JPH08308588A - 生体触媒を用いる縮合反応方法 - Google Patents
生体触媒を用いる縮合反応方法Info
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- JPH08308588A JPH08308588A JP14413195A JP14413195A JPH08308588A JP H08308588 A JPH08308588 A JP H08308588A JP 14413195 A JP14413195 A JP 14413195A JP 14413195 A JP14413195 A JP 14413195A JP H08308588 A JPH08308588 A JP H08308588A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 生体触媒を用いる縮合反応方法において、生
体触媒を失活させることなく、反応を円滑に進行させる
方法の提供。 【構成】 1種又は2種以上の反応原料を生体触媒の存
在下及び反応溶媒の存在下で縮合反応させるとともに、
反応原料よりも低沸点の副生物を生成させる縮合反応方
法。グルコースとアルコールとの縮合反応と、メチルグ
ルコシドと高級アルコール又は多価アルコールとの縮合
反応と、高級脂肪酸又はその低級アルキルエステルと一
価又は多価アルコールとの縮合反応(エステル化反応)
と、アルキルグルコシド又はグルコースと脂肪酸又はそ
の低級アルキルエステルとの縮合反応(エステル化反
応)で生体触媒として酵素を用いて行うことができる。
体触媒を失活させることなく、反応を円滑に進行させる
方法の提供。 【構成】 1種又は2種以上の反応原料を生体触媒の存
在下及び反応溶媒の存在下で縮合反応させるとともに、
反応原料よりも低沸点の副生物を生成させる縮合反応方
法。グルコースとアルコールとの縮合反応と、メチルグ
ルコシドと高級アルコール又は多価アルコールとの縮合
反応と、高級脂肪酸又はその低級アルキルエステルと一
価又は多価アルコールとの縮合反応(エステル化反応)
と、アルキルグルコシド又はグルコースと脂肪酸又はそ
の低級アルキルエステルとの縮合反応(エステル化反
応)で生体触媒として酵素を用いて行うことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体触媒を用いる縮合
反応方法に関するものである。
反応方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、1種又は2種以上の反応原料を、
酵素や微生物等の生体触媒を用いて縮合反応させる方法
は広く知られている。例えば、このような縮合反応とし
ては、酵素の存在下で、メチルグルコシドと脂肪酸メチ
ルエステルとを縮合させる反応や、酵素の存在下で、脂
肪酸メチルエステルと多価アルコールとを縮合させる反
応等が知られている。ところで、このような生体触媒を
用いる縮合反応においては、生体触媒の寿命の点から、
高い温度の使用は好ましくなく、その反応温度の上限に
は制約がある。一方、反応速度の点からは、反応温度は
できるだけ高い方が好ましい。また、その縮合反応によ
り副生する低沸点の副生物は、反応平衡との関係で、こ
れを迅速に反応系外へ排出することが好ましい。これら
の点から、生体触媒を用いる実際の縮合反応において
は、反応系の圧力と温度を一定にコントロールして、反
応液を還流させながら反応を行う方法が一般的に採用さ
れている。しかしながら、このような反応系の温度と圧
力を一定にして反応を行う方法では、反応の進行ととも
に反応液の組成が変化し、反応液の沸点が高温側に変動
することから、還流量が安定せず、反応系からの副生物
の円滑な除去ができなくなる。一方、反応液の還流量を
安定させようとして、圧力を一定にして、反応温度をコ
ントロールすると、この場合には、反応温度が低くなっ
たときには反応が円滑に進まなくなり、反応温度が高く
なったときには生体触媒の失活の問題が生じる。以上の
ように、生体触媒を用いる従来の縮合反応方法は工業的
には未だ満足し得るものではなかった。
酵素や微生物等の生体触媒を用いて縮合反応させる方法
は広く知られている。例えば、このような縮合反応とし
ては、酵素の存在下で、メチルグルコシドと脂肪酸メチ
ルエステルとを縮合させる反応や、酵素の存在下で、脂
肪酸メチルエステルと多価アルコールとを縮合させる反
応等が知られている。ところで、このような生体触媒を
用いる縮合反応においては、生体触媒の寿命の点から、
高い温度の使用は好ましくなく、その反応温度の上限に
は制約がある。一方、反応速度の点からは、反応温度は
できるだけ高い方が好ましい。また、その縮合反応によ
り副生する低沸点の副生物は、反応平衡との関係で、こ
れを迅速に反応系外へ排出することが好ましい。これら
の点から、生体触媒を用いる実際の縮合反応において
は、反応系の圧力と温度を一定にコントロールして、反
応液を還流させながら反応を行う方法が一般的に採用さ
れている。しかしながら、このような反応系の温度と圧
力を一定にして反応を行う方法では、反応の進行ととも
に反応液の組成が変化し、反応液の沸点が高温側に変動
することから、還流量が安定せず、反応系からの副生物
の円滑な除去ができなくなる。一方、反応液の還流量を
安定させようとして、圧力を一定にして、反応温度をコ
ントロールすると、この場合には、反応温度が低くなっ
たときには反応が円滑に進まなくなり、反応温度が高く
なったときには生体触媒の失活の問題が生じる。以上の
ように、生体触媒を用いる従来の縮合反応方法は工業的
には未だ満足し得るものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生体触媒を
用いる縮合反応方法において、生体触媒を失活させるこ
となく、反応を円滑に進行させる方法を提供することを
その課題とする。
用いる縮合反応方法において、生体触媒を失活させるこ
となく、反応を円滑に進行させる方法を提供することを
その課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、1種又は2種以上の
反応原料を生体触媒の存在下及び反応溶媒の存在下で縮
合反応させるとともに、反応原料よりも低沸点の副生物
を生成させる縮合反応方法において、(i)沸点が副生
物より高い反応溶媒を用いること、(ii)反応原料、生
体触媒及び反応溶媒を含む反応混合物を、その生体触媒
の失活開始温度より低い所定の温度に加熱し、沸騰させ
ながら反応させること、(iii)前記反応混合物の沸騰
により発生した蒸気を反応系外へ抜出し、冷却して部分
凝縮させて、主に反応溶媒からなる凝縮液と、主に副生
物からなる未凝縮の蒸気を得ること、(iv)前記部分凝
縮により得られた凝縮液を反応系に還流させること、
(v)前記部分凝縮において得られた未凝縮の蒸気を完
全凝縮させること、(vi)前記凝縮液の反応系への還流
量を検知すること、(vii)反応圧力を検知し、設定圧
力に保持すること、(viii)反応時間の経過により前記
凝縮液の還流量が設定範囲より低下したときに、反応圧
力を、その還流量が設定範囲内にあるときの設定圧力よ
りも低く設定された圧力に保持し、前記還流量を再び設
定範囲内に保持することを特徴とする生体触媒を用いる
縮合反応方法が提供される。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、1種又は2種以上の
反応原料を生体触媒の存在下及び反応溶媒の存在下で縮
合反応させるとともに、反応原料よりも低沸点の副生物
を生成させる縮合反応方法において、(i)沸点が副生
物より高い反応溶媒を用いること、(ii)反応原料、生
体触媒及び反応溶媒を含む反応混合物を、その生体触媒
の失活開始温度より低い所定の温度に加熱し、沸騰させ
ながら反応させること、(iii)前記反応混合物の沸騰
により発生した蒸気を反応系外へ抜出し、冷却して部分
凝縮させて、主に反応溶媒からなる凝縮液と、主に副生
物からなる未凝縮の蒸気を得ること、(iv)前記部分凝
縮により得られた凝縮液を反応系に還流させること、
(v)前記部分凝縮において得られた未凝縮の蒸気を完
全凝縮させること、(vi)前記凝縮液の反応系への還流
量を検知すること、(vii)反応圧力を検知し、設定圧
力に保持すること、(viii)反応時間の経過により前記
凝縮液の還流量が設定範囲より低下したときに、反応圧
力を、その還流量が設定範囲内にあるときの設定圧力よ
りも低く設定された圧力に保持し、前記還流量を再び設
定範囲内に保持することを特徴とする生体触媒を用いる
縮合反応方法が提供される。
【0005】本発明の縮合反応方法は、反応原料と生体
触媒と反応溶媒からなる反応混合物を、その生体触媒の
失活を生じさせない範囲の反応温度と大気圧より低い反
応圧力の条件下で実施される。一般的な反応温度は、3
0〜100℃であり、一般的な反応圧力は、200トー
ル以下である。
触媒と反応溶媒からなる反応混合物を、その生体触媒の
失活を生じさせない範囲の反応温度と大気圧より低い反
応圧力の条件下で実施される。一般的な反応温度は、3
0〜100℃であり、一般的な反応圧力は、200トー
ル以下である。
【0006】反応溶媒としては、副生物よりも高沸点の
もの、好ましくは副生物よりも30℃以上、さらに好ま
しくは50℃以上高い沸点を有する高沸点有機溶媒が用
いられる。このような高沸点有機溶媒としては、アセチ
ルアセトン、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸
プロピレン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリ
ン、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、4−エ
チルピリジン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジ
ン、2−イソプロピルピリジン、N,N−ジメチルプロ
ピオンアミド、N,N−ジメチル酪酸アミド、N,N−
ジメチル吉草酸アミド、N,N−カプロンアミド、N,
N−メチルエチルアセトアミド、N,N−メチルエチル
プロピオンアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、
N,N−ジプロピルホルムアミド、N,N−ジプロピル
アセトアミド等が挙げられる。反応原料として2種以上
の成分を用いる場合、一方の反応成分を反応当量よりも
過剰に加えて反応溶媒とすることもできる。反応溶媒の
使用量は、反応原料1重量部当り、0.05〜10重量
部、好ましくは0.1〜5重量部の割合である。
もの、好ましくは副生物よりも30℃以上、さらに好ま
しくは50℃以上高い沸点を有する高沸点有機溶媒が用
いられる。このような高沸点有機溶媒としては、アセチ
ルアセトン、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸
プロピレン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリ
ン、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、4−エ
チルピリジン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジ
ン、2−イソプロピルピリジン、N,N−ジメチルプロ
ピオンアミド、N,N−ジメチル酪酸アミド、N,N−
ジメチル吉草酸アミド、N,N−カプロンアミド、N,
N−メチルエチルアセトアミド、N,N−メチルエチル
プロピオンアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、
N,N−ジプロピルホルムアミド、N,N−ジプロピル
アセトアミド等が挙げられる。反応原料として2種以上
の成分を用いる場合、一方の反応成分を反応当量よりも
過剰に加えて反応溶媒とすることもできる。反応溶媒の
使用量は、反応原料1重量部当り、0.05〜10重量
部、好ましくは0.1〜5重量部の割合である。
【0007】生体触媒には、酵素及び微生物(菌体)が
包含され、反応の種類に応じて適当なものが選定使用さ
れ、多くの場合担体に担持されたものが用いられる。生
体触媒の使用割合は、反応原料100重量部当り、0.
001〜10重量部、好ましくは0.003〜5重量部
の割合である。
包含され、反応の種類に応じて適当なものが選定使用さ
れ、多くの場合担体に担持されたものが用いられる。生
体触媒の使用割合は、反応原料100重量部当り、0.
001〜10重量部、好ましくは0.003〜5重量部
の割合である。
【0008】本発明の縮合反応には、生体触媒を用いて
実施し得る従来公知の各種の縮合反応(エステル交換反
応を含む)が包含される。この縮合反応においては、反
応原料より低沸点の化合物が副生物として生成され、縮
合反応物が目的物として生成される。この場合、副生物
には、低級アルコール等の有機化合物の他、水等の無機
物も包含される。
実施し得る従来公知の各種の縮合反応(エステル交換反
応を含む)が包含される。この縮合反応においては、反
応原料より低沸点の化合物が副生物として生成され、縮
合反応物が目的物として生成される。この場合、副生物
には、低級アルコール等の有機化合物の他、水等の無機
物も包含される。
【0009】生体触媒を用いて実施される縮合反応の例
を示すと、以下の通りである。 (1)グルコースとアルコールとの縮合反応 この場合の反応は、生体触媒として酵素を用いて行うこ
とができ、その反応式は次の通りである。 C6H12O6+ROH→RO−C6H11O5+H2O (R:アルコール残基) (2)メチルグルコシドと高級アルコール又は多価アル
コールとの縮合反応 この場合の反応は、生体触媒として酵素を用いて行うこ
とができ、その反応式は次の通りである。 CH3O−C6H11O5+ROH→RO−C6H11O5+C
H3OH (R:高級アルコール又は多価アルコール残基) (3)高級脂肪酸又はその低級アルキルエステルと一価
又は多価アルコールとの縮合反応(エステル化反応) この場合の反応は、生体触媒として酵素を用いて行うこ
とができ、その反応式は次の通りである。 R1COOR2+ROH→R1COOR+R2OH (R1:高級アルキル基、R2:水素又は低級アルキル
基、R:アルコール残基) (4)アルキルグルコシド又はグルコースと脂肪酸又は
その低級アルキルエステルとの縮合反応(エステル化反
応) この場合の反応は、生体触媒として酸素を用いて行うこ
とができ、その反応式は次の通りである。 R3O−C6H11O5(又はC6H12O6)+R1COOR2
→R3O−C6H11O4−OCOR1(又はC6H11O5−O
COR1)+R2OH (R1:高級アルキル基、R2:水素又は低級アルキル
基、R3:アルキル基)
を示すと、以下の通りである。 (1)グルコースとアルコールとの縮合反応 この場合の反応は、生体触媒として酵素を用いて行うこ
とができ、その反応式は次の通りである。 C6H12O6+ROH→RO−C6H11O5+H2O (R:アルコール残基) (2)メチルグルコシドと高級アルコール又は多価アル
コールとの縮合反応 この場合の反応は、生体触媒として酵素を用いて行うこ
とができ、その反応式は次の通りである。 CH3O−C6H11O5+ROH→RO−C6H11O5+C
H3OH (R:高級アルコール又は多価アルコール残基) (3)高級脂肪酸又はその低級アルキルエステルと一価
又は多価アルコールとの縮合反応(エステル化反応) この場合の反応は、生体触媒として酵素を用いて行うこ
とができ、その反応式は次の通りである。 R1COOR2+ROH→R1COOR+R2OH (R1:高級アルキル基、R2:水素又は低級アルキル
基、R:アルコール残基) (4)アルキルグルコシド又はグルコースと脂肪酸又は
その低級アルキルエステルとの縮合反応(エステル化反
応) この場合の反応は、生体触媒として酸素を用いて行うこ
とができ、その反応式は次の通りである。 R3O−C6H11O5(又はC6H12O6)+R1COOR2
→R3O−C6H11O4−OCOR1(又はC6H11O5−O
COR1)+R2OH (R1:高級アルキル基、R2:水素又は低級アルキル
基、R3:アルキル基)
【0010】次に、本発明を図面を参照して説明する。
図1は本発明の方法を実施する場合のフローシートの1
例を示す。図1において、1は反応器、2は第1凝縮
器、3は凝縮液貯留槽、4は第2凝縮器、5は制御器、
6は真空ポンプを示し、TCは温度調節器、PCは圧力
調節器、FIは流量測定器を示す。
図1は本発明の方法を実施する場合のフローシートの1
例を示す。図1において、1は反応器、2は第1凝縮
器、3は凝縮液貯留槽、4は第2凝縮器、5は制御器、
6は真空ポンプを示し、TCは温度調節器、PCは圧力
調節器、FIは流量測定器を示す。
【0011】反応器1の内部には撹拌器7が配設され、
モータ8により回転される。また、この反応器1の内周
壁面には、加熱コイル9が配設され、スチームにより加
熱可能となっている。反応に際しては、先ず、反応原
料、反応溶媒及び生体触媒を反応器内に充填する。これ
らの充填は、ライン27及びバルブ28を通して行うこ
とができる。次に、反応器1内の撹拌器7を回転させる
とともに、反応器1に付設した加熱コイル9にスチーム
を、ライン13、バルブ14及び流量調節バルブ15を
通して供給して、反応器内容物を加熱し、さらに、真空
ポンプ6を駆動させて、反応器1の内部、第1凝縮器2
の内部及び第2凝縮器4内部を減圧に保持する。
モータ8により回転される。また、この反応器1の内周
壁面には、加熱コイル9が配設され、スチームにより加
熱可能となっている。反応に際しては、先ず、反応原
料、反応溶媒及び生体触媒を反応器内に充填する。これ
らの充填は、ライン27及びバルブ28を通して行うこ
とができる。次に、反応器1内の撹拌器7を回転させる
とともに、反応器1に付設した加熱コイル9にスチーム
を、ライン13、バルブ14及び流量調節バルブ15を
通して供給して、反応器内容物を加熱し、さらに、真空
ポンプ6を駆動させて、反応器1の内部、第1凝縮器2
の内部及び第2凝縮器4内部を減圧に保持する。
【0012】本発明においては、反応温度(反応器内容
物の温度)及び反応圧力(反応器内空間部の圧力)は、
いずれもあらかじめ定められた温度及び圧力に設定され
る。反応温度は、温度検出器10に接続する温度調節器
TCにより流量調節バルブ15を流れるスチーム量をコ
ントロールすることにより設定温度に保持することがで
きる。反応圧力は、圧力検出器10’に接続するととも
に、制御器5及び圧力調節バルブ25に接続する圧力調
節器PCにより設定圧力に保持することができる。この
場合の反応温度は、生体触媒を失活させずかつ反応を円
滑に進行させる範囲の温度であり、例えば、生体触媒の
失活開始温度より、1〜30℃低い、好ましくは5〜2
0℃低い温度である。一方、反応圧力は、前記反応温度
において反応器内容物(反応液)を沸騰させかつ第1凝
縮器2から反応器1への凝縮液の還流量を所定範囲に保
持する圧力である。前記生体触媒に関しての失活開始温
度とは、生体触媒が最大活性を示す温度より高い温度で
あって、その活性が最大活性の97%以下となる最も低
い温度である。
物の温度)及び反応圧力(反応器内空間部の圧力)は、
いずれもあらかじめ定められた温度及び圧力に設定され
る。反応温度は、温度検出器10に接続する温度調節器
TCにより流量調節バルブ15を流れるスチーム量をコ
ントロールすることにより設定温度に保持することがで
きる。反応圧力は、圧力検出器10’に接続するととも
に、制御器5及び圧力調節バルブ25に接続する圧力調
節器PCにより設定圧力に保持することができる。この
場合の反応温度は、生体触媒を失活させずかつ反応を円
滑に進行させる範囲の温度であり、例えば、生体触媒の
失活開始温度より、1〜30℃低い、好ましくは5〜2
0℃低い温度である。一方、反応圧力は、前記反応温度
において反応器内容物(反応液)を沸騰させかつ第1凝
縮器2から反応器1への凝縮液の還流量を所定範囲に保
持する圧力である。前記生体触媒に関しての失活開始温
度とは、生体触媒が最大活性を示す温度より高い温度で
あって、その活性が最大活性の97%以下となる最も低
い温度である。
【0013】反応器1内は前記した反応温度及び反応圧
力下に保持され、反応液は沸騰状態に保持される。本発
明の縮合反応方法においては、反応混合物(反応液)
は、この沸騰状態において反応して、目的の縮合反応物
とともに、反応原料より低沸点の副生物が生成される。
反応液の沸騰により生成した蒸気は、主に反応溶媒と副
生物からなり、ライン16を通って第1凝縮器2に導入
される。
力下に保持され、反応液は沸騰状態に保持される。本発
明の縮合反応方法においては、反応混合物(反応液)
は、この沸騰状態において反応して、目的の縮合反応物
とともに、反応原料より低沸点の副生物が生成される。
反応液の沸騰により生成した蒸気は、主に反応溶媒と副
生物からなり、ライン16を通って第1凝縮器2に導入
される。
【0014】第1凝縮器2としては、従来公知の気液を
間接的に接触させる構造の熱交換器を用いることができ
る。図1に示したものは、内部に複数の冷却管を有し、
蒸気がその冷却管の外表面に接触する構造のものであ
る。冷却水はライン18及びバルブ19を通って凝縮器
内に導入され、冷却管を流通した後、ライン20を通っ
て凝縮器から排出される。ライン16を通って凝縮器内
へ導入された蒸気は、その冷却管の外表面と接触して部
分凝縮され、主に反応溶媒からなる凝縮液と、主に副生
物からなる未凝縮の蒸気が生成される。未凝縮の蒸気は
ライン17を通って第2凝縮器4に導入され、一方、第
1凝縮器2で生成された凝縮液は凝縮液貯槽3に導入さ
れる。
間接的に接触させる構造の熱交換器を用いることができ
る。図1に示したものは、内部に複数の冷却管を有し、
蒸気がその冷却管の外表面に接触する構造のものであ
る。冷却水はライン18及びバルブ19を通って凝縮器
内に導入され、冷却管を流通した後、ライン20を通っ
て凝縮器から排出される。ライン16を通って凝縮器内
へ導入された蒸気は、その冷却管の外表面と接触して部
分凝縮され、主に反応溶媒からなる凝縮液と、主に副生
物からなる未凝縮の蒸気が生成される。未凝縮の蒸気は
ライン17を通って第2凝縮器4に導入され、一方、第
1凝縮器2で生成された凝縮液は凝縮液貯槽3に導入さ
れる。
【0015】第1凝縮器2における蒸気の凝縮温度(冷
却温度)は、その凝縮器内の圧力条件下での反応溶媒、
副生物、原料、生成物の気液平衡の値に基づき、反応溶
媒、原料、生成物のロスが少なく、副生物を蒸気として
効率的に除去できる範囲の温度に設定される。
却温度)は、その凝縮器内の圧力条件下での反応溶媒、
副生物、原料、生成物の気液平衡の値に基づき、反応溶
媒、原料、生成物のロスが少なく、副生物を蒸気として
効率的に除去できる範囲の温度に設定される。
【0016】第2凝縮器としては、気液を間接的に接触
させる構造の熱交換器や、気液接触装置等を用いること
ができる。図1に示したものは、プレート型の熱交換器
であり、冷却水がライン20及びバルブ21を通って装
置内に導入され、ライン29を通って排出される。一
方、ライン17を通って装置内に導入された未凝縮の蒸
気は、プレート表面で凝縮し、ライン22及び23を通
って排出される。ライン22には真空ライン24が連結
され、この真空ラインは圧力調節バルブ25を通して真
空ポンプ6に連結する。第1凝縮器2で生成した凝縮液
は、その貯槽3内にいったん貯留された後、ライン26
を通って反応器1内に還流される。
させる構造の熱交換器や、気液接触装置等を用いること
ができる。図1に示したものは、プレート型の熱交換器
であり、冷却水がライン20及びバルブ21を通って装
置内に導入され、ライン29を通って排出される。一
方、ライン17を通って装置内に導入された未凝縮の蒸
気は、プレート表面で凝縮し、ライン22及び23を通
って排出される。ライン22には真空ライン24が連結
され、この真空ラインは圧力調節バルブ25を通して真
空ポンプ6に連結する。第1凝縮器2で生成した凝縮液
は、その貯槽3内にいったん貯留された後、ライン26
を通って反応器1内に還流される。
【0017】前記のようにして、所定の反応温度及び所
定の反応圧力において、反応器内の反応液を沸騰させな
がらかつ凝縮液を反応器に還流させながら縮合反応を行
う場合、反応器内の反応液の組成は、反応の進行ととも
に溶媒のロス等も加わって変動し、反応液の沸点は上昇
し、それに応じてライン26を通る凝縮液の還流量は次
第に減少してくる。そして、この還流量が減少するとい
うことは、反応液からの反応溶媒の蒸発量が減少し、副
生物の反応器からの円滑な留出が困難になることを意味
する。
定の反応圧力において、反応器内の反応液を沸騰させな
がらかつ凝縮液を反応器に還流させながら縮合反応を行
う場合、反応器内の反応液の組成は、反応の進行ととも
に溶媒のロス等も加わって変動し、反応液の沸点は上昇
し、それに応じてライン26を通る凝縮液の還流量は次
第に減少してくる。そして、この還流量が減少するとい
うことは、反応液からの反応溶媒の蒸発量が減少し、副
生物の反応器からの円滑な留出が困難になることを意味
する。
【0018】本発明においては、反応器への凝縮液の還
流量を測定するとともに、反応の進行によりその還流量
が設定範囲より減少したときに、反応圧力を、その還流
量が設定範囲内にあるときの設定圧力(第1設定圧力)
よりも低い第2設定圧力に設定する。さらに、反応の進
行とともに、その還流量が設定範囲より減少したときに
は、反応圧力を、前記第2設定圧力よりも低い第3設定
圧力に設定する。このような設定圧力の変動操作を順次
行って縮合反応を完了させる。
流量を測定するとともに、反応の進行によりその還流量
が設定範囲より減少したときに、反応圧力を、その還流
量が設定範囲内にあるときの設定圧力(第1設定圧力)
よりも低い第2設定圧力に設定する。さらに、反応の進
行とともに、その還流量が設定範囲より減少したときに
は、反応圧力を、前記第2設定圧力よりも低い第3設定
圧力に設定する。このような設定圧力の変動操作を順次
行って縮合反応を完了させる。
【0019】前記設定反応圧力の変動は、凝縮液の還流
量を測定する流量測定器FIと、反応器内の圧力を設定
圧力に調節する圧力調節器PCと、圧力調節バルブ25
と、制御器5を用いて行うことができる。即ち、流量測
定器FIにより得られる還流量の電気信号を制御器5に
送り、この制御器5において、あらかじめ定めた還流量
と反応圧力との関係に基づいて、圧力調節器PCの設定
圧力値を所定の値に変更設定する電気信号に変換し、こ
の電気信号を圧力調節器PCに送って、圧力調節器PC
の設定圧力値を、それより低い新しい圧力設定値に変え
る。反応圧力は、この新しい圧力値に設定された圧力調
節器PCと、それに接続する圧力調節バルブ25の作用
により、この新しく設定された圧力値に保持される。制
御器5としては、コンピュータを用いることができる。
量を測定する流量測定器FIと、反応器内の圧力を設定
圧力に調節する圧力調節器PCと、圧力調節バルブ25
と、制御器5を用いて行うことができる。即ち、流量測
定器FIにより得られる還流量の電気信号を制御器5に
送り、この制御器5において、あらかじめ定めた還流量
と反応圧力との関係に基づいて、圧力調節器PCの設定
圧力値を所定の値に変更設定する電気信号に変換し、こ
の電気信号を圧力調節器PCに送って、圧力調節器PC
の設定圧力値を、それより低い新しい圧力設定値に変え
る。反応圧力は、この新しい圧力値に設定された圧力調
節器PCと、それに接続する圧力調節バルブ25の作用
により、この新しく設定された圧力値に保持される。制
御器5としては、コンピュータを用いることができる。
【0020】制御器5には、反応操作時間の経過ととも
に徐々に低下する還流量と、その低下した還流量を再び
設定値に増加させるのに必要な反応圧力との関係が記憶
される。図2に、反応操作時間と還流量と反応圧力との
関係を用いて還流量を制御するための説明用線図を示
す。図2において、a−1点は反応開始時における設定
還流量を示し、b−1点は還流量の設定下限値を示す。
a−1点とb−1点との間が還流量の設定範囲(変動範
囲)を示す。還流量がa−1点からb−1点まで低下す
る間の反応圧力は、第1設定値P−Iに設定される。還
流量がa−1点からb−1点まで低下したときに、反応
圧力をその第1設定値P−Iよりも低められた第2設定
値P−IIに設定する。これにより還流量はb−1点から
a−2点に増加するとともに、反応操作時間の経過によ
り徐々に低下する。還流量がb−2点にまで低下したと
きに、反応圧力をP−IIよりも低い第3設定値P−III
に設定する。これにより、還流量はb−2点からa−3
点に増加するとともに、反応操作時間の経過により徐々
に低下する。前記反応圧力の設定値P−I、P−II、P
−IIIの具体的な値は、縮合反応系によって変化し、一
義的には定めることができないが、予備実験や化学工学
的計算により決めることができる。また、P−IとP−
IIの差圧分をあらかじめ決めておき、制御器5において
第1の圧力設定値から次に設定すべき圧力値を計算によ
って求めることもできる。また、図2において、a−
1、a−2、a−3の各点及びb−1、b−2及びb−
3の各点はそれぞれ同じ値に設定されているが、必ずし
も同じ値にする必要はなく、還流量の設定範囲の上、下
限内にはいっていればよい。図2に示した反応圧力と還
流量との関係又は圧力を下げる時の差圧の値を制御器5
に記憶させることにより、還流量の測定値に基づいて、
反応圧力を反応操作時間の経過とともに、順次あらかじ
め定めた設定値に低下させることができる。
に徐々に低下する還流量と、その低下した還流量を再び
設定値に増加させるのに必要な反応圧力との関係が記憶
される。図2に、反応操作時間と還流量と反応圧力との
関係を用いて還流量を制御するための説明用線図を示
す。図2において、a−1点は反応開始時における設定
還流量を示し、b−1点は還流量の設定下限値を示す。
a−1点とb−1点との間が還流量の設定範囲(変動範
囲)を示す。還流量がa−1点からb−1点まで低下す
る間の反応圧力は、第1設定値P−Iに設定される。還
流量がa−1点からb−1点まで低下したときに、反応
圧力をその第1設定値P−Iよりも低められた第2設定
値P−IIに設定する。これにより還流量はb−1点から
a−2点に増加するとともに、反応操作時間の経過によ
り徐々に低下する。還流量がb−2点にまで低下したと
きに、反応圧力をP−IIよりも低い第3設定値P−III
に設定する。これにより、還流量はb−2点からa−3
点に増加するとともに、反応操作時間の経過により徐々
に低下する。前記反応圧力の設定値P−I、P−II、P
−IIIの具体的な値は、縮合反応系によって変化し、一
義的には定めることができないが、予備実験や化学工学
的計算により決めることができる。また、P−IとP−
IIの差圧分をあらかじめ決めておき、制御器5において
第1の圧力設定値から次に設定すべき圧力値を計算によ
って求めることもできる。また、図2において、a−
1、a−2、a−3の各点及びb−1、b−2及びb−
3の各点はそれぞれ同じ値に設定されているが、必ずし
も同じ値にする必要はなく、還流量の設定範囲の上、下
限内にはいっていればよい。図2に示した反応圧力と還
流量との関係又は圧力を下げる時の差圧の値を制御器5
に記憶させることにより、還流量の測定値に基づいて、
反応圧力を反応操作時間の経過とともに、順次あらかじ
め定めた設定値に低下させることができる。
【0021】図3に、反応操作時間と還流量と反応圧力
との関係を用いて還流量を制御するための他の説明用線
図を示す。図3における横線Xは、所望する還流量の設
定値を示し、横線Yは還流量の設定下限値横線Zは還流
量の設定上限値を示す。ZとYとの間が還流量の設定範
囲(変動範囲)を示す。また、c−1、c−2、c−3
及びc−4の各点は、それぞれ、ΔT(1)、ΔT
(2)、ΔT(3)及びΔT(4)の時間間隔における
還流量の平均値を示す。時間間隔ΔTは、10分以下、
好ましくは3分以下である。図3に示した反応操作時間
と還流量と反応圧力との関係を用いる還流量の制御方法
を示すと、反応操作時間がΔT(1)だけ経過したとき
に、そのΔT(1)時間における平均還流量c−1を算
出する。この場合、ΔT(1)における平均還流量はc
−1設定下限値Yより低くないので、反応圧力を低く設
定し直す操作は行われない。次に反応操作時間における
時間間隔ΔT(2)、ΔT(3)においても同様の操作
が行われる。反応操作時間における時間間隔ΔT(4)
における平均還流量c−4は下限値Yより低い値である
ため反応圧力をT−Iよりも低い圧力T−IIに設定して
還流量をd−1まで増加させる。以後、反応操作時間が
一定時間経過毎に前記と同様にして、還流量を設定値X
又はZとYとの間の値に増加する操作を反応が完了する
まで繰返し行う。前記した反応操作時間が一定時間経過
する毎の平均還流量の算出や、その平均還流量の算出結
果に基づき反応圧力を新しく設定し直す操作等は、制御
器5により行うことができる。反応異常や温度制御の不
良等により還流量が上限値Zを越えた場合は全く逆の操
作により圧力を上昇させ過剰な蒸発を防止することもで
きる。
との関係を用いて還流量を制御するための他の説明用線
図を示す。図3における横線Xは、所望する還流量の設
定値を示し、横線Yは還流量の設定下限値横線Zは還流
量の設定上限値を示す。ZとYとの間が還流量の設定範
囲(変動範囲)を示す。また、c−1、c−2、c−3
及びc−4の各点は、それぞれ、ΔT(1)、ΔT
(2)、ΔT(3)及びΔT(4)の時間間隔における
還流量の平均値を示す。時間間隔ΔTは、10分以下、
好ましくは3分以下である。図3に示した反応操作時間
と還流量と反応圧力との関係を用いる還流量の制御方法
を示すと、反応操作時間がΔT(1)だけ経過したとき
に、そのΔT(1)時間における平均還流量c−1を算
出する。この場合、ΔT(1)における平均還流量はc
−1設定下限値Yより低くないので、反応圧力を低く設
定し直す操作は行われない。次に反応操作時間における
時間間隔ΔT(2)、ΔT(3)においても同様の操作
が行われる。反応操作時間における時間間隔ΔT(4)
における平均還流量c−4は下限値Yより低い値である
ため反応圧力をT−Iよりも低い圧力T−IIに設定して
還流量をd−1まで増加させる。以後、反応操作時間が
一定時間経過毎に前記と同様にして、還流量を設定値X
又はZとYとの間の値に増加する操作を反応が完了する
まで繰返し行う。前記した反応操作時間が一定時間経過
する毎の平均還流量の算出や、その平均還流量の算出結
果に基づき反応圧力を新しく設定し直す操作等は、制御
器5により行うことができる。反応異常や温度制御の不
良等により還流量が上限値Zを越えた場合は全く逆の操
作により圧力を上昇させ過剰な蒸発を防止することもで
きる。
【0022】本発明の反応圧力による還流量の制御は、
手動により行うこともできる。この場合には、制御器5
に、圧力調節器PCにおける設定圧力を調節するための
反応圧力設定用のボタンやダイヤルを付設するととも
に、流量測定器FIによる還流量の測定値を見ながら、
還流量がその設定下限値より低くなったときに、その反
応圧力設定用のボタンやダイヤルを用いて、還流量が設
定範囲の値になるように、反応圧力を調節する。前記圧
力調節器PCにより設定される反応圧力の設定値は、複
数の圧力値、P(1)、P(2)、P(3)、P(n−
1)、P(n)が選ばれる。この場合それらの圧力値の
関係は以下の通りである。 P(1)>P(2)>P(3)>P(n−1)>P
(n)
手動により行うこともできる。この場合には、制御器5
に、圧力調節器PCにおける設定圧力を調節するための
反応圧力設定用のボタンやダイヤルを付設するととも
に、流量測定器FIによる還流量の測定値を見ながら、
還流量がその設定下限値より低くなったときに、その反
応圧力設定用のボタンやダイヤルを用いて、還流量が設
定範囲の値になるように、反応圧力を調節する。前記圧
力調節器PCにより設定される反応圧力の設定値は、複
数の圧力値、P(1)、P(2)、P(3)、P(n−
1)、P(n)が選ばれる。この場合それらの圧力値の
関係は以下の通りである。 P(1)>P(2)>P(3)>P(n−1)>P
(n)
【0023】前記設定測定圧力値の数n及びP(n−
1)とP(n)との間の圧力差Δpは、縮合反応の種類
に応じて適当に選ばれる。また、P(n−1)とP
(n)の間の圧力差ΔPは、0.01〜5トール、好ま
しくは0.05〜1トールである。
1)とP(n)との間の圧力差Δpは、縮合反応の種類
に応じて適当に選ばれる。また、P(n−1)とP
(n)の間の圧力差ΔPは、0.01〜5トール、好ま
しくは0.05〜1トールである。
【0024】前記した設定圧力値を用いる還流量の調節
は、反応圧力の設定値P(1)における還流量をその測
定器FIにより測定するとともに、その還流量の測定値
をみながら、その値があらかじめ定めた下限値より低下
したときには、反応圧力を新しくP(2)に設定して還
流量を増加させる。次に、反応時間の経過により、還流
量の測定値が再び設定下限値より低下したときには、反
応圧力を新しくP(3)に設定する。次に、反応時間の
経過により、P(n−1)の反応圧力下での還流量の測
定値が設定下限値より低下した時には、反応圧力をP
(n)に新しく設定する。このようにして、還流量をそ
の設定下限値より常に下廻らないようにして、縮合反応
を円滑に進行させることができる。
は、反応圧力の設定値P(1)における還流量をその測
定器FIにより測定するとともに、その還流量の測定値
をみながら、その値があらかじめ定めた下限値より低下
したときには、反応圧力を新しくP(2)に設定して還
流量を増加させる。次に、反応時間の経過により、還流
量の測定値が再び設定下限値より低下したときには、反
応圧力を新しくP(3)に設定する。次に、反応時間の
経過により、P(n−1)の反応圧力下での還流量の測
定値が設定下限値より低下した時には、反応圧力をP
(n)に新しく設定する。このようにして、還流量をそ
の設定下限値より常に下廻らないようにして、縮合反応
を円滑に進行させることができる。
【0025】第1凝縮器2から反応器1へ返還させる凝
縮液の還流量は、縮合反応の種類に応じて適宜決められ
るが、一般的には、定常反応状態において、反応開始時
に反応器1に投入された反応混合液全重量に対して1時
間当り10〜100重量%、好ましくは20〜60重量
%の割合である。還流量が少なすぎると、反応器からの
副生物の排出が円滑に行われなくなり、一方、多すぎる
と、反応溶媒のロス量が多くなるため不利になる。本発
明における還流量の設定値は、前記還流量範囲の中から
選ばれ、その還流量の設定下限値は、前記還流量範囲内
において、還流量設定値よりも低い値が選ばれる。還流
量の設定下限値は、通常、還流量設定値の70〜99
%、好ましくは80〜95%の範囲の中から選ばれる。
縮液の還流量は、縮合反応の種類に応じて適宜決められ
るが、一般的には、定常反応状態において、反応開始時
に反応器1に投入された反応混合液全重量に対して1時
間当り10〜100重量%、好ましくは20〜60重量
%の割合である。還流量が少なすぎると、反応器からの
副生物の排出が円滑に行われなくなり、一方、多すぎる
と、反応溶媒のロス量が多くなるため不利になる。本発
明における還流量の設定値は、前記還流量範囲の中から
選ばれ、その還流量の設定下限値は、前記還流量範囲内
において、還流量設定値よりも低い値が選ばれる。還流
量の設定下限値は、通常、還流量設定値の70〜99
%、好ましくは80〜95%の範囲の中から選ばれる。
【0026】反応圧力の設定値としては、反応開始時又
は反応初期においては、前記したように、生体触媒の失
活点に近い温度、通常、生体触媒の失活開始温度よりも
5〜30℃程度低い温度において、反応液を沸騰させる
ような圧力が選ばれる。反応開始後においては、その反
応圧力の設定値は、還流量がその設定下限値を下廻らな
いように、圧力調節器PCの設定値を変動させて、連続
的、好ましくは間欠的に徐々に低下させる。
は反応初期においては、前記したように、生体触媒の失
活点に近い温度、通常、生体触媒の失活開始温度よりも
5〜30℃程度低い温度において、反応液を沸騰させる
ような圧力が選ばれる。反応開始後においては、その反
応圧力の設定値は、還流量がその設定下限値を下廻らな
いように、圧力調節器PCの設定値を変動させて、連続
的、好ましくは間欠的に徐々に低下させる。
【0027】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。 実施例1 図1に示したフローシートに従って縮合反応(エステル
交換反応)を行った。 反応原料 メチルグルコシド 1重量部 カプリル酸メチル 2.5重量部 反応溶媒 β−ピコリン(沸点:144℃) 2重量部 生体触媒 酸素(キャンディダ・アンタークティカ由来の中性耐 熱リパーゼをアクリル樹脂に固定したもの:固定化リ バーゼ、NOVO社製 失活開始温度80℃以上) 0.05重量部 を合計100kgとなるよう反応器1(容量200リットル)に投入。 この反応による生成物は、メチルグルコシドのカプリル
酸エステル 副生成物は メタノール(沸点:64.7℃)である。その後撹拌し
ながら温度調節器TCを使い、スチームによって70℃
まで加温し、加温後反応器内圧力を33.5torrま
で下げ反応制御を開始した。凝縮液(反応溶媒)還流量
は1分毎の平均還流量をとり、反応原料合計重量に対し
て45%となる45kg/hrを目標値とし、その下限
値を40kg/hr、その上限値を50kg/hrに設
定して制御を行った。また圧力設定値は還流量が下限値
を下回ったときに0.1torr下げるように設定し
た。反応温度は常に70℃となるよう温度調節器TCに
よって制御した。第1凝縮器の凝縮温度は25℃とし
た。表1に反応操作時間、圧力設定値及び還流量を示
す。反応を360分間行った後のメチルグルコシドから
メチルグルコシドのカプリル酸エステルへの転化率(反
応率)は95%以上であることが確認された。また使用
した酵素を繰り返し反応に使用した結果、繰り返し反応
においても反応時間360分で反応率が95%以上であ
ることが確認でき、酵素の失活を押さえながら反応速度
を確保できることが明確になった。
明する。 実施例1 図1に示したフローシートに従って縮合反応(エステル
交換反応)を行った。 反応原料 メチルグルコシド 1重量部 カプリル酸メチル 2.5重量部 反応溶媒 β−ピコリン(沸点:144℃) 2重量部 生体触媒 酸素(キャンディダ・アンタークティカ由来の中性耐 熱リパーゼをアクリル樹脂に固定したもの:固定化リ バーゼ、NOVO社製 失活開始温度80℃以上) 0.05重量部 を合計100kgとなるよう反応器1(容量200リットル)に投入。 この反応による生成物は、メチルグルコシドのカプリル
酸エステル 副生成物は メタノール(沸点:64.7℃)である。その後撹拌し
ながら温度調節器TCを使い、スチームによって70℃
まで加温し、加温後反応器内圧力を33.5torrま
で下げ反応制御を開始した。凝縮液(反応溶媒)還流量
は1分毎の平均還流量をとり、反応原料合計重量に対し
て45%となる45kg/hrを目標値とし、その下限
値を40kg/hr、その上限値を50kg/hrに設
定して制御を行った。また圧力設定値は還流量が下限値
を下回ったときに0.1torr下げるように設定し
た。反応温度は常に70℃となるよう温度調節器TCに
よって制御した。第1凝縮器の凝縮温度は25℃とし
た。表1に反応操作時間、圧力設定値及び還流量を示
す。反応を360分間行った後のメチルグルコシドから
メチルグルコシドのカプリル酸エステルへの転化率(反
応率)は95%以上であることが確認された。また使用
した酵素を繰り返し反応に使用した結果、繰り返し反応
においても反応時間360分で反応率が95%以上であ
ることが確認でき、酵素の失活を押さえながら反応速度
を確保できることが明確になった。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、生体触媒の失活を生じ
させることなく、かつ副生物を反応系から迅速に排出さ
せることができ、縮合反応を円滑に進行させることがで
きる。
させることなく、かつ副生物を反応系から迅速に排出さ
せることができ、縮合反応を円滑に進行させることがで
きる。
【図1】本発明の縮合反応方法を実施する場合のフロー
シートの1例を示す。
シートの1例を示す。
【図2】反応操作時間と還流量と反応圧力との関係を用
いて還流量を制御するための説明用線図を示す。
いて還流量を制御するための説明用線図を示す。
【図3】反応操作時間と還流量と反応圧力との関係を用
いて還流量を制御するための他の説明用線図を示す。
いて還流量を制御するための他の説明用線図を示す。
1 反応器 2 第1凝縮器 3 凝縮液貯槽 4 第2凝縮器 5 制御器 6 真空ポンプ TC 温度調節器 PC 圧力調節器 FI 流量測定器
Claims (1)
- 【請求項1】 1種又は2種以上の反応原料を生体触媒
の存在下及び反応溶媒の存在下で縮合反応させるととも
に、反応原料よりも低沸点の副生物を生成させる縮合反
応方法において、 (i)沸点が副生物より高い反応溶媒を用いること、 (ii)反応原料、生体触媒及び反応溶媒を含む反応混合
物を、その生体触媒の失活開始温度より低い所定の温度
に加熱し、沸騰させながら反応させること、 (iii)前記反応混合物の沸騰により発生した蒸気を反
応系外へ抜出し、冷却して部分凝縮させて、主に反応溶
媒からなる凝縮液と、主に副生物からなる未凝縮の蒸気
を得ること、 (iv)前記部分凝縮により得られた凝縮液を反応系に還
流させること、 (v)前記部分凝縮において得られた未凝縮の蒸気を完
全凝縮させること、 (vi)前記凝縮液の反応系への還流量を検知すること、 (vii)反応圧力を検知し、設定圧力に保持すること、 (viii)反応時間の経過により前記凝縮液の還流量が設
定範囲より低下したときに、反応圧力を、その還流量が
設定範囲内にあるときの設定圧力よりも低く設定された
圧力に保持し、前記還流量を再び設定範囲内に保持する
こと、を特徴とする生体触媒を用いる縮合反応方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14413195A JPH08308588A (ja) | 1995-05-18 | 1995-05-18 | 生体触媒を用いる縮合反応方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14413195A JPH08308588A (ja) | 1995-05-18 | 1995-05-18 | 生体触媒を用いる縮合反応方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08308588A true JPH08308588A (ja) | 1996-11-26 |
Family
ID=15354937
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14413195A Pending JPH08308588A (ja) | 1995-05-18 | 1995-05-18 | 生体触媒を用いる縮合反応方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08308588A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8421910B2 (en) | 2000-07-25 | 2013-04-16 | Fujifilm Corporation | Electronic flash, electronic camera and light emitting head |
-
1995
- 1995-05-18 JP JP14413195A patent/JPH08308588A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8421910B2 (en) | 2000-07-25 | 2013-04-16 | Fujifilm Corporation | Electronic flash, electronic camera and light emitting head |
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