JPH0621913Y2 - クリーム状物吐出器用カートリッジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案はクリーム状物吐出器用カートリッジに係る。

「従来の技術」 例えば万年筆のインクを円筒状の合成樹脂製筒体内に充
填させておき、これをカートリッジとして使用すること
は広く知られており、その他種々のカートリッジがあ
る。

「考案が解決しようとする課題」 本案は、従来知られているポンプ式の液体吐出器、つま
り容器体内へ垂設したシリンダ内から、上方へ付勢して
ステムを起立し、該ステム上端にノズル付き押下げヘッ
ドを嵌着させて、容器体に対して押下げヘッドを上下動
させることで、容器体内液体がシリンダ内へ吸込まれ、
又該シリンダ内液体がステム内を通ってノズルから吐出
するよう設けた液体吐出器で、液体の外、クリームも吐
出できるようにした、カートリッジを提案するものであ
る。尚本案においてクリーム状物とは、クリームのほか
液体も含むものとする。

「課題を解決するための手段」 口頸部２を起立する容器本体１と、該容器本体口部に上
端部を固着して筒部６を容器本体内へ垂下し、該筒部の
上部を窓孔10付きの大内径部９、該大内径部に続く下方
筒部分をエア抜き孔14付きの筒部分とすると共に、筒部
下端から垂設した、吸上げパイプ15の下部外周面および
下端面には該パイプの下端部内へ連通する溝状流路19を
付形した袋取付け筒５と、上記吸上げパイプ15および筒
部６下方部分を袋内部に挿入させて、上記容器本体内に
収納され、又袋内にはクリーム状物を充填して、袋口縁
部を上記エア抜き孔14と窓孔10との間の筒部分外面へ密
着させることで袋口部22を密閉した、柔軟性ある袋21
と、上記窓孔10とエア抜き孔14との間で密閉させて袋取
付け筒５内へ栓体26を着脱自在に嵌合させ、該栓体上端
に付設した第二外向きフランジ27を上記筒部６の上端面
上へ載置し、該第二外向きフランジ一部を栓体引抜き用
摘み部29に形成した栓部材25とからなる。

「作用」 第１図が示す状態から、キャップ31を外し、第２図のよ
うにして栓部材25を袋取付け筒５から抜出し、その筒内
に第３図が示すようなクリーム状物吐出器40のシリンダ
41を挿入して該吐出器を容器本体１に装着して使用す
る。その吐出器の操作によって袋21内のクリーム状物20
が減少すると、袋は体積を減じ、すると吐出器のシリン
ダ上部に穿設した外気吸入孔42と袋取付け筒５に設けた
外気吸入用窓孔10を通って袋21と容器本体１との間へ外
気が流入して容器本体内の負圧化を防止する。クリーム
状物減少による袋21の収縮でその袋を形成するシート部
分が吸上げパイプ15の下端開口部に張付こうとするが、
溝状流路19を形成する板片18がその張付きによる口部閉
塞を防止する。

「実施例」 １は口頸部２を起立する容器本体で、その口頸部外面に
はねじが付設され、その口頸部の上端部は小外径部と
し、かつその下部外面に凹溝を周設している。

５は、筒部６上端に付設した第一外向きフランジ７を上
記容器本体口部に固着して、筒部６を容器本体内へ垂設
する袋取付け筒である。第一外向きフランジ７外周から
は短筒８を垂下し、第一外向きフランジを口頸部上端面
上へ載置させて短筒の下端内面に周設した突条を既述口
頸部の凹溝内へ嵌着させている。筒部６は上部を大内径
部９とし、かつその下端に外気吸入用窓孔10を穿設して
いる。図示例では大内径部のすぐ下方部分を中径部11と
し、更にその下方部分を小径部12とし、その下方部分を
更に小径の第二小径部13として、中径部の下端部にエア
抜き孔14を穿設している。筒部６の下端部内からは吸上
げパイプ15を垂設し、その下端に溝状流路形成部材16を
嵌合させている。該部材は、下端内面に突条を周設した
短筒17を、その突条上面へ吸上げパイプ15下端を接して
吸上げパイプ下端部外面に嵌合させ、又短筒の下部外周
面と下端面との両部分を連結部として側外方へ放射状に
かつ下方へ垂設して複数の板片18を突出させており、そ
れ等板片間に溝状流路19を付形している。該溝状流路は
吸上げパイプ下端部に直接形成させてもよく、又筒部６
と吸上げパイプ15とを一体に形成させてもよい。上記容
器本体１内へは、袋21を収納して該袋内へクリーム状物
20を充填し、更にその袋内へ吸上げパイプ15および筒部
６の下半部を挿入し、袋口縁部を既述エア抜き孔14と窓
孔10との間の筒部分外面へ密着させることで、その袋口
部22を密閉している。袋は合成樹脂製シートで形成する
が、収納物が酸化し易い場合はガスバリヤ性にすぐれた
シートで形成する。該袋内へのクリーム状物の充填は、
吸上げパイプ15下端からの注入で行えばよく、エア抜き
孔14は袋内にあったエアを排出するためのものである。

25は栓部材で、下端面を閉塞し、上端面を開口する筒状
の栓体26を有し、その栓体上端に第二外向きフランジ27
を有する。栓体26は既述エア抜き孔14と窓孔10との間の
筒部分内面で筒部６を密閉させる。図示例では袋取付け
筒５の第二小径部13内まで栓体下部を垂設するが、これ
は後述吐出器40と同一大きさとするものである。

第二外向きフランジ27は、第一外向きフランジ７上へ載
置する。その第二外向きフランジの左右両部には、その
フランジ巾方向の中間に半円状の切離し孔28を穿設し、
第２図が示すようにその切離し孔外方のフランジ部分を
起立させることで栓部材25抜取り用の摘み部29,29を形
成できるよう設けている。

31は周壁32を容器本体１の口頸部に螺合させたキャップ
で、必要により設ければよく、該キャップに代えて栓部
材上面をシール用薄板で剥離可能に閉塞させてもよい。

尚第３図が示す吐出器40について簡単に説明すると、41
はシリンダ、45はステム46と押下げヘッド47とを有する
作動部材、48は、シリンダ上端に付設した外向きフラン
ジ49を筒部50の上端部内面へ嵌合させ、筒部上端に付設
した内向きフランジ51をシリンダの外向きフランジ49上
へ載置する装着筒で、それ等が吐出器を形成する。

既述栓部材引抜き後、シリンダ41を袋取付け筒５内へ嵌
合させ、嵌着筒50を容器本体の口頸部２外面へ螺合させ
ればよい。袋取付け筒５内へのシリンダ41挿入状態にお
いて、シリンダ外壁面は中径部11内面へ水密に接し、か
つシリンダの外気吸入孔42と袋取付け筒の窓孔10とは連
通するよう設ける。

「考案の効果」 本案は既述構成としたから、栓部材25を引抜いた袋取付
け筒５内へ吐出器のシリンダ41を嵌合をさせるだけでク
リーム状物吐出容器が形成できて便利であり、袋取付け
筒５外面にはクリーム状物を充填した袋口縁部を密着さ
せて袋口部を密閉するから、容器体内空気にクリーム状
物が触れて酸化することがなく、又クリーム状物減少に
よって袋は縮小するから、従来の液体吐出器でクリーム
を吐出させようとする場合のように、クリームが流動性
に乏しいことにより、吸上げパイプ側方に空気路が形成
されて空気を吸い上げることがない。更に袋取付け筒５
の筒部上部には窓孔10を、かつその下方筒部分にはエア
抜き孔14を穿設してそれ等両孔の間の筒部分外面へ袋口
縁部を密着させることで袋口部22を密閉させたから、袋
内へのクリーム状物充填に際して袋内のエアをエア抜き
孔14から排出でき、よって袋内へのクリーム状物の充填
を容易かつ確実に行うことが出来、更に又袋取付け筒の
筒部６からは吸上げパイプ15を垂設して該パイプの下部
外周面および下端面に、該パイプの下端部内へ連通する
溝状流路19を付形したから、吐出器40には吸上げパイプ
を付設しなくともよいこととなってその構造を簡易にす
ることが出来ると共に溝状流路を設けたことで、袋内収
納物減少によって袋が収縮した場合にも袋のシート部分
が吸上げパイプの吸込み口を閉塞することがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案カートリッジの半断面図、第２図は摘み部
を起した状態で示す、その要部の斜視図、第３図はその
カートリッジを装着するためのクリーム状物吐出器の半
断面図である。 １……容器本体、５……袋取付け筒 21……袋、25……栓部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】口頸部２を起立する容器本体１と、該容器
   本体口部に上端部を固着して筒部６を容器本体内へ垂下
   し、該筒部の上部を窓孔10付きの大内径部９、該大内径
   部に続く下方筒部分をエア抜き孔14付きの筒部分とする
   と共に、筒部下端から垂設した、吸上げパイプ15の下部
   外周面および下端面には該パイプの下端部内へ連通する
   溝状流路19を付形した袋取付け筒５と、上記吸上げパイ
   プ15および筒部６下方部分を袋内部に挿入させて、上記
   容器本体内に収納され、又袋内にはクリーム状物を充填
   して、袋口縁部を上記エア抜き孔14と窓孔10との間の筒
   部分外面へ密着させることで袋口部22を密閉した、柔軟
   性ある袋21と、上記窓孔10とエア抜き孔14との間で密閉
   させて袋取付け筒５内へ栓体26を着脱自在に嵌合させ、
   該栓体上端に付設した第二外向きフランジ27を上記筒部
   ６の上端面上へ載置し、該第二外向きフランジ一部を栓
   体引抜き用摘み部29に形成した栓部材25とからなること
   を特徴とするクリーム状物吐出器用カートリッジ。