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JPH0780809B2 - メタクリル酸水溶液の処理方法 - Google Patents

メタクリル酸水溶液の処理方法

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JPH0780809B2
JPH0780809B2 JP19434587A JP19434587A JPH0780809B2 JP H0780809 B2 JPH0780809 B2 JP H0780809B2 JP 19434587 A JP19434587 A JP 19434587A JP 19434587 A JP19434587 A JP 19434587A JP H0780809 B2 JPH0780809 B2 JP H0780809B2
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JP
Japan
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methacrylic acid
aqueous solution
organic compound
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methacrolein
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守正 倉賀野
実 越部
義広 瀬崎
深田  功
博三 瀬川
勝治 與口
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、メタクリル酸製造におけるメタクリル酸水溶
液の処理方法に関するものである。
〔従来技術〕
イソブチレン、第3級ブチルアルコール、イソブチルア
ルデヒドまたはメタクロレインを酸化触媒の存在下に分
子状酸素で1段または2段の反応で接触酸化すると、目
的物であるメタクリル酸の他にギ酸、酢酸、プロピオン
酸、アクリル酸、メタクロレイン、炭素数1〜3のアル
デヒド類、一酸化炭素、二酸化炭素、未反応酸素、窒素
及び水蒸気などから成る高温反応生成ガスが得られる。
この生成ガスを適当な方法により冷却すると気相と液相
を形成して分離する。
窒素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、および
メタクロレインを含む気相は、通常、水または有機溶剤
等の吸収剤を用いて有効成分であるメタクロレインを吸
収して分離する。一方、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ア
クリル酸および水と共に、メタクロレイン等のアルデヒ
ド類を少量含む、メタクリル酸を主成分とする液相は、
有効成分であるメタクロレインを他のアルデヒド類と共
にストリッピングして分離回収する。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記液相からメタクロレインを分離回収する際には、し
ばしば放散塔で固形物が析出し、塔内の詰まりなどの操
業上の問題を引き起こす。即ち、テルフタル酸に代表さ
れる固形物は、本来は該メタクリル酸水溶液に難溶性で
あるが、析出速度が遅い為に固形物が充分に析出しない
うちに放散塔に供給され、固形物が析出し放散塔内に付
着する。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、前記の問題点を解決するために鋭意研究
を行った結果、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明のメタクリル酸水溶液の処理方法は、イソ
ブチレン、第3級ブタノール、イソブチルアルデヒドま
たはメタクロレインを酸化触媒の存在下に分子状酸素を
含有するガスと気相反応させてメタクリル酸を製造する
方法において、反応生成ガスを急冷して得られるメタク
リル酸水溶液に芳香族カルボン酸類および/または芳香
族アルデヒド類から選ばれた有機化合物および/または
金属粉を添加し、該水溶液中に含まれているテレフタル
酸等の有機化合物を析出せしめた後、分離除去すること
を特徴とするものである。
上記した本発明の処理方法によれば、メタクリル酸水溶
液中に過飽和の状態で溶解しているテレフタル酸等の有
機化合物を、芳香族カルボン酸類および/または芳香族
アルデヒド類から選ばれた有機化合物および/または金
属粉を添加することにより、析出速度を速めて分離する
ことができる。かくしてメタクロレイン等の軽沸分を除
去する放散塔の前工程でテレフタル酸等の有機化合物を
容易に分離することが可能となり、放散塔内での析出お
よび付着を回避すると共に次工程以降での該テレフタル
酸等の有機化合物の塔内析出および付着を皆無とするこ
とが出来る。
本発明で言う芳香族カルボン酸類および芳香族アルデヒ
ド類である有機化合物とは、該メタクリル酸水溶液に難
溶の物質であって、例えば、テレフタル酸、イソフタル
酸等の芳香族カルボン酸類、テレフタルアルデヒド、イ
ソフタルアルデヒド等の芳香族アルデヒド類が挙げら
れ、プロセス上析出分離される固形物がテレフタル酸を
主成分とする有機化合物であることから、分離回収した
テレフタル酸の一部を循環使用する方法が好ましい方法
として挙げられる。
本発明で言うメタクリル酸水溶液に添加する金属粉とし
ては、例えばステンレス粉が挙げられ、用いる場合の金
属粉の粒径には特に制限はないが、好ましくは5〜50μ
mの範囲である。
有機化合物および/または金属粉を添加する方法として
は、メタクリル酸水溶液の貯槽などに直接投入する方法
でもよいが、工業的には連続的に、且つメタクリル酸水
溶液に対して一定の割合になるように入れるのが好まし
く、撹拌すれば更に好ましい。その添加割合としては、
メタクリル酸水溶液に対し、重量で100ppm〜1%であ
り、特に好ましくは600〜6,000ppmの範囲である。ま
た、テレフタル酸等の有機化合物を析出せしめる温度と
しては、常温でもよいが、できればメタクリル酸水溶液
からメタクロレイン等をストリッピングする際の放散塔
の塔底温度50℃、もしくはそれよりも10℃程度低い温度
が好ましく用いられる。
本発明の実施態様の一例を図面を用いて、更に詳細に説
明する。
第1図は、本発明のメタクリル酸水溶液の処理方法に関
するフロー図の1例である。
メタクロレイン等を酸化触媒の存在下に分子状酸素を含
有するガスと気相反応させて得た高温反応生成ガスを急
冷して得られるメタクリル酸水溶液は、ライン11により
撹拌槽1に連続送入されるが、更にライン11には後工程
の固形物沈降濃縮槽2槽底からテレフタル酸等の有機化
合物の析出した高濃度スラリーの一部がライン16により
循環合流される。
撹拌槽1において過飽和状態で溶解しているテレフタル
酸等の有機化合物を析出せしめた後、撹拌槽1を出た混
合液はライン12により誘導され、次の固形物沈降濃縮槽
2においてテレフタル酸等の有機化合物を固形物として
沈降せしめる。
撹拌槽1における滞留時間は1時間もあれば充分であ
り、連続プロセスの観点からも1時間程度であることが
望ましい。テレフタル酸等を有機化合物を析出除去され
たメタクリル酸水溶液は、上澄液としてライン13により
放散塔3上部に送られる。メタクロレイン等の軽沸物は
放散塔3の塔頂ライン15より除去され、メタクロレイン
等の軽沸物が除去されたメタクリル酸水溶液は放散塔3
の塔底のライン14により缶出される。
固形物沈降濃縮槽2の大きさは、ライン13に流出する固
形物の量の許容範囲で決定すればよい。1時間も滞留時
間を設ければ流出する固形物は殆ど見られないが、完全
を期すためにライン13にフィルター等を設けてもよい。
固形物沈降濃縮槽2の槽底より抜き出される析出したテ
レフタル酸等の有機化合物の高濃度スラリーは、前述し
た如く一部はライン16によりメタクリル酸水溶液に過飽
和状態に溶解している有機化合物の析出用種スラリーと
して循環する。この場合、第1図には図示していない
が、直接撹拌槽1に該高濃度スラリーを循環せしめても
良い。残りの高濃度スラリーはライン17より系外へ抜き
出される。また、必要に応じてライン17より抜き出され
るスラリーを濾過し、メタクリル酸水溶液を回収しても
よい。
〔実施例〕
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
実施例−1 ヘテロポリ酸系の酸化触媒を用いてメタクロレインを空
気および水蒸気の存在下に気相接触酸化して得られた反
応生成ガスを、間接冷却器で260℃程度に冷却したのち
急冷塔に導入した。
急冷塔は塔径10インチ、たかさ4mで3/4Bのポールリング
が3m充填されており、凝縮した液の一部を塔頂部より供
給し、反応生成ガスと向流接触させた。得られたメタク
リル酸水溶液には、メタクリル酸30.9wt%、溶解してい
るテレフタル酸540ppm、その他の有機酸類及びアルデヒ
ド類9.5wt%と残りは水であった。
この水溶液1000gにテレフタル酸1gを添加したところ、
第2図に示すように過飽和に溶解しているテレフタル酸
等の有機化合物の濃度は僅か45分で平衡に達した。
実施例−2 実施例−1において、メタクリル酸水溶液1000gにステ
ンレス粉を1g添加したところ、溶解しているテレフタル
酸等の有機化合物の濃度は50分で平衡に達した。
実施例−3 実施例−1と同様のメタクリル酸水溶液を用いて、第1
図に示したフローと同様の機器を有する設備(概要は第
1表に示す)によりメタクリル酸の製造を行った。
メタクリル酸水溶液を撹拌槽1に30.0kg/hrで連続的に
供給し、全系が平衡に達したところで各々の流量と組成
を測定した。その結果を第2表に示す。放散塔3に供給
されるライン13のメタクリル酸水溶液中には固形物は見
られず、放散塔にはスルーザパックBXが2.4m充填されて
いるが、放散塔塔底温度50℃における約2ヶ月の運転で
も塔内の付着物は見られなかった。
比較例−1 実施例−1においてメタクリル酸水溶液を放置したとこ
ろ、第2図に示すように溶解しているテレフタル酸等の
有機化合物の溶解量は10時間経過後も平衡に達しなかっ
た。
比較例−2 テレフタル酸を添加しなかった他は、実施例−3と同様
に行なったところ、ライン13のメタクリル酸水溶液中に
固形物が見られ、約2カ月の運転の結果では放散塔内に
多量の付着物が見られその後運転不能となった。
〔発明の効果〕
本発明により、メタクリル酸水溶液中に過飽和に溶解す
るテレフタル酸等の有機化合物の析出速度及びその粒径
成長速度が飛躍的に高められ、短時間のうちにこれら固
形物の除去が可能となりメタクリル酸製造における工業
的価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のメタクリル酸水溶液の処理方法に関
するフロー図の1例である。第2図は、本発明における
メタクリル酸水溶液中に過飽和に溶解するテレフタル酸
等の有機化合物の析出速度を示したものである。 1撹拌槽 2固形物沈降濃縮槽 3放散塔 11〜17各ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬川 博三 新潟県北蒲原郡中条町協和町2−1 (72)発明者 與口 勝治 大阪府高石市加茂4−7−411

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソブチレン、第3級ブタノール、イソブ
    チルアルデヒドまたはメタクロレインを酸化触媒の存在
    下に分子状酸素を含有するガスと気相反応させてメタク
    リル酸を製造する方法において、反応生成ガスを急冷し
    て得られるメタクリル酸水溶液に芳香族カルボン酸類お
    よび/または芳香族アルデヒド類から選ばれた有機化合
    物および/または金属粉を添加し、該水溶液中に含まれ
    ているテレフタル酸等の有機化合物を析出せしめた後、
    分離除去することを特徴とするメタクリル酸水溶液の処
    理方法。
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