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JPH09185166A - 感光性プレポリマー及びそれを用いた光硬化性・熱硬化性ソルダーレジストインキ組成物 - Google Patents

感光性プレポリマー及びそれを用いた光硬化性・熱硬化性ソルダーレジストインキ組成物

Info

Publication number
JPH09185166A
JPH09185166A JP35241095A JP35241095A JPH09185166A JP H09185166 A JPH09185166 A JP H09185166A JP 35241095 A JP35241095 A JP 35241095A JP 35241095 A JP35241095 A JP 35241095A JP H09185166 A JPH09185166 A JP H09185166A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parts
composition
photosensitive prepolymer
molar ratio
solder resist
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP35241095A
Other languages
English (en)
Inventor
Kaoru Manaka
薫 間中
Yoshihiro Ono
義弘 大野
Satoru Iwaida
悟 岩井田
Kyoichi Yoda
恭一 依田
Hibiki Ichikawa
響 市川
Yasuko Narita
康子 成田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Holdings Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Taiyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP35241095A priority Critical patent/JPH09185166A/ja
Publication of JPH09185166A publication Critical patent/JPH09185166A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 密着性、電気絶縁性、耐電蝕性、はんだ耐熱
性、耐薬品性、無電解金めっき耐性等に優れたソルダー
レジストインキ組成物及び該組成物に用いる感光性プレ
ポリマーを提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表わされ、式中のX
と(Y+Z)のモル比が60:40〜10:90で、Y
とZのモル比が30:70〜100:0の範囲にあり、
且つ重量平均分子量が5,000〜40,000、酸価
が40〜150mgKOH/gの範囲にある感光性プレ
ポリマー。ソルダーレジストインキ組成物は、(A)上
記感光性プレポリマー、(B)光重合開始剤、(C)希
釈剤、及び(D)1分子中に少なくとも2個のエポキシ
基を有する多官能エポキシ化合物を含有する。 (式中、Rは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基
等、R、R及びRはそれぞれ水素原子又はメチル
基、Rは炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、R
多価カルボン酸のモノエステル基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な感光性プレ
ポリマー及びそれを用いた光硬化性・熱硬化性樹脂組成
物に関し、さらに詳しくは、仮乾燥後の指触乾燥性や光
硬化性、熱硬化性に優れ、且つ、密着性、はんだ耐熱
性、無電解金めっき耐性等の耐めっき性、耐薬品性等に
優れたプリント配線板用ソルダーレジストとして有用な
アルカリ現像可能な光硬化性・熱硬化性ソルダーレジス
トインキ組成物、及び該組成物に有利に用いることがで
きる感光性プレポリマーに関する。
【0002】
【従来の技術】最近の半導体部品の急速な進歩により、
電子機器は小型軽量化、高性能化、多機能化の傾向にあ
り、これらに追従してプリント配線板も高密度化、部品
の表面実装化が進みつつある。これらの高密度プリント
配線板に対応して、ドライフィルム型フォトソルダーレ
ジストや液状フォトソルダーレジストが開発されてい
る。ドライフィルム型フォトソルダーレジストとして
は、例えば特開昭57−55914号公報にウレタンジ
(メタ)アクリレートと特定のガラス転移温度を有する
線状高分子化合物と光増感剤とを含有してなるドライフ
ィルム用の感光性樹脂組成物が開示されている。しかし
ながら、これらのドライフィルム型フォトソルダーレジ
ストの場合、はんだ耐熱性や密着性が充分ではなく信頼
性に欠けるため、実際には殆ど使用されていないという
状況である。
【0003】一方、液状フォトソルダーレジストとして
は、特開昭61−243869号公報に、ノボラック型
エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応生成物
に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られ
る活性エネルギー線硬化性樹脂、光重合開始剤、希釈
剤、エポキシ化合物からなる光硬化性及び熱硬化性の液
状レジストインキ組成物が開示されている。しかし、液
状のエポキシ樹脂などを用いた場合、仮乾燥後の指触乾
燥性や現像ライフに問題を生じることがある。また、こ
のような液状レジストインキ組成物のベースポリマーと
して共重合体系の感光性樹脂も知られているが、一般に
共重合体系の感光性樹脂を用いた場合、無電解金めっき
耐性に劣り、また仮乾燥後の指触乾燥性においても上記
ノボラック型エポキシ化合物をバックボーンポリマーと
する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いた場合に比べて
劣るという難点がある。
【0004】また、近年、作業性の向上の観点から、光
硬化性についてのインキの高感度化や自動露光機の導入
が増えつつある。インキの高感度化に関しては、配合さ
れる液状の多官能感光性モノマーの増量等の方策が一般
的に採用されているが、同時に指触乾燥性の低下を招く
ことが問題となっている。また、自動露光機を用いる場
合には、人為的にネガフィルムを剥がす場合と異なり、
フレームの上下動のみでネガフィルムが剥がれるような
指触乾燥性が必要となる。このように、最近では、ソル
ダーレジストに要求される諸特性に優れるという要求に
加えて、指触乾燥性にも優れたフォトソルダーレジスト
の要求が増えつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、仮乾燥後の指触乾燥性や光硬化性、熱硬化性に優
れ、且つソルダーレジストに要求される密着性、電気絶
縁性、耐電蝕性、はんだ耐熱性、耐溶剤性、耐アルカリ
性、耐酸性、耐めっき性、特に無電解金めっき耐性等に
優れた硬化塗膜が得られるアルカリ現像可能な光硬化性
・熱硬化性ソルダーレジストインキ組成物を提供するこ
とにある。さらに本発明の目的は、光硬化性・熱硬化性
ソルダーレジストインキ組成物に用いて上記のような優
れた特性を発揮せしめることができる感光性プレポリマ
ーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によれば、下記化3の一般式(1)で表わさ
れる繰り返し単位を有し、一般式(1)中のXと(Y+
Z)のモル比が60:40〜10:90で、YとZのモ
ル比が30:70〜100:0の範囲にあり、且つ重量
平均分子量が5,000〜40,000、酸価が40〜
150mgKOH/gの範囲にあることを特徴とする感
光性プレポリマーが提供される。
【0007】
【化3】
【0008】さらに本発明によれば、上記感光性プレポ
リマーを含有する光硬化性・熱硬化性ソルダーレジスト
インキ組成物も提供される。すなわち、(A)上記一般
式(1)で表わされる繰り返し単位を有し、一般式
(1)中のXと(Y+Z)のモル比が60:40〜1
0:90で、YとZのモル比が30:70〜100:0
の範囲にあり、且つ重量平均分子量が5,000〜4
0,000、固形分酸価が40〜150mgKOH/g
の範囲にある感光性プレポリマー、(B)光重合開始
剤、(C)希釈剤、及び(D)1分子中に少なくとも2
個のエポキシ基を有する多官能エポキシ化合物を含有す
ることを特徴とするアルカリ現像可能な光硬化性・熱硬
化性ソルダーレジストインキ組成物が提供される。
【0009】好適な態様においては、前記感光性プレポ
リマー(A)として、前記一般式(1)中のXと(Y+
Z)のモル比が50:50〜20:80で、YとZのモ
ル比が40:60〜100:0の範囲にあり、且つ重量
平均分子量が5,000〜40,000、固形分酸価が
50〜150mgKOH/gの範囲にある感光性プレポ
リマーが用いられ、また、前記多官能エポキシ化合物
(D)として、結晶性で融点が130〜160℃の範囲
にあり、且つ前記希釈剤(C)に難溶性である多官能エ
ポキシ化合物、特にS−トリアジン環骨格面に対し同一
方向にエポキシ基が付いた構造を持つα体のトリグリシ
ジルイソシアヌレート(以下、α−トリグリシジルイソ
シアヌレートと称す)を60重量%以上含有する多官能
エポキシ化合物が用いられる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前記目的を達成す
べく鋭意研究を重ねた結果、(A)上記一般式(1)で
表わされる繰り返し単位を有し、一般式(1)中のXと
(Y+Z)のモル比が60:40〜10:90で、Yと
Zのモル比が30:70〜100:0の範囲にあり、且
つ重量平均分子量が5,000〜40,000、固形分
酸価が40〜150mgKOH/gの範囲にある感光性
プレポリマー、(B)光重合開始剤、(C)希釈剤、及
び(D)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有す
る多官能エポキシ化合物を含有する光硬化性・熱硬化性
ソルダーレジストインキ組成物は、仮乾燥後の指触乾燥
性に優れ、また、高い光硬化性を示し、自動露光機を用
いて露光が可能となり、ソルダーレジストとして要求さ
れる高解像性、密着性、電気絶縁性、耐電蝕性、はんだ
耐熱性、耐溶剤性、耐アルカリ性、耐酸性、耐めっき性
等に優れたソルダーレジスト膜を作業性よく形成できる
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明の光硬化性・熱硬化性ソ
ルダーレジストインキ組成物において用いる感光性プレ
ポリマーは、前記一般式(1)で示されるように、エス
テル型感光性成分に加えて、主鎖にイミド環が導入され
たものであるため、これを配合した組成物は、従来ソル
ダーレジスト用の好適な感光性樹脂として知られている
ノボラック型エポキシアクリレートの多塩基酸無水物付
加物(ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボ
ン酸との反応生成物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物
を反応させて得られる感光性樹脂)を配合したものと同
等の特性を発揮できることに加えて、特に無電解金めっ
き耐性が向上し、またイミド環の導入によってガラス転
移点が上がり、仮乾燥後の指触乾燥性に優れた組成物が
得られる。
【0012】さらに本発明者らの研究によれば、ソルダ
ーレジストインキ組成物に配合する熱硬化性成分(D)
として、該組成物の塗膜を露光、現像後に熱硬化させる
際の硬化温度に近い融点を持ち、結晶性であり、且つ使
用する希釈剤に対して難溶性の多官能エポキシ化合物を
用いることにより、仮乾燥後の指触乾燥性や現像ライフ
に優れ、また、ポットライフ、シェルフライフが長い分
散型の一液形態の光硬化性・熱硬化性ソルダーレジスト
インキ組成物を提供でき、このような組成物を用いるこ
とにより、前記したような諸特性に優れたソルダーレジ
スト膜を作業性よく形成できることを見い出した。
【0013】すなわち、前記のような高融点で希釈剤に
難溶性の多官能エポキシ化合物は、軟化点及び融点が高
いため、前記組成物の塗膜を仮乾燥する際の温度(約6
0〜100℃)では軟化せず、従って指触乾燥性に優れ
た乾燥塗膜が得られ、自動露光機による露光を問題なく
行える。また、前記組成物に感光性モノマーを加えても
指触乾燥性をそれ程悪化させることはないので、光硬化
性・熱硬化性ソルダーレジストインキ組成物の光硬化性
に対する高感度化を図ることも可能となる。さらに、前
記多官能エポキシ化合物は、使用する希釈剤に難溶性で
あるため、前記組成物の保存温度(一般に常温)では極
めて反応性が低く、従ってこのような多官能エポキシ化
合物を含有してなる組成物は、ポットライフ、シェルフ
ライフが長くなると共に、一液化も可能となる。その反
面、その後の熱硬化(ポストキュアー)の工程におい
て、前記組成物の光硬化塗膜が前記多官能エポキシ化合
物の融点近くの温度に加熱されると、前記多官能エポキ
シ化合物は軟化、溶融し、前記カルボキシル基を有する
感光性プレポリマー(A)と架橋反応が起こり、前記の
ような諸特性に優れたソルダーレジスト膜が得られる。
【0014】以下、本発明の光硬化性・熱硬化性ソルダ
ーレジストインキ組成物の各成分について詳細に説明す
る。前記一般式(1)で表わされる感光性プレポリマー
(A)は、下記化4の一般式(2)で表わされる化合物
(a)、即ちエポキシ含有アクリレート及び/又はエポ
キシ含有メタアクリレート40〜90モル%、好ましく
は50〜80モル%と、下記化5の一般式(3)で表わ
される化合物(b)、即ちマレイミド化合物10〜60
モル%、好ましくは20〜50モル%とを共重合させ、
得られた共重合体の側鎖のエポキシ基にアクリル酸及び
/又はメタクリル酸をエステル化反応させ、該エステル
化反応によって生成した水酸基に、固形分酸価が40〜
150mgKOH/g、好ましくは50〜150mgK
OH/gとなるように、飽和又は不飽和の多塩基酸無水
物(c)を反応させて得られる。
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】前記一般式(2)で表される化合物(a)
と前記一般式(3)で表される化合物(b)との共重合
反応は、例えばアゾビスイソブチロニトリル、有機過酸
化物等のラジカル重合触媒の存在下で容易に進行し、常
法に従って、例えば約40〜130℃での溶液重合法等
によって行うことができ、ランダム共重合体が生成す
る。また、得られた共重合体の側鎖のエポキシ基へのア
クリル酸及び/又はメタクリル酸のエステル化反応、及
び該エステル化反応によって生成した水酸基への飽和又
は不飽和の多塩基酸無水物(c)の付加反応は、反応を
促進させるために触媒(例えば、トリエチルアミン、ベ
ンジルジメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウム
クロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイ
ド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、ト
リフェニルフォスフィン、トリフェニルスチビン、オク
タン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等)を使用する
ことが好ましく、該触媒の使用量は、反応原料混合物に
対して好ましくは0.1〜10重量%である。また、反
応中の重合を防止するために、重合禁止剤(例えば、ハ
イドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン
モノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等)を
使用するのが好ましく、その使用量は反応原料混合物に
対して好ましくは0.01〜1重量%である。前記エス
テル化反応の反応温度は好ましくは80〜110℃であ
り、また前記付加反応の反応温度は好ましくは60〜1
00℃である。
【0017】上記共重合体の側鎖のエポキシ基への(メ
タ)アクリル酸のエステル化反応は、エポキシ基1当量
に対して(メタ)アクリル酸を当モルもしくは若干過剰
の比率で反応させることが好ましい。一方、前記多塩基
酸無水物(c)の使用割合としては、反応生成物の感光
性プレポリマー(A)の固形分酸価が40〜150mg
KOH/g、好ましくは50〜150mgKOH/gと
なる範囲である。生成される感光性プレポリマー(A)
の酸価が40mgKOH/g未満の場合、アルカリ溶解
性が悪くなり、後述する希アルカリ水溶液での現像が困
難となり、一方、150mgKOH/gを超えて大きく
なると、光硬化膜の耐現像性や、耐アルカリ性、電気特
性等のレジストとしての特性が低下し、ソルダーレジス
トとして使用できなくなる恐れがあるので、いずれも好
ましくない。
【0018】また、前記一般式(1)における各モノマ
ー成分の比は、モル比でX:(Y+Z)=60:40〜
10:90、好ましくはX:(Y+Z)=50:50〜
20:80で、Y:Z=30:70〜100:0、好ま
しくはY:Z=40:60〜100:0の範囲にあるこ
とが望ましい。前記一般式(3)で表わされるマレイミ
ド化合物(b)の割合が10モル%より少ないと、塗膜
の仮乾燥後の指触乾燥性や、硬化塗膜の耐金めっき性が
悪くなり、一方、60モル%より多すぎると、感光性不
飽和二重結合やカルボキシル基の割合が少なくなること
から、光(紫外線)硬化性及び現像性が悪くなるので好
ましくない。また、前記一般式(1)においてY:Zが
30:70〜100:0の範囲を外れると、前記した範
囲の感光性プレポリマー(A)の酸価が得られなくなる
ので好ましくない。
【0019】さらに、生成する感光性プレポリマー
(A)の重量平均分子量は、5,000〜40,000
の範囲にあることが必要である。感光性プレポリマーの
重量平均分子量が5,000より小さいと、塗膜の仮乾
燥後の指触乾燥性や、硬化塗膜のはんだ耐熱性、耐金め
っき性が悪くなり、一方、40,000より大きいと、
現像性が悪くなる。
【0020】上記のような感光性プレポリマー(A)
は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数の遊離のカル
ボキシル基を付与したものであるため、この感光性プレ
ポリマーを含有する組成物は、希アルカリ水溶液による
現像が可能となると同時に、露光、現像後、塗膜を後加
熱することにより、別に熱硬化性の配合成分として加え
る多官能エポキシ化合物(D)のエポキシ基と上記側鎖
の遊離のカルボキシル基との間で付加反応が起こり、耐
熱性、耐溶剤性、耐酸性、密着性、無電解金めっき耐
性、電気特性、硬度などの諸特性に優れたソルダーレジ
スト膜が得られる。なお、前記共重合体の側鎖のエポキ
シ基への(メタ)アクリル酸のエステル化反応によって
生成した水酸基に多塩基酸無水物を付加反応させてカル
ボキシル基を導入するものであるため、立体障害による
影響を受け難く、反応がスムーズに進行するという利点
が得られると共に、共重合体の主鎖ではなく側鎖にカル
ボキシル基が付加されていることは、アルカリ水溶液に
よる現像性の点においても有利である。
【0021】前記一般式(2)で表わされるエポキシ含
有(メタ)アクリレート(a)としては、グリシジルア
クリレート又はグリシジルメタクリレートが好ましい。
また、前記一般式(3)で表わされるマレイミド化合物
(b)としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、
N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−
イソプロピルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、
N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド、N−フェニルマレイミド、N−(2−メチルフェニ
ル)マレイミド、N−(4−メチルフェニル)マレイミ
ド等が挙げられるが、これらのなかでもN−シクロヘキ
シルマレイミドが好ましい。
【0022】なお、前記共重合体の合成に際しては、前
記各モノマー成分の他に、他のエチレン性不飽和結合を
有する共重合性モノマーを用いて共重合せしめることも
できる。このような共重合性モノマーの代表的なものと
しては、スチレン、クロロスチレン、α−メチルスチレ
ン;置換基としてメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、アミル、
2−エチルヘキシル、オクチル、カプリル、ノニル、ド
デシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシ
ル、イソボルニル、メトキシエチル、ブトキシエチル、
2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピル等の置換基を有するア
クリレートもしくはメタクリレート;ポリエチレングリ
コールのモノアクリレートもしくはモノメタクリレー
ト、又はポリプロピレングリコールのモノアクリレー
ト、モノメタクリレート;酢酸ビニル、酪酸ビニル又は
安息香酸ビニル;アクリルアミド、メタクリルアミド、
N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシ
メチルメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリル
アミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブト
キシメチルアクリルアミド;アクリロニトリルもしくは
無水マレイン酸等があり、これらを単独で又は2種以上
を組み合わせて用いることができるが、共重合樹脂のガ
ラス転移点Tgやコストの面から、スチレンや2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレートやメチル(メタ)ア
クリレートを用いることが好ましい。また、塗膜中の光
透過性の面から、ベンゼン環を含まないメチル(メタ)
アクリレートや2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ートを使用することがより好ましい。
【0023】前記飽和又は不飽和の多塩基酸無水物
(c)としては、代表的なものとして無水マレイン酸、
無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチ
ルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒ
ドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ
無水フタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ
無水フタル酸などの二塩基性酸無水物;無水トリメリッ
ト酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物;そ
の他これに付随する例えば5−(2,5−ジオキソテト
ラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸無水物のような多価カルボン酸無
水物誘導体などが使用できるが、特にテトラヒドロ無水
フタル酸が好ましい。
【0024】前記(B)成分の光重合開始剤としては、
例えば、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フ
ェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェ
ニルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェ
ノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェ
ノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノ
ン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2
−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−
モルフォリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2
−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)
−ブタノン−1、N,N−ジメチルアミノアセトフェノ
ン等のアセトフェノン類;ベンゾフェノン、メチルベン
ゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジ
クロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノ
ベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾ
フェノン、ミヒラーズケトン、4−ベンゾイル−4’−
メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類;
ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベ
ンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエー
テル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエ
ーテル類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジル
ジメチルケタール等のケタール類;チオキサントン、2
−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサン
トン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイ
ソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;2−
メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2
−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアント
ラキノン、2−アミノアントラキノン、2,3−ジフェ
ニルアントラキノン等のアントラキノン類;ベンゾイル
パーオキシド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物;
2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、リボフ
ラビンテトラブチレート、2−メルカプトベンゾイミダ
ゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メル
カプトベンゾチアゾール等のチオール化合物;2,4,
6−トリス−s−トリアジン、2,2,2−トリブロモ
エタノール、トリブロモメチルフェニルスルホン等の有
機ハロゲン化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイル
ジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これ
らの化合物は、単独で用いることもでき、また2種以上
を組み合わせて使用することもできる。さらに、このよ
うな光重合開始剤(B)は、N,N−ジメチルアミノ安
息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香
酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノ
ベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミ
ン等の三級アミン類のような光増感剤の1種あるいは2
種以上と組み合わせて用いることができる。
【0025】上記のような光重合開始剤(B)の使用量
の好適な範囲は、前記感光性プレポリマー(A)100
重量部に対して0.2〜30重量部、好ましくは5〜2
5重量部となる割合である。光重合開始剤の配合割合が
0.2重量部未満の場合には光硬化性が悪くなり、一
方、30重量部より多い場合には硬化塗膜の特性が悪く
なり、また、ソルダーレジストインキ組成物の保存安定
性が悪くなるので好ましくない。
【0026】さらに、前記(C)成分の希釈剤としては
有機溶剤及び/又は光重合性モノマーが使用できる。有
機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベ
ンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロ
ソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカル
ビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグ
リコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソ
ルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビ
トールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジ
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等
の酢酸エステル類;エタノール、プロパノール、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール等のアルコール
類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素;石油エーテ
ル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等
の石油系溶剤などが挙げられ、単独で又は2種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0027】有機溶剤の使用目的は、前記感光性プレポ
リマー(A)を溶解し、希釈せしめ、それによって液状
として塗布し、次いで仮乾燥させることにより造膜せし
め、接触露光を可能とするためである。有機溶剤の使用
量は特定の割合に限定されるものではないが、前記感光
性プレポリマー(A)100重量部に対して30〜30
0重量部程度の範囲が適当であり、選択する塗布方法等
に応じて適宜設定できる。
【0028】一方、光重合性モノマーの代表的なものと
しては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレート、N−ビニルピロリドン、
アクリロイルモルフォリン、メトキシテトラエチレング
リコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコー
ルアクリレート、ポリエチレグリコールジアクリレー
ト、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロ−ル
アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアク
リルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、メ
ラミンアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、プロピ
レングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコー
ルジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリ
レート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、フ
ェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリル
アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、グリセリ
ンジグリシジルエーテルジアクリレート、グリセリント
リグリシジルエーテルトリアクリレート、イソボルニル
アクリレート、シクロペンタジエン モノ−あるいはジ
−アクリレート、ヘキサンジオール、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロ
パン、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエ
チルイソシアヌレート等の多価アルコール又はこれらの
エチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加
物の多価アクリレート類、及び上記アクリレートに対応
する各メタクリレート類、多塩基酸とヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレートとのモノー、ジー、トリー又は
それ以上のポリエステルなどが挙げられ、単独で又は2
種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】上記光重合性モノマーの使用目的は、前記
感光性プレポリマーを希釈せしめ、塗布しやすい状態に
するとともに、光重合性を増強するものであり、好適な
使用量は前記感光性プレポリマー(A)100重量部に
対し3〜50重量部である。3重量部未満の場合は光硬
化性増強効果が充分ではなく、一方、50重量部を超え
ると仮乾燥後の塗膜の指触乾燥性が低下するため好まし
くない。
【0030】本発明の光硬化性・熱硬化性ソルダーレジ
ストインキ組成物は、前記した各成分の他に、さらに熱
硬化性成分として(D)1分子中に少なくとも2個のエ
ポキシ基を有する多官能エポキシ化合物を含有し、これ
によって、各種樹脂絶縁層の形成、エッチングレジスト
やマーキングインキなどとしての用途の他、プリント配
線板のソルダーレジスト形成に好適に用いることができ
る。このような多官能エポキシ化合物(D)としては、
例えば日本化薬(株)製EBPS−200、旭電化工業
(株)製EPX−30、大日本インキ化学工業(株)製
エピクロンEXA−1514等のビスフェノールS型エ
ポキシ樹脂;日本油脂(株)製ブレンマーDGT等のジ
グリシジルフタレート樹脂;日産化学(株)製TEPI
C、チバ・ガイギー社製アラルダイトPT810等の複
素環式エポキシ樹脂;油化シェルエポキシ(株)製YX
−4000等のビキシレノール型エポキシ樹脂;油化シ
ェルエポキシ(株)製YL−6056等のビフェノール
型エポキシ樹脂;東都化成(株)製ZX−1063等の
テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂などの希釈剤
に難溶性のエポキシ樹脂や、油化シェルエポキシ(株)
製エピコート1009、1031、大日本インキ化学工
業(株)製エピクロンN−3050、N−7050、N
−9050、旭化成工業(株)製AER−664、AE
R−667、AER−669、東都化成(株)製YD−
012、YD−014、YD−017、YD−020、
YD−002、チバ・ガイギー社製XAC−5005、
GT−7004、6484T、6099、ダウ・ケミカ
ル社製DER−642U、DER−673MF、旭電化
工業(株)製EP−5400、EP−5900等のビス
フェノールA型エポキシ樹脂;東都化成(株)製ST−
2004、ST−2007等の水添ビスフェノールA型
エポキシ樹脂;東都化成(株)製、YDF−2004、
YDF−2007等のビスフェノールF型エポキシ樹
脂;坂本薬品工業(株)製SR−BBS、SR−TBA
−400、旭電化工業(株)製EP−62、EP−6
6、旭化成工業(株)製AER−755、AER−76
5、東都化成(株)製YDB−600、YDB−715
等の臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂;日本化薬
(株)製EPPN−201、EOCN−103、EOC
N−1020、EOCN−1025、BREN、旭化成
工業(株)製ECN−278、ECN−292、ECN
−299、チバ・ガイギー社製ECN−1273、EC
N−1299、東都化成(株)製YDCN−220L、
YDCN−220HH、YDCN−702、YDCN−
704、YDPN−601、YDPN−602、大日本
インキ化学工業(株)製エピクロン−673、N−68
0、N−695、N−770、N−775等のノボラッ
ク型エポキシ樹脂;旭電化工業(株)製EPX−800
1、EPX−8002、EPPX−8060、EPPX
−8061、大日本インキ化学工業(株)製エピクロン
N−880等のビスフェノールAのノボラック型エポキ
シ樹脂;旭電化工業(株)製EPX−49−60、EP
X−49−30等のキレート型エポキシ樹脂;東都化成
(株)製YDG−414等のグリオキザール型エポキシ
樹脂;東都化成(株)製YH−1402、ST−11
0、油化シェルエポキシ(株)製YL−931、YL−
933等のアミノ基含有エポキシ樹脂;大日本インキ化
学工業(株)製エピクロンTSR−601、旭電化工業
(株)製EPX−84−2、EPX−4061等のゴム
変性エポキシ樹脂:山陽国策パルプ(株)製DCE−4
00等のジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ
樹脂;旭電化工業(株)製X−1359等のシリコーン
変性エポキシ樹脂;ダイセル化学工業(株)製プラクセ
ルG−402、G−710等のε−カプロラクトン変性
エポキシ樹脂などの希釈剤に可溶性のエポキシ樹脂など
が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で又は2
種以上を組み合わせて用いることができるが、特に希釈
剤に難溶性の微粒状のエポキシ樹脂、あるいは難溶性の
エポキシ樹脂と可溶性のエポキシ樹脂を組み合わせて用
いることが好ましい。上記熱硬化性成分としての多官能
エポキシ化合物(D)の配合量は、前記感光性プレポリ
マー(A)100重量部に対して5〜100重量部、好
ましくは15〜60重量部である。
【0031】前記した多官能エポキシ化合物(D)の中
でも、特に、結晶性で融点が130〜160℃、好まし
くは135〜160℃の範囲にあり、且つ希釈剤に難溶
性である多官能エポキシ化合物を用いることが好まし
い。このようなエポキシ化合物としては、αートリグリ
シジルイソシアヌレートが特に好適に使用できる。α−
トリグリシジルイソシアヌレートは、前記したように、
S−トリアジン環骨格面に対し、3個のエポキシ基が同
一方向に付いた構造を有し、融点が150〜156℃で
あり、且つ前記したような希釈剤(C)に対する溶解性
が低いという性質を有している。このようなα−トリグ
リシジルイソシアヌレートの市販品としては、例えば日
産化学工業(株)製TEPIC(登録商標)−Hがあ
る。
【0032】α−トリグリシジルイソシアヌレートの異
性体として、S−トリアジン環骨格面に対し1個のエポ
キシ基が他の2個のエポキシ基と異なった方向に付いた
構造(以下、β体と称す)を持つβ−トリグリシジルイ
ソシアヌレート(市販品としては、例えば日産化学工業
(株)製TEPIC−Lがある)があるが、β体は、融
点が101〜106℃であり、且つ希釈剤に対する溶解
性がα体に比べて高いという性質を有していることか
ら、α体と組み合わせて用いることが好ましい。α体と
β体との混合物、或いはα体と他の多官能エポキシ化合
物との混合物等を用いる場合、α体の含有率は60重量
%以上にすることが好ましい。α体の含有率が60重量
%未満になると混合物の融点が130℃未満となり、仮
乾燥後の指触乾燥性や現像ライフが低下するので好まし
くない。また、同様の多官能エポキシ化合物でもその融
点が160℃を超える多官能エポキシ化合物の場合、熱
硬化時に溶融せず、硬化塗膜が白化するという現象を起
こすことがあるので、好ましくない。
【0033】トリグリシジルイソシアヌレートは、一般
にイソシアヌル酸とエピクロルヒドリンとの反応生成物
に苛性ソーダを作用させ、脱NaClによって閉環させ
て合成されるが、通常、β体とα体が25重量%以下の
混合物であり、また塩素が分子内に残留した結晶性のな
い多核体の副生成物も少量含まれる。この副生成物は結
晶性がないため再結晶法によってα体、β体から分離さ
れ、塩素含量が低く抑えられた高純度グレードのものも
製造できる。一般に市販品のトリグリシジルイソシアヌ
レートは、一般グレードから塩素含量を低く抑えた高純
度グレードのものまであるが、β体の含有量がα体の含
有量の約3倍以上と多いため、例えば日産化学工業
(株)によりTEPIC(登録商標)として市販されて
いるものは融点90〜125℃のトリグリシジルイソシ
アヌレートである。また、上記合成過程において洗浄に
よって除かれなかった残留NaCl及び上記副生成物に
由来する塩素分(塩素イオン)を含むため、これをソル
ダーレジストインキ組成物の熱硬化性成分として用いた
場合、形成されるソルダーレジスト膜の電気絶縁性、耐
電蝕性等の電気特性に悪影響を及ぼすという難点があ
る。
【0034】本発明で好適に用いられるα−トリグリシ
ジルイソシアヌレートは、希釈剤に対する溶解度の差を
利用して再結晶法によりβ−トリグリシジルイソシアヌ
レートから分離、精製される。そして、このように分離
精製されたα体には塩素残渣(塩素イオン)等の不純物
が殆ど含まれないため、ソルダーレジストインキ組成物
の熱硬化性成分として用いた場合、電気絶縁性、耐電蝕
性等の電気特性に優れたソルダーレジスト膜を形成でき
る。前記したような多官能エポキシ化合物(D)、例え
ばα−トリグリシジルイソシアヌレート、又はα体を6
0重量%以上含有するα体とβ体の混合トリグリシジル
イソシアヌレートの配合割合は、前記感光性プレポリマ
ー(A)のカルボキシル基1当量に対して、0.3〜
3.0エポキシ当量、好ましくは0.7〜2.0エポキ
シ当量の範囲が望ましい。
【0035】なお、本発明のソルダーレジストインキ組
成物においては、前記したように、熱硬化性成分とし
て、希釈剤(C)に可溶な公知慣用の多官能エポキシ化
合物を、現像ライフ、指触乾燥性等の特性において実用
上問題のない範囲で用いることができる。このような希
釈剤に可溶な多官能エポキシ化合物の配合量は、熱硬化
性成分としての全エポキシ化合物のエポキシ当量の50
モル%未満の割合であることが好ましい。希釈剤に可溶
な多官能エポキシ化合物の配合割合が50モル%以上に
なると、仮乾燥後の指触乾燥性や現像ライフが低下する
ので好ましくない。また、上記のような希釈剤に可溶な
多官能エポキシ化合物を多量に用いる場合、プリント配
線板への塗布前に多少増粘し易くなるので、前記感光性
プレポリマー(A)を主成分とする主剤と熱硬化性成分
(D)を主成分とする硬化剤の二液形態に組成し、使用
に際して両者を混合して用いるのが望ましい。
【0036】かくして得られる光硬化性・熱硬化性ソル
ダーレジストインキ組成物は、前記感光性プレポリマー
(A)中に水酸基及び/又はカルボキシル基が含有さ
れ、感光性プレポリマー(A)中の水酸基及び/又はカ
ルボキシル基がエポキシ樹脂の硬化剤として働くため、
さらにエポキシ樹脂用硬化剤を併用することなく、ソル
ダーレジストとして十分に機能する。また前記光重合開
始剤(B)として、感光性向上のために使用されるアミ
ノ基含有の前記光重合開始剤、光増感剤が含まれる場
合、光重合開始剤、光増感剤中のアミノ基の効果によ
り、前記エポキシ化合物(D)の硬化がさらに促進され
る。しかながら、密着性、耐薬品性、はんだ耐熱性、金
めっき耐性などの特性をより一層上げる目的で、さらに
エポキシ樹脂用硬化剤(E)を併用することが好まし
い。
【0037】このようなエポキシ樹脂用硬化剤もしくは
硬化触媒(E)としては例えば、イミダゾール、2−メ
チルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾー
ル、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2
−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−
2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール
誘導体;グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナ
ミン等のグアナミン類;ジシアンジアミド、ベンジルジ
メチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメ
チルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチル
ベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジ
ルアミン、メラミン等のアミン化合物などが挙げられ、
単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ
る。市販されているものとしては、例えば四国化成
(株)製の2MZ−A、2MZ−OK、2PHZ、2P
4BHZ、2P4MHZ(いずれもイミダゾール系化合
物の商品名)、サンアプロ社製のU−CAT3503
X、U−CAT3502X(いずれもジメチルアミンの
ブロックイソシアネート化合物の商品名)などがある。
上記のようなエポキシ樹脂用硬化剤を配合して硬化反応
の反応開始温度を引き下げることが好ましい。上記エポ
キシ樹脂用硬化剤の配合量は通常の量的割合で充分であ
り、例えば前記感光性プレポリマー(A)100重量部
に対して20重量部以下、好ましくは0.1〜15.0
重量部の割合である。
【0038】また、本発明のソルダーレジストインキ組
成物は、必要に応じて、プリント配線板の回路、即ち銅
の酸化防止の目的で、アデニン、ビニルトリアジン、オ
ルソトリルビグアニド等の化合物を使用することができ
る。これらの化合物の使用範囲は、前記感光性プレポリ
マー(A)100重量部に対し20重量部以下であり、
これらを添加することにより、形成されるソルダーレジ
スト膜の耐薬品性が向上する。
【0039】さらに、密着性、硬度、はんだ耐熱性等の
特性を上げる目的で、必要に応じて硫酸バリウム、チタ
ン酸バリウム、酸化ケイ素粉、無定形シリカ、タルク、
クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アル
ミニウム、水酸化アルミニウム、ガラス繊維、炭素繊
維、雲母粉などの公知慣用の無機充填剤が配合でき、そ
の配合割合は前記感光性プレポリマー(A)100重量
部に対し300重量部以下であり、好ましくは5〜20
0重量部の割合である。また、現像性等の特性を上げる
目的で、カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレ
ートを配合でき、その配合割合は前記感光性プレポリマ
ー(A)100重量部に対し100重量部以下である。
【0040】また、必要に応じてフタロシアニン・ブル
ー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリー
ン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化
チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラックなどの
公知慣用の着色剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモ
ノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロ
ガロール、フェノチアジンなどの公知慣用の熱重合禁止
剤、アスベスト、微粉シリカ、有機ベントナイト、モン
モリロナイトなどの公知慣用の増粘剤、シリコーン系、
フッ素系、高分子系などの消泡剤及び/又はレベリング
剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、
シランカップリング剤などの密着性付与剤のような公知
慣用の添加剤類を配合することができる。
【0041】以上のような組成を有するソルダーレジス
トインキ組成物は、必要に応じて塗布方法に適した粘度
に調整し、回路形成されたプリント配線板にスクリーン
印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロール
コート法等の方法により塗布し、例えば60〜100℃
の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥させる
(仮乾燥)ことにより、タックフリーの塗膜を形成でき
る。その後、接触方式(又は非接触方式)により、パタ
ーンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性光線
により露光し、未露光部を希アルカリ水溶液(例えば
0.5〜5%炭酸ソーダ水溶液)により現像してレジス
トパターンを形成でき、さらに、例えば140〜180
℃の温度に加熱して熱硬化させることにより、密着性、
硬度、はんだ耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、電気絶縁
性、耐電蝕性等に優れたソルダーレジスト膜が形成され
る。
【0042】上記現像に使用される希アルカリ水溶液と
しては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナト
リウム、アンモニア、アミン類などの希アルカリ水溶液
が使用できる。また、光硬化させるための照射光源とし
ては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水
銀灯、キセノンランプまたはメタルハライドランプなど
が適当である。その他、レーザー光線なども露光用活性
光線として利用できる。
【0043】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明につ
いて具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定さ
れるものでないことはもとよりである。なお、以下にお
いて「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り
全て重量基準である。
【0044】合成例1 温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた
フラスコにカルビトールアセテート87.5部を入れ、
窒素雰囲気下で90℃に加熱した。そこに、シクロヘキ
シルマレイミド71.6部、グリシジルメタクリレート
85.2部、カルビトールアセテート50.0部及びパ
ーブチルO(日本油脂(株)製、有機過酸化物系重合開
始剤)4.7部の混合溶液を3時間かけて滴下した。そ
の後さらに4時間攪拌し、樹脂溶液を得た。この樹脂溶
液を80℃に加熱し、そこに、メチルハイドロキノン
0.1部、エステル化触媒としてトリフェニルホスフィ
ン0.6部を加え、アクリル酸43.2部を徐々に滴下
し、80〜95℃で16時間反応させた。さらに、この
樹脂溶液にテトラヒドロフタル酸無水物55.4部を加
え、80〜90℃で8時間反応させ、固形分酸価が8
0.2mgKOH/gで、重量平均分子量が11,40
0の樹脂溶液を得た。以下、この樹脂溶液をAワニスと
称す。
【0045】合成例2 温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた
フラスコにカルビトールアセテート87.7部を入れ、
窒素雰囲気下で90℃に加熱した。そこに、シクロヘキ
シルマレイミド98.5部、グリシジルメタクリレート
63.9部、カルビトールアセテート50.0部及びパ
ーブチルO 6.5部の混合溶液を3時間かけて滴下し
た。その後さらに4時間攪拌し、樹脂溶液を得た。この
樹脂溶液を80℃に加熱し、そこに、メチルハイドロキ
ノン0.1部、エステル化触媒としてトリフェニルホス
フィン0.4部を加え、アクリル酸32.4部を徐々に
滴下し、80〜95℃で16時間反応させた。さらに、
この樹脂溶液にテトラヒドロフタル酸無水物61.0部
を加え、80〜90℃で8時間反応させ、固形分酸価が
82.2mgKOH/gで、重量平均分子量が8,70
0の樹脂溶液を得た。以下、この樹脂溶液をBワニスと
称す。
【0046】合成例3 温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた
フラスコにカルビトールアセテート100.0部を入
れ、窒素雰囲気下で90℃に加熱した。そこに、シクロ
ヘキシルマレイミド26.9部、グリシジルメタクリレ
ート120.7部、カルビトールアセテート41.1部
及びパーブチルO 4.4部の混合溶液を3時間かけて
滴下した。その後さらに4時間攪拌し、樹脂溶液を得
た。この樹脂溶液を80℃に加熱し、そこに、メチルハ
イドロキノン0.15部、エステル化触媒としてトリフ
ェニルホスフィン0.8部を加え、アクリル酸61.2
部を徐々に滴下し、80〜95℃で16時間反応させ
た。さらに、この樹脂溶液にテトラヒドロフタル酸無水
物53.3部を加え、80〜90℃で8時間反応させ、
固形分酸価が75.1mgKOH/gで、重量平均分子
量が12,500の樹脂溶液を得た。以下、この樹脂溶
液をCワニスと称す。
【0047】比較合成例1 温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた
フラスコにカルビトールアセテート100.0部を入
れ、窒素雰囲気下で90℃に加熱した。そこに、シクロ
ヘキシルマレイミド8.9部、グリシジルメタクリレー
ト134.9部、カルビトールアセテート47.0部及
びパーブチルO 4.3部の混合溶液を3時間かけて滴
下した。その後さらに4時間攪拌し、樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を80℃に加熱し、そこに、メチルハイド
ロキノン0.2部、エステル化触媒としてトリフェニル
ホスフィン0.8部を加え、アクリル酸68.4部を徐
々に滴下し、80〜95℃で16時間反応させた。さら
に、この樹脂溶液にテトラヒドロフタル酸無水物60.
8部を加え、80〜90℃で8時間反応させ、固形分酸
価が82.2mgKOH/gで、重量平均分子量が1
1,200の樹脂溶液を得た。以下、この樹脂溶液をD
ワニスと称す。
【0048】比較合成例2 温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えた
フラスコにカルビトールアセテート50.0部及びパー
ブチルO 5.9部を入れ、窒素雰囲気下で90℃に加
熱した。そこに、シクロヘキシルマレイミド125.3
部、グリシジルメタクリレート42.6部、カルビトー
ルアセテート75.4部を加熱溶解した混合溶液を3時
間かけて滴下した。その後さらに4時間攪拌し、樹脂溶
液を得た。この樹脂溶液を80℃に加熱し、そこに、メ
チルハイドロキノン0.1部、エステル化触媒としてト
リフェニルホスフィン0.3部を加え、アクリル酸2
1.6部を徐々に滴下し、80〜95℃で16時間反応
させた。さらに、この樹脂溶液にテトラヒドロフタル酸
無水物43.3部を加え、80〜90℃で8時間反応さ
せ、固形分酸価が68.8mgKOH/gで、重量平均
分子量が9,200の樹脂溶液を得た。以下、この樹脂
溶液をEワニスと称す。
【0049】比較合成例3 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエピクロンN−
695(大日本インキ化学工業(株)製、エポキシ当量
=220)220部を撹拌機及び還流冷却器の付いた四
つ口フラスコに入れ、カルビトールアセテート214部
を加えて加熱溶解した。次に、重合禁止剤としてハイド
ロキノン0.1部と、反応触媒としてトリフェニルホス
フィン2.0部を加えた。この混合物を95〜105℃
に加熱し、アクリル酸72部を徐々に滴下し、16時間
反応させた。得られた反応生成物を80〜90℃まで冷
却し、テトラヒドロフタル酸無水物76部を加えて8時
間反応させ、冷却後、取り出した。このようにして得ら
れた樹脂溶液は、固形分酸価が76.3mgKOH/g
であった。以下、この樹脂溶液をFワニスと称す。
【0050】N−695ワニスの調製:クレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂(エピクロンN−695)75部
を撹拌機及び還流冷却器の付いた四つ口フラスコに入
れ、カルビトールアセテート25部を加えて加熱溶解し
たN−695ワニスを用意した。
【0051】実施例1 前記合成例1で得られたAワニスを用い、以下の配合成
分を3本ロールミルで混練し、組成物aを調製した。 組成物a: Aワニス 35部 フタロシアニングリーン 0.5部 硫酸バリウム 25部 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2− モルフォリノ−プロパン−1−オン 3.9部 ジシアンジアミド 0.1部 KS−66(信越化学工業(株)製のシリコーン系消泡剤) 0.5部 カルビトールアセテート 5部 合計 70部 また、前記のように用意したN−695ワニスを用い、
以下の配合成分を混練し、組成物bを調製した。 組成物b: N−695ワニス 5部 TEPIC−H 3部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5部 硫酸バリウム 15部 カルビトールアセテート 2部 合計 30部 上記のようにして調製した組成物aと組成物bを70:
30の割合で混合して二液形態のソルダーレジストイン
キ組成物を得た。
【0052】実施例2 前記合成例1で得られたAワニスを用い、以下の配合成
分を3本ロールミルで混練し、組成物aを調製した。 組成物a: Aワニス 35部 フタロシアニングリーン 0.5部 硫酸バリウム 25部 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2− モルフォリノ−プロパン−1−オン 3.9部 ジシアンジアミド 0.1部 KS−66 0.5部 カルビトールアセテート 5部 合計 70部 また、前記のように用意したN−695ワニスを用い、
以下の配合成分を混練し、組成物bを調製した。 組成物b: N−695ワニス 5部 TEPIC 3部 (日産化学工業(株)製のトリグリシジルイソシアヌレートで、 α体が25%以下である。) ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5部 硫酸バリウム 15部 カルビトールアセテート 2部 合計 30部 上記のようにして調製した組成物aと組成物bを70:
30の割合で混合して二液形態のソルダーレジストイン
キ組成物を得た。
【0053】実施例3 前記合成例2で得られたBワニスを用いた以下の配合成
分を、3本ロールミルで混練し、一液形態のソルダーレ
ジストインキ組成物を得た。 Bワニス 35部 フタロシアニングリーン 0.5部 硫酸バリウム 40部 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2− モルフォリノ−プロパン−1−オン 3.9部 ジシアンジアミド 0.1部 KS−66 0.5部 カルビトールアセテート 7部 N−695ワニス 5部 TEPIC−H 3部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5部 合計 100部
【0054】実施例4 前記合成例3で得られたCワニスを用い、以下の配合成
分を3本ロールミルで混練し、組成物aを調製した。 組成物a: Cワニス 35部 フタロシアニングリーン 0.5部 硫酸バリウム 25部 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2− モルフォリノ−プロパン−1−オン 3.9部 ジシアンジアミド 0.1部 KS−66 0.5部 カルビトールアセテート 5部 合計 70部 また、前記のように用意したN−695ワニスを用い、
以下の配合成分を混練し、組成物bを調製した。 組成物b: N−695ワニス 5部 TEPIC−H 3部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5部 硫酸バリウム 15部 カルビトールアセテート 2部 合計 30部 上記のようにして調製した組成物aと組成物bを70:
30の割合で混合して二液形態のソルダーレジストイン
キ組成物を得た。
【0055】比較例1 前記比較合成例1で得られたDワニスを用い、以下の配
合成分を3本ロールミルで混練し、組成物aを調製し
た。 組成物a: Dワニス 35部 フタロシアニングリーン 0.5部 硫酸バリウム 25部 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2− モルフォリノ−プロパン−1−オン 3.9部 ジシアンジアミド 0.1部 KS−66 0.5部 カルビトールアセテート 5部 合計 70部 また、前記のように用意したN−695ワニスを用い、
以下の配合成分を混練し、組成物bを調製した。 組成物b: N−695ワニス 5部 TEPIC−H 3部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5部 硫酸バリウム 15部 カルビトールアセテート 2部 合計 30部 上記のようにして調製した組成物aと組成物bを70:
30の割合で混合して二液形態のソルダーレジストイン
キ組成物を得た。
【0056】比較例2 前記比較合成例2で得られたEワニスを用い、以下の配
合成分を3本ロールミルで混練し、組成物aを調製し
た。 組成物a: Eワニス 35部 フタロシアニングリーン 0.5部 硫酸バリウム 25部 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2− モルフォリノ−プロパン−1−オン 3.9部 ジシアンジアミド 0.1部 KS−66 0.5部 カルビトールアセテート 5部 合計 70部 また、前記のように用意したN−695ワニスを用い、
以下の配合成分を混練し、組成物bを調製した。 組成物b: N−695ワニス 5部 TEPIC−H 3部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5部 硫酸バリウム 15部 カルビトールアセテート 2部 合計 30部 上記のようにして調製した組成物aと組成物bを70:
30の割合で混合して二液形態のソルダーレジストイン
キ組成物を得た。
【0057】比較例3 前記比較合成例3で得られたFワニスを用い、以下の配
合成分を3本ロールミルで混練し、組成物aを調製し
た。 組成物a: Fワニス 35部 フタロシアニングリーン 0.5部 硫酸バリウム 25部 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2− モルフォリノ−プロパン−1−オン 3.9部 ジシアンジアミド 0.1部 KS−66 0.5部 カルビトールアセテート 5部 合計 70部 また、前記のように用意したN−695ワニスを用い、
以下の配合成分を混練し、組成物bを調製した。 組成物b: N−695ワニス 5部 TEPIC 3部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 5部 硫酸バリウム 15部 カルビトールアセテート 2部 合計 30部 上記のようにして調製した組成物aと組成物bを70:
30の割合で混合して二液形態のソルダーレジストイン
キ組成物を得た。
【0058】性能評価: (1)仮乾燥後の指触乾燥性 上記の実施例1〜4及び比較例1〜3の各インキ組成物
を、パターン形成された銅箔基板上にスクリーン印刷で
全面塗布し、80℃で20分間、乾燥させた基板を作製
し、その塗膜表面の指触乾燥性を評価した。 ◎ : 全く張り付き無し ○ : 殆ど張り付き無し △ : ほんの僅かに張り付き有り × : 張り付き有り
【0059】(2)現像ライフ(乾燥管理幅) 上記実施例1〜4及び比較例1〜3の各インキ組成物
を、パターン形成された銅箔基板上にスクリーン印刷で
全面塗布し、80℃で乾燥時間を10分間隔で20〜9
0分まで変えて乾燥させた基板を用意する。これらの基
板の塗膜にネガフィルムを当て、ソルダーレジストパタ
ーン通りに露光し、1%Na2 CO3 水溶液によりスプ
レー圧2kg/cm2 で1分間現像し、仮乾燥後の現像
ライフ(熱かぶりなく現像可能な最長乾燥時間)を調べ
た。
【0060】(3)無電解金めっき耐性 試験基板の作製:上記実施例1〜4及び比較例1〜3の
各インキ組成物を、パターン形成された銅箔基板上にス
クリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分間乾燥させ
た。この基板の塗膜にネガフィルムを当て、ソルダーレ
ジストパターン通りに露光し、1%Na2 CO3 水溶液
によりスプレー圧2kg/cm2 で1分間現像し、パタ
ーン形成した。さらにこの基板を150℃で60分間熱
硬化して試験基板を作製した。
【0061】無電解金めっき方法:上記のようにして作
製した試験基板を、30℃の酸性脱脂液((株)日本マ
クダーミッド製、Metex L−5Bの20vol%
水溶液)に3分間浸漬して脱脂し、次いで流水中に3分
間浸漬して水洗した。次に試験基板を14.3wt%過
硫酸アンモニウム水溶液に室温で3分間浸漬し、ソフト
エッチを行い、次いで流水中に3分間浸漬して水洗し
た。10vol%硫酸水溶液に室温で試験基板を1分間
浸漬した後、流水中に30秒〜1分間浸漬して水洗し
た。次いで、試験基板を30℃の触媒液((株)メルテ
ックス製、メタルプレートアクチベーター350の10
vol%水溶液)に7分間浸漬し、触媒付与を行った
後、流水中に3分間浸漬して水洗した。触媒付与を行っ
た試験基板を、85℃のニッケルめっき液((株)メル
テックス製、メルプレートNi−865Mの20vol
%水溶液、pH4.6)に20分間浸漬して、無電解ニ
ッケルめっきを行った。10vol%硫酸水溶液に室温
で試験基板を1分間浸漬した後、流水中に30秒〜1分
間浸漬して水洗した。次いで、試験基板を95℃の金め
っき液((株)メルテックス製、オウロレクトロレスU
P15vol%とシアン化金カリウム3vol%の水溶
液、pH6)に10分間浸漬して無電解金めっきを行っ
た後、流水中に3分間浸漬して水洗し、また60℃の温
水に3分間浸漬して湯洗した。十分に水洗後、水をよく
きり、乾燥し、無電解金めっきした試験基板を得た。
【0062】無電解金めっき耐性:以上のように試験基
板に金めっきを行った後、セロハン粘着テープで剥離し
たときのレジスト層の剥がれの有無を評価した。判定基
準は以下のとおりである。 ◎ : 全く剥がれ無し ○ : 殆ど剥がれのないもの △ : 剥がれのあるもの × : 全面剥がれのあるもの
【0063】(4)感度 上記実施例1〜4及び比較例1〜3の各インキ組成物
を、パターン形成された銅箔基板上にスクリーン印刷で
全面塗布し、80℃で30分間乾燥させた。この基板の
塗膜にコダック社製ステップタブレットNo.2(21
段)を当て、600mJ/cm2 の露光量で露光し、1
%Na2 CO3 水溶液によりスプレー圧2kg/cm2
で1分間現像した後の残存段数を調べた。
【0064】上記各試験の結果を表1にまとめて示す。
【表1】 表1に示す結果から明らかなように、本発明の実施例1
〜4のソルダーレジストインキ組成物は、感光性樹脂と
して従来のノボラック型エポキシアクリレートの多塩基
酸無水物付加物を用いた比較例3に比べて、仮乾燥後の
指触乾燥性や感度に優れ、また現像ライフにおいても同
等以上であり、さらに、それらを用いて形成されたレジ
スト膜は、無電解金めっき耐性にも優れていた。これに
対して、マレイミド成分が本発明で規定する範囲よりも
少ない共重合体を感光性樹脂として用いた比較例1の場
合、仮乾燥後の塗膜の指触乾燥性に劣っており、また得
られたレジスト膜の無電解金めっき耐性にも劣ってい
た。一方、マレイミド成分が本発明で規定する範囲より
も多い共重合体を用いた比較例2の場合、仮乾燥後の塗
膜の指触乾燥性には優れていたが、現像困難であり、ソ
ルダーレジストとして用いるには不適当であった。
【0065】
【発明の効果】以上のように、本発明の光硬化性・熱硬
化性ソルダーレジストインキ組成物において用いる感光
性プレポリマーは、前記一般式(1)で示されるよう
に、エステル型感光性成分に加えて、主鎖にイミド環が
導入されたものであるため、これを配合した組成物は、
従来ソルダーレジスト用の好適な感光性樹脂として知ら
れているノボラック型エポキシアクリレートの多塩基酸
無水物付加物を配合したものと同等の特性を発揮できる
ことに加えて、特に無電解金めっき耐性が向上し、また
イミド環の導入によってガラス転移点が上がり、仮乾燥
後の指触乾燥性に優れた組成物が得られる。また、この
ような感光性プレポリマーを、熱硬化性成分として、結
晶性で融点が130〜160℃であり、且つ有機溶剤に
難溶性である多官能エポキシ化合物と組み合わせて用い
ることにより、仮乾燥後の指触乾燥性や現像ライフに優
れると共に、得られる組成物のポットライフ、シェルフ
ライフが長くなり、分散型の一液化が可能である。この
ようなソルダーレジストインキ組成物を用いてプリント
配線板上に塗布し、所定のパターン通りに露光、現像
し、その後ポストキュアーを行うことにより、ソルダー
レジストに要求される密着性、電気絶縁性、耐電蝕性、
はんだ耐熱性、耐溶剤性、耐アルカリ性、耐酸性、耐め
っき性等に優れたソルダーレジスト膜を作業性よく形成
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 222/40 MNJ C08F 222/40 MNJ 299/00 MRN 299/00 MRN C08G 59/32 NHT C08G 59/32 NHT 59/40 NJP 59/40 NJP NKH NKH C09D 11/00 PTE C09D 11/00 PTE H05K 3/28 H05K 3/28 D // C08L 33/04 LJE C08L 33/04 LJE 33/26 LJW 33/26 LJW (72)発明者 依田 恭一 埼玉県比企郡嵐山町大字大蔵388番地 太 陽インキ製造株式会社嵐山事業所内 (72)発明者 市川 響 埼玉県比企郡嵐山町大字大蔵388番地 太 陽インキ製造株式会社嵐山事業所内 (72)発明者 成田 康子 埼玉県比企郡嵐山町大字大蔵388番地 太 陽インキ製造株式会社嵐山事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1の一般式(1)で表わされる繰
    り返し単位を有し、一般式(1)中のXと(Y+Z)の
    モル比が60:40〜10:90で、YとZのモル比が
    30:70〜100:0の範囲にあり、且つ重量平均分
    子量が5,000〜40,000、酸価が40〜150
    mgKOH/gの範囲にあることを特徴とする感光性プ
    レポリマー。 【化1】
  2. 【請求項2】 (A)下記化2の一般式(1)で表わさ
    れる繰り返し単位を有し、一般式(1)中のXと(Y+
    Z)のモル比が60:40〜10:90で、YとZのモ
    ル比が30:70〜100:0の範囲にあり、且つ重量
    平均分子量が5,000〜40,000、固形分酸価が
    40〜150mgKOH/gの範囲にある感光性プレポ
    リマー、(B)光重合開始剤、(C)希釈剤、及び
    (D)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する
    多官能エポキシ化合物を含有することを特徴とする光硬
    化性・熱硬化性ソルダーレジストインキ組成物。 【化2】
  3. 【請求項3】 前記感光性プレポリマー(A)が、一般
    式(1)中のXと(Y+Z)のモル比が50:50〜2
    0:80で、YとZのモル比が40:60〜100:0
    の範囲にあり、且つ重量平均分子量が5,000〜4
    0,000、固形分酸価が50〜150mgKOH/g
    の範囲にある感光性プレポリマーであることを特徴とす
    る請求項2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記多官能エポキシ化合物(D)が、結
    晶性で融点が130〜160℃の範囲にあり、且つ上記
    希釈剤(C)に難溶性である多官能エポキシ化合物であ
    ることを特徴とする請求項2又は3に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記多官能エポキシ化合物(D)が、S
    −トリアジン環骨格面に対し同一方向にエポキシ基が付
    いた構造を持つα体のトリグリシジルイソシアヌレート
    を60重量%以上含有することを特徴とする請求項2乃
    至4のいずれか一項に記載の組成物。
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