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JPH09219043A - 記録再生装置及び記録再生方法 - Google Patents

記録再生装置及び記録再生方法

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Publication number
JPH09219043A
JPH09219043A JP5106096A JP5106096A JPH09219043A JP H09219043 A JPH09219043 A JP H09219043A JP 5106096 A JP5106096 A JP 5106096A JP 5106096 A JP5106096 A JP 5106096A JP H09219043 A JPH09219043 A JP H09219043A
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JP
Japan
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recording medium
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Pending
Application number
JP5106096A
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English (en)
Inventor
Takehiko Kawasaki
岳彦 川崎
Tsutomu Ikeda
勉 池田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、微小な構造よりなる多数の記録ビッ
トを、周囲の環境によって酸化されにくい金の単一の連
続した平滑な面を有する記録媒体上に形成し、大容量の
記録再生を低エラーレートで可能とする記録再生装置及
び記録再生方法を提供することを目的としている。 【解決手段】本発明は、記録媒体と、導電性を持つ探針
と、探針と記録媒体との間に電界を印加する電圧印加手
段とを備え、情報の記録再生を行う記録再生装置または
方法において、前記記録媒体の一部またはその全体が平
板状金単結晶で構成されていることを特徴とすものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、探針と記録媒体と
の間への電界印加によって、該探針から該記録媒体上に
物質を供給して情報の記録を行うと共に、前記探針の走
査による情報の読み出しにより情報の再生を行う、大容
量の記録再生が可能な記録再生装置及び記録再生方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在、Scanning Probe
Microscope(以下SPM)の原理を応用し、
探針と試料表面との相互作用を利用して、試料表面上に
微小な構造を形成する方法及び装置が開発されている。
この中で、探針と試料表面との間に電界を印加して探針
先端から物質を供給し、試料表面上に微小な構造を形成
する方法が提案されている(米国特許第5,043,5
78号明細書)。この方法によれば、試料表面上に10
nm以下の大きさの極めて微小な構造を形成でき、回路
素子やマスクなどへの応用と共に、この微小な構造を記
録ビットとして用いることで大容量記録技術への応用が
考えられている。この方法では試料として、金のワイヤ
を溶融して(111)面のファセットを形成した平滑
面、あるいはマイカ基板上に成長させた金薄膜を用いて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術には、次に述べるような問題点があった。金
のワイヤを溶融して得た平滑面はその広さが150nm
×l50nm程度であり、単一の平滑面上に形成できる
微小な構造の数は限られる。また、この平滑面は金のワ
イヤを溶融して得た球面上に形成されるものであるた
め、探針と平滑面の面合わせが難しく、平滑面を複数化
して大容量記録を行うことが非常に困難であり、この金
のワイヤを溶融して得た平滑面を記録媒体として用いた
場合には記録容量に限界があった。また、マイカ基板上
に成長させた金薄膜は、多数の結晶粒が集合してなるも
のである。そのため、単一の連続した平滑面は数μm×
数μm程度であり、それぞれの平滑面の間には不定型の
溝があり、多数の連続した微小な構造を形成してビット
列とすることで大容量の記録を行おうとした場合、平滑
面の間の不定型の溝のためにビット列が分断され、不規
則なビットの欠損が起きていた。したがって、大容量記
録技術への応用を行う上で、このマイカ基板上に成長さ
せた金薄膜を記録媒体として用いた場合、エラーが多数
発生するという問題点があった。また、マイカ基板は天
然物であり特性のばらつきが大きく、基板には不規則な
うねりが存在して平面性が低い。このような基板上に形
成した金薄膜に対しては、複数の探針を用いて記録再生
を行おうとした場合(特開平04−321955号公
報)探針と平滑面の面合わせが難しく、大容量記録を行
うことが非常に困難であり、このような理由からもマイ
カ基板上に成長させた金薄膜を記録媒体として用いた場
合、記録容量に限界があった。
【0004】そこで、本発明は、上記従来技術における
課題を解決し、微小な構造よりなる多数の記録ビット
を、周囲の環境によって酸化されにくい金の単一の連続
した平滑な面を有する記録媒体上に形成し、大容量の記
録再生を低エラーレートで可能とする記録再生装置及び
記録再生方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、記録再生装置及び記録再生方法をつぎのよ
うに構成したものである。すなわち、本発明の記録再生
装置は、記録媒体と、導電性を持つ探針と、探針と記録
媒体との間に電界を印加する電圧印加手段とを備え、情
報の記録再生を行う記録再生装置において、前記記録媒
体の一部またはその全体が平板状金単結晶で構成されて
いることを特徴としている。そして、本発明の上記記録
再生装置においては、前記記録媒体は、その導電性基板
上に平板状金単結晶を形成することにより構成すること
が好ましく、また、その平板状金単結晶は、金錯体水溶
液中で金錯体を分解処理することにより形成することが
できる。また、本発明の上記記録再生装置においては、
前記探針は、多層構造よりなり表面に導電体層を有する
構成を採ることができ、また、複数個集積された構成を
採ることができる。また、本発明の上記記録再生装置に
おいては、前記探針と記録媒体との間は、加速電極を設
けるようにしてもよい。さらに、本発明の記録再生方法
は、探針と記録媒体との間への電界印加によって、該探
針から該記録媒体上に物質を供給して情報の記録を行う
と共に、前記探針の走査による情報の読み出しにより情
報の再生を行う記録再生方法において、前記記録媒体の
一部またはその全体を平板状金単結晶で構成し、情報の
記録または再生を行うようにしたことを特徴としてい
る。そして、本発明の記録再生方法においては、記録再
生手段として、前記情報の記録を記録媒体表面の形状を
局所的に変化させることによって行い、前記情報の再生
を記録媒体表面の形状を読み取ることによって行う構成
を採ることができる。また、本発明の記録再生方法にお
いては、記録再生手段として、前記情報の記録を記録媒
体表面の導電率を局所的に変化させることによって行
い、情報の再生を記録媒体表面の導電率を読み取ること
によって行う構成を採ることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、上記したように記録媒
体を平板状金単結晶で構成することにより、微小な構造
よりなる多数の記録ビットを、周囲の環境によって酸化
されにくい金の単一の連続した平滑な面を有する記録媒
体上に形成することが可能となり、大容量の記録再生を
低エラーレートで実現することができる。つぎに、本発
明の記録再生装置の内容について詳しく説明する。上記
したように本発明の記録再生装置は、記録媒体と、導電
性を持つ探針と、探針と記録媒体の間に電界を印加する
手段とを備えた記録再生装置であって、前記記録媒体が
平板状金単結晶よりなるものであるが、本発明の記録再
生装置にはSPMを応用して用いることができる。本発
明の記録再生装置に応用して用いることができるSPM
は、探針を走査して物体表面の形状、もしくは導電率を
測定できるものであればどのようなものでも用いること
ができる。代表的な例として、走査型トンネル顕微鏡
(Scanning Tunneling Micro
scope:以下STM)、原子間力顕微鏡(Atom
icForce Microscope:以下AFM)
などを用いることができる。本発明の記録再生装置にお
いては、上記したとおり記録媒体として平板状金単結晶
を用いる。この平板状金単結晶は、例えば次のようにし
て作製するものである(特開平5−201793号公
報)。金のヨウ化物錯体、臭化物錯体、塩化物錯体等を
含有する溶液に基体を投入して、溶液温度を30℃〜1
00℃に保って蒸発させ、溶液を過飽和状態に移行させ
て基板上に平板状金単結晶群を成長させるものである。
このようにすることで、基体の面内方向への粒径が2m
m程度以上の平板状金単結晶を得ることができる。ま
た、このようにして作製した平板状金単結晶は、位相差
顕微鏡による光学的観察とSTM、AFMによる表面観
察を行った場合でも、結晶の成長過程で発生する1段が
1原子層に相当する数段のステップのみが観察され、そ
れ以上の大きな段差や穴、溝などは確認されず非常に高
い平滑性を持つものである。このように、従来例と比較
して極めて大面積の連続した平滑面が得られる。
【0007】記録媒体として用いる平板状金単結晶は、
金単結晶単体で用いることもできるが、好ましくは導電
性基板上に作製して用いる。このようにすることで、記
録媒体に電圧をかけるための配線を容易に行うことがで
き、探針との間に電界を印加することを容易に行うこと
ができる。導電性基板としては、基体上に電極層を形成
したものなどを用いることができる。基体としてはうね
りがなく平面性の高いものを用いることが好ましく、単
結晶シリコンや石英などの板が好ましい。電極層として
は、平板状金単結晶を成長させる際に溶液に溶解しない
金属を用いることが好ましく、特にTi、Crなどが好
ましい。
【0008】本発明の記録再生装置に用いる探針として
は、用いるSPMの種類などに応じて形状、材料を選ぶ
ことができる。ただし、探針は記録媒体との間に電界を
印加するために導電性を有する必要があるので、探針全
体を導電性物質で作製するか、あるいは半導体材料や絶
縁体材料で探針を作製した場合は多層構造として表面に
導電性物質よりなる導電体層を設ける。導電性物質とし
てはAu、Ga、W、Ptなどが好ましい。また、探針
と記録媒体の間には、必要に応じて引き出し用の加速電
極を設けても構わない。加速電極としては、導電性の物
質よりなる薄い板状のものに微小な穴を開けたものを用
いる。記録を行う際は、この穴の中心に探針の先端を近
づけて、探針と加速電極を互いに固定して用いる。ま
た、探針は複数個集積して用いることができる。集積し
た探針は、基板上にフォトリソグラフィー技術等を用い
て形成することができる。
【0009】本発明の記録方法について以下に述べる。
探針の先端を記録媒体の表面に近づけた状態で探針先端
と記録媒体の間に電界を印加することにより、記録媒体
上に前記探針より物質を供給することで任意の記録ビッ
トとなる微小な構造を形成して情報の記録を行う。本発
明においては、記録媒体上に前記探針から供給した物質
を堆積することで任意の記録ビットとなる微小な凸構造
を形成する。もしくは同様にして、探針の先端より供給
した物質により記録媒体表面を局所的にエッチングする
ことで任意の記録ビットとなる微小な凹構造を形成す
る。記録ビットとなる微小な構造を形成するのには、探
針の材料によっても異なるが、数Vから数10Vで、数
100ナノ秒から数100マイクロ秒程度の幅のパルス
状電界を探針と記録媒体の間に印加する。堆積するかエ
ッチングするかは、印加する電界の極性や、パルスの条
件によって制御できる。また、本発明においては、探針
と記録媒体を相対的に走査することで、相対位置を制御
しながら探針と記録媒体の間に電界を印加することで、
任意の場所に任意の形状の記録ビットとなる微小な構造
を形成して記録を行うことができる。また、本発明にお
いては、前記探針により記録ビットの読み出しを行うこ
とで情報の再生を行う。探針の先端を記録媒体の表面に
近づけた状態で探針を走査し、記録ビットとなる微小な
構造の有無を検知して情報の読み出しを行うものであ
る。
【0010】本発明の記録再生方法においては、情報の
記録を記録ビットとなる微小な構造を形成して記録媒体
表面の形状を局所的に変化することによって行い、情報
の再生を記録媒体表面の形状を読み取ることで行うこと
ができる。また本発明の記録再生方法においては、情報
の記録を記録ビットとなる微小な構造を形成して記録媒
体表面の導電率を局所的に変化することによって行い、
情報の再生を記録媒体表面の導電率を読み取ることで行
うことができる。このようにして記録再生を行う場合
は、探針を構成する導電性物質として、Ga、W、Pt
などを用い、記録媒体上に記録媒体と異なる材料からな
る微小な構造を形成する。
【0011】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。 [実施例1]図1に、実施例1の記録再生装置の該略図
を示す。本実施例ではSPMの1種であるSTMを応用
して用いた。図1において、1探針、4は記録媒体、5
は基体、6は下部電極層、7はX−Yステージ、11は
サーボ回路、12はX−Y駆動制御装置、13はZ軸駆
動装置、14は記録電圧印加装置、15は凸構造(記録
ビット)、16は凹構造(記録ビット)、17は制御用
コンピュータ、18はトンネル電流検出回路である。ま
た、サーボ回路11、X−Y駆動制御装置12、記録電
圧印加装置14、トンネル電流検出回路18はすべて制
御用コンピュータ17に接続され制御されるようにし
た。
【0012】本実施例の装置の記録媒体4としては、金
錯体溶液から析出させた平板状金単結晶を用いた。前記
平板状金単結晶は以下のようにして作製したものであ
る。蒸留水にヨウ化カリウム及びヨウ素を投入してヨウ
素水溶液を作製した後、金を投入して攪拌溶解し、金の
ヨウ化物錯体を含有する水溶液を作製した。次いで基体
5を前記水溶液中に投入した。基体5としては単結晶シ
リコン基板を用い、その上に電極層6としてTiをスパ
ッタリング法により100nm堆積した導電性基板を用
いた。次に前記水溶液の温度を80℃に保ち、ヨウ素成
分の揮発を促進した。
【0013】このようにすることで、前記金のヨウ化物
錯体を含有する水溶液を過飽和状態に移行させて金のヨ
ウ化物錯体を分解させ、基体5上に平板状金単結晶群を
成長させた。このようにして基体5の面内方向への粒径
が2mm以上の平板状金単結晶が得られた。またこのよ
うにして作製した平板状金単結晶について、位相差顕微
鏡による光学的観察と、STM、AFMによる表面観察
を行ったところ、結晶の成長過程で発生する1段が1原
子層に相当する数段のステップのみが観察され、それ以
上の大きな段差や穴、溝などは確認されず非常に高い平
滑性を持つものであった。このようにして、周囲の環境
によって酸化されにくい金の、極めて大面積の連続した
平滑面が得られた。また、本実施例の装置の探針1は、
材料としてはAuよりなり、機械研磨及び電解研磨で鋭
利な先端を持つように作製したものである。
【0014】本実施例の記録再生装置を用いた記録方法
について以下に述べる。まず、Z軸駆動装置13によっ
て、探針1の先端を記録媒体4の表面に近づけた。この
際、探針1と記録媒体4との間の間隔制御は次のように
行った。記録媒体4の表面と探針1の先端をごく近接し
た時に、両者の間の距離に応じて流れるトンネル電流を
トンネル電流検出回路18を用いて計測し、サーボ回路
11により流れるトンネル電流が所定の値になるように
Z軸駆動装置13を制御し、探針1と記録媒体4との間
の間隔を制御した。次に、記録電圧印加装置14によっ
て探針1の先端と記録媒体4の表面の間に電界を印加
し、上記探針1の材料であるAuを探針1の先端から電
界蒸発させて供給して、記録媒体4上に供給した物質よ
りなる微小な凸構造15(記録ビット)を形成した。も
しくは同様にして探針1の先端より供給した物質によ
り、記録媒体4表面を局所的にエッチングし、凹構造1
6(記録ビット)を形成した。
【0015】本実施例では、一例として、探針側を−と
した2V、10マイクロ秒のパルス状電界を印加するこ
とで凸構造15を形成し、同様に探針側を−とした3.
5V、10マイクロ秒のパルス状電界を印加することで
凹構造16を形成することができた。また、記録媒体4
を載せたX−Yステージ7をX−Y駆動制御装置12に
よってX−Y方向にスキャンして探針1と記録媒体4の
相対位置を制御しながら探針1と記録媒体4の間に電界
を印加することで、任意の場所に任意の形状の微小な凸
構造15もしくは凹構造16を形成して記録を行うこと
ができた。以上本実施例によれば、情報の記録を記録ビ
ットとなる微小な構造を形成して記録媒体表面の形状を
局所的に変化することによって行うことができた。
【0016】本実施例の記録再生装置を用いた情報の再
生方法について以下に述べる。探針1を記録媒体4に近
づけ、両者の間に流れるトンネル電流をトンネル電流検
出回路18でモニタしながら、記録媒体4を載せたX−
Yステージ7をX−Y駆動制御装置12によってX−Y
方向にスキャンして、記録媒体4上の凹凸に対応するト
ンネル電流が所定の一定値になるようにZ軸駆動装置1
3を制御し、この時の制御のサーボ量を計測すること
で、記録媒体4表面の形状を測定して表面像を得て、記
録ビットである凸構造15もしくは凹構造16の有無を
検知して情報の読み出しを行った。
【0017】以上本実施例によれば、情報の再生を記録
媒体表面の形状を読み取ることで行うことができた。以
上のようにして記録再生を行ったところ、本実施例の記
録再生装置及び記録再生方法によれば、nmオーダーの
大きさの微小な構造よりなる多数の記録ビットを、周囲
の環境によって酸化されにくい金の単一の連続な平滑面
上に形成できた。これらの多数の記録ビットにおいて
は、ビット列におけるビットの欠損は見られなかった。
このように本実施例によれば、大容量の記録再生を低エ
ラーレー卜で可能とする記録再生装置及び記録再生方法
を提供することが可能であった。
【0018】[実施例2]図2に、実施例2の記録再生
装置の該略図を示す。本実施例ではSPMの1種である
STMを応用して用いた。図2において、1探針、4は
記録媒体、5は基体、6は電極層、7はX−Yステー
ジ、11はサーボ回路、12はX−Y駆動制御装置、1
3はZ軸駆動装置、14は記録電圧印加装置、15は凸
構造(記録ビット)、17は制御用コンピュータ、18
はトンネル電流検出回路である。また、サーボ回路1
1、X−Y駆動制御装置12、記録電圧印加装置14、
トンネル電流検出回路18はすべて制御用コンピュータ
17に接続され制御されるようにした。本実施例の装置
の記録媒体4としては、実施例1と同様にして基体5上
に電極層6を設けた導電性基板上に作製した平板状金単
結晶を用いた。また、本実施例の装置の探針1は、材料
としてはWよりなり、機械研磨及び電解研磨で鋭利な先
端を持つように作製したものである。
【0019】本実施例の記録再生装置を用いた記録方法
について以下に述べる。まず、Z軸駆動装置13によっ
て、探針1の先端を記録媒体4の表面に近づけた。この
際、探針1と記録媒体4との間の間隔制御は実施例1と
同様にして行った。次に、記録電圧印加装置14によっ
て探針1の先端と記録媒体4の表面の間に電界を印加
し、上記探針1の材料であるWを探針1の先端から電界
蒸発させて供給して、記録媒体4上に供給した物質より
なる微小な凸構造15(記録ビット)を形成した。本実
施例においては、一例として探針1と記録媒体4の間に
探針側を−とした5V、10マイクロ秒のパルス状電界
を印加することで凸構造15を形成することができた。
また、記録媒体4を載せたX−Yステージ7をX−Y駆
動制御装置12によってX−Y方向にスキャンして探針
1と記録媒体4の相対位置を制御しながら探針1と記録
媒体4の間に電界を印加することで、任意の場所に任意
の形状の微小な凸構造15を形成して記録を行うことが
できた。以上本実施例によれば、情報の記録を、平板状
金単結晶よりなる記録媒体上に記録媒体と導電率の異な
るWを供給して、記録ビットとなる微小な構造を形成し
て行うことができた。
【0020】本実施例の記録再生装置を用いた情報の再
生方法について以下に述べる。探針1を記録媒体4に近
づけ、両者の間に流れるトンネル電流をトンネル電流検
出回路18でモニタしながら、記録媒体4を載せたX−
Yステージ7をX−Y駆動制御装置12によってX−Y
方向にスキャンして、記録媒体4表面の導電率を測定し
て表面像を得て、記録ビットである凸構造15の有無を
検知して情報の読み出しを行った。以上本実施例によれ
ば、情報の再生を記録媒体表面の導電率を読み取ること
で行うことができた。
【0021】以上のようにして記録再生を行ったとこ
ろ、本実施例の記録再生装置及び記録再生方法によれ
ば、nmオーダーの大きさの微小な構造よりなる多数の
記録ビットを、周囲の環境によって酸化されにくい金の
単一の連続な平滑面上に形成できた。これらの多数の記
録ビットにおいては、ビット列におけるビットの欠損は
見られなかった。このように本実施例によれば、大容量
の記録再生を低エラーレートで可能とする記録再生装置
及び記録再生方法を提供することが可能であった。
【0022】[実施例3]図3に、実施例3の記録再生
装置の該略図を示す。本実施例ではSPMの1種である
STMを応用して用い、さらに探針と記録媒体の間に加
速電極を設けたものである。図3において、1は探針、
4は記録媒体、5は基体、6は電極層、7はX−Yステ
ージ、11はサーボ回路、12はX−Y駆動制御装置、
13はZ軸駆動装置、14は記録電圧印加装置、15は
凸構造(記録ビット)、16は凹構造(記録ビット)、
17は制御用コンピュータ、18はトンネル電流検出回
路、19は加速電極、20は加速電圧印加装置である。
また、サーボ回路11、X−Y駆動制御装置12、記録
電圧印加装置14、トンネル電流検出回路18、加速電
圧印加装置20はすべて制御用コンピュータ17に接続
され、制御されるようにした。
【0023】本実施例の装置の記録媒体4としては、実
施例1と同様にして基体5上に電極層6を設けた導電性
基板上に作製した平板状金単結晶を用いた。また、本実
施例の装置の探針1は、材料としてはPtよりなり、機
械研磨及び電解研磨で鋭利な先端を持つように作製した
ものである。本実施例の装置の加速電極19は、導電率
の高いシリコン単結晶基板を薄く加工し、さらにフォト
リソグラフィー技術により0.5μmの径の円形の穴を
開けたものを用いた。記録時はこの穴の中心に前記探針
1の先端を近づけて、探針1と加速電極19を互いに固
定して用いた。
【0024】本実施例の記録再生装置を用いた記録方法
について以下に述べる。まず、Z軸駆動装置13によっ
て、探針1の先端及び加速電極19を記録媒体4の表面
に近づけた。この際、探針1と記録媒体4との間の間隔
制御は実施例1と同様にして行った。
【0025】次に、記録電圧印加装置14によって探針
1の先端と記録媒体4の表面の間に電界を印加し、同時
に加速電圧印加回路20を用いて探針1の先端と加速電
極19の間に加速電圧を印加した。このようにすること
で、上記探針1の材料であるPtを探針1の先端から電
界蒸発させたうえで、さらに加速電極19により加速し
て供給し、記録媒体4上に供給した物質よりなる微小な
凸構造15(記録ビット)を形成した。もしくは同様に
して探針1の先端より供給した物質により、記録媒体4
表面を局所的にエッチングし、凹構造16(記録ビッ
ト)を形成した。本実施例においては、一例として、探
針1の先端と加速電極19の間に探針側を+とした5V
の加速電圧を印加しながら、探針1と記録媒体4の間に
探針側を−とした2V、10マイクロ秒のパルス状電界
を印加することで凸構造15を形成した。また加速電圧
の極性を反転させたうえで探針1と記録媒体4の間に同
様のパルス状電界を印加することで凹構造16を形成す
ることができた。また、記録媒体4を載せたX−Yステ
ージ7をX−Y駆動制御装置12によってX−Y方向に
スキャンして探針1と記録媒体4の相対位置を制御しな
がら探針1と記録媒体4の問に電界を印加することで、
任意の場所に任意の形状の微小な凸構造15もしくは凹
構造16を形成して記録を行うことができた。
【0026】本実施例の記録再生装置を用いた情報の再
生方法としては、加速電極19を取りはずし、実施例1
と同様にして、情報の再生を記録媒体表面の形状を読み
取ることで行うことができた。以上のようにして記録再
生を行ったところ、本実施例の記録再生装置及び記録再
生方法によれば、nmオーダーの大きさの微小な構造よ
りなる多数の記録ビットを、周囲の環境によって酸化さ
れにくい金の単一の連続な平滑面上に形成できた。これ
らの多数の記録ビットにおいては、ビット列におけるビ
ットの欠損は見られなかった。このように本実施例によ
れば、大容量の記録再生を低エラーレートで可能とする
記録再生装置及び記録再生方法を提供することが可能で
あった。
【0027】[実施例4]図4に、実施例4の記録再生
装置の該略図を示す。本実施例ではSPMの1種である
AFMを応用して用いた。図4において、1は探針、2
はカンチレバー、3は導電体層、4は記録媒体、5は基
体、6は電極層、7はX−Yステージ、8は半導体レー
ザー、9は4分割フォトダイオード、10は変位検出
系、11はサーボ回路、12はX−Y駆動制御装置、1
3はZ軸駆動装置、14は記録電圧印加装置、15は凸
構造(記録ビット)、16は凹構造(記録ビット)、1
7は制御用コンピュータである。また、変位検出系1
0、サーボ回路11、X−Y駆動制御装置12、記録電
圧印加装置14は、すべて制御用コンピュータ17に接
続され制御されるようにした。本実施例の装置の記録媒
体4としては、実施例1と同様にして基体5上に電極層
6を設けた導電性基板上に作製した平板状金単結晶を用
いた。本実施例の装置の探針1は、カンチレバー2の自
由端上に形成した。探針1はカンチレバー2と一体形成
したもので、材料としては絶縁体材料であるSi3N4を
用いた。さらに探針1、及びカンチレバー2の両面にA
uをスパッタリング法により100nm堆積し、導電体
層3を形成したものとした。
【0028】本実施例の記録再生装置を用いた記録方法
について以下に述べる。まず、Z軸駆動装置13によっ
て、導電体層3をもつ探針1の先端を記録媒体4の表面
に近づけた。この際、探針1と記録媒体4との間の間隔
制御は次のように行った。記録媒体4と探針1の先端を
ごく近接した時に両者の間の距離に応じて発生する力に
よって生じるカンチレバー2のたわみを、半導体レーザ
ー8、4分割フォトダイオード9、変位検出系10を用
いて計測し、サーボ回路11によりカンチレバー2のた
わみが所定の値になるようにZ軸駆動装置13を制御し
て、探針1と記録媒体4との間の間隔を制御した。次
に、実施例1と同様にして、記録電圧印加装置14によ
って探針1の先端と記録媒体4の表面の間に電界を印加
し、微小な凸構造15(記録ビット)及び、凹構造16
(記録ビット)を形成した。印加した電界の条件は実施
例1と同様とした。また、記録媒体4を載せたX−Yス
テージ7をX−Y駆動制御装置12によってX−Y方向
にスキャンして探針1と記録媒体4の相対位置を制御し
ながら探針1と記録媒体4の間に電界を印加すること
で、任意の場所に任意の形状の微小な凸構造15もしく
は凹構造16を形成して記録を行うことができた。以上
本実施例によれば、情報の記録を記録ビットとなる微小
な構造を形成して記録媒体表面の形状を局所的に変化す
ることによって行うことができた。
【0029】本実施例の記録再生装置を用いた情報の再
生方法について以下に述べる。探針1を記録媒体4に近
づけた後に記録媒体4を載せたX−Yステージ7をX−
Y駆動制御装置12によってX−Y方向にスキャンし
て、記録媒体4上の凹凸によって生じるカンチレバー2
のたわみを半導体レーザー8、4分割フォトダイオード
9、変位検出系10を用いて計測し、サーボ回路11に
よりカンチレバー2のたわみが所定の一定値になるよう
にZ軸駆動装置13を制御し、この時の制御のサーボ量
を計測することで、記録媒体4表面の形状を測定して表
面像を得て、記録ビットである凸構造15もしくは凹構
造16の有無を検知して情報の読み出しを行った。以上
本実施例によれば、情報の再生を記録媒体表面の形状を
読み取ることで行うことができた。
【0030】以上のようにして記録再生を行ったとこ
ろ、本実施例の記録再生装置及び記録再生方法によれ
ば、nmオーダーの大きさの微小な構造よりなる多数の
記録ビットを、周囲の環境によって酸化されにくい金の
単一の連続な平滑面上に形成できた。これらの多数の記
録ビットにおいては、ビット列におけるビットの欠損は
見られなかった。このように本実施例によれば、大容量
の記録再生を低エラーレートで可能とする記録再生装置
及び記録再生方法を提供することが可能であった。
【0031】[実施例5]図5に、実施例5の記録再生
装置の該略図を示す。本実施例ではSPMの1種である
AFMを応用して用いた。さらに本実施例においては、
探針を複数個集積して用いた。図5において、1は探
針、2はカンチレバー、3は導電体層、4は記録媒体、
5は基体、6は電極層、15は凸構造(記録ビット)、
16は凹構造(記録ビット)、21は探針基板である。
なお、実施例4と同様の、X−Yステージ、X−Y駆動
制御装置からなるX−Y駆動系を設けた。またそれぞれ
の探針について、実施例4と同様の半導体レーザー、4
分割フォトダイオードヽ変位検出系、サーボ回路、Z軸
駆動装置からなるZ軸駆動系を設けた。また、それぞれ
の探針について記録電圧印加装置を設けた。これらX−
Y及びZ軸駆動系及び記録電圧印加装置は、すべて制御
用コンピュータに接続され制御されるようにした。本実
施例の装置の記録媒体4としては、実施例1と同様にし
て基体5上に電極層6を設けた導電性基板上に作製した
平板状金単結晶を用いた。
【0032】本実施例の装置の探針1は、カンチレバー
2の自由端上に形成した。探針1はカンチレバー2と一
体形成したもので、材料としては絶縁体材料であるSi
3N4を用いた。さらに探針1、及びカンチレバー2の両
面にAuをスパッタリング法により100nm堆積し、
導電体層3を形成したものとした。これらは、シリコン
単結晶よりなる探針基板21上にフォトリソグラフィー
技術を用いて複数個集積して形成したものである。ま
ず、複数の探針1を記録媒体4に対して面合わせを行っ
た。本実施例においては、記録媒体として極めて大面積
の連続した平滑面を持つ平板状金単結晶を用いること
で、記録媒体を載せた基体5と探針基板21を平行に接
近させるだけで複数の探針1すべてと記録媒体4の間隔
を所望の範囲に制御して、容易に面合わせを行うことが
できた。引き続いて、複数の探針1を用いて実施例4と
同様にして記録再生を行った。
【0033】以上のようにして記録再生を行ったとこ
ろ、本実施例の記録再生装置及び記録再生方法によれ
ば、nmオーダーの大きさの微小な構造よりなる多数の
記録ビットを、周囲の環境によって酸化されにくい金の
単一の連続な平滑面上に形成できた。これらの多数の記
録ビットにおいては、ビット列におけるビットの欠損は
見られなかった。また、これら記録再生は、すべての探
針で同様に良好に行うことができた。このように本実施
例によれば、大容量の記録再生を低エラーレートで可能
とする記録再生装置及び記録再生方法を提供することが
可能であった。
【0034】
【発明の効果】本発明は、上記したように記録媒体を平
板状金単結晶で構成することにより、微小な構造よりな
る多数の記録ビットを、周囲の環境によって酸化されに
くい金の単一の連続した平滑な面を有する記録媒体上に
形成することができ、大容量の記録再生を低エラーレー
トで行うことの可能な記録再生装置及び記録再生方法を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の概略を示す図である。
【図2】本発明の実施例2の概略を示す図である。
【図3】本発明の実施例3の概略を示す図である。
【図4】本発明の実施例4の概略を示す図である。
【図5】本発明の実施例5の概略を示す図である。
【符号の説明】
1:探針 2:カンチレバー 3:導電体層 4:記録媒体 5:基体 6:電極層 7:X−Yステージ 8:半導体レーザー 9:4分割フォトダイオード 10:変位検出系 11:サーボ回路 12:X−Y駆動制御装置 13:Z軸駆動装置 14:記録電圧印加装置 15:凸構造(記録ビット) 16:凹構造(記録ビット) 17:制御用コンピュータ 18:トンネル電流検出回路 19:加速電極 20:加速電圧印加装置 21:探針基板

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体と、導電性を持つ探針と、探針と
    記録媒体との間に電界を印加する電圧印加手段とを備
    え、情報の記録再生を行う記録再生装置において、前記
    記録媒体の一部またはその全体が平板状金単結晶で構成
    されていることを特徴とする記録再生装置。
  2. 【請求項2】前記記録媒体は、その導電性基板上に平板
    状金単結晶を形成することにより構成されていることを
    特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  3. 【請求項3】前記平板状金単結晶は、金錯体水溶液中で
    金錯体を分解処理することにより形成されたものである
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の記録
    再生装置。
  4. 【請求項4】前記探針は、多層構造よりなり表面に導電
    体層を有していることを特徴とする請求項1〜請求項3
    のいずれか1項に記載の記録再生装置。の記録再生装
    置。
  5. 【請求項5】前記探針は、複数個集積されたものである
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に
    記載の記録再生装置。
  6. 【請求項6】前記探針と記録媒体との間には、加速電極
    が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項5
    のいずれか1項に記載の記録再生装置。
  7. 【請求項7】探針と記録媒体との間への電界印加によっ
    て、該探針から該記録媒体上に物質を供給して情報の記
    録を行うと共に、前記探針の走査による情報の読み出し
    により情報の再生を行う記録再生方法において、前記記
    録媒体の一部またはその全体を平板状金単結晶で構成
    し、情報の記録または再生を行うようにしたことを特徴
    とする記録再生方法。
  8. 【請求項8】前記情報の記録を記録媒体表面の形状を局
    所的に変化させることによって行い、前記情報の再生を
    記録媒体表面の形状を読み取ることによって行うことを
    特徴とする請求項7に記載の記録再生方法。
  9. 【請求項9】前記情報の記録を記録媒体表面の導電率を
    局所的に変化させることによって行い、情報の再生を記
    録媒体表面の導電率を読み取ることによって行うことを
    特徴とする特許請求の範囲第7項に記載の記録再生方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009512847A (ja) * 2005-10-21 2009-03-26 サントル ナショナル デ ラ ルシェルシュ シィアンティフィク (セ.エヌ.エール.エス.) 読み取り/書き込みチップ、ヘッドおよび装置、およびその使用法、およびその製造方法

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JP2009512847A (ja) * 2005-10-21 2009-03-26 サントル ナショナル デ ラ ルシェルシュ シィアンティフィク (セ.エヌ.エール.エス.) 読み取り/書き込みチップ、ヘッドおよび装置、およびその使用法、およびその製造方法

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