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JPH06330006A - 表面保護粘着シート - Google Patents

表面保護粘着シート

Info

Publication number
JPH06330006A
JPH06330006A JP11845993A JP11845993A JPH06330006A JP H06330006 A JPH06330006 A JP H06330006A JP 11845993 A JP11845993 A JP 11845993A JP 11845993 A JP11845993 A JP 11845993A JP H06330006 A JPH06330006 A JP H06330006A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
sensitive adhesive
pressure
block
adhesive sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11845993A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiko Oyama
康彦 大山
Masahiko Goto
昌彦 五藤
Junichi Shimaoka
淳一 島岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP11845993A priority Critical patent/JPH06330006A/ja
Publication of JPH06330006A publication Critical patent/JPH06330006A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 貼付時は剥離速度的には低速の応力に対し高
い接着力で被着体からの浮きや自然剥離がなく、かつ剥
離作業時には前記の如く10m/min以上の高速で軽
度の力で剥しうる表面保護粘着シートを提供する。 【構成】 該表面保護粘着シートは、ポリオレフィン系
樹脂からなる基材フィルムの片面に一般式A−B−Aの
ブロック共重合体(式中、Aはスチレン重合体ブロック
を示し、Bはブタジエンまたはイソプレン重合体を水素
添加して得られるオレフィン重合体ブロックを示す)1
00重量部にスチレン重合体ブロックにのみ相溶する樹
脂aを1〜50重量部、およびオレフィン重合体ブロッ
クにのみ相溶する粘着付与樹脂bを1〜100重量部混
合してなる粘着剤層が形成されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂板、化粧合
板、被覆塗装鋼板、金属板等の表面に仮着し、塵の付着
や傷付きがないように、その表面を保護するのに使用す
る表面保護粘着シートに関し、さらに詳しくは表面保護
すべき被着体に長期間貼付されたのち手剥し等で10m
/min以上の速度で引き剥す際に、軽度の力で剥しう
る、すなわち貼付されているときは適度の接着力で剥が
れることなく被着体表面を保護し、かつ引き剥し易い表
面保護粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂板、化粧合板、被覆塗装鋼板、
金属板等の表面を加工時および搬送時の傷防止や汚れ防
止のために、表面保護粘着シートがよく使用される。
【0003】表面保護粘着シートは、熱可塑性樹脂や紙
からなる基材層の片面に、粘着剤層が形成された基本構
造を有しており、仮着のための適度な粘着性を有すると
ともに、使用後に、各種被着体の表面を粘着剤で汚染す
ることなく容易に剥すことができるものでなければなら
ない。
【0004】従来、この種の表面保護粘着シートとし
て、例えば、ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂か
らなる基材層の片面に、一般式A−B−A(式中、Aは
スチレン重合体ブロックを示し、Bはブタジエン重合体
ブロック、イソプレン重合体ブロックまたはエチレン−
ブチレン共重合体ブロックを示す)で表されるブロック
共重合体エラストマーと、粘着付与剤とを混和してなる
粘着剤層が形成された粘着シートが開示されている(特
公昭58−30911号公報、特開昭61−10397
5号公報等)。
【0005】被覆塗装鋼板の被覆層としては、ポリエス
テル、メラミン樹脂、アクリル樹脂、軟質ポリ塩化ビニ
ル等の多くの種類があり、その表面性は光沢度(グロ
ス)で5〜70%、中心線平均粗さ(JIS B 06
01:Ra)で0.05〜3.0μmのものが比較的多
い。その中でも建材用途や事務用品に使用される被覆塗
装鋼板はグロスで30〜50%、Raで0.3〜0.6
μmのものが特に多い。
【0006】被覆塗装鋼板における表面保護粘着シート
の使用形態を考えると、被覆塗装鋼板の製造工程におい
て塗膜が被覆された後に表面保護粘着シートが貼り付け
られる。被覆塗装鋼板は表面保護粘着シートが付いたま
まコイル状に巻かれたり、複数段に重ねられたりして保
管、輸送される。その時に表面保護粘着シートには大荷
重がかかり、場合によっては500t/m2 以上にも達
する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記特公昭58−30
911号公報、特開昭61−103975号公報等に開
示されている表面保護粘着シートを被覆塗装鋼板に用い
ると、ブロック共重合体と塗膜との親和力が大きく、同
シートは貼り付けた直後の接着力(以下、初期接着力と
いう)ですでに200gf/25mm以上と剥しにく
く、500t/m2の力を加えた後の接着力(以下、加
圧経時接着力という)、40℃に放置した後の接着力
(以下、加熱経時接着力という)が共に大きく上昇し、
表面保護粘着シートが剥離不能となることがあった。
【0008】本発明は上記の問題点を解決するものであ
り、特にかかる用途においては表面保護粘着シートの通
常の剥離作業が10m/min以上の速度で行われると
いう点に鑑み、貼付時は剥離速度的には低速の応力に対
し高い接着力で被着体からの浮きや自然剥離がなく、か
つ剥離作業時には前記の如く10m/min以上の高速
で軽度の力で剥しうる表面保護粘着シートを提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の表面保護粘着シ
ートは、上記目的を達成すべく工夫されたものであり、
ポリオレフィン系樹脂からなる基材フィルムの片面に一
般式A−B−Aのブロック共重合体(式中、Aはスチレ
ン重合体ブロックを示し、Bはブタジエンまたはイソプ
レン重合体を水素添加して得られるオレフィン重合体ブ
ロックを示す)100重量部にスチレン重合体ブロック
にのみ相溶する樹脂aを1〜50重量部、およびオレフ
ィン重合体ブロックにのみ相溶する粘着付与樹脂bを1
〜100重量部混合してなる粘着剤層が形成されてなる
ことを特徴とするものである。
【0010】該粘着剤は、さらに、高級アルキル基の導
入されたポリエチレンイミンを0.1〜3重量部含有す
ることも好ましく、また、さらにエチレン−α−オレフ
ィン共重合体を10〜200重量部含有していてもよ
い。
【0011】以下、本発明による表面保護粘着シートの
構成成分について詳述する。
【0012】表面保護粘着シートの基材フィルムを構成
するポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレンやエチレン−α−オレフィン共重合体、プ
ロピレン−α−オレフィン共重合体等のポリオレフィン
系共重合体やこれらのブレンド物が用途に応じて適宜使
用される。。
【0013】一般式A−B−Aで表される水素添加され
たブロック共重合体において、スチレン系重合体ブロッ
クAとしては平均分子量が12000〜100000程
度のものが好ましく、そのガラス転移温度は20℃以上
のものが好ましい。またブタジエン重合体ブロックまた
はイソプレン重合体ブロックを水素添加して得られる重
合体ブロックBとしては平均分子量が10000〜30
0000程度のものが好ましく、そのガラス転移温度は
−20℃以下のものが好ましい。市販されているものと
しては、クレイトンG1650(シェル化学社製)、ク
レイトンG1652(シェル化学社製)、タフテックH
1052(旭化成社製)、セプトン2023(クラレ社
製)等がある。
【0014】またスチレン重合体ブロックにのみ相溶す
る樹脂aとしては、C9系石油樹脂やポリスチレンやス
チレン−α−メチルスチレン共重合体が用いられる。特
にスチレン−α−メチルスチレン共重合体が最も好適に
用いられる。
【0015】C9系石油樹脂はナフサのクラッキングに
より得たC9留分をカチオン重合することにより得られ
る石油樹脂である。C9留分中には、重合性成分として
α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレ
ン、プロペニルベンゼン、インデン、メチルインデン等
が含有され、通常C9留分は該重合性成分の混合物とし
て入手しうる。スチレン系樹脂はスチレン、α−メチル
スチレンおよびビニルトルエンをそれぞれ主成分とする
樹脂である。特にスチレン−α−メチルスチレン共重合
体には市販品として理化ハーキュレス社製のエンデック
ス樹脂がある。
【0016】樹脂aはA−B−Aブロック共重合体10
0重量部に対し好ましくは1〜50重量部、さらに好ま
しくは4〜20重量部混和される。樹脂aの配合量が1
重量部を下回ると高速剥離時の剥離力が軽くならず、5
0重量部を越えると粘着剤が硬くなり貼付け初期の粘着
性が小さく、粘着シートが使用しにくくなる。
【0017】オレフィン重合体ブロックにのみ相溶する
粘着付着樹脂bの代表例は、水素添加された石油樹脂ま
たは水素添加されたテルペン樹脂である。
【0018】水素添加された石油樹脂は、例えば、ナフ
サのクラッキングにより得られたC9留分をカチオン重
合することにより得られるC9系石油樹脂を水素添加し
たもの、または、シクロペンタジエンを主体とするC5
留分もしくはC5留分に由来するジシクロペンタジエン
を熱重合して得られる石油樹脂を水素添加したものであ
り、脂環族系の石油樹脂である。C9留分中には、重合
成分としてα−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニ
ルキシレン、プロペニルベンゼン、インデン、メチルイ
ンデン等が含有され、通常C9留分は該重合性成分の混
合物として入手しうる。また、これら石油樹脂の水素添
加では、通常、ニッケル、パラジウム、コバルト、ルテ
ニウム、白金、ロジウム等の金属またはその酸化物等を
水添触媒として使用し、温度200〜300℃、圧力1
0〜300kg/cm2 の条件が採用される。
【0019】水素添加されたテルペン系樹脂は、α−ピ
ネン、β−ピネン、ジペンテン等のテルペン留分を塩化
アルミニウム、三フッ化ホウ素等のフリーデルクラフト
触媒を用いてカチオン重合することにより得られるテル
ペン系樹脂を水素添加したものである。これらの水素添
加でも上記石油樹脂の方法と同様の方法が採用される。
このような水素添加テルペン系樹脂の市販品の代表例と
しては、アルコンP140(荒川化学社製)、クリアロ
ンM105(ヤスハラケミカル社製)、エスコレッツE
−5320(エクソン化学社製)等やこれらの軟化点等
のグレードの異なるものがある。
【0020】樹脂bはA−B−Aブロック共重合体10
0重量部に対し1〜100重量部、さらに好ましくは5
〜50重量部混和される。樹脂bの配合量が1重量部を
下回ると粘着性が発現しにくく、100重量部を越える
と接着性が高くなりすぎ、樹脂a存在下でも剥離しにく
く、粘着シートが使用しにくくなる。
【0021】使用する樹脂が各ブロック相に相溶か非相
溶かを判定する手段は、つぎの通りである。すなわち、
各樹脂をA−B−Aブロック共重合体に(A−B−A共
重合体)/樹脂=2/1で混合し、この混合物の粘弾性
挙動を測定し、各ブロック相に由来するガラス転移温度
を測定し、該混合物のガラス転移温度が非混合時のA−
B−A共重合体のそれぞれのブロック相のガラス転移温
度と同等の場合に非相溶と判定し、また樹脂のガラス転
移温度の方にシフトした場合に相溶したと判断する。
【0022】任意添加成分であるエチレン−α−オレフ
ィン共重合体は、α−オレフィンとしてプロピレン、1
−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン
等が用いられ、特に1−ブテンが好適に使用できる。エ
チレン−α−オレフィン共重合体はA−B−Aブロック
共重合体100重量部に対し、好適には10〜200重
量部、さらに好適には20〜100重量部配合される。
このエチレン−α−オレフィン共重合体は上記A−B−
Aブロック共重合体とは非相溶であり、A−B−Aブロ
ック共重合体と樹脂aおよび樹脂bとの均一混合物中に
細かく分散しているものと考えられる。エチレン−α−
オレフィン共重合体の添加量が10部より少ない場合、
その添加効果が発現せず、200部より多いと相の転換
があるためか粘着力が激減する。
【0023】さらに、表面保護粘着シートは仮着のため
の適度な粘着性を有するとともに、使用後に、各種被着
体の表面を粘着剤で汚染することなく容易に剥すことが
できなければならないという特性を充分に確保するため
には、粘着剤が接着昂進を抑える物質を含有することが
望ましい。このような物質の一例として、高級アルキル
基の導入されたポリエチレンイミンが挙げられる。
【0024】高級アルキル基の導入されたポリエチレン
イミンとしては平均分子量が1000〜20000のも
のが好ましく、また高級アルキル基はポリエチレンイミ
ンのイミン基に対し0.5〜1.0当量導入されるのが
好ましく、より好ましくは0.7〜1.0当量である。
高級アルキル基としては一般に炭素原子数が12以上の
アルキル基が好ましく、特にオクタデシル基が好適であ
る。ポリエチレンイミンに高級アルキル基を導入するに
は、例えば、ポリエチレンイミンに過剰の高級アルキル
イソシアネートを加え、重付加反応を行う。高級アルキ
ル基の導入されたポリエチレンイミンの添加量は0.0
1〜3重量部が好ましい。該添加量が0.01重量部を
下回るとその添加効果が発現せず、3重量部を越えると
これが粘着剤層の表面に多量にブリードして被着体が汚
染され、好ましくない。添加量はさらに好ましくは0.
1〜2重量部、最も好ましくは0.2〜1.2重量部で
ある。
【0025】粘着剤の配合としては、上記ブロック共重
合体と樹脂aおよび樹脂bとの混合物が基本であるが、
これに用途に応じて軟化剤、劣化防止剤、紫外線吸収
剤、充填剤等、粘着剤配合の公知の添加剤が適宜加えら
れる。
【0026】本発明による表面保護粘着シートを製造す
るには、例えば、予めシート状に成形したポリオレフィ
ン系樹脂製の基材フィルムに、該粘着剤を溶液で塗布し
乾燥するか、または離型紙上に該粘着剤を溶液で塗布し
乾燥し、形成された粘着剤層をポリオレフィン系樹脂製
の基材フィルムにラミネートする。特に好ましい方法と
しては、該基材用樹脂と該粘着剤とを溶融共押出法によ
りシート状に一体成形することにより、粘着シートを製
造する方法がある。上記溶液塗布またはラミネートの場
合、基材と粘着剤層の結合が充分でない場合があるが、
上記共押出法によれば、基材と粘着剤層が溶融状態で密
着されるため、両者の強固な層間接着強度が発現し、層
間剥離のない性能を発揮する粘着シートが得られる。
【0027】
【作用】本発明の表面保護粘着シートはその粘着剤層が
一般式A−B−Aで表される水素添加されたブロック共
重合体とスチレン重合体ブロックにのみ相溶する樹脂a
とオレフィン重合体ブロックにのみ相溶する粘着付与樹
脂bとを所要割合で混和したものからなる。一般式A−
B−Aで表される水素添加されたブロック共重合体はブ
ロックAとブロックBとがそれぞれ相分離した状態で存
在し、通常ブロックA相が島状に点在し、ブロックB相
が海状になっていると考えられている。島状に存在する
ブロックA相は常温付近ではガラス状態であり、海状の
ブロックB相の擬架橋点(熱的に可逆な)となってお
り、粘着剤の凝集力を維持していると考えられている。
【0028】樹脂bはA−B−Aブロック共重合体のオ
レフィン重合体ブロックB相に選択的に相溶し適度の粘
着性を発現する。樹脂aはスチレン重合体ブロックA相
に選択的に相溶し、該ブロック相の構造強化を果たして
いると考えられる。
【0029】さらに、エチレン−α−オレフィン共重合
体は上記A−B−Aブロック共重合体と樹脂aおよび粘
着付与樹脂bの均一混合物中に均一分散することにより
マクロな擬架橋構造を呈していると推定される。
【0030】そこで本発明の目的である適度の初期接着
性を有し、かつ10m/min以上の剥離作業において
軽度の力で剥しうる表面保護粘着シートを提供すること
に対する上記発明構成の作用メカニズムは明確には解明
されていないが、概略次のように考えられる。すなわち
被着体表面に密着された粘着シートを引き剥す際に、そ
の剥離力は粘着剤の粘弾性の効果として粘性の効果が大
きく、粘着剤の塑性変形または流動変形によって剥離エ
ネルギーが消費されると考えられる。A−B−Aブロッ
ク共重合体からなる粘着剤の場合、スチレン重合体ブロ
ック相Aが島状に熱可塑性的擬架橋点を形成しているた
め、剥離の際に該擬架橋点が解きほぐれ等の塑性変形が
しやすく、そのことにより剥離強度が高くなる。この変
形は粘性的と考えられるので当然速度依存性を有してお
り、高速になればより弾性的変形に移行し剥離エネルギ
ー的には減少する。ここでスチレン重合体ブロック相A
を樹脂aにより強化することにより、高速剥離時に該相
の変形性が低下し、剥離エネルギーが減少することによ
って軽度の剥離力が得られるものと考えられる。
【0031】また、粘着剤がさらに所要割合のエチレン
−α−オレフィン共重合体を含む場合、エチレン−α−
オレフィン共重合体の分散構造が相乗的に働き、剥離エ
ネルギーが一層減少することによって軽度の剥離力が得
られるものと考えられる。
【0032】また、粘着剤がさらに、高級アルキル基の
導入されたポリエチレンイミンを含む場合、これが経時
的に粘着剤表面にブリードして貼付された被着体との親
和力を適度に抑え、これが経時的な接着力の昂進を防止
するものと考えられる。さらに、該ポリエチレンイミン
は上記樹脂aとの共存下において高速剥離性を高めるた
め、経時後非常に剥し易い表面保護粘着シートが得られ
る。
【0033】
【実施例】以下、本発明の効果について実施例をもって
実証する。
【0034】実施例1 一般式A−B−Aのブロック共重合体(Aはスチレン重
合体ブロック、Bはブタジエン重合体を水素添加したも
の、商品名クレイトンG−1657)100重量部に対
し、樹脂aとして軟化点155℃のスチレン−α−メチ
ルスチレン共重合体(商品名エンデックス155)10
重量部、樹脂bとして水素添加された石油樹脂(商品名
エスコレッツE−5300)10重量部、およびフェノ
ール系酸化防止剤(商品名イルガノックス1010、日
本チバガイギー社製)1重量部を混和して粘着剤組成物
を得た。
【0035】上記粘着剤組成物と低密度ポリエチレン
(メルトインデックス 7g/10min)とを共押出
して厚み60μmの低密度ポリエチレンからなる基材フ
ィルムの片面に厚み10μmの粘着剤層が形成された表
面保護粘着シートを得た。
【0036】なおここで使用したスチレン−α−メチル
スチレン共重合体はブロックA相にのみ相溶し、ブロッ
クB相にはまったく相溶性がなく、水素添加された石油
樹脂はブロックA相に相溶せず、ブロックB相にのみ相
溶していることを粘弾性挙動から確認した。
【0037】実施例2〜5 実施例1の組成において各構成成分の配合割合を表1に
示す値に替えた以外、実施例1と同様の方法で表面保護
粘着シートを得た。
【0038】実施例6 実施例1において、一般式A−B−Aのブロック共重合
体を、Aがスチレン重合体ブロック、Bがイソプレン重
合体を水素添加したものである共重合体(商品名セプト
ン2023)に替え、樹脂aとしてスチレン−α−メチ
ルスチレン共重合体の代わりに軟化点160℃のスチレ
ン−α−メチルスチレン共重合体(商品名エンデックス
160)に替え、樹脂bとして水素添加された石油樹脂
(商品名アルコンP125)に替えた以外、実施例1と
同様の方法で表面保護粘着シートを得た。
【0039】なお、ここで使用したスチレン−α−メチ
ルスチレン共重合体はブロックA相にのみ相溶し、ブロ
ックB相には全く相溶性がないこと、および水素添加さ
れた石油樹脂はブロックA相に相溶せず、ブロックB相
にのみ相溶していることを粘弾性挙動から確認した。
【0040】実施例7 実施例1においてスチレン−α−メチルスチレン共重合
体の代わりに軟化点150℃のインデン樹脂(商品名エ
スリジッド、新日鐵化学社製)を用いた以外、実施例1
と同様の方法で表面保護粘着シートを得た。
【0041】なお、ここで使用したインデン樹脂はブロ
ックA相にのみ相溶し、ブロックB相には全く相溶性が
ないことを粘弾性挙動から確認した。
【0042】比較例1〜2 実施例1においてスチレン−α−メチルスチレン共重合
体または水素添加された石油樹脂を用いない以外、実施
例1と同様の方法で表面保護粘着シートを得た。
【0043】比較例3 実施例1においてスチレン−α−メチルスチレン共重合
体の代わりに軟化点130℃のテルペンフェノール樹脂
(商品名YSポリスター2130、ヤスハラケミカル社
製)を用いた以外、実施例1と同様の方法で表面保護粘
着シートを得た。
【0044】ここで使用したテルペンフェノール樹脂は
ブロックA相とブロックB相ともに相溶性を示すことが
粘弾性挙動から確認された。
【0045】比較例4 実施例1において水素添加された石油樹脂の代わりに水
素添加されたロジンエステル樹脂(商品名フォーラル1
05、理化ハーキュレス社製)を用いた以外、実施例1
と同様の方法で表面保護粘着シートを得た。
【0046】実施例8 一般式A−B−Aのブロック共重合体(Aはスチレン重
合体ブロック、Bはブタジエン重合体を水素添加したも
の、商品名クレイトンG−1657)100重量部に対
し、樹脂aとして軟化点155℃のスチレン−α−メチ
ルスチレン共重合体(商品名エンデックス155)10
重量部、樹脂bとして水素添加された石油樹脂(商品名
エスコレッツE−5300)10重量部、高級アルキル
基の導入されたポリエチレンイミンとしてオクタデシル
イソシアネート付加ポリエチレンイミン(融点60℃)
1重量部、およびフェノール系酸化防止剤(商品名イル
ガノックス1010、日本チバガイギー社製)1重量部
を混和して粘着剤組成物を得た。
【0047】上記粘着剤組成物と低密度ポリエチレン
(メルトインデックス 7g/10min)とを共押出
して厚み60μmの低密度ポリエチレンからなる基材フ
ィルムの片面に厚み10μmの粘着剤層が形成された表
面保護粘着シートを得た。
【0048】なおここで使用したスチレン−α−メチル
スチレン共重合体はブロックA相にのみ相溶し、ブロッ
クB相にはまったく相溶性がなく、水素添加された石油
樹脂はブロックAに相溶せず、ブロックBにのみ相溶し
ていることを粘弾性挙動から確認した。
【0049】実施例9〜12 実施例8の組成において各構成成分の配合割合を表2に
示す値に替えた以外、実施例8と同様の方法で表面保護
粘着シートを得た。
【0050】実施例13 実施例8において、一般式A−B−Aのブロック共重合
体を、Aがスチレン重合体ブロック、Bがイソプレン重
合体を水素添加したものである共重合体(商品名セプト
ン2023)に替え、樹脂aとしてスチレン−α−メチ
ルスチレン共重合体の代わりに軟化点160℃のスチレ
ン−α−メチルスチレン共重合体(商品名エンデックス
160)に替え、樹脂bとして水素添加された石油樹脂
(商品名アルコンP125)に替えた以外、実施例8と
同様の方法で表面保護粘着シートを得た。
【0051】なお、ここで使用したスチレン−α−メチ
ルスチレン共重合体はブロックA相にのみ相溶し、ブロ
ックB相には全く相溶性がないこと、および水素添加さ
れた石油樹脂はブロックA相に相溶せず、ブロックB相
にのみ相溶していることを粘弾性挙動から確認した。
【0052】実施例14 実施例8においてスチレン−α−メチルスチレン共重合
体の代わりに軟化点150℃のインデン樹脂(商品名エ
スリジッド、新日鐵化学社製)を用いた以外、実施例8
と同様の方法で表面保護粘着シートを得た。
【0053】なお、ここで使用したインデン樹脂はブロ
ックA相にのみ相溶し、ブロックB相には全く相溶性が
ないことを粘弾性挙動から確認した。
【0054】比較例5〜6 実施例8においてスチレン−α−メチルスチレン共重合
体または水素添加された石油樹脂を用いない以外、実施
例8と同様の方法で表面保護粘着シートを得た。
【0055】比較例7 実施例8においてスチレン−α−メチルスチレン共重合
体の代わりに軟化点130℃のテルペンフェノール樹脂
(商品名YSポリスター2130、ヤスハラケミカル社
製)を用いた以外、実施例8と同様の方法で表面保護粘
着シートを得た。
【0056】ここで使用したテルペンフェノール樹脂は
ブロックA相とブロックB相ともに相溶性を示すことが
粘弾性挙動から確認された。
【0057】比較例8 実施例8において水素添加された石油樹脂の代わりに水
素添加されたロジンエステル樹脂(商品名フォーラル1
05、理化ハーキュレス社製)を用いた以外、実施例8
と同様の方法で表面保護粘着シートを得た。
【0058】実施例15 一般式A−B−Aのブロック共重合体(Aはスチレン重
合体ブロック、Bはブタジエン重合体を水素添加したも
の、商品名クレイトンG−1657)100重量部に対
し、樹脂aとして軟化点155℃のスチレン−α−メチ
ルスチレン共重合体(商品名エンデックス155)10
重量部、樹脂bとして水素添加された石油樹脂(商品名
エスコレッツE−5300)10重量部、エチレン−1
−ブテン共重合体50重量部、フェノール系酸化防止剤
(商品名イルガノックス1010、日本チバガイギー社
製)1重量部および高級アルキル基の導入されたポリエ
チレンイミンとしてオクタデシルイソシアネート付加ポ
リエチレンイミン(融点60℃)1重量部を混和して粘
着剤組成物を得た。
【0059】上記粘着剤組成物と低密度ポリエチレン
(メルトインデックス7g/10min)とを共押出し
て厚み60μmの低密度ポリエチレンからなる基材フィ
ルムの片面に厚み10μmの粘着剤層が形成された表面
保護粘着シートを得た。
【0060】なおここで使用したスチレン−α−メチル
スチレン共重合体はブロックA相にのみ相溶し、ブロッ
クB相にはまったく相溶性がなく、水素添加された石油
樹脂はブロックAに相溶せず、ブロックBにのみ相溶し
ていることを粘弾性挙動から確認した。
【0061】実施例16〜19 実施例15の組成において各構成成分の配合割合を表3
に示す値に替えた以外、実施例15と同様の方法で表面
保護粘着シートを得た。
【0062】実施例20 実施例15において、一般式A−B−Aのブロック共重
合体を、Aがスチレン重合体ブロック、Bがイソプレン
重合体を水素添加したものである共重合体(商品名セプ
トン2023)に替え、スチレン−α−メチルスチレン
共重合体の代わりに軟化点150℃のインデン樹脂(商
品名エスリジッド、新日鐵化学社製)に替えた以外、実
施例15と同様の方法で表面保護粘着シートを得た。
【0063】なお、ここで使用したインデン樹脂はブロ
ックA相にのみ相溶し、ブロックB相には全く相溶性が
ないことを粘弾性挙動から確認した。
【0064】比較例9〜10 実施例15においてスチレン−α−メチルスチレン共重
合体または水素添加された石油樹脂を用いない以外、実
施例15と同様の方法で表面保護粘着シートを得た。
【0065】比較例11 実施例15においてスチレン−α−メチルスチレン共重
合体の代わりに軟化点130℃のテルペンフェノール樹
脂(商品名YSポリスター2130、ヤスハラケミカル
社製)を用いた以外、実施例15と同様の方法で表面保
護粘着シートを得た。
【0066】ここで使用したテルペンフェノール樹脂は
ブロックA相とブロックB相ともに相溶性を示すことが
粘弾性挙動から確認された。
【0067】比較例12 実施例15において水素添加された石油樹脂の代わりに
水素添加されたロジンエステル樹脂(商品名フォーラル
105、理化ハーキュレス社製)を用いた以外、実施例
15と同様の方法で表面保護粘着シートを得た。
【0068】ここで使用したテルペンフェノール樹脂は
ブロックA相とブロックB相ともに相溶性を示すことが
粘弾性挙動から確認された。
【0069】比較例13 実施例15において、樹脂aとエチレン−α−オレフィ
ン共重合体といずれも用いない以外、実施例15と同様
の方法で表面保護粘着シートを得た。
【0070】表面保護粘着シートの性能試験 実施例および比較例で得られた表面保護粘着シートの初
期接着性と経時後の低速での剥離力および高速での剥離
力を下記の方法で測定した。これらの測定結果を表1〜
3に示す。
【0071】1)初期接着力測定 被着体としてのアクリル塗装鋼板に、表面保護粘着シー
トの20mm幅の試験片を2kgのゴムローラーで1往
復圧着して貼付した。この試験片に対し、JIS Z0
237に準じて貼付20分後に180度剥離試験(剥離
速度300mm/min)を行い、剥離力(初期接着
力)を測定した。
【0072】2)経時後低速剥離力および高速剥離力測
定 被着体としてのアクリル塗装鋼板に、表面保護粘着シー
トの20mm幅の試験片を貼付し、実施例1〜7および
比較例1〜4の試験片については、50トン/m2 の圧
力で7日間密着させ、実施例8〜14および比較例5〜
8の試験片については、50トン/m2 の圧力で7日間
温度65℃で密着させ、実施例15〜20および比較例
9〜13の試験片については、500トン/m2 の圧力
で7日間密着させ、その後上記と同様に300mm/m
inでの低速剥離強度と10m/min、30m/mi
nでの高速剥離強度を測定した。
【0073】
【表1】 表1において、実施例による表面保護粘着シートは適度
な初期粘着性を示し、かつ圧力下の経時後での手剥しを
想定した剥離速度10〜30m/minでの高速剥離力
が経時後の低速剥離力に比べて大幅に低下し、極めて剥
し易い表面保護粘着シートであることがわかる。
【0074】それらに比して比較例1では樹脂aがない
とき、高速での剥離力が低下せずまた比較例2では樹脂
bがないとき初期粘着性が低すぎ、浮きが発生した。比
較例3、4では両ブロックA、B相に相溶する樹脂を使
用したため高速剥離力が低下せず、表面保護粘着シート
はテープ切れや延びを引き起こし極めて剥しにくいもの
であることがわかる。
【0075】
【表2】 表2において、実施例による表面保護粘着シートは適度
な初期粘着性を示し、かつ圧力下の経時後での手剥しを
想定した剥離速度10〜30m/minでの高速剥離力
が経時後の低速剥離力に比べて大幅に低下し、極めて剥
し易い表面保護粘着シートであることがわかる。
【0076】それらに比して比較例5では樹脂aがない
とき高速での剥離力が低下せずまた比較例6では樹脂b
がないとき初期粘着性が低すぎ、浮きが発生した。比較
例7、8では両ブロックA、B相に相溶する樹脂を使用
したため高速剥離力が低下せず、表面保護粘着シートは
テープ切れや延びを引き起こし極めて剥しにくいもので
あることがわかる。
【0077】
【表3】 表3において、実施例による表面保護粘着シートは適度
な初期粘着性を示し、かつ圧力下の経時後での手剥しを
想定した剥離速度10〜30m/minでの高速剥離力
が経時後の低速剥離力に比べて大幅に低下し、極めて剥
し易い表面保護粘着シートであることがわかる。
【0078】それらに比して比較例9では樹脂aがない
とき、高速での剥離力が低下せずまた比較例10では樹
脂bがないとき初期粘着性が低すぎ、浮きが発生した。
比較例11、12では両ブロックA、B相に相溶する樹
脂を使用したため高速剥離力が低下せず、表面保護粘着
シートはテープ切れや延びを引き起こし極めて剥しにく
いものであることがわかる。比較例13では樹脂aもエ
チレン−α−オレフィンもない場合、経時後非常に高い
接着性を示し、被着体の塗装鋼板から剥がれない状態で
あることがわかる。
【0079】
【発明の効果】本発明の表面保護粘着シートは優れた初
期粘着性と良好な再剥離性を有しており、各種塗装鋼
板、化粧合板、アルミニウム板、ステンレス板や樹脂板
等の表面保護に好適に使用できるものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂からなる基材フィ
    ルムの片面に一般式A−B−Aのブロック共重合体(式
    中、Aはスチレン重合体ブロックを示し、Bはブタジエ
    ンまたはイソプレン重合体を水素添加して得られるオレ
    フィン重合体ブロックを示す)100重量部にスチレン
    重合体ブロックにのみ相溶する樹脂aを1〜50重量
    部、およびオレフィン重合体ブロックにのみ相溶する粘
    着付与樹脂bを1〜100重量部混合してなる粘着剤層
    が形成されてなることを特徴とする表面保護粘着シー
    ト。
  2. 【請求項2】 該粘着剤がさらに、高級アルキル基の導
    入されたポリエチレンイミンを0.1〜3重量部含有し
    てなる請求項1記載の表面保護粘着シート。
  3. 【請求項3】 該粘着剤がさらにエチレン−α−オレフ
    ィン共重合体を10〜200重量部含有してなる請求項
    1または2記載の表面保護粘着シート。
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