JPH0611305B2 - 抗血栓性材料の製造方法 - Google Patents
抗血栓性材料の製造方法Info
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- JPH0611305B2 JPH0611305B2 JP60165990A JP16599085A JPH0611305B2 JP H0611305 B2 JPH0611305 B2 JP H0611305B2 JP 60165990 A JP60165990 A JP 60165990A JP 16599085 A JP16599085 A JP 16599085A JP H0611305 B2 JPH0611305 B2 JP H0611305B2
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- JP
- Japan
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- collagen
- medical material
- antithrombotic
- heparin
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-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L33/00—Antithrombogenic treatment of surgical articles, e.g. sutures, catheters, prostheses, or of articles for the manipulation or conditioning of blood; Materials for such treatment
- A61L33/0005—Use of materials characterised by their function or physical properties
- A61L33/0011—Anticoagulant, e.g. heparin, platelet aggregation inhibitor, fibrinolytic agent, other than enzymes, attached to the substrate
- A61L33/0023—Anticoagulant, e.g. heparin, platelet aggregation inhibitor, fibrinolytic agent, other than enzymes, attached to the substrate using a quaternized group or a protonated amine group of the substrate
-
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- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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- Y10S128/08—Collagen
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- Materials For Medical Uses (AREA)
- Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は抗血栓性及び抗癒着性を有する医用材料の製造
方法に関するものであり、さらに詳しくは人工血管、人
工弁、心臓血管系臓器へのパツチ材、人工心臓カテーテ
ル等に使用される抗血栓性材料及び癒着防止膜等の抗癒
着性材料の製造方法に関する。
方法に関するものであり、さらに詳しくは人工血管、人
工弁、心臓血管系臓器へのパツチ材、人工心臓カテーテ
ル等に使用される抗血栓性材料及び癒着防止膜等の抗癒
着性材料の製造方法に関する。
(従来の技術) 人工血管、人工弁、人工心臓などの血液と接触する医用
材料は血液と接触する面に抗血栓性がなければ、その接
触面において血栓が生じ生体に深刻な影響を与える。一
方、コラーゲンは細胞との親和性が非常に優れているの
で近年医用材料として広く利用されつつあるが、他方、
コラーゲン自体には抗血栓性がないので人工血管などへ
の応用は困難であつた。ところで、本発明者らコラーゲ
ンに抗血栓性を付与するため種々検討を行つて来たが、
その一例としてコラーゲンにプロタミンという塩基性タ
ンパク質を架橋剤で結合させ、更にプロタミンに抗血栓
性物質であるヘパリンをイオン結合させることによりコ
ラーゲンに抗血栓性を付与する方法を見出し先に出願し
たが(特開昭58−180162号参照)、この方法は
プロタミンという塩基性タンパク質を必要とするため操
作が本発明に比べて煩雑であり、またプロタミンの抗原
性が問題になる等の欠点があつた。
材料は血液と接触する面に抗血栓性がなければ、その接
触面において血栓が生じ生体に深刻な影響を与える。一
方、コラーゲンは細胞との親和性が非常に優れているの
で近年医用材料として広く利用されつつあるが、他方、
コラーゲン自体には抗血栓性がないので人工血管などへ
の応用は困難であつた。ところで、本発明者らコラーゲ
ンに抗血栓性を付与するため種々検討を行つて来たが、
その一例としてコラーゲンにプロタミンという塩基性タ
ンパク質を架橋剤で結合させ、更にプロタミンに抗血栓
性物質であるヘパリンをイオン結合させることによりコ
ラーゲンに抗血栓性を付与する方法を見出し先に出願し
たが(特開昭58−180162号参照)、この方法は
プロタミンという塩基性タンパク質を必要とするため操
作が本発明に比べて煩雑であり、またプロタミンの抗原
性が問題になる等の欠点があつた。
(解決しようとする問題点) 本発明者は上記の欠点を改良しプロタミンなどのタンパ
ク質を必要とせず簡単な方法でコラーゲンに抗血栓性を
付与することを見出し本発明を完成するに至つたのであ
る。
ク質を必要とせず簡単な方法でコラーゲンに抗血栓性を
付与することを見出し本発明を完成するに至つたのであ
る。
(問題点を解決するための手段) コラーゲン単独又はコラーゲンを構成成分とする複合体
からなる医用材料にグリシジルトリアルキルアンモニウ
ムハライドを反応させてて4級化し、しかるのちヘパリ
ンをイオン結合によつて固定化することを特徴とする抗
血栓性及び抗癒着性を有する医用材料の製造方法であ
る。コラーゲンを本発明の方法でヘパリン化すると血漿
中に存在するアンチトロビンIII(ヘパリンコフアクタ
ー)によるトロンビンの活性の阻害を著しく増進させる
ので、ファブリノーゲンからのフィブリンの形成が阻害
される。ファブリノーゲンからのフィブリンが形成され
なければ、血液凝固の血栓形形成の最終段階の反応が進
行せず、したがつて抗血栓性が発現される。また、フィ
ブリンは細胞との親和性が非常に良いので創傷治癒の過
程でフィブリン形成後に細胞が修復され、治癒が完了す
る。しかし、外科手術においては、術後の治癒の途中で
フィブリンの形成によりまわりの組織との癒着が起こ
り、新たな障害が発生してしまうことがある。このよう
な例には本発明の方法で作成した癒着防止膜を使用すれ
ば、フィブリンの形成を阻害するので、外科手術後の癒
着がおこらない。以上述べたように血栓防止と癒着防止
は原理が同じであり、フィブリノーゲンからのフィブリ
ン形成反応をヘパリンにより阻害している。したがっ
て、本発明の方法を使用すれば、抗血栓及び抗癒着性を
有する医用材料を簡便な方法で作成できる。しかして、
本発明で使用するコラーゲンとはコラゼナーゼ以外のタ
ンパク質分解酵素でテロペプチドを除去したアテロコラ
ーゲンや皮膚や腱から精製した不活性のコラーゲン又は
これらを変性させたゼラチン及びこれらコラーゲン又は
ゼラチンをアシル化等の化学修飾したコラーゲンやゼラ
チンの誘導体であつて、本発明ではこれらのコラーゲン
単独或はこれらコラーゲンとムコ多糖との混合物又はコ
ラーゲンを合成高分子材料に塗布又は含浸させた複合材
もしくは動物から採取した血管、尿道、心膜などのコラ
ーゲンを含む医用材料ならいかなるものでも使用するこ
とができ、これら材料によつて形成される医用品の形状
としては糸、スポンジ、フイルム、不織布、チユーブ等
何れの形状でもよい。
からなる医用材料にグリシジルトリアルキルアンモニウ
ムハライドを反応させてて4級化し、しかるのちヘパリ
ンをイオン結合によつて固定化することを特徴とする抗
血栓性及び抗癒着性を有する医用材料の製造方法であ
る。コラーゲンを本発明の方法でヘパリン化すると血漿
中に存在するアンチトロビンIII(ヘパリンコフアクタ
ー)によるトロンビンの活性の阻害を著しく増進させる
ので、ファブリノーゲンからのフィブリンの形成が阻害
される。ファブリノーゲンからのフィブリンが形成され
なければ、血液凝固の血栓形形成の最終段階の反応が進
行せず、したがつて抗血栓性が発現される。また、フィ
ブリンは細胞との親和性が非常に良いので創傷治癒の過
程でフィブリン形成後に細胞が修復され、治癒が完了す
る。しかし、外科手術においては、術後の治癒の途中で
フィブリンの形成によりまわりの組織との癒着が起こ
り、新たな障害が発生してしまうことがある。このよう
な例には本発明の方法で作成した癒着防止膜を使用すれ
ば、フィブリンの形成を阻害するので、外科手術後の癒
着がおこらない。以上述べたように血栓防止と癒着防止
は原理が同じであり、フィブリノーゲンからのフィブリ
ン形成反応をヘパリンにより阻害している。したがっ
て、本発明の方法を使用すれば、抗血栓及び抗癒着性を
有する医用材料を簡便な方法で作成できる。しかして、
本発明で使用するコラーゲンとはコラゼナーゼ以外のタ
ンパク質分解酵素でテロペプチドを除去したアテロコラ
ーゲンや皮膚や腱から精製した不活性のコラーゲン又は
これらを変性させたゼラチン及びこれらコラーゲン又は
ゼラチンをアシル化等の化学修飾したコラーゲンやゼラ
チンの誘導体であつて、本発明ではこれらのコラーゲン
単独或はこれらコラーゲンとムコ多糖との混合物又はコ
ラーゲンを合成高分子材料に塗布又は含浸させた複合材
もしくは動物から採取した血管、尿道、心膜などのコラ
ーゲンを含む医用材料ならいかなるものでも使用するこ
とができ、これら材料によつて形成される医用品の形状
としては糸、スポンジ、フイルム、不織布、チユーブ等
何れの形状でもよい。
ところで本発明は先づコラーゲンにグリシジルトリアル
キルアンモニウムハライドを反応させて4級化し、コラ
ーゲンにカチオン性官能基を導入したのち、このカチオ
ン性官能基に酸性ムコ多糖であるヘパリンを反応させる
ことによつてカチオン性官能基とヘパリンとをイオン結
合させコラーゲンをヘパリン化するのである。この反応
は次のように表わされる。
キルアンモニウムハライドを反応させて4級化し、コラ
ーゲンにカチオン性官能基を導入したのち、このカチオ
ン性官能基に酸性ムコ多糖であるヘパリンを反応させる
ことによつてカチオン性官能基とヘパリンとをイオン結
合させコラーゲンをヘパリン化するのである。この反応
は次のように表わされる。
コラーゲンとグリシジルトリアルキルアンモニウムハラ
イドとの反応はコラーゲンの水性溶液中にグリシジルト
リアルキルアンモニウムハライドを添加混合するか、或
は前記のコラーゲンによつて成形された医用品をグリシ
ジルトリアルキルアンモニウムハライド溶液に浸漬する
ことによつて行なわせることができる。しかして、グリ
シジルトリアルキルアンモニウムハライドはエポキシ基
を有するのでコラーゲンのアミノ基、カルボキシ基、ヒ
ドロキシル基等と容易に反応するので比較的緩和な条件
で反応を行なわせることができる。
イドとの反応はコラーゲンの水性溶液中にグリシジルト
リアルキルアンモニウムハライドを添加混合するか、或
は前記のコラーゲンによつて成形された医用品をグリシ
ジルトリアルキルアンモニウムハライド溶液に浸漬する
ことによつて行なわせることができる。しかして、グリ
シジルトリアルキルアンモニウムハライドはエポキシ基
を有するのでコラーゲンのアミノ基、カルボキシ基、ヒ
ドロキシル基等と容易に反応するので比較的緩和な条件
で反応を行なわせることができる。
次に、得られたグリシジルトリアルキルアンモニウムハ
ライドによつて4級化したコラーゲンをヘパリン水溶液
に浸漬することによつてコラーゲンをヘパリン化するこ
とができる。すなわち、4級化したコラーゲンを濃度0.
1〜10%のヘパリン水溶液に常温もしくは30℃程度
に加温した状態で約1〜5時間浸漬することによつて行
うことができる。
ライドによつて4級化したコラーゲンをヘパリン水溶液
に浸漬することによつてコラーゲンをヘパリン化するこ
とができる。すなわち、4級化したコラーゲンを濃度0.
1〜10%のヘパリン水溶液に常温もしくは30℃程度
に加温した状態で約1〜5時間浸漬することによつて行
うことができる。
本発明において使用するグリシジルトリアルキルアンモ
ニウムハライドとしては、エポキシ基を持つ4級化剤で
あり、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド、
グリシジルトリエチルアンモニウムブロマイドなど種々
のものがあげられる。
ニウムハライドとしては、エポキシ基を持つ4級化剤で
あり、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド、
グリシジルトリエチルアンモニウムブロマイドなど種々
のものがあげられる。
次に実施例をもつて本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例に限定されるものではない。
本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(実施例1) 犬から採取した新鮮な動脈(内径3mm、長さ6cm)を0.
01%フイシン溶液に浸漬し(24時間、pH7.25
℃)、良く水洗することによりコラーゲン以外のタンパ
ク質を除去した。次にグリシジルトリメチルアンモニウ
ムクロライド(GTMAC)1gを100mlの水に溶解し(p
H8)、犬動脈の内腔にGTMAC溶液を注入して30℃で2
時間反応させた。この後良く水洗してから1.5%ヘパリ
ン水溶液に1時間浸漬し良く水洗することにより、本発
明の抗血栓材料である人工血管を得た。
01%フイシン溶液に浸漬し(24時間、pH7.25
℃)、良く水洗することによりコラーゲン以外のタンパ
ク質を除去した。次にグリシジルトリメチルアンモニウ
ムクロライド(GTMAC)1gを100mlの水に溶解し(p
H8)、犬動脈の内腔にGTMAC溶液を注入して30℃で2
時間反応させた。この後良く水洗してから1.5%ヘパリ
ン水溶液に1時間浸漬し良く水洗することにより、本発
明の抗血栓材料である人工血管を得た。
(実施例2) 牛のアキレス腱を粉砕し、良く水洗し乾燥することによ
つて得たテンドンコラーゲン1gを100mlの水に加え、
1NHClでpH3に調整した。更にこの分散液にヒアル
ロン酸10mgを加えホモジナイザーで良く撹拌した。ポ
リエステル繊維で編んだ人工血管(内径3mm、長さ6c
m)の一端をふさぎ、他方の末端から上記の分散液を注
入し、300mmHgに相当する空気圧をかけながら1%アン
モニア水溶液中に浸漬して外側から中和した。1時間後
余分な分散液を除去し、グリシジルトリメチルアンモニ
ウムクロライド(GTMAC)の1%水溶液を内腔に注入
し、30℃で2時間反応させた。この後良く水洗し、1
%グルタルアルデヒド溶液(pH9)に浸漬して、コラー
ゲン線維間に架橋を導入した。更に良く水洗した後1.5
%ヘパリン水溶液に1時間浸漬し、内腔をヘパリン化し
た。次にこのチユーブを水洗して、凍結乾燥することに
より、本発明の抗血栓性材料よりなる人工血管を得た。
つて得たテンドンコラーゲン1gを100mlの水に加え、
1NHClでpH3に調整した。更にこの分散液にヒアル
ロン酸10mgを加えホモジナイザーで良く撹拌した。ポ
リエステル繊維で編んだ人工血管(内径3mm、長さ6c
m)の一端をふさぎ、他方の末端から上記の分散液を注
入し、300mmHgに相当する空気圧をかけながら1%アン
モニア水溶液中に浸漬して外側から中和した。1時間後
余分な分散液を除去し、グリシジルトリメチルアンモニ
ウムクロライド(GTMAC)の1%水溶液を内腔に注入
し、30℃で2時間反応させた。この後良く水洗し、1
%グルタルアルデヒド溶液(pH9)に浸漬して、コラー
ゲン線維間に架橋を導入した。更に良く水洗した後1.5
%ヘパリン水溶液に1時間浸漬し、内腔をヘパリン化し
た。次にこのチユーブを水洗して、凍結乾燥することに
より、本発明の抗血栓性材料よりなる人工血管を得た。
実施例1及び2で得た人工血管を犬の頚動脈に移植し、
3ケ月間観察したところ全く血栓は付着せず、開存率は
100%であつた。
3ケ月間観察したところ全く血栓は付着せず、開存率は
100%であつた。
(実施例3) ゼラチン10gを100mlの水に加え、更にグリシジル
トリメチルアンモニウムクロライドを0.1g、ヘパリンを
0.15g加え、50℃に加温し良く溶解した。
トリメチルアンモニウムクロライドを0.1g、ヘパリンを
0.15g加え、50℃に加温し良く溶解した。
以上の溶液をテトロンメツシユで作つたチユーブ内径6
mm、長さ10cmに注入し、良く含浸させた。1%グルタ
ルアルデヒド水溶液(pH7)に10時間、30℃で浸漬
した後十分水洗してその後、5%グリセリン溶液に1時
間浸漬し、風乾した。以上により本発明の抗血栓性材料
よりなる人工血管を得た。この人工血管を犬の胸部大動
脈に移植したところ開存率は100%であつた。
mm、長さ10cmに注入し、良く含浸させた。1%グルタ
ルアルデヒド水溶液(pH7)に10時間、30℃で浸漬
した後十分水洗してその後、5%グリセリン溶液に1時
間浸漬し、風乾した。以上により本発明の抗血栓性材料
よりなる人工血管を得た。この人工血管を犬の胸部大動
脈に移植したところ開存率は100%であつた。
(実施例4) 実施例3で得たゼラチンとグリシジルトリメチルアンモ
ニウムクロライドとヘパリンの混合溶液を人工肺の内面
に塗布し、実施例3と同様にして、内面を抗血栓材料で
被覆した。以上により本発明の抗血栓性材料よりなる人
工肺を得た。この人工肺は全く血栓が付着せず副作用な
どもなく良好な結果示した。
ニウムクロライドとヘパリンの混合溶液を人工肺の内面
に塗布し、実施例3と同様にして、内面を抗血栓材料で
被覆した。以上により本発明の抗血栓性材料よりなる人
工肺を得た。この人工肺は全く血栓が付着せず副作用な
どもなく良好な結果示した。
(実施例5) ヒト羊膜(10cm×10cm)を蒸留水で良く洗う。1%濃度
(W/W)のグリシジルトリメチルアンモニユウムクロ
ライド(GTMAC)水溶液(pH10)1lにヒト羊膜をつけ
45℃で5時間反応させる。よく水洗した後1%濃度
(W/W)のヘパリン水溶液に浸漬し、45℃で1時間
反応させる。再び十分水洗した後に70%エタノール中
に保存する。以上により本発明の抗癒着性材料による癒
着防止膜を得た。
(W/W)のグリシジルトリメチルアンモニユウムクロ
ライド(GTMAC)水溶液(pH10)1lにヒト羊膜をつけ
45℃で5時間反応させる。よく水洗した後1%濃度
(W/W)のヘパリン水溶液に浸漬し、45℃で1時間
反応させる。再び十分水洗した後に70%エタノール中
に保存する。以上により本発明の抗癒着性材料による癒
着防止膜を得た。
この膜で動物実験をおこなつた。すなわち、雑種成犬を
全身麻酔下に開腹し、大腸漿膜を5cm平方の広さに大腸
縦走筋層も含めて剥ぎとりここに前記の癒着防止膜を縫
着し創傷部分を覆つたが、100%の抗癒着性を得た。
全身麻酔下に開腹し、大腸漿膜を5cm平方の広さに大腸
縦走筋層も含めて剥ぎとりここに前記の癒着防止膜を縫
着し創傷部分を覆つたが、100%の抗癒着性を得た。
(効果) 本発明はコラーゲン又はこれを構成成分とする医用材料
にグリシジルトリアルキルアンモニウムを反応させるこ
とにより先行技術である塩基性タンパク質であるプロタ
ミンを反応させた場合に比して安価で且つ容易に4級化
コラーゲンが得られ、したがつて、コラーゲンにヘパリ
ンを容易に固定化することができる。かくして、ヘパリ
ンを固定化したコラーゲンより製造された医用品を生体
内に埋入した場合細胞との親和性が良好であると共にヘ
パリンが徐放されヘパリンの持つ抗凝血作用と抗癒着作
用により、強力な抗血栓性及び抗癒着性が長期間維され
るというすぐれた効果を奏するのである。
にグリシジルトリアルキルアンモニウムを反応させるこ
とにより先行技術である塩基性タンパク質であるプロタ
ミンを反応させた場合に比して安価で且つ容易に4級化
コラーゲンが得られ、したがつて、コラーゲンにヘパリ
ンを容易に固定化することができる。かくして、ヘパリ
ンを固定化したコラーゲンより製造された医用品を生体
内に埋入した場合細胞との親和性が良好であると共にヘ
パリンが徐放されヘパリンの持つ抗凝血作用と抗癒着作
用により、強力な抗血栓性及び抗癒着性が長期間維され
るというすぐれた効果を奏するのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 啓 京都府京都市下京区正面通上手町東入る繊 屋町375
Claims (4)
- 【請求項1】コラーゲン単独又はコラーゲンを構成成分
とする医用材料にグリシジルトリアルキルアンモニウム
ハライドを反応させてコラーゲンにカチオン性官能基を
導入し、該カチオン性官能基にヘパリンをイオン結合さ
せることを特徴とする抗血栓性及び抗癒着性を有する医
用材料の製造方法。 - 【請求項2】グリシジルトリアルキルアンモニウムハラ
イドがグリシジルトリメチルアンモニウムクロライドで
ある特許請求の範囲第1項記載の抗血栓性及び抗癒着性
を有する医用材料の製造方法。 - 【請求項3】コラーゲンを構成成分とする医用材料がコ
ラーゲンとムコ多糖とからなる医用材料である特許請求
の範囲第1項記載の抗血栓性及び抗癒着性を有する医用
材料の製造方法。 - 【請求項4】コラーゲンを構成成分とする医用材料がコ
ラーゲンを合成高分子材料に塗布又は含浸した複合体で
ある特許請求の範囲第1項記載の抗血栓性及び抗癒着性
を有する医用材料の製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60165990A JPH0611305B2 (ja) | 1985-07-29 | 1985-07-29 | 抗血栓性材料の製造方法 |
EP86109403A EP0212209B1 (en) | 1985-07-29 | 1986-07-09 | A production process of an antithrombogenic and antiadhesive material for medical use |
DE8686109403T DE3676588D1 (de) | 1985-07-29 | 1986-07-09 | Verfahren zur herstellung von einem antithrombogenen und nicht haftenden material fuer medizinische zwecke. |
US06/885,782 US4690973A (en) | 1985-07-29 | 1986-07-15 | Production process of an antithrombogenic and antiadhesive material for medical use |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60165990A JPH0611305B2 (ja) | 1985-07-29 | 1985-07-29 | 抗血栓性材料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6226068A JPS6226068A (ja) | 1987-02-04 |
JPH0611305B2 true JPH0611305B2 (ja) | 1994-02-16 |
Family
ID=15822817
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60165990A Expired - Lifetime JPH0611305B2 (ja) | 1985-07-29 | 1985-07-29 | 抗血栓性材料の製造方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4690973A (ja) |
EP (1) | EP0212209B1 (ja) |
JP (1) | JPH0611305B2 (ja) |
DE (1) | DE3676588D1 (ja) |
Families Citing this family (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6229532A (ja) * | 1985-07-31 | 1987-02-07 | Koken:Kk | 抗血栓性医用材料及びその製造方法 |
JPS6238172A (ja) * | 1985-08-12 | 1987-02-19 | 株式会社 高研 | 抗血栓性医用材料の製造方法 |
JPS6434359A (en) * | 1987-07-30 | 1989-02-03 | Toray Industries | Novel high performance medical patch |
JPS6434358A (en) * | 1987-07-31 | 1989-02-03 | Toray Industries | Medical patch material for forming connective tissue |
JPS6434360A (en) * | 1987-07-31 | 1989-02-03 | Toray Industries | Improved hybrid artificial blood vessel |
US5252557A (en) * | 1988-07-25 | 1993-10-12 | Kiyoshi Kita | Administration method of antithrombin |
US5207705A (en) * | 1988-12-08 | 1993-05-04 | Brigham And Women's Hospital | Prosthesis of foam polyurethane and collagen and uses thereof |
US5648070A (en) * | 1991-12-04 | 1997-07-15 | Cobe Laboratories, Inc. | Biocompatible anion exchange materials |
JP3766935B2 (ja) | 1994-04-29 | 2006-04-19 | シメッド ライフ システムズ,インコーポレーテッド | コラーゲンを有するステント |
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