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JPH0622579B2 - 細胞侵入性医用材料 - Google Patents

細胞侵入性医用材料

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JPH0622579B2
JPH0622579B2 JP63053837A JP5383788A JPH0622579B2 JP H0622579 B2 JPH0622579 B2 JP H0622579B2 JP 63053837 A JP63053837 A JP 63053837A JP 5383788 A JP5383788 A JP 5383788A JP H0622579 B2 JPH0622579 B2 JP H0622579B2
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JP
Japan
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collagen
denatured
atelocollagen
solution
medical material
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勝利 吉里
淳 小西
幹夫 小出
田香 小山
健一 大崎
健男 片倉
森  有一
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Terumo Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は細胞侵入性医用材料に関する。
さらに詳しくは本発明は担体にヘリックス含量が0〜8
0%である変性コラーゲンを結合あるいは被覆した細胞
侵入性医用材料に関する。
本発明の医用材料は生体内に埋入されて生体組織と同化
され、あるいは創傷面に被覆されて真皮組織に変換され
るので医学および生物学の分野において人工皮膚、人工
血管等として利用される。
[従来の技術] 生体組織に何らかの異常が生じた場合、自己の他部位の
組織あるいは、親族など免疫原性の少ない個体からの同
種移植が好ましいがその様な供給が困難な場合には人工
物をもってそれに代替するという発想は古くから存在し
ていた。しかし、当然免疫拒絶反応の対象となるケース
が多く、そのため組織や免疫系細胞から不感作であるよ
うな、いわゆる組織反応が低い物質を求める努力が続け
られている。ポリウレタンを代表とする合成高分子を、
より疎水化させる方向の研究などはその一例である。ま
た、これとは全く正反対に、免疫反応を引き起こす前に
速やかに物質が組織と同化してしまうことにより器官と
しての機能を付与するという考え方がある。人工物とし
ては生体由来材料であるコラーゲン等を選択し、線維芽
細胞等組織修復機能を持った細胞を早期に侵入させて、
結合組織用の組織を構築させて目的の組織をおおわせ免
疫反応を免れる考え方で、後者の方がより理想に近い形
である。
コラーゲンを用いた人工材料は生体由来であるため、確
かに細胞組織に対する親和性は大きいと考えられるもの
の、生体内でコラゲナーゼにより容易に分解・吸収され
るものである。そこで使用するにあっては、何らかの手
段で架橋を導入し、物性面の強化をはかる必要がある。
架橋法としては加熱による脱水架橋、薬品を用いる化学
的架橋等を採用し得る。このうち熱脱水架橋は薬品処理
に比べ安全性が高いが、物性的にコラゲナーゼ酵素に対
する耐性が化学的架橋に対して低い。そこで、化学的架
橋を熱架橋と併用させたり、化学的架橋単独で用いる手
段が選択される。これを実施すると、物性面での性質向
上が著しい。例えば、110℃の温度で真空下に24時
間置いて熱的な架橋を導入した場合には、コラゲナーゼ
3unit/ml中に37℃下で静置すると1日以内に溶解す
るのに対し、イソシアネート系架橋のみを施した場合に
はコラゲナーゼ100unit/ml中に37℃で7日静置し
ても形態に変化が見られない。ところが、かかる強固な
架橋を導入すると、導入前にコラーゲンが有していた細
胞、組織に対する親和性が大幅に低下し、細胞侵入が阻
止される傾向が出現する。つまり物性面の強化と、細
胞、組織に対する親和性という生物学的性能の向上と
は、両立が困難な相反する事象であり、満足する材料は
従来求め得なかった。
[問題点を解決するための手段] 本発明の目的は生体内に埋入または創傷面に被覆した際
に生体内の分解酵素に対して抵抗性を有し、一定期間必
要な機械的強度を保持し、かつ細胞、組織に対する親和
性が良好で増殖した細胞が容易にその内部に入り込みや
すい医用材料を提供することにある。
かかる本発明の目的は以下の構成によって達成される。
1)担体にヘリックス含量が0〜80%である変性コラ
ーゲンを結合または被覆したことを特徴とする細胞侵入
性医用材料。
2)担体が生体吸収材料である1項の医用材料。
3)生体吸収材料がコラーゲンである1または2項の医
用材料。
4)コラーゲンが熱脱水架橋あるいは化学架橋されてい
る1〜3項のいずれかの項に記載の医用材料。
5)コラーゲンおよびヘリックス含量が0〜80%であ
る変性コラーゲンを混合し、フィルムまたは多孔体を形
成させた後架橋されたことを特徴とする細胞侵入性医用
材料。
6)架橋されたコラーゲンフィルムあるいは多孔体をヘ
リックス含量0〜80%である変性コラーゲン溶液で被
覆したことを特徴とする細胞侵入性医用材料。
本発明のヘリックス含量0〜80%の変性コラーゲン
は、牛真皮由来のコラーゲンを酸またはアルカリ処理
し、得られた三重鎖ヘリックスを有するコラーゲンを水
の存在下で50〜125℃好ましくは90〜121℃で
20分〜24時間加熱することによって得られる。ヘリ
ックス含量とはコラーゲン特有の三重鎖ヘリックスの含
量を意味し、変性コラーゲンではこのヘリックスがラン
ダムコイル化しているためヘリックス含量が変性度に対
応する。このヘリックス含量は円偏光2色性分光計(C
D)や赤外分光光度計(1R)で測定することができる
〔P.L.Gorden etal.Macromol
ecules,(6)954(1974)〕. 本発明の変性コラーゲンのヘリックス含量は0〜80%
であり、より好ましくは0〜50%である。原料コラー
ゲンは酸またはアルカリ処理したコラーゲンをさらにプ
ロクターゼまたはベプシンによりその分子末端のテロペ
プチドを消化除去し、抗原性を無くしたものが望まし
い。
上記変性コラーゲンが結合または被覆される担体は、生
体内の分解酵素によって分解されず一定の期間、機械的
強度を有し、生体に受容されるものが使用される。この
ような担体の例としてポリエステル、ポリウレタン、塩
化ビニルのような合成樹脂をあげることができるが好適
には、コラーゲン、フィブロイン、ポリ乳酸のような生
体吸収材料が使用される。
最も好ましくは、コラーゲンを加熱処理または架橋剤で
処理した架橋コラーゲンが使用される。コラーゲンの架
橋は常法に従ってコラーゲンを加熱処理するか架橋剤で
処理することによって実施される。
加熱処理による場合は、コラーゲンを真空下で110℃
に2時間以上保持して脱水するのが望ましい。
架橋剤で処理する場合は架橋剤には特に制限はなく、グ
ルタルアルデヒドのようなアルデヒド系架橋剤、ヘキサ
メチレンジイソシアネートのようなイソシアネート系架
橋剤、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド塩酸塩のようなカルボジド系架橋剤
等が使用される。
架橋度が低すぎると医用材料としての十分な物理的強度
が得られず、逆に高すぎるとコラーゲンの構造、性質が
損われるので避けるべきである。0.01〜5%(w/
v)、好ましくは1〜3%(w/v)架橋剤濃度で架橋させる
と適当な架橋度のコラーゲンが得られる。
架橋が導入されるべきコラーゲンは三重鎖ヘリックスを
有する分散状の水溶性のものでは架橋しても物性があま
り向上しないので分散状コラーゲンを37℃でりん酸系
の緩衝液を用いて中和処理し、生体内にあるような周期
性線維構造をもつ再構成された線維コラーゲンの形にす
ることが好ましい。これにより架橋処理との相乗効果で
物性が飛躍的に向上する。
本発明において担体としてコラーゲンを使用する場合細
胞侵入性医用材料は次の方法によって作製される。
1) コラーゲン水溶液を調製し、これを2分して一方
はそのまま放置し他方はこのコラーゲン水溶液を加熱処
理して変性させることにより変性コラーゲンとする。両
溶液を混合した後、ソルベントキャスティング法により
フィルムを、凍結乾燥法により多孔性スポンジをそれぞ
れ作製した後、該フィルムあるいは多孔性スポンジに熱
架橋あるいは化学架橋を形成させることにより本発明の
医用材料を作製する。
2) コラーゲン水溶液を作製した後、ソルベントキャ
スティング法によりフィルムあるいは凍結乾燥法により
多孔性スポンジを作製する。その後、熱架橋反応あるい
は化学架橋反応を行なう。一方、変性コラーゲンはコラ
ーゲン水溶液を加熱処理によって変性させることにより
別途作製する。該架橋コラーゲンフィルムあるいは多孔
体スポンジを該変性コラーゲン溶液に浸漬した後、取り
出し自然あるいは真空あるいは凍結乾燥することにより
本発明の医用材料を作製する。
コラーゲン以外の担体を使用する場合にも上記と同様の
方法により変性コラーゲンの水溶液に浸漬して担体に変
性コラーゲンを被覆または結合させる。
担体に対する変性コラーゲンの組成はおよそ5〜80%
(w/w)であり、より好ましくは10〜50%(w/w)であ
る。
次に実施例および試験例を示して本発明をさらに具体的
に説明する。
実施例 1 アテロコラーゲン−変性アテロコラーゲ
ンマトリックスの調製 アテロコラーゲン(AC)1.0gをpH3.0の希塩酸
に溶解させた。
この溶液を60℃の恒温槽で30分間保持したのち、室
温下で2時間放置して変性アテロコラーゲン(HAC)
の溶液を得た。このようにして得られた変性アテロコラ
ーゲンのヘリックス含量は約40%であった。0.3w/
v%アテロコラーゲン(pH3.0)溶液を攪拌しながら、
0.3w/v%変性アテロコラーゲン溶液を添加し混合し
た。この溶液をステンレスバットに注入し、そのまま−
30℃に急速凍結し、十分凍結した後、−40℃/0.
1トール未満の真空下で凍結乾燥した。さらに生成物を
50ミリトール未満の真空下110℃、24時間処理し
て熱脱水架橋した。
比較例 1 アテロコラーゲンマトリックスの調製 アテロコラーゲン(AC)1.0gを0.3w/v%の濃度
になるようにpH3.0の希塩酸に溶解させた。この溶液
を上記の方法で凍結乾燥し、さらに熱脱水架橋した。
試験例1 アテロコラーゲン−変性アテロコラーゲン
マトリックスのin vitro細胞侵入性試験 上記実施例1、および比較例1で得られたマトリックス
について、ラットの皮膚線維芽細胞を用いてin vi
troで培養実験を行ない細胞侵入性の評価を行なっ
た。
60mm滅菌シャーレ〔テルモ(製)〕に直径3.5cm片
のコラーゲンスポンジを置き、線維芽細胞を1×10
個の/mlの濃度で1ml、スポンジ上に滴下し、24時間
37℃下培養する。さらに10%FBSを含むDME培
地を3ml入れ、37℃下で6日間培養した。
10%中性緩衝ホルマリン液で固定後染色を施し、光学
顕微鏡で観察し評価した。評価の結果を表−1に示し
た。
表−1から、AC単独のマトリックスに対し、HACを
混合したマトリックスでは、大幅に細胞の侵入性が向上
することが判った。但し、スポンジの形状維持の観点か
らは、HACの重量%が80未満であることが好ましい
といえる。
比較例 2 線維化アテロコラーゲンの調製 アテロコラーゲン1.0gをpH3.0の希塩酸に溶解し
て0.3w/v%にした。この溶液を4℃の恒温槽に入れ攪
拌しながら、りん酸緩衝液を加え、終濃度が0.1%(w
/v)アテロコラーゲン、30mMりん酸−2−ナトリウ
ム、100mM NaClであるコラーゲン溶液を調製
した。ついで37℃の恒温槽に1日浸漬し、線維化コラ
ーゲン(FC)液を得た。この液を遠心分離(5000
r.p.m.,10分)して、濃縮し、0.3%(w/v)
線維化アテロコラーゲン(FC)溶液を調製した。この
溶液を−30℃で急速凍結した後、凍結乾燥を行ないス
ポンジを作製した。その後このスポンジを真空下110
℃、2時間処理し熱脱水架橋した。
実施例 2 線維化アテロコラーゲン−変性アテロコ
ラーゲンマトリックスの調製 上記で調製した0.3%(w/v)線維化アテロコラーゲン
(FC)と1%(w/v)変性アテロコラーゲン(HAC)
を37℃で混合し、1時間攪拌した。この溶液を−30
℃で急速凍結した後、凍結乾燥を行ないスポンジを作製
した。その後、このスポンジを真空下110℃、2時間
処理し、熱脱水架橋した。
試験例 2 線維化アテロコラーゲン−変性アテロコ
ラーゲンマトリックスのin vitro細胞侵入性試
験 上記実施例2、および比較例2で得られたマトリックス
について、試験例1と同様の操作でラットの線維芽細胞
を用いてin vitroで培養実験を行ない、細胞侵
入性を評価した。
評価の結果を表−2に示した。
表−2から、FCを基材とするマトリックスは、全てス
ポンジの形態維持が良く、安定性に優れていた。細胞の
侵入では、FC単独でも若干の偏在的細胞侵入が見られ
たものの、HAC添加系では非常に多くの細胞が、しか
も均一に分散して侵入しており、スポンジの形状もin
vitro培養実験系でありながらin vivoの
生体組織に近い様相を呈していた。
試験例 3 線維化アテロコラーゲン−変性アテロコ
ラーゲンマトリックスのin vivo皮下埋入試験 実施例2、および比較例2で作製したマトリックスをラ
ット皮下に埋入し、病理学的に組織像を検索する。
皮下埋植(埋入)には、約200gのwistar−K
Y系、雌性ラットを用いる。埋入前に、5倍希釈ネンブ
タールで麻酔後ラットの背面を手術用のイソジン液(明
治製菓(株)製)で漏らし、毛刈り用カミソリで毛の刈り
残しがないように、背面を注意深く剃毛する。その後、
剃られた背面をイソジンとエタノールで消毒する。各々
の切り込みから、ラットの皮筋下の疎性結合織内に空隙
を作るように切り込みを広げる(ただし、隣接する切り
込み同志は連絡しないように配慮する。)。この空隙に
検体をさし込み、検体全体が平らに横たわるようにす
る。角針付ナイロン糸で切り口を縫合する。切り口は3
針縫う。同じ検体を別のラットにも同様にして埋入す
る。
埋入後3,28日目に動物をエーテルあるいは2倍希釈
ネンブタールを用いて殺す。埋入検体が組織中に留まっ
ているようにして、ラットの背筋上の皮膚組織を8cm×
12cmあるいはそれ以上の大きさに切り取る。この組織
を10%中性緩衝ホルマリン溶液中に置き、一昼夜放置
し固定後、病理組織検索を施す。
病理組織検索は組織からの検体の切り出しに始まる。検
体が確実に含まれるように、組織を0.5cm×2.5cm
程度のたんざく状に切り出す。これをエタノール、次に
キシレンで透徹し、最後にパラフィンに置換する。置換
後、固型パラフィンの加熱溶解液に、検体を含む組織を
置き、急冷してパラフィン包埋を完了する。包埋された
組織は、ヤマト(株)製回転式ミクロトームにて薄切を行
ない、厚さ4μmのパラフィン切片とする。これを脱パ
ラフィンした後、任意の染色法で病理組織染色を行な
い、プレパラートを完成する。病理組織染色として、ヘ
マトキシリン−エオジン(H・E)染色、アザン染色、
レゾルシン−フクシン染色等を採用できる。結果を表−
3に示した。
FCだけでは、3日目においては好中球浸潤が強くかつ
線維芽細胞の侵入は中等度であり、28日目において
は、出来上がった肉芽細胞が萎縮している。それに対
し、HACが10ないし20重量%はいる事により3日
目における好中球浸潤は弱く、逆に線維芽細胞侵入は、
一層良好となる。さらに28日目における肉芽組織の萎
縮も著しく緩和される事が明らかである。
実施例 3 変性コラーゲンを被覆した架橋コラーゲ
ンの調製 比較例2で得た線維化アテロコラーゲン(FC)凍結乾
燥スポンジを0.01%および1%ヘキサメチレン−イ
ソシアネート(HDI)=エタノール溶液に一昼夜浸漬
し、化学架橋を導入した。それぞれのスポンジに実施例
1で得られた変性コラーゲン(HAC)水溶液を30ml
添加し、十分浸漬後再び凍結乾燥してスポンジ化し、そ
れぞれを真空下、110℃で2時間加熱処理、および2
4時間加熱処理を施し、熱脱水架橋を導入した。こうし
て、変性コラーゲン(HAC)を被覆したコラーゲンマ
トリックスを得た。最終的な組成比はHACが10重量
%となるようにした。
比較例 3 架橋コラーゲンの調製 実施例3のうち、変性コラーゲン(HAC)水溶液の添
加の過程を省いた、単独の線維化アテロコラーゲン(F
C)のみの凍結乾燥スポンジ(架橋の導入は実施例3と
同一)を比較例3として用意した。
比較例 4 変性コラーゲン被覆架橋コラーゲンマト
リックスフのin vivo皮下埋入試験 実施例3および比較例3で作製したマトリックスを、試
験例3の手法に準じてラット皮下に埋入し、病理・組織
学的検索に付す。但し、試料は7日後、14日後に取り
出した。結果を表−4に示した。
それぞれ比較例として置いたFCは、一部好中球等の浸
潤もあるものの、細胞成分自体の浸潤が、炎症性および
網内系細胞を含め、極めて悪い。それに比して、それぞ
れHACを被覆したFCは、細胞成分の浸潤が甚だ良好
で、それに伴って一部自己組織化も行なわれており、中
には異物反応がやや強いものもあるものの、特にHAC
被覆FC0.01%HDI架橋+熱架橋2時間の試料に
至っては好中球浸潤する既に少ない極めて真皮に近い構
造を試料の部位に再構築しており、当発明の目的等を考
えても最も理想に近いマトリックスであると言える。
実施例 4 シリコーン膜含有コラーゲンスポンジの
調製 テフロン上に50% silasticシリコーン接着
剤型A(Dow Corning社製)のヘキサン溶液
を精密被覆用具(アプリケータ−)を用いて塗布し製膜
した。塗布した直後に実施例3によって製造したスポン
ジをのせ、室温で10分放置した後、60℃で少なくと
も1時間オーブンで硬化させた。
試験例 5 皮膚欠損創への移植試験 実施例4により製造したスポンジを使用して、ラットの
皮膚欠損創への移植試験を行なった。ラット背部皮膚に
皮下筋膜を創面とする全創皮膚欠損創(2cm×2cm)を
作製し、シリコーン膜を表層に付与した検体を結紮縫合
した。動物は移植後4週目に殺し、移植物と傷床を切り
取り、病理検索を施した。4週目では創収縮はあまり見
られず、良好な肉芽組織が形成し、表皮再生が見られ
た。
[発明の効果] 本発明の医用材料は、担体にヘリックス含量が0〜80
%である変性コラーゲンを結合または被覆したものから
なるため、生体内に埋入あるいは創傷面に被覆された際
にコラゲナーゼに対して抵抗性を有し、一定期間必要と
される機械的強度を保持することができるとともに、生
体適合性に優れ、その内部に増殖した細胞が容易に入り
込むことができる。アテロコラーゲンを原料として得ら
れる医用材料は抗原性を有しないので特に望ましい。
従って本発明の医用材料は埋入型人工臓器例えば生体内
留置人工心臓、人工血管等や深度熱傷時の人工被覆材と
して利用される。
フロントページの続き (72)発明者 大崎 健一 静岡県富士市大淵2656番地の1 テルモ株 式会社内 (72)発明者 片倉 健男 静岡県富士市大淵2656番地の1 テルモ株 式会社内 (72)発明者 森 有一 静岡県富士市大淵2656番地の1 テルモ株 式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】担体にヘリックス含量が0〜80%である
    変性コラーゲンを結合または被覆したことを特徴とする
    細胞侵入性医用材料。
  2. 【請求項2】担体が生体吸収材料である請求項1の医用
    材料。
  3. 【請求項3】生体吸収材料がコラーゲンである請求項1
    または2の医用材料。
  4. 【請求項4】コラーゲンが熱脱水架橋あるいは化学架橋
    されている請求項1〜3のいずれかの項に記載の医用材
    料。
  5. 【請求項5】コラーゲンおよびヘリックス含量が0〜8
    0%である変性コラーゲンを混合し、フィルムまたは多
    孔体を形成させた後架橋されたことを特徴とする細胞侵
    入性医用材料。
  6. 【請求項6】架橋されたコラーゲンフィルムあるいは多
    孔体をヘリックス含量0〜80%である変性コラーゲン
    溶液で被覆したことを特徴とする細胞侵入性医用材料。
JP63053837A 1988-03-09 1988-03-09 細胞侵入性医用材料 Expired - Lifetime JPH0622579B2 (ja)

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