JPH0677808B2 - 耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器のろう付方法 - Google Patents
耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器のろう付方法Info
- Publication number
- JPH0677808B2 JPH0677808B2 JP61017623A JP1762386A JPH0677808B2 JP H0677808 B2 JPH0677808 B2 JP H0677808B2 JP 61017623 A JP61017623 A JP 61017623A JP 1762386 A JP1762386 A JP 1762386A JP H0677808 B2 JPH0677808 B2 JP H0677808B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- brazing
- heat exchanger
- flux
- liquid passage
- corrosion resistance
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- 238000005219 brazing Methods 0.000 title claims description 37
- 230000007797 corrosion Effects 0.000 title claims description 20
- 238000005260 corrosion Methods 0.000 title claims description 20
- 229910052782 aluminium Inorganic materials 0.000 title claims description 13
- XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N aluminium Chemical compound [Al] XAGFODPZIPBFFR-UHFFFAOYSA-N 0.000 title claims description 13
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 10
- 239000007788 liquid Substances 0.000 claims description 35
- 230000004907 flux Effects 0.000 claims description 33
- 239000000203 mixture Substances 0.000 claims description 9
- 229910000838 Al alloy Inorganic materials 0.000 claims description 8
- 229910052748 manganese Inorganic materials 0.000 claims description 4
- 239000012535 impurity Substances 0.000 claims description 3
- 239000000463 material Substances 0.000 description 8
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 7
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 description 6
- 239000000956 alloy Substances 0.000 description 6
- 238000005304 joining Methods 0.000 description 6
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 6
- 238000002844 melting Methods 0.000 description 6
- 230000008018 melting Effects 0.000 description 6
- 239000000725 suspension Substances 0.000 description 5
- HCHKCACWOHOZIP-UHFFFAOYSA-N Zinc Chemical compound [Zn] HCHKCACWOHOZIP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 239000000470 constituent Substances 0.000 description 4
- 238000002156 mixing Methods 0.000 description 4
- 230000009972 noncorrosive effect Effects 0.000 description 4
- 239000007858 starting material Substances 0.000 description 4
- 229910052725 zinc Inorganic materials 0.000 description 4
- 239000011701 zinc Substances 0.000 description 4
- 229910016569 AlF 3 Inorganic materials 0.000 description 3
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 3
- VEXZGXHMUGYJMC-UHFFFAOYSA-M Chloride anion Chemical compound [Cl-] VEXZGXHMUGYJMC-UHFFFAOYSA-M 0.000 description 2
- 229910017566 Cu-Mn Inorganic materials 0.000 description 2
- 229910017871 Cu—Mn Inorganic materials 0.000 description 2
- 229910052802 copper Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000011162 core material Substances 0.000 description 2
- 238000009792 diffusion process Methods 0.000 description 2
- 239000000945 filler Substances 0.000 description 2
- 239000011261 inert gas Substances 0.000 description 2
- 230000001590 oxidative effect Effects 0.000 description 2
- 208000014451 palmoplantar keratoderma and congenital alopecia 2 Diseases 0.000 description 2
- 239000002245 particle Substances 0.000 description 2
- 239000000843 powder Substances 0.000 description 2
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- JIAARYAFYJHUJI-UHFFFAOYSA-L zinc dichloride Chemical compound [Cl-].[Cl-].[Zn+2] JIAARYAFYJHUJI-UHFFFAOYSA-L 0.000 description 2
- BHHYHSUAOQUXJK-UHFFFAOYSA-L zinc fluoride Chemical compound F[Zn]F BHHYHSUAOQUXJK-UHFFFAOYSA-L 0.000 description 2
- 229910018131 Al-Mn Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910021364 Al-Si alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910018461 Al—Mn Inorganic materials 0.000 description 1
- KRHYYFGTRYWZRS-UHFFFAOYSA-M Fluoride anion Chemical compound [F-] KRHYYFGTRYWZRS-UHFFFAOYSA-M 0.000 description 1
- 229910000846 In alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910000676 Si alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910001297 Zn alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- WYTGDNHDOZPMIW-RCBQFDQVSA-N alstonine Natural products C1=CC2=C3C=CC=CC3=NC2=C2N1C[C@H]1[C@H](C)OC=C(C(=O)OC)[C@H]1C2 WYTGDNHDOZPMIW-RCBQFDQVSA-N 0.000 description 1
- 238000000429 assembly Methods 0.000 description 1
- 230000000712 assembly Effects 0.000 description 1
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 1
- 238000004140 cleaning Methods 0.000 description 1
- 239000011248 coating agent Substances 0.000 description 1
- 238000000576 coating method Methods 0.000 description 1
- 239000013065 commercial product Substances 0.000 description 1
- 230000001143 conditioned effect Effects 0.000 description 1
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 1
- 230000006378 damage Effects 0.000 description 1
- 238000007598 dipping method Methods 0.000 description 1
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 1
- 239000000374 eutectic mixture Substances 0.000 description 1
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 1
- APURLPHDHPNUFL-UHFFFAOYSA-M fluoroaluminum Chemical compound [Al]F APURLPHDHPNUFL-UHFFFAOYSA-M 0.000 description 1
- 239000007789 gas Substances 0.000 description 1
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 239000000047 product Substances 0.000 description 1
- 238000011160 research Methods 0.000 description 1
- 238000005096 rolling process Methods 0.000 description 1
- 150000003839 salts Chemical class 0.000 description 1
- 230000035945 sensitivity Effects 0.000 description 1
- 239000002002 slurry Substances 0.000 description 1
- 238000005507 spraying Methods 0.000 description 1
- 238000003466 welding Methods 0.000 description 1
- 235000005074 zinc chloride Nutrition 0.000 description 1
- 239000011592 zinc chloride Substances 0.000 description 1
Landscapes
- Prevention Of Electric Corrosion (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器のろ
う付方法に関する。
う付方法に関する。
従来の技術及び問題点 従来、自動車用ラジエーター、カークーラー用エバポレ
ーターあるいはコンデンサー等のアルミニウム製熱交換
器を、フラックスろう付仕様によって製造する場合、塩
化亜鉛等を添加した塩化物系のフラックスを用いて熱交
換器用構成部材である通液管とフィンとをろう付接合す
る方法が知られている。これはろう付により各部材の接
合と同時に、亜鉛をろう付加熱により前記構成部材の表
面に析出させ、かつ該部材中に拡散せしめて、その亜鉛
拡散層の犠牲陽極効果により熱交換器の耐食性の向上を
併せて期待するためである。
ーターあるいはコンデンサー等のアルミニウム製熱交換
器を、フラックスろう付仕様によって製造する場合、塩
化亜鉛等を添加した塩化物系のフラックスを用いて熱交
換器用構成部材である通液管とフィンとをろう付接合す
る方法が知られている。これはろう付により各部材の接
合と同時に、亜鉛をろう付加熱により前記構成部材の表
面に析出させ、かつ該部材中に拡散せしめて、その亜鉛
拡散層の犠牲陽極効果により熱交換器の耐食性の向上を
併せて期待するためである。
しかしながら、このような方法では、使用するフラック
スが本質的に水溶性であり、強い吸湿性を有しているた
めに、ろう付後速やかにフラックスの残渣を洗浄除去す
る必要があり、このために設備費が高くなると共に、工
程が複雑化して多大の作業負担がかかる欠点があった。
かつもちろんフラックス残渣の除去が不完全であると腐
蝕のおそれがあった。
スが本質的に水溶性であり、強い吸湿性を有しているた
めに、ろう付後速やかにフラックスの残渣を洗浄除去す
る必要があり、このために設備費が高くなると共に、工
程が複雑化して多大の作業負担がかかる欠点があった。
かつもちろんフラックス残渣の除去が不完全であると腐
蝕のおそれがあった。
一方、上記のようなフラックス洗浄と不要とするろう付
方法として、亜鉛やフッ化亜鉛等を添加したフルオロア
ルミニウム錯塩(K3AlF6及びKAlF4)を組成物とする非
腐蝕性のフッ化物系のフラックスを用いてろう付する方
法も提案されている(例えば特開昭56−160869号)が、
かかるろう付は通常不活性ガス雰囲気等の非酸化性雰囲
気中で実施されるため、フラックス使用量を少なくして
ろう付を行うことができる反面、フラックス中の亜鉛成
分の絶対量が少なくなって充分な拡散層の形成が困難と
なり、従って充分な防食効果を発揮しうるものではなか
った。しかも上記フラックスの製造が、実際に工業的に
生産される場合には、一般的に、AlF3とKFとを出発物質
とし、該出発物質を、その共晶混合物であるKAlF4とK3A
lF6とが所定の比率となるような適正な比率で乾燥状態
にて混合し、この混合物を一旦溶融し、その溶融混合物
を冷却凝固せしめることによりなされるものであるた
め、製造工数が多く調整が面倒であるというような問題
もあった。
方法として、亜鉛やフッ化亜鉛等を添加したフルオロア
ルミニウム錯塩(K3AlF6及びKAlF4)を組成物とする非
腐蝕性のフッ化物系のフラックスを用いてろう付する方
法も提案されている(例えば特開昭56−160869号)が、
かかるろう付は通常不活性ガス雰囲気等の非酸化性雰囲
気中で実施されるため、フラックス使用量を少なくして
ろう付を行うことができる反面、フラックス中の亜鉛成
分の絶対量が少なくなって充分な拡散層の形成が困難と
なり、従って充分な防食効果を発揮しうるものではなか
った。しかも上記フラックスの製造が、実際に工業的に
生産される場合には、一般的に、AlF3とKFとを出発物質
とし、該出発物質を、その共晶混合物であるKAlF4とK3A
lF6とが所定の比率となるような適正な比率で乾燥状態
にて混合し、この混合物を一旦溶融し、その溶融混合物
を冷却凝固せしめることによりなされるものであるた
め、製造工数が多く調整が面倒であるというような問題
もあった。
この発明は、上記のような諸事項に鑑みてなされたもの
であって、可及的簡単かつ低コストの操作で耐食性に優
れたアルミニウム製熱交換器の製造を可能にしようとす
るものである。
であって、可及的簡単かつ低コストの操作で耐食性に優
れたアルミニウム製熱交換器の製造を可能にしようとす
るものである。
問題点を解決するための手段 この目的において、発明者は種々実験と研究を重ねた結
果、熱交換器構成部材である通液管をAl−Cu−Mn合金に
より形成することにより通液管の電極電位をフィンのそ
れよりも貴なるものとして犠牲防食作用により通液管の
耐食性を向上させ、しかもフラックスとして、新たに開
発した非腐蝕性のKAlF4−KF系フラックスを用いてろう
付することにより、耐食性に優れたアルミニウム製熱交
換器の製造に成功したものである。
果、熱交換器構成部材である通液管をAl−Cu−Mn合金に
より形成することにより通液管の電極電位をフィンのそ
れよりも貴なるものとして犠牲防食作用により通液管の
耐食性を向上させ、しかもフラックスとして、新たに開
発した非腐蝕性のKAlF4−KF系フラックスを用いてろう
付することにより、耐食性に優れたアルミニウム製熱交
換器の製造に成功したものである。
即ち、この発明は、Cu:0.4〜1.0wt%及びMn:0.2〜0.8wt
%を含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物から
なるアルミニウム合金によって形成した熱交換器用通液
管とと、該通液管よりも電極電位の卑なアルミニウムま
たはアルミニウム合金により形成したフィンとを、KAlF
4:80〜99.8wt%、KF:20〜0.2wt%の混合物からなるフラ
ックスを用いてろう付することを特徴とする耐食性に優
れたアルミニウム製熱交換器のろう付方法を要旨とする
ものである。
%を含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物から
なるアルミニウム合金によって形成した熱交換器用通液
管とと、該通液管よりも電極電位の卑なアルミニウムま
たはアルミニウム合金により形成したフィンとを、KAlF
4:80〜99.8wt%、KF:20〜0.2wt%の混合物からなるフラ
ックスを用いてろう付することを特徴とする耐食性に優
れたアルミニウム製熱交換器のろう付方法を要旨とする
ものである。
まず通液管の構成材料であるAl合金において、Cuは上述
のように通液管の電極電位を十分に貴とするために添加
含有されるものである。かつまたCuは通液管の強度向上
にも寄与するものである。しかしその含有量が0.4wt%
未満ではそれらの効果に乏しく、逆に1.0wt%を超えて
含有されると、確かに通液管の電極電位は貴となり強度
も向上するが、反面耐食性は低下し、しかも塑性加工性
も低下する。従ってCuの含有比率は0.4〜1.0wt%の範囲
に規定される。
のように通液管の電極電位を十分に貴とするために添加
含有されるものである。かつまたCuは通液管の強度向上
にも寄与するものである。しかしその含有量が0.4wt%
未満ではそれらの効果に乏しく、逆に1.0wt%を超えて
含有されると、確かに通液管の電極電位は貴となり強度
も向上するが、反面耐食性は低下し、しかも塑性加工性
も低下する。従ってCuの含有比率は0.4〜1.0wt%の範囲
に規定される。
Mnもまた通液管の電極電位を貴にするとともに強度向上
効果にも寄与するものであるが、0.2wt%未満ではそれ
らの効果に乏しく、逆に0.8wt%を超えて含有されると
塑性加工性が低下するのみならず、粒界腐蝕感受性が増
大し好ましくない。なお通液管の合金成分にはCu、Mn以
外に不可避不純物としてのFeやSi等の含有が許容され
る。
効果にも寄与するものであるが、0.2wt%未満ではそれ
らの効果に乏しく、逆に0.8wt%を超えて含有されると
塑性加工性が低下するのみならず、粒界腐蝕感受性が増
大し好ましくない。なお通液管の合金成分にはCu、Mn以
外に不可避不純物としてのFeやSi等の含有が許容され
る。
一方この発明では、通液管と接合されるフィンが、通液
管よりも電極電位の卑なるアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金により形成されたものであることを条件とす
る。これはフィンの犠牲陽極作用によりこれを選択的に
腐蝕せしめて、通液管を防食するためである。かかるフ
ィン用アルミニウムまたはアルミニウム合金の一例とし
ては、JISA3003合金等のAl−Mn系合金、純Al等を挙げう
る。
管よりも電極電位の卑なるアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金により形成されたものであることを条件とす
る。これはフィンの犠牲陽極作用によりこれを選択的に
腐蝕せしめて、通液管を防食するためである。かかるフ
ィン用アルミニウムまたはアルミニウム合金の一例とし
ては、JISA3003合金等のAl−Mn系合金、純Al等を挙げう
る。
上記のような通液管とフィンとをろう付により接合す
る。この発明ではろう付に際し、KAlF4:80〜99.8wt%、
KF:20〜0.2wt%の割合で混合した混合物をフラックスと
して用いるものとする。フラックス中のKAlF4とKFとを
上記の配合割合に選定することにより、その融点を低い
ものとしてろう付加熱時にフラックスを有効に作用せし
めうるものであり、KFが許容下限値未満ではその効果に
乏しく、逆に許容上限値を超えて過多に混合された場合
にも、特に完全融解温度(液相線温度)の上昇を招いて
良好なろう付を行うことができなくなると共に、甚しく
はフラックスの反応温度が接合部材としての通液管やフ
ィン材の融点以上になってろう付自体が不可能になるお
それがある。このフラックスの調整はKAlF4とKFとを上
記比率で混合することにより行われるが、KAlF4、KFと
も市販品として取引され入手が容易であることから、調
整の簡易性の点で、一般的にAlF3及びKFを出発物として
製造される従来のK3AlF6−KAlF4系フラックス等に較べ
て極めて有利である。しかもこの発明に用いられるフラ
ックスは残渣が非腐蝕性であり、ろう付後の脱フラック
ス処理を施さなくとも製品の耐食性に何ら影響を与える
ことはない。
る。この発明ではろう付に際し、KAlF4:80〜99.8wt%、
KF:20〜0.2wt%の割合で混合した混合物をフラックスと
して用いるものとする。フラックス中のKAlF4とKFとを
上記の配合割合に選定することにより、その融点を低い
ものとしてろう付加熱時にフラックスを有効に作用せし
めうるものであり、KFが許容下限値未満ではその効果に
乏しく、逆に許容上限値を超えて過多に混合された場合
にも、特に完全融解温度(液相線温度)の上昇を招いて
良好なろう付を行うことができなくなると共に、甚しく
はフラックスの反応温度が接合部材としての通液管やフ
ィン材の融点以上になってろう付自体が不可能になるお
それがある。このフラックスの調整はKAlF4とKFとを上
記比率で混合することにより行われるが、KAlF4、KFと
も市販品として取引され入手が容易であることから、調
整の簡易性の点で、一般的にAlF3及びKFを出発物として
製造される従来のK3AlF6−KAlF4系フラックス等に較べ
て極めて有利である。しかもこの発明に用いられるフラ
ックスは残渣が非腐蝕性であり、ろう付後の脱フラック
ス処理を施さなくとも製品の耐食性に何ら影響を与える
ことはない。
ろう付を行うに際し、上記フラックスはこれを水等の液
体中にスラリーの形で懸濁して使用し、この懸濁液を接
合部材の少なくともいずれか一方に均一に塗布する。こ
の液体中への懸濁及び塗布を行い易くし、ひいてはろう
付性を良好にするために、フラックス成分の粉末粒径
は、概ね200μm以下のものとするのが良い。また上記
の塗布の手段は、噴霧あるいははけ塗り等を適用するこ
とも可能であるが、量産性に適した均一な塗布手段とし
て浸漬法を用いることが推奨される。
体中にスラリーの形で懸濁して使用し、この懸濁液を接
合部材の少なくともいずれか一方に均一に塗布する。こ
の液体中への懸濁及び塗布を行い易くし、ひいてはろう
付性を良好にするために、フラックス成分の粉末粒径
は、概ね200μm以下のものとするのが良い。また上記
の塗布の手段は、噴霧あるいははけ塗り等を適用するこ
とも可能であるが、量産性に適した均一な塗布手段とし
て浸漬法を用いることが推奨される。
接合部材である通液管とフィンは、上記フラックスの塗
布後これを乾燥させ、次いで不活性ガス雰囲気等の非酸
化性雰囲気の加熱炉等で、上記接合部材の融点より低
く、かつフラックスの融点よりも高い約580〜620℃に加
熱することにより、ろう材を溶融してろう付接合が達成
される。上記ろう材には例えばSi含有量約4.5〜13.5wt
%程度のAl−Si系合金が用いられる。そして該ろう材は
作業性の点から、接合されるべき通液管またはフィンの
少なくとも一方にクラッドして使用されるのが望まし
い。
布後これを乾燥させ、次いで不活性ガス雰囲気等の非酸
化性雰囲気の加熱炉等で、上記接合部材の融点より低
く、かつフラックスの融点よりも高い約580〜620℃に加
熱することにより、ろう材を溶融してろう付接合が達成
される。上記ろう材には例えばSi含有量約4.5〜13.5wt
%程度のAl−Si系合金が用いられる。そして該ろう材は
作業性の点から、接合されるべき通液管またはフィンの
少なくとも一方にクラッドして使用されるのが望まし
い。
発明の効果 上述のようなこの発明の実施によれば、通液管の素材と
してAl−Cu−Mn合金を用いることによって、通液管の電
極電位をフィンに対して十分貴な状態とすることがで
き、その犠牲防食作用により、通液管の耐食性を著しく
向上させることができる。かつまたCu及びMnの添加含有
により、通液管の強度をも併せて向上させることができ
る。しかもこの発明に用いるKF−KAlF4系フラックス
は、接合部表面の酸化物破壊作用、ろう材の塗れ拡がり
促進作用等において優れたフラックス作用を示し、充分
強固なろう材接合部の形成を可能とすると共に、ろう付
後の残渣が非腐蝕性のものであるため、従来の塩化物系
フラックスを用いる場合のように、ろう付後フラックス
残渣を洗浄除去する必要性がなくなる。従って、一連の
ろう付作業工程の簡素化をはかりつつ、一層腐蝕のおそ
れの少ない耐食性の極めて優れた完全な接合状態の熱交
換器の製造を可能とする。加えてこの発明に用いるフラ
ックスは、KAlF4、KFとも市販品として単体で入手可能
であることから、これらを出発物として混合することに
より容易に調整可能であるから、AlF3、KFを出発物とす
る従来のK3AlF6−KAlF4系フラックスのような複雑な調
整工程を必要とせず、その調整を簡易に行いうる効果を
も奏するものである。
してAl−Cu−Mn合金を用いることによって、通液管の電
極電位をフィンに対して十分貴な状態とすることがで
き、その犠牲防食作用により、通液管の耐食性を著しく
向上させることができる。かつまたCu及びMnの添加含有
により、通液管の強度をも併せて向上させることができ
る。しかもこの発明に用いるKF−KAlF4系フラックス
は、接合部表面の酸化物破壊作用、ろう材の塗れ拡がり
促進作用等において優れたフラックス作用を示し、充分
強固なろう材接合部の形成を可能とすると共に、ろう付
後の残渣が非腐蝕性のものであるため、従来の塩化物系
フラックスを用いる場合のように、ろう付後フラックス
残渣を洗浄除去する必要性がなくなる。従って、一連の
ろう付作業工程の簡素化をはかりつつ、一層腐蝕のおそ
れの少ない耐食性の極めて優れた完全な接合状態の熱交
換器の製造を可能とする。加えてこの発明に用いるフラ
ックスは、KAlF4、KFとも市販品として単体で入手可能
であることから、これらを出発物として混合することに
より容易に調整可能であるから、AlF3、KFを出発物とす
る従来のK3AlF6−KAlF4系フラックスのような複雑な調
整工程を必要とせず、その調整を簡易に行いうる効果を
も奏するものである。
実施例 次にこの発明の実施例を示す。
(実施例1) 下記第1表に示す各種組成の合金を用いて、第2図に示
すような厚さ0.7mmの4穴押出し形材を作製した。
すような厚さ0.7mmの4穴押出し形材を作製した。
一方、Al−1.1wt%Mn−0.05wt%In合金からなる心材の
両面に、Al−8wt%Siからなるろう材をそれぞれクラッ
ド率12%でクラッドした厚さ0.11mmのブレージングシー
トをコルゲート状に加工した。そして前記押出し形材
(1)を蛇行状に曲成して通液管とするとともに、コル
ゲート状ブレージングシートを通液管の隣接部間に介在
させてサーペンタイン型熱交換器に組立てた。
両面に、Al−8wt%Siからなるろう材をそれぞれクラッ
ド率12%でクラッドした厚さ0.11mmのブレージングシー
トをコルゲート状に加工した。そして前記押出し形材
(1)を蛇行状に曲成して通液管とするとともに、コル
ゲート状ブレージングシートを通液管の隣接部間に介在
させてサーペンタイン型熱交換器に組立てた。
次いで、KAlF4:88wt%、KF:12wt%の混合物からなるフ
ラックスに水を加えて濃度7%の懸濁液とし、この懸濁
液中に、上記熱交換器組立物を浸漬し乾燥した。尚、フ
ラックス成分の粉末粒径はいずれも100μm以下とし
た。
ラックスに水を加えて濃度7%の懸濁液とし、この懸濁
液中に、上記熱交換器組立物を浸漬し乾燥した。尚、フ
ラックス成分の粉末粒径はいずれも100μm以下とし
た。
然る後、上記組組立物をN2ガス雰囲気の炉中で、610℃
×5分間加熱してろう付を行い、第1図で示すように、
通液管(2)とフィン(3)とを接合し、その後ユニオ
ン(4)(4)を所定箇所にろう付して熱交換器(コン
デンサー)(5)を得た。
×5分間加熱してろう付を行い、第1図で示すように、
通液管(2)とフィン(3)とを接合し、その後ユニオ
ン(4)(4)を所定箇所にろう付して熱交換器(コン
デンサー)(5)を得た。
そして上記により得られた各熱交換器の耐食性を調べる
ため、JIS−H8681に基く800時間のCASS試験を実施し、
通液管に生じた孔食の深さを調べた。その結果を第2表
に示す。
ため、JIS−H8681に基く800時間のCASS試験を実施し、
通液管に生じた孔食の深さを調べた。その結果を第2表
に示す。
(実施例2) 第3図に示すように、前記第1表の各種組成を有するア
ルミニウム合金からなる心材(2a)に、Al−10wt%Si合
金からなるろう材(2b)を片面クラッドしたのち圧延、
電縫溶接して厚さ0.4mmの偏平状の通液管(2′)を作
製した。なお、ろう材のクラッド率は10%とした。
ルミニウム合金からなる心材(2a)に、Al−10wt%Si合
金からなるろう材(2b)を片面クラッドしたのち圧延、
電縫溶接して厚さ0.4mmの偏平状の通液管(2′)を作
製した。なお、ろう材のクラッド率は10%とした。
次にAl−1.1wt%Mn−1.3wt%Zn合金よりなるコルゲート
フィンを用意した。そして第4図に示すように、前記通
液管(2′)を複数個間隔的に配設するとともに最外側
の通液管の両外側にサイドプレート(6)(6)を配置
し、かつ通液管(2′)相互の間及び通液管(2′)と
サイドプレート(6)との間に前記コルゲートフィン
(3′)を介在せしめ、さらにヘッダープレート(7)
(7)とヘッダータンク(8)(8)とを所定位置に配
置して熱交換器組立物に仮組みした。
フィンを用意した。そして第4図に示すように、前記通
液管(2′)を複数個間隔的に配設するとともに最外側
の通液管の両外側にサイドプレート(6)(6)を配置
し、かつ通液管(2′)相互の間及び通液管(2′)と
サイドプレート(6)との間に前記コルゲートフィン
(3′)を介在せしめ、さらにヘッダープレート(7)
(7)とヘッダータンク(8)(8)とを所定位置に配
置して熱交換器組立物に仮組みした。
然る後、上記各組立物を実施例1と同じフラックス懸濁
液を用いかつ同一の条件で加熱してろう付を行い、その
後入口パイプ(9)と出口パイプ(10)とを所定箇所に
ろう付して熱交換器(ラジエター)(5′)を得た。
液を用いかつ同一の条件で加熱してろう付を行い、その
後入口パイプ(9)と出口パイプ(10)とを所定箇所に
ろう付して熱交換器(ラジエター)(5′)を得た。
そして上記により得られた各熱交換器の耐食性を調べる
ため、実施例1と同様の方法で800時間のCASS試験を実
施し、通液管に生じた孔食の深さを調べた。その結果を
第3表に示す。
ため、実施例1と同様の方法で800時間のCASS試験を実
施し、通液管に生じた孔食の深さを調べた。その結果を
第3表に示す。
第2表及び第3表の結果から明らかなように、本発明に
よれば耐食性に極めて優れた熱交換器を製作しうるもの
であることを確認しえた。
よれば耐食性に極めて優れた熱交換器を製作しうるもの
であることを確認しえた。
第1図及び第2図はこの発明の一実施例を示すもので、
第1図は熱交換器の正面図、第2図は第1図に示す熱交
換器の通液管構成用押出し形材の斜視図、第3図及び第
4図は他の実施例を示すもので、第3図は通液管の斜視
図、第4図は熱交換器の正面図である。 (2)(2′)……通液管、(3)(3′)……フィ
ン、(5)(5′)……熱交換器。
第1図は熱交換器の正面図、第2図は第1図に示す熱交
換器の通液管構成用押出し形材の斜視図、第3図及び第
4図は他の実施例を示すもので、第3図は通液管の斜視
図、第4図は熱交換器の正面図である。 (2)(2′)……通液管、(3)(3′)……フィ
ン、(5)(5′)……熱交換器。
Claims (1)
- 【請求項1】Cu:0.4〜1.0wt%及びMn:0.2〜0.8wt%を含
有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物からなるア
ルミニウム合金によって形成した熱交換器用通液管と、
該通液管よりも電極電位の卑なアルミニウムまたはアル
ミニウム合金により形成したフィンとを、KAlF4:80〜9
9.8wt%、KF:20〜0.2wt%の混合物からなるフラックス
を用いてろう付することを特徴とする耐食性に優れたア
ルミニウム製熱交換器のろう付方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61017623A JPH0677808B2 (ja) | 1986-01-28 | 1986-01-28 | 耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器のろう付方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61017623A JPH0677808B2 (ja) | 1986-01-28 | 1986-01-28 | 耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器のろう付方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62176672A JPS62176672A (ja) | 1987-08-03 |
JPH0677808B2 true JPH0677808B2 (ja) | 1994-10-05 |
Family
ID=11948993
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61017623A Expired - Lifetime JPH0677808B2 (ja) | 1986-01-28 | 1986-01-28 | 耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器のろう付方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0677808B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2768163B2 (ja) * | 1991-10-18 | 1998-06-25 | 株式会社デンソー | 非腐蝕性フラックスを用いるアルミニウムろう付け方法及び非腐蝕性フラックスを用いるアルミニウムろう付け炉 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6174769A (ja) * | 1984-09-17 | 1986-04-17 | Furukawa Alum Co Ltd | アルミ製熱交換器の製造法 |
-
1986
- 1986-01-28 JP JP61017623A patent/JPH0677808B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62176672A (ja) | 1987-08-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4645119A (en) | Method of brazing an aluminum heat exchanger | |
JPH09500422A (ja) | 鑞付け用アルミニウム・リチウム溶加材合金 | |
JP4577634B2 (ja) | 熱交換器用ろう材被覆アルミニウム合金押出チューブ | |
JP2000063970A (ja) | アルミニウム合金製熱交換器用押出管 | |
JP3351249B2 (ja) | アルミニウム合金のろう付方法 | |
JPH0232072B2 (ja) | ||
JP2004042086A (ja) | アルミニウム材をろう付けするためのろう材粉末および該ろう材粉末を用いるアルミニウム材のろう付け方法 | |
JP2000008130A (ja) | 耐食性に優れたアルミニウム合金製熱交換器用部材 | |
JP3189517B2 (ja) | 非腐食性フラックスろう付用熱交換器管用材料の製造法 | |
JP5354912B2 (ja) | アルミニウム製熱交換器及びその製造方法 | |
JPH0677808B2 (ja) | 耐食性に優れたアルミニウム製熱交換器のろう付方法 | |
JP3859781B2 (ja) | アルミニウム合金クラッドフィン材および該クラッドフィン材を使用したアルミニウム合金製熱交換器 | |
JP2009162450A (ja) | アルミニウム製熱交換器及びその製造方法 | |
JPH07106445B2 (ja) | アルミニウム合金製熱交換器およびその製造方法 | |
JPH05331580A (ja) | 熱交換器用アルミニウム合金ブレージングシート | |
JP3599126B2 (ja) | ブレージングシート及び熱交換器に用いられる管 | |
JP2002294378A (ja) | ヘッダータンクを製造するためのアルミニウム合金押出管 | |
JPH0615701B2 (ja) | 熱交換器用アルミニウム合金クラツド材 | |
JP2005207728A (ja) | 熱交換器及びその製造方法 | |
JP6976041B2 (ja) | 熱交換器 | |
JPS5971998A (ja) | アルミニウム熱交換器 | |
JP2691069B2 (ja) | 耐食性及び伝熱性にすぐれた熱交換器 | |
JP6776405B2 (ja) | 熱交換器、及び熱交換器の製造方法 | |
JP5354910B2 (ja) | アルミニウム製熱交換器及びその製造方法 | |
JPH074677B2 (ja) | アルミニウム用ろう合金およびアルミニウム製熱交換器用ブレージングシート |