JPH09331031A - 強誘電体を用いた半導体集積回路とその製造方法 - Google Patents
強誘電体を用いた半導体集積回路とその製造方法Info
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Abstract
信頼性の向上を図りつつ、酸化物強誘電体を用いた半導
体集積回路の作製工程の一つである水素を含む雰囲気下
での熱処理工程での、強誘電体の残留分極,絶縁特性,
比誘電率の劣化を防止する。 【解決手段】 強誘電体を用いた半導体集積回路におい
て、強誘電体の水素との接触を避けるための水素の透過
を抑止する性質を持つ層8がアルミニウムの酸化物もし
くは窒化物を中心とする組成で形成されている。水素透
過抑止層8としての酸化アルミニウム若しくは窒化アル
ミニウムが優れた水素透過抑止能力をもっており、しか
も、これらはプラズマ処理または熱処理することにより
容易に形成することができる。
Description
半導体集積回路とその製造方法に関する。
元雰囲気中の熱処理により酸化物強誘電体の還元が起こ
り、リーク電流が増大する,比誘電率が低下する,残留
分極値が減少するなど、強誘電体の特性が劣化するた
め、強誘電体と還元雰囲気との接触をなくす必要があっ
た。
−102367号公報に示されるように水素の透過を抑
止する層8を上部電極7の形成後に層間膜9を挾んで素
子全面に形成する方法(図7)や、特開平7−1113
18号公報に示されるように強誘電体5を含む素子のみ
を水素の透過を抑止する層8で覆う方法(図8)などが
報告されている。また図7及び図8において、1は拡散
層,2は素子分離膜,3はキャパシタ電極,4はゲート
多結晶シリコン,6は層間絶縁膜である。
では、次のような欠点があった。特開平4−10236
7号公報に示される方法では、窒化チタンを基本的な組
成とする水素透過抑止層は、その水素バリア性が不完全
であり、強誘電体の劣化を完全に抑制することができな
い。
ため、MOSトランジスタのしきい値制御のための水素
アロイ工程においてもMOS界面に水素が達せず、その
結果MOSトランジスタの特性のばらつきが大きくな
り、信頼性が劣化してしまう。
れる方法では、チタンや、シリコンなどの窒化物を基本
的な組成とする水素バリア膜は、水素バリア性が不完全
であることに加えて、強誘電体を含む素子に少なくとも
2種類以上の水素透過抑止層を付け加える必要があるた
め、作製工程が増え、素子の良品率が低下してしまう。
縁特性,比誘電率の劣化を防止する強誘電体を用いた半
導体集積回路とその製造方法を提供することにある。
め、本発明に係る強誘電体を用いた半導体集積回路は、
水素透過抑止層を有する強誘電体を用いた半導体集積回
路であって、水素透過抑止層は、強誘電体の水素との接
触を避けるための水素の透過を抑止する性質を有し、ア
ルミニウムの酸化物もしくは窒化物を含む組成で形成さ
れた層である。
ムもしくはアルミニウムとSi,Cuなどの合金で形成
された半導体集積回路の引き出し電極の上部に形成され
たものである。
みを覆うアルミニウムの酸化物もしくは窒化物が存在し
ているものである。
電極と対応する引き出し電極との電気的接触をとる部分
を除いて前記水素透過抑止層に覆われているものであ
る。
体集積回路の製造方法は、アルミニウムもしくはアルミ
ニウムにSi,Cuなどを添加した合金を引き出し電極
に用い、酸素もしくは窒素を含まない雰囲気で所望の厚
さだけを成膜し、引き続いて酸素もしくは窒素を含む雰
囲気で所望の厚さだけ成膜することにより、引き出し電
極と水素透過抑止層を一括して作製するものである。
体集積回路の製造方法は、アルミニウムもしくはアルミ
ニウムにSi,Cuなどを添加した合金を活性な酸素も
しくは窒素を含むプラズマに晒すことで元の合金の一部
を酸化、もしくは窒化することにより形成するものであ
る。
体集積回路の製造方法は、アルミニウムもしくはアルミ
ニウムにSi,Cuなどを添加した合金を酸素もしくは
窒素雰囲気中で熱処理することで元の合金の一部を酸
化、もしくは窒化することにより形成するものである。
止層として酸化アルミニウムもしくは窒化アルミニウム
を主成分とした材料を用いる。これは、アルミニウムの
酸化物もしくは窒化物が優れた水素透過抑止能力を持っ
ており、かつ金属アルミニウムを主成分とする合金を、
酸素もしくは窒素を含む雰囲気中でプラズマ処理または
熱処理することにより容易に形成できるためである。
引き出し電極材料として広く半導体集積回路に用いられ
ており、引き出し電極を直接プラズマ処理することによ
り表面に酸化アルミニウムや窒化アルミニウムを形成で
き、水素透過抑止層の形成工程を簡略化することができ
るのも理由の一つである。
が、MOS界面が存在する素子の直上では水素透過抑止
膜が存在しないため、MOS界面のしきい値制御のため
の水素アロイ工程では、MOS界面に水素が到達でき、
素子のばらつきを抑えることが可能で、かつ、この水素
透過抑止層がない部分の直下には、強誘電体を含む素子
が存在しないことから強誘電体を含む素子の強誘電特性
や絶縁特性の劣化はない。
抑止層で覆う構造でないため、強誘電体素子の作製工程
が容易で素子の信頼性が向上する。必要ならば、強誘電
体に直接接続されている電極と引き出し電極との接続部
分を除いて、強誘電体を含む素子を絶縁性の水素透過抑
止層で覆うことが可能である。この場合は特開平7−1
11318号公報に示される例に比べて導電性の水素透
過抑止層を作製する必要がなく、やはり工程の削減が可
能である。
り説明する。
電体を含む半導体集積回路の一例である強誘電体メモリ
のセル構造を示す断面図である。図1において、強誘電
体5としてジルコン酸チタン酸鉛薄膜が白金のキャパシ
タ電極3に挾まれた薄膜キャパシタの形で組み込まれて
おり、層間膜6上にこのキャパシタの上部引き出し電極
7が存在し、さらにそれを覆うようにして窒化アルミニ
ウムの水素透過抑止層8が形成されている。
ム層は、窒素を含む雰囲気ガス中で金属アルミニウムを
スパッタすることによって作製した。また図1におい
て、1は拡散層,2は素子分離膜,4はゲート多結晶シ
リコンである。
ないようなセルアレイアウトがなされており、トランジ
スタ直上の水素透過抑止層8は除去されている。このセ
ルと同様のキャパシタを2000個並列に接続した容量
に水素透過抑止層8として窒化アルミニウム層を上部引
き出し電極7上に形成したものと、窒化アルミニウム層
がない同じ容量を、H2/N2=1/1雰囲気中で400
℃熱処理した後にP−Eヒステリシス特性,リーク電流
特性を測定した結果が図2である。
リシス曲線が常電極体に近い形になり、リーク電流も増
大する。一方、窒化アルミニウム層が存在する場合に
は、熱処理前に近いヒステリシス曲線が得られ、リーク
電流特性もほとんど変化がなく、窒化アルミニウム層が
水素透過抑止層8として機能していることがわかる。
N2=1/1雰囲気中で400℃熱処理した後のトラン
ジスタの閾値電圧の分布を図3に示す。熱処理後は閾値
のばらつきが小さくなっており、この構造で水素中での
熱処理の閾値分布抑制効果が確認できた。
果、信号電圧の大きさから水素中での熱処理以前に比べ
て残留分極値の劣化が10%以下であることを確認し
た。10%弱の劣化は水素透過抑止層8の下側にわずか
に水素が回り込んだ影響であると推定できる。
2を示す断面図である。図4に示す本発明の実施形態2
は、実施形態1に示した構造に、セルキャパシタの各電
極と対応する引き出し電極との電気的接触をとる部分を
除いた部分を覆う水素透過抑止層8を付け加えた構造と
したものである。
アルミニウム層であり、窒素を含む雰囲気ガス中で金属
アルミニウムをスパッタすることによつて作製した。
で400℃熱処理した後のメモリ動作試験では、信号電
圧の劣化はほとんどなく、実施形態1で見られた水素の
回り込み効果も抑制できることを示唆している。
を作製する場合、上部引き出し電極7上の水素透過抑止
層8を上部引き出し電極7の成膜時に一括して作成する
ことも可能である。上部引き出し電極7は、一般的にア
ルミニウムもしくはアルミニウムにSi,Cuなどを添
加した合金が用いられるため、導電性を必要とする上部
引き出し電極7の作製時は成膜雰囲気に不活性ガスを用
い、引き続いて水素透過抑止層8の成膜時には、成膜雰
囲気に不活性ガスのほかに窒素や酸素などの窒化,酸化
に必要なガスを添加することにより、上部引き出し電極
7上に窒化アルミニウムもしくは酸化アルミニウムを含
む層が形成される。
ーゲットを用いる場合は、まずAr100%雰囲気下で
成膜を行い、900nmの上部引き出し電極を作製した
後、雰囲気ガスをAr/N2=30/70として同じタ
ーゲットでスパッタリングを行い、100nmの窒化ア
ルミニウム層を作製した。
/1雰囲気中で400℃熱処理した後のメモリ動作試験
では、信号電圧の大きさから実施形態1に示されたセル
と同等の特性、すなわち水素中での熱処理後以前に比べ
て残留分極値の劣化が10%以下であることを確認し
た。
アルミニウム層を窒素プラズマ処理して作成することも
可能である。上部引き出し電極7のアルミニウムを作製
した後、300℃でAr/N2=1/1のECRプラズ
マ中で30分間処理することにより得られた試料の深さ
方向組成分析結果を図5に示す。窒素の組成比は一定で
はないが、表面から約150nmまでの深さで窒素が検
出されている。
/1雰囲気中で400℃熱処理した後のメモリ動作試験
では、信号電圧の大きさから実施形態1に示されたセル
と同等の特性、すなわち水素中での熱処理後以前に比べ
て残留分極値の劣化が10%以下であることを確認し
た。
アルミニウム層を酸素または窒素中で熱処理して作成す
ることも可能である。上部引き出し電極7のアルミニウ
ムを作製した後、急速加熱処理装置を用いて700℃で
10秒間N2100%中で熱処理することにより得られ
た試料の深さ方向組成分析結果を図6に示す。
一定ではないが、表面から約250nmまでの深さで窒
素が検出されている。このように作製されたセルをH2
/N2=1/1雰囲気中で400℃熱処理した後のメモ
リ動作試験では、信号電圧の大きさから実施形態1に示
されたセルと同等の特性、すなわち水素中での熱処理以
前に比べて残留分極値の劣化が10%以下であることを
確認した。
として窒化アルミニウムを用いた例を述べたが、同様の
効果は、水素透過抑止層を酸化アルミニウム,酸化窒化
アルミニウムとしても得られており、これらの材料を水
素透過抑止層として用いることを制限するものではな
い。水素透過抑止層の膜厚に関しても、およそ10nm
以上存在すれば、水素透過抑止効果を示すことがわかっ
ている。また水素透過抑止層の成膜法も実施形態中で述
べたスパッタ法に限定されず、CVD法,塗布法などを
用いることが可能である。
誘電体を用いた半導体集積回路の作製工程の一つである
水素を含む雰囲気下での熱処理工程での、強誘電体の残
留分極,絶縁特性,比誘電率の劣化を防止することがで
きる。
略化されており、素子の信頼性を向上させることができ
る。
断面図である。
特性及び絶縁特性を示す図である。
後の閾値電圧分布を示す図である。
断面図である。
示す図である。
示す図である。
図である。
図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 水素透過抑止層を有する強誘電体を用い
た半導体集積回路であって、 水素透過抑止層は、強誘電体の水素との接触を避けるた
めの水素の透過を抑止する性質を有し、アルミニウムの
酸化物もしくは窒化物を含む組成で形成された層である
ことを特徴とする強誘電体を用いた半導体集積回路。 - 【請求項2】 前記水素透過抑止層は、アルミニウムも
しくはアルミニウムとSi,Cuなどの合金で形成され
た半導体集積回路の引き出し電極の上部に形成されたも
のであることを特徴とする請求項1に記載の強誘電体を
用いた半導体集積回路。 - 【請求項3】 強誘電体を含む素子に、その上部のみを
覆うアルミニウムの酸化物もしくは窒化物が存在してい
ることを特徴とする請求項2に記載の強誘電体を用いた
半導体集積回路。 - 【請求項4】 強誘電体を含む素子は、該素子の各電極
と対応する引き出し電極との電気的接触をとる部分を除
いて前記水素透過抑止層に覆われていることを特徴とす
る請求項1,2,又は3に記載の強誘電体を用いた半導
体集積回路。 - 【請求項5】 アルミニウムもしくはアルミニウムにS
i,Cuなどを添加した合金を引き出し電極に用い、酸
素もしくは窒素を含まない雰囲気で所望の厚さだけを成
膜し、 引き続いて酸素もしくは窒素を含む雰囲気で所望の厚さ
だけ成膜することにより、引き出し電極と水素透過抑止
層を一括して作製することを特徴とする請求項2,3に
記載の強誘電体を用いた半導体集積回路の製造方法。 - 【請求項6】 アルミニウムもしくはアルミニウムにS
i,Cuなどを添加した合金を活性な酸素もしくは窒素
を含むプラズマに晒すことで元の合金の一部を酸化、も
しくは窒化することにより形成することを特徴とする請
求項2,3,4に記載の強誘電体を用いた半導体集積回
路の製造方法。 - 【請求項7】 アルミニウムもしくはアルミニウムにS
i,Cuなどを添加した合金を酸素もしくは窒素雰囲気
中で熱処理することで元の合金の一部を酸化、もしくは
窒化することにより形成することを特徴とする請求項
2,3,4に記載の強誘電体を用いた半導体集積回路の
製造方法。
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JP8150946A JP2917916B2 (ja) | 1996-06-12 | 1996-06-12 | 強誘電体を用いた半導体集積回路とその製造方法 |
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