JPH0743810A - カメラの外装構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カメラ愛好者にはカメラの外装構造が全金属
製であることが喜ばれるが、全金属製の外装構造にする
と製造工数及び製造コストは合成樹脂モールド製の外装
構造にくらべて著しく高くなり、カメラ価格を非常に高
価にしてしまう。本発明の目的は、金属製で高級感のあ
る外観を有するとともに比較的低コストで製造できるカ
メラ外装構造を提供することである。 【構成】 本発明の外装構造では、カメラ表面を構成す
る外装カバーとして金属製のカバーを有するとともに、
該金属製カバー１の内側には該カバー１に接着した樹脂
モールド製のインナーカバー２を設け、該カバー１と２
との間にＡＦ投受光窓４やストロボ窓５等を挟み込んで
接着した。カメラ表面の大きな突出部や複雑な形状部分
は樹脂モールド製インナーカバーに一体成形できるので
製造コストも全金属製にくらべて安く、カバーが積層二
重構造になっているので強度も高い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はカメラの外観部品の材料
として金属（例えばアルミ）を使用したカメラ外装構造
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】最近、カメラの外観部品はモールド（合
成樹脂の射出成形品。以下にはモールドと略記する。）
化され、カメラの軽量化とデザイン自由度の増大に貢献
している。モールド化された外装カバーは、鏡筒の突出
部分やストラップ通し部や、押しボタン類のガイド部な
どの複雑な形状を一体成形品で構成できると共に、前カ
バーと後カバーの合わせ部インローや引掛け爪をも一体
成形できる為、カバー同志の合わせが簡単にできる。
又、図６に示すように、ＡＦ投受光窓やストロボ窓など
の外観用別部品１０１は、カバー１００に対して接着に
より取付けすることが可能である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、モール
ドだけから成る外装カバーは、上述の様な利点がある反
面、衝撃や傷に対して弱く強度、表面硬度など堅牢性は
とても金属製カバーに及ぶものではない。又、モールド
の表面処理パターンとして数多くのパターンが作成され
ているが、金属特有の高級感の有る表面処理は困難であ
り、たとえばアルミのダイヤカット（切削）工程後の光
輝性はモールドでは達成し得ないものである。

【０００４】更に、アルミなど金属外装のカメラボディ
ーは触った時の「冷たさ」が手に伝わるため高級機器を
扱う者の満足感を生み出すが、モールド外装ではこの様
なことはない。

【０００５】また、図６に示す窓部品１０１を接着剤で
モールドカバーに取付ける構造においては、その接着力
が接着剤の充てん箇所や量の作業管理に委ねられること
になり、該窓部品の接着力が弱い場合には外側から窓部
に大きな静圧力が加えられると、窓部品がはずれてしま
うという恐れが有る。

【０００６】一方、アルミを使用した従来の外装カバー
においては、絞り加工により成形する都合上、鏡筒の突
出部分を一体的に深絞りすることが困難であったり、
又、ストラップ通し部やレリーズボタン等の外部操作部
材の保持部など複雑な形状を一体的に成形することは困
難であるため、モールド製カバーにくらべてかなりの高
コストになる。

【０００７】本発明の目的は、合成樹脂成型品によるモ
ールドカバーの利点と全金属製カバーの利点とを併せ持
ったカメラ外装構造を提供することであり、前述した従
来技術における欠点を排除したカメラ外装構造を提供す
ることである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明によるカメラ外装
構造においては、カメラの外装カバーとして金属カバー
を使用し、前記金属カバーの内側に略同形状のモールド
カバーを設け、そのモールドカバーには、鏡筒の突出部
を覆う外観部と、ストラップ通し部と、レリーズボタン
等の外部操作部材の保持部と、を一体的に設けたことを
特徴とするものである。又、外観部品であるところの窓
部品を金属カバーと内側のモールドカバーとの間にはさ
んで保持することを特徴とするものである。

【０００９】本発明によるカメラ外装構造においては、
表面が金属製カバーで、その内側には合成樹脂の射出成
型品であるモールドカバーが設けられているので、高級
感のある外観と合理的で低コストの構造とを併せ持った
カメラを実現できる。

【００１０】

【実施例】以下に、本発明の一実施例を図面に従って説
明する。

【００１１】図１は、本発明による外装構造を備えたカ
メラの主な外装部品を示す分解斜視図である。図２は、
前カバーと後カバーを組み合わせる引掛け爪部を表わし
たカメラの縦断面図、図３は前カバーと後カバーの合わ
せ部インローを表わすカメラの縦断面図である。

【００１２】図４は本発明の外装構造を備えたカメラの
上部に配置されているレリーズボタン及びズームボタン
の組込み状態を示す断面図である。

【００１３】これらの図において、１はアルミを材料と
するアルミカバー、２はモールドから成るインナー前カ
バーである。インナー前カバー２は、鏡筒の突出部を覆
う外観部２ａと、同じく外観部となる底面カバー部２ｂ
と、ストラップ通し部２ｃとを一体に有しており、鏡筒
突出部２ａはアルミカバー１の穴１ａより突出し、スト
ラップ通し部２ｃはアルミカバー１の切欠き１ｂより露
出している。

【００１４】なお、アルミカバー１は図示しない両面テ
ープもしくは接着剤等によりインナー前カバー２に接着
されて一体化されている。

【００１５】３はモールドから成る後カバーで、図１及
び図２に示す様にインナー前カバー２に設けられた角穴
２ｆの端部に係合する引掛け爪３ａを一体に有してお
り、又、インナー前カバー２の切欠き凹部２ｇにはまり
込むインロー３ｂも一体に設けられている。一方、図３
に示す様にインナー前カバー２の凸部２ｈは後カバー３
の凹部３ｃにはまり込み、前述の引掛け爪３ａの作用と
共に前・後カバーの結合を簡単かつ確実なものとすると
同時に外観からの静圧力に対しても対抗できる構造とし
ている。もちろん、これら前・後カバーによって機構部
を内蔵する不図示のカメラ本体を覆い包んでいるもので
ある。

【００１６】４は可視光カットフィルター材入りのＡＦ
投受光窓で、ファインダー用窓穴４ｃと測光用窓穴４ｄ
を有し、それぞれ図示しない透明窓部材が取り付けられ
る。又、突出リブ４ｂは外観面４ａより段差を有して上
部２ケ所と左右にそれぞれ１ケ所ずつ一体に設けられて
いる。

【００１７】５はストロボ窓で、外観面５ａのちょうど
裏面にはフレネルレンズが一体に設けられていて、非外
観部５ｂは外観面５ａより段差を有して全周囲に設けら
れている。

【００１８】上記ＡＦ投受光窓４はアルミカバー１とイ
ンナー前カバー２が接着される以前にアルミカバー１の
穴１ｃに対してＡＦ投受光窓４の外観部４ａが顔を出す
様にはめ込まれ、また、同時にストロボ窓５も穴１ｄに
対してストロボ窓５の外観部５ａが顔を出す様にはめ込
まれる。その後、ＡＦ投受光窓４の突出リブ４ｂとスト
ロボ窓５の非外観部５ｂとを図２に示すようにアルミカ
バー１とインナー前カバー２との間にはさみ込み、アル
ミカバー１とインナー前カバー２との接着によりＡＦ投
受光窓４とストロボ窓５を保持している。

【００１９】なお、ストロボ窓５は、上面５ｃと右側面
５ｄに壁を有しており、図示しないストロボ反射笠とア
ルミカバー１との沿面距離を長くすることによりストロ
ボリーク対策が図られている。

【００２０】図４において、６はレリーズボタン、７は
たけのこ状の圧縮バネ、８はレリーズスイッチ、であ
る。レリーズボタン６と圧縮バネ７はインナー前カバー
２のレリーズボタンガイド部２ｄ内に圧縮バネ７をチャ
ージした状態でレリーズボタン６の爪部６ａの引掛けに
よって保持されている。９はズームボタン、１０はゴム
スイッチで、両者はインナー前カバー２のズームボタン
ガイド部２ｅの内に挿入されている。ズームボタンガイ
ド部２ｅにはズームボタン９の抜け止め形状とゴムスイ
ッチ１０の位置を決めるガイド形状とが一体に形成され
ている。１１はプリント配線基板で、レリーズスイッチ
８がハンダ付けされており、ゴムスイッチ１０の底部に
設けられた導電部が接触する箇所には導通すべきパター
ンが露出されている。なお、プリント配線基板１１は図
示しないカメラ本体に固定されているものである。上述
の様な構成をとることで窓部品やボタン類を前カバーの
ユニットとして構成でき、組立作業や工程上の取り扱い
が簡単になる。

【００２１】＜実施例２＞次に、本発明の第２の実施例
を図５に示す。

【００２２】同図において、２１はアルミ材質とするア
ルミカバーで、２１ａは鏡筒付近が少量突出している鏡
筒カバー部分であり、該部分２１ａは突出量が小さいの
でカバー２１にプレス加工によって一体成形されてい
る。２２はモールドから成るインナーカバーで、カメラ
の上部及び側面の一部に配置され、ストラップ通し部２
２ｃが外観部として一体に成形されている。インナーカ
バー２２はアルミカバー２１の内側に接着されて一体化
構成となり、また、後カバー２３との結合を確実なもの
とする為の前述の係止構造（引掛け爪２３ａが係合する
角穴２２ｆ及びインロー２３ｂのはまり込む凹部２２ｇ
及び凹部２３ｃにはまり込む凸部２２ｈ）を有してい
る。又、第１実施例と同様にＡＦ投受光窓２４及びスト
ロボ窓２５のはさみ込みが可能な構造であり、第１実施
例で説明したレリーズボタンやズームボタンのガイド部
（２２ｄと２２ｅ）も一体に設けられている。

【００２３】

【発明の効果】以上説明した様に、本発明のカメラ外装
構造では、カメラの外装カバーにアルミを使用し、その
アルミカバーの内側に略同形状のモールドカバーを設
け、そのモールドカバーに鏡筒の突出部を覆う外観部
と、ストラップ通し部と、レリーズボタン等の外部操作
部材の保持部とを一体的に設けることによってアルミの
剛性と堅牢性を増強し、高級感の有る外観仕上げが可能
となる。更に、アルミだけでは加工困難な形状を内側に
設けたモールドカバーに一体成形することで複雑な形状
も一体に設けることができる。又、外観部品であるとこ
ろの窓部品をアルミカバーと内側のモールドカバーとの
間にはさんで保持することにより、外部からの大きな静
圧力に対して耐えられる構造にすると同時に接着作業を
大幅に簡略化でき、全金属製の外装構造よりも大幅に製
造コストを下げることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の外装構造を有する第１実施例のカメラ
の分解斜視図。

【図２】図１のカメラの前カバーと後カバーを組み合わ
せる引掛け爪部を表わすカメラの縦断面図。

【図３】図１のカメラの前カバーと後カバーの合わせ部
インローを表わすカメラの縦断面図。

【図４】図１のカメラのレリーズボタン及びズームボタ
ンの組込み状態を示す断面図。

【図５】本発明の第２実施例のカメラの分解斜視図。

【図６】従来例の窓部品取付け構造を表わす断面図。

【符号の説明】

１…アルミカバー ２…インナー前カ
バー ３…後カバー ４…ＡＦ投受光窓 ５…ストロボ窓 ６…レリーズボタ
ン ７…圧縮バネ ８…レリーズスイ
ッチ ９…ズームボタン １０…ズームスイ
ッチ １１…プリント配線基板

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カメラの外装カバーとして金属カバーを
   使用し、前記金属カバーの内側に略同形状のモールドカ
   バーを設け、前記モールドカバーに鏡筒の突出部を覆う
   外観部と、ストラップ通し部と、レリーズボタン等の外
   部操作部材の保持部と、を一体的に設けたことを特徴と
   するカメラの外装構造。
2. 【請求項２】 カメラの外装カバーとして金属カバーを
   使用し、前記金属カバーの内側に略同形状のモールドカ
   バーを設け、カメラの外観部品であるところの窓部品を
   前記金属カバーと前記モールドカバーとの間にはさんで
   保持したことを特徴とするカメラの外装構造。