JPH09294584A - ヒト腫瘍壊死因子に対するモノクロナール抗体 - Google Patents
ヒト腫瘍壊死因子に対するモノクロナール抗体Info
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- JPH09294584A JPH09294584A JP8349507A JP34950796A JPH09294584A JP H09294584 A JPH09294584 A JP H09294584A JP 8349507 A JP8349507 A JP 8349507A JP 34950796 A JP34950796 A JP 34950796A JP H09294584 A JPH09294584 A JP H09294584A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 新規ヒト腫瘍壊死因子に対するモノクロナー
ル抗体。 【解決手段】 ハイブリッドセルラインECACC87
050801から生産され、かつその重鎖がサブタイプ
IgGγ−3を示すことを特徴とする、天然及び/又は
組換えヒト腫瘍壊死因子(TNF)と反応するモノクロ
ナール抗体の提供。 【効果】 敗血症用薬及びリューマチ性疾患用薬として
の使用。
ル抗体。 【解決手段】 ハイブリッドセルラインECACC87
050801から生産され、かつその重鎖がサブタイプ
IgGγ−3を示すことを特徴とする、天然及び/又は
組換えヒト腫瘍壊死因子(TNF)と反応するモノクロ
ナール抗体の提供。 【効果】 敗血症用薬及びリューマチ性疾患用薬として
の使用。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト腫瘍壊死因子
(TNF)に対して特異性の高いモノクロナール抗体
(mAb)を合成する雑種細胞系、TNFに対するモノ
クロナール抗体、この雑種細胞系及び抗体の製法、なら
びにこのモノクロナール抗体の使用に関する。
(TNF)に対して特異性の高いモノクロナール抗体
(mAb)を合成する雑種細胞系、TNFに対するモノ
クロナール抗体、この雑種細胞系及び抗体の製法、なら
びにこのモノクロナール抗体の使用に関する。
【0002】
【従来の技術】マウス骨髄腫細胞と免疫されたマウスか
らの脾臓細胞との融合(コーラー及びミルシュタイン
著、ネイチャー第256巻1957年495〜497頁
参照)により、均質な(モノクロナール)抗体を産生す
る連続的な細胞系を得ることが可能であることが初めて
示された。それ以来、種々の雑種細胞(ハイブリドーマ
と呼ばれる)を製造するため、そしてそれが産生する抗
体を種々の科学的研究に使用するための多くの試みがな
された(カレント・トピックス・イン・マイクロバイオ
ロジイ・アンド・イムノロジイ第8巻:リンホサイト・
ハイブリドーマス、シュプリンガー出版社1978年参
照)。
らの脾臓細胞との融合(コーラー及びミルシュタイン
著、ネイチャー第256巻1957年495〜497頁
参照)により、均質な(モノクロナール)抗体を産生す
る連続的な細胞系を得ることが可能であることが初めて
示された。それ以来、種々の雑種細胞(ハイブリドーマ
と呼ばれる)を製造するため、そしてそれが産生する抗
体を種々の科学的研究に使用するための多くの試みがな
された(カレント・トピックス・イン・マイクロバイオ
ロジイ・アンド・イムノロジイ第8巻:リンホサイト・
ハイブリドーマス、シュプリンガー出版社1978年参
照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】その生物学的性質のた
め、TNFは腫瘍性疾患の興味深くかつ有望な処置剤で
あることが明らかである。天然細胞中のTNFの濃度が
きわめて低いため、初期には詳細な研究は失敗に終っ
た。ヒト蛋白質を下等生物中でクローニングできる可能
性を有する遺伝子操作が開発されるまでは、TNFを微
生物中で発現させることはできなかった。高度に精製さ
れた形で、この組換えTNF(rTNF)は天然TNF
(nTNF)と同じ効果を有する。
め、TNFは腫瘍性疾患の興味深くかつ有望な処置剤で
あることが明らかである。天然細胞中のTNFの濃度が
きわめて低いため、初期には詳細な研究は失敗に終っ
た。ヒト蛋白質を下等生物中でクローニングできる可能
性を有する遺伝子操作が開発されるまでは、TNFを微
生物中で発現させることはできなかった。高度に精製さ
れた形で、この組換えTNF(rTNF)は天然TNF
(nTNF)と同じ効果を有する。
【0004】科学的研究ならびに治療上の使用は、TN
Fの活性ばかりでなく蛋白質TNF自体を検出すること
を必要にした。生物学的活性の測定は常に面倒で費用が
かかる。
Fの活性ばかりでなく蛋白質TNF自体を検出すること
を必要にした。生物学的活性の測定は常に面倒で費用が
かかる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、組換えヒト腫
瘍壊死因子(TNF)により免疫されたマウスの骨髄腫
細胞と脾臓細胞との細胞融合により得られたものであ
り、そして天然及び/又は組換えTNFと反応するモノ
クロナール抗体を産生する雑種細胞系から得られる天然
及び/又は組換えTNFと反応する新規なモノクロナー
ル抗体である。
瘍壊死因子(TNF)により免疫されたマウスの骨髄腫
細胞と脾臓細胞との細胞融合により得られたものであ
り、そして天然及び/又は組換えTNFと反応するモノ
クロナール抗体を産生する雑種細胞系から得られる天然
及び/又は組換えTNFと反応する新規なモノクロナー
ル抗体である。
【0006】本発明はさらに、細胞融合により抗体を産
生する雑種細胞系を製造し、この細胞をサブクローニン
グし、そして細胞が生長したのち、抗ヒト腫瘍壊死因子
特異性を有するモノクロナール抗体を分離することを特
徴とする、このモノクロナール抗体の製法を記載する。
生する雑種細胞系を製造し、この細胞をサブクローニン
グし、そして細胞が生長したのち、抗ヒト腫瘍壊死因子
特異性を有するモノクロナール抗体を分離することを特
徴とする、このモノクロナール抗体の製法を記載する。
【0007】モノクロナール抗体の製造は公知の方法
(モノクロナール・アンティボディズ、ケネットら著、
プレナム・プレス社発行、1980年363〜419頁
参照)に基づいて行われた。
(モノクロナール・アンティボディズ、ケネットら著、
プレナム・プレス社発行、1980年363〜419頁
参照)に基づいて行われた。
【0008】BALB/cマウスを、大腸菌からの精製
組換えTNFの少量を繰返し注射することにより免疫し
た。血清中に充分な抗体が検出されるとすぐに、この動
物の脾臓細胞を骨髄腫細胞と融合し、そして雑種を培養
した。
組換えTNFの少量を繰返し注射することにより免疫し
た。血清中に充分な抗体が検出されるとすぐに、この動
物の脾臓細胞を骨髄腫細胞と融合し、そして雑種を培養
した。
【0009】個々の培養物は、TNFに対する特異的抗
体の濃度についてのスクリーニング試験にかけられた。
体の濃度についてのスクリーニング試験にかけられた。
【0010】適当なハイブリドーマの単一細胞から導か
れたコロニーを、制限希釈クローニング法により分離し
た。この方法により4種の雑種細胞系が得られ、これら
が異なる性質を有するモノクロナール抗体を分泌するこ
とにより区別された。すなわち雑種細胞系AM−1、A
M−114、AM−195及びAM−199である。こ
れらの細胞系は、英国ソリズパリイSP4 OJ6・ポ
ートン・ダウン所在の応用微生物学及び研究のためのP
HLSセンター、動物細胞培養物のヨーロッパ収集所
(ECACC)に、番号87−050804、87−0
50803、87−050801及び87−05080
2として寄託されている。
れたコロニーを、制限希釈クローニング法により分離し
た。この方法により4種の雑種細胞系が得られ、これら
が異なる性質を有するモノクロナール抗体を分泌するこ
とにより区別された。すなわち雑種細胞系AM−1、A
M−114、AM−195及びAM−199である。こ
れらの細胞系は、英国ソリズパリイSP4 OJ6・ポ
ートン・ダウン所在の応用微生物学及び研究のためのP
HLSセンター、動物細胞培養物のヨーロッパ収集所
(ECACC)に、番号87−050804、87−0
50803、87−050801及び87−05080
2として寄託されている。
【0011】これらの雑種細胞を、試験管内及び生体内
の両方の培養により生長させた。生体内での高い生長速
度はこの培養法を特に好適にした。プリスタン(R)に
より前処理された名称BALB/cマウスに、各雑種株
の細胞を腹腔内注射により与えた。形成された腹水腫瘍
を8〜10日後に採取した。
の両方の培養により生長させた。生体内での高い生長速
度はこの培養法を特に好適にした。プリスタン(R)に
より前処理された名称BALB/cマウスに、各雑種株
の細胞を腹腔内注射により与えた。形成された腹水腫瘍
を8〜10日後に採取した。
【0012】TNFに対するモノクロナール抗体は、試
験管内細胞培養又は腹水液からの上澄液を精製処理する
ことにより分離された。精製はブルッフらの方法(J.
Immunol.Methods第53巻1982年3
13〜319頁参照)に基づいて行われた。
験管内細胞培養又は腹水液からの上澄液を精製処理する
ことにより分離された。精製はブルッフらの方法(J.
Immunol.Methods第53巻1982年3
13〜319頁参照)に基づいて行われた。
【0013】モノクロナール抗体の分子の特性は下記の
ように決定された。
ように決定された。
【0014】精製された抗体の分子量は150000ダ
ルトンに等しいかそれより大きい(ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動により測定)。
ルトンに等しいかそれより大きい(ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動により測定)。
【0015】抗体AM−1、AM−114及びAM−1
99はIgG1型のもので、その重鎖はガンマ1であ
る。抗体AM−195はIgG3型のもので、その重鎖
はガンマ3である。軽鎖はすべての抗体においてカッパ
である(ELISAにおけるサブタイプ特異的抗体によ
り測定)。
99はIgG1型のもので、その重鎖はガンマ1であ
る。抗体AM−195はIgG3型のもので、その重鎖
はガンマ3である。軽鎖はすべての抗体においてカッパ
である(ELISAにおけるサブタイプ特異的抗体によ
り測定)。
【0016】モノクロナール抗体は、>109l/mo
l程度の高い親和定数を有し、リンホトキシンと交叉反
応しない。
l程度の高い親和定数を有し、リンホトキシンと交叉反
応しない。
【0017】TNF分子上の個々の抗体のための結合部
位の相対的位置は、抗体の競合結合により調べられた。
位の相対的位置は、抗体の競合結合により調べられた。
【0018】TNFをマイクロ滴定板上に固定した。1
種のビチオン標識抗体を、他の未標識抗体とともに保温
した。TNF上の類似の部位に対し抗体の相互反応があ
る組合せを調べた。抗体AM−195が結合するエピト
ープは、AM−1及びAM−199のためのそれと相違
する。AM−114についてわずかな競合が観察され
た。
種のビチオン標識抗体を、他の未標識抗体とともに保温
した。TNF上の類似の部位に対し抗体の相互反応があ
る組合せを調べた。抗体AM−195が結合するエピト
ープは、AM−1及びAM−199のためのそれと相違
する。AM−114についてわずかな競合が観察され
た。
【0019】TNF活性は普通の細胞毒検定法により測
定された。組換え及び天然TNFを過剰の抗体とともに
保温した。両TNF標本の細胞毒活性は抗体AM−19
5により中和された。AM−114による中和は1/1
0の強さであった。この知見は、抗原上の異なる領域が
種々の抗体と別様に反応すると仮定することにより説明
できる。AM−195モノクロナール抗体だけが、生物
学的活性に対して責任のある部位と反応する。
定された。組換え及び天然TNFを過剰の抗体とともに
保温した。両TNF標本の細胞毒活性は抗体AM−19
5により中和された。AM−114による中和は1/1
0の強さであった。この知見は、抗原上の異なる領域が
種々の抗体と別様に反応すると仮定することにより説明
できる。AM−195モノクロナール抗体だけが、生物
学的活性に対して責任のある部位と反応する。
【0020】抗体の結合及びTNFの中和の結果は、T
NFの少なくとも3種の異なるエピトープを認めること
ができ、そしてモノクロナール抗体の採取により定義し
うることを示すものである。
NFの少なくとも3種の異なるエピトープを認めること
ができ、そしてモノクロナール抗体の採取により定義し
うることを示すものである。
【0021】抗体を用いて特定の抗原を検出するために
は、原則として二つの検定方法が可能である。両者にお
いて、抗原中に天然の標識がない場合には一方の成分を
標識する必要がある。抗原に、例えば放射活性標識同位
体により標識を行い、この場合は通常は競合置換検定法
例えばラジオイムノアッセイ(RIA)を用い、あるい
は抗体を標識する。この場合の好ましい検定法の型はイ
ムノラジオメトリックアッセイ(IRMA)、酵素免疫
測定法(ELISA)又は化学発光測定法である。これ
ら種々の測定法及びその変法の詳細は、この技術の専門
家に公知である。
は、原則として二つの検定方法が可能である。両者にお
いて、抗原中に天然の標識がない場合には一方の成分を
標識する必要がある。抗原に、例えば放射活性標識同位
体により標識を行い、この場合は通常は競合置換検定法
例えばラジオイムノアッセイ(RIA)を用い、あるい
は抗体を標識する。この場合の好ましい検定法の型はイ
ムノラジオメトリックアッセイ(IRMA)、酵素免疫
測定法(ELISA)又は化学発光測定法である。これ
ら種々の測定法及びその変法の詳細は、この技術の専門
家に公知である。
【0022】他の選択は、低分子量ハプテンの抗体との
カップリングであり、これは第二の反応により特異的に
検出できる。普通に用いられるものの例は、ストレプト
アビジンと反応するビオチンである。従って本発明のす
べての抗体は、長鎖ビオチンにより標識され、後続の段
階においてストレプトアビジン/セイヨウワサビパーオ
キシダーゼを用いて可視化された。
カップリングであり、これは第二の反応により特異的に
検出できる。普通に用いられるものの例は、ストレプト
アビジンと反応するビオチンである。従って本発明のす
べての抗体は、長鎖ビオチンにより標識され、後続の段
階においてストレプトアビジン/セイヨウワサビパーオ
キシダーゼを用いて可視化された。
【0023】本明細書に記載される検定法は、固相サン
ドイッチELISAである。未標識の抗体(AM−1又
はAM−199)を受身吸着又は共有結合により表面例
えばマイクロ滴定板に結合し、そしてこの表面を既知の
手段で非特異的結合に対してブロックした。TNF含有
試料及びビオチンで標識した抗体(AM−195)を、
ピペットでウェル中に入れ、そして保温した。試料中の
TNFを10pg/mlの検出限界で検出できることが
示された。rTNFはマウスL929の測定において
8.0×106U/mgの比活性を有するので、このE
LISA法により0.1UのTNF/mlを検出するこ
とが可能である。ウエスタン・ブロッティング法は抗体
がヒト血清のどの成分とも交叉反応しないことを示し
た。従って本発明の抗体は、TNFにより処置された患
者の血清中のTNFを測定するために用いることができ
る。これらの抗体は現行の診断の目的に、例えば血清及
び血漿中のTNFレベルを検査するために用いることも
できる。
ドイッチELISAである。未標識の抗体(AM−1又
はAM−199)を受身吸着又は共有結合により表面例
えばマイクロ滴定板に結合し、そしてこの表面を既知の
手段で非特異的結合に対してブロックした。TNF含有
試料及びビオチンで標識した抗体(AM−195)を、
ピペットでウェル中に入れ、そして保温した。試料中の
TNFを10pg/mlの検出限界で検出できることが
示された。rTNFはマウスL929の測定において
8.0×106U/mgの比活性を有するので、このE
LISA法により0.1UのTNF/mlを検出するこ
とが可能である。ウエスタン・ブロッティング法は抗体
がヒト血清のどの成分とも交叉反応しないことを示し
た。従って本発明の抗体は、TNFにより処置された患
者の血清中のTNFを測定するために用いることができ
る。これらの抗体は現行の診断の目的に、例えば血清及
び血漿中のTNFレベルを検査するために用いることも
できる。
【0024】本発明の抗体はTNFを不活性化するので
(実施例6参照)、血中TNF濃度が上昇する疾患、例
えば敗血症性ショックの処置のために使用できる。さら
に次の障害におけるTNF抗体での処置があげられる。
移植拒絶反応、アレルギー、自己免疫性疾患、リウマチ
性障害、肺ショック、炎症性骨疾患、凝固障害及び火
傷。この目的に適する抗体は、TNFの細胞毒活性を中
和するものである。
(実施例6参照)、血中TNF濃度が上昇する疾患、例
えば敗血症性ショックの処置のために使用できる。さら
に次の障害におけるTNF抗体での処置があげられる。
移植拒絶反応、アレルギー、自己免疫性疾患、リウマチ
性障害、肺ショック、炎症性骨疾患、凝固障害及び火
傷。この目的に適する抗体は、TNFの細胞毒活性を中
和するものである。
【0025】TNFを含有する生物学的材料からTNF
を抽出するために、免疫アフィニティクロマトグラフィ
を用いることもできる。このためには抗体を既知の方法
によりゲルマトリックスに結合し、これにTNF含有溶
液を通過させる。
を抽出するために、免疫アフィニティクロマトグラフィ
を用いることもできる。このためには抗体を既知の方法
によりゲルマトリックスに結合し、これにTNF含有溶
液を通過させる。
【0026】
【実施例】下記の実施例により本発明をより詳細に説明
する。
する。
【0027】実施例1 モノクロナール抗体の製造 (a)BALB/cマウスの免疫 雌性BALB/cマウスを、完全なフロインドのアジュ
バント0.5ml中のrTNF30μgを用いて腹腔内
注射(i.p.)により免疫した。14日後に動物に、
不完全なフロインドのアジュバント中の抗体30μgを
再び腹腔内注射により投与した。さらに2回の腹腔内注
射による免疫を、各30μgの抗体を用いて14日の間
隔で行った。最後の抗体投与の3日後に、2匹の動物の
脾臓を摘出した。
バント0.5ml中のrTNF30μgを用いて腹腔内
注射(i.p.)により免疫した。14日後に動物に、
不完全なフロインドのアジュバント中の抗体30μgを
再び腹腔内注射により投与した。さらに2回の腹腔内注
射による免疫を、各30μgの抗体を用いて14日の間
隔で行った。最後の抗体投与の3日後に、2匹の動物の
脾臓を摘出した。
【0028】(b)脾臓細胞懸濁液の製造 摘出された脾臓から、ステンレススチール製スクリーン
(目幅100μm)にこの器官を強制的に通過させるこ
とにより、細胞懸濁液を製造した。ぶどう糖4.5g/
l、グルタミン10mM、ペニシリン1000単位/m
l、ストレプトマイシン100μg/ml及び胎児牛血
清15%が追加されたダルベッコの最小必須培地(DM
EM)中に細胞を移した。細胞をこの培地で3回洗浄し
たのち、同じ培地中に希望する濃度に再懸濁した。一般
に各脾臓から約5〜10×107個の細胞が得られた。
(目幅100μm)にこの器官を強制的に通過させるこ
とにより、細胞懸濁液を製造した。ぶどう糖4.5g/
l、グルタミン10mM、ペニシリン1000単位/m
l、ストレプトマイシン100μg/ml及び胎児牛血
清15%が追加されたダルベッコの最小必須培地(DM
EM)中に細胞を移した。細胞をこの培地で3回洗浄し
たのち、同じ培地中に希望する濃度に再懸濁した。一般
に各脾臓から約5〜10×107個の細胞が得られた。
【0029】(c)骨髄腫細胞の生長 骨髄腫細胞Sp2/O−Ag14(ATCC No.C
RL8287)を融合のために使用した。この細胞は2
0μg/mlの8−アザグアニンに耐性であるが、ヒポ
キサンチン、アミノプテリン及びチミジンを含有する培
地中(HAT)ではもはや生長できない。この細胞を、
ぶどう糖4.5g/l、グルタミン10mM、ペニシリ
ン1000単位/ml、ストレプトマイシン100μg
/ml及び胎児牛血清15%が追加されたDMEM(完
全培地)中で培養した。この細胞を、生長の対数増殖期
において融合に用いた。
RL8287)を融合のために使用した。この細胞は2
0μg/mlの8−アザグアニンに耐性であるが、ヒポ
キサンチン、アミノプテリン及びチミジンを含有する培
地中(HAT)ではもはや生長できない。この細胞を、
ぶどう糖4.5g/l、グルタミン10mM、ペニシリ
ン1000単位/ml、ストレプトマイシン100μg
/ml及び胎児牛血清15%が追加されたDMEM(完
全培地)中で培養した。この細胞を、生長の対数増殖期
において融合に用いた。
【0030】(d)細胞融合 脾臓細胞懸濁液を骨髄腫細胞と5:1の割合で混合し、
血清不含のDMEMで洗浄した。洗浄された細胞を血清
不含のDMEM30ml中に再懸濁し、内容50mlの
ポリプロピレン製円錐管中で800rpmで5分間遠心
分離した。上澄液を完全に吸引濾過した。分子量200
0のポリエチレングリコール(PEG、ベーリンガー
社)の50%溶液0.5mlを、きわめて注意深くペレ
ットに添加し、ペレットを軽くたたいてPEGと混合
し、次いで混合物を1000rpmで3分間遠心分離し
た。DMEM10mlを添加し、細胞ペレットを注意深
く懸濁し、次いで2000rpmで3分間遠心分離し
た。細胞ペレットを2×106細胞/mlの濃度でHA
T培地中に再懸濁し、その0.2mlをマイクロ滴定板
上に分散した。前日に、主としてマクロファージである
腹腔内単核細胞約50000個を、供与者細胞としてウ
ェル中に入れた。
血清不含のDMEMで洗浄した。洗浄された細胞を血清
不含のDMEM30ml中に再懸濁し、内容50mlの
ポリプロピレン製円錐管中で800rpmで5分間遠心
分離した。上澄液を完全に吸引濾過した。分子量200
0のポリエチレングリコール(PEG、ベーリンガー
社)の50%溶液0.5mlを、きわめて注意深くペレ
ットに添加し、ペレットを軽くたたいてPEGと混合
し、次いで混合物を1000rpmで3分間遠心分離し
た。DMEM10mlを添加し、細胞ペレットを注意深
く懸濁し、次いで2000rpmで3分間遠心分離し
た。細胞ペレットを2×106細胞/mlの濃度でHA
T培地中に再懸濁し、その0.2mlをマイクロ滴定板
上に分散した。前日に、主としてマクロファージである
腹腔内単核細胞約50000個を、供与者細胞としてウ
ェル中に入れた。
【0031】(e)ハイブリドーマの選択及び培養 細胞融合したのち、細胞をリトルフィールドHAT培地
(サイエンス第145巻1964年709〜712頁参
照)中で37℃において、CO2を5%含有する湿った
雰囲気中で培養した。
(サイエンス第145巻1964年709〜712頁参
照)中で37℃において、CO2を5%含有する湿った
雰囲気中で培養した。
【0032】1週間に2回、培地の半分を新しいHAT
培地で置き換えることにより培養物を育てた。数週間の
のち、ハイブリドーマ細胞培養物からの上澄液を、抗ヒ
ト腫瘍壊死因子活性の存在について調べた。スクリーニ
ング試験において正の結果を示したハイブリドーマを、
クローニングのために選択した。このためにはハイブリ
ドーマを制限希釈法に付し、その際96個のマイクロ滴
定ウェルのそれぞれに平均で0.5個の細胞/ウェルを
入れ、そして105個のマウス胸腺細胞を供与者細胞と
して添加した。このクローニング操作により選択された
抗体産生細胞を増殖し、凍結し、そして液体窒素中で胎
児牛血清10%及びジメチルスルホキシド10%を含有
する完全培地中に貯蔵した。
培地で置き換えることにより培養物を育てた。数週間の
のち、ハイブリドーマ細胞培養物からの上澄液を、抗ヒ
ト腫瘍壊死因子活性の存在について調べた。スクリーニ
ング試験において正の結果を示したハイブリドーマを、
クローニングのために選択した。このためにはハイブリ
ドーマを制限希釈法に付し、その際96個のマイクロ滴
定ウェルのそれぞれに平均で0.5個の細胞/ウェルを
入れ、そして105個のマウス胸腺細胞を供与者細胞と
して添加した。このクローニング操作により選択された
抗体産生細胞を増殖し、凍結し、そして液体窒素中で胎
児牛血清10%及びジメチルスルホキシド10%を含有
する完全培地中に貯蔵した。
【0033】(f)特異的TNF抗体のためのスクリー
ニング試験 rTNFを、PBS(燐酸塩緩衝塩水、NaCl 0.
8%及び燐酸ナトリウム0.02モルを含有し、HCl
又はNaOHでpH7.4にしたもの)中に3μg/m
lに希釈した。この溶液の各0.1mlをマイクロタイ
ター(R)板のウェル中に入れた。室温で2時間のの
ち、上澄液を吸引濾過し、ウェルを1%牛血清アルブミ
ン溶液(シグマ社、RIA等級)0.3mlで30分以
内に処理し、次いで上澄液を捨てた。生長しているハイ
ブリドーマ細胞系(約20〜30%集合)からの上澄液
又は免疫されたマウスからの血清の希釈液を、室温で2
時間以上保温した。ウェルをPBS 0.3mlで数回
洗浄した。次いで適当な濃度の抗マウス免疫グロブリン
抗体(マイルズ社製)0.1mlとともに室温で2時間
保温した。これらの抗体を酵素標識としてのパーオキシ
ダーゼとカップリングした。正のパーオキシダーゼ反応
を有するウェルは、抗原に特異的な抗体を示した。
ニング試験 rTNFを、PBS(燐酸塩緩衝塩水、NaCl 0.
8%及び燐酸ナトリウム0.02モルを含有し、HCl
又はNaOHでpH7.4にしたもの)中に3μg/m
lに希釈した。この溶液の各0.1mlをマイクロタイ
ター(R)板のウェル中に入れた。室温で2時間のの
ち、上澄液を吸引濾過し、ウェルを1%牛血清アルブミ
ン溶液(シグマ社、RIA等級)0.3mlで30分以
内に処理し、次いで上澄液を捨てた。生長しているハイ
ブリドーマ細胞系(約20〜30%集合)からの上澄液
又は免疫されたマウスからの血清の希釈液を、室温で2
時間以上保温した。ウェルをPBS 0.3mlで数回
洗浄した。次いで適当な濃度の抗マウス免疫グロブリン
抗体(マイルズ社製)0.1mlとともに室温で2時間
保温した。これらの抗体を酵素標識としてのパーオキシ
ダーゼとカップリングした。正のパーオキシダーゼ反応
を有するウェルは、抗原に特異的な抗体を示した。
【0034】最初に用いた360個のウェルの80%に
おいて、細胞の生長が観察された。これらのうち12個
がTNFスクリーニング試験において正の結果を示し
た。繰返し試験すると、そのうちの11個が正であっ
た。4種の異なるモノクロナールハイブリドーマを本発
明のために追求した。それはAM−1、AM−195、
AM−114及びAM−199である。
おいて、細胞の生長が観察された。これらのうち12個
がTNFスクリーニング試験において正の結果を示し
た。繰返し試験すると、そのうちの11個が正であっ
た。4種の異なるモノクロナールハイブリドーマを本発
明のために追求した。それはAM−1、AM−195、
AM−114及びAM−199である。
【0035】(g)ハイブリドーマ細胞培養の展開 細胞培養における展開(試験管内):約2×107個の
細胞を、175cm2の生長面積を有する細胞培養ビン
中に入れた。3日後に、細胞不含の上澄液は、細胞によ
り分泌されたモノクロナール抗体を10〜20μg/m
lの範囲で含有していた。
細胞を、175cm2の生長面積を有する細胞培養ビン
中に入れた。3日後に、細胞不含の上澄液は、細胞によ
り分泌されたモノクロナール抗体を10〜20μg/m
lの範囲で含有していた。
【0036】マウス腹水における展開(生体内):BA
LB/cマウスに、腹膜の条件付けのためにプリスタン
(R)0.5mlを腹腔内注射により与えた。PBS中
の5〜10×106個のハイブリドーマの懸濁液を、前
処置された各動物に1〜2週間の期間にわたり投与し
た。8〜10日ののち、腹膜を針で刺し、細胞を含有す
る腹水液を採取した。
LB/cマウスに、腹膜の条件付けのためにプリスタン
(R)0.5mlを腹腔内注射により与えた。PBS中
の5〜10×106個のハイブリドーマの懸濁液を、前
処置された各動物に1〜2週間の期間にわたり投与し
た。8〜10日ののち、腹膜を針で刺し、細胞を含有す
る腹水液を採取した。
【0037】腹水液の試料の細胞成分を遠心分離(50
00rpm、5分)により除去した。モノクロナール抗
体を含有する上澄液を小分けして−70℃で凍結する
か、あるいはクロマトグラフィにより少なくとも90%
に精製した。純度はドデシル硫酸ナトリウム/ポリアク
リルアミドゲル電気泳動により評価された(西独特許出
願公開3330160号明細書参照)。
00rpm、5分)により除去した。モノクロナール抗
体を含有する上澄液を小分けして−70℃で凍結する
か、あるいはクロマトグラフィにより少なくとも90%
に精製した。純度はドデシル硫酸ナトリウム/ポリアク
リルアミドゲル電気泳動により評価された(西独特許出
願公開3330160号明細書参照)。
【0038】(h)モノクロナール抗体の型の決定 モノクロナール抗体を、ELISA系において特性決定
した。マイクロ滴定板のくぼみにrTNF(5μg/m
l)を充填した。このように準備された板を、細胞培養
からの精製モノクロナール抗体とともに室温で2時間保
温したのち、第2の保温段階(室温で2時間)を、種々
のクラス及びサブクラスの抗マウス免疫グロブリンなら
びに種々のクラスの免疫グロブリンの軽鎖及び重鎖(マ
イルズ社製)とともに行った。他の段階で、パーオキシ
ダーゼで標識したヤギ抗ウサギ免疫グロブリン(マイル
ズ社製)を添加した。1時間保温したのち、着色基質で
あるテトラメチルベンジジン(マイルズ社製)及び過酸
化水素を添加して酵素反応を開始した。その結果を第1
表にまとめて示す。
した。マイクロ滴定板のくぼみにrTNF(5μg/m
l)を充填した。このように準備された板を、細胞培養
からの精製モノクロナール抗体とともに室温で2時間保
温したのち、第2の保温段階(室温で2時間)を、種々
のクラス及びサブクラスの抗マウス免疫グロブリンなら
びに種々のクラスの免疫グロブリンの軽鎖及び重鎖(マ
イルズ社製)とともに行った。他の段階で、パーオキシ
ダーゼで標識したヤギ抗ウサギ免疫グロブリン(マイル
ズ社製)を添加した。1時間保温したのち、着色基質で
あるテトラメチルベンジジン(マイルズ社製)及び過酸
化水素を添加して酵素反応を開始した。その結果を第1
表にまとめて示す。
【0039】 第 1 表 抗 体 クラス 重 鎖 軽 鎖 AM−1 IgG ガンマ1 カッパ (ECACC87−050804) AM−114 IgG ガンマ1 カッパ (ECACC87−050803) AM−195 IgG ガンマ3 カッパ (ECACC87−050801) AM−199 IgG ガンマ1 カッパ (ECACC87−050802) (i)モノクロナール抗体の標識 NHS−LC−ビオチン(ピアス社製)をPBSに溶解
し、濃度を1mg/mlにした。この溶液の0.1ml
を精製モノクロナール抗体(0.5mg/mlPBS)
0.1mlと混合し、この溶液を室温で2時間保温し
た。反応に続いて、溶液をPBSで1mlとなし、4℃
でPBSに対して透析した。透析液すなわち透析管中の
溶液を、使用するまで4℃で貯蔵した。
し、濃度を1mg/mlにした。この溶液の0.1ml
を精製モノクロナール抗体(0.5mg/mlPBS)
0.1mlと混合し、この溶液を室温で2時間保温し
た。反応に続いて、溶液をPBSで1mlとなし、4℃
でPBSに対して透析した。透析液すなわち透析管中の
溶液を、使用するまで4℃で貯蔵した。
【0040】実施例2 TNFに対するモノクロナール抗体の親和性 親和性定数を、ELISAからのデータを用いて測定し
た。このためには精製抗体を一定量のTNFに対して滴
定し、そして抗体の結合を、パーオキシダーゼで標識し
たウサギ抗マウス免疫グロブリンの結合により検出し
た。特異性プログラムを用いて結合のデータを分析し
た。
た。このためには精製抗体を一定量のTNFに対して滴
定し、そして抗体の結合を、パーオキシダーゼで標識し
たウサギ抗マウス免疫グロブリンの結合により検出し
た。特異性プログラムを用いて結合のデータを分析し
た。
【0041】 第 2 表 モノクロナール抗体の親和性定数 抗 体 Ka×109l×mol−1 AM−1 1.5 ± 30% AM−114 1.4 ± 30% AM−195 3.5 ± 30% AM−199 2.0 ± 30% これらの会合定数Kaは、抗TNF抗体の高い親和性を
示している。
示している。
【0042】実施例3 TNFの細胞毒活性の中和 TNFの試験管内での生物学的活性を、アガーワルらに
より記載された方法(J.Biol.Chem.第26
0巻1985年2345〜2354頁参照)と同様にし
て、マウス細胞系L929(ATCC No.CCL
1)の溶解により測定した。モノクロナール抗体による
TNFの細胞毒活性の中和の試験において、TNF濃度
は少なくとも90%の細胞が溶解する濃度であった。抗
体をマイクロ滴定板中で完全培地中に1:2で段階的に
希釈した。組換え又は天然TNF(1.3ng/ml)
0.05mlを各抗体溶液(0.1ml)に添加し、混
合物を室温で2時間保温した。次いで培地0.05ml
中のL929細胞50000個を添加し、インキュベー
ター中で20〜24時間保温したのち、細胞を固定し、
クリスタルバイオレットで染色した。
より記載された方法(J.Biol.Chem.第26
0巻1985年2345〜2354頁参照)と同様にし
て、マウス細胞系L929(ATCC No.CCL
1)の溶解により測定した。モノクロナール抗体による
TNFの細胞毒活性の中和の試験において、TNF濃度
は少なくとも90%の細胞が溶解する濃度であった。抗
体をマイクロ滴定板中で完全培地中に1:2で段階的に
希釈した。組換え又は天然TNF(1.3ng/ml)
0.05mlを各抗体溶液(0.1ml)に添加し、混
合物を室温で2時間保温した。次いで培地0.05ml
中のL929細胞50000個を添加し、インキュベー
ター中で20〜24時間保温したのち、細胞を固定し、
クリスタルバイオレットで染色した。
【0043】TNFの細胞毒効果は細胞の溶解に導き、
従って細胞は染色中に洗浄除去される。しかし充分な抗
体が存在する場合には、TNFの細胞毒効果は中和さ
れ、そして細胞は染色される。
従って細胞は染色中に洗浄除去される。しかし充分な抗
体が存在する場合には、TNFの細胞毒効果は中和さ
れ、そして細胞は染色される。
【0044】第 3 表 TNFの細胞毒活性の中和mAK 中 和 AM−1 − AM−114 + AM−195 ++ AM−199 − 第3表から認められるように、中和試験において3種類
の抗体が見出された。TNFの中和は、AM−195で
は0.2μg/ml及びAM−114では2μg/ml
のモノクロナール抗体濃度において認められたが、20
μg/mlのAM−1及びAM−199では中和は不完
全であった。
の抗体が見出された。TNFの中和は、AM−195で
は0.2μg/ml及びAM−114では2μg/ml
のモノクロナール抗体濃度において認められたが、20
μg/mlのAM−1及びAM−199では中和は不完
全であった。
【0045】実施例2における会合定数の測定は、各抗
体がほぼ同じ程度に結合することを示した。抗体を、強
く中和するもの、弱く中和するもの又は全く中和しない
ものに類別することは、TNF分子上の種々のエピトー
プを区別できるようにする情報を提供する。抗体の結合
及びTNFの中和についての結果は、TNFの少なくと
も3種の異なるエピトープを認識することができかつモ
ノクロナール抗体の収集により定義することができるこ
とを示す。
体がほぼ同じ程度に結合することを示した。抗体を、強
く中和するもの、弱く中和するもの又は全く中和しない
ものに類別することは、TNF分子上の種々のエピトー
プを区別できるようにする情報を提供する。抗体の結合
及びTNFの中和についての結果は、TNFの少なくと
も3種の異なるエピトープを認識することができかつモ
ノクロナール抗体の収集により定義することができるこ
とを示す。
【0046】実施例4 TNFの測定 (a)好適な1対のモノクロナール抗体の選択 2種の抗体の同じエピトープへの競合的結合と、異なる
エピトープへの付加的結合とを区別するために、抗体だ
けを用いかつ可能なすべての対の組合せにおいて、固定
化されたTNFへの結合を試験した。TNFは実施例1
に記載のように結合した。精製TNFを、24000n
g/mlから出発して1:4段階に希釈した。次いでビ
オチン化された抗体AM−195を添加したのち、90
分間保温した。ウェルをPBS/0.05%ツイーン
(R)20で洗浄し、ストレプトアビジン−パーオキシ
ダーゼ錯体(BRL社)を添加し、混合物を30分間保
温した。洗浄工程ののち、パーオキシダーゼ基質(実施
例4b参照)0.1mlを各ウェルに添加した。競合的
結合は、シグナルを消失させる結果となる。第4表から
明らかなように、モノクロナール抗体AM−195を結
合するTNFエピトープは、AM−1又はAM−199
のためのものと相違する。AM−114とのわずかな競
合が認められる。この理由から、固定化されたAM−1
又はAM−199抗体とビオチンで標識したAM−19
5を用いて、次の実験を行った。
エピトープへの付加的結合とを区別するために、抗体だ
けを用いかつ可能なすべての対の組合せにおいて、固定
化されたTNFへの結合を試験した。TNFは実施例1
に記載のように結合した。精製TNFを、24000n
g/mlから出発して1:4段階に希釈した。次いでビ
オチン化された抗体AM−195を添加したのち、90
分間保温した。ウェルをPBS/0.05%ツイーン
(R)20で洗浄し、ストレプトアビジン−パーオキシ
ダーゼ錯体(BRL社)を添加し、混合物を30分間保
温した。洗浄工程ののち、パーオキシダーゼ基質(実施
例4b参照)0.1mlを各ウェルに添加した。競合的
結合は、シグナルを消失させる結果となる。第4表から
明らかなように、モノクロナール抗体AM−195を結
合するTNFエピトープは、AM−1又はAM−199
のためのものと相違する。AM−114とのわずかな競
合が認められる。この理由から、固定化されたAM−1
又はAM−199抗体とビオチンで標識したAM−19
5を用いて、次の実験を行った。
【0047】 第 4 表 ビオチンで標識したAM−195のTNF への結合に対するmAKの影響 % 結 合 μg mAK/ml 195 114 199 1 24000 3 33 100 100 6000 4 85 100 100 1500 16 100 100 100 375 63 100 100 100 62 95 100 100 100 0 100 100 100 100 (b)酵素イムノアッセイの設計 抗体AM−1又はAM−199を、受身吸着又は共有結
合により担体(小球、濾材、ポリスチレン又はポリ塩化
ビニル製マイクロ滴定板、濾紙又は他の材料)上に固定
した。モノクロナール抗体の特異性は、特異的な抗原
(この場合はTNF)だけが、この抗原上の単一分子結
合部位を介して結合することを可能にする。結合できる
TNFの量は溶液中の抗原の濃度及び量に比例する。抗
原は、抗体AM−195が他の分子結合部位に結合する
ことにより認識される。抗体AM−195は1個のシグ
ナルを有する。それ故、固定化されたシグナルの量は固
定化された抗原の量に、従って調べられる溶液中の抗原
の濃度にも直接比例する。
合により担体(小球、濾材、ポリスチレン又はポリ塩化
ビニル製マイクロ滴定板、濾紙又は他の材料)上に固定
した。モノクロナール抗体の特異性は、特異的な抗原
(この場合はTNF)だけが、この抗原上の単一分子結
合部位を介して結合することを可能にする。結合できる
TNFの量は溶液中の抗原の濃度及び量に比例する。抗
原は、抗体AM−195が他の分子結合部位に結合する
ことにより認識される。抗体AM−195は1個のシグ
ナルを有する。それ故、固定化されたシグナルの量は固
定化された抗原の量に、従って調べられる溶液中の抗原
の濃度にも直接比例する。
【0048】アッセイの操作: (1)被覆 精製抗体AM−1又はAM−199を粘着緩衝液(重炭
酸ナトリウム緩衝液、pH9.5、4.2g/l=0.
05M)中に0.5μg/mlに希釈した。マイクロ滴
定板のウェルにこの溶液0.1mlを入れ、4℃で16
〜20時間保温した。
酸ナトリウム緩衝液、pH9.5、4.2g/l=0.
05M)中に0.5μg/mlに希釈した。マイクロ滴
定板のウェルにこの溶液0.1mlを入れ、4℃で16
〜20時間保温した。
【0049】(2)遮断 (1)により得られた溶液を吸引濾過し、ウェルをPB
S(NaCl 2g/l、KCl 0.2g/l、Na
2HPO4・2H2O 1.44g/l、KH2PO4
0.2g/l、pH7.0)で2回洗浄し、次いで1
%牛血清アルブミン(シグマ社、RIA等級)により室
温で30分間遮断した。
S(NaCl 2g/l、KCl 0.2g/l、Na
2HPO4・2H2O 1.44g/l、KH2PO4
0.2g/l、pH7.0)で2回洗浄し、次いで1
%牛血清アルブミン(シグマ社、RIA等級)により室
温で30分間遮断した。
【0050】(3)系列希釈及びTNF試料 (2)からの溶液を吸引濾過し、ウェルをPBSで2回
洗浄した。rTNFを緩衝液I[牛血清アルブミン(シ
グマ社、RIA等級)1gをPBS 1lに添加したも
の]により2.5ng/mlとなし、1:2段階に希釈
した。試料各0.1mlをピペットにより各ウェル中に
入れ、室温で2〜4時間保温した。緩衝液(洗浄用緩衝
液:PBS+0.1%ツイーン(R)20)により3回
洗浄したのち、ビオチンで標識した抗体AM−195を
0.1ml添加した。実施例1(h)の方法により製造
した接合物を緩衝液Iにより1:400に希釈し、室温
で2時間又は4〜10℃で16〜20時間保温した。
洗浄した。rTNFを緩衝液I[牛血清アルブミン(シ
グマ社、RIA等級)1gをPBS 1lに添加したも
の]により2.5ng/mlとなし、1:2段階に希釈
した。試料各0.1mlをピペットにより各ウェル中に
入れ、室温で2〜4時間保温した。緩衝液(洗浄用緩衝
液:PBS+0.1%ツイーン(R)20)により3回
洗浄したのち、ビオチンで標識した抗体AM−195を
0.1ml添加した。実施例1(h)の方法により製造
した接合物を緩衝液Iにより1:400に希釈し、室温
で2時間又は4〜10℃で16〜20時間保温した。
【0051】(4)増幅系 ウェルを洗浄用緩衝液により3回洗浄したのち、ストレ
プトアビジン−パーオキシダーゼ錯体(BRL社、PB
S/BSA緩衝液中に1:2000に希釈したもの)
0.1mlとともに室温で30分間保温した。
プトアビジン−パーオキシダーゼ錯体(BRL社、PB
S/BSA緩衝液中に1:2000に希釈したもの)
0.1mlとともに室温で30分間保温した。
【0052】(5)展開 ウェルを洗浄用緩衝液により3回洗浄し、パーオキシダ
ーゼ基質0.1mlをピペットにより各ウェル中に入
れ、室温で30分間保温した。2M−H2SO40.1
ml/ウェルにより反応を停止した。マイクロ滴定板に
おける吸光を、450nmの波長において1時間以内に
記録した。特性を示す検量線を図1に曲線○−○−○と
して示す。TNFの検出限界は10pg/mlである。
ーゼ基質0.1mlをピペットにより各ウェル中に入
れ、室温で30分間保温した。2M−H2SO40.1
ml/ウェルにより反応を停止した。マイクロ滴定板に
おける吸光を、450nmの波長において1時間以内に
記録した。特性を示す検量線を図1に曲線○−○−○と
して示す。TNFの検出限界は10pg/mlである。
【0053】パーオキシダーゼ基質 TMB溶液:DMSO中の42mM−TMB(3,
3′,5,5′−テトラメチルベンジジン、マイル
ズ)。
3′,5,5′−テトラメチルベンジジン、マイル
ズ)。
【0054】基質用緩衝液:水1lに加えた酢酸ナトリ
ウム50g、くえん酸1gによりpH4.9に調整。
ウム50g、くえん酸1gによりpH4.9に調整。
【0055】TMB溶液0.1mlを基質用緩衝液10
mlに振動しながら徐々に添加し、次いで30%H2O
2超純粋、メルク社)1.47μlを添加した。
mlに振動しながら徐々に添加し、次いで30%H2O
2超純粋、メルク社)1.47μlを添加した。
【0056】(c)ヒト血清中のTNFの測定 組換え及び/又は天然TNFを緩衝液I(実施例4b参
照)又はヒト血清中に2.5ng/mlとなし、同じ条
件下で1:2で段階的に希釈した。その0.1mlをピ
ペットにより、実施例4(b)に記載のようにして抗体
AM−199又はAM−1によりあらかじめ被覆された
各ウェル中に加えた。後続の操作を実施例(b)と同様
に行った。その結果を図1に曲線●−●−●として示
す。
照)又はヒト血清中に2.5ng/mlとなし、同じ条
件下で1:2で段階的に希釈した。その0.1mlをピ
ペットにより、実施例4(b)に記載のようにして抗体
AM−199又はAM−1によりあらかじめ被覆された
各ウェル中に加えた。後続の操作を実施例(b)と同様
に行った。その結果を図1に曲線●−●−●として示
す。
【0057】図1から明らかなように、ヒト血清のどの
成分も、モノクロナール抗体を用いるTNFの測定を妨
害しない。
成分も、モノクロナール抗体を用いるTNFの測定を妨
害しない。
【0058】(d)抗体とリンホトキシンとの交叉反応 抗体とリンホトキシンとの可能な交叉反応を、実施例1
(e)に記載のようにして試験した。その際マイクロ滴
定板のウェルを精製された組換えリンホトキシンにより
被覆した。抗体AM−1、AM−114、AM−195
又はAM−199のリンホトキシンとの結合は認められ
なかった。
(e)に記載のようにして試験した。その際マイクロ滴
定板のウェルを精製された組換えリンホトキシンにより
被覆した。抗体AM−1、AM−114、AM−195
又はAM−199のリンホトキシンとの結合は認められ
なかった。
【0059】実施例5 ウエスタン・ブロッティング法によるモノクロナール抗
体を用いる血清中のTNFの検出 種々の量のTNFが添加されたヒト血清を、ゲル電気泳
動により12.5%ゲル中でレムリの方法(J.Mo
l.Biol.第80巻1973年575〜599頁参
照)により分別した。ウエスタン・ブロッティング法
は、バーネット(Anal.Biochem.第112
巻1981年195〜203頁参照)及びライネスら
(J.Biol.Chem.第260巻1985年11
33〜1139頁参照)により報告された方法である。
ゲル上の蛋白質をニトロセルロース膜(シュライヘル及
びシュル)上に1夜ブロットした。このニトロセルロー
ス膜を1%ゼラチン溶液(バイオーラド社、ゼラチン1
0gをPBS1lに加えたもの)とともに室温で3時間
保温した。次いでニトロセルロース膜を、緩衝液(PB
S中の1%ゼラチン)中に1μg/mlに希釈された抗
体溶液20mlとともに室温で2時間保温した。上澄液
を傾斜により除去し、膜を数回洗浄した。パーオキシダ
ーゼで標識した抗マウス免疫グロブリンを用いて、TN
Fをニトロセルロース膜上で見えるようにした。検出限
界はTNF30ngである。
体を用いる血清中のTNFの検出 種々の量のTNFが添加されたヒト血清を、ゲル電気泳
動により12.5%ゲル中でレムリの方法(J.Mo
l.Biol.第80巻1973年575〜599頁参
照)により分別した。ウエスタン・ブロッティング法
は、バーネット(Anal.Biochem.第112
巻1981年195〜203頁参照)及びライネスら
(J.Biol.Chem.第260巻1985年11
33〜1139頁参照)により報告された方法である。
ゲル上の蛋白質をニトロセルロース膜(シュライヘル及
びシュル)上に1夜ブロットした。このニトロセルロー
ス膜を1%ゼラチン溶液(バイオーラド社、ゼラチン1
0gをPBS1lに加えたもの)とともに室温で3時間
保温した。次いでニトロセルロース膜を、緩衝液(PB
S中の1%ゼラチン)中に1μg/mlに希釈された抗
体溶液20mlとともに室温で2時間保温した。上澄液
を傾斜により除去し、膜を数回洗浄した。パーオキシダ
ーゼで標識した抗マウス免疫グロブリンを用いて、TN
Fをニトロセルロース膜上で見えるようにした。検出限
界はTNF30ngである。
【0060】図2に、TNFを種々の量で添加されたヒ
ト血清のゲル電気泳動による分画(A)及びこのゲル電
気泳動分画についてモノクロナール抗体AM−195を
用いて行ったウエスタン・ブロッティングの結果(B)
を示す。図2から明らかなように、AM−195はヒト
血清中の成分と反応せず、したがってTNFに対して特
異的であると認められた。抗体AM−1、AM−114
及びAM−199についても同じ結果が得られた。
ト血清のゲル電気泳動による分画(A)及びこのゲル電
気泳動分画についてモノクロナール抗体AM−195を
用いて行ったウエスタン・ブロッティングの結果(B)
を示す。図2から明らかなように、AM−195はヒト
血清中の成分と反応せず、したがってTNFに対して特
異的であると認められた。抗体AM−1、AM−114
及びAM−199についても同じ結果が得られた。
【0061】実施例6 TNFの中和 TNFに対するmAKの保護作用を、生体内条件下で雌
性のBALB/cマウス(試験1、2及び4)及びC3
H/HeNマウス(試験3)において調べた。4〜6週
令のマウスを無作為に1群3匹又は5匹に分けた。被験
物質を静脈内注射により外側尾静脈内に投与した(投与
量10ml/kg)。注射の前に、TNFを緩衝液A
[150mM−NaCl及び0.18%牛血清アルブミ
ン(シグマ社、RIA等級)]に溶解し、4〜10℃で
6時間貯蔵した。TNFの毒性はこの時間後に最高であ
った。最初にTNFを、次いで15〜30分後にmAK
を添加した。24時間後に死亡率を測定した。第5表に
その結果を示す(この表中、例えば3/5は動物5匹の
うち3匹が死んだことを意味する)。
性のBALB/cマウス(試験1、2及び4)及びC3
H/HeNマウス(試験3)において調べた。4〜6週
令のマウスを無作為に1群3匹又は5匹に分けた。被験
物質を静脈内注射により外側尾静脈内に投与した(投与
量10ml/kg)。注射の前に、TNFを緩衝液A
[150mM−NaCl及び0.18%牛血清アルブミ
ン(シグマ社、RIA等級)]に溶解し、4〜10℃で
6時間貯蔵した。TNFの毒性はこの時間後に最高であ
った。最初にTNFを、次いで15〜30分後にmAK
を添加した。24時間後に死亡率を測定した。第5表に
その結果を示す(この表中、例えば3/5は動物5匹の
うち3匹が死んだことを意味する)。
【0062】 第 5 表 試 験 番 号 投与した物質(mg/kg) 1 2 3 4 緩衝液A 0/3 0/5 0/5 0/5 mAK10 0/3 0/5 0/5 0/5 mAK5 0/3 0/5 0/5 0/5 TNF1 3/3 0/5 4/5 4/5 TNF1+mAK1 1/3 2/5 1/5 3/5 TNF1+mAK5 0/3 0/5 0/5 0/5 TNF2 3/3 5/5 1/5 4/5 TNF2+mAK2 3/3 4/5 2/5 5/5 TNF2+mAK10 0/3 0/0 0/5 0/5 第5表から明らかなように、中和性の抗体AM−195
はマウスにおいて致死量のTNFを中和することができ
る。動物の生存率は抗体及びTNFの重量比に依存す
る。TNFの毒性の完全阻止は5:1の比率において認
められた。TNFが三量体であると考えると(FEBS
Lett.第211巻1987年179頁参照)、こ
れは1.6:1の抗体:TNFのモル比に相当する。
はマウスにおいて致死量のTNFを中和することができ
る。動物の生存率は抗体及びTNFの重量比に依存す
る。TNFの毒性の完全阻止は5:1の比率において認
められた。TNFが三量体であると考えると(FEBS
Lett.第211巻1987年179頁参照)、こ
れは1.6:1の抗体:TNFのモル比に相当する。
【0063】マウスにおいてTNFを非中和性抗体によ
り中和することはできない。
り中和することはできない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモノクロナール抗体を用いてTNFを
測定するための検量線を示すグラフ図。
測定するための検量線を示すグラフ図。
【図2】TNFを種々の量で添加したヒト血清のゲル電
気泳動による結果を示す、図面に代わる写真である。
気泳動による結果を示す、図面に代わる写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/577 G01N 33/577 B // A61K 39/395 ABG A61K 39/395 ABG ADZ ADZT C12N 5/10 C12N 5/00 B (C12P 21/08 C12R 1:91)
Claims (1)
- 【請求項1】 ハイブリッドセルラインECACC87
050801から生産され、かつその重鎖がサブタイプ
IgGγ−3を示すことを特徴とする、天然及び/又は
組換えヒト腫瘍壊死因子(TNF)と反応するモノクロナ
ール抗体。
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