているように、単 離の方法には、プロテインAセファロースによるアフィニティークロマトグラフ ィー、サイズ排除クロマトグラフィー、およびイオン交換クロマトグラフィーが 含まれる。プロテインAは、上清から融合タンパク質を単離するために好適に用 いられる。 B.エフェクター活性の保持に関するアッセイ 融合タンパク質の非抗体部分が同種のリガンドまたは受容体との結合能を保持 しているか否かを決定するために、通常の結合アッセイを行うことができる。例 えば、GFRドメインを含む融合タンパク質は、スカッチャード解析のような競合 結合アッセイを用いて試験することができる[Scatchard,Ann.N.Y.Acad.Sci.51:6 60(1949)]。この例において、スカッチャード解析は、過剰の非標識GFの存在 下で、放射標識GFの、少なくとも一つの同種GFRエフェクタードメインを含む融 合タンパク質との結合を測定することにより行われる。逆にGFドメインの含む融 合タンパ ク質は、過剰の非標識融合タンパク質の存在下で、放射標識GFの、GFR膜調製物 またはGFRを含む細胞との結合を測定することにより試験することができる。結 合試験は、以下の実施例2に例示する。 また、GFRドメインを含む融合タンパク質の結合活性は、融合タンパク質の、G FRの同種リガンドによる生物学的活性を阻害する能力を測定することにより試験 することができる。この型のアッセイにおいて、融合タンパク質は、限定された 量の同種GFを、標的細胞のGFRと競合する。実施例1は、GFRエフェクタードメイ ンを含む融合タンパク質を、GFを介したDNA合成の増加を阻害するために用いた 、細胞分裂促進アッセイを例示している。 逆に、GFエフェクタードメインを含む融合タンパク質は、実施例2、4、および 5に例示したように、融合タンパク質の細胞分裂促進活性または形質転換を誘導 する能力を測定することにより試験することができる。 II.融合タンパク質の診断および治療のための使用 A.融合タンパク質の診断のための使用 生物試料中の特定のGFまたはGFRの存在は、インビトロアッセイを用いて検出 することができる。したがって、GFエフェクタードメインを含む融合タンパク質 は、生物試料中のGFRの存在を検出するために用いることができ、GFRエフェクタ ードメインを含む融合タンパク質は、生物試料中のGFの存在を検出するために用 いることができる。このようなインビトロアッセイにおいて、融合タンパク質は 、液相で用いられうる。たとえば、生物試料中のGFの存在は、GFの融合タンパク 質への結合を促進する条件下において、生物試料を、微量の標識GF、およびGFR エフェクタードメインを含む融合タンパク質と混合することにより試験すること ができる。試料中のGFと融合タンパク質との複合体は、複合体を、Fc抗体または スタフィロコッカスプロテインAのような、融合タンパク質の抗体部分に特異的 な固定化タンパク質と接触させることにより、反応混合物から分離することがで きる。生物試料中のGF濃度は、融合タンパク質に結合した標識GF量に反比例し、 未結合標識GF量と比例する。 また、融合タンパク質を固相担体に結合させたインビトロアッセイも行うこと ができる。例えば、融合タンパク質の抗体成分をポリマーで被覆したビーズ、プ レート、またはチューブのような不溶性の支持体へと結合させるため、融合タン パク質を、アミノデキストランのようなポリマーに結合させることができる。 その他の適当なインビトロアッセイは、当業者にとって容易に明らかとなるで あろう。 本発明の融合タンパク質は、組織学的試料から調製した組織画分中の特定のタ ンパク質の存在を検出するためにも用いることができる。このようなインサイチ ュー検出は、検出可能に標識された融合タンパク質を組織試料へと適用すること により行うことができる。インサイチュー検出は、特定のタンパク質の存在を決 定するため、および被験組織におけるタンパク質の分布を決定するために用いる ことができる。インサイチュー検出の一般的な手法は、当業者に周知である。例 えば、「Ponder,"Cell Marking Techniques and Their Application,"in MAMMAL IAN DEVELOPMENT:A PRACTICAL APPROACH 113-38 Monk(ed.)(IRL Press 1987 )」および「Coligan」を参照。 融合タンパク質は、例えば、放射標識、酵素、蛍光標識、化学発光標識、生物 発光標識、または常磁性標識のような、いかなる適当なマーカーを用いても検出 可能に標識することができる。このような検出可能に標識された融合タンパク質 を作成する方法、および検出する方法は、当業者に周知であり、以下により詳細 に記載する。 マーカー部分は、ガンマカウンターやシンチレーションカウンターのような手 段により、またはオートラジオグラフィーにより検出される放射性同位体であっ てよい。本発明の目的に特に有用な同位体は、3H、125I、131I、35S、14Cであり 、好ましくは125Iである。 融合タンパク質は、蛍光化合物で標識することもできる。蛍光標識融合タンパ ク質の存在は、融合タンパク質に適当な波長の光を照射し、生じる蛍光を検出す ることにより決定される。蛍光標識用化合物には、フルオレセインイソチオシア ネート、ロダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、 o-フタルアルデヒド、およびフルオレサミンが含まれる。蛍光標識融合タンパク 質は、実施例2に例示したような、フローサイトメトリー解析および免疫組織化 学解析に特に有用である。 また、融合タンパク質は、融合タンパク質を化学発光化合物へと結合させるこ とによっても標識できる。化学発光で標識した融合タンパク質の存在は、化学反 応の過程において生じる蛍光の存在を検出することによって決定される。化学発 光標識用化合物には、ルミノール、イソルミノール、芳香性アクリジニウムエス テル、イミダゾール、アクリジニウム塩、およびシュウ酸エステルが含まれる。 同様に、生物発光化合物も、本発明の融合タンパク質を標識するために用いる ことができる。生物発光とは、触媒性タンパク質が化学発光反応の効率を増加さ せる、生物系においてみられる化学発光の一種である。生物発光タンパク質の存 在は、蛍光の存在により検出される。標識に有用な生物発光化合物には、ルシフ ェリン、ルシフェラーゼ、およびエクオリンが含まれる。 また、融合タンパク質は、融合タンパク質を酵素に結合させることによっても 検出可能に標識することができる。融合タンパク質−酵素複合体を適当な基質の 存在下でインキュベートすると、酵素成分が基質と反応し、化学成分を生成し、 それが例えば、分光、蛍光、または視覚的な手段により検出される。融合タンパ ク質を検出可能に標識するために用いることができる酵素の例には、リンゴ酸デ ヒドロゲナーゼ、スタフィロコッカスヌクレアーゼ、デルタ−V-ステロイドイソ メラーゼ、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ、α−グリセロリン酸デヒドロゲナ ーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリ ホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、β−ガラクトシ ダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース−VI−リン酸 デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼ、およびアセチルコリンエステラーゼが含 まれる。 当業者にとって、本発明に従い用いられうるその他の適当な標識は明らかであ ろう。マーカー部分の融合タンパク質への結合は、当業者に既知の標準的な方法 を用いて行うことができる。これに関する典型的な方法は、「Kennedy et al.,C lin.Chim.Acta 70:1(1976)」、「Schurs et al.,Clin.Chim.Acta 81:1(1977 )」、「Shih et al,Int'l J.Cancer 46:1101(1990)」、および「Coligan」に開 示されている。 上述のインビトロおよびインサイチュー検出法は、病理学的状態の診断または 病期決定を容易にするために用いられうる。例えば、このような方法は、上皮増 殖因子(EGF)受容体[Libermann et al.,Nature 313:144(1985);Yamamoto et al.,Cancer Res.46:141(1986)]、PDGFR[Fleming et al.,ibid.52:4550(1992 );Oncogene 7:1355(1992)]、およびMet[Vande Woude,Jap.J.Cancer Res.83( 1992)]のような特定のGFRを過剰発現する腫瘍を検出するために用いることがで きる。 本発明には、融合タンパク質のインビボ診断のための使用も含まれる。放射標 識タンパク質による診断イメージングの方法は、周知である。免疫シンチグラフ ィー法において、例えば、抗体は、ガンマ線放出放射性同位体で標識され、患者 へと導入される。ガンマ線放出放射性同位体の位置および分布を検出するために 、ガンマカメラが用いられる。例えば、「Srivastava(ed.),RADIOLABELED MONO CLONAL ANTIBODIES FOR IMAGING AND THERAPY(Plenum Press 1988)」、「Chase, "Medical Applications of Radioisotopes,”in REMINGTON'S PHARMACEUTICAL S CIENCES,18th Edition,Gennaro et al.(eds.),pp.624-652(Mack Publishing Co .,1990)」、および「Brown,"Clinical Use of Monoclonal Antibodies,"in BIOT ECHNOLOGY AND PHARMACY 227-49,Pezzuto et al.(eds.) (Chapman & Hall 1993) 」を参照。 診断イメージングのために、融合タンパク質の抗体部分に、放射性同位体を、 直接的に、または媒介官能基を用いて間接的に結合させることができる。有用な 媒介官能基には、エチレンジアミンテトラ酢酸およびジエチレントリアミンペン タ酢酸のようなキレート剤が含まれる。例えば、「Shin et al.,supra」および 「U.S.patent No.5,057,313」を参照。 患者体内へ輸送された放射能は、検出および正確な測定をすることができる、 最小の半減期、最小の体内保持、および最小の放射能量の最適な組み合わせのた めの同位体を選択する間、可能な限り低レベルに維持される。融合タンパク質に 結合させることができ、診断イメージングに適当な放射性同位体の例には、99mT cおよび111Inが含まれる。 融合タンパク質はまた、インビボ診断のため、常磁性イオンで標識することも できる。常磁性共鳴イメージングに特に有用な原子には、Gd、Mn、Dy、およびFe イオンが含まれる。 B.融合タンパク質の治療のための使用 融合タンパク質治療のための方法は、モノクローナル抗体治療に用いられる方 法と同様である。いずれの場合においても、その目的は、細胞毒性をもたらす量 の放射能、毒素、または薬物を標的細胞へと輸送し、非標的組織への輸送を最小 限に抑えることである。GFエフェクタードメインを含む融合タンパク質が好まし い。このような融合タンパク質は、細胞外膜において同種GFRを発現している標 的細胞に結合する。しかし、細胞外受容体ドメインに対する抗体に典型的な場合 とは対照的に、GFエフェクタードメインを含む融合タンパク質は、天然のGFと本 質的に同様に、同種のGFRに結合した後細胞内に取り込まれる。 GFエフェクタードメインを含む融合タンパク質は、例えば、グリオブラストー マおよび乳癌のような、GFRを過剰発現する腫瘍を治療するために用いることが できる。 上述のように、放射性同位体を、直接的に、またはキレート剤を介して間接的 に、融合タンパク質に結合させることができる。例えば、67Cuは、半減期が61.5 時間であり、多量のベータ粒子およびガンマ線を提供するため、放射免疫治療に とってより有望な放射性同位体の一つであると考えられ、キレート剤、p-ブロモ アセトアミドベンジル−テトラエチルアミンテトラ酢酸(TETA)を用いて融合タ ンパク質へと結合させることができる(Chase,supra)。また、高エネルギーベ ータ粒子を放出する90Yを、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)を用いて 融合タンパク質へと結合させることができる。 また、カーボランのようなホウ素化合物(boron addends)を、融合タンパク 質へと結合させることもできる。カーボランは、当業者に周知のように、付属の 側鎖上のカルボキシル基により調製される。カーボランの、アミノデキストラン のような担体への結合は、カーボランのカルボキシル基を活性化し、担体上のア ミンと縮合させることにより行われる。中間複合体は、それから、融合タンパク 質へと結合させられる。融合タンパク質複合体の投与後、ホウ素化合物が熱中性 子放射により活性化され、α放出により崩壊する放射性原子へと変換され、毒性 が高く、飛程の短い効果を生じる。 さらに、融合タンパク質が毒素または薬物へと結合した、治療に有用な融合タ ンパク質を調製することができる。このような複合体の調製に好適に用いられる 毒素の例は、リシン、アブリン、ポークウィード抗ウイルスタンパク質、ゲロニ ン(gelonin)、ジフテリア毒素、およびシュードモナスエンドトキシンである 。融合タンパク質複合体の調製に有用な化学療法剤には、ドキソルビシン、ダウ ノルビシン、メトトレキサート、メルファリン、クロラムブシル、ビンカ・アル カロイド、5-フルオロウリジン、およびマイトマイシン-Cが含まれる。 GFエフェクタードメインを含む本発明の融合タンパク質は細胞内に取り込まれ るため、毒素または薬物と結合させた場合の効果は、対応する抗体複合体よりも 大きいであろう。したがって、対応する抗体複合体の場合に必要とされる量と比 較して、低用量の融合タンパク質複合体が患者へと投与される。 一般的に、投与される融合タンパク質複合体の用量は、患者の年齢、体重、身 長、性別、全体的な病状、および過去の病歴のような要因により様々に変化する 。典型的には、約1pg/kgから10mg/kg(薬剤量/患者の体重)の範囲の量の融合 タンパク質複合体を患者へ供給するのが望ましいが、状況に応じて、より低用量 または高用量を投与してもよい。 融合タンパク質複合体の患者への投与は、静脈、動脈、腹腔内、筋肉、皮下、 胸膜内、包膜内、局所カテーテルからの注入、または直接的な損傷内注射(intr alesional injection)により行うことができる。融合タンパク質複合体を注射 により投与する場合、投与は、連続注入であっても、単回または複数回に分けて 行ってもよい。 熱中性子活性化治療のためのホウ素化合物結合担体を有する融合タンパク質複 合体は、同様な方法で通常有効である。しかし、非標識融合タンパク質複合体が 除去されてから初めて、中性子照射を行うのが有利である。除去は、融合タンパ ク質の抗体成分に結合する抗体を用いて促進することができる。この一般的な原 理については、米国特許第4,624,846号を参照。 本発明の融合タンパク質複合体は、薬剤学的に許容される担体と混合物として 組み合わせられる、薬剤学的に有用な組成物を調製するため、既知の方法に従い 調製することができる。投与が受容する患者にとって耐えられうるものである場 合、その組成物は、「薬剤学的に許容される担体」であるという。滅菌したリン 酸緩衝生理食塩水が、薬剤学的に許容される担体の一例である。その他の適当な 担体は、当業者に周知である。例えば「REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES,1 8th Ed.(1990)」を参照。 治療の目的のため、融合タンパク質複合体および薬剤学的に許容される担体は 、治療に有効な量で患者に投与される。投与される量が生理学的に有効である場 合、融合タンパク質複合体と薬剤学的に許容される担体との組み合わせは、「治 療に有効な量」で投与されるという。薬剤の存在により、受容した患者に検出可 能な生理学的変化がもたらされる場合、その薬剤は生理学的に有効である。 治療の適用において、融合タンパク質複合体の作用の期間を調節するため、付 加的な薬剤学的方法が用いられうる。放出制御製剤は、融合タンパク質複合体と 複合体を形成する、または吸着するポリマーを使用することにより調製すること ができる。例えば、生物適合性ポリマーには、ポリ(エチレン−共−ビニル酢酸 )のマトリックス、およびステアリン酸ダイマーとセバシン酸のポリ無水物共ポ リマーが含まれる[Sherwood et al.,Bio/Technology 10:1446(1992)]。このよう なマトリックスからの融合タンパク質複合体の放出の速度は、融合タンパク質複 合体の分子量、マトリックス中の融合タンパク質複合体量、および拡散粒子の大 きさによって決まる[Saltzman et al.,Biophys.J.55:163(1989);Sherwood et al.,supra]。その他の固体の投与形態は、「REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIEN CES,18th Ed.(1990)」に開示されている。 III.実施例 以上に一般的な説明をしたが、以下の実施例を参照すれば、本発明をより容易 に理解できるであろう。また、以下の実施例は例証のために提供されているもの であり、本発明の制約を意図するものではない。実施例1 .KGFRエフェクタードメインを含む融合タンパク質の作製と解析 免疫グロブリンの重鎖遺伝子のヒンジ、CH2ドメイン、およびCH3ドメインを含 む、プラスミドクローニングベクターpUC 18を構築して、「HFc-pUC 18」と名付 けた。この構築物を作製するために、sis 1免疫グロブリン重鎖のcDNAのHFc部分 を、5'(680-)CGTCTGGATCCCTCGAGAGCAGCACCAAGGTGGACAAGAAA、および3'(1390- ) TCTCCGGATCCCTGGGATCATTTACCAGGAGAGTGなるプライマー配列を用いて、PCRによっ て増幅した。ポメラーゼチェーン反応キットおよびサーモサイクラーは、パーキ ン−エルマー社(コネチカット州ノーウォーク)から購入し、製造業者のプロト コールに従ってPCRを行なった。本明細書に参照として包含される、米国特許第0 7/365,715号(1989年6月14日出願)に開示されている、抗PDGFモノクローナル抗 体sis 1を産生するハイブリドーマから調製したcDNAライブラリーからIg重鎖を コードするcDNAを得た。 HFc PCR産物には、XhoIクローニング部位がHFc cDNAとインフレームで含まれ ており、BamHI切り出し部位が5'および3'末端に含まれている。spHFc-pUC 18と 名付けられた第二のプラスミドクローニングベクターも、「一般的なシグナルペ プチド」として、PDGF Aシグナルペプチドが、XhoIクローニング部位とHFc cDNA とインフレームで含まれるように設計された。 Ig様エフェクタードメインD2およびD3(650番目から1450番目のヌクレオチド )、D2のみ(650番目から1130番目のヌクレオチド)、またはD3のみ(1132番目 から1359番目の塩基)に一致するケラチノサイト増殖因子受容体(KGFR)cDNAを 増幅するためにもPCRが用いられた(Miki et al.,Science 251: 72-75(1991) )。PCRに用いられたプライマー配列は、以下の通りである。 次に、D2/3およびD2細胞外ドメインのPCR産物をHFc-pUC 18構築物中に、PCRで 作出したXhoIに適合する末端を用いて、HFc cDNAとインフレームにクローニング した。D3ドメインをspHFc-pUC 18にクローニングした。KGFR−HFcの構造を図3 に図示した。 BamHIを用いた制限エンドヌクレアーゼ消化によって、pUC 18ベクターからそ れぞれKGFR-HFcキメラcDNAを切り出した。それから、KGFR DNA断片をマウスメタ ロチオネインベクターであるMMTneoのBglII部位にクローニングした。MMTneo発 現ベ クターは、細菌の細胞における増殖を選抜するアンピシリン耐性遺伝子と、ゲネ チシン(geneticin)「G418」存在下でも哺乳動物細胞が増殖できるようにする ネオマイシン遺伝子をもっていた。 D2/3-HFc、D2-HFcおよびD3-HFc MMTneo構築物からのプラスミドDNAを、40μg のウシ胸腺キャリアDNAとともに、カルシウムリン酸沈殿法によって、NIH 3T3細 胞に導入した(Wigler et al.,Cell 11: 223(1977))。作出された形質転換 体をG418含有培地の存在下で培養した。 融合タンパク質の発現を調べるために、放射性標識したアミノ酸存在下で培養 した。簡単に述べると、「LaRochelle et al.,J.Biol.Chem.267: 17074(19 92)」の記述に従い、細胞培養物を洗浄して、メチオニンおよびシステインを含 まない、25μMの塩化亜鉛を含むダルベッコ変法イーグル最小培地(DMEM)中で3 0分間インキュベートした後、[35S]メチオニン(125μCi/ml)と[35S]システイ ン(125μCi/ml)で3時間代謝標識した。この調整培地を回収して、キメラ遺伝 子産物のFc部分を認識する黄色ブドウ球菌(S.aureus)プロテインAセファロ ースCL-4B(ファルマシアLKBバイオテクノロジー社;ニュージャージー州ピスカ タウエー)で免疫沈殿させた。それから、免疫沈殿したタンパク質をSDS−ポリ アクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)で解析し、免疫沈殿したタンパク質分子種 をフルオログラフィーによって可視化した。 これらの実験結果から、還元的な条件でSDS-PAGEを行うと、D2/3-HFc融合タン パクは、予想された80 Kdの分子として移動し、D2-HFcとD3-HFc融合タンパク質 を解析すると、それぞれ55 Kdであることが明らかになった。対照とした、NIH 3 T3細胞からの調整培地では、放射性標識したプロテインAと免疫反応した分子種 に相当するものは見られなかった。非還元的な条件の下では、D2/3-HFc、D2-HFc 、およびD3HFcは、それぞれ160、110、および110 Kdの位置に移動した。したが って、共有結合により二量体を形成するHFc部分をもつIgG分子と同じように、各 KGFR-HFc遺伝子産物は、プロテインAの結合決定基を保持した、ジスルフィド結 合した二量体として分泌される。 KGFR-HFc融合タンパク質が、天然のKGFRの結合決定基をもつか否かを判定する ための、インビトロの結合アッセイが開発された。融合タンパク質の結合特性を 調べるために、KGFR-HFc(20μg)を、従来開示されているようなプロテインA カラムクロマトグラフィー(Ey et al.Immunochem.15: 429(1978))によっ て部分精製した。スカッチャード解析を行うため、各KGFR-HFcを、4℃で、200μ lのRIP緩衝液(10 mM Tris、0.25 M NaCl、1mM EDTA、10 mM KCl、1% NP-40 、0.1% SDS、0.05 % Tween 20)/0.3%ミルクに様々な濃度の放射性ヨウ素標 識したKGF(270,000 cpm/ng)または放射性ヨウ素標識したウシ線維芽細胞増殖 因子(aFGF)(29,000 cpm/ng)を加えたものの中で、100倍過剰量の非標識リガ ンドの存在下または非存在下でインキュベートした。ボッターロら(Bottaro et al.,J.Biol.Chem.265:12767(1990))の記述に従い、組み換えヒトKGFを 精製し、125Iで標識した。ウシの脳のaFGFは、アップステートバイオテクノロジ ー社(ニューヨーク州、レイクプラシッド)から購入した。125I-aFGFを、フリ ーセルら(Friesel et al.,J.Biol.Chem.261: 7581(1986))の記述に従っ て調整した。 5時間インキュベートした後、30μlの50%ガンマ結合G(Gamma Bind G)溶 液をインキュベーション混合物に加えて、1時間激しく振とうし、ペレット化し て、緩衝液(各回0.5 ml)で3回洗浄した。ガンマ結合G溶液は、予め、3.0% ミルク/PBSでブロックしてからPBSで再平衡化しておいた。結合したリガンドを ペレットから回収して、ベックマンのガンマカウンターで線量を測定した。特異 的結合とは、過剰量の非標識リガンドが存在するときとしないときとの結合の差 と定義した。 飽和可能な結合は、KGFについては、15 ng/mlから25 ng/mlの間で、aFGFにつ いては、40 ng/mlから50 ng/mlの間で起こる。各融合タンパク質に関する解離定 数を、放射性標識したリガンドの50%を置き換えるのに必要な非標識リガンドの 濃度を測定することにより決めた。KGFをリガンドに用いたときは、D2/3-HFc、D 2-HFcおよびD3-HFc4融合タンパク質の解離定数は、それぞれ120 pM、2.0μM以上 、および、20 pMと測定された。D2/3-HFc融合タンパク質の解離定数は、上皮細 胞で発現する天然のKGFRの解離定数(180 pM)に非常に近かった。 aFGFをリガンドに用いたとき、D2/3-HFc融合タンパク質は、明らかに520 pMの 解離定数をもつ、飽和可能なaFGF結合活性を示したが、この値は、天然のKGFRの 解離定数(600 pM)に近かった。KGFについて得られた結果と顕著な対照を示す のは、D2-HFc融合タンパク質が高い親和性(960 pM)をもってaFGFに結合したの に、D3-HFc融合タンパク質は、同じ条件ではaFGFと検出可能な相互作用を示さな かったことである(解離定数は>2.0μM)。結合実験の結果、KGFRの第三のIg様 ドメインが、主要なKGF結合部位を含んでおり、第二のIg様ドメインは、高親和 性のaFGF相互作用に関する主要な決定基を含んでいることを示している。 結合実験の結果、KGFR D2融合タンパク質とD3-HFc融合タンパク質は、それぞ れ、KGFとaFGFの特異的なアンタゴニストとして作用することが示唆された。こ の可能性を調べるために、天然KGFRを発現している、休止期にあるBalb/MK細胞 に、異なるリガンドを混ぜ、各KGFR-HFcキメラの濃度を上昇させながら、[3H]チ ミジンの取り込みを測定した。ルービンら(Rubin et al.,Proc.Nat'l Acad. Sci.USA 86:802(1989))の記述に従って、Balb/MKマウスの表皮ケラチノサイ トにチミジンを取り込ませた。Balb/MK細胞系については、ワイスマンらの論文 (Weissman et al.,Cell 32: 599(1983))に述べられている。要約すれば、 さまざまな濃度の各KGFR-HFcタンパク質を、休止期にあるBalb/MK細胞に加え、 その後、適当なリガンドを加えた。DNA合成の最大限の約80%を誘導するような リガンド濃度を用いた。細胞は、37℃で16時間インキュベートして、[3H]チミジ ンを最後の5時間加えた。細胞を洗浄して回収し、液体シンチレーション測定に よって、[3H]チミジンの取り込みを計量した。 これらの実験の結果、D2/3-HFc融合タンパク質が、KGFおよびaFGF誘導のDNA合 成を、1 ml当たり2 mgのD2/3-HFc融合タンパク質濃度で観察される検出可能な効 果と同程度に阻害した。しかし、100 mg/mlの濃度においても、この融合タンパ ク質は、チミジンの取り込みに対して、bFGFや無関係な表皮細胞成長因子(EGF )分子に応答する検出可能な効果を示さなかった。さらに、特異性の対照にした 非特異的IgG(MOPC21)とNIH 3T3細胞からの調整培地はいずれも、どのリガンド に対しても、[3H]チミジンの取り込みを検出可能な程度には阻害しなかった。 D2-HFc融合タンパク質で観察された阻害パターンは、このタンパク質がaFGFに 対して示す高い親和性および特異的結合性と矛盾しなかった。D2-HFc融合タンパ ク質は、aFGFの細胞分裂促進活性を阻害したが、KGF、bFGF、またはEGFには何ら 効果を示さなかった。これに対し、D3-HFc融合タンパク質は、KGFに誘導される チミジンの取り込みを特異的に阻害したが、aFGF、bFGF、またはEGFに対しては 、検出できるような効果を示さなかった。このように、D2-HFc融合タンパク質は 、aFGFの選択的アンタゴニストとして作用し、D3-HFcは、KGFの細胞分裂促進作 用を特異的に阻害した。実施例2 .KGFエフェクタードメインを含む融合タンパク質の産生と解析 免疫グロブリンを検出する性質を持つ、増殖因子受容体の高親和性プローブを 作出するため、図4に示すように、KGF cDNA(「Finch et al.,Science 245: 7 52(1989)」参照)を、マウスのIgG重鎖cDNAのHFc部分と、ヒンジ領域で組み換 えた。上記の実施例1と同じように、HFc部分は、免疫グロブリン重鎖のヒンジ 、CH2、およびCH3ドメインを含んでいた。 実施例1で述べた技術を用いて、発現ベクターを構築した。簡単にいうと、PC Rを用いて、免疫グロブリン重鎖遺伝子のHFc部分にBamHIに適合する両末端を作 出した。次に、HFc断片をpUC 18のBamHI部位にクローニングした。また、図4に 示されているように、PCRによって、XhoIクローニング部位がインフレームで、H Fc領域の5'末端側に、ただしBamHI部位の内側に含まれるように、HFc cDNA挿入 断片に工作した。BamHI適合末端をもつHFc断片を制限分解によって切り出し、MM TneoベクターのBglII部位にクローニングした。 XhoIまたはSalIに適合する末端のいずれかを用いて、PCRによってKGF cDNAを 増幅し、制限酵素消化し、IgGのHFcドメインとインフレームにMMTneo HFcベクタ ーにサブクローニングした。こうしてできた発現ベクターを「KGF-HFc MMTneo」 と名付けた。 KGF-HFc MMTneoでNIH 3T3細胞を形質転換して、実施例1で説明したように、G 418を用いて、安定な形質転換体を選抜した。 KGF-HFc融合タンパク質が形質転換細胞で発現されているか、KGFと免疫グロブ リンHFcドメインの両方の構造決定基をもっているか否かを判定するために、実 施例1で述べたように、細胞培養物を、35Sメチオニンおよび35Sシステインとと もにインキュベートした。プロテインAセファロースCL-4Bを用いて、調整培地 中に融合タンパク質が存在することを検出することもできるが、融合タンパク質 を沈 殿させるために、まずKGFモノクローナル抗体または抗マウスFc抗体で調整培地 を処理すると、回収量をおよそ15倍から20倍に増加させることができる。分離し たタンパク質は、SDS-PAGEを用いて解析した。 一組の実験において、KGFモノクローナル抗体で調整培地を処理してから、プ ロテインAセファロースで免疫沈殿を行なった。SDS-PAGEによって、p94-98の3 個の別々の免疫反応分子種が示された。第2組の実験では、調整培地をプロテイ ンAセファロースで処理する前に、抗マウスIgG Fcで処理した。この場合にも、 p94-98の分子種が見られた。これに対して、コントロールのMMTneo形質転換体の 調整培地の免疫沈殿物には、これらの分子は見られなかった。 KGF-HFc融合タンパク質には、二量体を形成することが知られているIgG重鎖の ヒンジ領域が含まれているため、KGF-HFc融合タンパク質がジスルフィド結合し た二量体であるか否かを判定するために実験が行われた。100 mMのジチオスレイ トールをKGF-HFc遺伝子産物に添加すると、KGFモノクローナル抗体または抗マウ スHFcに免疫反応する分子種の移動度を、見かけ分子量48 Kdの位置にまで減少し た。これらの結果から、KGF-HFc融合タンパク質が、KGFおよび免疫グロブリンFc ドメインの構造決定基をもつことが示された。さらに、KGFR-HFcは、もとの免疫 グロブリンと同様に生化学的に二量体を形成する。 KGF-HFc融合タンパク質がKGFの生物学的特性をもっているか否かを判定するた めに、融合タンパク質がBALB/MK細胞で3H-チミジンの取り込みを誘導する能力を 、実施例1で説明したアッセイ法を用いて調べた。これらの実験の結果、85 pM のKGFR-HFc融合タンパク質が、3H-チミジンの取り込みを、少なくとも20倍亢進 した。組み換えKGFと比較すると、KGF-HFc融合タンパク質では、約45 pMで3H-チ ミジンの取り込みが限界値の半分にまで上昇したが、組み換えKGFでは、約10 pM で3H-チミジンの取り込みが限界値の半分にまで上昇した。対照用の調整培地は 、細胞分裂活性をほとんど示さなかった。さらに、KGFを中和するモノクローナ ル抗体は、融合タンパク質の細胞分裂促進活性を75%以上阻害した。さらに、ヘ パリンも、1から5μg/mlの範囲で、KGF-HFc、および細胞分裂促進活性からみて 等量のKGFの細胞分裂促進活性を80%以上阻害した。 KGF-HFc融合タンパク質がその同族受容体に結合する能力を、KGFRを発現する3 2D細胞形質転換体を用いて調べた。簡単に述べると、32D細胞を遠心して回収し 、DMEMで洗浄し、結合緩衝液(1 mg/mlウシ血清アルブミン含有DMEM/25 mM HEPE S pH 7.4)で緩やかに再懸濁して37℃で維持した。次に、飽和レベルの放射性ヨ ウ素標識したKGF(2 ng)を、プロテインAクロマトグラフィーで部分精製した 、非標識のKGF-HFc融合タンパク質競合剤の濃度を上げながら、4℃で50μlの結 合緩衝液に加えた。1.2×106個の32D細胞を等量の結合緩衝液に加え、16℃でイ ンキュベートした。1時間後に、細胞懸濁液を300μlの冷オイルミックス(n-ブ チルフタル酸(Fischer)/ビス(2-エチルヘキシル)フタル酸(Kodak)1.5:1 )の上に載せた。細胞をエッペンドルフ微量遠心機で、10,000 rpmで10分間、4 ℃で遠心分離した。細胞の沈殿物を取り出して、ベックマン5500ガンマカウンタ ーで計測した。 これらの実験の結果、KGF-HFc融合タンパク質が、32D-KGFRにおよそ1.4 nMの 親和性で結合し、組み換えKGFは、約0.13 nMの親和性で32D-KGFRに結合すること が明らかになった。典型的には、組み換えKGFは、哺乳動物系で発現するKGFより も、5倍から10倍高い結合親和性をKGFRに対してもっている。 したがって、これらの結果から、KGF-HFc融合タンパク質が、KGFの細胞分裂促 進活性機能と結合特性を持つことを示している。 bekおよびflgのような、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)スーパーファミ リーの成員は、aFGFおよびbFGFに結合するが、KGFには結合しない。KGF-HFc融合 タンパク質の特異性を調べるために、融合タンパク質をB5-589細胞、またはKGFR 、bek、もしくはflgで形質転換したNIH 3T3細胞とインキュベートした。結合し た一次抗体を、フルオレセインイソチオシアネートが結合したウサギ抗マウスIg Gで検出した。対照として、融合タンパク質を、形質転換していないNIH 3T3細胞 とともにインキュベートした。蛍光活性化セルソーター(FACSCANアナライザー )を用いて、フローサイトメトリー解析を行なった。 フローサイトメトリー解析の結果、形質転換されていないNIH 3T3細胞に較べ て、蛍光強度が10倍から100倍増加したことから示されるように、KGFRを含むB5- 589およびNIH 3T3形質転換体は、KGF-HFc融合タンパク質によって認識された。 しかし、選択的スプライシングを受けた、FGFRの異性体であるbekおよびflgを含 むNIH 3T3細胞は、非形質転換NIH 3T3細胞のバックグラウンド値に比べて強い染 色を示す ことはなかった。さらに別の対照として、IgGのHFc部分も、KGFRを含むB5-589お よびNIH 3T3形質転換体を認識しなかった。したがって、KGF-HFcの免疫化学的認 識は、KGFRの存在に対して特異的で、FGFRに密接に関係する、少なくとも2つの FGFRスーパーファミリーの成員さえも認識しなかった。 同様に、フローサイトメトリー解析実験によって、wnt-2-HFcおよびβPDGF-HF c融合タンパク質が、それぞれwnt-2受容体およびβPDGFRに結合することが明ら かになった。 ヒトの皮膚の凍結切片を用いて、免疫組織化学的実験を行なった。KGF-HFc形 質転換体からの調整培地を精製して、直接KGFRを検出するのに用いた。標準的な プロトコールを用いて、結合KGF-HFcを、ウサギ抗マウス西洋ワサビペルオキシ ダーゼによって検出した。結果は表1に要約した。KGF-HFc染色の強さは、検出 不可(「−」)から非常に強い染色(「+++」)まで、様々であった。対照と して、KGF-bSKGF-HFc融合タンパク質と競合し、標識された融合タンパク質によ る染色程度を減少させることが分かった。対照の免疫グロブリンHFcでは、染色 しなかった。 同様な実験において、正常なヒトの皮膚におけるKGFの存在を検出するのに、K GFR-HFc融合タンパク質を用いた。基底層にKGFが存在することが検出された。こ れに対し、有棘層および顆粒層では、KGFは検出されなかった。対照の免疫グロ ブリンHFcでは、染色しなかった。 実施例3.PDGFRエフェクタードメインを含む融合タンパク質の産生および解 析 βPDGFRアンタゴニストを同定するための、効果的なスクリーニング法を開発す るために、βPDGFRドメインの1から3まで(D1-3)およびHFcドメインを含む融 合タンパク質を作製した(Matsui et al.,Proc.Natl.Sci.USA 86: 8314-18 (1989))。実質的には実施例1で説明した技術に従って、βPDGFR-HFc融合タ ンパク質を作出した。 上述のように、NIH 3T3細胞を形質転換して、βPDGFR-HFc融合タンパク質を解 析した。βPDGFR-HFc融合タンパク質は、200 kdの二量体分子として形質転換細 胞で発現し、抗マウスFc抗体によって認識される。スカッチャード解析によって 、βPDGFR-HFc融合タンパク質が、PDGF BBに対しておよそ1.5 nMの親和性をもつ ことが明らかになった。 βPDGFRアンタゴニストをスクリーニングするために、標準的な固定酵素免疫 測定法(ELISA)と同様のアッセイ法が考案された。簡単に述べると、ファルコ ン3912フレキシブルアッセイプレートのウエルに、0.2%アジ化ナトリウムを含 むリン酸緩衝食塩水(PBS-SA)中で10 ngのPDGF BBを固定化した。4%ウシ血清 アルブミンを含むPBS-SAで、30分間ブロックした。βPDGFR-HFc融合タンパク質 を、1%ウシ血清アルブミン(BSA)と0.05%トゥイーン20を含むPBS−SAに混ぜ てウエルに加え、プレートを室温で4時間インキュベートし、0.05%トゥーン20 を含むPBS−BAで洗浄した。アルカリホスファターゼを結合したウサギ抗マウスF cを、1%BSAと0.05%トゥーン20を含むPBS−SA緩衝液1 mlあたり、5μgの抗体 を含む濃度でウエルに加えた。2時間インキュベートした後、ウエルを洗浄し、 100 mM炭酸水素ナトリウム(pH 9.8)と1 mM塩化マグネシウムに混ぜたアルカリ ホスファターゼの基質をウエルに加えた。再びインキュベートした後、発色基質 産物の存在量をELISA読み取り装置を用いて405 nmで測定した。 このスクリーニング法によって、βPDGFR-HFc融合タンパク質はRDGF BBに結合 するが、HFcもMOPC 21も結合しないことが明らかになった。βPDGFR-HFc融合タ ンパク質のPDGF BBへの結合は、高親和性PDGF BBモノクローナル抗体について予 想される結合に匹敵するものであった。これに対して、抗PDGF AAモノクローナ ル抗体がPDGF AAに結合するインキュベーション条件下では、βPDGFR-HFc融合タ ンパク質は、PDGF AAに結合しなかった。従って、本スクリーニング法は、GFRの アゴニストおよびアンタゴニストを同定するのに用いることができる。 実施例4.PDGFエフェクタードメインを含む融合タンパク質の産生および解析 増殖因子受容体のプローブを作製するために、上記のように、HFc領域、およ びPDGF A、PDGF B、またはKGFのエフェクタードメインを含む融合タンパク質を 構築した。実質的には実施例1で説明した技術を用いて融合タンパク質を設計し た。 NIH 3T3細胞の形質転換および融合タンパク質の解析を、上述したところにし たがって行なった。PDGF A-HFc融合タンパク質とPDGF B-HFc融合タンパク質が、 それぞれ84-89 kdおよび84 kdの二量体タンパク質として、形質転換細胞によっ て発現された。両融合タンパク質は、それぞれ、抗PDGF抗体および抗マウスFc抗 体によって認識された。 スカッチャード解析によると、PDFG A-HFc融合タンパク質は、1.3 nMの親和度 でαPDGFRに結合するが、βPDGFRには結合しなかった。これに対して、PDFG B-H Fc融合タンパク質は、それぞれ3.2 nMおよび1.4 nMの親和性でαPDGFRおよびβP DGFRに結合した。 PDGF A-HFc融合タンパク質およびPDGF B-HFc融合タンパク質はいずれも、50か ら600 pMの濃度範囲で、NIH 3T3細胞における3H-チミジンの取り込みを促進した 。 また、どちらの融合タンパク質も、融合タンパク質をPDGFRとインキュベート し、PDGFR−融合タンパク質複合体を抗マウスFcで処理し、さらにこの三者複合 体をプロテインAセファロースCL-4Bとともにインキュベートすることにより、P DGFRを免疫沈殿させるのに用いた。 実施例5.PDFG A-HFc融合タンパク質の作製および形質転換活性 PDFG A-HFc融合タンパク質は、PCRを用いて、PDFG A cDNAをコドン1と144の間 (A[1-144]HFc)、コドン1と80の間(A[1-80]HFc)、またはコドン95と177の間 (A[95-177]HFc)を、Xho-IまたはSal-Iのいずれかに適合する両末端をもつよう に増幅して作製した。 PDFG A DNAの配列を、MMTneo HFcベクターのXho-1部位 に、マウス免疫グロブリンIgG1重鎖のHFcドメインとインフレームで挿入した。 形質転換活性を解析するために、カルシウムリン酸法を用いて、組み換えプラ スミドDNAおよび40μgの仔ウシ胸腺キャリアーDNAで形質転換することによって 、各組み換え体からのプラスミドDNAをNIH 3T3鎖に導入した。形質転換された培 養細胞について、G148存在下でのコロニー形成数、または形質転換から2、3週 間後のフォーカス形成数を数えた。G148を含む培地中での選抜後のコロニー形成 を、形質転換効率の内部マーカーとして用いた。陰性対照として、0.1μgのマウ スメタロチオネインベクターを形質転換した。 これらの実験の結果、融合タンパク質PDGF A[1-80]HFcおよびPDGF A[95-177]H Fcには、NIH 3T3細胞を形質転換する能力があるが、融合タンパク質PDGF A[1-14 4]HFcにはこの能力がないことが明らかになった。したがって、コドン95-177が 、PDGF Aの最小の形質転換ドメインに相当する。融合タンパク質PDGF A[1-80]HF cおよびPDGF A[95-177]HFcは、PDGF Aと比較しても、ほとんど同じ形質転換活性 をもっていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI G01N 33/531 0276−2J G01N 33/531 A (C12P 21/02 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,M X,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN (72)発明者 アロンソン スチュアート エー. アメリカ合衆国 バージニア州 グレート フォールズ ハリマン ストリート 1006 (72)発明者 ダスチ オラフ アメリカ合衆国 メリーランド州 ベセス ダ マッキンリー ストリート 5327

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(A)IgG配列、(B)該IgG配列のアミノ末端に共有結合により連結した非抗 体配列、および(C)該非抗体配列のアミノ末端に共有結合により連結した異種 シグナルペプチドを含む融合タンパク質において、 (i)該IgG配列が、順に、ヒンジ領域、CH2ドメイン、およびCH3ドメインから 本質的になり、CH1ドメインを欠いており、 (ii)該非抗体配列が、分子のエフェクタードメインを含み、 (iii)該エフェクタードメインが、該分子の該エフェクタードメインに特徴 的な活性を示し、かつ (iv)該異種シグナルペプチドが、自然状態において、PDGF A、PDGF B、KGF 、VEGF、KGF受容体およびβPDGF受容体からなる群より選ばれたタンパク質と結 合しているシグナルペプチドである融合タンパク質。 2.分子がIgスーパーファミリーの一員である、請求の範囲1の融合タンパク質 。 3.エフェクタードメインがIg様ドメインである、請求の範囲1の融合タンパク 質。 4.分子が増殖因子である、請求の範囲1の融合タンパク質。 5.分子が細胞内タンパク質である、請求の範囲1の融合タンパク質。 6.分子が増殖因子受容体である、請求の範囲1の融合タンパク質。 7.分子が、PDGF A、PDGF B、KGF、VEGF、KGFR、βPDGFR、HGF、nk1、wnt-2お よびFGFR1からなる群より選ばれたタンパク質である、請求の範囲1の融合タン パク質。 8.異種シグナルペプチドが、自然状態において、PDGF A、PDGF B、KGF、VEGF 、KGF受容体およびβPDGF受容体からなる群より選ばれたタンパク質と結合して いる、請求の範囲1の融合タンパク質。 9.異種シグナルペプチドが、自然状態において、PDGF Aと結合している、請求 の範囲1の融合タンパク質。 10.非抗体配列が、増殖因子または増殖因子受容体のエフェクタードメインの配 列と一致する、請求の範囲1の融合タンパク質。 11.非抗体配列が、増殖因子のエフェクタードメインの配列と一致する、請求の 範囲10の融合タンパク質。 12.非抗体配列が、増殖因子の配列と一致する、請求の範囲10の融合タンパク質 。 13.IgG配列が、ヒンジ領域、CH2ドメイン、およびCH3ドメインを含むγ1配列で ある、請求の範囲1の融合タンパク質。 14.予め決められた条件の下で検出可能なシグナルを発生するマーカー部分を含 む、請求の範囲1の融合タンパク質。 15.請求の範囲1の融合タンパク質をコードする組み換えDNA分子。 16.標的細胞において、3H-チミジンの取り込みで測定されるDNA合成を誘導する ように、順に、ヒンジ領域、CH2ドメイン、およびCH3ドメインから本質的になり 、CH1ドメインを欠くIgG配列のアミノ末端に共有結合により連結した非抗体配列 を含む融合タンパク質において、該非抗体配列が、一単位の受容体に自然状態に おいて結合する増殖因子分子のエフェクタードメインを含む融合タンパク質。 17.増殖因子分子が、自然状態において、チロシンキナーゼ受容体に結合する、 請求の範囲16の融合タンパク質。 18.請求の範囲16の融合タンパク質をコードする組み換えDNA分子。 19.結合相互作用に関与する分子の過剰発現と関連した病理学的状態を検出する 方法において、 (A)順に、ヒンジ領域、CH2ドメイン、およびCH3ドメインから本質的になり、C H1ドメインを欠くIgG配列のアミノ末端に共有結合により連結した非抗体配列を 含む融合タンパク質において、該非抗体配列が、分子のエフェクタードメインを 含み、該エフェクタードメインが、該分子の該エフェクタードメインに特徴的な 活性を示す融合タンパク質を提供する段階、 (B)該融合タンパク質を、該エフェクタードメインの結合相手を含む生物試料 と接触させる段階、 (C)対照と比較した、該結合相手の過剰発現を検出するために、該試料の該結 合相手の該エフェクタードメインへの結合を測定する段階を含む方法。 20.融合タンパク質が、予め決められた条件の下で検出可能なシグナルを生成す るマーカー部分をさらに含む、請求の範囲19の方法。 21.マーカー部分が、ルミノール、イソルミノール、芳香性アクリジニウムエス テル、イミダゾール、アクリジニウム塩、およびシュウ酸エステルからなる群よ り選ばれる、請求の範囲20の方法。 22.マーカー部分がルシフェリン、ルシフェラーゼ、およびエクオリンよりなる 群より選ばれる、請求の範囲20の方法。 23.マーカー部分が、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、スタフィロコッカスヌクレア ーゼ、デルタ-V-ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ、 α-グリセロリン酸デヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、西洋ワ サビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコー スオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタ ラーゼ、グルコース-VI-リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼおよびアセ チルコリンエステラーゼからなる群より選ばれたものである、請求の範囲20の方 法。 24.生物試料が凍結組織切片である、請求の範囲19の方法。 25.結合相互作用に干渉するアゴニストとアンタゴニストを同定するための方法 において、 (A)順に、ヒンジ領域、CH2ドメイン、およびCH3ドメインから本質的になり、C H1ドメインを欠くIgG配列のアミノ末端に共有結合により連結した非抗体配列を 含む融合タンパク質において、該非抗体配列が、分子のエフェクタードメインを 含み、該エフェクタードメインが、該分子の該エフェクタードメインに特徴的な 活性を示す融合タンパク質を提供する段階、 (B)該エフェクタードメインとその結合相手との結合に対する推定アゴニスト またはアンタゴニストの存在下で、該融合タンパク質を、該結合相手を含む試料 と接触させる段階、および (C)該推定アゴニストまたはアンタゴニストが、該結合相手の該エフェクター ドメインへの結合に影響を与えるか否かを判定する段階を含む方法。 26.(A)IgG配列、(B)該IgG配列のアミノ末端に共有結合により連結した非抗 体配列、および(C)該非抗体配列のアミノ末端に共有結合により連結した異種 シグナルペプチドを含む融合タンパク質において、 (i)該IgG配列が、順に、ヒンジ領域、CH2ドメイン、およびCH3ドメインから 本質的になり、CH1ドメインを欠いており、 (ii)該非抗体配列が、分子のエフェクタードメインを含み、該分子が、固有 のチロシンキナーゼ活性を有する一単位の受容体に自然状態において結合する増 殖因子であり、かつ (iii)該エフェクタードメインが、該分子の該エフェクタードメインに特徴 的な活性を示す融合タンパク質。
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