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JPH09243806A - 光学特性可変光学素子 - Google Patents

光学特性可変光学素子

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Publication number
JPH09243806A
JPH09243806A JP8056454A JP5645496A JPH09243806A JP H09243806 A JPH09243806 A JP H09243806A JP 8056454 A JP8056454 A JP 8056454A JP 5645496 A JP5645496 A JP 5645496A JP H09243806 A JPH09243806 A JP H09243806A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
lens
light
formula
variable
Prior art date
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Pending
Application number
JP8056454A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimihiko Nishioka
公彦 西岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP8056454A priority Critical patent/JPH09243806A/ja
Publication of JPH09243806A publication Critical patent/JPH09243806A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で、光量損出が少なく低電圧によ
り駆動可能でボケが生じることなく、光学特性を変化さ
せる。 【解決手段】 光学特性可変光学素子としての可変焦点
レンズ1は、カイラルネマテック液晶2を、内側に透明
電極膜3をそれぞれ被膜させた平板ガラス4とレンズ5
との間に配向膜6を介して挟み、シール材7により封止
した構成が基本構成となっており、カイラルネマテック
液晶2の捩れのピッチPは、光の波長λに比べ非常に小
さいものとする。つまり、 P<<λ (1) である。このように、ピッチPが光の波長λに比べて非
常に小さいと、レンズ5は入射光の偏光によらず、屈折
率n’をもつレンズとして作用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学特性可変光学素
子、更に詳しくは光学特性を変化させる光学特性可変光
学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】ズームレンズあるいは撮像装置のピント
合せでは、通常レンズを機械的に移動することが行なわ
れている。
【0003】しかし、レンズ系の全体、あるいは一部を
移動することは、超小型であることが要求される電子内
視鏡やマイクロマシンの眼等では不可能であり、また、
テレビカメラ、電子スチルカメラや銀塩フィルムカメラ
等でも、軽量化、コストダウンのためには、レンズ系を
移動させずにズーム、ピント合わせができることが望ま
しい。
【0004】そこで、従来より、これらの課題をレンズ
の移動を行なわずに解決する手段として、例えば特開平
5−34656号公報や特開平4−345124号公報
に、可変焦点レンズが提案されている。
【0005】例えば特開平5−34656号公報に提案
されている可変焦点レンズ201は、図29に示すよう
に、液晶分子の長軸を360°捩ったカイラルネマチッ
ク液晶202を、内側に透明電極膜203をそれぞれ被
膜させた平板ガラス204とフネネルンズ基板205と
の間に配向膜206を介して挟み、シール材207によ
り封止した構成となっている。
【0006】このような構成の可変焦点レンズ201に
おいて、電源208をスイッチ209によりONにし配
向膜206間に電場を与えると、カイラルネマチック液
晶202は、図30に示すように、ホメオトロピック配
向となり、入射光の偏光に対して等方的で、かつカイラ
ルネマチック液晶202の屈折率は、図29の状態に比
べて低いか、あるいは偏光の方向によっては等しい状態
になる。
【0007】図29の状態で、入射光の偏光方向と入射
側のカイラルネマチック液晶202の液晶分子210の
長軸(図29の楕円体の長い方向)が等しい場合には、
カイラルネマチック液晶202の屈折率は高くなり、入
射光の偏光方向と入射側の液晶分子の短軸方向とが一致
している場合には、カイラルネマチック液晶202の屈
折率は低くなる。
【0008】なぜならば、この例では、カイラルネマチ
ック液晶202の捩れのピッチPは10μ〜30μであ
って、光の波長λ(可視光ならおよそ0.4μ〜0.7
μ)に比べてはるかに大きいため、左方から入射した光
は、液晶分子の捩れに習って偏光が回転して進む。この
理由は、例えば「吉野勝美、尾崎雅則 共著;液晶とデ
ィスプレイ応用の基礎P91〜P93;コロナ社」(以
下、文献1と記す)に示されているので説明は省略す
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、入射側の液晶
分子の長軸方向の偏光に対しては図29の可変焦点レン
ズ201の焦点距離は短かく、また、入射側の液晶分子
の短軸方向の偏光に対しては図29の可変焦点レンズ2
01の焦点距離は長くなってしまい、従来の可変焦点レ
ンズ201は2重焦点レンズとなり、ボヤけた像しか結
像せず、目的とする可変焦点レンズを実現できない欠点
がある。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、構造が簡単で、光量損出が少なく低電圧により
駆動可能でボケが生じることなく、光学特性を変化させ
る光学特性可変光学素子を提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の光学特性可変光
学素子は、1対の部材により形成される空間に液晶を封
入し、外部からの物理的作用により前記液晶の液晶分子
の配向状態を制御し、前記液晶の光学特性を変化させる
光学特性可変光学素子において、前記液晶が前記液晶を
透過する光の波長に比べて小さい捻れピッチを持って構
成される。
【0012】本発明の光学特性可変光学素子では、前記
液晶が前記液晶を透過する光の波長に比べて小さい捻れ
ピッチを持たせて構成することで、構造が簡単で、光量
損出が少なく低電圧により駆動可能でボケが生じること
なく、光学特性を変化させることを可能とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について述べる。
【0014】図1ないし図17は本発明の第1の実施の
形態に係わり、図1は可変焦点レンズの基本構成を示す
構成図、図2は図1のカイラルネマテック液晶の分子の
屈折率楕円体を示す図、図3は図1の可変焦点レンズの
作用を説明する説明図、図4は図1の可変焦点レンズの
具体的な構成を示す構成図、図5は図1の可変焦点レン
ズの第1の変形例に用いられるカイラルスメクチック液
晶のカイラルスメクチックC相の液晶分子配列を示す
図、図6は図5のカイラルスメクチック液晶を用いた可
変焦点レンズの構成を示す構成図、図7は図6の可変焦
点レンズの作用を説明する説明図、図8はカイラルコレ
ステリック液晶を用いた図1の可変焦点レンズの第2の
変形例の構成を示す構成図、図9は図8の可変焦点レン
ズの作用を説明する説明図、図10は図8のカイラルコ
レステリック液晶の反射率の実測値を示す図、図11は
ディスコチック液晶を用いた図1の可変焦点レンズの第
2の変形例の構成を示す構成図、図12は図11の可変
焦点レンズの作用を説明する説明図、図13は図11の
ディスコチック液晶の分子の屈折率楕円体を示す図、図
14は図12のディスコチック液晶をZ方向から見た時
の第1の図、図15は図12のディスコチック液晶をZ
方向から見た時の第2の図、図16は図1のカイラルネ
マテック液晶の配向を変化させるのに磁場を用いた可変
焦点レンズの構成を示す構成図、図17は図1のカイラ
ルネマテック液晶の配向を変化させるのに温度変化を用
いた可変焦点レンズの構成を示す構成図である。
【0015】図1に示すように、第1の実施の形態の光
学特性可変光学素子としての可変焦点レンズ1は、カイ
ラルネマテック液晶2を、内側に透明電極膜3をそれぞ
れ被膜させた平板ガラス4とレンズ5との間に配向膜6
を介して挟み、シール材7により封止した構成が基本構
成となっており、カイラルネマテック液晶2の捩れのピ
ッチPは、光の波長λに比べ非常に小さいものとする。
つまり、
【数1】P<<λ (1) である。このように、ピッチPが光の波長λに比べて非
常に小さいと、レンズ5は入射光の偏光によらず、屈折
率n’をもつレンズとして作用する。
【0016】
【数2】 ここで、neは液晶分子長軸方向の偏光に対する屈折率 noは液晶分子短軸方向の偏光に対する屈折率 であり、図2にカイラルネマテック液晶2の入射側の液
晶分子に対応する屈折率楕円体を示す。ここで、x軸及
びz軸は、液晶分子の短軸方向、y軸は液晶分子の長軸
方向になっている。なお、ne>noとする。
【0017】次に、ジョーンズのベクトルと行列によっ
て、なぜ、本実施の形態のカイラルネマテック液晶2が
実効的に屈折率n’の等方的な媒質としてふるまうのか
を、以下に説明する。
【0018】上記文献1のP85〜92、に示される、
式3.107と式3.110及び式3.126によれ
ば、絶対的な位相の変化exp(−iα)を含めた時、
図1に示した厚さdのカイラルネマテック液晶2に対す
るジョーンズの行列Wtは、
【数3】 で与えられる。ただし、
【数4】
【数5】
【数6】
【数7】
【数8】 である。
【0019】ここで、常光を液晶分子の短軸方向の偏光
と定義し、異常光を液晶分子の長軸方向の偏光、又は、
長軸を光軸に垂直な平面へ投影した時の方向の偏光と定
義すると、Γはカイラルネマテック液晶2による常光と
異常光の位相差を表わす。
【0020】なお、Φはカイラルネマテック液晶2の液
晶分子の捩れ角をラジアンで表わしたものである。ま
た、式(3)、式(8)の座標系は、図1に示すx,
y,z軸のように取るものとする。つまり、x軸は紙面
の表から裏側へ向っており、y軸はカイラルネマテック
液晶2の入射面での液晶分子長軸の方向である。
【0021】さて、式(1)の条件のもとで、式(3)
のWtがどのようになるかを調べてみる。
【0022】まず、式(1)は、
【数9】 と変形できる。そこで、P/λ→0の時、式(3)のW
tの極限値WtLを求めてみる。
【0023】
【数10】 であるから、P/λ<<1のとき
【数11】 となり、P/λ→0のとき|Γ/Φ|→0となる。
【0024】式(11)の条件のもとで
【数12】
【数13】
【数14】
【数15】 と近似でき、P/λ→0のとき、それぞれ、
【数16】X→Φ (16)
【数17】cosX→cosΦ (17)
【数18】
【数19】 となるので、P/λ→0のとき
【数20】 となる。これは屈折率n’=(ne+no)/2、厚さd
の、光軸に沿って等方な媒質のジョーンズ行列にほかな
らない。
【0025】従って、P/λ<<1であるので、図1の
可変焦点レンズ1は、屈折率n’のレンズとして作用
し、ボケのない結像が実現できる。
【0026】また、図1の可変焦点レンズ1において、
交流電源8をスイッチ9によりONにし、配向膜6間に
電場を与えると、カイラルネマテック液晶2は、図3の
ように配列し、液晶は屈折率noの等方媒質となるの
で、図1の状態と比べて、焦点距離の異なる液晶レンズ
となり、ボケのない可変焦点レンズが実現できるのであ
る。
【0027】次に、上記の可変焦点レンズ1の具体的な
構成例を図4を用いて説明する。図4に示すように、可
変焦点レンズ1は、具体的には、可変抵抗21により電
圧を連続的に可変にした構成になり、液晶分子の配列
を、上記の図1と図3の中間にもってくることができる
ように構成する。これにより、焦点距離が連続的に変化
する液晶レンズを実現できる。
【0028】なお、図4のような中間の配列の場合にお
いても、neの値を、neとnoのある中間の値である異
常光の屈折率ne’で置きかえることで、上記の式
(3)〜式(20)は満たされる。
【0029】なお、図4のように構成することで、電圧
の印加のしかたとしては、連続可変に限らず、いくつか
の離散的な電圧値から印加電圧を選択するようにして
も、可変焦点レンズが実現できる。
【0030】ここで、図4のように構成した可変焦点レ
ンズ1の実際的な例について、詳細に説明する。
【0031】式(20)にはP/λ→0の極限の場合が
示されているが、実際の液晶レンズ、可変焦点レンズで
は必ずしも極限値があてはまらない場合もあるので、式
(3)の近似式を導いてみる。
【0032】式(3)をP/λの1次までを考えて近似
すると、次のようになる。つまり、式(12)〜式(1
4)で、P/λの1次まで、すなわち式(10)より、
Γ/Φの1次までを残しP/λの2次以上、Γ/Φの2
次以上を省略すると、
【数21】
【数22】 となり
【数23】 を得る。従って、WtNの値が等方媒質のジョーンズ行列
とほぼ等しいと見なせるためには、|i・Γ/2Φ|が
0に近ければよい。この時WtNは、
【数24】 に近づくが、この式は、液晶が入射光の偏光方向はΓ/
4・Γ/Φだけ回転するが、等方媒質であると見なせる
ことを意味している。
【0033】
【数25】 つまり、
【数26】 であれば、ボケのない可変焦点レンズが得られる。式
(10)より
【数27】 となる。
【0034】実際のレンズ付撮像装置、例えば電子カメ
ラ、VTRカメラ、電子内視鏡などの、比較的低コスト
の製品等のレンズに本発明の可変焦点レンズを用いる場
合、固体撮像素子の画素数が少なく、高解像を要求しな
い場合もあるので、式(26)は条件をゆるめることが
でき、
【数28】 であれば良い。
【0035】画素数の多い電子撮像装置のレンズ、フィ
ルムカメラ、顕微鏡などの高画質の製品等のレンズでは
高解像が要求されるので、
【数29】 であればよい。
【0036】光ディスクのレンズ等結像に用いないレン
ズの場合、条件はさらにゆるめられ、
【数30】 であればよい。
【0037】なお、本実施の形態に共通して言えること
であるが、液晶がらせん状の配列の時、液晶分子の長軸
方向が光軸に対して垂直でない時、つまり斜めの時は、
式(1)、式(26)〜式(30)のneを上記のne’
で置きかえればよい。
【0038】以下に、いくつかの設計例を上げる。
【0039】カイラルネマテック液晶2の厚さdは、薄
いとレンズのパワーが弱く役に立たないし、厚いと光を
散乱、フレアの原因となるので、
【数31】2μ<d<300μ (31) ぐらいが適当である。光の波長λの例としては可視光を
考えれば、
【数32】0.35μ<λ<0.7μ (32) である。
【0040】ne−noの値は液晶の物性で決まるが、
【数33】 0.01<|ne−no|<0.4 (33) ぐらいの物質が多い。そこで、第1の設計例として、 d=15μ λ=0.5μ ne−no=0.2 P=0.05μ とすれば、 Γ/2Φ=π・0.2×0.05/0.5=0.02π となり、式(26)、式(28)、式(29)、式(3
0)を満たす。
【0041】第2の設計例として、 d=30μ λ=0.6μ ne−no=0.25 P=0.3μ とすれば、 Γ/2Φ=π・0.3×0.25/0.6=0.125
π となり、式(26)、式(28)、式(29)、式(3
0)を満たす。
【0042】また、第3の設計例として d=50μ λ=0.55μ ne−no=0.2 P=0.6μ とすれば、 Γ/2Φ=π・0.2×0.6/0.55=0.218
π となり、式(28)、式(30)を満たす。
【0043】さらに、第4の設計例として、近赤外光用
の可変焦点レンズを考え、 d=200μ λ=0.95μ ne−no=0.2 P=0.7μ とすれば Γ/2Φ=π・0.2×0.7/0.95=0.145
8π となり、式(26)、式(28)、式(29)、式(3
0)を満たす。
【0044】以上の各設計例では、カイラルネマチック
液晶を例にとって説明したが、カイラルネマチック液晶
のらせんのピッチを、用いる光の波長よりも小さくする
ためには、カイラル剤を液晶に混ぜると良い。
【0045】カイラル剤としては、コレステリック液晶
又は合成品の光学活性化合物などが用いられる。以下の
化学式(1)、化学式(2)にカイラルネマチック液晶
の例を、化学式(3)、化学式(4)にカイラル剤の例
を示す。
【0046】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】 以上の説明において、可変焦点レンズ1に用いる液晶と
しては、カイラルネマチック液晶2を用いて説明した
が、本実施の形態はこれに限らず、可変焦点レンズの第
1の変形例として、図5に示ようなカイラルスメクチッ
ク液晶31を用いて構成することができる。この図5
は、カイラルスメクチックC相の液晶分子配列を示した
もので、これを用いた可変焦点レンズ1aの構造を図6
に示す。
【0047】図6に示すように、カイラルスメクチック
液晶31では、電圧を加えない場合には液晶分子は各層
31aごとに特定の方向を向き、その方向が一定の周期
Pで回転している。
【0048】これに電圧を印加すると、各層の液晶分子
は、図7のように、座標系のZ軸方向に配列し、カイラ
ルスメクチック液晶31の屈折率は、図6の状態のn’
から、noに低下し、可変焦点レンズ1の焦点距離が変
化する。
【0049】この図5〜7に示した第1の変形例につい
ても、式(1)〜式(30)はあてはまり、特に式(2
6)、式(28)、式(29)、式(30)を満せばボ
ケの少ない可変焦点レンズが得られる。また、図6の構
成においても、カイラルスメクチック液晶31に加わる
電圧は連続的に変えることができ、それに伴って焦点距
離も連続的に変る。
【0050】ここで、カイラルスメクチック液晶31を
用いた可変焦点レンズ1aの設計例を示すと、パラメー
タとして、 d=25μ λ=0.55μ ne−no=0.3 P=0.1μ とすると、 Γ/2Φ=π・0.3×0.1/0.55=0.054
5π となり、式(26)、式(28)、式(29)、式(3
0)を満たす。
【0051】なお、化学式(5)に、スメクチック液晶
31の分子構造の1例である「4−(n−ヘキシルオキ
シ)フェニルオキシ−4”−(2−メテルブチル)ビフ
ェニル−4’−カルボキシレート」を示した。なお、ピ
ッチPはおよそ0.2μである。
【0052】
【化5】 また、可変焦点レンズの第2の変形例として、図8に示
ように、カイラルコレステリック液晶41を用いた可変
焦点レンズ1bを構成することができる。
【0053】カイラルコレステリック液晶41では、液
晶分子の配向方向は各層でレンズ表面に平行で方位角が
周期Pで、Z軸方向にらせんを描いて変る。この状態で
式(1)〜式(30)があてはまる。
【0054】電圧が加わると、液晶分子の配向が図9の
ようにらせんが無くなり、焦点距離が変化する。
【0055】なお、カイラルコレステリック液晶には選
択反射の性質があり、波長λs=Pn’近傍の右または
左の円偏光を全反射してしまう。図10は、自然偏光に
対するカイラルコレステリック液晶の反射率の実測値の
例を示している。
【0056】従って、波長λsは、可変焦点レンズ1b
で用いる光の波長範囲外にあることが望ましい。つま
り、Pn’が、可変焦点レンズ1bを利用する光の波長
域外にあることが、さらに透過率の良い、着色のない液
晶レンズを得るために必要である。
【0057】可視光であれば、
【数34】Pn’<0.4μ (34) であることが必要である。
【0058】なお、上述した第1の変形例である図5の
カイラルスメチックC相の液晶でも選択反射は生じる場
合があり、上記の理由で式(34)は図5の例にも適用
される。
【0059】カイラルコレステリック液晶41を用いた
可変焦点レンズ1bの設計例として、 d=15μ ne−no=0.4 λ=0.45μ P=0.01μ n’=1.7 とすると、 Γ/2Φ=π・0.4×0.01/0.45=0.00
89π となり、式(26)、式(28)、式(29)、式(3
0)を満たし、Pn’=0.017μであるから、式
(34)も満たしている。
【0060】化学式(6)はカイラルコレステリック液
晶の1例で、安息香酸コレステロールの化学式である。
【0061】
【化6】 また、可変焦点レンズの第3の変形例として、図11に
示ように、ディスコチック液晶51を用いてもよく、電
圧が加わると、図12のようにディスコチック液晶51
の配向が変り、凸レンズとしての焦点距離が長くなる。
つまり、ディスコチック液晶51は、図13に示す屈折
率楕円体のように、負の1軸性結晶であるので、凸レン
ズとしての焦点距離が長くなるのである。
【0062】なお、この場合、図12をZ方向から見た
時、ディスコチック液晶51の分子の配列が図14又は
図15のように一つの方向を向いていないならば、図1
2の状態で、液晶の配列はらせんを描かなくてもよい。
従って、式(1)〜式(30)は満さなくてもよい。
【0063】本実施の形態並びに各変形例及び後述する
他の実施の形態で述べる可変焦点レンズに共通して言え
ることであるが、らせんのピッチPが、用いる光の波長
λに比べて小さいことが、ボケのより少ない可変焦点レ
ンズを得るためにより望ましいことであり、たとえば可
視光の場合、0.4μ<λ<0.7μで使用する光学装
置では、
【数35】 0.0001μ<P<0.4μ (35) が望ましい条件となる。さらに充分ボケを減らすために
【数36】 0.0001μ<P≦0.2μ (36) であることが望まれる。Pの下限は液晶分子自体の大き
さから決っている。
【0064】また、本実施の形態並びに各変形例では、
各液晶の配向を変化させるのに、電場を用いてきたが、
これに限らず、図16に示すように、コイル55及び鉄
芯56を用いて、例えばカイラルコレステリック液晶4
1に磁場Hを印加し、これを変化させても良い。なお、
図16はカイラルコレステリック液晶41の可変焦点レ
ンズの例であるが、カイラルネマチック液晶2あるいは
カイラルスメクチック液晶31の可変焦点レンズに適用
してもよい。
【0065】また、各液晶の配向を変化させるのに、図
17に示すように、ヒータ58を用いて温度の変化によ
って、例えばカイラルコレステリック液晶41の配向を
変えるようにしてもよく、これまで述べた他の液晶、カ
イラルネマチック液晶2あるいはカイラススメクチック
液晶31等の可変焦点レンズにも適用できる。この構成
では、温度を変えることによって、液晶に相転移を生じ
させ、レンズの焦点距離を変えるようになっている。な
お、レンズをフレネルレンズ60として、液晶の厚さを
増加させずに、可変焦点レンズのパワーをかせいでい
る。ここで、フレネルレンズ60及びレンズ5は用途に
応じ非球面形状としても良い。
【0066】図18は本発明の第2の実施の形態に係る
可変焦点レンズの構成を示す構成図である。
【0067】第2の実施の形態は、第1の実施の形態と
ほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の
構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0068】第2の実施の形態は、回折光学素子(DO
EあるいはHOEとも呼ばれる)を液晶で作り、可変焦
点レンズとしたものである。
【0069】図18に示すように、第2の実施の形態の
可変焦点レンズ61は、カイラルネマテック液晶2を、
内側に透明電極膜3をそれぞれ被膜させたレンズ62と
平行ガラス63との間に配向膜6を介して挟み、シール
材7により封止した構成となっている。
【0070】レンズ62はフレネルレンズ状であるが、
凹凸部は光の波長のレベルで、レンズ62のひとつの輪
帯の巾Wは、
【数37】W・θ=m・λ (37) で決る。ここで、θはその輪帯での光線の屈折角、mは
回折次数である。
【0071】カイラルネマテック液晶2の屈折率を電圧
の印加によって変えると、回折の次数が変わるので、不
連続的に可変焦点レンズ61の焦点距離を変えることが
できる。
【0072】つまり、ある輪帯のギザギザの高さをhと
し、レンズ62の屈折率をngとすれば、
【数38】
【数39】
【数40】m1 ≠m2 (40) となる。
【0073】ただし、m1 、m2 は互いに異なる整数と
おく時、h、m1 、m2 、n’、no、ngが式(38)
〜式(40)を満すならば、可変焦点レンズ61は、次
数m1 とm2 とで回折効率の最適化された回折光学素子
となる。
【0074】焦点距離は、スイッチ9のON、OFFに
より、f1 /m1 、f1 /m2 にかわる。ここでf1
は、1次の回折光学素子の焦点距離である。なお、実用
的には式(38)、式(39)は近似的に満されていれ
ばよい。
【0075】以下に、上記の各実施の形態及びその各変
形例の応用例について説明する。
【0076】図19に示すように、上記の各実施の形態
及びその各変形例の可変焦点レンズを用いた第1の装置
としての電子内視鏡71は、被写体に照射する照明光を
伝送するライトガイド72からの照明光を照明レンズ7
3により被写体に照射し、被写体像を対物レンズ74を
介して入射する。そして、可変焦点レンズ75を絞り7
6近傍に配置し、光学レンズ77によりCCD78の結
像面に結像させ、信号処理装置79により信号処理しモ
ニタ80に被写体像を表示させる構成となっている。こ
の構成では、可変焦点レンズ75は、ピント調整のため
に用いられ、オートフォーカス機能を備えた電子内視鏡
を実現している。
【0077】また、上記の実施の形態及びその各変形例
の可変焦点レンズを用いた第2の装置は、図20に示す
ように、対物レンズ81によりCCD82が被写体像を
撮像し、信号処理装置83で信号処理しモニタ84に被
写体像を表示させる撮像装置89であって、対物レンズ
81とCCD83との間に絞り88を介して2つの可変
焦点レンズ85、86を設け、この焦点距離を連動して
変化させることによりズーミングと、ピント合せの両方
を実現するものである。これらは実際には電子カメラ、
TVカメラ等に用いられ、可変焦点レンズ85、86の
駆動は制御回路87によってピントを合せつつ、ズーミ
ングするよう行われる。
【0078】なお、図20では可変焦点レンズ85、8
6は、それぞれ凹、凸レンズの場合を示しているが、凸
凸、又は凸凹、凹凹のレンズの組合わせでもよい。
【0079】図21は、式(1)を満す液晶の別の応用
例で、光学系の絞り91に用いた例である。
【0080】この絞り91は、式(1)を満す液晶であ
るカイラルネマテック液晶2を封止する透明な材質から
なる透明部材92、93により挟まれた構造になってい
て、透明部材93は液晶に接する部分の断面形状がのこ
切り状または3角になっている。また、絞り91は光軸
に対して回転対称な形状である。
【0081】図21において、左右から絞り91の中心
に入射した光線aはそのまま通過するが、周辺部に入射
した光線bはカイラルネマテック液晶2と透明部材93
との境界面で全反射して側方に曲げられ、絞り91を透
過することができず、絞り91を絞った状態である。
【0082】図22は、絞り91に電圧を加えた状態
で、カイラルネマテック液晶2はホメオトロピック配向
になるので、光線bは透明部材93とカイラルネマテッ
ク液晶2との境界面で全反射することなく直進し、図2
1に比べ絞りの有効径が広がった状態にある。なお、透
明部材93の屈折率をn93とする時
【数41】 0.8no<n93<1.3no (41) であれば、図22の状態で光線bはほぼ直進する。
【0083】図21の状態で光線aが全反射するための
条件は、図示の角をβとするとき、
【数42】 である。
【0084】また、カイラルネマテック液晶2は式
(1)のかわりに、実用的には式(26)又は式(2
8)又は式(29)又は式(30)を満たせばよい。
【0085】なお、液晶としては、カイラルネマテック
液晶2以外に、上述したカイラルスメクチック液晶3
1、カイラルコレテリック液晶41、ディスクチック液
晶51、さらには高分子中に液晶を分散させた高分子分
散液晶やポリマー液晶等も用いることができる。カイラ
ルスメクチック液晶31又はカイラルコレテリック液晶
41の場合には、式(34)も満すとなお良い。また、
どの液晶にも共通していえるが、式(35)、式(3
6)も満すとさらに良い。
【0086】図23はカイラルネマテック液晶2を用い
た第2の絞り101の例である。図21の絞り91と異
なるのは、透明部材93に代わる透明部材102の周辺
がDOE(回折光学素子)になっていることで、透明部
材102の周辺は、高さが使用する光の波長λ程度の、
のこぎり刃形状をしていることである。
【0087】図23の状態では
【数43】no<n102 (43) なので、周辺部の光b1 、b2 は外側へ回折によって曲
げ、光吸収性物質103で吸収され絞り101より後方
へは伝送されない。なお、n102は透明部材102の屈
折率である。
【0088】図23は電圧をOFFにした時の状態であ
るため液晶がカイラルネマチックの配列で
【数44】 0.9n’<n102<1.2n’ (44) であるため、b1 、b2 はおよそ直進し、実質的に絞り
が開いた状態として動作する。
【0089】DOEの形状としては、式(37)で屈折
角θが決まり、回折効率を上げて、絞りとしての動作を
さらに向上させるためには、式(38)〜式(40)を
満たすとなお良い(ただし、ngをn102で置き換え
る)。
【0090】液晶としては、カイラルネマチック液晶2
以外に、上述したカイラルスメクチック液晶31、カイ
ラルコレステリック液晶41、ディスコチック液晶5
1、さらには高分子中に液晶を分散させた高分子分散液
晶やポリマー液晶等も用いることができる。カイラルス
メクチック液晶31又はカイラルコレステリック液晶4
1の場合には、式(34)も満すとなお良い。
【0091】液晶は式(1)をみたす必要があるが、実
用的には式(1)のかわりに、式(26)又は式(2
8)又は式(29)又は式(30)を満たせばよい。
【0092】また、透明部材92もDOEとすれば、よ
り大きな屈折角が得られ、絞りとして高性能のものが得
られる。
【0093】なお、絞り101に加える電圧は連続的に
可変できるようにしてもよく、その場合、絞り101の
周辺部の透過率が連続的に変化する絞りとなり便利であ
る。
【0094】上記の絞り91、101は、図19の電子
内視鏡71の絞り76や図20の撮像装置80の絞り8
8等に用いることができる。電子内視鏡71や撮像装置
80では必ず、電源が含まれるため、その電源を液晶素
子用にも用いることができるので好都合である。
【0095】また、絞り101に於て、透明部材102
の中央のA部を無しにして、全面のこぎり刃状の形状に
すれば、光束径は変わらないが、光量を変化させること
のできる絞りが得られる。透過光量可変な光学素子と類
似の効果を持たせる場合には式(38)又は式(39)
の一方は近似的に満されるのが良く、式(38)と式
(39)とが同時に満されない方が良い(なお、式(4
0)は満す必要がある)。
【0096】なぜならば、たとえば式(38)が完全に
みたされ、式(39)が不完全であるなら、次数m1 の
光は図23、24のいずれの状態でも光量は異なるが、
存在するので、次式m1 の光に対して絞り101は濃度
可変フィルタとして動作するのである。
【0097】また、式(38)、式(39)が両方みた
される場合には、次式m1 又はm2の光に対して、絞り
101は光シャッタとして動作することになる。この場
合でも図23から図24の状態に連続的に電圧を変えて
行けば、式(38)、式(39)の中のneは連続的に
変化するne’で置き変えられるので、透過光量可変な
光学素子として動作させることができる(なお、式
(2)を考慮する必要がある)。
【0098】図25は式(1)、式(26)、式(2
8)、式(29)、式(30)のいずれかを満す液晶を
用いた可変プリズム(あるいは可変光偏向器)111の
一例である。
【0099】この可変プリズム111では、図25に示
すように、クサビ状あるいはのこぎり刃状の透明部材1
12と透明部材113の間にカイラルネマテック液晶2
が配置されている。たとえば、透明部材112の屈折率
をカイラルネマテック液晶2の屈折率n’と等しくして
おけば、図25の左右からの光は直進する。
【0100】ここで電圧を可変プリズム111に加える
と、図26のように液晶の配列はホメオトロピックにな
り、カイラルネマテック液晶2の屈折率がnoに下るの
で、光は右上方へ屈折される。なお、電圧を連続可変に
すれば光の屈折角が連続的に変るので便利である。
【0101】液晶としては、カイラルネマチック液晶2
以外に、上述したカイラルスメクチック液晶31、カイ
ラルコレテリック液晶41、ディスクチック液晶51、
さらには高分子中に液晶を分散させた高分子分散液晶や
ポリマー液晶等も用いることができる。カイラルスメク
チック液晶31又はカイラルコレテリック液晶41の場
合には、式(34)も満すとなお良い。
【0102】のこぎり刃の形をこまかくして透明部材1
12を回折光学素子としても可変プリズムが得られる。
この時、式(37)を満すとよく、さらに式(38)、
式(39)、式(40)を満せば、絞りの効果の高い、
光学素子が得られる(ただし、このときngは透明部材
112の屈折率を表わす)。
【0103】この可変プリズム111は、ブレ防止用
に、電子カメラ、TVカメラ、フィルムカメラ、双眼鏡
等に用いることができる。
【0104】ところで、上記の絞り91、101及び可
変プリズム111で用いた光線の空間変調の原理は、デ
ィスプレイにも用いることができる。
【0105】図27は、式(1)又は式(26)、式
(28)、式(29)、式(30)のいずれかを満す液
晶を用いたディスプレイ121の例である。
【0106】このディスプレイ121では、図27に示
すように、のこぎり刃状の形をした断面を持つ透明部材
122と、透明部材123の間に液晶124が配置され
ている。透明部材122の屈折率はほぼn’に等しいと
する。液晶124は、個別電極125により所望の画素
に可変電圧が印加されるようになっており、ランプ12
6の光がカラーフィルタ127を介して、透明部材12
3、液晶124、透明部材122と順次透過するように
なっている。
【0107】このように構成したディスプレイ121に
おいては、例えば、Aの画素のように電圧のかかってい
ない画素では、液晶124の配列はツイストネマチック
配向なので、ランプ125の光は直進するので、画素は
明るく見える。
【0108】また、Bの画素のように高い電圧がかかっ
ている画素では、液晶124の配列はホメオトロピック
になるので、ランプ125の光は透明部材122によっ
て強く屈折され、人の眼には暗くみえる。
【0109】Cの画素のように中間の電圧を加えると、
ランプ125の光はAとBとの中間に屈折されるので、
人の眼にはやや明るくみえる。通常のディスプレイのよ
うに偏光板を使用しないので明るいのが特徴である。
【0110】図28はランプ125のかわりに反射板1
31を用いた反射型のディスプレイ130の例である。
【0111】反射型のディスプレイ130では、図28
に示すように、画素Aのように電圧のかかっていない画
素では入射光は反射されて明るく見える。また、画素B
では電圧が印加されているため、入射光は屈折され、や
がて吸収、散乱され暗くみえる。画素Cではその中間と
なる。
【0112】これらの光の屈折力を可変するディスプレ
イの他、画素の明暗を実現するのに、上述した絞り91
のように全反射を用いるタイプ、絞り101のように回
折光学素子を用いるタイプも考えられる。
【0113】以上のディスプレイの例では用いる液晶
は、カイラルネマテック液晶2以外に、カイラルスメク
チック液晶31、カイラルコレステリック液晶41、デ
ィスコチック液晶51、さらには高分子中に液晶を分散
させた高分子分散液晶やポリマー液晶等も用いることが
できる。
【0114】ディスプレイに用いる液晶は式(1)、式
(26)、式(28)、式(29)、式(30)いずれ
かを満すと良い。カイラルスメクチック液晶31又はカ
イラルコレステリック液晶41の場合には、式(34)
も満すとなお良い。
【0115】以上述べた液晶を用いた、絞り回折光学素
子、プリズム、表示装置に於て、用いられる光の波長が
可視光の場合、式(35)又は式(36)を満すこと
で、より高性能のものが得られる。
【0116】なお、上記各実施の形態で用いる液晶に、
赤外線を吸収する物質をまぜて、赤外カットフィルタ効
果を付与すると、可視光で用いる電子撮像系に用いる場
合、赤外カットフィルタが省略でき、コスト低減、スペ
ース削減で有利である。用いる光が可視光でない撮像系
の場合は、非観察光をカットする物質を液晶に混ぜれば
フィルタを省略でき同様の効果が出る。
【0117】上記各実施の形態での液晶を用いた可変特
性を持つ光学素子においては、式(1)を満すのが理想
ではあるが、現実の製品に用いる場合には、式(1)は
必ずしも満されなくてもよく、それほど高精度を要求し
ない場合には、
【数45】P<λ (45) であれば良い。
【0118】また、やや高精度を望む場合には、
【数46】P<λ/2 (46) が満されるとなお良い。
【0119】照明系、低コストの光学装置等では、
【数47】P<2λ (47) でも実用になることがある。
【0120】なお、ディスコチック液晶51を用いた場
合には式(45)又は式(46)又は式(47)を満さ
れなくてもよい場合もある。
【0121】これまでの各実施の形態すべてについて、
液晶としてはカイラルネマテック液晶2以外に、カイラ
ルスメクチック液晶31、カイラルコレステリック液晶
41、ディスコチック液晶51、さらには高分子中に液
晶を分散させた高分子分散液晶やポリマー液晶等も用い
ることができる。
【0122】[付記] (付記項1) 1対の部材により形成される空間に液晶
を封入し、外部からの物理的作用により前記液晶の液晶
分子の配向状態を制御し、前記液晶の光学特性を変化さ
せる光学特性可変光学素子において、前記液晶は、前記
液晶を透過する光の波長に比べて、小さい捻れピッチを
持つことを特徴とする光学特性可変光学素子。
【0123】(付記項2)前記光学特性可変光学素子
は、前記液晶の焦点距離を可変させる可変焦点レンズで
あることを特徴とする付記項1に記載の光学特性可変光
学素子。
【0124】(付記項3)前記光学特性可変光学素子
は、前記液晶の透過光量を可変させる絞りであることを
特徴とする付記項1に記載の光学特性可変光学素子。
【0125】(付記項4)前記光学特性可変光学素子
は、前記液晶の透過光の透過方向を可変させるプリズム
であることを特徴とする付記項1に記載の光学特性可変
光学素子。
【0126】(付記項5) 前記1対の部材の一方が回
折部材であって、前記光学特性可変光学素子は、前記液
晶の焦点距離を可変させることで前記回折部材の回折効
率を変化させる回折素子であることを特徴とする付記項
1に記載の光学特性可変光学素子。
【0127】(付記項6) 1対の部材により形成され
る空間に液晶を封入し、外部からの物理的作用により前
記液晶の液晶分子の配向状態を制御し、前記液晶の光学
特性を変化させる光学特性可変光学素子を備えた表示装
置において、前記液晶は、前記液晶を透過する光の波長
に比べて、小さい捻れピッチを持つことを特徴とする表
示装置。
【0128】(付記項7) 式(28)、式(29)、
式(30)、式(45)、式(46)、式(47)の少
なくともひとつを満たすことを特徴とする付記項1乃至
6のいずれか1つに記載の光学特性可変光学素子または
表示装置。
【0129】(付記項8) 前記液晶として、カイラル
ネマチック液晶、カイラルコレステリック液晶、カイラ
ルスメクチック液晶、ポリマー液晶、高分子中に液晶を
分散させた物、ディスコチック液晶のいずれかを用いた
ことを特徴とする付記項1乃至7のいずれか1つに記載
の光学特性可変光学素子または表示装置。
【0130】(付記項9) P・n’が、用いる光の波
長より短く、前記液晶がカイラルコレステリック液晶あ
るいはカイラルスメクチック液晶であることを特徴とす
る付記項1乃至7のいずれか1つに記載の光学特性可変
光学素子または表示装置。
【0131】(付記項10) 式(35)または式(3
6)を満たすことを特徴とする付記項1乃至9のいずれ
か1つに記載の光学特性可変光学素子または表示装置。
【0132】(付記項11) 式(37)を満たす付記
項6に記載の光学特性可変光学素子からなる回折光学素
子。
【0133】(付記項12) 式(37)、式(3
8)、式(39)、式(40)を満たす付記項6に記載
の光学特性可変光学素子からなる回折光学素子。
【0134】(付記項13) 式(41)または式(4
2)を満たす付記項3または付記項7乃至10のいずれ
か1つに記載の光学特性可変光学素子からなる絞り。
【0135】(付記項14) 式(37)を満たす付記
項6乃至10のいずれか1つに記載の光学特性可変光学
素子からなる絞り。
【0136】(付記項15) 式(37)、式(3
8)、式(39)、式(40)を満たす付記項6乃至1
0のいずれか1つに記載の光学特性可変光学素子からな
る絞り。
【0137】(付記項16) 式(43)または式(4
4)を満たす付記項6乃至10のいずれか1つに記載の
光学特性可変光学素子からなる回折光学素子。
【0138】(付記項17) ディスコチック液晶から
なる特性可変の光学素子 (付記項18) 前記外部からの物理的作用は、電場、
磁場、温度の少なくとも一つを変化させる作用であるこ
とを特徴とする付記項1乃至10のいずれか1つに記載
の光学特性可変光学素子または表示装置。
【0139】(付記項19) 式(28)、式(2
9)、式(30)、式(45)、式(46)、式(4
7)の少なくとも1つを満たす透過光量可変な光学素
子。
【0140】(付記項20) 式(38)または式(3
9)の少なくとも1つと、式(40)を満たす付記項1
9に記載の透過光量可変な光学素子。
【0141】(付記項21) 付記項1から20の光学
素子を用いた電子撮像装置。
【0142】(付記項22) 付記項6から10の光学
素子を用いた反射型表示装置。
【0143】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光学特性可
変光学素子によれば、液晶が液晶を透過する光の波長に
比べて小さい捻れピッチを持っているので、構造が簡単
で、光量損出が少なく低電圧により駆動可能でボケが生
じることなく、光学特性を変化させることができるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る可変焦点レン
ズの基本構成を示す構成図
【図2】図1のカイラルネマテック液晶の分子の屈折率
楕円体を示す図
【図3】図1の可変焦点レンズの作用を説明する説明図
【図4】図1の可変焦点レンズの具体的な構成を示す構
成図
【図5】図1の可変焦点レンズの第1の変形例に用いら
れるカイラルスメクチック液晶のカイラルスメクチック
C相の液晶分子配列を示す図
【図6】図5のカイラルスメクチック液晶を用いた可変
焦点レンズの構成を示す構成図
【図7】図6の可変焦点レンズの作用を説明する説明図
【図8】カイラルコレステリック液晶を用いた図1の可
変焦点レンズの第2の変形例の構成を示す構成図
【図9】図8の可変焦点レンズの作用を説明する説明図
【図10】図8のカイラルコレステリック液晶の反射率
の実測値を示す図
【図11】ディスコチック液晶を用いた図1の可変焦点
レンズの第2の変形例の構成を示す構成図
【図12】図11の可変焦点レンズの作用を説明する説
明図
【図13】図11のディスコチック液晶の分子の屈折率
楕円体を示す図
【図14】図12のディスコチック液晶をZ方向から見
た時の第1の図
【図15】図12のディスコチック液晶をZ方向から見
た時の第2の図
【図16】図1のカイラルネマテック液晶の配向を変化
させるのに磁場を用いた可変焦点レンズの構成を示す構
成図
【図17】図1のカイラルネマテック液晶の配向を変化
させるのに温度変化を用いた可変焦点レンズの構成を示
す構成図
【図18】本発明の第2の実施の形態に係る可変焦点レ
ンズの構成を示す構成図
【図19】各実施の形態の可変焦点レンズを備えた第1
の装置の構成を示す構成図
【図20】各実施の形態の可変焦点レンズを備えた第2
の装置の構成を示す構成図
【図21】各実施の形態の可変焦点レンズを適用した第
1の応用例の構成を示す構成図
【図22】図21の第1の応用例の作用を説明する説明
【図23】各実施の形態の可変焦点レンズを適用した第
2の応用例の構成を示す構成図
【図24】図23の第2の応用例の作用を説明する説明
【図25】各実施の形態の可変焦点レンズを適用した第
3の応用例の構成を示す構成図
【図26】図25の第3の応用例の作用を説明する説明
【図27】各実施の形態の可変焦点レンズを適用した第
4の応用例の構成を示す構成図
【図28】各実施の形態の可変焦点レンズを適用した第
5の応用例の構成を示す構成図
【図29】従来の可変焦点レンズの構成を示す構成図
【図30】図29の可変焦点レンズの作用を説明する説
明図
【符号の説明】
1…可変焦点レンズ 2…カイラルネマテック液晶 3…透明電極膜 4…平板ガラス 5…レンズ 6…配向膜 7…シール材 8…交流電源 9…スイッチ 21…可変抵抗 代理人 弁理士 伊藤 進

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対の部材により形成される空間に液晶
    を封入し、外部からの物理的作用により前記液晶の液晶
    分子の配向状態を制御し、前記液晶の光学特性を変化さ
    せる光学特性可変光学素子において、 前記液晶は、前記液晶を透過する光の波長に比べて、小
    さい捻れピッチを持つことを特徴とする光学特性可変光
    学素子。
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