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JPH07211145A - 異方性導電膜 - Google Patents

異方性導電膜

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JPH07211145A
JPH07211145A JP5316390A JP31639093A JPH07211145A JP H07211145 A JPH07211145 A JP H07211145A JP 5316390 A JP5316390 A JP 5316390A JP 31639093 A JP31639093 A JP 31639093A JP H07211145 A JPH07211145 A JP H07211145A
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anisotropic conductive
conductive film
adhesive
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裕顕 山口
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 絶縁接着剤、並びに接着剤中に分散された、
導電粒子及び球状の透明ガラス粒子を含んでなる異方性
導電膜。 【効果】 異方性導電膜に透明な球状ガラス微粒子を含
有させることにより、回路間の位置合わせの際に必要な
異方性導電膜の透明性を確保したまま、絶縁接着剤相の
熱膨張率を低下させ、回路の電気的接続信頼性を向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ICチップと回路基板の
接続等に用いられる、異方導電膜に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミ電極が形成されたポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルム基板とICチップを接
続するために、十分な接着力を有し、電気的接続信頼性
の高い異方性導電膜の出現が望まれている。
【0003】異方性導電膜は、基本的に導電粒子及び絶
縁接着剤からなっており、異方性導電膜を用いて被着
体、例えばICチップとTABテープとを接着する場
合、これらの間の電気的接続信頼性を高める、すなわち
両者の間の抵抗値を安定させる必要がある。そのために
は、導電粒子を、ICチップとTABテープの間に絶縁
接着剤によりしっかり固定させることが重要である。導
電粒子が、しっかり固定されていれば、エージング中に
生じる抵抗値変化を小さくすることができる。ところ
が、導電粒子と絶縁接着剤との熱膨脹率が著しく異な
り、通常絶縁接着剤の方が大きいため、エージング中、
特に温度サイクル試験等において、導電粒子をしっかり
固定することができなくなる。
【0004】異方性導電膜中に含まれる導電粒子に特徴
を有する異方性導電膜を開示した従来技術には次のよう
なものがある 特開平3−223380公報は、10μm〜20μmの
粒子径を有する酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウ
ムを20体積%含有した異方性導電剤を開示している。
しかし、ここで用いられている粒子は、透明性が乏しい
かまたは不透明なため、回路接続時の回路位置合わせが
困難となる。特開平2−206670公報は、平均粒径
1mμm〜50μmの熱伝導性フィラーを3〜50体積
%含有した異方性導電膜を開示している。しかし、この
ような透明性が乏しいかまたは不透明な熱伝導性フィラ
ーを記載された範囲の割合で含有した膜では、回路接続
時の回路位置合わせが困難となる。特開昭62−177
082公報は、平均一次粒子径4mμm〜200mμm
のシリカ微粒子を1〜30重量%含有した異方性導電剤
を開示している。しかし、含有される導電粒子が、金属
で被覆された有機ポリマー粒子であることから、回路間
の接続抵抗値が比較的高いという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、絶縁接着剤
と導電粒子との間の熱膨張率の差をできるだけ小さく
し、導電粒子を被着体と異方性導電膜との間にしっかり
固定できる異方性導電膜を提供しようとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、絶縁接着剤、並びに接着剤中に分散され
た、導電粒子及び球状の透明ガラス粒子を含んでなる異
方性導電膜を提供する。すなわち、本発明においては、
球状透明ガラス粒子を添加することにより、絶縁接着剤
相の熱膨張率を低下させ、絶縁接着剤相と導電粒子の熱
膨張率を近づけている。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0007】ガラス粒子 本発明で使用するガラス粒子の数平均粒径は、一般に
1.0μm以下、好ましくは0.1μm〜1.0μmであ
る。。数平均粒径が1.0μmを越えた場合、導電粒子
と回路との間の接触が不安定になる。ガラス粒子が球状
でない場合、例えば燐片状などの場合、異方性導電膜の
粘度が上昇し、導電粒子と回路間の接触が不安定にな
る。また、ガラス粒子が球状であると歪みが均一に分散
されるため、接触の安定性が向上する。ガラス粒子の粒
度分布は、下式の75%体積径と25%体積径の累積体
積率の比D75/25で示される。ここで75%体積径と2
5%体積径とは、それぞれ、累積体積率が、75%、2
5%となる時の粒径を意味する。 D75/25=75%体積径/25%体積径 本発明において、75%体積径/25%体積径、すなわ
ちD75/25が1〜2の範囲にあるのが好ましい。粒度分
布がこの範囲を越えると、導電粒子と回路間の接触を不
安定にするような大径の粒子が存在する確率が高くな
る。
【0008】ガラス粒子の透明性は、ナトリウムD線
(波長589.3nm)に対する屈折率(同温の空気に対
する)を指標として表す。本発明では、屈折率が1.5
±0.1にあるガラス粒子が好ましい。通常ほとんどの
接着剤の屈折率は1.5±0.1であり、ガラス粒子の
屈折が上記範囲にあれば、ガラス粒子は接着剤に対して
一般に透明であるといえる。充填される粒子が接着剤の
屈折率と近い値であれば、接着剤の透明性を損ないにく
く、回路間の位置合わせの際に必要な異方性導電膜の透
明性が確保される。ガラス粒子の添加量は、異方性導電
膜全体(通常、接着剤成分、導電粒子およびガラス粒子
の合計体積)に対して、10〜40体積%、好ましくは
10〜30体積%である。ガラス粒子の添加量が10体
積%より少ない場合、熱サイクル後の抵抗上昇の抑制効
果は小さく、また、40体積%を越える場合、回路間の
接着力が弱くなる可能性がある。
【0009】絶縁接着剤 本発明で用いる絶縁接着剤は特に限定されず、基本的に
は電気絶縁接着剤に用いられる樹脂のいずれもが使用可
能である。具体的には、アクリル酸エステル重合体、エ
チレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アク
リル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ
エチレン、エチレン−プロピレン共重合体、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロ
ック共重合体、カルボキシル化スチレン−エチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体、エポキシ化スチ
レン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、ポリブタ
ジエン、エチレン−スチレン−ブチレンブロック共重合
体、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、フ
ェノキシ樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミ
ド、ポリビニルアセタール、ポリビニルエーテル、ポリ
サルフォン、NBR、SBR、クロロプレンゴム、シア
ネートエステル重合体、エポキシ樹脂、シリコーン樹
脂、フェノール樹脂あるいは光硬化型樹脂、嫌気性樹脂
などを示すことができ、これらは単独であるいは2種以
上併用して用いることができる。必要に応じて硬化剤お
よび/または硬化触媒も使用することができる。
【0010】また、絶縁接着剤とともに、通常の添加
剤、例えば粘着付与剤、老化防止剤、分散剤なども使用
できる。粘着付与剤として、テルペン樹脂、テルペンフ
ェノール樹脂、ロジン類、キシレン樹脂、アルキルフェ
ノール樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、クロマン樹
脂、芳香族系石油樹脂が例示できる。老化防止剤とし
て、アルキルフェノール類、メルカプト類、ホスファイ
ト類、アミン類が例示できる。分散剤として、ノニオン
系、カチオン系、アニオン系、両性の界面活性剤が例示
できる。
【0011】導電粒子 導電粒子も従来使用されている種類の導電粒子を特に制
限なく使用できる。例えば、ニッケル、アルミニウム、
銀、銅、錫、鉛、金、亜鉛、白金、コバルト、またはこ
れらの合金(例えば、半田)などの金属粒子、凝集金属
粒子、溶融金属粒子、または高分子核材の上に金属被覆
を施した粒子などが挙げられる。導電粒子の添加量は、
通常異方性導電膜に対して0.5〜20体積%、好まし
くは1〜5体積%である。導電粒子の中でも、ニッケル
粒子が特に好ましいが、これは、使用環境下で化学的に
比較的安定で、良好な電気的接触が得られやすく、粒子
の種類が多様に選択できるからである。
【0012】異方性導電膜の厚みは、被着体の種類によ
って異なるが、通常3〜100μm、好ましくは10〜
30μmである。3μm以下では回路の隙間への充填が不
十分になりやすく、100μm以上では微細ピッチに対
応しにくい。
【0013】異方性導電膜は、ガラス粒子を添加するこ
と以外は従来の異方性導電膜の製法と同様の方法により
製造できる。例えば、絶縁接着剤を適当な溶媒に溶解
し、得られた溶液に導電粒子およびガラス粒子を分散さ
せればよい。導電粒子とガラス粒子の分散の順序は特に
限定されず、いずれか一方を先に分散させ、他方をその
後に分散させてもよいし、両者を同時に分散させてもよ
い。得られた分散体を、離型性のある適当なフィルム
(例えばシリコーン剥離処理が施されたPETフィル
ム)に塗布し、乾燥して、異方性導電膜を得る。
【0014】本発明の異方性導電膜は、従来の異方性導
電膜と同様に使用できる。例えば、TABのICチップ
が接続される面に異方性導電膜を置き、圧着機を用い
て、所望により熱も加えて、固定する。次に、異方性導
電膜を通して接続されるICチップの電極部とTABの
電極部の位置合わせを行い、熱圧着機を用いてICチッ
プをTABに固定する。これにより、ICチップが電気
的および機械的にTABに接続される。
【0015】
【発明の効果】異方性導電膜に透明な球状ガラス微粒子
を含有させることにより、回路間の位置合わせの際に必
要な異方性導電膜の透明性を確保したまま、絶縁接着剤
相の熱膨張率を低下させ、回路の電気的接続信頼性を向
上することができる。
【0016】
【実施例】次に実施例を示して、本発明を具体的に説明
する。実施例中、異方性導電膜の各種性質は、次のよう
にして測定した。 (1)熱膨脹率(線膨脹係数) 熱機械分析装置(TMA)を用いて、フィルム片試料に一
定張力を加えたときの、温度変化に対する膨脹率を測定
する。 (2)抵抗値 TABの導体−異方性導電膜接続部−チップ電極−異方
性導電膜接続部−TABの導体間の総抵抗値(従って、
導体抵抗と接触抵抗の合成された値)。TABの導体端
子間に直流1mAの電流を印加し、同端子間に発生した
電圧を測定し、発生電圧/印加電流で計算された値を抵
抗値とする。 (3)接着力 接着力は、チップに対してTABを90°方向に引剥が
した時の、単位長さ(剥離幅)当りの引張り強度のピー
ク値として定義する。チップの背面を固定し、異方性導
電膜で接続されたTABをチップに対して90°方向に
引剥がし、その引張り強度のピーク値を測定する。 (4)エージング条件 −20℃(2時間)〜昇温(2時間)〜70℃/90%RH
(2時間)〜降温(2時間)〜−20℃(2時間)を1サイク
ルとして1000時間エージングし、その後の性質を測
定する。
【0017】実施例 ポリビニルブチラール樹脂をメチルエチルケトン、エタ
ノールおよびトルエンの混合溶剤(混合比11:61:
28(重量))に溶解し、ニッケル粒子を加え、ボールミ
ルにより分散処理を行った。ここで得られたニッケル粒
子の平均粒子径は6.7〜10.5μmであった。この分
散液にフェノール樹脂と透明の球状ガラス粒子を混合
し、さらに攪拌処理を行い、原液を作成した。これをシ
リコーン剥離処理が施されたPETフィルムに塗布、乾
燥し、厚さ13μmの異方性導電膜を得た。ニッケル粒
子の添加量は、異方性導電膜に対して、2.0体積%で
あった。この異方性導電膜を、6.8mm×6.8mm×
0.5mm(厚さ)のシリコン板にアルミ回路および1
00μm×100μm×25μm(厚さ)の金バンプが
200μmピッチで形成されたチップと、同ピッチでア
ルミ電極が形成されたPET回路基板の間に挟んで熱圧
着し、試験片を作成した。表1に、回路位置合わせ作業
性を示し、表2〜4に、試験片の初期抵抗値と湿熱サイ
クル(−20℃〜70℃90%RH)1000時間後の
抵抗値の最大値と平均値を示す。比較例として、ガラス
粒子の代わりに酸化チタン(表1)、燐片状マイカ(表
2)または硬質球状シリコーン樹脂粒子(表3)を使用
した例を示す。
【0018】
【表1】 粒子種 粒子径(μm) 添加量(体積%) 回路位置合わせ作業性 実施例 ガラス 0.2 40 透明性があり良好 比較例 酸化チタン 0.2 5 不透明なため困難
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】 球状ガラス粒子径 添加量 初期抵抗値(Ω) サイクル後抵抗値(Ω) (μm) (体積%) 最大 平均 最大 平均 実 0.2 10 0.43 0.34 0.56 0.39 施 0.3 10 0.38 0.31 0.48 0.34 1.0 15 0.38 0.32 0.57 0.33 比 2.0 6 0.43 0.33 100以上 6.22 較 4.5 6 0.40 0.33 9.68 4.00 12.0 6 0.44 0.34 100以上 6.26 (ただし、比較例では硬質球状シリコーン樹脂粒子を用
いた。)
【0021】
【表4】 球状ガラス粒子径 添加量 初期抵抗値(Ω) サイクル後抵抗値(Ω) (μm) (体積%) 最大 平均 最大 平均 実 0.3 10 0.38 0.31 0.48 0.34 0.3 20 0.41 0.32 0.57 0.37 0.3 30 0.38 0.31 0.52 0.38 施 0.3 40 0.39 0.33 1.39 0.49 1.0 11 0.43 0.37 3.21 0.69 1.0 20 0.47 0.38 5.22 0.78 1.0 30 0.41 0.34 0.51 0.38 比 0.2 6 0.42 0.34 100以上 0.75 1.0 5 0.38 0.31 100以上 0.40 (ただし、最大値が100Ω以上の端子のある試験片
は、その端子を除いた平均値を示した。)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01R 11/01 A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁接着剤、並びに接着剤中に分散され
    た、導電粒子及び球状の透明ガラス粒子を含んでなる異
    方性導電膜。
  2. 【請求項2】 前記ガラス粒子の平均粒径が、0.1〜
    1μmである請求項1に記載の異方性導電膜。
  3. 【請求項3】 75%体積径/25%体積径で定義され
    る前記ガラス粒子の粒度分布が、1〜2である請求項1
    または2に記載の異方性導電膜。
  4. 【請求項4】 前記ガラス粒子の添加量が、異方性導電
    膜全体に対して10〜40体積%である請求項1〜3の
    いずれかに記載の異方性導電膜。
  5. 【請求項5】 前記導電粒子がニッケル粒子である請求
    項1〜4のいずれかに記載の異方性導電膜。
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