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JPH05213980A - 抗新生物作用を有する薬剤、オクタデシル−[2−(n−メチルピペリジノ)−エチル−ホスフェートの製造及び精製法及び薬剤の製法 - Google Patents

抗新生物作用を有する薬剤、オクタデシル−[2−(n−メチルピペリジノ)−エチル−ホスフェートの製造及び精製法及び薬剤の製法

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JPH05213980A
JPH05213980A JP4176915A JP17691592A JPH05213980A JP H05213980 A JPH05213980 A JP H05213980A JP 4176915 A JP4176915 A JP 4176915A JP 17691592 A JP17691592 A JP 17691592A JP H05213980 A JPH05213980 A JP H05213980A
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Japan
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octadecyl
phosphate
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methylpiperidino
methyl
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Wolfgang Schumacher
シュマッハー ヴォルフガング
Juergen Engel
エンゲル ユルゲン
Gerhard Noessner
ネースナー ゲルハルト
Bernhard Kutscher
クッチャー ベルンハルト
Jurij Stekar
シュテーカー ユリイ
Peter Hilgard
ヒルガルト ペーター
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Asta Medica GmbH
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Asta Medica GmbH
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 オクタデシル−[2−(N−メチルピペリジ
ノ)−エチル]−ホスフェート、その製法並びにこの化
合物を作用物質として含有する抗新生物作用を有する薬
剤。例えば、n−オクタデシルアルコールをオキシ塩化
燐と反応させ、塩基性物質の存在下でN−メチル−ピペ
リジノ−エタノール−塩と更に反応させて燐酸ジエステ
ルクロリドにし、加水分解によりオクタデシル−[2−
(N−メチルピペリジノ)−エチル]−ホスフェートを
製造する。 【効果】 本化合物は、KB−腫瘍(ヒトの口腔癌、ヌ
ードマウスに皮下移植した)及びラッテの原発性の化学
的に誘発されたDMBA−乳腺癌で、良好な抗新生物作
用を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオクタデシル−[2−
(N−メチルピペリジノ)−エチル]−ホスフェート、
その製法及びこれを含有する抗新生物作用を有する薬剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】欧州特許機構第108565号は、一般
式:
【0003】
【化2】
【0004】[式中R1は8〜30個のC−原子を有す
る脂肪族炭化水素基であり、基R2、R3及びR4は同一
又は異なっていて、水素原子又は低級アルキル基であ
り、又は式中基NR234は環状アンモニウム基を表
わしかつnは値0又は1を有する]の化合物及びその製
薬学的に使用可能な塩に関する。この化合物については
抗−腫瘍−作用並びに抗菌作用が挙げられている。
【0005】
【発明の構成】本発明は、オクタデシル−[2−(N−
メチルピペリジノ)−エチル]−ホスフェート、その製
法並びに作用物質としてこの化合物を含有する薬剤に関
する。意外にも本発明による化合物は欧州特許機構第1
08565号明細書中に記載もしくは言及されている化
合物よりもはるかに良好なもしくは有利な抗腫瘍作用を
有する。
【0006】更に本発明による化合物は血小板凝集の抑
制作用をする;更にこれはホスホリパーゼ−A2−抑制
作用並びにリポキシゲナーゼ−抑制作用を有する。
【0007】また本発明は、オクタデシル−[2−(N
−メチルピペリジノ)−エチル]−ホスフェートの新規
の、改善された製造−及び後処理方法(方法a)に関す
る。
【0008】アルキルホスホコリンに関する前記の方法
におけるよりも少ない精製段階が使用されるにも拘ら
ず、本発明の方法により、より高い総収率及びより純粋
な生成物が得られることが意外にも判明した。更にここ
では、より少量の溶剤が使用される。本発明による新規
方法は、助塩基としての炭酸カリウムの使用により、生
成物の高カリウム含量をもたらすアルキル化試薬例えば
ジメチル硫酸の使用をも回避する。製薬学的作用物質と
して使用される物質においては、カリウム含量はできる
だけ僅少でなければならない。
【0009】同様に精製のための時間のかかるクロマト
グラフィー段階はもはや不必要である。
【0010】この新規の方法により達成される生成物純
度は、アルキルホスホコリンの公知製法におけるよりも
高く、更にこれはより高い収率をもたらす(特により大
きな規模での製造の際に)。
【0011】方法a)の第1段階は、オキシ塩化燐とN
−オクタデシルアルコールとの反応を、ハロゲン化炭化
水素、飽和環状エーテル、非環状エーテル、5〜10個
のC−原子を有する飽和炭化水素、ハロゲン原子(特に
塩素原子)によって置換されていてもよい液状の芳香族
炭化水素又は前記の溶剤よりなる混合物中で、又は溶剤
無しで、場合によってはこのために慣用の塩基性物質の
存在で、反応させることにより成る。
【0012】ハロゲン化炭化水素としては、例えば1〜
6個のC−原子を有する炭化水素が重要であり、この
際、1個又は数個又は全部の水素原子が塩素原子によっ
て代えられている。例えば塩化メチレン、クロロホル
ム、塩化エチレン、クロルベンゾール、ジクロルベンゾ
ールを使用することができる。ハロゲン置換芳香族炭化
水素の場合には、これらは殊に1個又は2個のハロゲン
原子で置換されている。
【0013】飽和環状エーテルとしては、例えば炭素原
子及び1個又は2個の酸素原子より成る5〜6個の環員
を有するエーテルを使用することができる。その例はテ
トラヒドロフラン、ジオキサンである。
【0014】非環状エーテルは2〜8個の炭素原子から
成り、かつ液体である。例えば次のものがこれに該当す
る:ジエチルエーテル、ジイソブチルエーテル、メチル
−t−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル。
【0015】飽和炭化水素としては、5〜10個の炭素
原子より成りかつ液状である非分枝鎖及び分枝鎖の炭化
水素がこれに該当する。例えばペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、シクロヘキサンが重要である。
【0016】芳香族炭化水素としては、例えばベンゾー
ル及びアルキル置換ベンゾールがこれに該当し、この際
アルキル置換基は1〜5個の炭素原子より成る。
【0017】オキシ塩化燐とn−オクタデシルアルコー
ルとの反応のための、並びに引続くN−メチル−ピペリ
ジノ−エタノール−塩との反応のための塩基性物質とし
ては、アミン、例えば、式:NR123[式中R1、R
2及びR3は同一又は異なっていて、水素原子又はC1
6−アルキル基を表わす]の脂肪族アミン又は同様に
芳香族アミン、例えばピリジン、ピコリン、キノリンが
これに該当する。N−メチル−ピペリジノ−エタノール
−塩との反応の際には、ここで必要な塩基性物質を、同
時に又はN−メチル−ピペリジノ−エタノール−塩の前
に添加してよい。この反応には、いずれの場合にも溶剤
が必要である;すなわち第1の反応段階が特別な溶剤な
しに行なわれる場合には、溶剤そのものをこの時に添加
しなければならない。オキシ塩化燐対オクタデシルアル
コールのモル比は例えば1.5:1〜1:1である。
【0018】N−メチル−ピペリジノ−エタノール−塩
は、例えばn−オクタデシルアルコールに対して過剰量
で使用される(約1.1〜1.5モルの過剰量)。
【0019】オキシ塩化燐とn−オクタデシルアルコー
ルとの反応が塩基性物質の存在で行なわれる場合には、
塩基性物質の量は、例えばPOCl3 1モルに対して1
〜3モルである。引続くピペリジン塩(ピペリジン塩は
常にN−メチル−ピペリジノ−エタノール−塩を意味す
る)との反応のためには、塩基性物質の使用量は、例え
ばアルカノール1モルに対して1〜5モルである。
【0020】オキシ塩化燐とn−オクタデシルアルコー
ルとの反応の反応温度は、−30℃〜+30℃、殊に−
15℃〜+5℃、特に−10℃〜−5℃である。
【0021】この反応の反応時間は、例えば0.5〜5
時間、殊に1〜3時間、特に1.5〜2時間である。反
応が塩基性物質の存在で行なわれる場合には、反応は一
般に迅速に(約30分間)で経過する。
【0022】その後に、ピペリジン塩を少量ずつ又は全
部を添加する。N−メチル−ピペリジン−エタノールの
塩としては、鉱酸(例えば硫酸、塩酸)との塩、更に有
機酸、例えば酢酸、パラ−トルオールスルホン酸等との
塩が重要である。この反応段階は、不活性溶剤中で行な
われる。ここで、溶剤としては、オキシ塩化燐とn−オ
クタデシルアルコールとの反応が溶剤中で行なわれる場
合に、この反応のために使用される溶剤と同じものがこ
れに該当する。
【0023】引続いて、塩基性物質を前記の溶剤の1種
類中に溶かすか又は溶剤なしで滴加する。塩基性物質の
ための溶剤としては、ここでは次のものを使用するのが
有利である:ハロゲン化炭化水素、飽和環状エーテル、
非環状エーテル、5〜10個の炭素原子を有する飽和炭
化水素、液状の芳香族炭化水素又は前記の溶剤よりなる
混合物。この際、オキシ塩化燐とn−オクタデシルアル
コールとの反応に使用されうる溶剤と同じものが重要で
ある。
【0024】塩基性物質の添加によって温度は上昇す
る。温度が0℃〜40℃、殊に10℃〜30℃、特に1
5℃〜20℃の範囲で保持されることに配慮する。
【0025】その後に、反応混合物を更に5℃〜30
℃、殊に15℃〜25℃で撹拌する(例えば1時間〜4
0時間、殊に3時間〜15時間)。
【0026】反応成分の加水分解は水の添加によって行
ない、この際、温度は10℃〜30℃、殊に15℃〜3
0℃、特に15℃〜20℃で厳守すべきである。
【0027】前記の加水分解液は、塩基性物質を含有し
てもよい。そのような塩基性物質としては、アルカリ−
及びアルカリ土類金属の炭酸塩及び炭酸水素塩が重要で
ある。
【0028】加水分解を完全にするために引続き0.5
時間〜4時間、殊に1〜3時間、特に1.5〜2.5時
間10℃〜30℃、殊に15℃〜25℃、特に18℃〜
22℃で更に撹拌する。
【0029】次いで反応溶液を、場合により更に塩基性
物質を含有していてよい水とアルコール(殊に1〜4個
の炭素原子を有する脂肪族飽和アルコール)とよりなる
混合物で洗浄する。水:アルコールの混合比は、例えば
5〜0.5、殊に1〜3(v/v)であってよい。
【0030】洗浄溶液のための塩基性物質としては、例
えばアルカリ−及びアルカリ土類金属の炭酸塩及び炭酸
水素塩並びにアンモニア(例えばアンモニア水)が使用
される。水中3%炭酸ナトリウム溶液が特に有利であ
る。
【0031】場合により、引続いて酸性溶液での反応溶
液の洗浄を行なってよい。酸性洗浄は、特に溶剤として
塩化メチレンの使用の際に、反応溶液の未反応の塩基性
成分の除去のために有利である。
【0032】洗浄溶液は、水及びアルコールよりなる混
合物から成る。殊に1〜4個の炭素原子を有する脂肪族
飽和アルコールよりなる混合物が有利であり、この際、
場合によっては更に酸性の物質が存在していてよい。
水:アルコールの混合比は、例えば5〜0.5、殊に1
〜3(v/v)であってよい。
【0033】洗浄液のための酸性物質としては、例えば
鉱酸及び有機酸、例えば塩酸、硫酸又は酒石酸及びクエ
ン酸が使用される。水中の塩酸10%溶液が特に有利で
ある。
【0034】引続き、もう1度水及びアルコールよりな
る混合物で洗浄する。1〜4個の炭素原子を有する脂肪
族飽和アルコールよりなる混合物が有利に使用され、こ
の際、場合によっては更に塩基性物質が存在していてよ
い。水:アルコールの混合比は、例えば5〜0.5、殊
に1〜3であってよい。
【0035】次いで洗浄相を合一し、かつ常法で乾燥さ
せ、次いで溶剤(殊に減圧下、例えば5〜100ミリバ
ール)を、場合により脂肪族アルコール150〜100
0ml、殊に300〜700ml、特に450〜550
mlの添加後に除去する(乾燥生成物1モル重量部に対
して)。アルコールとしては、殊に1〜5個の炭素原子
の鎖長を有する飽和脂肪族アルコールが使用される。こ
の際、n−ブタノール、イソプロパノールがアルコール
として特に有利である。このアルコール処理は、残留水
の完全な除去の目的を有する。
【0036】こうして得られる生成物を、常法で(例え
ばクロマトグラフィー、再結晶により)精製することが
できる。
【0037】しかしながら次の、同様に本発明による精
製法が特に有利である:前記のような固体の残分を、例
えば飽和脂肪族ケトン(3〜6個の炭素原子)、例えば
アセトン、ブタノン、メチル−t−ブチルケトン中に懸
濁させ、1〜4時間、殊に2時間撹拌し、吸引濾過し、
かつ20℃〜50℃で真空中で5mmHg〜100mm
Hgで乾燥させる。
【0038】このように予備精製された生成物を、無水
アルコール(C1〜C24)もしくは水高々5重量%まで
を含有するアルコール中に、20℃〜60℃、殊に40
℃で入れ、かつ不溶物を濾別する。アルコールとして
は、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、イソブタノールが使用される。次い
で、得られた濾液を混床式−イオン交換体、例えばアン
バーライト(Amberlite)MB3と共に、例え
ば1〜5時間、殊に2時間、10℃〜50℃、殊に20
℃で撹拌する。混床式−イオン交換体の代りに、順次に
酸性イオン交換体及び塩基性イオン交換体を用いて精製
を行なうこともできる。
【0039】イオン交換体としては、イオン交換基を有
する全ての不溶性固体を使用することができる。
【0040】酸性イオン交換体は、例えば酸性基、例え
ばスルホン酸基、カルボキシ基を含有するものである。
例は、ポリスチロールマトリックスにスルホン酸基を有
するイオン交換体、例えばアンバーライトIR120、
ダウエックス(Dowex)HCR、デュオライト(D
oulite)C20又はルュワタイト(Lewati
t)S100である。弱酸性イオン交換体は、例えばポ
リアクリル酸−マトリックスを基体とするもの、例えば
アンバーライトIRC76、デュオライトC433又は
リライト(Relite)CCである。
【0041】塩基性イオン交換体としては、例えばポリ
マーマトリックス(例えばポリスチロール−マトリック
ス)に、一級、二級、三級又は四級のアミノ基を有する
もの、例えばデュオライトA101、デュオライトA1
02、デュオライト15A348、デュオライトA36
5、デュオライトA375、アンバーライトIRA6
7、デュオライトA375、アンバーライトIRA45
8及びデュオライトA132が使用される。
【0042】混床式イオン交換体は、酸性及びアルカリ
性イオン交換体樹脂、例えばアンバーライトMB1、ア
ンバーライトMB2、アンバーライトMB3及びアンバ
ーライトMB6よりなる混合物である。
【0043】更に使用可能なイオン交換体は、ウルマン
ス(Ullmann′s)、エンサイクロペディア・オ
ブ・インダストリアル・ケミストリー(Encyclo
pedia of Industrial Chemi
stry)、第5版(1989年)、A14巻、450
頁に挙げられている。
【0044】イオン交換体樹脂の吸引濾過後に、減圧下
(例えば20mmHg〜200mmHg)で、40℃〜
70℃で蒸発濃縮させかつ引続き、ハロゲン化炭化水
素、飽和脂肪族ケトンから又はアルコール/ケトン−混
合物から再結晶させる。
【0045】再結晶のためのハロゲン化炭化水素として
は、例えば1〜6個のC−原子からなる炭化水素がこれ
に該当し、この際1個又は数個又は全ての水素原子は、
塩素原子によって代えられている。例えば塩化メチレ
ン、クロロホルム、塩化エチレン、クロルベンゾールを
使用することができる。
【0046】アルコールとしては、1〜6個の炭素原子
及び1〜3個のヒドロキシル基を有する飽和脂肪族アル
コールがこれに該当する。ケトンとしては3〜6個の炭
素原子を有する飽和脂肪族ケトンがこれに該当する。
【0047】アルコール:ケトンの混合比は、1対1〜
5(容量/容量)である。比1:1(v/v)であるエ
タノール/アセトン−混合物が特に有利である。
【0048】得られるオクタデシル−[2−(N−メチ
ル−ピペリジノ)−エタノール−ホスフェートの結晶を
吸引濾過し、かつ必要な場合には、例えば1〜6個の炭
素原子を有する飽和炭化水素で洗浄する。(洗浄液の温
度、例えば15〜30℃)。
【0049】更に、本発明による化合物を次の方法によ
って得ることができる、すなわち自体公知の方法で、 b)式: C1837−O−PO(OH)2 I の化合物又はこの化合物の反応性誘導体を、式:
【0050】
【化3】
【0051】[式中Zは水素原子、メチル基又は基−C
2−CH2−OHでありかつピペリジン化合物はN−メ
チル−ピペリジニウム誘導体の形で存在することもで
き、この際、その場合には陽性荷電は無機又は有機酸の
陰イオンによって中性化されかつ場合によりメチル化さ
れる]の化合物と、場合により塩基性物質の存在で反応
させるか又は c)式: C1837−O−PO(OH)−O−CH2CH2−Y III [式中Yは塩素原子、臭素原子又は沃素原子である]の
化合物を、ピペリジン又はN−メチル−ピペリジンと反
応させ、かつ場合によりメチル化するか又は d)一般式:
【0052】
【化4】
【0053】の化合物をメチル化し、もしくはb)又は
c)により得られる化合物をメチル化する。
【0054】方法b)について:方法b)は、溶剤無し
で(この場合には化合物IIの過剰量)又は不活性溶剤
中、0〜180℃、殊に18〜120℃の温度で実施さ
れうる。溶剤としては、例えば次のものが好適である:
低級脂肪族アルコール(メタノール)、脂肪族直鎖エー
テル(ジエチルエーテル)、飽和環状エーテル(ジオキ
サン、テトラヒドロフラン)、芳香族炭化水素(トルオ
ール、ベンゾール、ピリジン)、塩素化脂肪族低分子炭
化水素(CHCl3、CCl4)、低分子脂肪族カルボン
酸の低級アルキルアミド又はジアルキルアミド(ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド)又はジメチル
スルホキシド、アセトニトリル。後処理は自体公知の方
法で、アルコール/水又は水単独を用いる加水分解によ
り行なわれる。反応生成物の精製は例えば再結晶又はカ
ラムクロマトグラフィーによって行なわれる。方法b)
による反応は、付加的な塩基性物質、例えば三級アミン
(N−メチル−ピペリジン、N−メチル−モルホリン、
N−メチル−ピロリジン、キノリン、ピリジン)の存在
で行なうこともできる。
【0055】出発化合物が遊離酸C1837−O−PO
(OH)2である場合には、これを公知の縮合剤、例え
ば2,4,6−トリメチルベンゾールスルホニルクロリ
ド、8−キノリンスルホニルクロリド、2,4,6−イ
ソプロピルベンゾールスルホニルイミダゾリド、2,
4,6−トリメチルベンゾールスルホニルテトラゾリド
又はジシクロヘキシルカルボジイミドにより活性化しか
つ次いで反応させる。
【0056】出発化合物C1837−O−PO(OH)2
が活性化誘導体の形で存在する場合には、例えば両方の
OH−基がハロゲン原子(Cl、Br、I)によって代
えられている化合物が重要である。
【0057】活性化誘導体としては、例えば式:
【0058】
【化5】
【0059】の化合物を使用することもできる;この場
合には反応は殊にオートクレーブ中で又は撹拌装置中で
−20〜130℃の温度で行なわれる。
【0060】式IIの出発化合物がピペリジニウム−塩
として使用される場合には、酸陰イオンとして次のもの
が重要である:Cl-、Br-、I-、トシレート−陰イ
オン、硫酸陰イオン(HSO4 -、SO2 2-)。
【0061】方法c)について:この反応は、公知方法
で溶剤無しで又は不活性溶剤中で50〜100℃の温度
で行なわれる。溶剤としては方法b)のためのものと同
一の溶剤が使用される;同様に、ピペリジンもしくはN
−メチル−ピペリジンが過剰量で溶剤として作用しう
る。
【0062】反応は、酸結合性の(ハロゲニド−結合性
の)物質、例えばAg2CO3の存在で有利に行なわれ
る。
【0063】方法d)について:アルキル化は、例えば
式:MHal、ArSO2OM及びSO2(OM)2[式
中Halはハロゲン原子(特に塩素原子、臭素原子又は
沃素原子)でありかつArは芳香族基(例えば1個又は
数個の低級アルキル基によって場合により置換されたフ
ェニル−又はナフチル基)でありかつMはメチル基であ
る]の化合物との反応によって行なわれる。例はp−ト
ルオールスルホン酸−メチルエステル、ジメチルスルフ
ェート、メチルハロゲニドである。アルキル化反応は、
場合により常用の酸結合剤、例えばアルカリ金属水酸化
物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、ア
ルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属酢酸塩、三級アミ
ン(例えばトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミ
ン)、ピリジン又はアルカリ金属水素化物の添加下で、
0〜200℃、殊に40〜140℃の温度で、不活性の
溶剤又は懸濁剤中で実施される。溶剤又は分散剤として
は例えば次のものがこれに該当する:芳香族炭化水素、
例えばベンゾール、トルオール、キシロール;脂肪族ケ
トン、例えばアセトン、メチルエチルケトン;ハロゲン
化炭化水素、例えばクロロホルム、四塩化炭素、クロル
ベンゾール、塩化メチレン;脂肪族エーテル、例えばブ
チルエーテル;環状エーテル、例えばテトラヒドロフラ
ン、ジオキサン;スルホキシド、例えばジメチルスルホ
キシド;三級の酸アミド、例えばジメチルホルムアミ
ド、N−メチル−ピロリドン、ヘキサメチル燐酸トリア
ミド;脂肪族アルコール、例えばメタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、アミルアルコール、三級ブタノ
ール、環状脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサン及び
同様のもの。前記の溶剤の水性混合物を使用することも
できる。使用される溶剤もしくは分散剤の還流温度でし
ばしば作業する。
【0064】アルキル化反応成分は、しばしば過剰量で
使用される。アルキル化は、アルカリ金属水酸化物と組
合せてテトラアルキルアンモニウム塩(特にハロゲニ
ド)の存在で、0〜100℃、殊に20〜80℃の温度
で、中性溶剤中で又はクロロホルム又は塩化メチレン中
で行なわれてもよい。中性溶剤としては特に次のものが
これに該当する:三級アミド(ジメチルホルムアミ
ド)、N−メチル−ピロリドン、ジメチルスルホキシ
ド、アセトニトリル、ジメトキシエタン、アセトン、テ
トラヒドロフラン。
【0065】場合により、アルキル化の際に、アルキル
化すべき化合物を不活性溶剤、例えばジオキサン、ジメ
チルホルムアミド、ベンゾール又はトルオール中でアル
カリ金属、アルカリ金属水素化物又はアルカリ金属アミ
ド(特にナトリウム又はナトリウム化合物)又はブチル
リチウムと、0〜150℃の温度で反応させることによ
って、先ずアルキル化すべき化合物からアルカリ金属化
合物(例えばナトリウム−、カリウム−又はリチウム
塩)を製造し、かつ次いでアルキル化剤を添加するよう
に行なうこともできる。
【0066】前記のアルキル化剤の代りに、化学で常用
の他の化学的均等の薬剤を使用することもできる(例え
ばL.F.及びマリー・フィーザー(Mary Fie
ser)著、“リアゲンツ・フォー・オルガニック・シ
ンセージス(Reagents for Organi
c Synthesis)”ジョン・ウイリー・アンド
・ソンズ社(John Wiley and Son
s、Inc.)、ニューヨーク1967年、1巻、13
03〜4頁及び2巻471頁参照)。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】増殖抑制指数WHIは、ヌードマウスに移
植されたヒトのKB−腫瘍細胞組織で測定する。増殖抑
制指数は、次のように定義される:
【0071】
【外1】
【0072】(ここで処理群もしくは対照群で、適用日
の値に対して処理の14日後)。100%よりも大きな
WHIは、腫瘍が処置の故に小さくなったことを意味す
る;それに反して100%よりも小さなWHIは、対照
に比べて腫瘍増殖の処置条件付き緩慢化だけを示す。W
HIが大きければ大きい程、試験物質の抗腫瘍作用は強
い。
【0073】EC90は、試験管内での同一細胞組織で測
定される。EC90は、試験管内で抗腫瘍作用を有する物
質の添加無しでの対照試験に比べて癌細胞の増殖をほぼ
90%抑制する抗腫瘍作用を有する物質の濃度(μg/
ml)である。
【0074】ケープ(Cape)−指数(癌抑制効果の
係数)は、抗腫瘍作用を有する物質に比べて化学物質の
高い選択性及び特異性に関する尺度である。このケープ
指数は、WHI−指数をEC90−指数で割ることによっ
て得られる。
【0075】すなわち動物(生体内)での有効性は、試
験管−系での有効性に関連づけられる。こうして生じた
係数が高ければ高い程、物質はその抗腫瘍作用において
より選択性でありかつより有効性である。
【0076】本発明による化合物は、KB−腫瘍(ヒト
の口腔癌、ヌードマウスに皮下移植した)及びラッテの
原発性の化学的に誘発されたDMBA−乳腺癌で、良好
な抗新生物作用を示す。例えば本発明による化合物2×
316mg/体重kgの用量で、1週間の間隔で投与し
て、KB−腫瘍の退行が達成された。本発明による化合
物21.5mg/体重kgの経口用量で14日間毎日経
口治療した後に、5gの重さのDMBA−腫瘍が触診可
能の限界にまで退行した。
【0077】従って、第1表が示すように、本発明によ
る化合物は、類似構造の化合物に比較して数倍ものより
高くかつより特異性の抗腫瘍作用を有する。この効果は
予想されてはいなかった。
【0078】
【実施例】
例 1 新規方法による製造(方法a) オクタデシル−[2−(N−メチルピペリジノ)−エチ
ル]−ホスフェート(記号D−20133) 撹拌装置中に、クロロホルム50ml中のPOCl3
9.2ml(0.1mol)を窒素ガス下で前もって装
入し、かつ氷浴中で5℃に冷却する。オクタデカノール
24.3g(0.09モル)をクロロホルム100ml
中に弱加熱下で溶かしかつピリジン32ml(0.40
モル)と一緒に5〜12℃の温度で滴加する。滴加時
間:30分間。半時間の後撹拌後に、固体の2−(N−
メチル−ピペリジノ)−エタノール−トシレート37.
9(0.12モル)を添加しかつ引続きピリジン40m
lを滴加する。この際、温度は15℃に上昇する。氷浴
を除去しかつ反応混合物を2.5時間室温で撹拌する。
加水分解のために、水15mlを10分間以内で滴加す
る。半時間撹拌した後に、反応溶液を、水/メタノール
(1:1)200ml、3%のNa2CO3/メタノール
(1:1)200ml及び水/メタノール(1:1)2
00mlで1回ずつ洗浄する。そうして洗浄した反応溶
液をNa2SO4上で乾燥させかつ少量のi−プロパノー
ルの添加後に真空中で回転させる。
【0079】残分をブタノン200mlから再結晶させ
る。臘様で生じる生成物を濾取し、かつ96%のエタノ
ール150ml中に熱時溶解させる。沈殿を濾別しかつ
濾液を冷蔵庫中で4時間冷却する。沈殿を新たに濾別
し、かつ濾液にアンバーライトMB3(85g)を加え
る。3時間撹拌した後にイオン交換体を除去しかつ真空
中で回転させる。残分をブタノン150mlから再結晶
させる。真空中五酸化燐上で乾燥。
【0080】収量:21.7g(45.6ミリモル、5
1%) 融点113℃ Rf−値:0.53(珪酸ゲルでの薄層クロマトグラ
ム、展開剤塩化メチレン/メタノール/25%のアンモ
ニア80:25:5)。
【0081】N−メチル−ピペリジノ−出発化合物の製
造は例えば次の方法で行なうことができる:2−ピペリ
ジノエタノール64.59g(0.50モル)をアセト
ニトリル125ml中に溶かしかつアセトニトリル12
5ml中の4−トルオールスルホン酸メチルエステル9
3.1g(0.50モル)の溶液を冷却下で、30分間
以内に滴加する。室温で、かつ還流下で各々半時間ずつ
後撹拌する。冷却後に溶剤を真空中で留去し、残留する
油状物を熱アセトン200ml中に溶かす。冷却時に生
成物が結晶で生ずる。結晶化を氷室中で完全にする。吸
引濾過後にアセトンで後洗浄し、かつ40℃、P25
で真空中で乾燥させる。
【0082】収量:139g(0.45モル、90%)
2−ヒドロキシエチル−N−メチルピペリジニウムトシ
レート。
【0083】例 2 方法c)による製造 オクタデシル−[2−(N−メチルピペリジノ)−エチ
ル]−ホスフェート(記号D−20133) オクタデシル−2−ブロムエチルホスフェート20.0
g(44.0ミリモル)及びN−メチルピペリジン73
ml(600ミリモル)を3時間還流加熱する。冷却後
に蒸発濃縮し、残分をメタノール120ml中に入れ、
かつAg2CO317.9g(62.0ミリモル)の添加
後に3時間還流煮沸する。反応混合物を膜フィルターを
介して熱時濾過しかつ濃縮する。残分をCHCl3/メ
タノール/25%のNH4OH(80:25:5)25
ml中に溶かしかつ珪酸ゲル層を介して濾過する。濾液
を蒸発濃縮し、残分をアセトンと共に十分に撹拌しかつ
吸引濾過する。生成物を少量のCH2Cl2中に溶かしか
つアセトンで沈殿させる。
【0084】収量:3.50g(7.38ミリモル、1
7%)白色粉末。
【0085】融点:110〜112℃ Rf−値:0.53、珪酸ゲルでの薄層クロマトグラ
ム、展開剤/メタノール/25%アンモニア80:2
5:5。
【0086】出発化合物の製造: オクタデシル−2−ブロムエチル−ホスフェート:2−
ブロムエタノール62.5g(0.50モル)をCHC
3 50ml中にとかし、かつ室温でPOCl3 68.
7ml(0.75モル)を滴加する。アルゴンガス下で
6時間55℃に加熱し、かつ引続いて一夜放置する。次
いで真空中で蒸発濃縮し、かつ生成した2−ブロムエチ
ル燐オキシジクロリドを高真空中で蒸留する。
【0087】収量:68.0g(281ミリモル;57
%)2−ブロムエチル−燐オキシジクロリド、沸点58
〜62℃(0.1ミリバール)。
【0088】オクタデカノール44.4g(0.164
モル)及び2−ブロムエチル燐オキシジクロリド60g
(0.249モル)をトルオール250ml中に溶かし
かつピリジン19.8ml(0.249モル)を撹拌下
で滴加する。4時間の撹拌後に蒸発濃縮させ、残分にH
2O 160mlを加えかつ1.5時間還流加熱する。未
だ熱い懸濁液を、濃HCl 41.5mlが添加された
氷160g上に注ぐ。生ずるオクタデシル−2−ブロム
エチルホスフェートを吸引濾過しかつP25上で乾燥さ
せる。
【0089】収量:64.5g(0.140ミリモル、
86%)オクタデシル−2−ブロムエチルホスフェー
ト。
【0090】例 3 方法b)によるオクタデシル−[2−(N−メチル−ピ
ペリジノ)−エチル]−ホスフェートの製造 エチレンオクタデシルホスフェートをアセトニトリル6
00ml中に溶かし、かつオートクレーブ中でN−メチ
ルピペリジン125ml(1.03モル)と80℃で2
4時間反応させる。冷却後に装置を開け、かつ褐色の反
応溶液を結晶化のために氷室中に入れる。吸引濾過及び
乾燥後に反応生成物92g(193ミリモル、61%)
が得られる。結晶をアセトンと共に十分に撹拌し、CH
2Cl2中にとかしかつ珪酸ゲルでCHCl3/メタノー
ル/25%のNH4OH(60:40:4、次いで8
0:25:5)を用いてクロマトグラフィーにかける。
生成物を含有するフラクションを濃縮し、その際真空中
でP25上で乾燥した後に白色固体としてオクタデシル
−[2−(N−メチルピペリジノ)−エチル]−ホスフ
ェートが生じる。
【0091】融点:108〜110℃ Rf:0.53、珪酸ゲルでの薄層クロマトグラム;展
開剤塩化メチレン/メタノール/25%のアンモニア水
80:25:5 収量:18g(37.8ミリモル、12%) エチレンオクタデシルホスフェート−出発物質は、例え
ば次のようにして得られる:オクタデカノール85.3
g(315ミリモル)を乾燥撹拌装置中でN2下で無水
エーテル500ml中に溶かし、かつ新たに蒸留したN
−メチルピペリジン41ml(345ミリモル)を加え
る。5℃に冷却後に、水分遮断下で、無水エーテル17
0ml中の2−クロル−2−オキソ−1,3,2−ジオ
キサホスホラン50g(345ミリモル)よりなる溶液
を30分間以内で5〜10℃で滴加する。添加終了後に
室温で1時間後撹拌する。生成したN−メチルピペリジ
ニウム塩酸塩を保護ガス下で吸引濾過しかつ濾液を浴温
30℃で真空中で濃縮する。収量:103g(284ミ
リモル、90%)、エチレンオクタデシルホスフェー
ト。
【0092】例 4 方法d)によるオクタデシル−[2−(N−メチルピペ
リジノ)−エチル]−ホスフェートの製造、メチル化 オクタデシル−2−ピペリジノエチルホスフェート3.
7g(8.00ミリモル)及び沃化メチル0.63ml
(10.0ミリモル)をアセトニトリル20ml中に溶
かしかつオートクレーブ中で6時間100℃に加熱す
る。室温に冷却し、生じた沈殿を吸引濾取し、96%の
エタノール140ml中にとかしかつイオン交換体アン
バーライトMB−3(50g)と共に1.5時間撹拌す
る。イオン交換体の濾別後に蒸発させる。残分をブタノ
ン20mlと共に十分に撹拌しかつ40℃で真空中でP
25上で乾燥させる。
【0093】収量:非晶質の生成物D−20133
0.96g(2.02ミリモル)。
【0094】出発物質は例えば次のようにして得られ
る:オクタデシル−2−ブロムエチルホスフェート2
7.3g(60.6ミリモル)をピペリジン90ml
(900ミリモル)中に溶かしかつ1.5時間還流煮沸
する。冷却後に蒸発させ、残分をメタノール150ml
中に溶かし、Ag2CO325.2g(90.0ミリモ
ル)を加え、かつ1.5時間煮沸する。膜フィルター上
で熱時吸引濾過しかつ濃縮させる。得られる黒色油状物
を珪酸ゲルでCHCl3/メタノール/25%のNH4
H(80:25:5)を用いてクロマトグラフィーにか
ける。オクタデシル−2−ピペリジノエチルホスフェー
トを含有するフラクションを濃縮させかつ残分を、ブタ
ノン200mlから再結晶させる。
【0095】収量:13.2g(28.6ミリモル、4
8%)オクタデシル−2−ピペリジノエチルホスフェー
ト。
フロントページの続き (72)発明者 ユルゲン エンゲル ドイツ連邦共和国 アルツェナウ エアレ ンヴェーク 3 (72)発明者 ゲルハルト ネースナー ドイツ連邦共和国 オッフェンバッハ オ ーデンヴァルトリング 7 (72)発明者 ベルンハルト クッチャー ドイツ連邦共和国 マインタール 1 シ ュトレーゼマンシュトラーセ 9 (72)発明者 ユリイ シュテーカー ドイツ連邦共和国 ビーレフェルト 13 アスタ−シュトラーセ 29 (72)発明者 ペーター ヒルガルト ドイツ連邦共和国 ビーレフェルト 1 クローネンシュトラーセ 11 アー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作用物質としてオクタデシル−[2−
    (N−メチルピペリジノ)−エチル]−ホスフェートを
    含有する抗新生物作用を有する薬剤。
  2. 【請求項2】 a)一容器法で、n−オクタデシルアル
    コールをオキシ塩化燐と、不活性溶剤中で又は溶剤無し
    で、塩基性物質の存在で又はそれ無しで反応させ、得ら
    れる生成物を単離及び精製せずに不活性溶剤中で塩基性
    物質の存在でN−メチル−ピペリジノ−エタノール−塩
    と更に反応させて、燐酸ジエステルクロリドにし、かつ
    引続く加水分解によりオクタデシル−[2−(N−メチ
    ルピペリジノ)−エチル]−ホスフェートを遊離させか
    つ単離させるか又は自体公知の方法で、 b)式: C1837−O−PO(OH)2 I の化合物又はこの化合物の反応性誘導体を、式: 【化1】 [式中Zは水素原子、メチル基又は基−CH2−CH2
    OHを表わし、ピペリジン化合物はN−メチル−ピペリ
    ジニウム−誘導体の形で存在してもよく、この際その場
    合には陽性荷電は無機又は有機酸の陰イオンによって中
    性化されかつ場合によりメチル化される]の化合物と、
    場合により塩基性物質の存在で反応させるか又は c)式: C1837−O−PO(OH)−O−CH2−CH2−Y III [式中Yは塩素原子、臭素原子又は沃素原子である]の
    化合物をピペリジン又はN−メチル−ピペリジンと反応
    させ、かつ場合によりメチル化するか又は、 d)一般式: C1837−O−PO(OH)−O−CH2−CH2−N IV の化合物をメチル化するか、もしくはb)又はc)によ
    り得られる化合物をメチル化することを特徴とする、オ
    クタデシル−[2−(N−メチルピペリジノ)−エチ
    ル]−ホスフェートの製法。
  3. 【請求項3】 自体公知の方法により又は請求項2に記
    載の方法により製造したオクタデシル−[2−(N−メ
    チルピペリジノ)−エチル]−ホスフェートの有機溶剤
    中の溶液を、混床式イオン交換体を用いて、又は酸性イ
    オン交換体及び塩基性イオン交換体で順次に処理するこ
    とを特徴とする、オクタデシル−[2−(N−メチルピ
    ペリジノ)−エチル]−ホスフェートの精製法。
  4. 【請求項4】 オクタデシル−[2−(N−メチルピペ
    リジノ)−エチル]−ホスフェートを常用の賦形剤及び
    /又は希釈剤もしくは助剤と共に含有する、請求項1に
    記載の薬剤。
  5. 【請求項5】 オクタデシル−[2−(N−メチルピペ
    リジノ)−エチル]−ホスフェートを常用の製薬学的賦
    形剤及び/又は希釈剤もしくは他の助剤と共に製薬学的
    調製剤に加工するかもしくは製薬学的に使用可能な形に
    することを特徴とする、請求項1記載の薬剤の製法。
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