JPH0615420A - ストレート浸漬ノズルを用いた無欠陥鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents
ストレート浸漬ノズルを用いた無欠陥鋳片の連続鋳造方法Info
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- JPH0615420A JPH0615420A JP17086192A JP17086192A JPH0615420A JP H0615420 A JPH0615420 A JP H0615420A JP 17086192 A JP17086192 A JP 17086192A JP 17086192 A JP17086192 A JP 17086192A JP H0615420 A JPH0615420 A JP H0615420A
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- immersion nozzle
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ノズル先端を開放したストレート浸漬ノズル
内を流下する溶鋼中に不活性ガスを吹き込むことにより
アルミナ付着によるノズル詰まりを防止すると共に欠陥
のないスラブを得る。 【構成】 ストレート浸漬ノズル8の溶鋼浸漬部にガス
分離開孔9を設けてノズル詰まり防止のために吹き込ん
だ不活性ガスを分離する。ストレート浸漬ノズル8から
鋳型10内に注入される下向きの溶鋼流に静磁場発生装置
11を用いて静磁場を作用させて、下向き溶鋼の流速を減
速させる。溶鋼中のアルミナや気泡が溶鋼中に深く侵入
しないのでアルミナや気泡が凝固シェル13に捕捉される
ことがない。
内を流下する溶鋼中に不活性ガスを吹き込むことにより
アルミナ付着によるノズル詰まりを防止すると共に欠陥
のないスラブを得る。 【構成】 ストレート浸漬ノズル8の溶鋼浸漬部にガス
分離開孔9を設けてノズル詰まり防止のために吹き込ん
だ不活性ガスを分離する。ストレート浸漬ノズル8から
鋳型10内に注入される下向きの溶鋼流に静磁場発生装置
11を用いて静磁場を作用させて、下向き溶鋼の流速を減
速させる。溶鋼中のアルミナや気泡が溶鋼中に深く侵入
しないのでアルミナや気泡が凝固シェル13に捕捉される
ことがない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造によって得ら
れる鋼スラブの表面および内部品質を大幅に改善すると
ともに高速鋳造をも可能とするストレート浸漬ノズルを
用いた無欠陥鋳片の連続鋳造方法に関するものである。
れる鋼スラブの表面および内部品質を大幅に改善すると
ともに高速鋳造をも可能とするストレート浸漬ノズルを
用いた無欠陥鋳片の連続鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、幅広鋼板の製造に用いられている
スラブの如き鋼片の連続鋳造においては、溶鋼を収容し
たタンディッシュと連続鋳造鋳型との間の溶鋼流路とし
て、通常耐火物製の浸漬ノズルが使用されている。特開
昭62−252650号公報で示されているように、浸漬ノズル
を用いる連続鋳造では、吐出孔を鋳型短辺壁に向けた二
孔ノズルが多用されている。これは周知のように注入流
動が鋳片内部深く侵入することを防止するためであっ
て、逆Y状二孔ノズルとしての利用がなされている。し
かしながら、この逆Y状二孔ノズルは、特にアルミキル
ド鋼の連続鋳造時にノズル内面にアルミナが付着し易い
ため、鋳造時間の経過に伴い溶鋼流路が狭められ、鋳造
中の詰まり発生により各吐出孔から吐出される溶鋼流動
に差を生じる。このためモールドパウダを溶鋼中に巻き
込んだり、逆にモールドパウダへの熱量供給不十分とな
りパウダの溶融不足を引き起こしたりするばかりでな
く、溶鋼中への非金属介在物の巻き込みの原因となる。
さらには、所望の流量を得ることができなくなるという
問題があった。
スラブの如き鋼片の連続鋳造においては、溶鋼を収容し
たタンディッシュと連続鋳造鋳型との間の溶鋼流路とし
て、通常耐火物製の浸漬ノズルが使用されている。特開
昭62−252650号公報で示されているように、浸漬ノズル
を用いる連続鋳造では、吐出孔を鋳型短辺壁に向けた二
孔ノズルが多用されている。これは周知のように注入流
動が鋳片内部深く侵入することを防止するためであっ
て、逆Y状二孔ノズルとしての利用がなされている。し
かしながら、この逆Y状二孔ノズルは、特にアルミキル
ド鋼の連続鋳造時にノズル内面にアルミナが付着し易い
ため、鋳造時間の経過に伴い溶鋼流路が狭められ、鋳造
中の詰まり発生により各吐出孔から吐出される溶鋼流動
に差を生じる。このためモールドパウダを溶鋼中に巻き
込んだり、逆にモールドパウダへの熱量供給不十分とな
りパウダの溶融不足を引き起こしたりするばかりでな
く、溶鋼中への非金属介在物の巻き込みの原因となる。
さらには、所望の流量を得ることができなくなるという
問題があった。
【0003】このため、前記アルミナ等の介在物の付着
を減少させるべきノズル内に不活性ガスを供給して溶鋼
と共に流下するガス気泡でノズル内を洗浄することが行
われている。しかしながらこの手段を採用してもアルミ
ナの付着は避けられず、特にノズル底部においてアルミ
ナの堆積が大きく各孔からの溶鋼流量がアンバランスに
なる。また高スループットになり溶鋼の吐出流速が大き
い場合には、該ガスが流速の大きい溶鋼流に巻き込まれ
鋳型内の湯面上に浮上できずに凝固シェルに捕捉される
ため、冷延後該ガス起因の膨れ欠陥が発生する。
を減少させるべきノズル内に不活性ガスを供給して溶鋼
と共に流下するガス気泡でノズル内を洗浄することが行
われている。しかしながらこの手段を採用してもアルミ
ナの付着は避けられず、特にノズル底部においてアルミ
ナの堆積が大きく各孔からの溶鋼流量がアンバランスに
なる。また高スループットになり溶鋼の吐出流速が大き
い場合には、該ガスが流速の大きい溶鋼流に巻き込まれ
鋳型内の湯面上に浮上できずに凝固シェルに捕捉される
ため、冷延後該ガス起因の膨れ欠陥が発生する。
【0004】逆Y状二孔ノズルから吐出される溶鋼の偏
流を防止する手段として特開昭62−252650号公報には、
浸漬ノズルの左右の溶鋼レベルを検出し、電磁攪拌によ
りレベル差をなくするように調整して鋳型の偏流を制御
するものが開示されている。しかるにこの従来技術を用
いても左右の吐出孔から吐出される溶鋼流が短辺壁に衝
突して上下に反転する反転流を皆無にすることはでき
ず、特に鋳造速度が増加するほど、またスラブ幅が狭く
なるほど反転流の影響を無視できなくなり、介在物の溶
鋼中への巻き込みや、モールドパウダの巻き込みなどが
発生することになる。
流を防止する手段として特開昭62−252650号公報には、
浸漬ノズルの左右の溶鋼レベルを検出し、電磁攪拌によ
りレベル差をなくするように調整して鋳型の偏流を制御
するものが開示されている。しかるにこの従来技術を用
いても左右の吐出孔から吐出される溶鋼流が短辺壁に衝
突して上下に反転する反転流を皆無にすることはでき
ず、特に鋳造速度が増加するほど、またスラブ幅が狭く
なるほど反転流の影響を無視できなくなり、介在物の溶
鋼中への巻き込みや、モールドパウダの巻き込みなどが
発生することになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】炭素濃度が500ppm以下
になる、主にAlで脱酸したアルミキルド鋼を用いて連続
鋳造の際におけるノズル詰まりについて種々調査、検討
を重ねた結果、溶鋼中の酸素濃度を 30ppm以下、より好
ましくは 20ppm以下に調整し、浸漬ノズルのノズル本体
の先端を開放して溶鋼の吐出口としたストレートノズル
を用いるとノズル詰まりがほとんどなく、さらに吐出流
がすべて下方に向かうことによって湯面の乱れが非常に
小さくなることも明らかとなった。但し、このようなス
トレートノズルにおいては、溶鋼の吐出流速が鋳型の出
側(下方)に向かうため、溶鋼中の介在物や気泡などが
クレータの奥深くまで侵入する恐れが存在する。
になる、主にAlで脱酸したアルミキルド鋼を用いて連続
鋳造の際におけるノズル詰まりについて種々調査、検討
を重ねた結果、溶鋼中の酸素濃度を 30ppm以下、より好
ましくは 20ppm以下に調整し、浸漬ノズルのノズル本体
の先端を開放して溶鋼の吐出口としたストレートノズル
を用いるとノズル詰まりがほとんどなく、さらに吐出流
がすべて下方に向かうことによって湯面の乱れが非常に
小さくなることも明らかとなった。但し、このようなス
トレートノズルにおいては、溶鋼の吐出流速が鋳型の出
側(下方)に向かうため、溶鋼中の介在物や気泡などが
クレータの奥深くまで侵入する恐れが存在する。
【0006】連続鋳造においてノズル先端を開放したス
トレート浸漬ノズルを使用するものとしては本出願人の
提案になる特開昭59−101261号公報がある。この従来技
術では、ノズル先端を開放したストレート浸漬ノズルの
吐出口から下方に向け吐出される溶鋼流を静磁場発生装
置から静磁場を作用させ溶鋼の下降流動に電磁ブレーキ
を利かせて、流入流が鋳片内部に深く侵入するのを防止
している。
トレート浸漬ノズルを使用するものとしては本出願人の
提案になる特開昭59−101261号公報がある。この従来技
術では、ノズル先端を開放したストレート浸漬ノズルの
吐出口から下方に向け吐出される溶鋼流を静磁場発生装
置から静磁場を作用させ溶鋼の下降流動に電磁ブレーキ
を利かせて、流入流が鋳片内部に深く侵入するのを防止
している。
【0007】本発明は前記特開昭59−101261号公報で提
案した従来技術を改良し、連続鋳造中にタンディッシュ
からストレート浸漬ノズルに注入する溶鋼中に不活性ガ
スを吹き込んでアルミナ等の介在物の付着を防止するこ
とを試みた。その結果、ノズル内に不活性ガスを吹き込
むための静磁場発生装置により電磁ブレーキを利用して
ストレート浸漬ノズルから吐出される溶鋼流に制動をか
けても、溶鋼流と共に流下するガス気泡が多いため、鋳
片内の溶鋼クレータに深く侵入したガス気泡が鋳片凝固
シェルに補足され、鋳片にピンホールを発生し、気泡欠
陥の原因となることがわかった。
案した従来技術を改良し、連続鋳造中にタンディッシュ
からストレート浸漬ノズルに注入する溶鋼中に不活性ガ
スを吹き込んでアルミナ等の介在物の付着を防止するこ
とを試みた。その結果、ノズル内に不活性ガスを吹き込
むための静磁場発生装置により電磁ブレーキを利用して
ストレート浸漬ノズルから吐出される溶鋼流に制動をか
けても、溶鋼流と共に流下するガス気泡が多いため、鋳
片内の溶鋼クレータに深く侵入したガス気泡が鋳片凝固
シェルに補足され、鋳片にピンホールを発生し、気泡欠
陥の原因となることがわかった。
【0008】本発明は、前述の事情にかんがみてなされ
たものであり、ストレート浸漬ノズル内を流下する溶鋼
中に不活性ガスを吹き込んで高速鋳造しても鋳片中にガ
ス気泡に起因するピンホールあるいはピンホールと介在
物がスラブ中に欠陥として発生することのないストレー
ト浸漬ノズルを用いた無欠陥鋳片の連続鋳造方法を提供
することを目的とするものである。
たものであり、ストレート浸漬ノズル内を流下する溶鋼
中に不活性ガスを吹き込んで高速鋳造しても鋳片中にガ
ス気泡に起因するピンホールあるいはピンホールと介在
物がスラブ中に欠陥として発生することのないストレー
ト浸漬ノズルを用いた無欠陥鋳片の連続鋳造方法を提供
することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明は、タンディッシュから溶鋼を、一対の短辺壁
と長辺壁との組み合せからなる鋳型内に、タンディッシ
ュとつながるノズル先端を開放したストレート浸漬ノズ
ルを通して供給しつつ鋼スラブを連続鋳造するにあた
り、前記タンディッシュからストレート浸漬ノズルに注
入される溶鋼に不活性ガスを吹き込むガス供給手段を設
けると共に、前記ストレート浸漬ノズル側面の溶鋼浸漬
部にそれぞれガス分離開孔を設ける一方、前記浸漬ノズ
ルの吐出口下方近傍部に対応する長辺壁の背面に静磁場
発生装置を配置し、前記ガス供給手段により吹き込んだ
ストレート浸漬ノズルを流下する溶鋼中の不活性ガスを
ガス分離開孔から分離して浮上させると共に、前記静磁
場発生装置により一方の長辺壁から他方の長辺壁に向か
う静磁場を発生させることによって前記ストレート浸漬
ノズルの吐出口から下方に向けて鋳型内に吐出される溶
鋼の流速を減速させることを特徴とするストレート浸漬
ノズルを用いた無欠陥鋳片の連続鋳造方法である。
の本発明は、タンディッシュから溶鋼を、一対の短辺壁
と長辺壁との組み合せからなる鋳型内に、タンディッシ
ュとつながるノズル先端を開放したストレート浸漬ノズ
ルを通して供給しつつ鋼スラブを連続鋳造するにあた
り、前記タンディッシュからストレート浸漬ノズルに注
入される溶鋼に不活性ガスを吹き込むガス供給手段を設
けると共に、前記ストレート浸漬ノズル側面の溶鋼浸漬
部にそれぞれガス分離開孔を設ける一方、前記浸漬ノズ
ルの吐出口下方近傍部に対応する長辺壁の背面に静磁場
発生装置を配置し、前記ガス供給手段により吹き込んだ
ストレート浸漬ノズルを流下する溶鋼中の不活性ガスを
ガス分離開孔から分離して浮上させると共に、前記静磁
場発生装置により一方の長辺壁から他方の長辺壁に向か
う静磁場を発生させることによって前記ストレート浸漬
ノズルの吐出口から下方に向けて鋳型内に吐出される溶
鋼の流速を減速させることを特徴とするストレート浸漬
ノズルを用いた無欠陥鋳片の連続鋳造方法である。
【0010】
【作用】図1および図2は本発明法に係わる装置の要部
構成を概略断面で示す説明図である。図1および図2に
おいて、タンディッシュ1の底部に設けた上ノズル2の
下部には固定プレート3が設けてある。この固定プレー
ト3の流路面側にはポーラスれんが4が埋設してあり、
ガス供給管5からポーラスれんが4にアルゴンガス等の
不活性ガスを供給するようになっている。なお、ポーラ
スれんが4を埋設する代わりに多数の細管を埋設してノ
ズル流路に開口させて不活性ガスを吹き込むようにする
こともできる。
構成を概略断面で示す説明図である。図1および図2に
おいて、タンディッシュ1の底部に設けた上ノズル2の
下部には固定プレート3が設けてある。この固定プレー
ト3の流路面側にはポーラスれんが4が埋設してあり、
ガス供給管5からポーラスれんが4にアルゴンガス等の
不活性ガスを供給するようになっている。なお、ポーラ
スれんが4を埋設する代わりに多数の細管を埋設してノ
ズル流路に開口させて不活性ガスを吹き込むようにする
こともできる。
【0011】固定プレート3の下面に接するスライドプ
レート6は駆動シリンダ7を用いてスライドされ、その
開度を調節することによって溶鋼の流量が制御される。
スライドプレート6の下部にはタンディッシュ1とつな
がるストレート浸漬ノズル8が配設してあり、このスト
レート浸漬ノズル8ではノズル先端部を開放して溶鋼の
ストレート吐出口12とした構造になっていると共に鋳型
10の一対の短辺壁10aに対向する側の溶鋼浸漬部にそれ
ぞれガス分離開孔9が設けてある。また、ストレート浸
漬ノズル8の吐出口12下方近傍に対応する一対の長辺壁
10b背面に静磁場発生装置11が配置してある。
レート6は駆動シリンダ7を用いてスライドされ、その
開度を調節することによって溶鋼の流量が制御される。
スライドプレート6の下部にはタンディッシュ1とつな
がるストレート浸漬ノズル8が配設してあり、このスト
レート浸漬ノズル8ではノズル先端部を開放して溶鋼の
ストレート吐出口12とした構造になっていると共に鋳型
10の一対の短辺壁10aに対向する側の溶鋼浸漬部にそれ
ぞれガス分離開孔9が設けてある。また、ストレート浸
漬ノズル8の吐出口12下方近傍に対応する一対の長辺壁
10b背面に静磁場発生装置11が配置してある。
【0012】なお、ストレート浸漬ノズル8のガス分離
開孔9は図4に示すようにその開孔部分断面積は全断面
積の1/2〜1/5範囲が適当である。その理由は1/
2を越えると開孔部分の溶損により寿命が短くなり、1
/5未満であるとガス抜き作用が不十分になるからであ
る。また、このガス分離開孔9は前記短辺壁 10aに対向
する側に設ける他、全周に分散配置しても良く、要は吐
出口12に至る間にガス抜きが実現されれば良い。
開孔9は図4に示すようにその開孔部分断面積は全断面
積の1/2〜1/5範囲が適当である。その理由は1/
2を越えると開孔部分の溶損により寿命が短くなり、1
/5未満であるとガス抜き作用が不十分になるからであ
る。また、このガス分離開孔9は前記短辺壁 10aに対向
する側に設ける他、全周に分散配置しても良く、要は吐
出口12に至る間にガス抜きが実現されれば良い。
【0013】タンディッシュ1の下部に設けた駆動シリ
ンダ7を作動して固定プレート6のノズル孔に対するス
ライドプレート6のノズル孔開度を調節しつつ、タンデ
ィッシュ1内の溶鋼をストレート浸漬ノズル8を通して
鋳型10内に注入する。このとき、固定プレート3の流路
面側に埋設したポーラスれんが4にガス供給管5から不
活性ガスを供給して、タンディッシュ1からストレート
浸漬ノズル8内に注入される溶鋼と共に不活性ガス気泡
を流下させる。ストレート浸漬ノズル8は、偏流を防止
するのに有効である他に流下する溶鋼中に存在するアル
ミナ等の介在物が付着し難い長所を持っている。ストレ
ート浸漬ノズル8内を流下する溶鋼中に不活性ガスの気
泡が存在させると、その洗浄作用によってノズル内面へ
の介在物付着をより一層確実に防止できるため、ノズル
閉塞がなくなる。
ンダ7を作動して固定プレート6のノズル孔に対するス
ライドプレート6のノズル孔開度を調節しつつ、タンデ
ィッシュ1内の溶鋼をストレート浸漬ノズル8を通して
鋳型10内に注入する。このとき、固定プレート3の流路
面側に埋設したポーラスれんが4にガス供給管5から不
活性ガスを供給して、タンディッシュ1からストレート
浸漬ノズル8内に注入される溶鋼と共に不活性ガス気泡
を流下させる。ストレート浸漬ノズル8は、偏流を防止
するのに有効である他に流下する溶鋼中に存在するアル
ミナ等の介在物が付着し難い長所を持っている。ストレ
ート浸漬ノズル8内を流下する溶鋼中に不活性ガスの気
泡が存在させると、その洗浄作用によってノズル内面へ
の介在物付着をより一層確実に防止できるため、ノズル
閉塞がなくなる。
【0014】ストレート浸漬ノズル8内を流下する溶鋼
がガス分離開孔9の位置まで流下すると、図3に示すよ
うに溶鋼と共に流下していた不活性ガスの気泡は、その
殆どがガス分離開孔9をくぐり抜けた後、ストレート浸
漬ノズル8の外周面近傍に沿って浮上分離され、湯面か
ら大気中に逃散する。ストレート浸漬ノズル8のストレ
ート吐出口12から鋳型10内に注入された溶鋼流は下向き
鉛直方向となるため偏流が防止されると共に、この下向
き鉛直方向の溶鋼流は、一対の長辺壁10bの背面にそれ
ぞれ配置された静磁場発生装置11を用いて、一方の長辺
壁1bから他方の長辺壁1bへの方向すなわち短辺壁1
aと平行に発生される静磁場によって制動をかえて減速
させる。その結果、溶鋼流が鋳片内の未凝固溶鋼域に深
く侵入するのが阻止され溶鋼中に存在する介在物や気泡
が凝固シェル13に捕捉されるのを阻止することができ
る。
がガス分離開孔9の位置まで流下すると、図3に示すよ
うに溶鋼と共に流下していた不活性ガスの気泡は、その
殆どがガス分離開孔9をくぐり抜けた後、ストレート浸
漬ノズル8の外周面近傍に沿って浮上分離され、湯面か
ら大気中に逃散する。ストレート浸漬ノズル8のストレ
ート吐出口12から鋳型10内に注入された溶鋼流は下向き
鉛直方向となるため偏流が防止されると共に、この下向
き鉛直方向の溶鋼流は、一対の長辺壁10bの背面にそれ
ぞれ配置された静磁場発生装置11を用いて、一方の長辺
壁1bから他方の長辺壁1bへの方向すなわち短辺壁1
aと平行に発生される静磁場によって制動をかえて減速
させる。その結果、溶鋼流が鋳片内の未凝固溶鋼域に深
く侵入するのが阻止され溶鋼中に存在する介在物や気泡
が凝固シェル13に捕捉されるのを阻止することができ
る。
【0015】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明を説明する。ス
ラブ用連続鋳造装置を用いて、酸素濃度28〜34ppm の極
低炭アルミキルド鋼をガス分離開孔を有するストレート
浸漬ノズルを用いると共に、ノズル詰まり防止のための
アルゴンガスの吹き込み量を15Nl/min として静磁場を
印加しながら連続鋳造実験を行った。このときの鋳造条
件を以下に示す。
ラブ用連続鋳造装置を用いて、酸素濃度28〜34ppm の極
低炭アルミキルド鋼をガス分離開孔を有するストレート
浸漬ノズルを用いると共に、ノズル詰まり防止のための
アルゴンガスの吹き込み量を15Nl/min として静磁場を
印加しながら連続鋳造実験を行った。このときの鋳造条
件を以下に示す。
【0016】 鋳造鋳型サイズ : 厚み 215mm、幅2150mm タンディッシュの溶鋼スーパヒート : 29〜34℃ スループット : 2.9ton/min 静磁場発生装置 磁界進行速度 : 1.0m/秒 進行磁界の最大磁束 : 約3000ガウス 比較のため同じ連続鋳造装置を用いて静磁場の作用なし
で逆Y状二孔浸漬ノズルを用いる場合とストレート浸漬
ノズルを用いる場合についてアルゴンガスをほぼ同量で
吹き込む他はできるだけ同条件になるようにして比較実
験を行った。その結果を表1に示す。
で逆Y状二孔浸漬ノズルを用いる場合とストレート浸漬
ノズルを用いる場合についてアルゴンガスをほぼ同量で
吹き込む他はできるだけ同条件になるようにして比較実
験を行った。その結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】また得られた鋳片のアルミナ分布は図7に
示すように鋳片15の幅方向中央部および1/4の位置に
おける破線で示すC断面での厚さ方向(深さとして示
す)についてX線測定で観測したアルミナ個数の分布を
本発明の場合を図5に、また逆Y状二孔浸漬ノズルによ
る従来法の場合を図6に示している。表1に示すよう
に、本発明法によればストレート浸漬ノズルによる従来
法に比較してスラブピンホール個数は大幅に低減され、
逆Y状二孔浸漬ノズルの場合と同レベルの2個/m2 に
維持できると共に、極低炭素鋼製品欠陥発生率を従来の
場合に比較して1/3の0.05%に低減することができ
る。
示すように鋳片15の幅方向中央部および1/4の位置に
おける破線で示すC断面での厚さ方向(深さとして示
す)についてX線測定で観測したアルミナ個数の分布を
本発明の場合を図5に、また逆Y状二孔浸漬ノズルによ
る従来法の場合を図6に示している。表1に示すよう
に、本発明法によればストレート浸漬ノズルによる従来
法に比較してスラブピンホール個数は大幅に低減され、
逆Y状二孔浸漬ノズルの場合と同レベルの2個/m2 に
維持できると共に、極低炭素鋼製品欠陥発生率を従来の
場合に比較して1/3の0.05%に低減することができ
る。
【0019】図5に示すように本発明によれば、アルミ
ナは深さ方向に集積をもたずに分布している。そのため
鋳片の厚さ(深さ)方向中心までアルミナが分布してお
り、ストレート浸漬ノズルであることに由来して偏流が
発生していないことを裏付けている。これに対して図6
に示すように逆Y状二孔浸漬ノズルを用いる従来法で
は、アルミナが表面より20mm内部に集積し始め、40〜50
mm uに集積帯をもっており、これは偏流が発生している
ことを裏付けている。
ナは深さ方向に集積をもたずに分布している。そのため
鋳片の厚さ(深さ)方向中心までアルミナが分布してお
り、ストレート浸漬ノズルであることに由来して偏流が
発生していないことを裏付けている。これに対して図6
に示すように逆Y状二孔浸漬ノズルを用いる従来法で
は、アルミナが表面より20mm内部に集積し始め、40〜50
mm uに集積帯をもっており、これは偏流が発生している
ことを裏付けている。
【0020】ノズル内にアルゴンを吹き込んだ従来の逆
Y状二孔浸漬ノズルを用いた場合には、3チャージ分を
継続して鋳造するとノズル吐出口近傍に最大で10mm厚に
なるアルミナ付着物の層が認められたが、これに対して
ストレート浸漬ノズルにガスを吹き込む従来法とストレ
ート浸漬ノズルにガス分離開孔を設ける本発明法ではア
ルミナ付着物はほとんど認められなかった。
Y状二孔浸漬ノズルを用いた場合には、3チャージ分を
継続して鋳造するとノズル吐出口近傍に最大で10mm厚に
なるアルミナ付着物の層が認められたが、これに対して
ストレート浸漬ノズルにガスを吹き込む従来法とストレ
ート浸漬ノズルにガス分離開孔を設ける本発明法ではア
ルミナ付着物はほとんど認められなかった。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明ではストレー
ト浸漬ノズルのストレート吐出口から下向き鉛直になる
ので横方向への偏流が防止されるため、偏流に起因する
トラブルが解消されるストレート浸漬ノズル内を流下す
る溶鋼中に不活性ガスの気泡が存在するので、その洗浄
作用によりアルミナ等の介在物がノズル内に付着するの
を防止できる。
ト浸漬ノズルのストレート吐出口から下向き鉛直になる
ので横方向への偏流が防止されるため、偏流に起因する
トラブルが解消されるストレート浸漬ノズル内を流下す
る溶鋼中に不活性ガスの気泡が存在するので、その洗浄
作用によりアルミナ等の介在物がノズル内に付着するの
を防止できる。
【0022】またストレート浸漬ノズルのストレート吐
出口から溶鋼が吐出される前にガス分離開孔から溶鋼中
の不活性ガスが分離されるので、鋳型内に注入される溶
鋼中に持ち込まれる気泡は少なくなり、ピンホールの発
生が予防できる。さらにストレート浸漬ノズルから下向
きに鉛直に吐出される溶鋼の流速は静磁場発生装置の静
磁場により制動されて減速されるため溶鋼のスループッ
ト量を増加してもアルミナ等の介在物や不活性ガス気泡
の凝固シェルへの捕捉がないので品質の優れた鋳片が製
造できる。
出口から溶鋼が吐出される前にガス分離開孔から溶鋼中
の不活性ガスが分離されるので、鋳型内に注入される溶
鋼中に持ち込まれる気泡は少なくなり、ピンホールの発
生が予防できる。さらにストレート浸漬ノズルから下向
きに鉛直に吐出される溶鋼の流速は静磁場発生装置の静
磁場により制動されて減速されるため溶鋼のスループッ
ト量を増加してもアルミナ等の介在物や不活性ガス気泡
の凝固シェルへの捕捉がないので品質の優れた鋳片が製
造できる。
【図1】本発明に係る装置の構成を示す正面側の断面図
である。
である。
【図2】本発明に係る装置の構成を示す側面側の断面図
である。
である。
【図3】本発明に係るストレート浸漬ノズルのガス分離
開孔からのガス気泡の分離状況を断面で示す説明図であ
る。
開孔からのガス気泡の分離状況を断面で示す説明図であ
る。
【図4】図3のA−A矢視を示す断面図である。
【図5】本発明法による鋳片のアルミナ分布状況を示す
グラフである。
グラフである。
【図6】従来法による鋳片のアルミナ分布状況を示すグ
ラフである。
ラフである。
【図7】鋳片のアルミナ分布を調査するための試験位置
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
1 タンディッシュ 2 上ノズル 3 固定プレート 4 ポーラスれんが 5 ガス供給管 6 スライドプレート 7 駆動シリンダ 8 ストレート浸漬ノズル 9 ガス分離開孔 10 鋳型 10a 短辺壁 10b 長辺壁 11 静磁場発生装置 12 ストレート吐出口 13 凝固シェル
Claims (1)
- 【請求項1】 タンディッシュから溶鋼を、一対の短辺
壁と長辺壁との組合せからなる鋳型内に、タンディッシ
ュとつながるノズル先端を開放したストレート浸漬ノズ
ルを通して供給しつつ鋼スラブを連続鋳造するにあた
り、前記タンディッシュからストレートに注入される溶
鋼に不活性ガスを吹き込むガス供給手段を設けると共
に、前記ストレート浸漬ノズル側面の溶鋼浸漬部にそれ
ぞれガス分離開孔を設ける一方、前記ストレート浸漬ノ
ズルの吐出口下方近傍部に対応する長辺壁の背面に静磁
場発生装置を配置し、前記ガス供給手段により吹き込ん
だストレート浸漬ノズルを流下する溶鋼中の不活性ガス
をガス分離開孔から分離して浮上させると共に前記静磁
場発生装置により一方の長辺壁から他方の長辺壁に向か
う静磁場を発生させることによって前記ストレート浸漬
ノズルの吐出口から下方に向けて鋳型内に吐出される溶
鋼の流速を減速させることを特徴とするストレート浸漬
ノズルを用いた無欠陥鋳片の連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17086192A JP2603402B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | ストレート浸漬ノズルを用いた無欠陥鋳片の連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17086192A JP2603402B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | ストレート浸漬ノズルを用いた無欠陥鋳片の連続鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0615420A true JPH0615420A (ja) | 1994-01-25 |
JP2603402B2 JP2603402B2 (ja) | 1997-04-23 |
Family
ID=15912676
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17086192A Expired - Lifetime JP2603402B2 (ja) | 1992-06-29 | 1992-06-29 | ストレート浸漬ノズルを用いた無欠陥鋳片の連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2603402B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07100607A (ja) * | 1993-10-04 | 1995-04-18 | Nippon Steel Corp | 鋼の連続鋳造方法 |
JPH07100608A (ja) * | 1993-10-04 | 1995-04-18 | Nippon Steel Corp | 鋼の連続鋳造方法 |
CN111215617A (zh) * | 2020-03-31 | 2020-06-02 | 武汉科技大学 | 一种小方坯高速连铸用浸入式水口 |
-
1992
- 1992-06-29 JP JP17086192A patent/JP2603402B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07100607A (ja) * | 1993-10-04 | 1995-04-18 | Nippon Steel Corp | 鋼の連続鋳造方法 |
JPH07100608A (ja) * | 1993-10-04 | 1995-04-18 | Nippon Steel Corp | 鋼の連続鋳造方法 |
CN111215617A (zh) * | 2020-03-31 | 2020-06-02 | 武汉科技大学 | 一种小方坯高速连铸用浸入式水口 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2603402B2 (ja) | 1997-04-23 |
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