JPH076979B2 - フロ−サイトメトリ−による白血球分類に使用される試薬 - Google Patents
フロ−サイトメトリ−による白血球分類に使用される試薬Info
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- JPH076979B2 JPH076979B2 JP61213716A JP21371686A JPH076979B2 JP H076979 B2 JPH076979 B2 JP H076979B2 JP 61213716 A JP61213716 A JP 61213716A JP 21371686 A JP21371686 A JP 21371686A JP H076979 B2 JPH076979 B2 JP H076979B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、臨床検査分野における血球の分類測定に使
用される試薬に関するものであり、さらに詳しくは、フ
ローサイトメーターを用いて、螢光染色処理された血球
を光学的に測定し、白血球を分類するときに使用される
試薬に関するものである。
用される試薬に関するものであり、さらに詳しくは、フ
ローサイトメーターを用いて、螢光染色処理された血球
を光学的に測定し、白血球を分類するときに使用される
試薬に関するものである。
(従来の技術) 健常人の末梢血中の白血球には、リンパ球、単球、好中
球、好酸球、好塩基球の種類がある。これらは各々その
機能が異つており、血液中の白血球を種類別に計数する
ことによつて、病気の診断に貢献することができる。た
とえば、好中球の増加は、炎症、心筋梗塞、白血病など
にみられ、好中球の減少は、ウイルス性疾患、再生不良
性貧血、無顆粒球症などにみられる。好酸球の増加は、
寄生虫症、ホジキン病、アレルギー疾患などにみられ
る。単球の増加は感染症の快復期、単球性白血病などに
みられる。
球、好酸球、好塩基球の種類がある。これらは各々その
機能が異つており、血液中の白血球を種類別に計数する
ことによつて、病気の診断に貢献することができる。た
とえば、好中球の増加は、炎症、心筋梗塞、白血病など
にみられ、好中球の減少は、ウイルス性疾患、再生不良
性貧血、無顆粒球症などにみられる。好酸球の増加は、
寄生虫症、ホジキン病、アレルギー疾患などにみられ
る。単球の増加は感染症の快復期、単球性白血病などに
みられる。
白血球を分類・計数するために従来から最も良く実施さ
れている方法は、血液像鑑定(視算法、用手法)と呼ば
れるものである。
れている方法は、血液像鑑定(視算法、用手法)と呼ば
れるものである。
この方法は、血液をスライドグラス上に塗抹し、血球を
固定し、さらに染色したのち、顕微鏡で観察し、一つず
つの白血球の形態的特徴(白血球の大きさ、核の形態、
細胞質の形態、顆粒の有無等)や染色度合から測定者が
いずれの血球であるかを判定し、分類・計数するもので
ある。このとき、一般の検査室では100〜200個の白血球
を計数し、白血球全体の数の中に占める各々の血球の百
分率(%)を測定値としている。
固定し、さらに染色したのち、顕微鏡で観察し、一つず
つの白血球の形態的特徴(白血球の大きさ、核の形態、
細胞質の形態、顆粒の有無等)や染色度合から測定者が
いずれの血球であるかを判定し、分類・計数するもので
ある。このとき、一般の検査室では100〜200個の白血球
を計数し、白血球全体の数の中に占める各々の血球の百
分率(%)を測定値としている。
この方法は、顕微鏡による観察の前に、血液の塗抹、固
定、染色等の繁雑な標本作成操作が必要であることと、
顕微鏡を用いた分類・計数は、血球のわずかな差を見分
けなければならないこととのために、測定者に大きな負
担をかけるものとなつている。さらに、計数する白血球
数が少い上に、塗抹試料上の血球が不均一な分布となつ
ている場合もあり、熟練した測定者でも再現性のある測
定値を出すことは難しい。
定、染色等の繁雑な標本作成操作が必要であることと、
顕微鏡を用いた分類・計数は、血球のわずかな差を見分
けなければならないこととのために、測定者に大きな負
担をかけるものとなつている。さらに、計数する白血球
数が少い上に、塗抹試料上の血球が不均一な分布となつ
ている場合もあり、熟練した測定者でも再現性のある測
定値を出すことは難しい。
このために、白血球の分類・計数が自動的に行なえる方
法が強く求められており、現在のところ大きく分けて二
種類の方法が実現されている。
法が強く求められており、現在のところ大きく分けて二
種類の方法が実現されている。
そのうちの一つの方法は、血球像をビデオカメラ等でと
らえ、コンピユータによる画像処理によつて白血球を分
類するものである。この方法は従来の視算法に原理的に
は近い方法であるが、コンピユーターによる処理では分
類できない血球も多く、完全には視算法に取つてかわる
ものとはなつていない。また、装置が複雑で大型にな
り、価格が高くなるという問題もある。
らえ、コンピユータによる画像処理によつて白血球を分
類するものである。この方法は従来の視算法に原理的に
は近い方法であるが、コンピユーターによる処理では分
類できない血球も多く、完全には視算法に取つてかわる
ものとはなつていない。また、装置が複雑で大型にな
り、価格が高くなるという問題もある。
白血球を自動的に分類・計数するもう一つの方法は、フ
ローシステムを利用した方法である。この方法は、血球
を希釈液中に浮遊させた試料を用い血球が一個ずつ細い
検出器中を通過するようにこの試料を流し、このとき検
出器で発生する信号を分析することにより白血球を分類
するものである。このフローシステムを利用した方法
は、さらに、二つの方法に細分される。
ローシステムを利用した方法である。この方法は、血球
を希釈液中に浮遊させた試料を用い血球が一個ずつ細い
検出器中を通過するようにこの試料を流し、このとき検
出器で発生する信号を分析することにより白血球を分類
するものである。このフローシステムを利用した方法
は、さらに、二つの方法に細分される。
第1の方法は、赤血球を溶解剤で破壊し、白血球のみが
浮遊した電解液を細孔中に流し、血球が細孔を通過した
ときの細孔部のインピーダンス変化を検出し、検出信号
の大きさによつて白血球を分類するものである。
浮遊した電解液を細孔中に流し、血球が細孔を通過した
ときの細孔部のインピーダンス変化を検出し、検出信号
の大きさによつて白血球を分類するものである。
第2の方法は、光源と、試料中の細胞が1個ずつ細い流
路を流れるようにしたフローセルと、細胞から発せられ
た光を検出する測光部と、検出信号を解析する解析装置
とを備えたフローサイトメーターを使用するものであ
る。この方法では、血球を染色し、染色された血球を光
で照射し、そのとき血球から発する螢光および場合によ
つては散乱光を一緒に検出し、検出信号の強度によつて
白血球を分類しようとするものである。
路を流れるようにしたフローセルと、細胞から発せられ
た光を検出する測光部と、検出信号を解析する解析装置
とを備えたフローサイトメーターを使用するものであ
る。この方法では、血球を染色し、染色された血球を光
で照射し、そのとき血球から発する螢光および場合によ
つては散乱光を一緒に検出し、検出信号の強度によつて
白血球を分類しようとするものである。
この第2の方法に属するものとしては、例えば特公昭59
-853号公報およびエル・エイ・カメンツキー(L.A.Kame
ntsky)「ブラツド・セルズ(Blood Cells)」、第6
巻、121〜140頁、1980年に記載された方法がある。この
方法は、血液に10倍量のアクリジンオレンジ染色液を加
え、1分間インキユベートしたのち、アルゴンイオンレ
ーザー等の光源で照射したとき血球から発する緑色螢光
と赤色螢光を測定し、その二次元分布から、白血球を分
類・計数するものである。
-853号公報およびエル・エイ・カメンツキー(L.A.Kame
ntsky)「ブラツド・セルズ(Blood Cells)」、第6
巻、121〜140頁、1980年に記載された方法がある。この
方法は、血液に10倍量のアクリジンオレンジ染色液を加
え、1分間インキユベートしたのち、アルゴンイオンレ
ーザー等の光源で照射したとき血球から発する緑色螢光
と赤色螢光を測定し、その二次元分布から、白血球を分
類・計数するものである。
この第2の方法に属する他の例としては、特開昭50-208
20号公報およびエイチ・エム・シヤピロ(H.M.Shapir
o)他「ザ・ジヤーナル・オブ・ヒストケミストリー・
アンド・サイトケミストリー(The Journal of Histoch
emistry and Cytochemistry)」、第24巻第1号、396〜
411頁、1976年;同じく第25巻第8号、976〜989頁、197
7年に記載された方法がある。この方法は、血液に4倍
量の染色液Iを加え、3分間インキユベートした後、血
液と等容の20%ホルムアルデヒドを加え、5分間固定を
行ない、希釈用の染色液IIで15〜20倍に希釈し、フロー
サイトメーターで測定するものである。この測定に用い
られるフローサイトメーターは、光源として光を3分割
した水銀アークランプ又は三本のレーザーを備え、染色
液に含まれる3種の螢光染料を各々励起し、その3種の
螢光と前方散乱光、側方散乱光、吸光の6つのパラメー
ターを測定し、4段階の二次元分布解析により白血球を
分類・計数する装置である。
20号公報およびエイチ・エム・シヤピロ(H.M.Shapir
o)他「ザ・ジヤーナル・オブ・ヒストケミストリー・
アンド・サイトケミストリー(The Journal of Histoch
emistry and Cytochemistry)」、第24巻第1号、396〜
411頁、1976年;同じく第25巻第8号、976〜989頁、197
7年に記載された方法がある。この方法は、血液に4倍
量の染色液Iを加え、3分間インキユベートした後、血
液と等容の20%ホルムアルデヒドを加え、5分間固定を
行ない、希釈用の染色液IIで15〜20倍に希釈し、フロー
サイトメーターで測定するものである。この測定に用い
られるフローサイトメーターは、光源として光を3分割
した水銀アークランプ又は三本のレーザーを備え、染色
液に含まれる3種の螢光染料を各々励起し、その3種の
螢光と前方散乱光、側方散乱光、吸光の6つのパラメー
ターを測定し、4段階の二次元分布解析により白血球を
分類・計数する装置である。
(発明が解決しようとする問題点) フローシステムを利用して白血球を分類・計数する方法
のうち第1の方法においては、赤血球を破壊しなければ
ならないが、血液によつては赤血球の溶解が完全には行
なわれ得ない場合もあり、このときには測定値の正確さ
が損なわれるという問題がある。
のうち第1の方法においては、赤血球を破壊しなければ
ならないが、血液によつては赤血球の溶解が完全には行
なわれ得ない場合もあり、このときには測定値の正確さ
が損なわれるという問題がある。
フローシステムを利用した第2の方法のうちの特公昭59
-853号公報等に記載された方法は、細胞による染料の吸
収が平衡に達する前に、すなわち、染色の途中で各白血
球の螢光強度の差が最大となる時間に測定することを特
徴としている。しかしながら、白血球数が極端に多い
か、または少い検体については、染色強度が適正レベル
となる染色時間は正常な検体とは異ることになり、検体
ごとに適切な染色時間を選定しなければならない。ま
た、この方法は螢光強度の差のみによつて白血球を分離
しようとしているため、リンパ球と単球との分離等各血
球の分離が必ずしも良くないという問題がある。
-853号公報等に記載された方法は、細胞による染料の吸
収が平衡に達する前に、すなわち、染色の途中で各白血
球の螢光強度の差が最大となる時間に測定することを特
徴としている。しかしながら、白血球数が極端に多い
か、または少い検体については、染色強度が適正レベル
となる染色時間は正常な検体とは異ることになり、検体
ごとに適切な染色時間を選定しなければならない。ま
た、この方法は螢光強度の差のみによつて白血球を分離
しようとしているため、リンパ球と単球との分離等各血
球の分離が必ずしも良くないという問題がある。
フローシステムを利用した第2の方法のうち、特開昭50
-20820号公報等に記載された方法は、操作手順が多く、
染色時間が長くかかる上に、複雑な試薬を使用しなけれ
ばならない。また光源が3種必要であることに加え、6
つのパラメーターを測定しなければならないため装置が
非常に複雑で高価なものとなる。さらに、このように多
くのパラメーターを測定しているため解析が複雑とな
り、大容量の解析装置を必要とするという問題もある。
-20820号公報等に記載された方法は、操作手順が多く、
染色時間が長くかかる上に、複雑な試薬を使用しなけれ
ばならない。また光源が3種必要であることに加え、6
つのパラメーターを測定しなければならないため装置が
非常に複雑で高価なものとなる。さらに、このように多
くのパラメーターを測定しているため解析が複雑とな
り、大容量の解析装置を必要とするという問題もある。
この発明は、上記従来の問題点を解決するためになされ
たもので、フローサイトメトリーによる白血球分類を、
簡単な手順と構成で正確に行なえるようにするために使
用される試薬を提供するものである。
たもので、フローサイトメトリーによる白血球分類を、
簡単な手順と構成で正確に行なえるようにするために使
用される試薬を提供するものである。
(問題点を解決するための手段) この発明の、フローサイトメトリーによる白血球5分類
に使用される試薬は、以下の組成を有する。
に使用される試薬は、以下の組成を有する。
(1)好酸球を特異的に強く染色する染料たとえばニユ
ートラルレツド (2)好塩基球な特異的に強く染色する染料 アストラ
ゾン・オレンジG又はオーラミンO(特にアストラゾン
・オレンジGが好適である。) (3)緩衝剤(リン酸、クエン酸、ホウ酸、TRIS、HEPE
S、グリシン、炭酸、コリジン、タウリン等) (4)浸透圧補償剤(アルカリ金属塩) 又、単球分画をさらに良好に分離するために下記成分
(5)を付加することもあり得る。
ートラルレツド (2)好塩基球な特異的に強く染色する染料 アストラ
ゾン・オレンジG又はオーラミンO(特にアストラゾン
・オレンジGが好適である。) (3)緩衝剤(リン酸、クエン酸、ホウ酸、TRIS、HEPE
S、グリシン、炭酸、コリジン、タウリン等) (4)浸透圧補償剤(アルカリ金属塩) 又、単球分画をさらに良好に分離するために下記成分
(5)を付加することもあり得る。
(5)単球を特異的に強く染色する染料、DiOC1(3),Di
OC2(3),DiOC3(3),DiOC5(3),DiOC6(3),TA-2および1-
〔γ‐(1′‐エチル‐4′,5′‐ベンゾチアゾリリデ
ン)プロペニル〕‐1-エチル‐4,5-ベンゾオキサゾリウ
ム ヨージドのうちの少くとも一つ。(特にDiOC3(3)が
好適である。) 上記成分(1),(2)および(5)として使用される
染料の化学構造式は次のとおりである。
OC2(3),DiOC3(3),DiOC5(3),DiOC6(3),TA-2および1-
〔γ‐(1′‐エチル‐4′,5′‐ベンゾチアゾリリデ
ン)プロペニル〕‐1-エチル‐4,5-ベンゾオキサゾリウ
ム ヨージドのうちの少くとも一つ。(特にDiOC3(3)が
好適である。) 上記成分(1),(2)および(5)として使用される
染料の化学構造式は次のとおりである。
DiOCn(3)(1,1′‐ジアルキルオキサカルボシアニン) n=1,2,3,5、6 2-〔γ‐(1′‐エチル‐4′,5′‐ベンゾチアゾリリ
デン)プロペニル〕‐1-エチル‐4,5-ベンゾオキサゾリ
ウム ヨージド この発明の試薬は、複雑な前処理等の操作を必要とせ
ず、一段階の簡単な染色のみで、フローサイトメーター
により血液中の白血球だけを分類・計数するために使用
されるものである。
デン)プロペニル〕‐1-エチル‐4,5-ベンゾオキサゾリ
ウム ヨージド この発明の試薬は、複雑な前処理等の操作を必要とせ
ず、一段階の簡単な染色のみで、フローサイトメーター
により血液中の白血球だけを分類・計数するために使用
されるものである。
この発明の試薬が使用されるフローサイトメーターの光
学系の一具体例を第1図に示された図面に基いて説明す
る。
学系の一具体例を第1図に示された図面に基いて説明す
る。
第1図は側方散乱光と赤螢光と緑螢光とを測定する場合
を示している。このフローサイトメーターの光学系10に
使用された光源は、波長;488nm,出力;10mWのアルゴンイ
オンレーザー12である。レーザー12から発せられた光
は、シリンドリカルレンズ16によつて絞られ、フローセ
ル14中を流れる測定用試料を照射する。
を示している。このフローサイトメーターの光学系10に
使用された光源は、波長;488nm,出力;10mWのアルゴンイ
オンレーザー12である。レーザー12から発せられた光
は、シリンドリカルレンズ16によつて絞られ、フローセ
ル14中を流れる測定用試料を照射する。
測定用試料中の染色された白血球がレーザー光によつて
照射されると、白血球からは散乱光と螢光が発せられ
る。
照射されると、白血球からは散乱光と螢光が発せられ
る。
このうち、側方へ発せられた散乱光と螢光はコンデンサ
レンズ18によつて集められ、アパーチヤ20を通過したの
ち、ダイクロイツクミラー22に達する。
レンズ18によつて集められ、アパーチヤ20を通過したの
ち、ダイクロイツクミラー22に達する。
ダイクロイツクミラー22は側方散乱光24を反射し、螢光
26を透過させる。ダイクロイツクミラー22によつて反射
された側方散乱光24は光電子増倍管28によつて測定され
る。ダイクロイツクミラー22を透過した螢光26のうち赤
螢光32はダイクロイツクミラー30によつて反射させら
れ、緑螢光38のみが透過させられる。反射された赤螢光
32はカラーフイルター34を通過したのち、光電子増倍管
36によつて測定される。透過した緑螢光38はカラーフイ
ルター40を通過したのち光電子増倍管42によつて測定さ
れる。
26を透過させる。ダイクロイツクミラー22によつて反射
された側方散乱光24は光電子増倍管28によつて測定され
る。ダイクロイツクミラー22を透過した螢光26のうち赤
螢光32はダイクロイツクミラー30によつて反射させら
れ、緑螢光38のみが透過させられる。反射された赤螢光
32はカラーフイルター34を通過したのち、光電子増倍管
36によつて測定される。透過した緑螢光38はカラーフイ
ルター40を通過したのち光電子増倍管42によつて測定さ
れる。
ところで白血球より発せられる前記複数の信号のうち、
側方散乱光信号は細胞内情報を反映するものである。す
なわち、細胞内の細胞核が大きいほど、また、顆粒が多
いほど細胞内での光の反射が強まり、側方散乱光強度は
増大する。したがつて、リンパ球は、その内部に顆粒が
存在しないか、あるいは少ないので、散乱光強度は一番
小さく、好中球は、その内部に顆粒が多く存在し、ま
た、大きな核を持つので、散乱光強度は大きくなる。好
酸球の散乱光強度は好中球のそれにほぼ匹敵する。単
球、好塩基球による散乱光強度はリンパ球と好中球の中
間にある。このような理由により、各白血球の側方散乱
光の相対強度は、第2図に示すものとなる。
側方散乱光信号は細胞内情報を反映するものである。す
なわち、細胞内の細胞核が大きいほど、また、顆粒が多
いほど細胞内での光の反射が強まり、側方散乱光強度は
増大する。したがつて、リンパ球は、その内部に顆粒が
存在しないか、あるいは少ないので、散乱光強度は一番
小さく、好中球は、その内部に顆粒が多く存在し、ま
た、大きな核を持つので、散乱光強度は大きくなる。好
酸球の散乱光強度は好中球のそれにほぼ匹敵する。単
球、好塩基球による散乱光強度はリンパ球と好中球の中
間にある。このような理由により、各白血球の側方散乱
光の相対強度は、第2図に示すものとなる。
一方、螢光信号は、細胞化学的特性を反映するものであ
り、染料と各白血球との相互作用により、各白血球から
異なる強度の信号が得られる。
り、染料と各白血球との相互作用により、各白血球から
異なる強度の信号が得られる。
したがつて、側方散乱光信号に、染料に応じて、少くと
も一つの螢光信号を、組み合わせることにより、白血球
をさらに良く分類できるようになる。
も一つの螢光信号を、組み合わせることにより、白血球
をさらに良く分類できるようになる。
さて、白血球を、側方散乱光と数種の螢光とからなる測
定パラメーターのうちの二つのパラメーターによる二次
元分布から4種以上に分類できる染料は(ただし光源は
アルゴンイオンレーザー(Ar-ion Laser)488nmに限定
した場合に)17種類あることが実験的にわかつた。(表
A参照) 特にアクリジンオレンジ、ローダリンオレンジ等では5
分類以上が可能である。
定パラメーターのうちの二つのパラメーターによる二次
元分布から4種以上に分類できる染料は(ただし光源は
アルゴンイオンレーザー(Ar-ion Laser)488nmに限定
した場合に)17種類あることが実験的にわかつた。(表
A参照) 特にアクリジンオレンジ、ローダリンオレンジ等では5
分類以上が可能である。
上記17種の染料で白血球と赤血球及び血小板とを十分区
別できる様に螢光染色しフローサイトメーターで側方散
乱光と螢光で二次元分布を描くと、第3図〜第5図の様
なパターンが得られる。ただし、第3〜5図中の1はリ
ンパ球、2は単球、3は好中球、4は好酸球、5は好塩
基球の各集合を表わしている。また、Side Sc.は側方散
乱光の相対強度、FL.は螢光の相対強度を表わしてい
る。
別できる様に螢光染色しフローサイトメーターで側方散
乱光と螢光で二次元分布を描くと、第3図〜第5図の様
なパターンが得られる。ただし、第3〜5図中の1はリ
ンパ球、2は単球、3は好中球、4は好酸球、5は好塩
基球の各集合を表わしている。また、Side Sc.は側方散
乱光の相対強度、FL.は螢光の相対強度を表わしてい
る。
第3図に示したパターンは、キサンテン(Xantene)
系、オキサカルボシアニン系、アクリジン系の染料で見
られる。アクリジン系染料では緑螢光と赤螢光による二
次元分布も同様のパターンを示す。
系、オキサカルボシアニン系、アクリジン系の染料で見
られる。アクリジン系染料では緑螢光と赤螢光による二
次元分布も同様のパターンを示す。
第4図に示したパターンはニユートラルレツドで見られ
る。
る。
第5図に示したパターンはアストラゾン・オレンジG、
オーラミンOで見られる。
オーラミンOで見られる。
又、白血球を3分類する染料は約20種類あることを見い
だした。それらの染料では第6図のパターンが得られ
る。
だした。それらの染料では第6図のパターンが得られ
る。
第4図、第5図に示す様な二種の染料を適切に混合し、
両方の染料の螢光を受光すると螢光/側方散乱光で第7
図の様なパターンが得られる。又螢光を二色に分割し緑
螢光(Green FL.)と赤螢光(Red FL.)の波長を染料の
特性に応じ適切に選ぶと第8図の如く好酸球4と好塩基
球5が他の白血球と分離できる。残りの部分は螢光/側
方散乱光で第9図の如く分離できる。
両方の染料の螢光を受光すると螢光/側方散乱光で第7
図の様なパターンが得られる。又螢光を二色に分割し緑
螢光(Green FL.)と赤螢光(Red FL.)の波長を染料の
特性に応じ適切に選ぶと第8図の如く好酸球4と好塩基
球5が他の白血球と分離できる。残りの部分は螢光/側
方散乱光で第9図の如く分離できる。
第7図の状態に第6図のパターンを与える染料を加える
と、リンパ球1、単球2、好中球3の分離が一層良くな
り第10図の様なパターンが得られる。この場合にも緑/
赤螢光(第11図)と螢光/側方散乱光(第12図)の二段
階解析も可能である。
と、リンパ球1、単球2、好中球3の分離が一層良くな
り第10図の様なパターンが得られる。この場合にも緑/
赤螢光(第11図)と螢光/側方散乱光(第12図)の二段
階解析も可能である。
染料の作用 a.ニユートラルレツド 白血球を螢光染色する染料であり、特に好酸球4を強く
染色し、側方散乱光と赤螢光で白血球を第4図のように
分画する。
染色し、側方散乱光と赤螢光で白血球を第4図のように
分画する。
第13図はニユートラルレツドの励起、螢光特性を示すも
のである。
のである。
このニユートラルレツドで染色した場合、特に580〜640
nmの(橙赤色の)波長帯域で好酸球が強く(特異的に)
染色される。
nmの(橙赤色の)波長帯域で好酸球が強く(特異的に)
染色される。
pH5〜11、染料濃度3〜300μg/mlの染色液で第4図のよ
うな二次元分布が得られる。染料濃度が3μg/ml以下で
も好酸球特異的分布パターンは得られるが、他の白血球
はノイズが多く正確な測定ができなくなる。好酸球4の
みの信号を得るのであれば染料濃度は0.1μg/ml程度以
上で良い。
うな二次元分布が得られる。染料濃度が3μg/ml以下で
も好酸球特異的分布パターンは得られるが、他の白血球
はノイズが多く正確な測定ができなくなる。好酸球4の
みの信号を得るのであれば染料濃度は0.1μg/ml程度以
上で良い。
b.アストラゾンオレンジG 白血球を螢光染色する染料であり、特に好塩基球5を強
く染色し、側方散乱光と緑螢光で白血球を第5図のよう
に分画する。
く染色し、側方散乱光と緑螢光で白血球を第5図のよう
に分画する。
第14図はアストラゾンオレンジGの励起・螢光特性を示
すものである。
すものである。
このアストラゾンオレンジGで染色した場合、特に540n
m付近を中心とした(黄緑色の)螢光波長帯域で好塩基
球が強く(特異的に)染色される。
m付近を中心とした(黄緑色の)螢光波長帯域で好塩基
球が強く(特異的に)染色される。
pH5〜11、染料濃度1〜300μg/mlの染色液で第5図のよ
うな二次元分布が得られる。
うな二次元分布が得られる。
オーラミンOでもアストラゾンオレンジGと同様の結果
が得られる。
が得られる。
c.その他の染料 白血球を螢光染色する染料であり、特に単球を強く染色
し、側方散乱光と螢光で白血球を第6図のように少くと
も3つに分画する。
し、側方散乱光と螢光で白血球を第6図のように少くと
も3つに分画する。
d.ニユートラルレツドとアストラゾンオレンジGの組み
合せ ニユートラルレツドにより好酸球4を、アストラゾンオ
レンジGにより好塩基球5を強く染色し、側方散乱光と
黄〜赤色の螢光で白血球を第7図のように分画する。
合せ ニユートラルレツドにより好酸球4を、アストラゾンオ
レンジGにより好塩基球5を強く染色し、側方散乱光と
黄〜赤色の螢光で白血球を第7図のように分画する。
pH5〜11、ニユートラルレツド濃度0.1〜30μg/ml、アス
トラゾンオレンジG濃度1〜300μg/mlの染色液で第7
図のような二次元分布が得られる。
トラゾンオレンジG濃度1〜300μg/mlの染色液で第7
図のような二次元分布が得られる。
e.ニユートラルレツドとアストラゾンオレンジGとその
他の染料の組み合せ dとcの染料を適切に組み合せることにより、dよりも
単球2の分離が良い(リンパ球1,好中球3の混入の少
い)状態に染色することが可能となり、側方散乱光と黄
〜赤色の螢光で白血球を第10図のように分画する。
他の染料の組み合せ dとcの染料を適切に組み合せることにより、dよりも
単球2の分離が良い(リンパ球1,好中球3の混入の少
い)状態に染色することが可能となり、側方散乱光と黄
〜赤色の螢光で白血球を第10図のように分画する。
この目的で用いることが可能な上記cの染料はDiOC
1(3),DiOC2(3),DiOC3(3),DiOC5(3),DiOC6(3),等の
オキサカルボシアニン色素、TA-2(日本感光色素研究所
(岡山市)で製造しているスチリル染料)、2-〔γ
(1′‐エチル‐4′,5′‐ベンゾチアゾリリデン)プ
ロペニル〕‐1-エチル‐4,5-ベンゾオキサゾリウム ヨ
ージド等のシアニン色素、等である。
1(3),DiOC2(3),DiOC3(3),DiOC5(3),DiOC6(3),等の
オキサカルボシアニン色素、TA-2(日本感光色素研究所
(岡山市)で製造しているスチリル染料)、2-〔γ
(1′‐エチル‐4′,5′‐ベンゾチアゾリリデン)プ
ロペニル〕‐1-エチル‐4,5-ベンゾオキサゾリウム ヨ
ージド等のシアニン色素、等である。
オキサカルボシアニン色素自体は第15図の如く好酸球4
を好中球3よりも弱く染色し、白血球を4分類に分画す
るが、本法では、混在するニユートラルレツドの強く好
酸球特異的染色性により、好酸球4は好中球3の上に分
布する。
を好中球3よりも弱く染色し、白血球を4分類に分画す
るが、本法では、混在するニユートラルレツドの強く好
酸球特異的染色性により、好酸球4は好中球3の上に分
布する。
cに属する染料は他にも存在するが、この目的に使用で
きるものは、染色条件、染色強度、螢光波長等の制限か
ら、上記の染料及びその類似体のみである。
きるものは、染色条件、染色強度、螢光波長等の制限か
ら、上記の染料及びその類似体のみである。
その他の染色液成分 a.緩衝剤 染色液を至適pHに保つために用いる。pHにより染料の染
色性及び染色される血球内蛋白質の種類が異なるため、
pHの保持は大切である。血液自体もpHを7.4付近に保つ
様に緩衝機能を有しているので、この作用を打ち消し希
望するpHにするための量の緩衝剤を必要とする。
色性及び染色される血球内蛋白質の種類が異なるため、
pHの保持は大切である。血液自体もpHを7.4付近に保つ
様に緩衝機能を有しているので、この作用を打ち消し希
望するpHにするための量の緩衝剤を必要とする。
この目的のため5〜200mMのリン酸、クエン酸、ホウ
酸、TRIS、HEPES、グリシン、炭酸、コリジン、タウリ
ン等を用いる。
酸、TRIS、HEPES、グリシン、炭酸、コリジン、タウリ
ン等を用いる。
b.浸透圧補償剤 白血球の極端な変型・溶血等が起こらない様にするため
加える。人血の生理浸透圧(280mOsm/kg)の40%〜250
%程度となる様に60mM〜380mMのアルカリ金属塩を使用
する。
加える。人血の生理浸透圧(280mOsm/kg)の40%〜250
%程度となる様に60mM〜380mMのアルカリ金属塩を使用
する。
この発明を実施するにあたつては以下の点に留意しなけ
ればならない。
ればならない。
a.混合する染料は特異的染色を行なう最適の濃度、pH等
が一般に異なるので、全ての染料を目的通りの特異性で
用いる染色条件を見出さなければならないこと。
が一般に異なるので、全ての染料を目的通りの特異性で
用いる染色条件を見出さなければならないこと。
b.各染料は螢光強度(一般に照射光量Io,その波長での
吸光度係数ε,量子効率φ,染料濃度c,光学系による補
正係数αの全てを乗じたものが各染料の螢光強度とな
る。)が異なるので、望みのパターンを得る様に、加え
る各染料量の調整をしなければならないこと。
吸光度係数ε,量子効率φ,染料濃度c,光学系による補
正係数αの全てを乗じたものが各染料の螢光強度とな
る。)が異なるので、望みのパターンを得る様に、加え
る各染料量の調整をしなければならないこと。
c.特異性のある二次元パターンが得られるように、受光
波長を選択しなければならないこと。
波長を選択しなければならないこと。
(実施例) 本発明を下記実施例1〜6によつてより具体的に説明す
る。
る。
実施例1(ニユートラルレツド及びアストラゾンオレン
ジGの濃度) 75mMのNaClを含むpH9.0の10mMホウ酸緩衝液にアストラ
ゾンオレンジGとニユートラルレツドを表1の量加えた
染色液を作成した。これらの染色液2mlにEDTA抗凝固新
鮮血80μlを加え1分間インキユベートした後第1図に
示す様な光学系を有するフローサイトメーターで白血球
の緑螢光、赤螢光、側方散乱光を測定した。その結果、
表1に示す様に白血球が数種に分画できた。
ジGの濃度) 75mMのNaClを含むpH9.0の10mMホウ酸緩衝液にアストラ
ゾンオレンジGとニユートラルレツドを表1の量加えた
染色液を作成した。これらの染色液2mlにEDTA抗凝固新
鮮血80μlを加え1分間インキユベートした後第1図に
示す様な光学系を有するフローサイトメーターで白血球
の緑螢光、赤螢光、側方散乱光を測定した。その結果、
表1に示す様に白血球が数種に分画できた。
実施例2(pH) 75mMのNaClを含む10mMホウ酸緩衝液にアストラゾンオレ
ンジG10μg/ml、ニユートラルレツド1μg/mlを加えたp
H8.0、pH9.0、pH10.0の3種の染色液を作成し、実施例
1と同様にして測定を行なつた。その結果、pH10.0では
赤螢光/側方散乱光での5分類はできないが、緑螢光/
赤螢光で好塩基球、好酸球を分画した後、緑螢光/側方
散乱光で残り3種を分画し、白血球を5分類できる。pH
9.0では赤螢光/側方散乱光で5分類できる。pH8.0で
は、赤螢光/側方散乱光で4分画が可能である。
ンジG10μg/ml、ニユートラルレツド1μg/mlを加えたp
H8.0、pH9.0、pH10.0の3種の染色液を作成し、実施例
1と同様にして測定を行なつた。その結果、pH10.0では
赤螢光/側方散乱光での5分類はできないが、緑螢光/
赤螢光で好塩基球、好酸球を分画した後、緑螢光/側方
散乱光で残り3種を分画し、白血球を5分類できる。pH
9.0では赤螢光/側方散乱光で5分類できる。pH8.0で
は、赤螢光/側方散乱光で4分画が可能である。
実施例3(NaCl濃度) アストラゾンオレンジG10μg/ml、ニユートラルレツド
1μg/mlを含む10mMホウ酸緩衝液pH9.0にNaClを50、7
5、150、300mM加えた4種の染色液を作成し、実施例1
と同様にして測定を行なつた。この範囲では特に大きな
分画パターンの変化はなく、いずれの染色液でも、白血
球が5分類可能である。
1μg/mlを含む10mMホウ酸緩衝液pH9.0にNaClを50、7
5、150、300mM加えた4種の染色液を作成し、実施例1
と同様にして測定を行なつた。この範囲では特に大きな
分画パターンの変化はなく、いずれの染色液でも、白血
球が5分類可能である。
実施例4(緩衝剤濃度) NaCl75mM、アストラゾンオレンジG10μg/ml、ニユート
ラルレツド1μg/mlを含むpH9.0のホウ酸緩衝液の緩衝
剤濃度を3、10、30mMとした3種の染色液を作成し、実
施例1と同様にして測定を行なつた。この範囲では特に
大きな分画パターンの変化はなく、いずれの染色液でも
白血球が5分類可能である。
ラルレツド1μg/mlを含むpH9.0のホウ酸緩衝液の緩衝
剤濃度を3、10、30mMとした3種の染色液を作成し、実
施例1と同様にして測定を行なつた。この範囲では特に
大きな分画パターンの変化はなく、いずれの染色液でも
白血球が5分類可能である。
実施例5(螢光波長) 75mMのNaCl、アストラゾンオレンジG10μg/ml、ニユー
トラルレツド1μg/mlを含む10mMホウ酸緩衝液pH9.0の
染色液を用い、実施例1と同様に測定した。ただし第1
図のダイクロイツクミラー30の位置に全反射ミラーをカ
ラーフイルター34にロングパスフイルターを使用し、光
電子増倍管36で520nm以上、540nm以上、560nm以上、580
nm以上、600nm以上、620nm以上の6種類の螢光を受光
し、螢光/側方散乱光で解析を行なつた。
トラルレツド1μg/mlを含む10mMホウ酸緩衝液pH9.0の
染色液を用い、実施例1と同様に測定した。ただし第1
図のダイクロイツクミラー30の位置に全反射ミラーをカ
ラーフイルター34にロングパスフイルターを使用し、光
電子増倍管36で520nm以上、540nm以上、560nm以上、580
nm以上、600nm以上、620nm以上の6種類の螢光を受光
し、螢光/側方散乱光で解析を行なつた。
受光波長を長波長へ移動させると相対的に好塩基球とリ
ンパ球が接近し、好酸球と好中球が離れる。5分類が分
離良く行なえる受光波長としては560nm以上、580nm以上
の2つが特に良い。
ンパ球が接近し、好酸球と好中球が離れる。5分類が分
離良く行なえる受光波長としては560nm以上、580nm以上
の2つが特に良い。
実施例6(赤螢光、緑螢光波長) 実施例5と同様の測定を行ない表2に示す波長の赤螢光
と緑螢光とを受光した。
と緑螢光とを受光した。
特にc、eの螢光波長で好塩基球、好酸球が特異的に強
く染色され他の白血球との分離が良い。
く染色され他の白血球との分離が良い。
なお、以上述べた実施例は、すべて、完全に染色が終了
したのちに、すなわち染色が平衡状態に達したのちに測
定を開始するものであるから、測定中に試料が経時変化
することは無く、また、白血球が極端に多いか、また
は、少い検体についても、常に、一定時間で適正な強度
にまで染色レベルが達している。したがつて、安定な測
定が可能となるとともに、比較的低出力の光源を使用し
ても、充分な螢光強度の信号が得られる。たとえば、こ
の実施例では、すべて、10mWのアルゴンイオンレーザー
をフローサイトメーターの光源として使用している。
したのちに、すなわち染色が平衡状態に達したのちに測
定を開始するものであるから、測定中に試料が経時変化
することは無く、また、白血球が極端に多いか、また
は、少い検体についても、常に、一定時間で適正な強度
にまで染色レベルが達している。したがつて、安定な測
定が可能となるとともに、比較的低出力の光源を使用し
ても、充分な螢光強度の信号が得られる。たとえば、こ
の実施例では、すべて、10mWのアルゴンイオンレーザー
をフローサイトメーターの光源として使用している。
以上の実施例から下記条件で上記試薬を使用した場合良
好な結果が得られることがわかつた。
好な結果が得られることがわかつた。
アストラゾンオレンジG;3〜100(μg/ml) ニユートラルレツド ;0.3〜10(μg/ml) pH ;8.0〜11.0 螢光波長 緑螢光 ;500〜580nm 赤螢光 ;560nm以上 しかし、この発明に使用されるフローサイトメーターの
光源は、前述の低出力のアルゴンイオンレーザーに限ら
ず、他の光源、たとえば、水銀アークランプ、クセノン
アークランプ、He-Cdレーザー、He-Neレーザー、クリプ
トンイオンレーザー、大出力のアルゴンイオンレーザー
等の光源であつてもかまわない。そのときには、各光源
に応じた最適染料、染色条件、測定条件を設定すれば良
い。
光源は、前述の低出力のアルゴンイオンレーザーに限ら
ず、他の光源、たとえば、水銀アークランプ、クセノン
アークランプ、He-Cdレーザー、He-Neレーザー、クリプ
トンイオンレーザー、大出力のアルゴンイオンレーザー
等の光源であつてもかまわない。そのときには、各光源
に応じた最適染料、染色条件、測定条件を設定すれば良
い。
(発明の効果) この発明の試薬を使用してフローサイトメーターによつ
て血液を測定し、白血球を分類・計数すると、以下に述
べる様な効果が得られる。
て血液を測定し、白血球を分類・計数すると、以下に述
べる様な効果が得られる。
(1)染色液に抗凝固処理を施した血液を加えるという
一段階の染色のみで測定用試料が得られるので、試料の
前処理が非常に簡単にできる。
一段階の染色のみで測定用試料が得られるので、試料の
前処理が非常に簡単にできる。
(2)1分程度の染色時間で測定することが可能である
ため、測定迄に要する時間が短くて済む。
ため、測定迄に要する時間が短くて済む。
(3)完全に染色が終了した状態で測定するため、測定
中の試料の経時的変化が無く、また、正常な検体のみな
らず、白血球が極端に多いか、または少い検体について
も、一定時間で常に適正な強度に染色がなされている。
このため検体によつて染色時間を変えるという必要は生
じない。
中の試料の経時的変化が無く、また、正常な検体のみな
らず、白血球が極端に多いか、または少い検体について
も、一定時間で常に適正な強度に染色がなされている。
このため検体によつて染色時間を変えるという必要は生
じない。
(4)完全に染色が終了し、強く染色強度に達したのち
測定するので、フローサイトメーターの光源は低出力の
もので良い。さらに光源は一個しか必要とせず、測定パ
ラメーターも螢光2チヤンネル、側方散乱光1チヤンネ
ルの中から2つのパラメーターを選択して測定し、分析
するだけで良いので、この発明の試薬を使用する装置
は、構成が簡単で低価格のものとなる。
測定するので、フローサイトメーターの光源は低出力の
もので良い。さらに光源は一個しか必要とせず、測定パ
ラメーターも螢光2チヤンネル、側方散乱光1チヤンネ
ルの中から2つのパラメーターを選択して測定し、分析
するだけで良いので、この発明の試薬を使用する装置
は、構成が簡単で低価格のものとなる。
(5)この発明の試薬は、細胞を染め分ける作用が非常
に強いので、分離度の良い各白血球の分類結果が得られ
る。
に強いので、分離度の良い各白血球の分類結果が得られ
る。
(6)螢光に加えて側方散乱光をも一緒に測定した場合
には、リンパ球と単球の分離をはじめとして、分離度の
一段と良い各白血球の分類結果が得られる。
には、リンパ球と単球の分離をはじめとして、分離度の
一段と良い各白血球の分類結果が得られる。
(7)赤血球、血小板、および幼若赤血球は、螢光強度
が白血球に比べて非常に弱いので、これらは白血球と完
全に区別できる。このため、この発明の試薬を使用すれ
ば、測定前にあらかじめ赤血球を溶解させる必要がな
い。
が白血球に比べて非常に弱いので、これらは白血球と完
全に区別できる。このため、この発明の試薬を使用すれ
ば、測定前にあらかじめ赤血球を溶解させる必要がな
い。
第1図はこの発明の試薬が使用されるフローサイトメー
タの光学系の一具体例を示す概略図。 図中の各符号は次のとおりである: 10:フローサイトメーターの光学系、12:レーザー、14:
フローセル、16:シリンドリカルレンズ、18:コンデンサ
ーレンズ、20:アパーチヤー、22:ダイクロイツクミラ
ー、24:側方散乱光、26:螢光、28:光電子増倍管、30:ダ
イクロイツクミラー、32:赤螢光、34:カラーフイルタ
ー、36:光電子増倍管、38:緑螢光、40:カラーフイルタ
ー、42:光電子増倍管。 第2図は、各白血球の側方散乱光強度を示すグラフ。 第3〜12図および第15図は二つの信号を使用して、白血
球を分類したときの二次元分布図。これら分布図中1は
リンパ球、2は単球、3は好中球、4は好酸球、5は好
塩基球の各集合を表わす。 第13図は、ニユートラルレツドの励起・螢光特性を示す
グラフ。 第14図は、アストラゾンオレンジGの励起・螢光特性を
示すグラフ。 各図面中Side Scは側方散乱光の相対強度、FL、Red FL.
およびGreen FL.は各々螢光の相対強度、赤螢光の相対
強度および緑螢光の相対強度を表わす。
タの光学系の一具体例を示す概略図。 図中の各符号は次のとおりである: 10:フローサイトメーターの光学系、12:レーザー、14:
フローセル、16:シリンドリカルレンズ、18:コンデンサ
ーレンズ、20:アパーチヤー、22:ダイクロイツクミラ
ー、24:側方散乱光、26:螢光、28:光電子増倍管、30:ダ
イクロイツクミラー、32:赤螢光、34:カラーフイルタ
ー、36:光電子増倍管、38:緑螢光、40:カラーフイルタ
ー、42:光電子増倍管。 第2図は、各白血球の側方散乱光強度を示すグラフ。 第3〜12図および第15図は二つの信号を使用して、白血
球を分類したときの二次元分布図。これら分布図中1は
リンパ球、2は単球、3は好中球、4は好酸球、5は好
塩基球の各集合を表わす。 第13図は、ニユートラルレツドの励起・螢光特性を示す
グラフ。 第14図は、アストラゾンオレンジGの励起・螢光特性を
示すグラフ。 各図面中Side Scは側方散乱光の相対強度、FL、Red FL.
およびGreen FL.は各々螢光の相対強度、赤螢光の相対
強度および緑螢光の相対強度を表わす。
Claims (5)
- 【請求項1】好酸球を特異的に螢光染色する染料及び好
塩基球を特異的に螢光染色する染料を含むことを特徴と
するフローサイトメーター用白血球5分類試薬。 - 【請求項2】好酸球を特異的に螢光染色する染料がニユ
ートラルレツドである特許請求の範囲第1項の試薬。 - 【請求項3】好塩基球を特異的に螢光染色する染料が a.アストラゾンオレンジG b.オーラミンO のいずれかである特許請求の範囲第1項の試薬。
- 【請求項4】好酸球を特異的に螢光染色する染料、好塩
基球を特異的に螢光染色する染料及び単球を特異的に螢
光染色する染料を含むことを特徴とするフローサイトメ
ーター用白血球5分類試薬。 - 【請求項5】単球を特異的に螢光染色する染料が、 1,1′‐ジメチルオキサカルボシアニン、 1,1′‐ジエチルオキサカルボシアニン、 1,1′‐ジ‐(n-プロピル)オキサカルボシアニン、 1,1′‐ジ‐(n-ペンチル)オキサカルボシアニン、 1,1′‐ジ‐(n-ヘキシル)オキサカルボシアニン、 TA-2 または 2-〔γ‐(1′‐エチル‐4′,5′‐ベンゾチアゾリリ
デン)プロペニル〕‐1-エチル‐4,5-ベンゾオキサゾリ
ウムヨージド である特許請求の範囲第4項の試薬。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61213716A JPH076979B2 (ja) | 1986-09-10 | 1986-09-10 | フロ−サイトメトリ−による白血球分類に使用される試薬 |
CA000546200A CA1309327C (en) | 1986-09-10 | 1987-09-04 | Reagent and method for classifying leukocytes by flow cytometry |
DE19873783838 DE3783838T2 (de) | 1986-09-10 | 1987-09-08 | Reagenz und verfahren zum klassifizieren von leukozyten durch durchfluss-zytometrie. |
EP19870113112 EP0259833B1 (en) | 1986-09-10 | 1987-09-08 | Reagent and method for classifying leukocytes by flow cytometry |
US07/663,090 US5175109A (en) | 1986-09-10 | 1991-02-28 | Reagent for classifying leukocytes by flow cytometry |
US07/947,784 US5296378A (en) | 1986-09-10 | 1992-09-18 | Method for classifying leukocytes by flow cytometry |
US08/153,767 US5928949A (en) | 1986-09-10 | 1993-11-17 | Reagent and method for classifying leukocytes by flow cytometry |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61213716A JPH076979B2 (ja) | 1986-09-10 | 1986-09-10 | フロ−サイトメトリ−による白血球分類に使用される試薬 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6370167A JPS6370167A (ja) | 1988-03-30 |
JPH076979B2 true JPH076979B2 (ja) | 1995-01-30 |
Family
ID=16643808
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61213716A Expired - Fee Related JPH076979B2 (ja) | 1986-09-10 | 1986-09-10 | フロ−サイトメトリ−による白血球分類に使用される試薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH076979B2 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3327119A (en) * | 1964-03-26 | 1967-06-20 | Ibm | Method and apparatus for detecting cancer cells |
US4343782A (en) * | 1978-04-20 | 1982-08-10 | Shapiro Howard M | Cytological assay procedure |
US4400370A (en) * | 1980-03-12 | 1983-08-23 | Lawrence Kass | Metachromatic dye sorption means for differential determination of leukocytes |
US4581223A (en) * | 1980-03-12 | 1986-04-08 | Lawrence Kass | Individual leukocyte determination by means of differential metachromatic dye sorption |
CA1155041A (en) * | 1980-04-21 | 1983-10-11 | Michael E. Jolley | Fluorescent nucleic acid stains |
JPS59184862A (ja) * | 1983-04-05 | 1984-10-20 | ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニ− | 試料内細胞の複数副次集団を識別する方法と装置 |
-
1986
- 1986-09-10 JP JP61213716A patent/JPH076979B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6370167A (ja) | 1988-03-30 |
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