JPH0728693B2 - インシュリン分泌を抑制する食品組成物 - Google Patents
インシュリン分泌を抑制する食品組成物Info
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Description
も血糖値に影響を及ぼすことがない食品組成物に関する
ものである。
欧米諸国に於いては食品の精製技術の発達及び食嗜好か
ら糖質、脂肪の摂取量が多く、栄養の過剰摂取とそれに
起因したインシュリンの過剰分泌によって肥満・糖尿病
あるいは動脈硬化等の非伝染性疾患の発生率が極めて高
い。わが国に於いても食事の西欧化が進み上記疾患の罹
患率は急速に上昇傾向にある。
感神経のα受容器刺激剤として、エピネフリン、ノルエ
ピネフリン等の物質、交感神経β受容器遮断剤としてプ
ロプラノールやDopaセロトニン等の物質がインシュリン
分泌抑制効果を有することはよく知られている。
ヘプチュロース等の糖質代謝抑制物質やソマトスタチン
あるいはCa2+拮抗剤もインシュリン分泌抑制作用があ
る。
あり、食品として常時使用できるものではない。
水溶性食物繊維が血糖の上昇抑制によりインシュリン分
泌の節約を行うと言われているが、高粘度であるため有
用金属の吸収阻害を行うこともあると言われている。ま
た食品素材としては高粘度であることから大量摂取が困
難であり、用途は限定されるという欠点も有している。
様化が進んでいる。特に食品の精製技術の発達に伴って
栄養分の過剰摂取、特に糖質代謝の異常に起因する肥満
・糖尿病あるいは動脈硬化症等の非伝染性疾患は増加し
つつある。従来これら疾病の予防・治療の目的から血糖
低下作用を有する物質、たとえば各種多糖類(グアーガ
ム、コンニャクマンナン)やα−グルコシダーゼ阻害剤
等が汎用されてきた。一方インシュリン分泌の増大は初
期には血糖値の単位時間あたりの増加量に対応し、後期
に於いては摂取した糖分の総量に対応した分泌応答を示
すことが知られている。加えて、摂取後の血糖値特に最
高血糖値と摂取糖分量とは必ずしも相関しない。更に血
糖値の変化は食事の開始と終了を決定する重要な因子の
一つであり、比較的短期の1回毎の食事量の調節に深く
関わっていると考えられている。
ぼすことなく、即ち食行動の生理を乱すことなくインシ
ュリン分泌を節約することは、肥満の予防のみならず、
高インシュリン血症を伴う前糖尿病段階から顕性糖尿病
への移行の阻止、あるいは動脈硬化病に於いてはインシ
ュリンによる脂肪沈着を抑える上にも有意義であり、そ
の他インシュリンによる害作用を軽減する必要のある疾
病全般についてその予防に一定の有益な効果が期待でき
るものである。このような全く新しい見地よりヒト及び
動物に対して血糖値に影響を及ぼすことなくインシュリ
ン分泌の節約効果を有する物質就中食品用物質を開発す
るという全く新しい着想に至った。
ては殆ど顧みられなかった焙焼デキストリンについて上
記インシュリン分泌抑制作用の有無惹いては該作用を有
する新しい食品組成物を開発するという全く新しい着想
に至った。
想に基づいて焙焼デキストリンからインシュリン抑制作
用を有し、且つ血糖値に悪影響を与えない食品組成物を
新たに開発することである。
非存在下に加熱分解して得られる焙焼デキストリンの精
製物をインシュリン抑制作用を有する食品組成物の主成
分として使用することにより解決される。
少なくとも1種を酸を加えてまたは加えずして加熱分解
し、かくして得られる焙焼デキストリンの精製物が血糖
値に影響を与えることなく極めて優れたインシュリン抑
制作用を有するものであるという新しい発見に基づいて
いる。
明する。
ず各種のものが広く包含され、たとえば馬鈴薯、トーモ
ロコシ、キャッサバなど何れでもよく、また食品用加工
澱粉として市販されているものでよい。この際の加工澱
粉としてはたとえば可溶性澱粉、エステル化澱粉、エー
テル化澱粉、架橋澱粉であり、具体的にはリン酸澱粉、
ヒドロキシプロピル澱粉である。
に澱粉水解物が使用される。この澱粉水解物とは澱粉を
水で軽く加水分解したものであり、この際酸或いは酵素
を用いても良い。加水分解の程度はDE3〜40であり、ま
た使用する酸は通常蓚酸、塩酸であり、その使用量は0.
01%〜0.1%(対澱粉重量の)程度である。また酵素と
してはα−アミラーゼである。
熱分解する。この加熱分解は150〜220℃前後で1〜5時
間程度焙焼する。この加熱の際の圧力は特に減圧乃至加
圧にする必要はなく常圧下で良い。またこの加熱の際、
酸を添加しても良い。この酸を使用する目的は加熱分解
のための触媒であり、酸としては硫酸、塩酸、硝酸など
の鉱酸好ましくは塩酸を好ましくはその濃度を1重量%
程度となして原料に対して数重量%の量で添加好ましく
は噴霧して均一になるよう良く混合し、好ましくは100
〜120℃程度で水分を5%前後まで予備乾燥する。
リンを精製する。精製は以下に示す(イ)〜(ロ)の少
なくとも一つの処理が採用される。
処理に続いてグルコアミラーゼ処理後必要に応じ常法に
より濾過、脱臭、脱塩を行う。
グラフィーによりデキストリン成分を分離する処理を施
す。
る。
し30〜50重量%の液となし、中和してpH5.5〜6.5好まし
くは5.8となし、市販のα−アミラーゼ(カビ由来のも
の、細菌由来のもの等何れでもよい)を焙焼デキストリ
ンに対して0.05〜0.2重量%添加して該アミラーゼの作
用温度85〜100℃前後となし、30分〜2時間保持する。
次いで温度を120℃まで上げα−アミラーゼの酵素作用
を終了させる。この後液温を55℃前後に下げ、pH5.5程
度に調整し、一般に使用されるグルコアミラーゼを元の
焙焼デキストリンに対して0.05〜0.2重量%添加し、液
温を保持して24〜48時間作用させる。この反応は液中に
存在するオリゴ糖のような小さい分子をぶどう糖まで分
解させるものである。続いてたとえば80℃前後でグルコ
アミラーゼ作用を終了させる。
クロマト分離を行う。この場合市販一般の強酸性陽イオ
ン交換樹脂が広く使用できる。
同IR−118、同IR−120B、同XT−1022E、XT−471F(以下
商品名オルガノ社製)、ダイヤイオンSK−1B、同SK−10
2、同SK−104、同SK−106、同SK−110、同SK−112、同S
K−116、同FR−01(以上商品名三菱化成社製)、XFS−4
3281.00、同43280.00、同43279.00、同43278.00(以上
商品名ダウケミカル日本社製)を例示することができ
る。
アルカリ土類金属型として用いることが好ましい。高分
子デキストリンとぶどう糖の分離を良くするために、使
用樹脂に応じてカラム通液時の流速を調整することが好
ましい。流速はSV=0.1〜0.6の範囲が好ましい。この流
速範囲外では作業性や分離が悪くなる傾向がある。通液
の時の温度は20〜70℃が好ましく、これより低いと分離
が悪くなり、液の粘度が上がって樹脂に障害を与えるこ
とがあり、これにより高温になると液が褐変したり、そ
の他の品質が悪くなることがある。
詳細に見たところ、その結合様式はぶどう糖を構成糖と
して1→4、1→6結合したものの他に1→2、1→3
結合が見られ、また還元末端基の一部が1−6アンヒド
ログルコースとなっている。
℃)と低く、わずかに甘味を帯びた無臭のもので、1→
2、1→3結合部は10%以下程度である。従って、各種
飲料や食品加工原料としても使用し易く、また原料が澱
粉であるので、粉末水飴と同じ様に安全に食べられるも
のである。
用素材として広く使用でき、その用途は食品素材として
使用できるものであれば、いずれの食品でも良い。代表
的な食品を例示すれば、飲料、デザート、キャンディー
等である。
れらを約20時間絶食させ、グルコース(1.5g/kg体重)
単独、グルコース(1.5g/kg体重)にPF(0.6g/kg体重)
及びPF−C(0.6g/kg体重)を夫々添加した水溶液を経
口投与後経時的に採血し、酵素法により血糖値、RIA法
によりインシュリン量を夫々測定した。尚、各負荷試験
は1週間の間隔をおいてクロスオーバーした。結果を第
1図に示す。但し第1図(イ)は血糖値の、同図(ロ)
はインシュリンの測定値であり、夫々の●印はグルコー
ス単独を△印はグルコースPFを加えた場合を、また○印
はグルコースにPF−Cを加えた場合を示す。またPF−C
とは以下のものを示す。
ラーゼ、で加水分解した後、生成したグルコースをカラ
ムクロマトグラフィー法で除去した物質。
後、活性炭による脱色イオン交換樹脂による脱塩工程で
精製したもの。
値の総和(ΣBG、ΣIRI及びΣIRI/ΣBG)を算定し第1
表に示す。
糖値並びにΣBGは、グルコース単独負荷とPF−C同時負
荷の両群間に於いて差異を認めなかった。一方、インシ
ュリン量はグルコース単独負荷群に比べてPF及びPF−C
負荷群は明らかな低値であった。
ス、50gグルコースと20gPF−C、あるいは20gPF−Cを
夫々経口投与し、経時的に血糖値とインシュリン量を測
定した。各負荷試験は1週間の間隔をおいてクロスオー
バーした。結果を第2図(血糖値)及び第3図(インシ
ュリン)に示す。またΣBG、ΣIRI及びΣIRI/ΣBGを第
2表に示す。
す。
響しなかった。またグルコースとPF−Cの同時投与によ
る血糖上昇はグルコース単独投与のそれと差異はなかっ
た。
ン分泌を誘起しなかった。
ではグルコース単独投与のそれと比較したとき、60分に
おいて有意な低下を示した。更に第2表から明らかなよ
うにグルコース単独負荷群とグルコース+PF−C負荷群
ではΣBGは差異を認めなかったが、ΣIRIは後者におい
て低下傾向が見られた。また単位量の血糖変化に対する
インシュリン量の変化の指標として算出したΣIRI/ΣBG
は後者において有意な低下を示した。
示すグラフであり、第2図は血糖値の第3図はインシュ
リンの値を測定した結果を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】澱粉或いは澱粉加水分解物を酸の存在下又
は非存在下に加熱分解して得られる焙焼デキストリン
を、α−アミラーゼ処理に続いてグルコアミラーゼ処理
後、必要に応じて濾過、脱臭、脱塩を行って得た精製物
を有効成分として含有して成るインシュリン分泌を抑制
する食品組成物。
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