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JPH0638744B2 - 新規微生物 - Google Patents

新規微生物

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JPH0638744B2
JPH0638744B2 JP18019290A JP18019290A JPH0638744B2 JP H0638744 B2 JPH0638744 B2 JP H0638744B2 JP 18019290 A JP18019290 A JP 18019290A JP 18019290 A JP18019290 A JP 18019290A JP H0638744 B2 JPH0638744 B2 JP H0638744B2
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正雄 桑原
道人 田川
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はキサントモナス属に属する新規な微生物に関す
る。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
以下に示す一般式〔I〕のN−置換カルボニル−DL−
アミノ酸及び/又はその塩において、N−アシル−DL
−2−アミノ−4−メチルホスフィノ酪酸及び/又はそ
の塩を光学分割して得られるL−2−アミノ−4−メチ
ルホスフィノ酪酸は除草剤として用いる事が出来る化合
物である。
一般式〔I〕 (式中、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、
ハロゲン置換炭素数1〜10のアルキル基を、Rは炭素
数1〜5のアルカノイル基、ベンゾイル基、ハロゲン置
換炭素数1〜5のアルカノイル基、ハロゲン置換ベンゾ
イル基を示す。) 現在、2−アミノ−4−メチルホスフィノ酪酸はラセミ
体として使用されているが、除草活性を示すのはL−体
であり、活性本体であるL−2−アミノ−4−メチルホ
スフィノ酪酸の選択的で安価な製造方法が望まれてい
る。
近年、農薬は高い活性を持ち且つ環境に優しいものが求
められ、環境への影響の軽減の為不活性な異性体を環境
中へ放出しない事が望まれている。L−2−アミノ−4
−メチルホスフィノ酪酸は、発酵法によっても製造する
事ができるが高価なものとなる。
又、酵素的にN−アシル−DL−2−アミノ−4−メチ
ルホスフィノ酪酸からL−2−アミノ−4−メチルホス
フィノ酪酸を製造する方法は、シュードモナス属、スト
レプトミセス属又はアスペルギルス属の培養菌体を用い
る方法(特開昭55−47630号公報)とペニシリンG−ア
シラーゼを用いる方法(特開昭57−138394号公報、特開
昭64−51099号公報)が報告されているのみである。
しかし、前者により得られたL−2−アミノ−4−メチ
ルホスフィノ酪酸の旋光度は最大[α]=23゜(C=
1、1NHCl)であり、光学純度は75%と低い(特開
昭64−51099号公報)。
又、これらの酵素の作用温度は28〜35℃であり50℃では
失格(特開昭55−47630号公報)し、工業的な製造方法
としては有用ではない。
更に、N−アシル−DL−2−アミノ−4−メチルホス
フィノ酪酸以外のL−アミノ酸のアシル体に対しては、
作用が弱いか全く作用しない(特開昭55−47630号公
報)。
又、従来報告されているアミノアシラーゼは、N−アシ
ル−DL−2−アミノ−4−メチルホスフィノ酪酸のア
シル基に対しては全く作用しない事も知られている(特
開昭57−138394号公報)。
一方、後者のペニシリンG−アシラーゼによる方法は脱
離基としてフェナシル基を用いる為、工業的とはいえな
い。
〔問題点を解決するための手段〕 そこで本発明者らは上記問題点を解決すべくN−置換カ
ルボニル−DL−アミノ酸のうち、L−体だけを選択的
に脱置換カルボニル化(例えば、脱アセチル化)して、
L−アミノ酸に変換する作用を有する微生物を広く検索
した結果、川俣温泉の泉源付近より分離した比較的高温
で生育するキサントモナス(Xanthomonas)属に属する
微生物を見い出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、キサントモナス属に属し、加水分解
に適した熱に安定なアシラーゼ生産能を有する新規なキ
サトモナス・エスピー(Xanthomonas sp.)NC 24
−2(微工研菌第11237号)を提供するものである。
キサントモナス・エスピーNC 24−2は下記の菌学的
性質を有する。
(A)形態 形及び大きさ:桿菌 運動性 :有り、極単鞭毛 胞子 :なし グラム染色性:陰性 (B)各培地における生育状態 肉汁寒平天板培養:良好に生育、円形、 不透明、円滑 肉汁寒天斜面培養:良好に生育 肉汁液体培養 :良好に生育 肉汁ゼラチン穿刺培養:液化される (C)生理学的性質 硝酸塩の還元 − 脱窒反応 − MRテスト − VPテスト − インドールの生成 − 硫化水素の生成 − デンプンの加水分解 − クエン酸の利用 − 無機窒素源の利用 − 色素の生成 蛍光色素の産生 − 水溶性色素の産生+ ウレアーゼ − オキシターゼ + カタラーゼ + 生育の範囲 生育 60℃(5日培養) − 55℃(1日培養) + 42℃(1日培養) + 20℃(10日培養) + 15℃(10日培養) − 増殖至適温度 40℃〜50℃ 酸素に対する態度 好気的 OF−テスト − エスクリン加水分解 + PHBの蓄積 − アルギニンジヒドロラーゼ − カゼインの分解 − (D)炭水化物の利用 グルコース + アラビノース − マンース − マンニット − N−アセチルグルコサミン − マルトース − イノシトール − 2−ケトグルコン酸 − ゲラニオール − トレハロース − アラニン − バリン − アルギニン − カプリン酸塩 − アジピン酸塩 − リンゴ酸塩 − 酢酸フェニルアラニン − (E)化学分類学的性質 イソプレノイドキノン Q−8 菌体脂肪酸組成(主要成分%) n−12:0 3 i−15:0 42 a−15:0 8 i−16:0 19 n−16:0 4 i−17:0 11 a−17:0 2 DNAのGC含量(%) 71.0 以上の菌学的性質から、バージェイのマニュアル・オブ
・システマティク・バクテリオロジー第1版(Bergey′
s Manual of Systematic Bacteriology Vol.1)
により検索した結果、本菌はキサントモナス属に属し、
本菌に類似の菌株としてキサントモナス・マルトフィリ
ア{Xanthomonas maltofilia、かツてシュードモナス
・マルトフィリア(Pseudomonas maltophilia)と呼ば
れ、1983年に本属に移された}が挙げられた。そこで、
キサントモナス・マルトフィリア(ATCC1367)及び、キ
サントモナス・マルトフィリア(JCM1977)を本菌と同
条件で培養し各性質を比較したところ、以下に示した様
に各性質に於て異なっている事が判明した。
更に、Xanthomonas属の最も一般的な種であるX. cam
pestrisは、バージェイのマニュアル・オブ・システマ
ティク・バクテリオロジー第1版(Bergey′s Manual
of Systematic BacteriologyVol.1)に記載されて
いる様に、多くの糖から酸を生成し、カゼイン分解(mi
lk proteolysis)陽性である為、本菌株とは明確に区
別される。又、本属の他の種の性状と比較してみても、
arabinos、mannoseからの酸の生成、デンプンの分解試
験の結果等、更には、本発明のNC24−2株の生育温
度領域が既知のXanthomonas属の生育温度領域よりかな
り高温側である事等、本発明のNC 24−2株と一致す
るものはなかった。
以上のように、本アシラーゼ生産菌は公知菌の何れとも
異なる新菌株と判断し、キサントモナス・エスピーNC
24−2と命名し、平成2年1月29日に通商産業省工業
技術院微生物工業技術研究所へ寄託した。その微生物番
号は微工研菌寄第11237号である。
NC 24−2株の培養は、通常、振盪培養或いは通気攪
拌深部培養等の好気的条件下で行う。
培養温度は20〜55℃、培養pHは6〜9で、1〜5日間
培養する。
培地には、使用菌が資化できる炭素源、窒素源、無機塩
及び微量有機栄養源が含まれる。即ち、炭素源として
は、グルコース、デンプン加水分解液、糖密等の炭水化
物等も使用できる。窒素源としては、アンモニア、硫酸
アンモニウム、塩化アンモニウム等の各種の無機及び有
機のアンモニウム塩類又は肉エキス、酵母エキス、ポリ
ペプトン、カゼイン加水分解物等の天然有機窒素源も使
用可能である。無機塩としては、マグネシウム、鉄、マ
ンガン、カリウム、ナトリウム、カルシウム、コバルト
等の塩が適時用いられる。
又、目的変換酵素活性を誘導或いは酵素活性を高める為
に、培養初期或いは培養途中に本酵素の基質となる一般
式〔I〕のN−置換カルボニル−DL−アミノ酸及び/
又はその塩、或いは本酵素の基質となる一般式〔I〕の
N−置換カルボニル−DL−アミノ酸及び/又はその塩
の構造類以体等を微生物の生育を妨げない程度添加し培
養する事も出来る。
尚、NC 24−2株に変異を生じさせて一層生産性の高
い菌株を得る事も出来る。
又、これら菌株の細胞中に存在する酵素の生産に関与す
る遺伝子を切り出し、これを適切なベクター、例えばプ
ラスミドに挿入し、このベクターを用いて適当な宿主、
例えば、大腸菌(Escherichia coli)や枯草菌(Bacil
lus subtilis)のごとき異種宿主又は同種宿主を形質
転換する事により、NC 24−2株の酵素を生産する株
を人為的に創製する事も出来る。
上記の方法で得られた培養菌体及び/又はその培養処理
物を用いて光学分割を行う。
培養物を遠心分離等により培養菌体と培養濾液に分け、
置換カルボニル基脱離酵素(例えば、脱アシル基酵素)
が菌体内に存在する場合は、この培養菌体及び/又は菌
体処理物を用いる。ここでいう菌体処理物とは、培養菌
体の超音波処理物、ゴーリン・ホモジナイザー破砕や培
養菌体のアセトンやトルエン等の有機溶媒による処理
物、更には培養菌体をトライトンX−100等の界面活
性剤処理したもの等を示す。又、公知の方法を適時組み
合わせて、培養菌体より酵素を精製或いは粗精製した標
品を用いる事も出来る。
又、培養菌体、菌体処理物又は異なる精製度の酵素標品
を、公知の方法により担体に固定化し、これを反応に用
いる事も可能である。担体としては、固定化処理により
酵素が失格しない限りどの様な担体でも良く、アルギン
酸、カラギーナン、キトサン、ポリアクリルアミド、光
架橋性樹脂等が挙げられる。更に、培養菌体及び/又は
その培養処理物に、鉄、銅、コバルト、カルシウム、マ
グネシウム、亜鉛等の金属イオンを適時、適量添加する
事により、本アシラーゼの反応効率を高める事も可能で
ある。
又、本発明の基質となる一般式〔I〕のN−置換カルボ
ニル−DL−アミノ酸及び/又はその塩に於て、 置換基Rである炭素数1〜10のアルキル基の具体例と
しては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プ
ロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。置換基R
あるハロゲン置換炭素数1〜10のアルキル基に於て、ハ
ロゲンとしては塩素、臭素等が挙げられ、その具体例と
しては、クロロエチル基、クロロプロピル基、クロロブ
チル基、クロロペンチル基、クロロヘキシル基、クロロ
ヘプチル基、クロロオクチル基、クロロノニル基、クロ
ロデシル基、ブロモエチル基、ブロモプロピル基、ブロ
モブチル基、ブロモペンチル基、ブロモヘキシル基、ブ
ロモヘプチル基、ブロモオクチル基、ブロモノニル基、
ブロモデシル基、等が挙げられる。
置換カルボニル基Rである炭素数1〜5のアルカノイ
ル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロ
ビオニル基、n−ブチリル基、i−ブチリル基、n−ペ
ンタノイル基、i−ペンタノイル基等が挙げられる。置
換基Rであるハロゲン置換炭素数1〜5のアルカノイ
ル基に於て、ハロゲンとしては塩素、臭素等が挙げら
れ、その具体例としては、クロロアセチル基、クロロプ
ロピオニル基、クロロブチリル基、クロロペンタノイル
基、ブロモカルボニル基、ブロモアセチル基、ブロモプ
ロピオニル基、ブロモブチリル基、ブロモペンタノイル
基等が挙げられる。置換カルボニル基Rであるハロゲ
ン置換ベンゾイル基に於て、ハロゲンとしては塩素、臭
素等が挙げられ、その具体例としては、クロロベンゾイ
ル基、ブロモベンゾイル基等が挙げられる。しかしなが
ら、置換カルボニル基Rは、NC 24−2株の酵素で
脱離されてL−アミノ酸を生成し得る置換カルボニル基
であればどの様な基であっても良い。
一般式〔I〕のN−置換カルボニル−DL−アミノ酸の
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム
塩、カルシウム塩等が挙げられる。
基質となる一般式〔I〕のN−置換カルボニル−DL−
アミノ酸及び/又はその塩の濃度に制限はないが、通常
0.5〜20%で使用する。反応温度は30℃〜80℃、好まし
くは50℃〜70℃である。反応pHは4〜10、好ましくは
6〜9の範囲で0.5〜4日間反応する。反応液からL−
アミノ酸とN−置換カルボニル−D−アミノ酸を分離す
るには、例えば濃縮、等電点沈澱等による直接晶析法
や、イオン交換樹脂処理等の公知の方法により行う事が
出来る。
生成したL−アミノ酸の定性と定量は薄層クロマトグラ
フィー、高速液体クロマトグラフィー、及び/又はバイ
オアッセイによる方法を用いる事が出来る。又、光学的
異性体は、旋光度分析、光学異性体分離カラムを用いた
高速液体クロマトグラフィーにより判別する事が出来
る。
尚、未反応のN−置換カルボニル−D−アミノ酸は常法
により化学的にラセミ化し、再び上述の反応に供する事
が出来る。
〔作用及び発明の効果〕
本発明のキサントモナス・エスピーNC 24−2株の置
換カルボニル基分解酵素は、含リンアミノ酸、グルタミ
ン酸、アスパラギン酸、グルタミン等のN−置換カルボ
ニル体のL−体の置換カルボニル基のみを効率よく分解
し、高い光学純度を持つL−アミノ酸を生成する。
更に、70℃の高温反応に於ても、高いN−置換カルボニ
ル基分解活性を保持し、高温で安定である。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例、参考例に基づいて詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例 N−アセチル−DL−アミノ−4−メチルホスフィノ酪
酸の合成 DL−2−アミノ−4−メチルホスフィノ酪酸4g(0.
022モル)を、室温で水と酢酸(1/1重量比)の混合
溶液160gに溶解後、撹拌しながら無水酢酸320gを唄加
えた。
2時間後、発熱が起こり80℃に温度が上昇したので、水
−氷浴で20℃に冷却した。冷却後、更に、20℃で2時間
攪拌を行った。
反応生成物を、減圧下濃縮した後、残渣を高速液体クロ
マトグラフィーで分析したところ、DL−2−アミノ−
4−メチルホスフィノ酪酸のN−アセチル化物への転化
率は100%であった。
又、残渣をジアゾメタンでメチル化し、ガスクロマトグ
ラフィー−質量分析にて分析したところ、メチル化物は
N−アセチル−DL−2−アミノ−4−メチルホスフィ
ノ酪酸メチルエステルであり、収率100%であった。
実施例1. a.川俣温泉の泉源付近より採取した土壌500μgを、
サーマス(Thermus)液体培地(酵母エキス0.4%,ポリ
ペプトン0.8%,NaCl0.2%,pH7.5)5mlが入
った試験管に入れ、60℃で3日間振盪培養(100rp
m)した。次いで、上記培養液より、上記と同じ培地組
成よりなる寒天平板培地の表面にコンラッジ棒で均一に
塗布した後、60℃で3日間培養した。生じた複数のコロ
ニーが相互に相違しない事を肉眼的及び顕微鏡的に観察
する事により確認した。更に、上記コロニーを再度同じ
操作を行い単一性を再確認した。上記菌株の各培地上の
性状及び生理的性質は前述した通りである。
次いで、上記で純粋培養された斜面培地上の菌株より1
白金耳を減菌した20%グリセリン水溶液(1ml)の
入った凍結用バイアルに懸濁し、−80℃にて凍結保存す
る。かくして3ヶ月凍結保存後、迅速に解凍して得られ
る懸濁液の1白金耳を普通寒天培地に蘇生後、前記と同
条件下に各培地上での性状及び生理学的性質を調べた結
果、凍結前とは変化が認められなかった。
b.化学分類学的性状 b−1.イソプレノイド・キノン 凍結乾燥菌体からクロロホルム・メタノール(2:1,
V/V)で抽出し、アセトン溶出画分をシリカゲル薄層ク
ロマトグラフィーで展開し、ユビキノン標準物質に相当
する紫外部吸収を持つバンドをかき取った後、アセトン
で溶出し、ユビキノン試料とした。高速液体クロマトグ
ラフイーで分析した結果、イソプレノイドキノンQ−8
であった。
b−2.菌体脂肪酸組成 凍結乾燥菌体から塩酸/メタノール法により菌体脂肪酸
メチルエステルを調製し、ガスクロマトグラフィーによ
り脂肪酸組成を求めた。
実施例2. NC 24−2株の一夜培養液を、新たに調製したサーマ
ス(Thermus)液体培地100mlに終濃度1%となるよう
に加え、50℃で24時間振盪培養(120rpm)した。培
養液を遠心分離(10krpm,20分)して集菌し、菌体
を50mlの生理食塩水で洗浄した。全量500mlの培養
液から、キサントモナス・エスピー(Xanthomonas s
p.)NC 24−2株の洗浄菌体2g(湿菌体重量)を得
た。
実施例3. 実施例2で得られた湿菌体500mgと濃アンモニア水で
pH7.8に調整したN−アセチル−DL−2−アミノ−
4−メチルホスフィノ酪酸100mgを蒸留水10mlに懸
濁した。この懸濁液を50ml容円筒チユーブに加え、振
盪しつつ、55℃で6時間反応を行った。
反応終了後遠心離により除菌し、上澄を光学異性体分離
カラム(MCI GEL 三菱化成製、キラルパックW
H ダイセル化学工業製)を用いて分析した。
生成産物の分析条件を以下に示す。
分析条件:カラム MCl GEL CRSlOW(DLAA) 4.6mm×50mm(三菱化成製) 溶出溶媒 2.0mM CuSO4 流量 1ml/min 温度 30℃ 検出 UV220nm 又、未反応基質(残存している基質)の分析条件を以下
に示す。
分析条件:カラム CHIRALPAK WH 4.6mm255mm(ダイヤル化学工業製) 溶出溶媒 0.25mM CuSO4 流量 1.5ml/min 温度 30℃ 検出 UV220nm その結果、反応生成物はL−2−アミノ−4−メチルホ
スフィノ酪酸であった。N−アセチル−L−2−アミノ
−4−メチルホスフィノ酪酸からL−2−アミノ−4−
メチルホスフィノ酪酸への変換率は40%であった。
N−アセチル−DL−2−アミノ−4−メチルホスフィ
ノ酪酸のL−体だけの脱アセチル化反応(加水分解反
応)の選択率は100%であった。
実施例4. 実施例2と同様に培養した湿菌体2gを、10mlの50m
Mトリス・塩酸緩衝液(pH8.0)に懸濁した。この懸
濁液を、超音波破砕処理し、遠心分離した。得られた上
澄液に、70%(W/V)飽和溶液となる様に硫酸アンモニ
ウムを添加、溶解させて4℃で一晩放置した。遠心分離
により得られた沈澱を少量の50mMトリス・塩酸緩衝液
(pH8.0)に溶解させた後透析チューブに移し、50m
Mトリス・塩酸緩衝液(pH8.0)に対して4℃で一晩
透析を行った。この様にして得られた粗酵素液5ml
に、濃アンモニア水でpH7.8に調整したN−アセチル
−DL−2−アミノ−4−メチルホスフィノ酪酸100m
gを加え、70℃で24時間反応を行った。反応終了後、上
澄を実施例3と同様に光学異性体分離カラム(MCI
GEL 三菱化成製、キラルパックWHダイセル化学工
業製)を用いて分析した。
その結果、反応生成物はL−2−アミノ−4−メチルホ
スフィノ酪酸であった。N−アセチル−L−2−アミノ
−4−メチルホスフィノ酪酸からL−2−アミノ−4−
メチルホスフィノ酪酸への変換率は70%であった。
N−アセチル−DL−2−アミノ−4−メチルホスフィ
ノ酪酸のL−体だけの脱アセチル化反応(加水分解反
応)の選択率は100%であった。
〔発明の効果〕
本発明によれば、簡単な工程で、かつ温和な条件でN−
アシル−DL−2−アミノ−4−メチルホスフィノ酪酸
から光学活性体であるL−2−アミノ−4−メチルホス
フィノ酪酸が選択的に生成でき、その工業的価値は極め
て大である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の菌学的性質を有するキサントモナス
    ・エスピー(Xanthomonas sp.)NC 24−2(微工
    研菌寄第11237号)。 (A)形態 形及び大きさ:桿菌 運動性 :有り、極単鞭毛 胞子 :なし グラム染色性:陰性 (B)各培地における生育状態 肉汁寒天平板培養:良好に生育、円形、 不透明、円滑 肉汁寒天斜面培養:良好に生育 肉汁液体培養 :良好に生育 肉汁ゼラチン穿刺培養:液化される (C)生理学的性質 硝酸塩の還元 − 脱窒反応 − MRテスト − VPテスト − インドールの生成 − 硫化水素の生成 − デンプンの加水分解 − クエン酸の利用 − 無機窒素源の利用 − 色素の生成 蛍光色素の産生 − 水溶性色素の産生+ ウレアーゼ − オキシダーゼ + カタラーゼ + 生育の範囲 生育 60℃(5日培養) − 55℃(1日培養) + 42℃(1日培養) + 20℃(10日培養) + 15℃(10日培養) − 増殖至適温度 40℃〜50℃ 酸素に対する態度 好気的 OF−テスト − エスクリン加水分解 + PHBの蓄積 − アルギニンジヒドロラーゼ − カゼインの分解 − (D)炭水化物の利用 グルコース + アラビノース − マンノース − マンニット − N−アセチルグルコサミン − マルトース − イノシトール − 2−ケトグルコン酸 − ゲラニオール − トレハロース − アラニン − バリン − アルギニン − カプリン酸塩 − アジピン酸塩 − リンゴ酸塩 − 酢酸フェニルアラニン − (E)化学分類学的性質 イソプレノイドキノン Q−8 菌体脂肪酸組成(主要成分%) n−12:0 3 i−15:0 42 a−15:0 8 i−16:0 19 n−16:0 4 i−17:0 11 a−17:0 2 DNAのGC含量(%) 71.0
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7177293B1 (ja) * 2022-03-18 2022-11-22 Kddi株式会社 データ処理装置、データ処理方法及びプログラム

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JP7177293B1 (ja) * 2022-03-18 2022-11-22 Kddi株式会社 データ処理装置、データ処理方法及びプログラム

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JPH0466081A (ja) 1992-03-02

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