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JPH07119741B2 - 比例型排気濃度センサにおける出力補正方法 - Google Patents

比例型排気濃度センサにおける出力補正方法

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Publication number
JPH07119741B2
JPH07119741B2 JP63162854A JP16285488A JPH07119741B2 JP H07119741 B2 JPH07119741 B2 JP H07119741B2 JP 63162854 A JP63162854 A JP 63162854A JP 16285488 A JP16285488 A JP 16285488A JP H07119741 B2 JPH07119741 B2 JP H07119741B2
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Japan
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voltage
fuel ratio
correction
air
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JP63162854A
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彰 加藤
亨 矢野
康弘 豊田
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07119741B2 publication Critical patent/JPH07119741B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、比例型排気濃度センサにおける出力補正方法
に関し、特にセンサ個体差による特性のばらつきを適切
に補正できる比例型排気濃度センサにおける出力補正方
法に関する。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) 従来、内燃エンジンの排気特性、燃費の向上等を図るた
めに、排気ガス濃度を検出し、この検出結果に応じて、
エンジンに供給される混合気の空燃比(供給空燃比)を
目標空燃比にフィードバック制御する技術が周知であ
り、この場合、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素セ
ンサとして、該酸素濃度に比例する出力特性を備えた、
いわゆる比例型タイプのものが知られている。
この種の比例出力型のものには、固体電解質材を電極で
挟んだ電池素子、酸素ポンプ素子を備える限界電流式の
酸素センサがあり、このものでは、酸素ポンプ作用(例
えば拡散室への酸素の汲出し、汲込み作用)を用いて空
燃比の検出を行う。
ところが、かかるセンサの出力値は、製造法等によりば
らつきが生じやすい。即ち、製造上のバラツキ、特に拡
散用の孔を形成する型式のものではその拡散孔の径のバ
ラツキ、更には固体電解質部材自体の加熱温度や組成時
間、その組成、厚さ等の不均一その他の原因により、セ
ンサ個々に個体差を有し、これによって、使用時、検出
空燃比にばらつきが発生する。
そこで、かかるばらつきの補正のため、実開昭60−1203
54号公報に示されるように、酸素ポンプ素子に電源を供
給する回路部に対し、補正用の抵抗を実際に回路定数の
一つとして接続することによって補正を行う方法が知ら
れており、また、出力補正のために実際に燃料量を変
え、そのときのセンサ出力の変化を利用して補正値を
得、これにより、演算処理だけでも補正を行い得るよう
にした方法も本出願人によって提案されている(特開昭
62−198744号公報)。
しかして、前者の方法によるときは、次のような問題が
ある。即ち、空燃比をリッチ側からリーン側まで広範囲
に検出することが可能なセンサの場合には、前掲特開昭
62−198744号公報に開示されているように、そのセンサ
の出力特性(ポンプ電流IP特性)は、実際には、リッチ
領域とリーン領域で空燃比との関係が非線形(IP値)の
傾きがそれぞれ異なる)となるものであるから、かかる
特性のものに対しては、リッチ側及びリーン側の両者に
ついて同時に適切な補正は行えず、その結果、素子側の
個体差によるばらつきを排除した精度の高い空燃比の検
出は期待できない。リッチ側、リーン側の双方に対して
補正を行うときは、リッチ側とリーン側とでそれぞれ補
正用の抵抗が必要であり、合計2個の抵抗が要求され
る。
一方、後者の方法では、内部の演算処理によって補正が
行えるが、その反面、出力補正にあたり、補正値を得る
のに、即ち当該補正値を得るという目的で、燃料供給量
を実際に所定倍して供給しエンジンを運転しなければな
らないなどの制御が必要となり、その分制御が複雑にな
る。
本発明は、上述のような従来の各補正方法の問題を解消
しつつ、センサ個体差に起因する検出空燃比のばらつき
を容易に且つ適切に補正することができ、もって空燃比
検出の精度を向上させることができる比例型排気濃度セ
ンサにおける出力補正方法を提供することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記目的を達成するため、酸素イオン伝導性
固体電解質壁部を有し且つ気体拡散制御手段を介して外
部に連通する気体拡散室を形成する基体と、固体電解質
を挟んで対向するように設けられた2つの電極対と、前
記2つの電極対の一方の電極対間の電圧と基準電圧との
差電圧に応じた電圧を他方の電極対間に印加する電圧印
加手段とを含み、前記他方の電極対間に流れる電流を検
出し、該検出電流値を基に空燃比を算出する制御装置を
備えた比例型排気濃度センサにおける出力補正方法にお
いて、前記制御装置外部から前記センサの固体差補正値
を入力し、前記検出値を前記電流の流れる方向に応じた
固体差補正値で補正した検出値補正値を用いて前記空燃
比を算出するようにしたものである。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を、図面を参照しながら説明す
る。
第1図は本発明の出力補正方法が適用される比例型排気
濃度センサを含む燃料供給制御装置の全体の構成図であ
る。
同図において、符号100は比例型排気濃度センサとして
の酸素濃度センサ(以下「O2センサ」という)1のセン
サ本体(センサ素子部)を示し、該センサ本体100は、
内燃エンジンの排気ガス中のHC,CO,NOX等の成分の浄化
を行う三元触媒が介装された排気系に装着されている。
上記センサ本体100は、第2図に併せて示すように、ほ
ぼ長方体状をなし、酸素イオン伝導性の固体電解質材
(例えばZrO2(二酸化ジルコニウム))の基体20から成
る。
センサ本体100は、図示の場合は、上下方向(縦型式)
の二素子型(電池素子及び酸素ポンプ素子を各1個有す
る酸素濃度検出素子を2組備える型式)のものであり、
基体20には第1及び第2の酸素イオン伝導性固体電解質
壁部21,22が互いに平行に形成されており、該両壁部21,
22間に、壁部21,22に沿う方向(図中上下方向)に第1
検出素子用の第1気体拡散室231及び第2検出素子用の
第2気体拡散室232が形成されている。
第1気体拡散室231は第1検出素子用の気体拡散制御手
段としての第1の導入孔241を介して排気管内に連通
し、該導入孔241を通して排気ガスが導入されるように
なっており、第2気体拡散室232は両気体拡散室231,232
を連通する第2検出素子用の同じく同手段としての第2
の導入孔242を介して第1気体拡散室231から排気ガスが
導入されるようになっている。また、前記第1の壁部21
と該壁部21側に形成された外壁部25との間には、気体参
照室26が形成され、大気(基準ガス)が導入されるよう
になっている。
第1、第2の固体電解質壁部21,22の内外壁面上にはこ
れを挟んで対向するように電極対が各検出素子について
それぞれ設けられている。即ち、まず、前記第1気体拡
散室231の側に関しては、前記第1の壁部21の両側面に
はPt(白金)から成る一方の電極対(第1電極対)27
1a,271bが互いに対向するように設けられて第1検出素
子用の電池素子(センシングセル)281をなし、前記第
2の壁部22の両側面には同様に他方の電極対(第1電極
対)291a,291bが設けられて第1検出素子用の酸素ポン
プ素子(ポンピングセル)301をなしている。
また、前記第2気体拡散室232の側についても上記と同
様の構造であって、電極対(第2電極対)272a,272bを
有する第2検出素子用の電池素子282と、電極対(第2
電極対)292a,292bを有する第2検出素子用の酸素ポン
プ素子302がそれぞれ第1,第2の壁部21,22に設けられて
いる。
一方、前記外壁部25には各電池素子281,282及び酸素ポ
ンプ素子301,302を加熱してその活性化を促進するため
のヒータ(加熱素子)31が設けられている。
第1図に示すように、第1検出素子用の電極のうちの内
側電極271b,291b、即ち第1気体拡散室231側の電極は、
共通に接続され(図示の例では、両電極は気体拡散室23
1内において適宜の短絡(ショート)部材により短絡さ
れることによって共通に接続されている)、ラインlを
介して演算増幅回路(オペレーションアンプ)41の反転
入力端に接続されている。
一方、第1検出素子用の電池素子281の外側電極271aは
第1検出素子用の差動増幅回路421の反転入力端に接続
されている。該差動増幅回路421は、その非反転入力端
に接続される基準電圧源431とともに第1検出素子用の
電圧印加回路、即ち前記電池素子281側の電極対271a,27
1b間の電圧(本例の場合は、更にこれに上記ラインl上
の電圧が加わった電圧)と上記基準電圧源431側の基準
電圧との差電圧に応じた電圧を酸素ポンプ素子301側の
電極対291a,291b間に印加するための手段を構成するも
のである。
前記基準電圧源431の基準電圧VSOは、本例では、供給空
燃比が理論混合比と等しいときに前記電池素子281に生
ずる電圧(例えば0.45V)と前記演算増幅回路41の非反
転入力端に印加される後述の基準電圧との和電圧に設定
されている。
差動増幅回路421の出力端は、切換回路44のスイッチ441
を介して前記酸素ポンプ素子301の外側電極291aに接続
されるようになっている。スイッチ回路44は、第2検出
素子用のスイッチ442をも含めて、センサ本体100の活
性、不活性の状態に応じて、更にはエンジン運転状態に
応じて制御されるものであって、センサ本体100が不活
性状態にあるときには、いずれのスイッチ441,442もオ
フに維持され、活性化されていることを条件に、エンジ
ン運転状態に応じて選択的にいずれか一方のスイッチが
オンとなるように切換制御される。即ち、図示の如く、
スイッチ441がオンでスイッチ442がオフの場合には、第
1検出素子側の使用状態となり、図示とは逆の状態にそ
れぞれ切り換えられれば第2検出素子側の使用状態とな
る。
上記スイッチ441がオンの場合に、酸素ポンプ素子301
外側電極291aに加わる電圧は、後述のように、供給空燃
比が理論混合比に対してリーン側かリッチ側かで差動増
幅回路421の出力レベルが正または負レベルになるのに
伴ってその印加電圧値が変わり、またこれに応じて酸素
ポンプ素子301及びラインlを通して後述のポンプ電流
検出抵抗に流れるポンプ電流IPの向き(正、負)も切り
換わる。
前記演算増幅回路41の非反転入力端には基準電圧源45が
接続されているとともに、演算増幅回路41の出力端とラ
インlとの間、即ち演算増幅回路41の反転入力端との間
に、ポンプ電流検出用の電流検出抵抗46が接続されてい
る。従って、該抵抗46は、演算増幅回路41の負帰還路に
挿入されている。
非反転入力端子が所定の直流電位点に接続されて該非反
転入力端子の電位が基準電位に維持され、且つその反転
入力端子と出力端子との間に抵抗が接続された演算増幅
回路(エペレーションアンプ)は、増幅回路として使用
するとき、オフセット等がないとした場合には、無信号
時(差動入力が0のとき)には、出力端子の電位は上記
非反転入力端子の基準電位と等しく、また、反転入力端
子の電位も該基準電位と等しい。更に、信号が供給され
た動作時には、出力端子には負帰還抵抗の値に応じて定
まる増幅度に従って所定の電圧が出現し、且つこれは入
力信号に対応して変化するが、反転入力端子の電位は、
演算増幅回路の動作特性から、非反転入力端子の電位と
略等しい定電圧特性を示す。
前記したラインlに反転入力端が接続された演算増幅回
路41は、その非反転入力端に基準電圧源45が接続され、
酸素ポンプ素子301のポンプ電流IPが流れる電流検出抵
抗46(抵抗値は所定値RP)が該演算増幅回路41の負帰還
抵抗として反転入力端と出力端との間に接続した構成と
してあるから、かかる構成においては、ラインlにポン
プ電流が流れないとき、即ちIP=0のときは、演算増幅
回路41の出力端の電圧IPV(即ち、ポンプ電流検出用の
抵抗46の一端側の電圧)は、上記基準電圧源45により設
定される基準電圧源電圧値VREFに等しくなり、且つま
た、IP=0の場合は、反転入力端側の電圧VCENT、即ち
上記ラインl上の電位であって電流検出抵抗46の他の一
端側の電圧も、上記基準電圧源電圧値VREFに等しくなる
ようにすることができる。
しかも、これのみならず、ポンプ電流IPが流れ、これが
後述のように供給空燃比に応じてリーン領域及びリッチ
領域において変化するときでも、演算増幅回路41の反転
入力端の電圧、即ちラインlに接続されている電流検出
抵抗46の一端の電圧は、ポンプ電流IPの変化にかかわら
ず、非反転入力端側の電圧、即ち上記基準電圧源電圧値
VREFに略等しくすることもできる。
上述のように、ラインl上の電圧、従って電流検出抵抗
46の一端の電圧VCENTは、ポンプ電流の有無及びその変
化にかかわらず、常に、略VREFを維持するような定電圧
特性を示すものとなり、一方、演算増幅回路41の出力端
側に接続された電流検出抵抗46の一端の電圧は、ポンプ
電流IPの向き(正、負)及びその大きさに応じて変化す
るので上記電圧VCENTは、酸素ポンプ素子301に流れる電
流を検出しその検出電流値を基に空燃比を算出する場合
の中心値(中心電圧)となる。
従って、上記ラインlはアース(ボディアース)電位で
はなく、該ラインl及び電流検出抵抗46を含むポンプ電
流検出系は、全体としてアースから基準電圧源電圧値V
REF分だけかさ上げされており、電流検出抵抗46の両端
電位差からポンプ電流を求める場合において上記各一端
の電圧であるVCENT,IPVWを用いるとき、ポンプ電流IP
空燃比により正負の値を呈しても、前述の中心電圧たる
VCENTは勿論、もう一方の端子電圧値である電圧
(IPVW)も、常に正の電圧として取り扱うことができ
る。
上記の如く定電圧でのプル・アップによるポンプ電流検
出系の中点電位補正は、ノイズ(例えば、特にエンジン
の点火パルスノイズ等の高ノイズ)の混入による誤検出
の回避に有効である。
前記演算増幅回路41の非反転入力端に接続される基準電
圧源45の電圧値VREFは、上記のような意味をも含めて、
所定電圧(例えば2.5V)に設定されている(VREFとし
て、これを上記の如く2.5Vに設定するときは、前述した
差動増幅回路421側の基準電圧VSOは、0.45+2.5=2.95V
に設定されることとなる)。
センサ本体100の第2検出素子側についても、上記と同
様の回路構成をもって第2検出素子使用時の電流検出出
力を取り出すように構成されている。
即ち、電圧印加回路、切換回路44に関しては、第2検出
素子用の差動増幅回路422、基準電圧源433及び既述した
スイッチ442がそれぞれ設けられ、該スイッチ442が酸素
ポンプ素子302の外側電極292aに接続されるとともに、
電池素子282及び酸素ポンプ素子302の各内側電極272b,2
92bがともにラインlに接続されており、第2検出素子
使用時には、酸素ポンプ素子302に流れるポンプ電流IP
が該ラインlに流れるようになっている。
電流検出抵抗46の両端電圧である演算増幅回路41の出力
電圧IPVW及びラインlの電圧VCENTは、電子コントロー
ルユニット(以下「ECU」という)4の入力ポート401に
供給されるとともに、差動増幅回路(オペレーションア
ンプ)47の各入力に供給される。
該差動増幅回路47は、定電圧特性を示す電圧VCENTと演
算増幅回路41の出力端側の電圧IPVWとの差電圧を増幅
し、ポンプ電流IP値の0付近、即ち空燃比が理論空燃比
近傍での所定範囲内の値を示すときの検出電圧信号の精
度を向上させるための増幅回路であって、IPVW信号を所
定倍α(例えば5倍)に拡大して電圧IPVNとして取り出
す。
差動増幅回路47の出力電圧IPVNは次式、 IPVN=−5(IPVW−VCENT)+VCENT …(1) で与えられ、該電圧IPVNも入力ポート401に供給され
る。
従って、上記入力ポート401には、ポンプ電流IPに基づ
く空燃比の算出処理にあたって、中心電圧値を示すV
CENTと、IPVWと、そしてIPVNの3種の電圧信号情報が与
えられることとなり、このうち、前記2者によって電流
検出抵抗46の両端電位を検出できるので、基本的にはこ
れらVCENT,IPVWで足りるが、これに加えて、上述のよう
にIPVN信号をも利用するときは、ポンプ電流IPが小さな
値を示す論理空燃比付近での精度アップが可能となる。
上記入力ポート401には、使用センサ本体の個体差に起
因する検出空燃比のばらつきを補正するための個体差補
正値情報も供給される。該情報の入力には、センサ本体
100が2素子型のものであるときには、各検出素子側各
別に供給することができ、具体的には、第3図に示すよ
うに、ラベル補正抵抗481,482を用いて行う。
該ラベル補正抵抗481,482の抵抗値は、例えば標準とな
るセンサ本体を基準として比較した場合に、特性値のば
らつきに対応した値に設定されるものであり、従って、
個々のセンサ本体の特性のばらつきの程度を、その抵抗
値をもって、指標(ラベル)として表示することとな
る。しかして、該ラベル補正抵抗481,482は、使用セン
サ本体100と一対として使用され、例えばセンサ本体100
からのワイヤーハーネスの途中に介装された接続用のカ
プラに設けておき、制御系側との電気的接続に伴って、
該抵抗481,482の各一端側が所定電源電圧Vcc点と接続さ
れる構成としておけば、各他端側からそれぞれ抵抗値に
応じた個体差補正値情報を入力させることが可能であ
る。
前記ECU4の入力ポート401は、A/Dコンバータを備え、上
述した各入力信号をA/D変換しデータとして取り込むよ
うになっている。
また、ECU4には、スロットル弁開度(θTH)センサ10及
び吸気管内絶対圧(PBA)センサ12からのそれぞれの出
力信号が供給され、各信号はレベル変換回路402で所定
電圧レベルに修正された後、マチルプレクサ403により
順次A/Dコンバータ404に供給される。A/Dコンバータ404
及び上記入力ポート401はデジタル信号に変換したデー
タをデータバス405を介して中央演算処理装置(以下「C
PU」という)406に供給する。
エンジン回転数(Ne)センサ14からの出力信号は波形整
形回路407で波形整形された後、TDC信号パルスとしてCP
U406に供給されるとともに、カウンタ408にも供給され
る。カウンタ408はエンジン回転数センサ14からのTDC信
号パルスの前回入力時から今回入力時までの時間間隔を
計測するもので、その計数値Meはエンジン空転数Neの逆
数に比例する。カウンタ408はこの計数値Meをデータバ
ス405を介してCPU406に供給する。
CPU406は更にデータバス405を介してリードオンリメモ
リ(以下「ROM」という409、ランダムアクセスメモリ
(以下「RAM」という)410及び駆動回路412〜414に接続
されている。RAM410はCPU406における演算結果を一時的
に記憶し、ROM409はCPU406で実行される燃料噴射弁11の
燃料噴射時間TOUTを算出するための制御プログラムその
他の各種のプログラム、及び各種マップ、テーブル等を
記憶している。
CPU406はROM409に記憶されている制御プログラムに従っ
てヒータ31のオン−オフ及びスイッチ441,442のオン−
オフを決定し、その結果に応じた駆動信号を、駆動回路
412,413を介してヒータ31、切換回路44に供給する。
また、CPU406は、上述した検出素子構造、回路構成のO2
センサ1の検出信号を含む前述の各種エンジンパラメー
タ信号に基づいて、フィードバック運転領域等のエンジ
ン運転状態を判別するとともに、エンジン運転状態に応
じ、図示しない制御プログラムに従って燃料噴射弁11の
燃料噴射時間TOUTを次式(2)に基づき、前記TDC信号
パルスに同期する燃料噴射弁の燃料噴射時間TOUTを演算
する。
TOUT=Ti×KO2×K1×K2 …(2) ここにTiは基本燃料噴射時間を示し、例えば吸気管内絶
対圧PBA及びエンジン回転数Neに応じて、前述のROM409
に記憶された図示しないTiマップから算出される。KO2
はエンジンがフィードバック制御領域にあるとき所定制
御プログラムに基づき、実際の排気ガス中の酸素濃度に
応じて設定され、エンジンがオープンループ制御領域、
即ちフィードバック制御領域以外の領域にあるとき所定
値に設定される空燃比補正計数である。
K1及びK2はそれぞれ各種エンジンパラメータ信号に応じ
て演算されるその他の補正係数及び補正変数であり、エ
ンジン運転状態に応じた燃費特性、エンジン加速特性等
の諸特性の最適化が図られるような所要値に設定され
る。
CPU406は上記演算結果に基づく駆動信号を駆動回路414
を介して燃料噴射弁11に供給する。これにより、エンジ
ンのフィードバック運転時、供給空燃比を目標空燃比に
フィードバック制御する。
上記O2センサによる酸素濃度の検出は、空燃比のリーン
側、リッチ側において、下記のようにしてなされる。
まず、第1図に示すように切換回路44が切り換えられて
いる第1検出素子の選択状態にあるとする。この状態に
おいては、第1検出素子使用時のセンサ出力が取り出さ
れる。
即ち、エンジンの運転に伴い、排気ガスが第1の導入孔
241を介して第1気体拡散室231へ導入されると、該気体
拡散室231内と大気が導入されている気体参照室26内と
の間に酸素濃度差が生ずる。該酸素濃度差に応じて電池
素子281の電極271a,271bの間に電圧が発生し、該電極27
1a,271b間電圧と上記ラインl電圧VCENTとが加算された
電圧が差動増幅回路421の反転入力端に供給される。前
述したように該差動増幅回路421の非反転入力端に供給
される基準電圧VSOは、供給空燃比が理論混合比に等し
いときに電池素子281に生ずる電圧と前記演算増幅回路4
1側の基準電圧源電圧値VREFとの和電圧に設定されてい
る。
したがって、供給空燃比がリーン側にあるときには、電
池素子281の電極271a,271b間発生電圧が低下し、一方、
ラインlの電圧VCENTは上記VREFに維持されることか
ら、電極271a,271b間電圧と電圧VCENTとの加算電圧が基
準電圧VSOより小さくなる。これにより、差動増幅回路4
21の出力レベルが正レベルとなり、この正レベル電圧が
スイッチ441を介して酸素ポンプ素子301に印加される。
この正レベル電圧の印加によって、酸素ポンプ素子301
が活性状態にあるときには、気体拡散室231内の酸素が
イオン化して電極291b,第2の壁部22及び電極291aを介
して放出されることにより、O2センサ1の外部へ汲み出
されるとともに、ポンプ電流IPが電極291aから電極291b
に向かって流れ、ラインlを通して電流検出抵抗46を流
れる。この場合は、ポンプ電流IPは、ラインl側から演
算増幅回路41の出力端側に向かう方向で該抵抗46中を流
れることとなる。
一方、供給空燃比がリッチ側にあるときには、電池素子
281の電極271a,271b間電圧とラインl上の電圧VCENT
の加算電圧が基準電圧VSOより大きくなることにより、
差動増幅回路421の出力レベルが負レベルとなり、上述
と逆の作用によって、外部の酸素が酸素ポンプ素子301
を介して大気拡散室231内へ汲み込まれるとともに、ポ
ンプ電流IPが電極291bから電流291aに向かって流れる。
この場合には、ラインl上のポンプ電流IPの方向は反転
し、上述のリーン側の場合とは逆の向きでポンプ電極IP
が電流検出抵抗46中を流れる。
また、供給空燃比が理論混合比に等しいときは、電池素
子281の電極271a,271b間電圧と電圧VCENTとの加算電圧
が基準電圧VSOと等しくなることにより、上述のような
酸素の汲出及び汲込は行われず、したがってポンプ電流
は流れない(即ちこの場合には、ポンプ電流値IPはIP
0である)。
以上のように、気体拡散室231内の酸素濃度が一定とな
るように酸素の汲出及び汲込が行われ、ポンプ電流が流
れるので、このポンプ電流値IPは供給空燃比のリーン側
及びリッチ側において、排気ガスの酸素濃度に夫々比例
するものとなる。
電流検出抵抗46に流れるポンプ電流IPの大きさを検出す
るための信号は、該抵抗46の両端電圧を示す電圧IPVW
号、電圧VCENT信号更には電圧IPVN信号としてECU4に供
給される。
第2検出素子使用時(即ち、切換回路44が第1図の切換
状態と逆の状態に切り換えられた場合)にも、上記した
第1検出素子の場合と同様の動作により第2の気体拡散
室232内の酸素濃度が一定となるように酸素の汲出及び
汲入が行われて、即ち電池素子282の電極対272a,272b間
電圧が一定となるようにフィードバックがかけられて、
そのとき流れるポンプ電流値IPを検出するための上記3
種の各電圧信号が第2検出素子使用時の出力としてECU4
に供給されることになる。
各検出素子使用時に上記検出出力がECU4に与えられる
と、ECU4ではこれに基づいて空燃比を算出し、前記した
(2)式中のO2フィードバック補正係数KO2は、該空燃
比に応じて設定される。
第4図は、上記空燃比の算出に適用されるポンプ電流IP
の電圧変換値VOUTについての算出サブルーチンであっ
て、本発明に従うセンサ出力補正処理を含むプログラム
である。本プログラムは、上記CPU406内においてTDC信
号発生毎に実行される。
まず、ステップ451では、前記電流検出抵抗46の両端に
接続された差動増幅回路47における出力電圧値IPVNが、
その変化の中心値近傍の所定範囲内の値かどうかを判定
する。即ち、出力電圧値IPVNが、第1の所定判別値IPVL
(例えば2.3V)より大きくて且つ第2の所定判別値IPVH
(例えば2.6V)より小さい範囲内にあるか否かを判別
し、その判別結果に応じて、前記した3種類の電圧信号
IPVW,IPVN,VCENTを用いてポンプ電流IPの電圧変換値V
IP0を求める場合に、電流検出抵抗46の一端側の電圧を
示す前記演算増幅回路41の出力端からの直接の電圧信号
IPVW側を使用してVIPO値を求めるか、それともIPVWを回
路(ハード)で増幅し拡大した電圧信号IPVN側を使用す
るかを選択的に切換える。
即ち、ステップ451の答が肯定(Yes)で、IPVH>IPVN
IPVLが成立し、IPVN値が各所定判別値で定まる所定範囲
内の値となっているとき(従って、このときは、ポンプ
電流IPが、値0を含む0付近の小さな電流値となってい
る場合であり、空燃比でいえば理論空燃比(A/F=14.
7)を中心とする狭い範囲での空燃比を検出していると
きである)、VIP0値を次式に従って算出する(ステップ
452)。
VIP0=IPVN−Vcent−IPVERR …(3) ここに、Vcentは演算増幅回路41の出力端側に接続した
電流検出抵抗46の一端側における検出電圧の基準電圧
値、IPERRは回路誤差のための修正値であって、特に使
用演算増幅回路41のオフセットを対象とした誤差(オペ
レーションアンプ修正誤差)を表す。
上記ステップ452において、上述の如き演算処理を行う
のは、下記のような観点からである。
まず、IPVNが前述の範囲にあるときに、電流検出抵抗46
の演算増幅回路47の出力端側の端子電圧として、増幅し
て得た信号に基づくIPVN値を適用するのは、先にも触れ
たように、精度向上の一環である。
IPVNがかような値を示すときは、前述のように、空燃比
は理論空燃比(14.7)付近の状態にあり、かかる状態か
らリッチ側もしくはリーン側にずれたときは、三元触媒
の浄化率に大きく影響するので、理論空燃比から離れた
状態において空燃比が変化した場合の空燃比の検出精度
に比し、より一層の精度が必要である。そこで、このよ
うな場合での精度も確保できるようにするため、IPVW
を直接使用することはせず、更に増幅回路を通して所定
倍αに増幅し拡大した状態でのIPVNをVIPO値の算出に適
用することとしている。
また、後述のステップ453との対比でいえば、空燃比が
理論空燃比近傍の状態かそれ以外の状態かに対応して、
ステップ452のようにハード的に所定倍したものを使用
するか、ステップ453の如く、ソフト的に同倍率となる
ように所定値αを乗算係数として掛けてVIP0値の算出を
実行するか、空燃比の状態に応じてVIP0値の算出処理態
様を異ならせることにより、量子化誤差による影響も避
けられる。
前記(3)式において、Vcent値の減算処理は、0点補
正(中点電位補正)のためである。
第1図の説明において述べたように、演算増幅回路41、
電流検出抵抗46を含むポンプ電流検出系では、基準電圧
源45を用いることによって、ポンプ電流IPの流れる方向
が変わってもその検出抵抗46の両端電圧は常に正の電圧
とし扱えるように、回路で全体的にプルアップ(定電圧
でのかさ上げ)をしており、演算増幅回路41の出力端側
の電流検出抵抗46の端子電圧は、基準電圧源電圧値VREF
を中心として、ポンプ電流IPの流れる方向に応じて、ま
たその大きさに対応して上下に変化する。従って、ポン
プ電流IPが流れたときに該電流値に応じて変化する電圧
とその変化の中心となる基準電圧との差の大きさをみれ
ばポンプ電流IPの大きさを検出するとができるので、上
記ステップ452ではVcent値を差し引し、その差分を算出
することとしている。
該Vcent値は、ラインl上の電圧VCENT値に相当し、演算
増幅回路41等の誤差のない回路構成で、且つ、IP=0
(理論空燃比)の状態であれば、具体的には上記VREF
として設定されている値である。
以上により、IPVN−Vcentを求めることによって、換言
すれば、検出系の回路の電圧をプルアップさせている定
電圧についての電圧情報をも取り込んでIP値検出の場合
の修正を行うことによって、仮りに基準電圧源45からの
印加電圧(電圧源からの出力電圧)に誤差(例えば設定
誤差)があっても、あるいはその電圧が変動するような
ことがあったとしても、実際にポンプ電流が上記検出系
に流れないIP=0のときは、常に、上記(IPVN−Vcen
t)値も0となり、かかる0点補正がなされるため、ポ
ンプ電流を正確に検出できる。この点でも、既述したノ
イズ混入の防止に加えて、検出精度の向上が図れ、特
に、論理空燃比(14.7)付近の状態で重要視される高精
度化の要請にも十分応え得る。
更に、上記ステップ452においては、IPVERR値を差し引
いており、この処理を加味するときは、更になお精度を
高められる。
前述した0点補正の説明では、演算増幅回路41のオフセ
ット等の誤差が無いものと仮定したが、使用演算増幅回
路につき、かかる誤差を常になからしめることは、望み
得ない場合もある。しかも、理論空燃比付近では、ポン
プ電流IPは0近傍の小さな値でもあり、従って、上述し
たように、その場合に得られる端子電圧の基準電圧に対
する偏差分も小さいので、上記のようなオフセット等の
誤差は、かかる状態では、特に、影響が大きいものとな
る。
そこで、演算増幅回路41の誤差があっても、これを修正
できるように上記IPVERR値を減算することとしている。
該IPVERR値は、図示しないサブルーチンによって求めら
れ、ステップ452実行時に適用される。
前述した判別ステップ451の答が否定(No)、即ちIPVN
≧IPVHもしくはIPVN≦IPVLが成立し、IPVN値が各所定判
別値で定められた所定範囲外のものであるときは、ポン
プ電流IPが0でもなく、しかも0付近の小なる値でもな
いとみて、従って、空燃比でいえばそれが理論空燃比
(14.7)近傍の状態ではないと判断して、電圧変換値V
IP0を次式に基づいて算出する(ステップ453)。
VIP0=(VCENT−IPVW)×α ……(4) 即ち、空燃比が理論空燃比近傍の値をとる範囲以外の範
囲にあるときは、電流検出抵抗46の演算増幅回路41の出
力端側の端子電圧値として、直接IPVW値を使用し、もう
一方の端子電圧値であるラインl上の電圧値VCENT値に
対してその偏差(VCENT−IPVW)を算出し、且つ、前記I
PVN値に代えてIPVW値を用いるので、算出VIP0値を、ス
テップ452の場合のものと同倍率のものとしてステップ4
54以下でVOUTを求めるべく、上記(VCENT−IPVW)に所
定値αを乗算する。このように、ステップ453でVIPO
を算出する場合には、プログラム処理によってα倍す
る。
ステップ453での演算は、前記ステップ452が理論空燃比
を中心とする狭い範囲での空燃比を検出する場合の処理
であるのに対し、理論空燃比近傍を除くそれ以外の広い
範囲での空燃比を検出する場合の処理であり、この場合
にも、プルアップされたラインl上の電圧値VCENTを用
い、それとIPVW値との偏差に応じた値(VCENT−IPVW
に基づいて電圧変換値VIP0を求めるので、前記ステップ
452と同様の電位補正が行われ、ノイズによる影響を排
除し得ると共に、基準電圧源電圧値VREFの誤差などに対
してもポンプ電流IPの変換電圧値を正確に得ることがで
きる。
以上のようにして、まず、電流検出抵抗46の端子電圧値
を基にその電圧検出値、即ちVIP0値を求め、ステップ45
4以下に進む。
ステップ454では、前記ステップ452またはステップ453
で算出したポンプ電流IPの電圧変換値VIP0を監視し、V
IP0値が0か否かを判別する。即ち、ここでは、空燃比
が理論空燃比かどうかを判断しており、その答が肯定
(Yes)のときは、即ち供給空燃比が理論空燃比(IP
0の状態)であれば、直ちにステップ455に進み、ステ
ップ455,456を実行して本プログラムを終了する。
ステップ455での処理は、前述のステップ452,453で求め
られた電流検出抵抗46の端子電圧値に基づくVIP0値に対
し、後述のラベル抵抗補正値KIP及び劣化補正係数KCAL
を乗算し、これらによってVIP0値を補正しVIP値とする
ことを内容とするものである。また、ステップ456での
処理は、上記ステップ455で得られる補正VIP値に対し、
所定数値、例えば本プログラムでは8000のヘキサを加算
し、これを本サブルーチンで求める電圧変換値VOUTとし
て算出する。
今の場合は、理論空燃比の状態でVIP0値が0であるから
(ステップ454)、前記ステップ455で求められるVIP
も0であり、従って前記ステップ456で得られる算出V
OUT値は8000のヘキサとなる。かかる所定数値は、VOUT
値の中心値を意味しており、供給空燃比が理論空燃比か
らリーン領域またはリッチ領域にずれた場合には、その
ときのVIP値(後述のように、VIPO値はリーン側かリッ
チ側かで正負の値をとり、これに伴いVIP値も正負の値
となる)に応じて、当該中心値にVIP値分が上乗せされ
た値または差し引かれた値がVOUT値として算出されるこ
ととなる。
ステップ455での補正した電圧変換値VIPを、そのまま本
プログラムにおける最終算出値とせずに、上述の如くス
テップ456で加算処理(かさ上げ)を行うのは、ポンプ
電流IPが値0の理論空燃比を検出する場合においてで
も、VOUT値としては値0を含まないようにするためであ
り、これにより当該VOUT値に従って前述のKO2値を設定
するとき、その他の演算処理において、値0を含んだ場
合の不都合(例えば、割算のとき生ずる)を避けること
ができる。
前記ステップ454の答が否定(No)のとき、即ち理論空
燃比でないときは、フラグFLGLCNTが値1か否かを判別
する(ステップ457)。該フラグFLGLCNTは、使用検出素
子が前述した第1検出素子であるか第2検出素子である
かどうかを判別するためのものであて、第1検出素子使
用時、即ち第1の気体拡散室231並びに電池素子281及び
酸素ポンプ素子301から成る外側の酸素濃度検出素子使
用時にその値が1に設定され、一方、第2検出素子、即
ち内側の酸素濃度検出素子使用時には値2に設定される
フラグである。かかるフラグFLGLCNTへの値の設定は、
前記スイッチ441,442の交互的な切換え作動に対応させ
て行うことができる。
該ステップ457の答が肯定(Yes)の場合には、第1検出
素子側が使用されていたと判断し、即ち前記ステップ45
2,453におけるVIP0値の算出が当該第1検出素子使用時
に流れるポンプ電流IPについてのものであったとみて、
次に、該算出VIP0値が0より大きいか(正か負か)否か
を判別する(ステップ458)。即ち、空燃比がリーン側
にあるかリッチ側にあるかをVIP0値の正負によって判別
するものである。
該ステップ458の答が肯定(Yes)のとき、即ちVIP0値が
正であれば、リーン側であるとみて、かかるリーン側で
の空燃比検出時には後述のステップ460に進み、一方、
答が否定(No)の場合、即ちVIP0値が負のときには、リ
ッチ側にあるとみて、このリッチ側での空燃比検出時に
はKIP値に所定値KLBL1Rを設定し(ステップ459)、ステ
ップ460に進む。
KIP値として設定される上記KLBL1Rは、空燃比が理論空
燃比でない場合において、検出VIP0値に対して乗算する
ことによりVIP0値を補正するためのセンサ個体差補正用
の修正係数であり(ステップ455)、第1検出素子使用
時のIP<0の場合の出力に用いるリッチ用(リッチ側)
補正値である。
かかる補正値は、前述した第3図の第1検出素子用のラ
ベル補正抵抗を使用し、図示しないサブルーチンによっ
て求められる。
第3図に示した抵抗481の抵抗値をECU4側で検出すれば
(該検出については、所定Vcc(例えば5V)印加時の抵
抗481に流れる電流もしくはその端子電圧を検出するこ
とによって行える)、該抵抗481は素子出力の補正係数
を求めるため予めカプラに内蔵させたものであり、その
抵抗値が個体差による検出空燃比のばらつきの程度を示
すよう当該素子固有の値に予め設定されて付加されてい
るものであるから、上記検出入力値を基に当該素子のた
めの個体差補正値を求めることができる。
第3図の構成では、かかる場合に、補正に用いるラベル
抵抗は一素子につき1個しか使用していないが、このよ
うに1個の補正抵抗を用いる場合でも、第4図にその一
例を示す出力補正方法を採ることにより、ポンプ電流IP
の正負に応じて、即ちVIP0>0がVIP0<0かに応じて個
体補正量を可変とすることができ、出力補正ラベル抵抗
として、リッチ側及びリーン側で計2個使用しないでも
済む。
これは、比例型O2センサの特性(空燃比−ポンプ電流特
性)は、リッチ側及びリーン側で互いにそのばらつきに
相関があることに着目したものである。
製造時における導入孔(拡散孔)の径のバラツキ等が原
因で個体差によって検出空燃比(A/F)がばらつくよう
な特性差が生じた場合でも、リッチ側とリーン側とでは
相互にその特性のばらつきに一定の相関関係があり、例
えばリッチ側でのセンサ出力特性が所定倍(例えば1.3
倍)ずれていたならば、リーン側での特性のずれもそれ
とは全く無関係ではなく、上記リッチ側でのずれの度合
と相関関係をもって所定倍ずれることになる。
従って、検出ポンプ電流IPに対し、外部補正を第3図に
示したような他の回路系とは別個独立したラベル抵抗、
即ち本実施例の如く、電圧印加系やポンプ電流検出系の
回路とは回路機能的に切り離された状態(各抵抗481,48
2は、かかる回路中の実際の回路定数としては用いられ
ていない)の補正抵抗によって行う場合でも、リッチ側
もしくはリーン側の補正値を求めて、例えばIP<0のと
きリッチ側の方についての補正抵抗値(ラベル抵抗値)
を実際に求めて、他方リーン側ではそれに対して所定倍
して補正量を得るという手法とするか、あるいは上記と
は逆の手法をとることによって、補正に用いる使用ラベ
ル抵抗は一つでも、リッチ領域並びにリーン領域の全体
を補正を行うことができる。
かかる点に着眼し、リッチ側及びリーン側の片側の補正
抵抗だけを設け、もう一方の側についてはこれを利用
し、補正の倍率を変えるようにすることとしている。
リッチ側,リーン側のいずれを基準とするかは、適宜選
択することができ、第4図では、一例として、KIP=K
LBL1Rをリーン側空燃比検出時には掛けずに(例えばKIP
=1とする)、リッチ側で掛けるようにし、これにより
リッチ側とリーン側の補正量を変えている。
第3図の構成においては、補正抵抗をカプラに内蔵させ
るようにしたが、このようにカプラに組み込む構造する
ときでも、リッチ側とリーン側について各別に1個ずつ
設けないでよいから、カプラの大型化なども避けること
ができる。
第4図に戻り、ステップ460に進むと、ここでは、劣化
補正係数KCALに第1検出素子用の所定係数値KCAL1を設
定し、次いで、前記ステップ455,456を実行し、本プロ
グラムを終了する。
劣化補正係数KCALは、図示しない劣化補正サブルーチン
から求められる。該劣化補正は、例えば排気ガス中の酸
化物に起因する詰まりなどによって流入抵抗が変わった
場合の特性の変化を補正するためのものであって、リッ
チ側及びリーン側について同量の補正が行われる。本実
施例では、センサ本体100は、第1図,第2図に示した
ように二素子型構造であり、かかる二重構造をとるとき
は、劣化対策として特に有効である。
前述したフラグFLGLCNTについての判別ステップ457の答
が否定(No)の場合には、第2検出素子が使用されてい
ると判断し、上記と同様の処理を行う。即ち、この場合
は、第3図に示した第2検出素子用の一の抵抗482を使
用し、KIPを第2検出素子用のKLBL2R値に設定し(ステ
ップ461)、更にKCALを同じく同素子用のKCAL2値に設定
し(ステップ462)、前記ステップ455,456を実行して本
プログラムを終了する。
以上、本発明を特定の実施例について説明したが、本発
明はこれに限定されず、種々変形が可能であり、各種態
様で実施できる。
例えば、二素子型ではなく、センサ素子として第1図,
第2図に示した外側の第1検出素子を有する一素子型に
も適用できるのは勿論、素子構造も図示のものに限らな
い。
また、電流値を検出すべき電流の流れる方向に応じた個
体差補正値で補正する場合に、他方向への補正を一方向
への補正値に対して所定倍するようにして、即ち係数掛
けをするようにしてもよく、具体的には、ポンプ電流IP
がIP<0(リッチ側)でのラベル抵抗の実際の抵抗値か
ら補正値を求めて、これを例えばKLBL1Rとし、ポンプ電
流IPがIP>0(リーン側)で用いる補正値をKLBL1R×K
(Kは、例えば0〜2の範囲内で設定される設定係数
値)として、全体を補正する方法でもよい。
更に、制御装置外部からの補正値の入力は、カプラだけ
とは限らない。
(発明の効果) 本発明によれば、酸素イオン伝導性固体電解質壁部を有
し且つ気体拡散制御手段を介して外部に連通する気体拡
散室を形成する基体と、固体電解質を挟んで対向するよ
うに設けられた2つの電極対と、前記2つの電極対の一
方の電極対間の電圧と基準電圧との差電圧に応じた電圧
を他方の電極対間に印加する電圧印加手段とを含み、前
記他方の電極対間に流れる電流を検出し、該検出電流値
を基に空燃比を算出する制御装置を備えた比例型排気濃
度センサにおける出力補正方法において、前記制御装置
外部から前記センサの個体差補正値を入力し、前記検出
値を前記電流の流れる方向に応じた個体差補正値で補正
した検出値補正値を用いて前記空燃比を算出するように
したものであるから、空燃比算出のため検出すべき電流
の正負に応じて個体補正量を可変とすることができるの
で、理論空燃比に対しリッチ側及びリーン側のいずれに
ついても容易に出力特性全体を補正することができ、リ
ッチ側及びリーン側の双方に対して精度の高い空燃比の
検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の出力補正方法を適用した比例型排気濃
度センサを含む燃料供給制御装置の全体構成図、第2図
はO2センサのセンサ本体を示す斜視図、第3図はラベル
修正抵抗の結線状態を示す図、第4図は本発明に従う出
力補正処理を含む電圧変換値VOUTの算出のためのサブル
ーチンのフローチャートである。 1……O2センサ、4……電子コントロールユニット(EC
U)、20……基体、21,22……酸素イオン伝導性個体電解
質壁部、231,232……気体拡散室、241,242……導入孔
(気体拡散制御手段)、271a,271b,272a,272b……電池
素子側の電極対、281,282……電池素子、291a,291b,292
a,292b……酸素ポンプ素子側の電極対、301,302……酸
素ポンプ素子、421,422……差動増幅回路、46……電流
検出抵抗、481,482……ラベル補正抵抗、100……センサ
本体、406……CPU。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−99852(JP,A) 特開 昭62−129751(JP,A) 特開 昭62−203056(JP,A) 実開 昭61−140957(JP,U)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素イオン伝導性固体電解質壁部を有し且
    つ気体拡散制御手段を介して外部に連通する気体拡散室
    を形成する基体と、固体電解質を挟んで対向するように
    設けられた2つの電極対と、前記2つの電極対の一方の
    電極対間の電圧と基準電圧との差電圧に応じた電圧を他
    方の電極対間に印加する電圧印加手段とを含み、前記他
    方の電極対間に流れる電流を検出し、該検出電流値を基
    に空燃比を算出する制御装置を備えた比例型排気濃度セ
    ンサにおける出力補正方法において、前記制御装置外部
    から前記センサの個体差補正値を入力し、前記検出値を
    前記電流の流れる方向に応じた個体差補正値で補正した
    検出値補正値を用いて前記空燃比を算出することを特徴
    とする比例型排気濃度センサにおける出力補正方法。
  2. 【請求項2】前記個体差補正値の入力値は単一であっ
    て、他方向への補正値は一方向への補正値に対し所定倍
    することを特徴とする請求項1記載の比例型排気濃度セ
    ンサにおける出力補正方法。
JP63162854A 1988-06-30 1988-06-30 比例型排気濃度センサにおける出力補正方法 Expired - Lifetime JPH07119741B2 (ja)

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