JPH06263558A - 多孔質炭素板の製法および多孔質炭素電極材 - Google Patents
多孔質炭素板の製法および多孔質炭素電極材Info
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- JPH06263558A JPH06263558A JP5049263A JP4926393A JPH06263558A JP H06263558 A JPH06263558 A JP H06263558A JP 5049263 A JP5049263 A JP 5049263A JP 4926393 A JP4926393 A JP 4926393A JP H06263558 A JPH06263558 A JP H06263558A
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 直径が15〜30μmで好ましくはアスペク
ト比(L/D)が3〜30の炭素繊維とバインダー、例
えばフェノール樹脂とを含有する材料からなる成形体を
硬化させた後、不活性雰囲気下で焼成する多孔質炭素板
の製法、およびこの製法で得た多孔質炭素電極材。 【効果】 一定嵩密度に於けるガス透過度が著しく改良
されており、ガス透過度を一定とした場合には厚み方向
の熱伝導や電気伝導また曲げ強度の特性の大きな多孔質
炭素板が得られ、高効率の燐酸型燃料電池用電極材とし
て用いられる。
ト比(L/D)が3〜30の炭素繊維とバインダー、例
えばフェノール樹脂とを含有する材料からなる成形体を
硬化させた後、不活性雰囲気下で焼成する多孔質炭素板
の製法、およびこの製法で得た多孔質炭素電極材。 【効果】 一定嵩密度に於けるガス透過度が著しく改良
されており、ガス透過度を一定とした場合には厚み方向
の熱伝導や電気伝導また曲げ強度の特性の大きな多孔質
炭素板が得られ、高効率の燐酸型燃料電池用電極材とし
て用いられる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定範囲の炭素繊維を用
いた多孔質炭素板の製法に関するものであり、得られた
多孔質炭素板は燐酸型燃料電池等の電極材や耐熱材、耐
蝕性フィルター等に用いられる。
いた多孔質炭素板の製法に関するものであり、得られた
多孔質炭素板は燐酸型燃料電池等の電極材や耐熱材、耐
蝕性フィルター等に用いられる。
【0002】
【従来の技術】省エネルギ−、無公害型の次世代型発電
方式として注目されている各種燃料電池の内、電解質と
して燐酸を用いる燐酸型燃料電池は、第一世代の燃料電
池として最も実用化に近く、実証テストを行う段階まで
開発が進められている。燐酸型燃料電池において、電池
本体は電極板、セパレ−タ−、冷却板等を積層したもの
で構成されているがその殆どに炭素材が用いられてい
る。これは、力学強度が高く取扱い性に優れていること
のほか、約200℃という反応温度での電解質(燐酸)
に対する耐久性に優れていることや、熱伝導性に優れて
いること、また多孔質性(電極板の場合)やガス不透過
性(セパレ−タ−の場合)に優れていると言った特徴を
炭素材が併せ持っていることによる。
方式として注目されている各種燃料電池の内、電解質と
して燐酸を用いる燐酸型燃料電池は、第一世代の燃料電
池として最も実用化に近く、実証テストを行う段階まで
開発が進められている。燐酸型燃料電池において、電池
本体は電極板、セパレ−タ−、冷却板等を積層したもの
で構成されているがその殆どに炭素材が用いられてい
る。これは、力学強度が高く取扱い性に優れていること
のほか、約200℃という反応温度での電解質(燐酸)
に対する耐久性に優れていることや、熱伝導性に優れて
いること、また多孔質性(電極板の場合)やガス不透過
性(セパレ−タ−の場合)に優れていると言った特徴を
炭素材が併せ持っていることによる。
【0003】この内炭素電極板としては、燐酸を保持し
たり、ガスを透過したりするために多孔質性であり、か
つ厚み方向の熱伝導、電気伝導に優れ、また取扱い性が
容易な力学強度を有していることが必要であり、これら
の性質を併せ持つ多孔質炭素板が用いられている。
たり、ガスを透過したりするために多孔質性であり、か
つ厚み方向の熱伝導、電気伝導に優れ、また取扱い性が
容易な力学強度を有していることが必要であり、これら
の性質を併せ持つ多孔質炭素板が用いられている。
【0004】従来、多孔質炭素板の製法としては、繊維
状物質を主材とし、これを樹脂等のバインダーにて板状
に成形後、次いで焼成して得る方法が一般的である。こ
の方法に於いて、繊維状物質にはパルプ、ポリアクリル
ニトリル、フェノ−ル樹脂等の有機繊維、あるいは炭素
質繊維、黒鉛質繊維等の炭素繊維が、各々単独あるいは
それらを複合して用いられる。有機繊維使用の場合に
は、焼成工程に於ける素材の収縮を防ぐために、繊維表
面に酸化皮膜を形成する等、何らかの不融化処理を施す
か、焼成工程での収縮の無い炭素繊維との複合にする等
の方策を講じる必要がある。
状物質を主材とし、これを樹脂等のバインダーにて板状
に成形後、次いで焼成して得る方法が一般的である。こ
の方法に於いて、繊維状物質にはパルプ、ポリアクリル
ニトリル、フェノ−ル樹脂等の有機繊維、あるいは炭素
質繊維、黒鉛質繊維等の炭素繊維が、各々単独あるいは
それらを複合して用いられる。有機繊維使用の場合に
は、焼成工程に於ける素材の収縮を防ぐために、繊維表
面に酸化皮膜を形成する等、何らかの不融化処理を施す
か、焼成工程での収縮の無い炭素繊維との複合にする等
の方策を講じる必要がある。
【0005】従って、多孔質炭素板の製造に於いては、
炭素繊維を主材とする方法が最も容易な方法である。炭
素繊維としては光学的等方性ピッチからの汎用炭素繊維
や光学的異方性ピッチからの高性能炭素繊維及びポリア
クリロニトリルやレ−ヨン等の有機繊維を出発物質とし
た炭素繊維などが用いられる。炭素繊維の繊維直径とし
ては、通常有機繊維を出発物質とするもので6〜8μ
m、高性能ピッチ系炭素繊維で10μm前後、汎用炭素
繊維で11〜13μmのものが使用されている。これら
は主に力学強度を始めとする物性を出来るだけ高め、且
つコスト高にならないことを考慮して決定されている。
炭素繊維を主材とする方法が最も容易な方法である。炭
素繊維としては光学的等方性ピッチからの汎用炭素繊維
や光学的異方性ピッチからの高性能炭素繊維及びポリア
クリロニトリルやレ−ヨン等の有機繊維を出発物質とし
た炭素繊維などが用いられる。炭素繊維の繊維直径とし
ては、通常有機繊維を出発物質とするもので6〜8μ
m、高性能ピッチ系炭素繊維で10μm前後、汎用炭素
繊維で11〜13μmのものが使用されている。これら
は主に力学強度を始めとする物性を出来るだけ高め、且
つコスト高にならないことを考慮して決定されている。
【0006】一般に炭素電極板に於いて必要とされる物
性のうち、多孔質性に基ずく気孔率(嵩密度)やガス透
過度の物性と、緻密性に比例する熱伝導、電気抵抗、力
学強度等の物性は相反するものであることから、炭素電
極板の製造に於いてはこれら多孔質性と緻密性のいずれ
か一方に片寄らず、各物性を必要に応じてバランス良く
保持するような適切な多孔質程度(緻密程度)に制御さ
れている。例えば原料組成では、用いる炭素繊維の物
性、炭素繊維やバインダ−の比率、添加黒鉛粉の混入比
率などが、また製造条件では成形方法や焼成温度などが
検討され、バランス良い物性を目指した炭素電極板が製
造されている。
性のうち、多孔質性に基ずく気孔率(嵩密度)やガス透
過度の物性と、緻密性に比例する熱伝導、電気抵抗、力
学強度等の物性は相反するものであることから、炭素電
極板の製造に於いてはこれら多孔質性と緻密性のいずれ
か一方に片寄らず、各物性を必要に応じてバランス良く
保持するような適切な多孔質程度(緻密程度)に制御さ
れている。例えば原料組成では、用いる炭素繊維の物
性、炭素繊維やバインダ−の比率、添加黒鉛粉の混入比
率などが、また製造条件では成形方法や焼成温度などが
検討され、バランス良い物性を目指した炭素電極板が製
造されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】多孔質炭素板の製造に
おいては、従来、以上のように相反する多孔質性と緻密
性をバランスさせた条件での最適化はなされているが、
例えば高効率の燐酸型燃料電池の性能としてはまだ充分
でなく、物性バランスを取る以外のより優れた多孔質炭
素板の開発が望まれている。即ち、例えば所定のガス透
過性を従来より高い嵩密度で達成できるならば、得られ
る多孔質炭素板は所定のガス透過性を有し且つ(緻密性
が高いことより)高い熱伝導や電気伝導また力学強度等
の物性を保持することとなり優れた多孔質炭素電極材の
開発に至ることが期待される。
おいては、従来、以上のように相反する多孔質性と緻密
性をバランスさせた条件での最適化はなされているが、
例えば高効率の燐酸型燃料電池の性能としてはまだ充分
でなく、物性バランスを取る以外のより優れた多孔質炭
素板の開発が望まれている。即ち、例えば所定のガス透
過性を従来より高い嵩密度で達成できるならば、得られ
る多孔質炭素板は所定のガス透過性を有し且つ(緻密性
が高いことより)高い熱伝導や電気伝導また力学強度等
の物性を保持することとなり優れた多孔質炭素電極材の
開発に至ることが期待される。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべく鋭意研究した結果、従来一般的に用い
られている炭素繊維の代わりに、直径15〜30μmの
炭素繊維を用いること好ましくはアスペクト比(L/
D)が3〜30である上記炭素繊維を用いることで、一
定嵩密度でのガス透過性が従来より大きく向上するこ
と、即ちガス透過性を一定に保持する条件下で嵩密度を
従来より上げることが出来ることを見い出し、本発明を
完成するに至った。このようにして得られた多孔質炭素
板は所定のガス透過性を持ち、且つ熱伝導、電気伝導、
力学強度等の緻密性に比例した物性が大幅に向上したも
のであり、燃料電池用電極材として好適であった。
課題を解決すべく鋭意研究した結果、従来一般的に用い
られている炭素繊維の代わりに、直径15〜30μmの
炭素繊維を用いること好ましくはアスペクト比(L/
D)が3〜30である上記炭素繊維を用いることで、一
定嵩密度でのガス透過性が従来より大きく向上するこ
と、即ちガス透過性を一定に保持する条件下で嵩密度を
従来より上げることが出来ることを見い出し、本発明を
完成するに至った。このようにして得られた多孔質炭素
板は所定のガス透過性を持ち、且つ熱伝導、電気伝導、
力学強度等の緻密性に比例した物性が大幅に向上したも
のであり、燃料電池用電極材として好適であった。
【0009】即ち、本発明は、直径15〜30μmであ
る、好ましくはアスペクト比(L/D)が3〜30でも
ある炭素繊維とバインダーとを含有する材料からなる成
形体を硬化させた後、焼成することを特徴とする多孔質
炭素板の製法、およびこの製法で得た多孔質炭素電極材
を提供するものである。
る、好ましくはアスペクト比(L/D)が3〜30でも
ある炭素繊維とバインダーとを含有する材料からなる成
形体を硬化させた後、焼成することを特徴とする多孔質
炭素板の製法、およびこの製法で得た多孔質炭素電極材
を提供するものである。
【0010】本発明は、多孔質炭素板の物性制御に関し
て、多孔質性を示す気孔率(=(1-嵩密度/1.
6))とガス透過度の関係を支配する因子を詳細に検討
する過程でそれらの関係が一義的に決定されるものでな
く、素材の形状因子によって大きく異なること、つまり
同一嵩密度の炭素板においてガス透過率の大きく異なる
ものを得ることが可能であることを見い出したことを基
本とし、所定のガス透過度を有し且つ従来より高い熱伝
導、電気伝導、力学強度を有するものを発現することが
出来たことに基ずいている。
て、多孔質性を示す気孔率(=(1-嵩密度/1.
6))とガス透過度の関係を支配する因子を詳細に検討
する過程でそれらの関係が一義的に決定されるものでな
く、素材の形状因子によって大きく異なること、つまり
同一嵩密度の炭素板においてガス透過率の大きく異なる
ものを得ることが可能であることを見い出したことを基
本とし、所定のガス透過度を有し且つ従来より高い熱伝
導、電気伝導、力学強度を有するものを発現することが
出来たことに基ずいている。
【0011】図1に従来用いられている炭素繊維を用い
た場合の多孔質炭素板の嵩密度とガス透過度の関係を示
す。この関係には炭素繊維とバインダ−の比率を変えた
ものや圧縮成形条件を変えたもの及び同程度の直径を有
する炭素繊維の種類を変えたもの等が含まれている。図
1に示すように多くの場合基本的には、多孔質炭素板の
ガス透過度はその板の嵩密度によって決定され、大きく
その関係から逸脱したものを得ることは困難であった。
但し、一定嵩密度のものでもバインダ−の中にウッドパ
ルプを含ませた場合はより低いガス透過度を示すことが
図1より判る。一方、一定嵩密度でより高いガス透過度
のものを得ることは従来の知見からも図1のデ−タから
も得られなかった。本発明者らは広範囲の添加材、バイ
ンダ−、および炭素繊維の種類を検討する中から、図2
に示すように直径として15〜30μmの炭素繊維でを
用いた場合従来のデ−タから大きく逸脱し改良された多
孔質炭素板が得られることを明かにし本発明に至った。
た場合の多孔質炭素板の嵩密度とガス透過度の関係を示
す。この関係には炭素繊維とバインダ−の比率を変えた
ものや圧縮成形条件を変えたもの及び同程度の直径を有
する炭素繊維の種類を変えたもの等が含まれている。図
1に示すように多くの場合基本的には、多孔質炭素板の
ガス透過度はその板の嵩密度によって決定され、大きく
その関係から逸脱したものを得ることは困難であった。
但し、一定嵩密度のものでもバインダ−の中にウッドパ
ルプを含ませた場合はより低いガス透過度を示すことが
図1より判る。一方、一定嵩密度でより高いガス透過度
のものを得ることは従来の知見からも図1のデ−タから
も得られなかった。本発明者らは広範囲の添加材、バイ
ンダ−、および炭素繊維の種類を検討する中から、図2
に示すように直径として15〜30μmの炭素繊維でを
用いた場合従来のデ−タから大きく逸脱し改良された多
孔質炭素板が得られることを明かにし本発明に至った。
【0012】本発明で用いる炭素繊維としては、直径1
5〜30μmのもの、好ましくは直径が15〜30μm
でアスペクト比(L/D)が3〜30のものが良く、そ
の出発原料、製法等に特に限定されない。一般には炭化
収率が高い、また大直径のものが製造し易いと言った理
由からピッチ系炭素繊維を使用するほうが好ましい。直
径が15μm未満では、一定気孔率におけるガス透過度
の値が従来用いれているものと変わりない。一方直径が
30μm以上では炭素繊維の製造が難しいほか、力学強
度等の物性が低いものとなり、それより得られる多孔質
炭素板も力学強度が低いものしか得られない。またアス
ペクト比が3未満のものは製造が困難でコスト高となる
ほか力学強度において劣る。アスペクト比は30を越え
ると乾式成形の場合均一分散が難しくなる傾向を有す
る。
5〜30μmのもの、好ましくは直径が15〜30μm
でアスペクト比(L/D)が3〜30のものが良く、そ
の出発原料、製法等に特に限定されない。一般には炭化
収率が高い、また大直径のものが製造し易いと言った理
由からピッチ系炭素繊維を使用するほうが好ましい。直
径が15μm未満では、一定気孔率におけるガス透過度
の値が従来用いれているものと変わりない。一方直径が
30μm以上では炭素繊維の製造が難しいほか、力学強
度等の物性が低いものとなり、それより得られる多孔質
炭素板も力学強度が低いものしか得られない。またアス
ペクト比が3未満のものは製造が困難でコスト高となる
ほか力学強度において劣る。アスペクト比は30を越え
ると乾式成形の場合均一分散が難しくなる傾向を有す
る。
【0013】本発明で用いるバインダーとしては、有機
質バインダー、無機質バインダー、又はこれらを組み合
わせたもののいずれでもで良く、なかでも400℃以上
で炭化するものが好ましい。これらバインダーの具体例
としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂及びピッチ
類等が挙げられ、なかでも残炭率が高い点でフェノール
樹脂が好ましい。
質バインダー、無機質バインダー、又はこれらを組み合
わせたもののいずれでもで良く、なかでも400℃以上
で炭化するものが好ましい。これらバインダーの具体例
としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂及びピッチ
類等が挙げられ、なかでも残炭率が高い点でフェノール
樹脂が好ましい。
【0014】又、本発明で用いる炭素繊維とバインダー
とを含有する材料中には、価格低下、物性向上等を目的
として各種繊維、例えば炭化珪素繊維、窒化珪素繊維等
無機繊維、ケブラー、ポリプロ、セルロース、ポリアク
リルニトリル等有機繊維、あるいは各種粉末、例えばカ
ーボンブラック、グラファイト等を添加することも可能
である。特に黒鉛粉末の添加は、電気特性、熱特性、力
学物性の向上に効果がある。
とを含有する材料中には、価格低下、物性向上等を目的
として各種繊維、例えば炭化珪素繊維、窒化珪素繊維等
無機繊維、ケブラー、ポリプロ、セルロース、ポリアク
リルニトリル等有機繊維、あるいは各種粉末、例えばカ
ーボンブラック、グラファイト等を添加することも可能
である。特に黒鉛粉末の添加は、電気特性、熱特性、力
学物性の向上に効果がある。
【0015】本発明において、炭素繊維とバインダーと
を含有する材料を各種形状に成形する方法は、種々考え
られるが、目的から外れない方法であればいずれでも良
く、特に限定するものではない。例えば、板状に成形す
る場合、(1)炭素繊維を湿式抄紙法によってあらかじ
めシート状と成した後、該シートに加熱溶融させたバイ
ンダーを含浸させて、又は該シートに溶剤に分散若しく
は溶解したバインダーを含浸させた後、乾燥させて、い
わゆるプリプレグシートを得、次いで圧縮成形する方
法、(2)該シートに粉末状バインダーを均一に散布し
た後、圧縮成形する方法、(3)炭素繊維を粉末状バイ
ンダーと共に湿式抄紙法によってシ−ト状となし、この
あらかじめ必要なバインダ−を含んだシ−トを圧縮成形
する方法、(4)炭素繊維と粉末状バインダーとを均一
に混合した粉末組成物を圧縮成形する方法等があり、い
ずれの方法に於いても最初から所定の厚みに成形する場
合と、はじめにブロック状に成形した後、ブロックを所
定の厚みにスライスして板を得る方法がある。ここにお
いて炭素繊維の使用量は、炭素繊維とバインダーの合計
100重量部に対して、50〜80重量部の範囲が好ま
しい。
を含有する材料を各種形状に成形する方法は、種々考え
られるが、目的から外れない方法であればいずれでも良
く、特に限定するものではない。例えば、板状に成形す
る場合、(1)炭素繊維を湿式抄紙法によってあらかじ
めシート状と成した後、該シートに加熱溶融させたバイ
ンダーを含浸させて、又は該シートに溶剤に分散若しく
は溶解したバインダーを含浸させた後、乾燥させて、い
わゆるプリプレグシートを得、次いで圧縮成形する方
法、(2)該シートに粉末状バインダーを均一に散布し
た後、圧縮成形する方法、(3)炭素繊維を粉末状バイ
ンダーと共に湿式抄紙法によってシ−ト状となし、この
あらかじめ必要なバインダ−を含んだシ−トを圧縮成形
する方法、(4)炭素繊維と粉末状バインダーとを均一
に混合した粉末組成物を圧縮成形する方法等があり、い
ずれの方法に於いても最初から所定の厚みに成形する場
合と、はじめにブロック状に成形した後、ブロックを所
定の厚みにスライスして板を得る方法がある。ここにお
いて炭素繊維の使用量は、炭素繊維とバインダーの合計
100重量部に対して、50〜80重量部の範囲が好ま
しい。
【0016】このようにして得られた成形板は、窒素、
アルゴン等の不活性ガス雰囲気中や真空中等で1000
℃以上の温度で焼成することにより目的の多孔質炭素板
を得ることができる。
アルゴン等の不活性ガス雰囲気中や真空中等で1000
℃以上の温度で焼成することにより目的の多孔質炭素板
を得ることができる。
【0017】
【実施例】次いで本発明を実施例によって更に説明す
る。尚、例中の%は特に断りの無い限り重量基準であ
る。
る。尚、例中の%は特に断りの無い限り重量基準であ
る。
【0018】実施例1〜3及び比較例1,2 軟化点250℃の等方性ピッチを溶融紡糸して直径1
1.0μm、15.1μm、20.2μm、25.6μ
m、28.8μmのピッチ繊維を得、次いで空気中30
0℃で30分不融化処理した後、窒素ガス雰囲気中で1
000℃まで昇温し焼成して、それぞれ平均直径9.8
μm(比較例1)、13.2μm(比較例2)、18.
0μm(実施例1)、22.3μm(実施例2)、2
7.0μm(実施例3)の汎用ピッチ系炭素繊維を得た
(直径の変動率はいずれも約15%)。得られた各炭素
繊維を平均長さ160μmになるようにミルド化後ふる
いにかけ以下の試験に用いた(長さの変動率はいずれも
約50%)。各炭素繊維のアスペクト比(L/D)は1
6.3、12.3、8.9、7.2、5.9であった。
1.0μm、15.1μm、20.2μm、25.6μ
m、28.8μmのピッチ繊維を得、次いで空気中30
0℃で30分不融化処理した後、窒素ガス雰囲気中で1
000℃まで昇温し焼成して、それぞれ平均直径9.8
μm(比較例1)、13.2μm(比較例2)、18.
0μm(実施例1)、22.3μm(実施例2)、2
7.0μm(実施例3)の汎用ピッチ系炭素繊維を得た
(直径の変動率はいずれも約15%)。得られた各炭素
繊維を平均長さ160μmになるようにミルド化後ふる
いにかけ以下の試験に用いた(長さの変動率はいずれも
約50%)。各炭素繊維のアスペクト比(L/D)は1
6.3、12.3、8.9、7.2、5.9であった。
【0019】各炭素繊維(70%)とバインダ−(30
%)(ノボラックフェノール樹脂(大日本インキ化学工
業(株)製セラディック4331S))の粉末組成物を
平金型の中に設置し150℃、10分の条件で板状に圧
縮成形した後、更に真空中、2000℃で1時間焼成
し、厚みが2.0mm、嵩密度がほぼ0.55g/cm
3 の多孔質炭素板を得た。
%)(ノボラックフェノール樹脂(大日本インキ化学工
業(株)製セラディック4331S))の粉末組成物を
平金型の中に設置し150℃、10分の条件で板状に圧
縮成形した後、更に真空中、2000℃で1時間焼成
し、厚みが2.0mm、嵩密度がほぼ0.55g/cm
3 の多孔質炭素板を得た。
【0020】得られた多孔質炭素板の嵩密度とガス透過
度の測定結果を表1及び図2に示す。表1及び図2に示
すように直径15〜30μmの炭素繊維を用いた多孔質
炭素板のガス透過度は、比較例1、2及び3〜5までの
炭素繊維を用いた多孔質炭素板のそれと比較して、一定
嵩密度での比較において著しく改良され高い値となって
いる。
度の測定結果を表1及び図2に示す。表1及び図2に示
すように直径15〜30μmの炭素繊維を用いた多孔質
炭素板のガス透過度は、比較例1、2及び3〜5までの
炭素繊維を用いた多孔質炭素板のそれと比較して、一定
嵩密度での比較において著しく改良され高い値となって
いる。
【0021】
【表1】
【0022】比較例3〜5 炭素繊維として異方性ピッチ系炭素繊維(大日本インキ
化学工業(株)製ドナカ−ボF:直径12.2μm,L
/D=12(比較例3)および直径8μm,L/D=1
8(比較例4)、PAN系炭素繊維(東邦レ−ヨン
(株)製ベスファイト:直径7μm、L/D=25(比
較例5)を用いる以外は実施例1〜3と同様の方法によ
り多孔質炭素板を製造した。得られた各多孔質炭素板の
嵩密度とガス透過度の値を表2及び図2に示した。
化学工業(株)製ドナカ−ボF:直径12.2μm,L
/D=12(比較例3)および直径8μm,L/D=1
8(比較例4)、PAN系炭素繊維(東邦レ−ヨン
(株)製ベスファイト:直径7μm、L/D=25(比
較例5)を用いる以外は実施例1〜3と同様の方法によ
り多孔質炭素板を製造した。得られた各多孔質炭素板の
嵩密度とガス透過度の値を表2及び図2に示した。
【0023】
【表2】
【0024】実施例4 実施例2の炭素繊維を用い、炭素繊維とバインダ−との
比率を約80/20とし、ガス透過度の値として比較例
2とほぼ同じ値を持つような多孔質炭素板を実施例2と
同じ方法で調製した。得られた多孔質炭素板の物性を比
較例2と比較して表3に示す。同等のガス透過度を持つ
ものにおいて、厚み方向の熱伝導率や電気抵抗および曲
げ弾性率が大きく改良されていることが判る。
比率を約80/20とし、ガス透過度の値として比較例
2とほぼ同じ値を持つような多孔質炭素板を実施例2と
同じ方法で調製した。得られた多孔質炭素板の物性を比
較例2と比較して表3に示す。同等のガス透過度を持つ
ものにおいて、厚み方向の熱伝導率や電気抵抗および曲
げ弾性率が大きく改良されていることが判る。
【0025】
【表3】
【0026】比較例6 実施例4と同じ方法で調製した繊維直径が33μmの等
方性ピッチ系炭素繊維を用い、実施例4と同じ方法で嵩
密度0.55g/cm3の多孔質炭素板を製造した。得
られた多孔質炭素板の曲げ強度は100kg/cm2で
取扱いにおいてやや劣った。
方性ピッチ系炭素繊維を用い、実施例4と同じ方法で嵩
密度0.55g/cm3の多孔質炭素板を製造した。得
られた多孔質炭素板の曲げ強度は100kg/cm2で
取扱いにおいてやや劣った。
【0027】
【発明の効果】本発明の製法で得られた多孔質炭素板
は、直径が15〜30μmでアスペクト比が3〜30の
炭素繊維を使うことにより、従来の炭素繊維(直径6〜
14μm)を使用した多孔質炭素板と比較して一定嵩密
度におけるガス透過度が著しく改良されており、結果と
して同一ガス透過度の多孔質炭素板で比較して厚み方向
の熱伝導率や電気伝導また曲げ強度等の特性の大きな板
が得られる。
は、直径が15〜30μmでアスペクト比が3〜30の
炭素繊維を使うことにより、従来の炭素繊維(直径6〜
14μm)を使用した多孔質炭素板と比較して一定嵩密
度におけるガス透過度が著しく改良されており、結果と
して同一ガス透過度の多孔質炭素板で比較して厚み方向
の熱伝導率や電気伝導また曲げ強度等の特性の大きな板
が得られる。
【図1】図1は、従来品及びパルプ含有の炭素板を含む
多孔質炭素板の嵩密度とガス透過度の関係を示すグラフ
である。
多孔質炭素板の嵩密度とガス透過度の関係を示すグラフ
である。
【図2】図2は、本発明で得られた炭素板を含む多孔質
炭素板の嵩密度とガス透過度の関係を示すグラフであ
る。
炭素板の嵩密度とガス透過度の関係を示すグラフであ
る。
Claims (9)
- 【請求項1】 直径15〜30μmの炭素繊維とバイン
ダーとを含有する多孔質炭素板成形材料を成形硬化させ
た後、焼成することを特徴とする多孔質炭素板の製法。 - 【請求項2】 炭素繊維のアスペクト比(L/D)が、
3〜30である請求項1記載の製法。 - 【請求項3】 直径15〜30μm、アスペクト比(L
/D)3〜30の炭素繊維と、直径5〜14μm、アス
ペクト比(L/D)5〜50の炭素繊維を併用する請求
項1記載の製法。 - 【請求項4】 多孔質炭素板成形材料中の炭素繊維の含
有率が、50〜80重量%である請求項1、2または3
記載の製法。 - 【請求項5】 直径15〜30μmの炭素繊維とバイン
ダーとを含有する材料を板状に成形し、硬化させた後、
焼成してなることを特徴とする多孔質炭素電極材。 - 【請求項6】 炭素繊維のアスペクト比(L/D)が、
3〜30である請求項5記載の多孔質炭素電極材。 - 【請求項7】 直径15〜30μm、アスペクト比(L
/D)3〜30の炭素繊維と、直径5〜15μm、アス
ペクト比(L/D)5〜50の炭素繊維を併用する請求
項5記載の多孔質炭素電極材。 - 【請求項8】 多孔質炭素板成形材料中の炭素繊維の含
有率が、50〜80重量%である請求項5、6または7
記載の多孔質炭素電極材。 - 【請求項9】 バインダー中に黒鉛粉末を含む請求項
1、2、3又は4記載の製法、及び請求項5、6、7又
は8記載の多孔質炭素電極材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5049263A JPH06263558A (ja) | 1993-03-10 | 1993-03-10 | 多孔質炭素板の製法および多孔質炭素電極材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5049263A JPH06263558A (ja) | 1993-03-10 | 1993-03-10 | 多孔質炭素板の製法および多孔質炭素電極材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06263558A true JPH06263558A (ja) | 1994-09-20 |
Family
ID=12825948
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5049263A Pending JPH06263558A (ja) | 1993-03-10 | 1993-03-10 | 多孔質炭素板の製法および多孔質炭素電極材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06263558A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004311431A (ja) * | 2003-03-27 | 2004-11-04 | Toray Ind Inc | 多孔質炭素板およびその製造方法 |
JP2008204823A (ja) * | 2007-02-20 | 2008-09-04 | Toho Tenax Co Ltd | 炭素繊維シート及びその製造方法 |
JP2012204142A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 多孔質炭素電極基材及びその製造方法 |
JP2015005525A (ja) * | 2014-08-25 | 2015-01-08 | 大日本印刷株式会社 | 燃料電池用ガス拡散層、その製造方法並びにそれを用いた燃料電池用ガス拡散電極、燃料電池用膜−電極接合体及び燃料電池 |
CN115231936A (zh) * | 2022-07-12 | 2022-10-25 | 山东工业陶瓷研究设计院有限公司 | 一种复合隔热材料及其制备方法 |
-
1993
- 1993-03-10 JP JP5049263A patent/JPH06263558A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004311431A (ja) * | 2003-03-27 | 2004-11-04 | Toray Ind Inc | 多孔質炭素板およびその製造方法 |
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CN115231936A (zh) * | 2022-07-12 | 2022-10-25 | 山东工业陶瓷研究设计院有限公司 | 一种复合隔热材料及其制备方法 |
CN115231936B (zh) * | 2022-07-12 | 2023-11-17 | 山东工业陶瓷研究设计院有限公司 | 一种复合隔热材料及其制备方法 |
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