JPH0791251B2 - フェニルアラニン誘導体及びその用途 - Google Patents
フェニルアラニン誘導体及びその用途Info
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- JPH0791251B2 JPH0791251B2 JP29317687A JP29317687A JPH0791251B2 JP H0791251 B2 JPH0791251 B2 JP H0791251B2 JP 29317687 A JP29317687 A JP 29317687A JP 29317687 A JP29317687 A JP 29317687A JP H0791251 B2 JPH0791251 B2 JP H0791251B2
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- methylcinnamoyl
- insulin
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- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K47/00—Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C233/00—Carboxylic acid amides
- C07C233/01—Carboxylic acid amides having carbon atoms of carboxamide groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms
- C07C233/12—Carboxylic acid amides having carbon atoms of carboxamide groups bound to hydrogen atoms or to acyclic carbon atoms having the nitrogen atom of at least one of the carboxamide groups bound to a carbon atom of a hydrocarbon radical substituted by halogen atoms or by nitro or nitroso groups
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本願発明は新規N−(β−クロロ−4−メチルシンナモ
イル)−フェニラアラニン誘導体および該誘導体または
その無毒性塩を有効成分として含有する吸収促進剤に関
し、その目的とするところは、例えばインスリン等薬剤
に吸収性を付与もしくは増強することにある。
イル)−フェニラアラニン誘導体および該誘導体または
その無毒性塩を有効成分として含有する吸収促進剤に関
し、その目的とするところは、例えばインスリン等薬剤
に吸収性を付与もしくは増強することにある。
従来技術 従来より知られている吸収促進剤としてのフェニルアラ
ニン誘導体(特開昭59−190926号明細書参照。)、ベン
ゾイルピペラジン誘導体(特開昭59−5115号明細書参
照。)およびヒドロキシベンゾエイト誘導体(Biochimi
ca et Biophysica Acta,775巻,269〜271頁,1984年)等
があるが、更に実用に供せられるに必要な性質を充分兼
ね具えたものが望まれている。
ニン誘導体(特開昭59−190926号明細書参照。)、ベン
ゾイルピペラジン誘導体(特開昭59−5115号明細書参
照。)およびヒドロキシベンゾエイト誘導体(Biochimi
ca et Biophysica Acta,775巻,269〜271頁,1984年)等
があるが、更に実用に供せられるに必要な性質を充分兼
ね具えたものが望まれている。
発明が解決しようとする問題点 例えば、インスリンの如きポリペプチド性薬剤は、経口
投与の際、消化液中の各種蛋白分解酵素による不活性が
起ったり、高分子量のため腸管から吸収されない等の理
由からこれら薬剤の投与法は注射に限られている。しか
し、注射投与は長期治療において患者に与える肉体滴、
精神的苦痛には大なるものがあり、近年、注射以外の投
与を可能ならしめる毒性の低い吸収促進剤の開発が一層
望まれている。
投与の際、消化液中の各種蛋白分解酵素による不活性が
起ったり、高分子量のため腸管から吸収されない等の理
由からこれら薬剤の投与法は注射に限られている。しか
し、注射投与は長期治療において患者に与える肉体滴、
精神的苦痛には大なるものがあり、近年、注射以外の投
与を可能ならしめる毒性の低い吸収促進剤の開発が一層
望まれている。
本発明者らは、先にフェニルアラニン誘導体を主体とす
る吸収促進剤を発明(特開昭59−190926号,特開昭62−
53954号明細書参照。)した。糖尿病に対するインスト
リン療法において、臨床上、上記発明には極めて大きな
期待がもたれたが、長期連用を必要とするインストリン
療法においては、吸収促進剤に対して、より少ない投与
量およびより高い安全性が求められている。
る吸収促進剤を発明(特開昭59−190926号,特開昭62−
53954号明細書参照。)した。糖尿病に対するインスト
リン療法において、臨床上、上記発明には極めて大きな
期待がもたれたが、長期連用を必要とするインストリン
療法においては、吸収促進剤に対して、より少ない投与
量およびより高い安全性が求められている。
問題点を解決するための手段 本発明者らは前記問題点を少しでも解決すべく引き続い
て鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
て鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の構造式で示される新規N−(β−
クロロ−4−メチルシンナモイル)フェニルアラニンお
よびその塩 あるいはこれらの少なくとも一種を有効成分として含有
する新規吸収促進剤に関する。ただし、フェニルアラニ
ンはL体、D体、DL体のいずれでもよい。
クロロ−4−メチルシンナモイル)フェニルアラニンお
よびその塩 あるいはこれらの少なくとも一種を有効成分として含有
する新規吸収促進剤に関する。ただし、フェニルアラニ
ンはL体、D体、DL体のいずれでもよい。
上記N−(β−クロロ−4−メチルシンナモイル)フェ
ニルアラニンまたはその医薬上許容される塩例えば、ナ
トリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム等の無
機塩、アンモニウム、N−アセチル−グルコサミン、ア
ルギニン、リジン等の有機塩は、吸収性を付与するか、
増強するものとして医薬活性物質とともに、経口または
非経口(例えば経直腸)投与することが出来る。例えば
インスリンの場合には、経口または直腸での吸収促進効
果を示す。
ニルアラニンまたはその医薬上許容される塩例えば、ナ
トリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム等の無
機塩、アンモニウム、N−アセチル−グルコサミン、ア
ルギニン、リジン等の有機塩は、吸収性を付与するか、
増強するものとして医薬活性物質とともに、経口または
非経口(例えば経直腸)投与することが出来る。例えば
インスリンの場合には、経口または直腸での吸収促進効
果を示す。
既に、本発明者により成された前記発明のフェニルアラ
ニン誘導体に含まれ、特に実用上有望と期待されたもの
としてN−(α−フルオロ−4−メチルシンナモイル)
−L−フェニルアラニンを挙げることが出来る。
ニン誘導体に含まれ、特に実用上有望と期待されたもの
としてN−(α−フルオロ−4−メチルシンナモイル)
−L−フェニルアラニンを挙げることが出来る。
本発明の化合物はその吸収促進効果並びに安全性試験の
結果、吸収促進効果並びに安全性の両者において、上記
化合物より一層優れた性質を具備する。即ちより少ない
投与量において顕著な吸収促進効果があり、またより高
いLD50値を示す。
結果、吸収促進効果並びに安全性の両者において、上記
化合物より一層優れた性質を具備する。即ちより少ない
投与量において顕著な吸収促進効果があり、またより高
いLD50値を示す。
本発明の吸収促進剤は医薬品例えばインスリン25単位あ
たり0.1〜2,000mg好ましくは0.2〜500mgの範囲で使用す
ればよい。
たり0.1〜2,000mg好ましくは0.2〜500mgの範囲で使用す
ればよい。
この吸収性付与剤と医薬活性物質とは、例えば錠剤、カ
プセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤あるいは
懸濁液剤の形で使用すればよい。
プセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤あるいは
懸濁液剤の形で使用すればよい。
本発明のN−(β−クロロ−4−メチルシンナモイル)
フェニルアラニンは上記医薬とともに治療を必要とする
患者に対して患者当り0.1〜1,000mgの用量範囲で一般に
数回に分けて1日当り0.2〜2,000mgの全日用量で投与す
ることができる。用量は病気の重さ、患者の体重および
当業者が認める他の因子によって変化させる。
フェニルアラニンは上記医薬とともに治療を必要とする
患者に対して患者当り0.1〜1,000mgの用量範囲で一般に
数回に分けて1日当り0.2〜2,000mgの全日用量で投与す
ることができる。用量は病気の重さ、患者の体重および
当業者が認める他の因子によって変化させる。
上記で示した典型的な併用は以下で検討される通り製薬
組成物に処方する。本発明に使用するフェニルアラニン
誘導体または生理学的に認められる塩の化合物または混
和物約0.2〜500mgは生理学的に認められるベヒクル、担
体、賦形剤、結合剤、防腐剤、安定剤、香味剤などとと
もに一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形
態で混和される。これらの組成物または製剤における活
性物質の量は指示された範囲の適当な用量が得られるよ
うにするものである。
組成物に処方する。本発明に使用するフェニルアラニン
誘導体または生理学的に認められる塩の化合物または混
和物約0.2〜500mgは生理学的に認められるベヒクル、担
体、賦形剤、結合剤、防腐剤、安定剤、香味剤などとと
もに一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形
態で混和される。これらの組成物または製剤における活
性物質の量は指示された範囲の適当な用量が得られるよ
うにするものである。
錠剤、カプセル剤などに混和することができる具体的な
薬剤は次に示すものである。トラガント、アラビアゴ
ム、コーンスターチまたはゼラチンのような結合剤;微
晶性セルロースのような賦形剤;コーンスターチ、前ゼ
ラチン化デンプン、アルギン酸などのような膨化剤;ス
テアリン酸マグネシウムのような潤滑剤;ショ糖、乳糖
またはサッカリンのような甘味剤;ペパーミント、アカ
モノ油またはチェリーのような香味剤、調剤単位形態が
カプセルである場合には上記のタイプの材料にさらに油
脂のような液状担体を含有することができる。種々の他
の材料は被覆剤としてまた調剤単位の物理的形態を別の
方法で変化させるために存在させることができる。例え
ば、錠剤はシェラック、砂糖またはその両方で被覆する
ことができる。シロップまたはエリキシルは活性化合
物、甘味剤としてショ糖、防腐剤としてメチルおよびプ
ロピルパラベン、色素およびチェリーまたはオレンジ香
味のような香味剤を含有することができる。
薬剤は次に示すものである。トラガント、アラビアゴ
ム、コーンスターチまたはゼラチンのような結合剤;微
晶性セルロースのような賦形剤;コーンスターチ、前ゼ
ラチン化デンプン、アルギン酸などのような膨化剤;ス
テアリン酸マグネシウムのような潤滑剤;ショ糖、乳糖
またはサッカリンのような甘味剤;ペパーミント、アカ
モノ油またはチェリーのような香味剤、調剤単位形態が
カプセルである場合には上記のタイプの材料にさらに油
脂のような液状担体を含有することができる。種々の他
の材料は被覆剤としてまた調剤単位の物理的形態を別の
方法で変化させるために存在させることができる。例え
ば、錠剤はシェラック、砂糖またはその両方で被覆する
ことができる。シロップまたはエリキシルは活性化合
物、甘味剤としてショ糖、防腐剤としてメチルおよびプ
ロピルパラベン、色素およびチェリーまたはオレンジ香
味のような香味剤を含有することができる。
特にインスリンについては腸溶製剤とすることが好まし
く、例えばヒドロキシフェニルメチルセルロースの8%
水溶液を被覆前処理剤とし、またヒドロキシプロピルメ
チルセルロースフタレートの10%水溶液およびポリアセ
チンの3%水溶液を被覆剤とし、それぞれ使用し常法に
より腸溶製剤とすればよい。
く、例えばヒドロキシフェニルメチルセルロースの8%
水溶液を被覆前処理剤とし、またヒドロキシプロピルメ
チルセルロースフタレートの10%水溶液およびポリアセ
チンの3%水溶液を被覆剤とし、それぞれ使用し常法に
より腸溶製剤とすればよい。
実施例 以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例1. N−(β−クロロ−4−メチルシンナモイ
ル)−L−フェニルアラニンの製造 文献(J.Org.Chem,40,3227(1975)記載の方法に従って
合成したβ−クロロ−4−メチル桂皮酸6.0g(30.5ミリ
モル)に塩化チオニル40.0mlを加え、90℃で3時間撹拌
する。過剰の塩化チオニルを減圧留去し、乾燥後、アセ
トン50mlに溶解する。
ル)−L−フェニルアラニンの製造 文献(J.Org.Chem,40,3227(1975)記載の方法に従って
合成したβ−クロロ−4−メチル桂皮酸6.0g(30.5ミリ
モル)に塩化チオニル40.0mlを加え、90℃で3時間撹拌
する。過剰の塩化チオニルを減圧留去し、乾燥後、アセ
トン50mlに溶解する。
L−フェニルアラニン5.8g(35.1ミリモル)を2規定水
酸化ナトリウム19.1ml(38.2ミリモル)とともに、水4
0.0mlとアセトン80.0mlの混合溶媒に溶解する。10℃以
下に冷却しつつ先に調製したβ−クロロ−4−メチル桂
皮酸クロリドのアセトン溶液を2規定水酸化ナトリウム
16.8ml(33.6ミリモル)と交互に、20分間にわたって加
える。更に常温で30分間撹拌後、反応液を2規定塩酸で
酸性とし、水2000mlを徐々に加える。続いて析出した結
晶を別し酢酸エチル200mlにとかし、水150ml、飽和食
塩水100mlで洗う。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、ろ過・濃縮した後、酢酸エチル−n−ヘキサンよ
り再結晶すると、N−(β−クロロ−4−メチルシンナ
モイル)−L−フェニルアラニン7.0gが得られる。融点
168.5〜169.5℃の白色結晶。
酸化ナトリウム19.1ml(38.2ミリモル)とともに、水4
0.0mlとアセトン80.0mlの混合溶媒に溶解する。10℃以
下に冷却しつつ先に調製したβ−クロロ−4−メチル桂
皮酸クロリドのアセトン溶液を2規定水酸化ナトリウム
16.8ml(33.6ミリモル)と交互に、20分間にわたって加
える。更に常温で30分間撹拌後、反応液を2規定塩酸で
酸性とし、水2000mlを徐々に加える。続いて析出した結
晶を別し酢酸エチル200mlにとかし、水150ml、飽和食
塩水100mlで洗う。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、ろ過・濃縮した後、酢酸エチル−n−ヘキサンよ
り再結晶すると、N−(β−クロロ−4−メチルシンナ
モイル)−L−フェニルアラニン7.0gが得られる。融点
168.5〜169.5℃の白色結晶。
元素分析値 分析値C:66.41、H:5.20、N:4.02、Cl:10.4
8、 C19H18NO3Clとしての計算値、C:66.37、H:5.28、N:4.0
8、Cl:10.31 旋光度 ▲〔α〕24 D▼−14.2゜(C=1.0、メタノー
ル) 質量分析(FD−MS) M+=m/z343 核磁気共鳴スペクトル(1H,90MHz) 実施例2. N−(β−クロロ−4−メチルシンナモイ
ル)−D−フェニルアラニンの製造 実施例1において、L−フェニルアラニンの代わりにD
−フェニルアラニンを用いる以外は実施例1と全く同様
の合成処理を行ない、N−(β−クロロ−4−メチルシ
ンナモイル)−D−フェニルアラニン6.50gが得られ
る。
8、 C19H18NO3Clとしての計算値、C:66.37、H:5.28、N:4.0
8、Cl:10.31 旋光度 ▲〔α〕24 D▼−14.2゜(C=1.0、メタノー
ル) 質量分析(FD−MS) M+=m/z343 核磁気共鳴スペクトル(1H,90MHz) 実施例2. N−(β−クロロ−4−メチルシンナモイ
ル)−D−フェニルアラニンの製造 実施例1において、L−フェニルアラニンの代わりにD
−フェニルアラニンを用いる以外は実施例1と全く同様
の合成処理を行ない、N−(β−クロロ−4−メチルシ
ンナモイル)−D−フェニルアラニン6.50gが得られ
る。
融点168.5〜169.5℃の白色結晶。
元素分析値 分析値C:66.58、H:5.47、N:4.09、Cl:10.3
6 C19H18NO3Clとしての計算値C:66.37、H:5.28、N:4.08、
Cl:10.31 旋光度 ▲〔α〕25 D▼+14.3゜(C=1.0,メタノー
ル) 質量分析(FD−MS) M+=m/z343 核磁気共鳴スペクトル(1H,90MHz) 実施例3. マウスによる活性試験 前記本発明による吸収促進剤を、0.5%CMC−0.05Mトリ
スHCl緩衝液(pH7.8)に懸濁させ、インシュリンと混合
して、18時間絶食した一群5頭の雌性ICR−CD1マウス
(5〜7週令)にインスリン0.5U/10g(体重),吸収促
進剤3mg/10g(体重)を経口投与し、所定時間後、対照
群に対する血糖降下率(%)と、血中インシュリンの増
加倍数を測定した。
6 C19H18NO3Clとしての計算値C:66.37、H:5.28、N:4.08、
Cl:10.31 旋光度 ▲〔α〕25 D▼+14.3゜(C=1.0,メタノー
ル) 質量分析(FD−MS) M+=m/z343 核磁気共鳴スペクトル(1H,90MHz) 実施例3. マウスによる活性試験 前記本発明による吸収促進剤を、0.5%CMC−0.05Mトリ
スHCl緩衝液(pH7.8)に懸濁させ、インシュリンと混合
して、18時間絶食した一群5頭の雌性ICR−CD1マウス
(5〜7週令)にインスリン0.5U/10g(体重),吸収促
進剤3mg/10g(体重)を経口投与し、所定時間後、対照
群に対する血糖降下率(%)と、血中インシュリンの増
加倍数を測定した。
それらの各結果を下記表1に示す。
なお、効果の数値中、上段は1)血糖降下率(%)をそ
して、下段の括弧内は2)インシュリン増加倍数を示
す。
して、下段の括弧内は2)インシュリン増加倍数を示
す。
また、表中、−は血中インシュリン量の増加が観察され
なかったことを示す。
なかったことを示す。
表1に記載した如く、本発明のN−(β−クロロ−4−
メチル−シンナモイル)−L−フェニルアラニンおよび
N−(β−クロロ−4−メチルシンナモイル)−D−フ
ェニルアラニンは、マウスによる活性試験において、低
い投与量で従来品以上の顕著な血中グルコース値の低下
効果と血中インシュリン値の増加効果を示した。
メチル−シンナモイル)−L−フェニルアラニンおよび
N−(β−クロロ−4−メチルシンナモイル)−D−フ
ェニルアラニンは、マウスによる活性試験において、低
い投与量で従来品以上の顕著な血中グルコース値の低下
効果と血中インシュリン値の増加効果を示した。
実施例4. イヌによる活性試験 本発明による吸収促進剤および比較を目的として既知吸
収促進剤N−(α−フルオロ−4−メチルシンナモイ
ル)−L−フェニルアラニンのイヌにおける吸収促進試
験を行なった。
収促進剤N−(α−フルオロ−4−メチルシンナモイ
ル)−L−フェニルアラニンのイヌにおける吸収促進試
験を行なった。
即ち、18時間絶食した雄性ビーグル犬(6〜8か月令)
に対して、インシュリン50U/kgおよび吸収促進剤のナト
リウム塩25mg/kgを含むように調製されたゼラチンカプ
セルを経口投与した。各吸収促進剤に対し同一の2頭の
イヌで試験を行なった。
に対して、インシュリン50U/kgおよび吸収促進剤のナト
リウム塩25mg/kgを含むように調製されたゼラチンカプ
セルを経口投与した。各吸収促進剤に対し同一の2頭の
イヌで試験を行なった。
所定時間後、各イヌの前腕末梢静脈より採血し、血清グ
ルコース値を測定した。2頭の平均値を算出し、その結
果を図1に示した。
ルコース値を測定した。2頭の平均値を算出し、その結
果を図1に示した。
N−(α−フルオロ−4−メイルシンナモイル)−L−
フェニルアラニンの血清グルコース値低下効果に比べ、
N−(β−クロロ−4−メチルシンナモイル)−L−フ
ェニルアラニンおよびN−(β−クロロ−4−メチルシ
ンナモイル)−D−フェニルアラニンは持続性を伴った
顕著な血清グルコース値低下効果を示した。
フェニルアラニンの血清グルコース値低下効果に比べ、
N−(β−クロロ−4−メチルシンナモイル)−L−フ
ェニルアラニンおよびN−(β−クロロ−4−メチルシ
ンナモイル)−D−フェニルアラニンは持続性を伴った
顕著な血清グルコース値低下効果を示した。
実施例5. 毒性試験 既知吸収促進剤であるN−(α−フルオロ−4−メチル
シンナモイル)−L−フェニルアラニンおよび本発明に
よる2つの吸収促進剤の夫々の所定量を0.5%CMCナトリ
ウム塩溶液中に懸濁し、雄性ICR系マウス(4週令一群
当り10頭)に経口投与し、2週間後に観察することによ
ってLD50値を測定した。その結果を表2に記載した。
シンナモイル)−L−フェニルアラニンおよび本発明に
よる2つの吸収促進剤の夫々の所定量を0.5%CMCナトリ
ウム塩溶液中に懸濁し、雄性ICR系マウス(4週令一群
当り10頭)に経口投与し、2週間後に観察することによ
ってLD50値を測定した。その結果を表2に記載した。
表中の数字は所定の化合物を1.0g/kgおよび3.0g/kgを投
与した時の生存数を示した。
与した時の生存数を示した。
表2に記載した如く、既知吸収促進剤に比して、本発明
のN−(β−クロロ−4−メチルシンナモイル)−L−
フェニルアラニンおよびN−(β−クロロ−4−メチル
シンナモイル)−D−フェニルアラニンは明らかに同等
もしくはそれ以上の高いLD50値を示した。
のN−(β−クロロ−4−メチルシンナモイル)−L−
フェニルアラニンおよびN−(β−クロロ−4−メチル
シンナモイル)−D−フェニルアラニンは明らかに同等
もしくはそれ以上の高いLD50値を示した。
発明の効果 以上の結果から本発明のN−(β−クロロ−4−メチル
シンナモイル)−L−フェニルアラニンおよびN−(β
−クロロ−4−メチルシンナモイル)−D−フェニルア
ラニンは、医薬活性物質特にインスリンの吸収促進剤と
して効果並びに安全性において、一層優れた有用なもの
であることがわかる。
シンナモイル)−L−フェニルアラニンおよびN−(β
−クロロ−4−メチルシンナモイル)−D−フェニルア
ラニンは、医薬活性物質特にインスリンの吸収促進剤と
して効果並びに安全性において、一層優れた有用なもの
であることがわかる。
第1図には、実施例4に基づくイヌによる活性試験結果
を示した。
を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 佐藤 修 (56)参考文献 特開 昭62−53954(JP,A) 特開 昭63−258841(JP,A)
Claims (4)
- 【請求項1】下記構造式を有するフェニルアラニン誘導
体。 - 【請求項2】塩の形態である特許請求の範囲第1項記載
の誘導体。 - 【請求項3】下記構造式を有するフェニルアラニン誘導
体又はその塩を含有する吸収促進剤。 - 【請求項4】インスリン用である特許請求の範囲第3項
記載の吸収促進剤。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29317687A JPH0791251B2 (ja) | 1987-11-20 | 1987-11-20 | フェニルアラニン誘導体及びその用途 |
EP88310135A EP0317105A3 (en) | 1987-11-20 | 1988-10-28 | Phenylalanine derivative and its uses |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29317687A JPH0791251B2 (ja) | 1987-11-20 | 1987-11-20 | フェニルアラニン誘導体及びその用途 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01135752A JPH01135752A (ja) | 1989-05-29 |
JPH0791251B2 true JPH0791251B2 (ja) | 1995-10-04 |
Family
ID=17791395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29317687A Expired - Lifetime JPH0791251B2 (ja) | 1987-11-20 | 1987-11-20 | フェニルアラニン誘導体及びその用途 |
Country Status (2)
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EP (1) | EP0317105A3 (ja) |
JP (1) | JPH0791251B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE3382112D1 (de) * | 1982-04-30 | 1991-02-21 | Ajinomoto Kk | Pharmazeutische zusammensetzung. |
JPS6253954A (ja) * | 1985-09-02 | 1987-03-09 | Ajinomoto Co Inc | フエニルアラニン誘導体およびその用途 |
JPH0784424B2 (ja) * | 1987-04-15 | 1995-09-13 | 味の素株式会社 | チロシン誘導体及びその用途 |
-
1987
- 1987-11-20 JP JP29317687A patent/JPH0791251B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1988
- 1988-10-28 EP EP88310135A patent/EP0317105A3/en not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0317105A3 (en) | 1990-06-27 |
EP0317105A2 (en) | 1989-05-24 |
JPH01135752A (ja) | 1989-05-29 |
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