JPH0614948A - 鎖骨用単一包帯 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】背中を横断して延長する背帯１と、その背帯に
連続してわき下から鎖骨を越えて延長する肩帯２、３と
からなり、その肩帯は背帯の中央の領域４において交差
しかつ腰の外側から腹へ回って連結端部９、１０に延長
する鎖骨用単一包帯であって、鎖骨の治療処置に有用な
ものを提供する。 【構成】包帯を非弾性帯材から形成し、両肩帯２、３を
背帯１の背骨から外れた両側の相互に離れた位置におい
て背帯１に重合し、その重合箇所５、６にいが状結合を
形成し、そのいが状結合のいが状部分７、８を背帯に、
外被部分を肩帯にそれぞれ設け、その外被部分によって
相手のいが状部分を完全に覆うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は鎖骨用のワンピース包帯
に関するものであり、その包帯は背中を横切って延長す
る１本の背帯と、わき下を通り鎖骨上を越え、さらに延
長して背帯と連結する複数の肩帯を備え、その肩帯は背
帯の中央部分の交差箇所において交差して腰から下腹に
いたる連結端まで延長し、そこでその連結端はいが状結
合によって相互に連結する。

【０００２】

【従来の技術】このようなコルセットとしての包帯はド
イツ実用新案第１９３２７４５号によって公知であり、
姿勢改善手段として用いられている。この目的のため、
その包帯は弾性帯材から構成され、その肩帯は背帯の中
央の上においてゆるく交差する。そのバンドは追従性が
よいため、バンド着用者が背を曲げると、このバンドは
着用者に背の曲げがさらに大きくなるような圧力を加え
るが、そのことによって、着用者にその姿勢が健康上望
ましくないものであることをある程度気づかせるから、
そのバンドは「警告バンド」とも呼ばれている。しか
し、肩帯と背帯の交差は遊びがあるので、肩帯と背帯の
交差位置を調整可能にすることが強く要望されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は肩関節
脱臼又は鎖骨骨折等の患者に対して鎖骨に圧力を加える
特別な治療処理を可能にする単一包帯を提供することに
ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は包帯を非弾性帯材から形成し、その複数の
肩帯を背帯上の背骨から外れた側方の相互に間隔をあけ
た位置に配置し、両帯の重合位置にいが状結合を形成
し、そのいが状結合のいが状部分を背帯の上に、その相
手の外被部分はいが状部分を完全に覆う肩帯に形成す
る。

【０００５】

【作用】この包帯の構成により、包帯は患者の身体に適
用する一様なテンションを生ずることが可能であり、そ
のための背帯と肩帯の必要な長さは肩帯のいが状結合の
外被部分をいが状部分に合わせて背帯に押しつけるだけ
で簡単に自動調整され、その結果、このように形成され
たいが状結合の関係位置は包帯を多少固くしめつける肩
帯によっておのずから定まる。いが状部分は肩帯によっ
て完全に被覆されるため、いが状部材が患者の衣服に対
して好ましくない引っかきを及ぼして衣服を損なうよう
なことはありえない。肩帯の両端部のいが状結合を圧着
することによって包帯は結合するから、患者の身体に包
帯を全体として満足いくように付けることが可能であ
る。鎖骨に加わる張力は一様であり、包帯は主として肩
帯と背帯の領域においてそのいが状結合を介して取り付
けられ、そのいが状結合は包帯に作用する引っ張り応力
を順次吸収してその取付けを確実にする。

【０００６】包帯全体をいが状結合のいが状部分と結合
可能な外被部分として形成することも可能である。この
場合、背帯に設けるいが状部分によって肩帯の長さを制
限する必要はなくなる。肩帯の交差箇所が背帯の上方の
背帯とは重ならない位置にあるように背帯上にいが状結
合を設定したとき、肩帯の位置は特に好ましいものとな
る。この場合、肩帯はわき下と鎖骨に密着し、包帯は治
療する鎖骨に対して特に均一な張力を作用する結果とな
る。

【０００７】

【実施例】図１及び図２に示す単一包帯は背骨を横断す
る背帯１を備え、その背帯から２本の肩帯２、３が図に
示すとおり患者のわき下から胸を越えて両肩に至る。そ
れから、肩帯２、３は肩の鎖骨領域を背中の方向に越
え、背骨上の交差箇所４を経て背帯１まで延長し、背帯
を重合部分５、６において越える。破線の円で示すいが
状結合のいが状部分７、８は背帯１の重合部分５、６の
外面に設けられ、その上に肩帯２、３の内面を押し付け
る。肩帯２、３のこの内面にはそれぞれ外被部分を形成
し、それらをいが状部分７、８に接着し、それらにより
背帯１と肩帯２、３を強固かつ脱着可能に結合する。重
合部分５、６から先の肩帯２、３の部分は患者の腰に達
し、ついで下腹へ回って両端部９、１０となり、その両
端部は下腹の中央において、いが状結合１１によって相
互に結合する。図２に詳細を示すように、そのいが状結
合は一方の端部内面の外被部分と他方の端部外面のいが
状部分からそれぞれ形成される。交差箇所４は背帯１の
上方の背帯と重ならない位置にある。これは重合部分
５、６すなわちいが状部分７、８を離間させ、それによ
って患者の背骨を山形に覆い、肩帯２、３は腰の領域の
比較的高い位置にくっつき、それからいが状結合１１に
よって患者の下腹の回わりで結合する。

【０００８】この包帯を巻くとき、始めに背帯１を患者
の背中に回わし、２本の肩帯２、３を胸側から肩越しに
下げる。それから、患者の背中から垂れ下がる肩帯２、
３を手でつかみ、背中において交差させ、腰へ回わし、
ついで腰バンドのように腹に回していが状結合で相互に
結合する。包帯に必要な張力は背帯１上で肩帯２、３の
両端部９、１０を固く引くことにより得られ、それによ
って、肩帯２、３をいが状部分７、８に押し付け、背帯
１と肩帯２、３の補完的な結合を形成する。端部９、１
０を引いて、肩帯２、３の張力を端部９、１０がいが状
結合１１によって相互に結合するまで張力を保持する。

【０００９】図示した包帯は非弾性材からなるから、包
帯に作用する張力は常に均一性を保ち、それによって肩
帯２及び又は３による所望の鎖骨に対する治療効果を生
み出しかつ維持する。少なくとも肩帯２、３と端部９、
１０の身体側はいが状結合の外被部分として形成される
から、どのような長さの肩帯２、３であっても背帯１上
のいが状部分７、８に押し付けることによって調整可能
である。このように、その外被部分はいが状結合１１の
いが状部分を完全に覆うから、いが状部分が包帯の上に
着用した衣服を損なうおそれはない。

【００１０】

【発明の効果】上記のとおり、本発明の非弾性帯材から
なる包帯は、従来の弾性材からなり、着用者の姿勢によ
って鎖骨に作用する張力が変化するものとは異なり、常
に鎖骨に均一な張力を作用するから、鎖骨の治療処置に
有用であるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の包帯を付けた患者の背面図、

【図２】 図１の患者の正面図、

【符号の説明】

１：背帯、２、３：肩帯、４：交差箇所、５、６：重合
部分、７、８：いが状部分、９、１０：端部、１１：い
が状結合

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ライネル ショイエルマン ドイツ連邦共和国 ヴェー 2300 キール ノルトドイチェ シュトラッセ 23

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】背中を横断する背帯（１）と、前記背帯に
   接続された複数の肩帯（２、３）とを備え、前記肩帯は
   わき下を通り、鎖骨上を越えて延長し、前記背帯の中央
   の領域にある交差箇所（４）において交差し、前記肩帯
   の連結端（９、１０）は両側から腰を回って下腹へ延長
   し、そこで、いが状結合（１１）を介して相互に連結す
   る単一包帯であって、前記単一包帯は非弾性帯材からな
   り、前記肩帯（２、３）は背骨から外れた両側の相互に
   間をあけた位置において前記背帯に上から重なり、その
   重合箇所（５、６）にそれぞれいが状結合を形成し、前
   記いが状結合のいが状部分（７、８）は前記背帯（１）
   上に、外被部分は前記肩帯にそれぞれ設け、前記外被部
   分は前記いが状部分を完全に覆うようにしたことを特徴
   としてなる鎖骨用単一包帯。
2. 【請求項２】全体をいが状結合（１１）のいが状部分と
   結合可能な外被部分として形成したことを特徴とする請
   求項１記載の鎖骨用単一包帯。
3. 【請求項３】肩帯（２、３）の交差箇所（４）が背帯
   （１）の上方にあって背帯とは重ならないように、前記
   背帯（１）上のいが状部分（７、８）の相互の間隔を保
   持したことを特徴とする請求項１又は２記載の鎖骨用単
   一包帯。