JPH08300416A - 射出成形用金型の設計方法 - Google Patents
射出成形用金型の設計方法Info
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- JPH08300416A JPH08300416A JP11189695A JP11189695A JPH08300416A JP H08300416 A JPH08300416 A JP H08300416A JP 11189695 A JP11189695 A JP 11189695A JP 11189695 A JP11189695 A JP 11189695A JP H08300416 A JPH08300416 A JP H08300416A
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- Japan
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- thin
- branch
- thick wall
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- Pending
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-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C33/00—Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
- B29C33/38—Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor characterised by the material or the manufacturing process
- B29C33/3835—Designing moulds, e.g. using CAD-CAM
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】薄肉部の流動を支援するために設ける厚肉部を
調整して流動バランスをとり、同時充填とすることで加
圧流体の進入をバランスよく起こさせる。 【構成】差分法や有限要素法等を用いて樹脂流動時の圧
力損失を求め、求めた圧力損失が厚肉部の水力相当直径
と薄肉部との積に反比例する領域と、反比例しない領域
との境界付近で薄肉部と厚肉部との大きさを決定し、薄
肉部のみで形成された形状に対して、ゲートから流動解
析で求めた最終充填位置まで厚肉部を設ける(ステップ
S1〜S4)。次に、この厚肉部に予め決められた分岐
点から成形品の周縁に向かって分岐厚肉部を設け(ステ
ップS6)、分岐点から厚肉部の最終充填位置までの長
さと水力相当直径との比に等しくなるように、分岐厚肉
部の水力相当直径を求める(ステップS7)。分岐点が
複数個ある場合には、ステップS6〜ステップS10の
処理を繰り返し行って全ての分岐厚肉部を設ける。
調整して流動バランスをとり、同時充填とすることで加
圧流体の進入をバランスよく起こさせる。 【構成】差分法や有限要素法等を用いて樹脂流動時の圧
力損失を求め、求めた圧力損失が厚肉部の水力相当直径
と薄肉部との積に反比例する領域と、反比例しない領域
との境界付近で薄肉部と厚肉部との大きさを決定し、薄
肉部のみで形成された形状に対して、ゲートから流動解
析で求めた最終充填位置まで厚肉部を設ける(ステップ
S1〜S4)。次に、この厚肉部に予め決められた分岐
点から成形品の周縁に向かって分岐厚肉部を設け(ステ
ップS6)、分岐点から厚肉部の最終充填位置までの長
さと水力相当直径との比に等しくなるように、分岐厚肉
部の水力相当直径を求める(ステップS7)。分岐点が
複数個ある場合には、ステップS6〜ステップS10の
処理を繰り返し行って全ての分岐厚肉部を設ける。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄肉部に対して部分的
に厚肉部を有する薄肉ガス注入成形品を製造する射出成
形用金型の設計方法に関する。
に厚肉部を有する薄肉ガス注入成形品を製造する射出成
形用金型の設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形では、薄肉部の薄い成形品は極
端に充填圧力が高くなるため、その製造は難しい。
端に充填圧力が高くなるため、その製造は難しい。
【0003】そこで、例えば射出成形後に部分的若しく
は全体的に圧縮をかけて薄肉部を形成するもの(特開平
3−87217号公報)や、樹脂ゲート点数を増やすこ
とによって充填圧力を低くして充填し、薄肉部を形成す
るもの(特開平6−64002号公報)、また流動性の
極端によい樹脂を用いて薄肉部を形成するもの、等が提
案されている。
は全体的に圧縮をかけて薄肉部を形成するもの(特開平
3−87217号公報)や、樹脂ゲート点数を増やすこ
とによって充填圧力を低くして充填し、薄肉部を形成す
るもの(特開平6−64002号公報)、また流動性の
極端によい樹脂を用いて薄肉部を形成するもの、等が提
案されている。
【0004】また、部分的に厚肉部を設け、製品内ラン
ナーとして樹脂流動を支援して充填する試みも行われて
いる。
ナーとして樹脂流動を支援して充填する試みも行われて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このうち、部分的に厚
肉部を設ける方法では、厚肉部の流動支援効果により樹
脂は充填するが、厚肉部がひけてしまうといった問題が
あった。
肉部を設ける方法では、厚肉部の流動支援効果により樹
脂は充填するが、厚肉部がひけてしまうといった問題が
あった。
【0006】また、薄肉成形品では冷却の進行が早いの
で、十分な保圧を与えることが難しい。例えば、加圧流
体で保圧を行う場合、厚肉部への加圧流体の進入のバラ
ンスが悪いために、ガスの進入が大きい厚肉部と、ガス
の進入が小さい厚肉部とが同一成形品内に存在し、ガス
進入が小さい厚肉部では、ヒケが発生するといった問題
があった。
で、十分な保圧を与えることが難しい。例えば、加圧流
体で保圧を行う場合、厚肉部への加圧流体の進入のバラ
ンスが悪いために、ガスの進入が大きい厚肉部と、ガス
の進入が小さい厚肉部とが同一成形品内に存在し、ガス
進入が小さい厚肉部では、ヒケが発生するといった問題
があった。
【0007】本発明は係る問題点を解決すべく創案され
たもので、その目的は、薄肉部の流動を支援するために
設ける厚肉部を調整して流動バランスをとり、同時充填
とすることで加圧流体の進入をバランスよく起こさせ、
ヒケの発生を防止した薄肉ガス注入成形品の製造が可能
な射出成形用金型の設計方法を提供することにある。
たもので、その目的は、薄肉部の流動を支援するために
設ける厚肉部を調整して流動バランスをとり、同時充填
とすることで加圧流体の進入をバランスよく起こさせ、
ヒケの発生を防止した薄肉ガス注入成形品の製造が可能
な射出成形用金型の設計方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係わる射出成形用金型の設計方法は、金型
形状データ、樹脂物性データ、成形条件データ等の各種
データに基づき、差分法や有限要素法等を用いて樹脂流
動時の圧力損失を求める第1の工程と、求めた圧力損失
が前記厚肉部の水力相当直径と前記薄肉部との積に反比
例する領域と、反比例しない領域との境界付近で薄肉部
と厚肉部との大きさを決定する第2の工程と、前記薄肉
部のみで形成された形状に対して、ゲートから流動解析
で求めた最終充填位置まで前記厚肉部を設ける第3の工
程と、この第3の工程で設けた厚肉部にあらかじめ決め
られた分岐点から成形品の周縁に向かって分岐厚肉部を
設ける第4の工程と、前記分岐点から前記厚肉部の最終
充填位置までの長さと水力相当直径との比に等しくなる
ように、前記分岐厚肉部の水力相当直径を求める第5の
工程と、このようにして求めた成形品の形状に対して流
動解析を行い、前記分岐点が複数個ある場合には、前記
ゲートから最も遠い分岐点側から前記第4の工程と前記
第5の工程とを繰り返し行って全ての分岐厚肉部を設け
るものである。
め、本発明に係わる射出成形用金型の設計方法は、金型
形状データ、樹脂物性データ、成形条件データ等の各種
データに基づき、差分法や有限要素法等を用いて樹脂流
動時の圧力損失を求める第1の工程と、求めた圧力損失
が前記厚肉部の水力相当直径と前記薄肉部との積に反比
例する領域と、反比例しない領域との境界付近で薄肉部
と厚肉部との大きさを決定する第2の工程と、前記薄肉
部のみで形成された形状に対して、ゲートから流動解析
で求めた最終充填位置まで前記厚肉部を設ける第3の工
程と、この第3の工程で設けた厚肉部にあらかじめ決め
られた分岐点から成形品の周縁に向かって分岐厚肉部を
設ける第4の工程と、前記分岐点から前記厚肉部の最終
充填位置までの長さと水力相当直径との比に等しくなる
ように、前記分岐厚肉部の水力相当直径を求める第5の
工程と、このようにして求めた成形品の形状に対して流
動解析を行い、前記分岐点が複数個ある場合には、前記
ゲートから最も遠い分岐点側から前記第4の工程と前記
第5の工程とを繰り返し行って全ての分岐厚肉部を設け
るものである。
【0009】
【作用】圧力損失が厚肉部の水力相当直径と薄肉部との
積に反比例する領域と、反比例しない領域との境界付近
で薄肉部と厚肉部との大きさを決定し、薄肉部のみで形
成された形状に対して、ゲートから流動解析で求めた最
終充填位置まで厚肉部を設ける。そして、この厚肉部に
あらかじめ決められた分岐点から成形品の周縁に向かっ
て分岐厚肉部を設け、この分岐点から厚肉部の最終充填
位置までの長さと水力相当直径との比に等しくなるよう
に、分岐厚肉部の水力相当直径を求める。このようにし
て求めた成形品の形状に対して流動解析を行い、分岐点
が複数個ある場合には、ゲートから最も遠い分岐点側か
ら分岐厚肉部の形成と水力相当直径とを求める処理を繰
り返し行って全ての分岐厚肉部を設ける。
積に反比例する領域と、反比例しない領域との境界付近
で薄肉部と厚肉部との大きさを決定し、薄肉部のみで形
成された形状に対して、ゲートから流動解析で求めた最
終充填位置まで厚肉部を設ける。そして、この厚肉部に
あらかじめ決められた分岐点から成形品の周縁に向かっ
て分岐厚肉部を設け、この分岐点から厚肉部の最終充填
位置までの長さと水力相当直径との比に等しくなるよう
に、分岐厚肉部の水力相当直径を求める。このようにし
て求めた成形品の形状に対して流動解析を行い、分岐点
が複数個ある場合には、ゲートから最も遠い分岐点側か
ら分岐厚肉部の形成と水力相当直径とを求める処理を繰
り返し行って全ての分岐厚肉部を設ける。
【0010】これにより、薄肉ガス注入成形品に流動支
援を行う厚肉部を同時充填するように設けることができ
るので、ガスの進入がバランスよく行われ、厚肉部のヒ
ケを解消することが可能となる。
援を行う厚肉部を同時充填するように設けることができ
るので、ガスの進入がバランスよく行われ、厚肉部のヒ
ケを解消することが可能となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
明する。
【0012】本実施例では、薄肉成形品1として、例え
ば縦300cm、横200cm、肉厚1.5mmの平板
を射出成形で成形する場合の射出成形用金型について説
明する。
ば縦300cm、横200cm、肉厚1.5mmの平板
を射出成形で成形する場合の射出成形用金型について説
明する。
【0013】図1は、本発明に係わる射出成形用金型の
設計方法の手順を示すフローチャート、図2は、肉厚と
リブサイズによる圧損とのコンター図表、図3乃至図5
は厚肉部の形成過程を示す説明図であり、以下の説明に
おいては、これらの図面を適宜参照して説明を行うもの
とする。
設計方法の手順を示すフローチャート、図2は、肉厚と
リブサイズによる圧損とのコンター図表、図3乃至図5
は厚肉部の形成過程を示す説明図であり、以下の説明に
おいては、これらの図面を適宜参照して説明を行うもの
とする。
【0014】まず、上記形状の平板部(薄肉部)に、さ
まざまな大きさの厚肉部が設けられた金型形状データ、
樹脂物性データ、成形条件データ(樹脂温度、金型温
度、射出量プロファイル等)を初期条件として、差分法
若しくは有限要素法を用いて、樹脂が薄肉部及び厚肉部
を同時に流れているときの圧力損失を求める(ステップ
S1,S2)。
まざまな大きさの厚肉部が設けられた金型形状データ、
樹脂物性データ、成形条件データ(樹脂温度、金型温
度、射出量プロファイル等)を初期条件として、差分法
若しくは有限要素法を用いて、樹脂が薄肉部及び厚肉部
を同時に流れているときの圧力損失を求める(ステップ
S1,S2)。
【0015】次に、厚肉部の水力相当直径と薄肉部との
積の逆数でプロットを行い、ステップS2で求めた圧力
損失が比例する領域Aと、比例しない領域Bとを求める
(図2参照)。そして、この領域の境界付近で、薄肉部
及び厚肉部の大きさを決定する(ステップS3)。
積の逆数でプロットを行い、ステップS2で求めた圧力
損失が比例する領域Aと、比例しない領域Bとを求める
(図2参照)。そして、この領域の境界付近で、薄肉部
及び厚肉部の大きさを決定する(ステップS3)。
【0016】ここで、厚肉部の水力相当直径DS は、次
式によって求められる。
式によって求められる。
【0017】
【数1】DS =4S0 /L0 ただし、S0 は厚肉部の断面積であり、L0 は伝熱に寄
与する周囲長である。
与する周囲長である。
【0018】上式より、厚肉部の断面形状は、特に制限
はないものの、冷却の影響を考慮すると、半円形が望ま
しい。
はないものの、冷却の影響を考慮すると、半円形が望ま
しい。
【0019】次に、上記寸法の薄肉成形品を薄肉部のみ
で形成した形状に対して、ゲート2から流動解析を行っ
て最終充填位置A1〜A4を求め、ゲート2からこれら
最終充填位置A1〜A4に向かって図2に示す領域を満
たす厚肉部3を設ける(ステップS4)。
で形成した形状に対して、ゲート2から流動解析を行っ
て最終充填位置A1〜A4を求め、ゲート2からこれら
最終充填位置A1〜A4に向かって図2に示す領域を満
たす厚肉部3を設ける(ステップS4)。
【0020】このようにして設けた厚肉部3について
は、図3に符号N1,N2で示すように、あらかじめ分
岐点の数及び形成位置が決められているものとする。本
実施例では、ゲート2より遠い位置からN1,N2と2
個設けている。
は、図3に符号N1,N2で示すように、あらかじめ分
岐点の数及び形成位置が決められているものとする。本
実施例では、ゲート2より遠い位置からN1,N2と2
個設けている。
【0021】そこで、まずゲート2から最も遠い位置に
ある分岐点N1から、成形品1の周縁部1aに向かって
垂直に分岐厚肉部4a(図4参照)を設ける(ステップ
S5,S6)。このとき、分岐厚肉部4aは、厚肉部3
の最終充填位置A1〜A4までの長さL1 と水力相当直
径DS との比に等しくなるように、分岐厚肉部4aの水
力相当直径DS1を求める( ステップS7)。
ある分岐点N1から、成形品1の周縁部1aに向かって
垂直に分岐厚肉部4a(図4参照)を設ける(ステップ
S5,S6)。このとき、分岐厚肉部4aは、厚肉部3
の最終充填位置A1〜A4までの長さL1 と水力相当直
径DS との比に等しくなるように、分岐厚肉部4aの水
力相当直径DS1を求める( ステップS7)。
【0022】そして、このようにして求めた成形品の形
状(図4に示す形状)に対して流動解析を行い(ステッ
プS8)、次の分岐点N2から、成形品1の周縁部1a
に向かって垂直に分岐厚肉部4b(図5参照)を設ける
(ステップS9,S10,S6)。このとき、分岐厚肉
部4bの水力相当直径DS2は、分岐点N2から先(各最
終充填位置A1〜A4)の厚肉部3と分岐厚肉部4aと
を考慮した見かけ上の水力相当直径と長さ(L2 +L3
+L4 )との比に等しくなるように決定する(ステップ
S7)。
状(図4に示す形状)に対して流動解析を行い(ステッ
プS8)、次の分岐点N2から、成形品1の周縁部1a
に向かって垂直に分岐厚肉部4b(図5参照)を設ける
(ステップS9,S10,S6)。このとき、分岐厚肉
部4bの水力相当直径DS2は、分岐点N2から先(各最
終充填位置A1〜A4)の厚肉部3と分岐厚肉部4aと
を考慮した見かけ上の水力相当直径と長さ(L2 +L3
+L4 )との比に等しくなるように決定する(ステップ
S7)。
【0023】このように、分岐点が複数個ある場合に
は、ゲート2から最も遠い分岐点側からステップS6〜
ステップS10を繰り返し行って、全ての分岐点につい
て分岐厚肉部を設ける。
は、ゲート2から最も遠い分岐点側からステップS6〜
ステップS10を繰り返し行って、全ての分岐点につい
て分岐厚肉部を設ける。
【0024】これにより、樹脂の充填が成形品1の端部
(周縁部1a及び各最終充填位置A1〜A4)で同時に
終了することになる。また、同時充填とすることで、厚
肉部3及び各分岐厚肉部4a,4bでの圧力差が小さく
なり、バランスよくガスの進入が行われることになる。
(周縁部1a及び各最終充填位置A1〜A4)で同時に
終了することになる。また、同時充填とすることで、厚
肉部3及び各分岐厚肉部4a,4bでの圧力差が小さく
なり、バランスよくガスの進入が行われることになる。
【0025】なお、上記実施例における薄肉成形品1の
肉厚については、成形品の大きさや成形材料の流動性等
によって異なるため、一概に規定することはできない。
また、このとき必要とされる分岐点の数や形成位置につ
いても、成形品の形状や大きさによって異なり、これも
一概に規定することはできない。
肉厚については、成形品の大きさや成形材料の流動性等
によって異なるため、一概に規定することはできない。
また、このとき必要とされる分岐点の数や形成位置につ
いても、成形品の形状や大きさによって異なり、これも
一概に規定することはできない。
【0026】次に、このような形状の射出成形用金型に
よって薄肉成形品1をガス保圧で成形する方法について
述べる。
よって薄肉成形品1をガス保圧で成形する方法について
述べる。
【0027】保圧をガスで行う場合、ガスを注入する位
置や数により、厚肉部の形成位置も異なるが、ガスを注
入する位置が1点の場合には、全ての厚肉部が連通して
いることが必要となる。さもなければ、1点で全ての厚
肉部にガスを進入させることはできない。
置や数により、厚肉部の形成位置も異なるが、ガスを注
入する位置が1点の場合には、全ての厚肉部が連通して
いることが必要となる。さもなければ、1点で全ての厚
肉部にガスを進入させることはできない。
【0028】この場合、厚肉部を連通させるために設け
る連通用厚肉部は、ガスが進入できればよく、厚肉部の
水力相当直径と薄肉部との積の逆数に圧力損失が比例す
る領域でなくてもよい。このときガスは、樹脂ゲートよ
り上流側、若しくは樹脂ゲート近傍のキャビティー内か
ら注入される。
る連通用厚肉部は、ガスが進入できればよく、厚肉部の
水力相当直径と薄肉部との積の逆数に圧力損失が比例す
る領域でなくてもよい。このときガスは、樹脂ゲートよ
り上流側、若しくは樹脂ゲート近傍のキャビティー内か
ら注入される。
【0029】また、ガスを注入する位置が複数箇所の場
合には、全ての厚肉部が連通する必要はなく、各厚肉部
に各々ガスが注入できればよい。ガスを注入する位置が
製品設計上制限される場合には、両者を組み合わせれば
よい。
合には、全ての厚肉部が連通する必要はなく、各厚肉部
に各々ガスが注入できればよい。ガスを注入する位置が
製品設計上制限される場合には、両者を組み合わせれば
よい。
【0030】まず、図5に示すような薄肉成形品1の形
状に形成された金型のキャビティーに樹脂を射出する。
このとき射出される樹脂の量は、キャビティーを体積的
に満たすのに十分な量若しくは不充分な量のどちらでも
よいが、ヘジテーションラインを無くすためには十分な
量を射出する方が好ましい。
状に形成された金型のキャビティーに樹脂を射出する。
このとき射出される樹脂の量は、キャビティーを体積的
に満たすのに十分な量若しくは不充分な量のどちらでも
よいが、ヘジテーションラインを無くすためには十分な
量を射出する方が好ましい。
【0031】次に、キャビティー内に設けられたガス注
入口(本実施例では、ゲート2とほぼ同じ位置)からガ
スを注入する。注入されたガスは、樹脂がキャビティー
を満たすように、若しくは樹脂の収縮を補うように進入
していく。そして、このガスで一定時間保圧を行った
後、ガスを排気して金型を開き、薄肉成形品1を取り出
すものである。
入口(本実施例では、ゲート2とほぼ同じ位置)からガ
スを注入する。注入されたガスは、樹脂がキャビティー
を満たすように、若しくは樹脂の収縮を補うように進入
していく。そして、このガスで一定時間保圧を行った
後、ガスを排気して金型を開き、薄肉成形品1を取り出
すものである。
【0032】このような薄肉形成品1の成形に用いられ
る樹脂としては、射出成形可能な樹脂であれば特に限定
されない。例えは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリスチレン、ポリエチレン系アイオノマ
ー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸メチル共重合体、塩化ビニル系樹脂、塩素化塩化ビ
ニル系樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリテトラフル
オロエチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリエ
ーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテル
エーテルケトン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体)、ポリカーボネート、ポリエチ
レンテレフタレート、液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂、
あるいはこれらの樹脂にガラス繊維、タルク等の充填材
を充填した材料、安定剤、滑剤、難燃剤、改質剤、顔
料、染料等の着色剤等を配合した材料、さらにはこれら
を組み合わせたポリマーアロイ、場合によっては熱硬化
性樹脂も用いられる。
る樹脂としては、射出成形可能な樹脂であれば特に限定
されない。例えは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリスチレン、ポリエチレン系アイオノマ
ー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸メチル共重合体、塩化ビニル系樹脂、塩素化塩化ビ
ニル系樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリテトラフル
オロエチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリエ
ーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテル
エーテルケトン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体)、ポリカーボネート、ポリエチ
レンテレフタレート、液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂、
あるいはこれらの樹脂にガラス繊維、タルク等の充填材
を充填した材料、安定剤、滑剤、難燃剤、改質剤、顔
料、染料等の着色剤等を配合した材料、さらにはこれら
を組み合わせたポリマーアロイ、場合によっては熱硬化
性樹脂も用いられる。
【0033】溶融樹脂中に圧入される加圧流体として
は、一般的に窒素、アルゴン、二酸化炭素系の不活性ガ
スが好ましいが、乾燥した空気その他の反応性に乏しく
成形温度条件下で樹脂の劣化を起こさないガス体であれ
ば構わない。液体としては、水、アルコール、油等が使
用される。
は、一般的に窒素、アルゴン、二酸化炭素系の不活性ガ
スが好ましいが、乾燥した空気その他の反応性に乏しく
成形温度条件下で樹脂の劣化を起こさないガス体であれ
ば構わない。液体としては、水、アルコール、油等が使
用される。
【0034】〔実験例1〕本実験に用いた薄肉成形品1
は、図5に示す形状のものであり、金型のキャビティー
寸法は、縦300cm、横200cm、幅1.5mmで
ある。流動を支援するための厚肉部は、厚肉部3ではR
2.3mm、分岐厚肉部4a,4bではR1.0mmで
設計した。
は、図5に示す形状のものであり、金型のキャビティー
寸法は、縦300cm、横200cm、幅1.5mmで
ある。流動を支援するための厚肉部は、厚肉部3ではR
2.3mm、分岐厚肉部4a,4bではR1.0mmで
設計した。
【0035】成形機には、各機350t射出成形機を用
いた。成形に使用した材料はポリカーボネートとABS
のアロイ(サイコロイMC5005:日本GE社製)を
用いた。また、成形条件は以下の通りである。
いた。成形に使用した材料はポリカーボネートとABS
のアロイ(サイコロイMC5005:日本GE社製)を
用いた。また、成形条件は以下の通りである。
【0036】シリンダ温度 250℃ 金型温度 50℃ 射出率 500cc/s ガス圧力 150kg/cm3 ガス注入遅延時間 0s ガス注入時間 20s なお、測定方法はJISB0651の測定機器を用いて
中心線平均あらさを測定した。
中心線平均あらさを測定した。
【0037】この結果、ガスはバランスよく流れ、厚肉
部先端のヒケは10μmであった。
部先端のヒケは10μmであった。
【0038】〔比較例1〕厚肉部3,4a,4bの大き
さを全てR2.3mmとし、その他の条件は上記実験例
1と全く同様とした。
さを全てR2.3mmとし、その他の条件は上記実験例
1と全く同様とした。
【0039】この結果、ガスはバランスよく流れず、厚
肉部先端のヒケは250μmであった。
肉部先端のヒケは250μmであった。
【0040】
【発明の効果】本発明に係わる射出成形用金型の設計方
法は、圧力損失が厚肉部の水力相当直径と薄肉部との積
に反比例する領域と、反比例しない領域との境界付近で
薄肉部と厚肉部との大きさを決定し、薄肉部のみで形成
された形状に対して、ゲートから流動解析で求めた最終
充填位置まで厚肉部を設け、この厚肉部にあらかじめ決
められた分岐点から成形品の周縁に向かって分岐厚肉部
を設け、この分岐点から厚肉部の最終充填位置までの長
さと水力相当直径との比に等しくなるように、分岐厚肉
部の水力相当直径を求めている。そして、このようにし
て求めた成形品の形状に対して流動解析を行い、分岐点
が複数個ある場合には、ゲートから最も遠い分岐点側か
ら分岐厚肉部の形成と水力相当直径とを求める処理を繰
り返し行って全ての分岐厚肉部を設けるようにしたの
で、薄肉ガス注入成形品に流動支援を行う厚肉部を同時
充填するように設けることができるため、ガスの進入が
バランスよく行われ、厚肉部のヒケの発生を抑えること
ができる。
法は、圧力損失が厚肉部の水力相当直径と薄肉部との積
に反比例する領域と、反比例しない領域との境界付近で
薄肉部と厚肉部との大きさを決定し、薄肉部のみで形成
された形状に対して、ゲートから流動解析で求めた最終
充填位置まで厚肉部を設け、この厚肉部にあらかじめ決
められた分岐点から成形品の周縁に向かって分岐厚肉部
を設け、この分岐点から厚肉部の最終充填位置までの長
さと水力相当直径との比に等しくなるように、分岐厚肉
部の水力相当直径を求めている。そして、このようにし
て求めた成形品の形状に対して流動解析を行い、分岐点
が複数個ある場合には、ゲートから最も遠い分岐点側か
ら分岐厚肉部の形成と水力相当直径とを求める処理を繰
り返し行って全ての分岐厚肉部を設けるようにしたの
で、薄肉ガス注入成形品に流動支援を行う厚肉部を同時
充填するように設けることができるため、ガスの進入が
バランスよく行われ、厚肉部のヒケの発生を抑えること
ができる。
【図1】本発明に係わる射出成形用金型の設計方法の処
理手順を示すフローチャートである。
理手順を示すフローチャートである。
【図2】肉厚とリブサイズによる圧損とのコンター図表
である。
である。
【図3】厚肉部の形成過程を示す説明図である。
【図4】厚肉部の形成過程を示す説明図である。
【図5】厚肉部の形成過程を示す説明図である。
1 薄肉成形品 1a 周縁部 2 ゲート 3 厚肉部 4a,4b 分岐厚肉部 A1〜A4 最終充填位置
Claims (1)
- 【請求項1】薄肉部に対して部分的に厚肉部を有するガ
ス注入成形品を製造する射出成形用金型の設計方法であ
って、 金型形状データ、樹脂物性データ、成形条件データ等の
各種データに基づき、差分法や有限要素法等を用いて樹
脂流動時の圧力損失を求める第1の工程と、 求めた圧力損失が前記厚肉部の水力相当直径と前記薄肉
部との積に反比例する領域と、反比例しない領域との境
界付近で薄肉部と厚肉部との大きさを決定する第2の工
程と、 前記薄肉部のみで形成された形状に対して、ゲートから
流動解析で求めた最終充填位置まで前記厚肉部を設ける
第3の工程と、 この第3の工程で設けた厚肉部にあらかじめ決められた
分岐点から成形品の周縁に向かって分岐厚肉部を設ける
第4の工程と、 前記分岐点から前記厚肉部の最終充填位置までの長さと
水力相当直径との比に等しくなるように、前記分岐厚肉
部の水力相当直径を求める第5の工程と、 このようにして求めた成形品の形状に対して流動解析を
行い、前記分岐点が複数個ある場合には、前記ゲートか
ら最も遠い分岐点側から前記第4の工程と前記第5の工
程とを繰り返し行って全ての分岐厚肉部を設けることを
特徴とする射出成形用金型の設計方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11189695A JPH08300416A (ja) | 1995-05-10 | 1995-05-10 | 射出成形用金型の設計方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11189695A JPH08300416A (ja) | 1995-05-10 | 1995-05-10 | 射出成形用金型の設計方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08300416A true JPH08300416A (ja) | 1996-11-19 |
Family
ID=14572858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11189695A Pending JPH08300416A (ja) | 1995-05-10 | 1995-05-10 | 射出成形用金型の設計方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08300416A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000006362A1 (fr) * | 1998-07-28 | 2000-02-10 | Fujitsu Limited | Systeme de conception de moules et support d'enregistrement lisible par ordinateur contenant un programme de conception de moules |
-
1995
- 1995-05-10 JP JP11189695A patent/JPH08300416A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000006362A1 (fr) * | 1998-07-28 | 2000-02-10 | Fujitsu Limited | Systeme de conception de moules et support d'enregistrement lisible par ordinateur contenant un programme de conception de moules |
US6917905B2 (en) | 1998-07-28 | 2005-07-12 | Fujitsu Limited | Mold design system and computer-readable recording medium storing mold design program |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040114 |