JPH0858083A - インクジェットプリント方法およびその装置 - Google Patents
インクジェットプリント方法およびその装置Info
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- JPH0858083A JPH0858083A JP14879295A JP14879295A JPH0858083A JP H0858083 A JPH0858083 A JP H0858083A JP 14879295 A JP14879295 A JP 14879295A JP 14879295 A JP14879295 A JP 14879295A JP H0858083 A JPH0858083 A JP H0858083A
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- Japan
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- ink
- head
- inkjet
- scanning
- ink jet
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
- Dot-Matrix Printers And Others (AREA)
- Character Spaces And Line Spaces In Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 往復走査によってプリントを行う場合に、往
走査と復走査の双方においてサテライトを主ドット内に
納めることにより、プリント品位を低下させることな
く、高速の往復プリントを実現することができるインク
ジェットプリント方法およびその装置を提供する。 【構成】 開口面222に対してインクの吐出方向が矢
印X2 の復走査方向に傾斜しているマルチヘッド102
を用いて画像をプリントする際、CPU100によって
矢印X2 の復走査方向の走査速度V2 を逆の往走査方向
の走査速度V1 よりも遅くし、復走査時における主ドッ
トD1 とサテライトD2 との間のずれの距離Lを小さく
抑える。
走査と復走査の双方においてサテライトを主ドット内に
納めることにより、プリント品位を低下させることな
く、高速の往復プリントを実現することができるインク
ジェットプリント方法およびその装置を提供する。 【構成】 開口面222に対してインクの吐出方向が矢
印X2 の復走査方向に傾斜しているマルチヘッド102
を用いて画像をプリントする際、CPU100によって
矢印X2 の復走査方向の走査速度V2 を逆の往走査方向
の走査速度V1 よりも遅くし、復走査時における主ドッ
トD1 とサテライトD2 との間のずれの距離Lを小さく
抑える。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットヘッド
を往復走査して、プリント用紙などの被プリント物に往
復プリントを行うインクジェットプリント方法およびそ
の装置に関する。
を往復走査して、プリント用紙などの被プリント物に往
復プリントを行うインクジェットプリント方法およびそ
の装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えばパソコンの端末機や、
コピー機、あるいはファクシミリなどの出力装置とし
て、熱転写や、レーザビーム、ドットインパクト、ある
いはインクジェット方式などのプリンタが使用されてい
る。
コピー機、あるいはファクシミリなどの出力装置とし
て、熱転写や、レーザビーム、ドットインパクト、ある
いはインクジェット方式などのプリンタが使用されてい
る。
【0003】このようなプリンタにおいて、インクジェ
ット方式は、静粛性に優れるプリント方法として注目を
浴びており、特に、加熱によるインクの発泡を利用して
インクを吐出させるものは、プリントの高密度化および
カラー化が容易で静粛性に優れ、また高速プリントに耐
え得るなどの優れた特徴を有し、高品位で安価なプリン
ト方法として注目を浴びている。
ット方式は、静粛性に優れるプリント方法として注目を
浴びており、特に、加熱によるインクの発泡を利用して
インクを吐出させるものは、プリントの高密度化および
カラー化が容易で静粛性に優れ、また高速プリントに耐
え得るなどの優れた特徴を有し、高品位で安価なプリン
ト方法として注目を浴びている。
【0004】また、プリントの高速化に伴い、複数の吐
出口を配列したインクジェットヘッド、すなわちマルチ
ヘッドを備えたものが一般化し、さらにカラー対応とし
て上記マルチヘッドを複数個備えたものも開発されてい
る。
出口を配列したインクジェットヘッド、すなわちマルチ
ヘッドを備えたものが一般化し、さらにカラー対応とし
て上記マルチヘッドを複数個備えたものも開発されてい
る。
【0005】図8は、上記マルチヘッドを用いて、紙面
上を印字するためのプリンタ部の構成例を示すものであ
る。
上を印字するためのプリンタ部の構成例を示すものであ
る。
【0006】この図8において、101は計4つのカー
トリッジである。これらは、4色(ブラック、シアン、
マゼンタ、イエロー)のカラーインクのそれぞれが詰め
込まれたインクタンクと、それらのインクタンク毎に備
わるマルチヘッド102とにより構成されている。それ
ぞれのマルチヘッド102に形成されるインク吐出孔
は、図8中のY方向に沿ってn個ずつ形成され、さらに
4つのマルチヘッド102におけるn個ずつインク吐出
孔は図8中のX方向にずれて平行に並ぶように形成され
ている。なお、4つのマルチヘッドにおけるインク吐出
孔は、例えば、図8中のX方向において多少の傾きをも
って平行に並ぶように形成してもよく、この場合には、
各ノズルはそれぞれタイミングをずらしながらインクを
吐出してプリントを行うことになる。また、図8におい
て、103は紙送りローラであり、補助ローラ104と
ともに、印字紙(被プリント物)107を挾みながら同
図中の矢印の方向に回転することにより、印字紙107
をY方向(搬送方向)に紙送りする。また、105は対
の給紙ローラであり、図8中の矢印方向に回転すること
により、印字紙107を挾みつつ給紙動作をする。10
6は、4つのカートリッジ101を支持するキャリッジ
であり、印字動作時は矢印X方向に沿って往復移動し、
また印字を行っていないとき、あるいはマルチヘッド1
02の回復作業などを行うときには、図8中の点線で示
すホームポジションhにて待機するようになっている。
トリッジである。これらは、4色(ブラック、シアン、
マゼンタ、イエロー)のカラーインクのそれぞれが詰め
込まれたインクタンクと、それらのインクタンク毎に備
わるマルチヘッド102とにより構成されている。それ
ぞれのマルチヘッド102に形成されるインク吐出孔
は、図8中のY方向に沿ってn個ずつ形成され、さらに
4つのマルチヘッド102におけるn個ずつインク吐出
孔は図8中のX方向にずれて平行に並ぶように形成され
ている。なお、4つのマルチヘッドにおけるインク吐出
孔は、例えば、図8中のX方向において多少の傾きをも
って平行に並ぶように形成してもよく、この場合には、
各ノズルはそれぞれタイミングをずらしながらインクを
吐出してプリントを行うことになる。また、図8におい
て、103は紙送りローラであり、補助ローラ104と
ともに、印字紙(被プリント物)107を挾みながら同
図中の矢印の方向に回転することにより、印字紙107
をY方向(搬送方向)に紙送りする。また、105は対
の給紙ローラであり、図8中の矢印方向に回転すること
により、印字紙107を挾みつつ給紙動作をする。10
6は、4つのカートリッジ101を支持するキャリッジ
であり、印字動作時は矢印X方向に沿って往復移動し、
また印字を行っていないとき、あるいはマルチヘッド1
02の回復作業などを行うときには、図8中の点線で示
すホームポジションhにて待機するようになっている。
【0007】印字開始前、キャリッジ106は図8中の
点線のホームポジションhにある。そして、印字開始命
令により、X方向(走査方向)移動しながら、各マルチ
ヘッド102のそれぞれのノズルのインク吐出孔221
から選択的にインクを吐出し、これによって印字紙10
7の紙面上にn個のインク吐出口221の形成幅分の1
ラインの印字を行う。このようにして、印字紙107の
紙面端部まで1ライン分のデータの印字が終了すると、
キャリッジ106はX方向と逆の方向に移動して元のホ
ームポジションhに戻る。その後、キャリッジ106は
再びX方向へ移動して次の1ライン分の印字を行う。な
お、往復印字を行う場合には、キャリッジ106がX方
向と逆の方向に移動する際にも印字を行うことになる。
そして、いずれの場合にも、1ライン分の印字が終了し
てから次のラインの印字が始まる前までに、紙送りロー
ラ103が矢印方向へ回転し、1ラインの分のプリント
幅だけ印字紙107をY方向へ紙送りする。このよう
に、1ライン分の印字と紙送りを繰り返すことにより、
印字紙107の一紙面上に対するデータの印字プリント
が終了する。
点線のホームポジションhにある。そして、印字開始命
令により、X方向(走査方向)移動しながら、各マルチ
ヘッド102のそれぞれのノズルのインク吐出孔221
から選択的にインクを吐出し、これによって印字紙10
7の紙面上にn個のインク吐出口221の形成幅分の1
ラインの印字を行う。このようにして、印字紙107の
紙面端部まで1ライン分のデータの印字が終了すると、
キャリッジ106はX方向と逆の方向に移動して元のホ
ームポジションhに戻る。その後、キャリッジ106は
再びX方向へ移動して次の1ライン分の印字を行う。な
お、往復印字を行う場合には、キャリッジ106がX方
向と逆の方向に移動する際にも印字を行うことになる。
そして、いずれの場合にも、1ライン分の印字が終了し
てから次のラインの印字が始まる前までに、紙送りロー
ラ103が矢印方向へ回転し、1ラインの分のプリント
幅だけ印字紙107をY方向へ紙送りする。このよう
に、1ライン分の印字と紙送りを繰り返すことにより、
印字紙107の一紙面上に対するデータの印字プリント
が終了する。
【0008】以下においては、ホームポジションh側か
ら印字を開始すべくマルチヘッド102が図8中の矢印
X1 方向に走査される場合を往走査、ホームポジション
hに向けて印字すべくマルチヘッド102が図8中の矢
印X2 方向に走査される場合を復走査ということする。
ら印字を開始すべくマルチヘッド102が図8中の矢印
X1 方向に走査される場合を往走査、ホームポジション
hに向けて印字すべくマルチヘッド102が図8中の矢
印X2 方向に走査される場合を復走査ということする。
【0009】また、このようなプリント装置を用いて、
往走査のみでプリントを行う場合、復走査がまったく無
駄な走査になってしまうことが高速プリントを阻む1つ
の要因となっていた。そこで、高速化のために復走査を
もプリントのために用いて往復プリントを行う試みがな
されている。
往走査のみでプリントを行う場合、復走査がまったく無
駄な走査になってしまうことが高速プリントを阻む1つ
の要因となっていた。そこで、高速化のために復走査を
もプリントのために用いて往復プリントを行う試みがな
されている。
【0010】ところで、インクジェットプリント装置に
よって印字などのプリントを行う場合には、インク吐出
孔から吐出されて紙面上に着弾する主ドット以外に、そ
の主ドットを形成するインクの主滴から分離したインク
の小滴が紙面上に着弾して、小さなドットを形成する。
この小さなドットは「サテライト」と呼ばれている。こ
のサテライトを形成する小滴は元々主滴と同時に吐出さ
れたものであり、その主滴とインク吐出孔のメニスカス
の液面との間の張力によって主滴の後側に尾の部分が生
じ、その尾の部分が表面張力によって球形状になろうと
して分離したものである。したがって、サテライトを形
成する小滴は、主滴に比べて、インク吐出孔のメニスカ
スから引き離される際の表面張力による後方への作用を
多く受けているものと考えられ、主滴よりも吐出速度が
遅い。
よって印字などのプリントを行う場合には、インク吐出
孔から吐出されて紙面上に着弾する主ドット以外に、そ
の主ドットを形成するインクの主滴から分離したインク
の小滴が紙面上に着弾して、小さなドットを形成する。
この小さなドットは「サテライト」と呼ばれている。こ
のサテライトを形成する小滴は元々主滴と同時に吐出さ
れたものであり、その主滴とインク吐出孔のメニスカス
の液面との間の張力によって主滴の後側に尾の部分が生
じ、その尾の部分が表面張力によって球形状になろうと
して分離したものである。したがって、サテライトを形
成する小滴は、主滴に比べて、インク吐出孔のメニスカ
スから引き離される際の表面張力による後方への作用を
多く受けているものと考えられ、主滴よりも吐出速度が
遅い。
【0011】また印字紙107の印字面とインク吐出孔
が開口する開口面とが平行である場合、吐出速度が異な
る主滴とサテライトを形成する小滴との位置関係は、開
口面が均一である限り一定であり、著しい昇温がある場
合などを除いて往復印字での品位の変化は生じにくい。
が開口する開口面とが平行である場合、吐出速度が異な
る主滴とサテライトを形成する小滴との位置関係は、開
口面が均一である限り一定であり、著しい昇温がある場
合などを除いて往復印字での品位の変化は生じにくい。
【0012】しかし、開口面に対してインク吐出孔が傾
いて開口している場合には、その開口面に対するインク
の親和力に部分的な差が生じて、サテライトを形成する
小滴の吐出方向が変化する。このような性質を利用して
サテライトの位置を制御する方法が提案されている(例
えば、特公平5−43510号参照)。片方向印字の場
合には、このように主滴に比べて速度が遅く、吐出方向
のずれを持つ小滴(サテライトを形成する小滴)を印字
面での主ドットの中に納めることが可能であった。ま
た、開口面を走査方向において異なる材質で形成した場
合にも同様である。すなわち、インク吐出口において、
走査方向と逆側の部位の構成部材としてインクと親和性
の高い材料を使用することによって、上記のように開口
面を傾ける場合と同様に、サテライトを形成する小滴の
吐出方向のコントロールが可能となる。
いて開口している場合には、その開口面に対するインク
の親和力に部分的な差が生じて、サテライトを形成する
小滴の吐出方向が変化する。このような性質を利用して
サテライトの位置を制御する方法が提案されている(例
えば、特公平5−43510号参照)。片方向印字の場
合には、このように主滴に比べて速度が遅く、吐出方向
のずれを持つ小滴(サテライトを形成する小滴)を印字
面での主ドットの中に納めることが可能であった。ま
た、開口面を走査方向において異なる材質で形成した場
合にも同様である。すなわち、インク吐出口において、
走査方向と逆側の部位の構成部材としてインクと親和性
の高い材料を使用することによって、上記のように開口
面を傾ける場合と同様に、サテライトを形成する小滴の
吐出方向のコントロールが可能となる。
【0013】開口面に対してインク吐出孔221が傾く
マルチヘッド102の構成としては、例えば、図9〜図
11のもの、または図12のものがある。
マルチヘッド102の構成としては、例えば、図9〜図
11のもの、または図12のものがある。
【0014】前者のマルチヘッド102(図9〜図11
参照)は、天盤21、ヒータボード23、およびオリフ
ィスプレート25との結合とによって成る。天盤21に
は、図11に示すように、インク供給口211、インク
溜め(共通液室)212、および複数のインク流路21
3が形成されている。ヒータボード23には、それぞれ
のインク流路213内に位置するヒータ(電気熱変換素
子)231と、それらのヒータ231を個別に通電発熱
させるための配線232が形成されている。また、オリ
フィスプレート25には、インク流路213のそれぞれ
に対応するインク吐出孔221が形成されている。22
2は、インク吐出孔221の開口面である。
参照)は、天盤21、ヒータボード23、およびオリフ
ィスプレート25との結合とによって成る。天盤21に
は、図11に示すように、インク供給口211、インク
溜め(共通液室)212、および複数のインク流路21
3が形成されている。ヒータボード23には、それぞれ
のインク流路213内に位置するヒータ(電気熱変換素
子)231と、それらのヒータ231を個別に通電発熱
させるための配線232が形成されている。また、オリ
フィスプレート25には、インク流路213のそれぞれ
に対応するインク吐出孔221が形成されている。22
2は、インク吐出孔221の開口面である。
【0015】このようなマルチヘッド102において
は、それを簡易に製造するための方法として、天盤21
とオリフィスプレート25とを一体に成形した後、イン
ク吐出孔221を形成する方法がある。しかし、このよ
うな製造方法の場合には、開口面222に対して垂直に
吐出孔221を形成することは困難であるため、天盤2
1の図11中の上部方向から吐出孔221が形成される
ことになる。ところが、このように吐出孔221を形成
したとしても、吐出孔221が開口面222に対して若
干傾斜することは避け難い。
は、それを簡易に製造するための方法として、天盤21
とオリフィスプレート25とを一体に成形した後、イン
ク吐出孔221を形成する方法がある。しかし、このよ
うな製造方法の場合には、開口面222に対して垂直に
吐出孔221を形成することは困難であるため、天盤2
1の図11中の上部方向から吐出孔221が形成される
ことになる。ところが、このように吐出孔221を形成
したとしても、吐出孔221が開口面222に対して若
干傾斜することは避け難い。
【0016】なお、図9〜図11のマルチヘッド102
においては、インク溜め212内に供給されたインクが
毛管現象によりインク流路213内に供給され、インク
吐出孔221にてメニスカスを形成することにより安定
に保持される。そして、配線232を通してヒータ23
1に通電することにより、そのヒータ231上のインク
が加熱され、そのインク中に膜沸騰による発泡現象が生
じて、その発泡のエネルギーによりインク吐出孔221
からインクの液滴が吐出する。
においては、インク溜め212内に供給されたインクが
毛管現象によりインク流路213内に供給され、インク
吐出孔221にてメニスカスを形成することにより安定
に保持される。そして、配線232を通してヒータ23
1に通電することにより、そのヒータ231上のインク
が加熱され、そのインク中に膜沸騰による発泡現象が生
じて、その発泡のエネルギーによりインク吐出孔221
からインクの液滴が吐出する。
【0017】一方、図12の後者のヘッド102は、開
口面222が往走査方向(矢印X1方向)において傾斜
されて、結果的に、開口面222に対してインク吐出孔
221が斜めに開口している。
口面222が往走査方向(矢印X1方向)において傾斜
されて、結果的に、開口面222に対してインク吐出孔
221が斜めに開口している。
【0018】このように、インク吐出孔221が開口面
222に対して往走査方向(矢印X1 方向)または復走
査方向(矢印X2 方向)に傾斜して開口していたとして
も、片方向印字の場合には、前述したように、サテライ
トを形成する小滴の吐出方向をコントロールすることに
よって、サテライトの少なくしてプリント品位を保つこ
とができる。
222に対して往走査方向(矢印X1 方向)または復走
査方向(矢印X2 方向)に傾斜して開口していたとして
も、片方向印字の場合には、前述したように、サテライ
トを形成する小滴の吐出方向をコントロールすることに
よって、サテライトの少なくしてプリント品位を保つこ
とができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところが、往復走査で
印字などのプリントを行う場合には、一方向の走査で
は、サテライトを形成する小滴の吐出方向をコントロー
ルしてサテライトの少ない良好な画像を得ることができ
るものの、逆の他方向の走査では、サテライトを形成す
る小滴の吐出方向が走査方向に対して逆になるため、サ
テライトが多く発生して画像品位を低下させるという問
題があった。
印字などのプリントを行う場合には、一方向の走査で
は、サテライトを形成する小滴の吐出方向をコントロー
ルしてサテライトの少ない良好な画像を得ることができ
るものの、逆の他方向の走査では、サテライトを形成す
る小滴の吐出方向が走査方向に対して逆になるため、サ
テライトが多く発生して画像品位を低下させるという問
題があった。
【0020】
【発明の目的】本発明の目的は、往復走査によってプリ
ントを行う場合に、往走査と復走査の双方においてサテ
ライトを主ドット内に納めることにより、プリント品位
を低下させることなく、高速の往復プリントを実現する
ことができるインクジェットプリント方法およびその装
置を提供することにある。
ントを行う場合に、往走査と復走査の双方においてサテ
ライトを主ドット内に納めることにより、プリント品位
を低下させることなく、高速の往復プリントを実現する
ことができるインクジェットプリント方法およびその装
置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の形態は、
インクを吐出するインク吐出口と、このインク吐出口が
開口する開口面とを有するインクジェットヘッドを用
い、このインクジェットヘッドを往復走査して被プリン
ト物に往復プリントを行う際に、前記開口面に対してイ
ンクの吐出方向が前記インクジェットヘッドの往走査方
向および復走査方向の何れか一方に傾くインクジェット
プリント方法であって、前記インク吐出口から吐出され
るインクの傾き方向に前記インクジェットヘッドを走査
する時は、それと逆方向に走査する時よりも前記インク
ジェットヘッドの走査速度を遅くするようにしたことを
特徴とするインクジェットプリント方法にある。
インクを吐出するインク吐出口と、このインク吐出口が
開口する開口面とを有するインクジェットヘッドを用
い、このインクジェットヘッドを往復走査して被プリン
ト物に往復プリントを行う際に、前記開口面に対してイ
ンクの吐出方向が前記インクジェットヘッドの往走査方
向および復走査方向の何れか一方に傾くインクジェット
プリント方法であって、前記インク吐出口から吐出され
るインクの傾き方向に前記インクジェットヘッドを走査
する時は、それと逆方向に走査する時よりも前記インク
ジェットヘッドの走査速度を遅くするようにしたことを
特徴とするインクジェットプリント方法にある。
【0022】ここで、前記インク吐出孔は、前記開口面
に対して斜めに開口していることが有効である。また、
前記開口面を、インクに対する親和性が異なる材料で形
成したり、前記インクジェットヘッドの往走査方向また
は復走査方向の何れか一方に傾けるようにしても良い。
さらに、前記インクジェットヘッドは、異なるインクを
吐出するものが複数備えられていることが好ましく、イ
ンクを吐出するために利用されるエネルギーとして、イ
ンクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギーを発生する電気
熱変換素子を有するものであっても良い。
に対して斜めに開口していることが有効である。また、
前記開口面を、インクに対する親和性が異なる材料で形
成したり、前記インクジェットヘッドの往走査方向また
は復走査方向の何れか一方に傾けるようにしても良い。
さらに、前記インクジェットヘッドは、異なるインクを
吐出するものが複数備えられていることが好ましく、イ
ンクを吐出するために利用されるエネルギーとして、イ
ンクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギーを発生する電気
熱変換素子を有するものであっても良い。
【0023】一方、本発明の第2の形態は、インクを吐
出するインク吐出口と、このインク吐出口が開口する開
口面とを有するインクジェットヘッドを用い、このイン
クジェットヘッドを往復走査して被プリント物に往復プ
リントを行う際に、前記開口面に対してインクの吐出方
向が前記インクジェットヘッドの往走査方向および復走
査方向のの何れか一方に傾くインクジェットプリント装
置であって、前記インク吐出口から吐出されるインクの
傾き方向に前記インクジェットヘッドを走査する時は、
それと逆方向に走査する時よりも前記インクジェットヘ
ッドの走査速度を遅くする走査速度制御部をさらに備え
たことを特徴とするインクジェットプリント装置にあ
る。
出するインク吐出口と、このインク吐出口が開口する開
口面とを有するインクジェットヘッドを用い、このイン
クジェットヘッドを往復走査して被プリント物に往復プ
リントを行う際に、前記開口面に対してインクの吐出方
向が前記インクジェットヘッドの往走査方向および復走
査方向のの何れか一方に傾くインクジェットプリント装
置であって、前記インク吐出口から吐出されるインクの
傾き方向に前記インクジェットヘッドを走査する時は、
それと逆方向に走査する時よりも前記インクジェットヘ
ッドの走査速度を遅くする走査速度制御部をさらに備え
たことを特徴とするインクジェットプリント装置にあ
る。
【0024】ここで、前記インク吐出孔は、前記開口面
に対して斜めに開口していることが有効である。また、
前記開口面を、インクに対する親和性が異なる材料で形
成したり、前記インクジェットヘッドの往走査方向また
は復走査方向の何れか一方に傾けるようにしても良い。
さらに、前記インクジェットヘッドは、異なるインクを
吐出するものが複数備えられていることが好ましく、イ
ンクを吐出するために利用されるエネルギーとして、イ
ンクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギーを発生する電気
熱変換素子を有するものであっても良い。
に対して斜めに開口していることが有効である。また、
前記開口面を、インクに対する親和性が異なる材料で形
成したり、前記インクジェットヘッドの往走査方向また
は復走査方向の何れか一方に傾けるようにしても良い。
さらに、前記インクジェットヘッドは、異なるインクを
吐出するものが複数備えられていることが好ましく、イ
ンクを吐出するために利用されるエネルギーとして、イ
ンクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギーを発生する電気
熱変換素子を有するものであっても良い。
【0025】
【作用】本発明によると、インク吐出孔が開口する開口
面に対するインクの吐出方向の傾きに応じて、往復の走
査速度を走査速度制御部にて変更する。
面に対するインクの吐出方向の傾きに応じて、往復の走
査速度を走査速度制御部にて変更する。
【0026】例えば、単色画像でプリントする場合に
は、サテライトによるエリアファクタの増加を低減して
往復プリントでの濃度差を小さく抑え、また縦線の凹凸
を減少させるなど、画像品位の向上を可能とする。ま
た、カラー画像をプリントする場合には、サテライトに
よるエリアファクタの変化を低減し、往復プリントによ
って色ムラの少ない高品位な画像を得る。
は、サテライトによるエリアファクタの増加を低減して
往復プリントでの濃度差を小さく抑え、また縦線の凹凸
を減少させるなど、画像品位の向上を可能とする。ま
た、カラー画像をプリントする場合には、サテライトに
よるエリアファクタの変化を低減し、往復プリントによ
って色ムラの少ない高品位な画像を得る。
【0027】
【実施例】本発明によるインクジェットプリント方法を
実現し得るインクジェットプリント装置の実施例につい
て、図1〜図7を参照しながら詳細に説明する。
実現し得るインクジェットプリント装置の実施例につい
て、図1〜図7を参照しながら詳細に説明する。
【0028】〔第1の実施例〕本実施例では、前述した
図8と同様の構成のプリンタ部を備え、マルチヘッド1
02として、インク吐出孔が開口する開口面に対して、
そのインク吐出孔が復走査方向に傾斜しているものを用
い、そのマルチヘッド102を往復走査して黒色インク
による単色のプリントを行った。そのマルチヘッド10
2としては、例えば、前述した図9〜図11のものにお
いて、天盤21とオリフィスプレート25とを一体に成
形して、開口面222に対してインク吐出孔221を復
走査方向に傾けて開口させたもの、または前述した図1
2のものにおいて、開口面222を傾けたものを用いる
ことができる。さらに、マルチヘッド102の走査方向
に沿ったインク吐出口221が開口する開口面の部分を
異なる材質のもので形成するようにしてもよい。
図8と同様の構成のプリンタ部を備え、マルチヘッド1
02として、インク吐出孔が開口する開口面に対して、
そのインク吐出孔が復走査方向に傾斜しているものを用
い、そのマルチヘッド102を往復走査して黒色インク
による単色のプリントを行った。そのマルチヘッド10
2としては、例えば、前述した図9〜図11のものにお
いて、天盤21とオリフィスプレート25とを一体に成
形して、開口面222に対してインク吐出孔221を復
走査方向に傾けて開口させたもの、または前述した図1
2のものにおいて、開口面222を傾けたものを用いる
ことができる。さらに、マルチヘッド102の走査方向
に沿ったインク吐出口221が開口する開口面の部分を
異なる材質のもので形成するようにしてもよい。
【0029】本実施例のプリント装置における制御系の
ブロックを表す図1において、CPU100は、この装
置各部の動作の制御処理やデータ処理などを実行する。
ROM100Aには、その処理手順などが格納され、ま
た、RAM100Bは上記処理実行のワークエリアとし
て用いられる。
ブロックを表す図1において、CPU100は、この装
置各部の動作の制御処理やデータ処理などを実行する。
ROM100Aには、その処理手順などが格納され、ま
た、RAM100Bは上記処理実行のワークエリアとし
て用いられる。
【0030】マルチヘッド102からのインク吐出は、
CPU100がヒータ231の駆動データおよび駆動制
御信号をヘッドドライバ1Aに供給することにより行わ
れる。また、CPU100は、キャリッジ106(図8
参照)を移動させるためのキャリッジモータ20や搬送
ローラ103, 104, 105を回転させるための紙送
りモータ50の回転を、それぞれモータドライバ20A
および50Aを介して制御する。さらに、CPU100
は、後述するように、マルチヘッド102の走査方向に
応じて走査速度を変更すべく、キャリッジモータ20の
回転速度を制御するための走査速度制御部を構成してい
る。
CPU100がヒータ231の駆動データおよび駆動制
御信号をヘッドドライバ1Aに供給することにより行わ
れる。また、CPU100は、キャリッジ106(図8
参照)を移動させるためのキャリッジモータ20や搬送
ローラ103, 104, 105を回転させるための紙送
りモータ50の回転を、それぞれモータドライバ20A
および50Aを介して制御する。さらに、CPU100
は、後述するように、マルチヘッド102の走査方向に
応じて走査速度を変更すべく、キャリッジモータ20の
回転速度を制御するための走査速度制御部を構成してい
る。
【0031】本実施例では、往走査と復走査の走査速度
を下表1の実験例1, 2, 3のように変更して単色プリ
ントを実施し、主ドットとサテライトの重心間の距離L
を測定した。それらの実験例では、復走査時の走査速度
を往走査時よりも遅くし、そして、それらの走査速度が
等しい比較例1, 2と比較した。なお、走査速度に応じ
てマルチヘッド102の駆動周波数、つまりマルチヘッ
ド102から吐出されるインク滴の吐出周波数も変化す
ることになり、本例では、360dpi (dot/inch)のマ
ルチヘッド102の駆動周波数を6kHz としたときの走
査速度が42.3cm/sに相当し、同様に、その駆動周波
数を5kHz 、4kHz 、3kHz 、2kHz としたときの走査
速度のそれぞれが35.3cm/s、28.2cm/s、21.
2cm/s、14.1cm/sとなる。
を下表1の実験例1, 2, 3のように変更して単色プリ
ントを実施し、主ドットとサテライトの重心間の距離L
を測定した。それらの実験例では、復走査時の走査速度
を往走査時よりも遅くし、そして、それらの走査速度が
等しい比較例1, 2と比較した。なお、走査速度に応じ
てマルチヘッド102の駆動周波数、つまりマルチヘッ
ド102から吐出されるインク滴の吐出周波数も変化す
ることになり、本例では、360dpi (dot/inch)のマ
ルチヘッド102の駆動周波数を6kHz としたときの走
査速度が42.3cm/sに相当し、同様に、その駆動周波
数を5kHz 、4kHz 、3kHz 、2kHz としたときの走査
速度のそれぞれが35.3cm/s、28.2cm/s、21.
2cm/s、14.1cm/sとなる。
【0032】
【表1】
【0033】上表において、Tmax はマルチヘッドの最
高到達温度(℃)、ΔOD25は、往走査と復走査での
プリント結果の黒濃度の差を25%デューティで測定し
た結果である。
高到達温度(℃)、ΔOD25は、往走査と復走査での
プリント結果の黒濃度の差を25%デューティで測定し
た結果である。
【0034】表1から明らかなように、往復の走査速度
が等しい比較例に比して、復走査速度を往走査速度より
も遅くした実験例では、往走査時における主ドットとサ
テライトとの間の距離Lと、復走査時におけるそれらの
間の距離Lとの差が小さくなる。そのため、後述するよ
うに、サテライトによる縦線の凹凸が低減され、文字や
経線などの高品位なプリントが可能となった。また、サ
テライトに起因するエリアファクタの増加による濃度変
化についても改善された。さらに、副次効果として、マ
ルチヘッド102の過剰な昇温が抑えられて、インク粘
度低下による濃度ムラやドットの着弾精度の悪化などが
防止できた。
が等しい比較例に比して、復走査速度を往走査速度より
も遅くした実験例では、往走査時における主ドットとサ
テライトとの間の距離Lと、復走査時におけるそれらの
間の距離Lとの差が小さくなる。そのため、後述するよ
うに、サテライトによる縦線の凹凸が低減され、文字や
経線などの高品位なプリントが可能となった。また、サ
テライトに起因するエリアファクタの増加による濃度変
化についても改善された。さらに、副次効果として、マ
ルチヘッド102の過剰な昇温が抑えられて、インク粘
度低下による濃度ムラやドットの着弾精度の悪化などが
防止できた。
【0035】上記の実験例1において、往走査時に形成
される主ドットD1 とサテライトD2 との位置関係を図
2(a) に示し、復走査時に形成されるそれらの位置関係
を図3(a) に示し、また、それらの往復走査を繰り返し
てプリントした縦ラインを図3(b) に示す。同図3(b)
において、Wは1ライン分のプリント幅であり、往走査
3回、復走査2回によって、幅Wの5倍の長さ(5×
W)の縦ラインをプリントした。なお、図2(b) は、本
実験例における往走査のみを5回繰り返した場合の縦ラ
インのプリント例を示す。
される主ドットD1 とサテライトD2 との位置関係を図
2(a) に示し、復走査時に形成されるそれらの位置関係
を図3(a) に示し、また、それらの往復走査を繰り返し
てプリントした縦ラインを図3(b) に示す。同図3(b)
において、Wは1ライン分のプリント幅であり、往走査
3回、復走査2回によって、幅Wの5倍の長さ(5×
W)の縦ラインをプリントした。なお、図2(b) は、本
実験例における往走査のみを5回繰り返した場合の縦ラ
インのプリント例を示す。
【0036】図4(a) は、上記の実験例2の復走査時に
形成される主ドットD1 とサテライトD2 との位置関係
を示し、図4(b) は、同実験例2の往復走査によってプ
リントした縦ラインを示す。
形成される主ドットD1 とサテライトD2 との位置関係
を示し、図4(b) は、同実験例2の往復走査によってプ
リントした縦ラインを示す。
【0037】図5(a) は、上記の比較例1の復走査時に
形成される主ドットD1 とサテライトD2 との位置関係
を示し、図5(b) は、同比較例1の往復走査によってプ
リントした縦ラインを示す。
形成される主ドットD1 とサテライトD2 との位置関係
を示し、図5(b) は、同比較例1の往復走査によってプ
リントした縦ラインを示す。
【0038】これらの図2〜5からも明らかなように、
復走査時(インクの吐出方向の傾斜する方向への走査
時)の走査速度を往走査時よりも遅くすることによっ
て、プリントされる縦ラインの凹凸が低減されて、画像
品位が向上する。
復走査時(インクの吐出方向の傾斜する方向への走査
時)の走査速度を往走査時よりも遅くすることによっ
て、プリントされる縦ラインの凹凸が低減されて、画像
品位が向上する。
【0039】図6(a),(b) は、矢印X2 方向の復走査時
における主ドットD1 とサテライトD2 との位置の関係
を示し、同図(a) では走査速度V2 が比較的大きく、ま
た同図(b) では走査速度V2 が比較的小さく設定されて
いる。これらの図においてVD1は主ドットD1 を形成す
る主滴の吐出速度、VD2はサテライトD2 を形成する小
滴の吐出速度であり、後者の小滴は、その吐出速度VD2
が前者の主滴の吐出速度VD1よりも小さく、しかもマル
チヘッド102の開口面222との間のインクの親和力
の影響によって前者の主滴に対して吐出方向がずれる。
結局、走査速度V2 が大きい場合には、同図6(a) のよ
うに主ドットD1 とサテライトD2 との間の距離Lが大
きくなり、走査速度V2 が小さい場合には、同図(b) の
ようにそれらの間の距離Lが小さくなる。
における主ドットD1 とサテライトD2 との位置の関係
を示し、同図(a) では走査速度V2 が比較的大きく、ま
た同図(b) では走査速度V2 が比較的小さく設定されて
いる。これらの図においてVD1は主ドットD1 を形成す
る主滴の吐出速度、VD2はサテライトD2 を形成する小
滴の吐出速度であり、後者の小滴は、その吐出速度VD2
が前者の主滴の吐出速度VD1よりも小さく、しかもマル
チヘッド102の開口面222との間のインクの親和力
の影響によって前者の主滴に対して吐出方向がずれる。
結局、走査速度V2 が大きい場合には、同図6(a) のよ
うに主ドットD1 とサテライトD2 との間の距離Lが大
きくなり、走査速度V2 が小さい場合には、同図(b) の
ようにそれらの間の距離Lが小さくなる。
【0040】図7は、矢印X1 方向の往走査時における
主ドットD1 とサテライトD2 との関係を示し、走査速
度V1 の変化による距離Lの影響は、図6の復走査時の
場合に比して小さい。
主ドットD1 とサテライトD2 との関係を示し、走査速
度V1 の変化による距離Lの影響は、図6の復走査時の
場合に比して小さい。
【0041】〔第2の実施例〕本実施例では、前述した
第1の実施例におけるマルチヘッド102、つまり開口
面に対するインクの吐出方向が復走査方向に傾斜してい
るマルチヘッド102をキャリッジ106(図8参照)
に3つ搭載し、それぞれのマルチヘッド102から、シ
アン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインク
滴を吐出して多色のプリントを行った。そして、往走査
と復走査の走査速度V1,V2 を下表2の実験例4, 5の
ように変更して多色プリントを実施し、主ドットD1 と
サテライトD2 の重心間の距離Lを測定した。それらの
実験例では、復走査時の走査速度V2 を往走査時よりも
遅くし、そして、それらの走査速度V1,V2 が等しい比
較例3と比較した。
第1の実施例におけるマルチヘッド102、つまり開口
面に対するインクの吐出方向が復走査方向に傾斜してい
るマルチヘッド102をキャリッジ106(図8参照)
に3つ搭載し、それぞれのマルチヘッド102から、シ
アン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインク
滴を吐出して多色のプリントを行った。そして、往走査
と復走査の走査速度V1,V2 を下表2の実験例4, 5の
ように変更して多色プリントを実施し、主ドットD1 と
サテライトD2 の重心間の距離Lを測定した。それらの
実験例では、復走査時の走査速度V2 を往走査時よりも
遅くし、そして、それらの走査速度V1,V2 が等しい比
較例3と比較した。
【0042】
【表2】
【0043】上表において、ΔEは、往走査と復走査で
のプリント結果の色濃度の差を25%デューティで測定
した結果である。
のプリント結果の色濃度の差を25%デューティで測定
した結果である。
【0044】表2から明らかなように、往復の走査速度
V1,V2 が等しい比較例に比して、復走査速度V2 を往
走査速度V1 よりも遅くした実験例では、往走査時にお
ける主ドットD1 とサテライトD2 との間の距離Lと、
復走査時におけるそれらの間の距離Lとの差が小さくな
る。そのため、後述するように、サテライトD2 による
縦線の凹凸が低減され、文字や経線などの高品位なプリ
ントが可能となった。また、サテライトD2 に起因する
エリアファクタの増加による色濃度の変化についても改
善された。さらに、副次効果として、マルチヘッド10
2の過剰な昇温が抑えられ、インク粘度低下による濃度
ムラやドットの着弾精度の悪化などが防止できた。
V1,V2 が等しい比較例に比して、復走査速度V2 を往
走査速度V1 よりも遅くした実験例では、往走査時にお
ける主ドットD1 とサテライトD2 との間の距離Lと、
復走査時におけるそれらの間の距離Lとの差が小さくな
る。そのため、後述するように、サテライトD2 による
縦線の凹凸が低減され、文字や経線などの高品位なプリ
ントが可能となった。また、サテライトD2 に起因する
エリアファクタの増加による色濃度の変化についても改
善された。さらに、副次効果として、マルチヘッド10
2の過剰な昇温が抑えられ、インク粘度低下による濃度
ムラやドットの着弾精度の悪化などが防止できた。
【0045】上述した実施例では、プリントの高密度化
および高精細化を達成するため、エネルギ発生素子とし
て熱エネルギーを発生する電気熱変換素子を用いたイン
クジェット装置について説明したが、圧電素子などの電
気機械変換素子を用いたインクジェット装置にも応用す
ることができる。
および高精細化を達成するため、エネルギ発生素子とし
て熱エネルギーを発生する電気熱変換素子を用いたイン
クジェット装置について説明したが、圧電素子などの電
気機械変換素子を用いたインクジェット装置にも応用す
ることができる。
【0046】上述の電気熱変換素子やレーザ光を用いた
インクジェット装置の代表的な構成や原理については、
例えば、米国特許第4723129号明細書や、同第4
740796号明細書に開示されている基本的な原理を
用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデ
マンド型およびコンティニュアス型のいずれにも適用可
能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、インク
が保持されているシートやインク路に対応して配置され
ている電気熱変換体に、プリント情報に対応していて核
沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの
駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エ
ネルギーを発生させ、インクジェットヘッドの熱作用面
に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一
で対応したインク内の気泡を形成できるので有効であ
る。この気泡の成長および収縮により吐出用開口を介し
てインクを吐出させて、少なくとも1つの滴を形成す
る。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気
泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れたイン
クの吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の
駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書
や、同第4345262号明細書に記載されているよう
なものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率
に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記
載されている条件を採用すると、さらに優れたプリント
を行うことができる。
インクジェット装置の代表的な構成や原理については、
例えば、米国特許第4723129号明細書や、同第4
740796号明細書に開示されている基本的な原理を
用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデ
マンド型およびコンティニュアス型のいずれにも適用可
能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、インク
が保持されているシートやインク路に対応して配置され
ている電気熱変換体に、プリント情報に対応していて核
沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの
駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エ
ネルギーを発生させ、インクジェットヘッドの熱作用面
に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一
で対応したインク内の気泡を形成できるので有効であ
る。この気泡の成長および収縮により吐出用開口を介し
てインクを吐出させて、少なくとも1つの滴を形成す
る。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気
泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れたイン
クの吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の
駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書
や、同第4345262号明細書に記載されているよう
なものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率
に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記
載されている条件を採用すると、さらに優れたプリント
を行うことができる。
【0047】インクジェットヘッドの構成としては、上
述の各明細書に開示されているような吐出口、およびイ
ンク路、電気熱変換体の組合せ構成(直線状インク流路
または直角インク流路)の他に、熱作用部が屈曲する領
域に配置されている構成を開示する米国特許第4558
333号明細書や、米国特許第4459600号明細書
を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、
複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気
熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−1
23670号公報や、熱エネルギーの圧力波を吸収する
開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−
138461号公報に基いた構成としても本発明の効果
は有効である。すなわち、インクジェットヘッドの形態
がどのようなものであっても、本発明によればプリント
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
述の各明細書に開示されているような吐出口、およびイ
ンク路、電気熱変換体の組合せ構成(直線状インク流路
または直角インク流路)の他に、熱作用部が屈曲する領
域に配置されている構成を開示する米国特許第4558
333号明細書や、米国特許第4459600号明細書
を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、
複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気
熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−1
23670号公報や、熱エネルギーの圧力波を吸収する
開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−
138461号公報に基いた構成としても本発明の効果
は有効である。すなわち、インクジェットヘッドの形態
がどのようなものであっても、本発明によればプリント
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0048】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定されたインクジェットヘッド、
あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気
的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交
換自在のチップタイプのインクジェットヘッド、あるい
はインクジェットヘッド自体に一体的にインクタンクが
設けられたカートリッジタイプのインクジェットヘッド
を用いた場合にも本発明は有効である。
のでも、装置本体に固定されたインクジェットヘッド、
あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気
的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交
換自在のチップタイプのインクジェットヘッド、あるい
はインクジェットヘッド自体に一体的にインクタンクが
設けられたカートリッジタイプのインクジェットヘッド
を用いた場合にも本発明は有効である。
【0049】また、本発明のプリント装置の構成とし
て、インクジェットヘッドの吐出回復手段、予備的な補
助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定でき
るので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、インクジェットヘッドに対してのキャッピング手
段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱
変換体或は、これとは別の加熱素子或はこれらの組み合
わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、プリントとは別
の吐出を行なう予備吐出手段を挙げることができる。
て、インクジェットヘッドの吐出回復手段、予備的な補
助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定でき
るので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、インクジェットヘッドに対してのキャッピング手
段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱
変換体或は、これとは別の加熱素子或はこれらの組み合
わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、プリントとは別
の吐出を行なう予備吐出手段を挙げることができる。
【0050】また、搭載されるインクジェットヘッドの
種類や個数についても、例えば単色のインクに対応して
1個のみが設けられたものの他、プリント色や濃度を異
にする複数のインクに対応して複数個数設けられるもの
であってもよい。すなわち、例えばプリント装置のプリ
ントモードとしては黒色等の主流色のみのプリントモー
ドだけではなく、インクジェットヘッドを一体的に構成
するか複数個の組み合わせによるかいずれでもよいが、
異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの
各プリントモードの少なくとも一つを備えた装置にも本
発明は極めて有効である。
種類や個数についても、例えば単色のインクに対応して
1個のみが設けられたものの他、プリント色や濃度を異
にする複数のインクに対応して複数個数設けられるもの
であってもよい。すなわち、例えばプリント装置のプリ
ントモードとしては黒色等の主流色のみのプリントモー
ドだけではなく、インクジェットヘッドを一体的に構成
するか複数個の組み合わせによるかいずれでもよいが、
異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの
各プリントモードの少なくとも一つを備えた装置にも本
発明は極めて有効である。
【0051】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用プ
リント信号付与時にインクが液状をなすものを用いても
よい。加えて、熱エネルギーによる昇温を、インクの固
形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして利
用することで積極的に防止するため、またはインクの蒸
発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化
するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギ
ーのプリント信号に応じた付与によってインクが液化
し、液状インクが吐出されるものや、プリント媒体に到
達する時点ではすでに固化し始めるものなどのような、
熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のイン
クを使用する場合も本発明は適用可能である。このよう
な場合のインクは、特開昭54−56847号公報や、
特開昭60−71260号公報に記載されるような、多
孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として保
持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような
形態としても良い。本発明においては、上述した各イン
クに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実
行するものである。
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用プ
リント信号付与時にインクが液状をなすものを用いても
よい。加えて、熱エネルギーによる昇温を、インクの固
形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして利
用することで積極的に防止するため、またはインクの蒸
発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化
するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギ
ーのプリント信号に応じた付与によってインクが液化
し、液状インクが吐出されるものや、プリント媒体に到
達する時点ではすでに固化し始めるものなどのような、
熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のイン
クを使用する場合も本発明は適用可能である。このよう
な場合のインクは、特開昭54−56847号公報や、
特開昭60−71260号公報に記載されるような、多
孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形物として保
持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような
形態としても良い。本発明においては、上述した各イン
クに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実
行するものである。
【0052】さらに加えて、本発明インクジェットプリ
ント装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機
器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等
と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファ
クシミリ装置の形態を採るもの等であっても良い。
ント装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機
器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等
と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファ
クシミリ装置の形態を採るもの等であっても良い。
【0053】
【発明の効果】本発明によると、インク吐出孔が開口す
る開口面に対するインクの吐出方向の傾きに応じて、往
復の走査速度を変更するようにしたので、例えば、単色
画像でプリントする場合には、サテライトによるエリア
ファクタの増加を低減することにより往復プリントでの
濃度差を小さく抑えることができ、また縦線の凹凸を減
少させる等画像品位を向上させることができる。また、
カラー画像をプリントする場合には、サテライトによる
エリアファクタの変化を低減し、往復プリントによって
色ムラの少ない高品位な画像を得ることができる。
る開口面に対するインクの吐出方向の傾きに応じて、往
復の走査速度を変更するようにしたので、例えば、単色
画像でプリントする場合には、サテライトによるエリア
ファクタの増加を低減することにより往復プリントでの
濃度差を小さく抑えることができ、また縦線の凹凸を減
少させる等画像品位を向上させることができる。また、
カラー画像をプリントする場合には、サテライトによる
エリアファクタの変化を低減し、往復プリントによって
色ムラの少ない高品位な画像を得ることができる。
【0054】しかも、従来の往復プリント方式において
問題とされていたインクジェットヘッドの過剰な昇温を
も同時に抑えることになり、インクジェットヘッドの温
度上昇による色ムラ、濃淡の差を低減でき、インクジェ
ットヘッドの使用温度の低下により、従来よりもインク
ジェットヘッド部分の寿命を延ばすことができる。
問題とされていたインクジェットヘッドの過剰な昇温を
も同時に抑えることになり、インクジェットヘッドの温
度上昇による色ムラ、濃淡の差を低減でき、インクジェ
ットヘッドの使用温度の低下により、従来よりもインク
ジェットヘッド部分の寿命を延ばすことができる。
【図1】本発明の第1の実施例における制御系のブロッ
ク図である。
ク図である。
【図2】(a),(b) 共に、本発明の第1の実施例における
実験例1の往走査時に形成される主ドットとサテライト
との位置関係を表す概念図である。
実験例1の往走査時に形成される主ドットとサテライト
との位置関係を表す概念図である。
【図3】(a),(b) 共に、本発明の第1の実施例における
実験例1の復走査時に形成される主ドットとサテライト
との位置関係を表す概念図である。
実験例1の復走査時に形成される主ドットとサテライト
との位置関係を表す概念図である。
【図4】(a),(b) 共に、本発明の第1の実施例における
実験例2の復走査時に形成される主ドットとサテライト
との位置関係を表す概念図である。
実験例2の復走査時に形成される主ドットとサテライト
との位置関係を表す概念図である。
【図5】(a),(b) 共に、本発明の第1の実施例における
比較例1の復走査に形成される主ドットとサテライトと
の位置関係を表す概念図である。
比較例1の復走査に形成される主ドットとサテライトと
の位置関係を表す概念図である。
【図6】(a),(b) 共に、本発明の第1の実施例における
インクジェットヘッドの復走査速度とドットの形成位置
との関係を表す概念図である。
インクジェットヘッドの復走査速度とドットの形成位置
との関係を表す概念図である。
【図7】本発明の第1の実施例におけるインクジェット
ヘッドの往走査速度とドットの形成位置との関係を表す
概念図である。
ヘッドの往走査速度とドットの形成位置との関係を表す
概念図である。
【図8】インクジェットプリント装置のプリンタの構成
例を示す斜視図である。
例を示す斜視図である。
【図9】インクジェットヘッドの構成例を示す斜視図で
ある。
ある。
【図10】図9に示すインクジェットヘッドの分解斜視
図である。
図である。
【図11】図10に示す天盤の裏面側からの斜視図であ
る。
る。
【図12】インクジェットヘッドの他の構成例を示す斜
視図である。
視図である。
1A ヘッドドライバ 20 キャリッジモータ 20A モータドライバ 21 天盤 25 オリフィスプレート 50 紙送りモータ 50A モータドライバ 100 CPU 100A ROM 100B RAM 102 マルチヘッド 103〜105 搬送ローラ 106 キャリッジ 221 インク吐出孔 222 開口面 231 ヒータ L 主ドットとサテライトとの間の距離 D1 主ドット D2 サテライト VD1 主滴の吐出速度 VD2 小滴の吐出速度 V1,V2 マルチヘッドの走査速度
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 2/51 2/485 19/18 A B41J 3/04 103 N 3/10 101 G 3/12 G (72)発明者 名越 重泰 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 杉本 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 松原 美由紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 後藤 史博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内
Claims (12)
- 【請求項1】 インクを吐出するインク吐出口と、この
インク吐出口が開口する開口面とを有するインクジェッ
トヘッドを用い、このインクジェットヘッドを往復走査
して被プリント物に往復プリントを行う際に、前記開口
面に対してインクの吐出方向が前記インクジェットヘッ
ドの往走査方向および復走査方向の何れか一方に傾くイ
ンクジェットプリント方法であって、 前記インク吐出口から吐出されるインクの傾き方向に前
記インクジェットヘッドを走査する時は、それと逆方向
に走査する時よりも前記インクジェットヘッドの走査速
度を遅くするようにしたことを特徴とするインクジェッ
トプリント方法。 - 【請求項2】 前記インク吐出孔は、前記開口面に対し
て斜めに開口していることを特徴とする請求項1に記載
したインクジェットプリント方法。 - 【請求項3】 前記開口面は、インクに対する親和性が
異なる材料で形成されていることを特徴とする請求項1
または請求項2に記載したインクジェットプリント方
法。 - 【請求項4】 前記開口面は、前記インクジェットヘッ
ドの往走査方向または復走査方向の何れか一方に傾いて
いることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載した
インクジェットプリント方法。 - 【請求項5】 前記インクジェットヘッドは、異なるイ
ンクを吐出するものが複数備えられていることを特徴と
する請求項1〜4の何れかに記載したインクジェットプ
リント方法。 - 【請求項6】 前記インクジェットヘッドは、インクを
吐出するために利用されるエネルギーとして、インクに
膜沸騰を生じさせる熱エネルギーを発生する電気熱変換
素子を有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに
記載したインクジェットプリント方法。 - 【請求項7】 インクを吐出するインク吐出口と、この
インク吐出口が開口する開口面とを有するインクジェッ
トヘッドを用い、このインクジェットヘッドを往復走査
して被プリント物に往復プリントを行う際に、前記開口
面に対してインクの吐出方向が前記インクジェットヘッ
ドの往走査方向および復走査方向の何れか一方に傾くイ
ンクジェットプリント装置であって、 前記インク吐出口から吐出されるインクの傾き方向に前
記インクジェットヘッドを走査する時は、それと逆方向
に走査する時よりも該インクジェットヘッドの走査速度
を遅くする走査速度制御部を備えたことを特徴とするイ
ンクジェットプリント装置。 - 【請求項8】 前記インク吐出孔は、前記開口面に対し
て斜めに開口されていることを特徴とする請求項7に記
載したインクジェットプリント装置。 - 【請求項9】 前記開口面は、インクに対する親和性が
異なる材料で形成されていることを特徴とする請求項7
または請求項8に記載したインクジェットプリント装
置。 - 【請求項10】 前記開口面は、前記インクジェットヘ
ッドの往走査方向または復走査方向のいずれか一方に傾
いていることを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載
したインクジェットプリント装置。 - 【請求項11】 前記インクジェットヘッドは、異なる
インクを吐出するものが複数備えられていることを特徴
とする請求項7〜10の何れかに記載したインクジェッ
トプリント装置。 - 【請求項12】 前記インクジェットヘッドは、インク
を吐出するために利用されるエネルギーとしてインクに
膜沸騰を生じさせる熱エネルギーを発生する電気熱変換
素子を有することを特徴とする請求項7〜11の何れか
に記載したインクジェットプリント装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14879295A JPH0858083A (ja) | 1994-06-15 | 1995-06-15 | インクジェットプリント方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-133009 | 1994-06-15 | ||
JP13300994 | 1994-06-15 | ||
JP14879295A JPH0858083A (ja) | 1994-06-15 | 1995-06-15 | インクジェットプリント方法およびその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0858083A true JPH0858083A (ja) | 1996-03-05 |
Family
ID=26467458
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14879295A Pending JPH0858083A (ja) | 1994-06-15 | 1995-06-15 | インクジェットプリント方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0858083A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1020288A3 (en) * | 1999-01-12 | 2000-08-16 | Hewlett-Packard GmbH | Ink jet printing apparatus and method for controlling drop shape |
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US6517267B1 (en) | 1999-08-23 | 2003-02-11 | Seiko Epson Corporation | Printing process using a plurality of drive signal types |
CN1116984C (zh) * | 1998-09-08 | 2003-08-06 | 松下电器产业株式会社 | 喷墨记录装置 |
JP2006015747A (ja) * | 2004-06-30 | 2006-01-19 | Xerox Corp | インクジェット・プリンタ内の付随的な液滴射出方向の制御方法及びシステム |
US8177328B2 (en) | 2007-09-27 | 2012-05-15 | Canon Kabushiki Kaisha | Ink jet printing apparatus and ink jet printing method |
US8177322B2 (en) | 2009-08-11 | 2012-05-15 | Canon Kabushiki Kaisha | Printing apparatus and printing method |
US9616658B2 (en) | 2015-05-29 | 2017-04-11 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Liquid ejecting apparatus |
-
1995
- 1995-06-15 JP JP14879295A patent/JPH0858083A/ja active Pending
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