JP7448897B2 - 換気システム - Google Patents
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Description
本換気システムでは、図1(b)に示すように、室内空間圧力調整手段3を室内の空気を室外に排出する方向でファンを回転させ、室内空間を負圧に調整する。それに伴い、上階と下階の換気装置1a,1bより外気が室内に流入する。このとき、外気温Toと室内温度Tiとの温度差によって上階と下階に圧力差が生じており、上階の気圧が下階の気圧よりも高くなるから、上階から空気が入りにくくなり、そのままでは上下階の換気量がアンバランスになるおそれがある。
これを解消するために本換気システムは、開口面積調整機構2a,2bにより上階の換気装置1aの開口面積Xを下階の換気装置1bの開口面積Yより相対的に大きくして、下階の換気装置1bを上階の換気装置1aよりも相対的に外気が入り難くすることで、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気装置1a,1bから入ってくる外気の流量をほぼ同じにして、上下階の換気量をほぼ同じにすることができる。具体的には、上階の換気装置1aの開口面積調整機構2aを全開とし、下階の換気装置1bの開口面積調整機構2bを半開きとすることで実施できる。
開口面積調整機構2a,2bの操作は、外気温の変化に合わせて開口面積比X/Yをマイコン等を用いて自動調整することも可能であるが、冬期の日平均外気温と暖房設定温度の差により設定することも可能である。例えば、冬期には下階の開口面積調整機構2bを所定の半開位置とすることとし、本換気システムを設置する場所の冬期の日平均外気温と暖房設定温度の差に応じて、半開位置における開口面積比X/Yを設定する。すなわち、地域によって半開位置における開口面積比X/Yを、その地域における冬期の日平均外気温と暖房設定温度の差に応じて異ならせる。
すなわち、冬期においては図1(b)に示すように上階の換気装置1aから外気が入りにくくなるから、下階の換気装置1bの流路抵抗Wを上階の換気装置1aの流路抵抗Vより相対的に大きくすることで、図1(c)に示すように、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。その際、図5に示すように、外気温Toと室内温度Tiとの温度差(Ti-To)が大きいほど、上階の換気装置1aの流路抵抗Vと下階の換気装置1bの流路抵抗Wとの比V/Wが小さくなるように調整する。流路抵抗比V/Wは、冬期の日平均外気温と暖房設定温度の差に応じて、地域によって異ならせることができる。
上框23には、室外側と室内側の見付面に通気孔26a,26bを設けることで換気口27が構成されている。換気口27には、図7に示すように、通気孔26aを開閉して空気の流量を調整する開口面積調整機構(流量調節手段)2を備えている。開口面積調整機構2は、通気孔26aの室内側に隣接して配置され、左右方向にスライド可能に設けた作動板37と、作動板37を左右にスライド操作するための操作ツマミ38を備えている。作動板37には、通気孔26aと同じ大きさ・ピッチで通気孔26cが設けてあり、操作ツマミ38のスライド操作に伴い通気孔26a,26cの重なり量が変化し、開口面積を適宜調整することができる。室内側の通気孔26bの室内側には、フィルター39とフィルターカバー40が着脱自在に設けてあり、フィルターカバー40にも通気孔26dが左右方向に間隔をおいて多数設けてある。
すなわち、冬期においては図1(b)に示すように2階の窓53から外気が入りにくくなるから、1階の窓53の換気口27を半開、2階の窓53の換気口27を全開とすることで、図1(c)に示すように、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。開口面積を調整する代わりに、フィルター39を交換するなどして、流路抵抗を調整してもよい。
上框23には、室外側と室内側の見付面に通気孔26a,26bを設けることで換気口27が構成されている。通気孔26a,26bは、縦長の長方形で、左右方向に間隔をおいて多数形成してある。
すなわち、冬期においては図1(b)に示すように上階の二重窓51から外気が入りにくくなるから、1階の二重窓51の換気口36を半開、2階の二重窓51の換気口36を全開とすることで、図1(c)に示すように、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。開口面積を調整する代わりに、フィルター39を交換するなどして、流路抵抗を調整してもよい。
図13(a)は、冬季において1階の二重窓51a,51bの換気口36を半開、2階の二重窓51c,51dの換気口36を全開として、各二重窓51a,51b,51c,51dの通気量を実際に測定した結果を示している。この測定結果からも、1階と2階の換気量が略同じになることが確認できる。図13(b)は、比較のために同じ建物で1階・2階の二重窓51a,51b,51c,51dの換気口36を全て全開にして、各二重窓51a,51b,51c,51dの通気量を測定した結果を示している。同図より明らかなように、1階・2階の二重窓51a,51b,51c,51dの換気口36を全て全開にした場合には、1階と2階の換気量に大きな差が生ずることが分かる。
このとき、図16(a)に示すように、外窓14の換気口27より流入した冷たい外気は、ハニカムブラインド17に当たることで下向きに流れを変え、その後、冷たい外気はコールドドラフトにより外窓14の内側面に沿って中間層16の下まで流れてから折り返し、内窓15のガラスから室内の熱が伝わることで暖められ、ガラスの室外側面に沿って上昇し、この間にガラスから室外に逃げる熱を空気の流れによって回収する。また、窓に日射を受ける場合は、このように中間層16内を外気が外窓14の内側面と内窓15の外側面に沿うように流れる間に、日射熱を取得することができる。そうして暖められた外気は、内窓15の換気口36より室内に流入する。このように、室内から室外に逃げる熱を空気の流れによって回収し、室内に戻すことで、空気の流入する方向とは逆方向の熱輸送が妨げられることによる断熱効果(ダイナミックインシュレーションによる断熱効果)が生じ、室内から室外への熱の損失がなくなるので、非常に高い断熱性が得られ、暖房負荷を小さくすることができる。
本換気システムは、先に述べたように、開口面積調節機構2により下階の二重窓51を上階の二重窓51よりも相対的に外気が入り難くすることで、上下階の二重窓51から入ってくる外気の流量をほぼ同じにできるため、上述の断熱効果が上下階の二重窓51に同じように得られる。
本換気システムでは、図14(b)に示すように、室内空間圧力調整手段3を室外の空気を室内に吸い込む方向でファンを回転させ、室内空間を正圧に調整する。それに伴い、上階と下階の換気装置1a,1bより内気が室外に流出する。このとき、外気温Toと室内温度Tiとの温度差によって上階と下階に圧力差が生じており、上階の気圧が下階の気圧よりも低くなるから、上階から内気が出にくくなり、そのままでは上下階の換気量がアンバランスになるおそれがある。
これを解消するために本換気システムは、開口面積調整機構2a,2bにより上階の換気装置1aの開口面積Xを下階の換気装置1bの開口面積Yより相対的に大きくして、上階の換気装置1aを下階の換気装置1bよりも相対的に内気が出やすくすることで、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気装置1a,1bから出る内気の流量を略同じにして、上下階の換気量を同じにすることができる。具体的には、上階の換気装置1aの開口面積調整機構2aを全開とし、下階の換気装置1bの開口面積調整機構2bを半開きとすることで実施できる。
開口面積調整機構2a,2bの操作は、外気温の変化に合わせて開口面積比X/Yをマイコン等を用いて自動調整することも可能であるが、夏期の日平均外気温と冷房設定温度の差により設定することも可能である。例えば、夏期には下階の開口面積調整機構2bを所定の半開位置とすることとし、本換気システムを設置する場所の夏期の日平均外気温と冷房設定温度の差に応じて、半開位置における開口面積比X/Yを設定する。すなわち、地域によって半開位置における開口面積比X/Yを、その地域における夏期の日平均外気温と冷房設定温度の差に応じて異ならせる。
すなわち、夏期においては図14(b)に示すように上階の換気装置1aから内気が出にくくなるから、下階の換気装置1bの流路抵抗Wを上階の換気装置1aの流路抵抗Vより相対的に大きくすることで、図14(c)に示すように、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。その際、図5に示すように、外気温Toと室内温度Tiとの温度差(Ti-To)が大きいほど、上階の換気装置1aの流路抵抗Vと下階の換気装置1bの流路抵抗Wとの比V/Wが小さくなるように調整する。流路抵抗比V/Wは、夏期の日平均外気温と冷房設定温度の差に応じて、地域によって異ならせることができる。
すなわち、夏期においては図14(b)に示すように2階の窓53から内気が出にくくなるから、1階の窓53の換気口27を半開、2階の窓53の換気口27を全開とすることで、図14(c)に示すように、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。開口面積を調整する代わりに、フィルター39を交換するなどして、流路抵抗を調整してもよい。
すなわち、夏期においては図14(b)に示すように上階の二重窓51から内気が出にくくなるから、1階の二重窓51の換気口36を半開、2階の二重窓51の換気口36を全開とすることで、図14(c)に示すように、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。開口面積を調整する代わりに、フィルター39を交換するなどして、流路抵抗を調整してもよい。
このとき、図16(b)に示すように、内窓15の換気口36より中間層16に流出した室内の涼しい空気は、室外よりも温度が低いので、内窓15のガラスの室外側面に沿って下向きに流れ、その後、中間層16の下部で折り返し、外窓14のガラス等の熱が伝わることで外窓14のガラスの室内側面に沿って上昇し、この間にガラスを通じて室外から室内に入ってくる熱を空気の流れによって回収する。その後、外窓14の換気口27を通って空気が室外に放出される。空気が換気口27を通過する際、上框を伝って室内に入ってくる熱を空気の流れによって回収する。そして、空気が室外に放出されることで、ガラスや上框から回収した熱を室外に捨てる。このように室外から室内に伝わる熱を空気の流れによって回収し、室外に捨てることで、空気の流出する方向とは逆方向の熱輸送が妨げられることによる断熱効果(ダイナミックインシュレーションによる断熱効果)が生じ、室外から室内に入る熱を削減できるので、非常に高い断熱性が得られ、冷房負荷を抑えることができる。
本換気システムは、先に述べたように、開口面積調節機構2により上階の二重窓51を下階の二重窓51よりも相対的に内気が出やすくすることで、上下階の二重窓51から流出する内気の流量をほぼ同じにできるため、上述の断熱効果が上下階の二重窓51に同じように得られる。
本換気システムでは、図17(b)に示すように、室内空間圧力調整手段3を室内の空気を室外に吸い出す方向でファンを回転させ、室内空間を負圧に調整する。それに伴い、上階と下階の換気装置1a,1bより外気が室内に流入する。このとき、外気温Toと室内温度Tiとの温度差によって上階と下階に圧力差が生じており、下階の気圧が上階の気圧よりも高くなるから、下階から外気が入り難くなり、そのままでは上下階の換気量がアンバランスになるおそれがある。
これを解消するために本換気システムは、開口面積調整機構2a,2bにより下階の換気装置1bの開口面積Yを上階の換気装置1aの開口面積Xより相対的に大きくして、上階の換気装置1aを下階の換気装置1bよりも相対的に外気が入り難くすることで、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。具体的には、下階の換気装置1bの開口面積調整機構2bを全開とし、上階の換気装置1aの開口面積調整機構2aを半開きとすることで実施できる。
開口面積調整機構2a,2bの操作は、外気温の変化に合わせて開口面積比X/Yをマイコン等を用いて自動調整することも可能であるが、夏期の日平均外気温と冷房設定温度の差により設定することも可能である。例えば、夏期には上階の開口面積調整機構2aを所定の半開位置とすることとし、本換気システムを設置する場所の夏期の日平均外気温と冷房設定温度の差に応じて、半開位置における開口面積比X/Yを設定する。すなわち、地域によって半開位置における開口面積比X/Yを、その地域における夏期の日平均外気温と冷房設定温度の差に応じて異ならせる。
すなわち、夏期においては図17(b)に示すように下階の換気装置1bから外気が入り難くなるから、上階の換気装置1aの流路抵抗Vを下階の換気装置1bの流路抵抗Wより相対的に大きくすることで、図17(c)に示すように、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。その際、図19に示すように、外気温Toと室内温度Tiとの温度差(To-Ti)が大きいほど、上階の換気装置1aの流路抵抗Vと下階の換気装置1bの流路抵抗Wとの比V/Wが大きくなるように調整する。流路抵抗比V/Wは、夏期の日平均外気温と冷房設定温度の差に応じて、地域によって異ならせることができる。
すなわち、夏期においては図17(b)に示すように1階の窓53から外気が入り難くなるから、2階の窓53の換気口27を半開、1階の窓53の換気口27を全開とすることで、図17(c)に示すように、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。開口面積を調整する代わりに、フィルター39を交換するなどして、流路抵抗を調整してもよい。
すなわち、夏期においては図17(b)に示すように下階の二重窓51から外気が入り難くなるから、2階の二重窓51の換気口36を半開、1階の二重窓51の換気口36を全開とすることで、図17(c)に示すように、内外温度差による上下階の圧力差があっても、上下階の換気量を同じにすることができる。開口面積を調整する代わりに、フィルター39を交換するなどして、流路抵抗を調整してもよい。
外窓14の換気口27より流入した外気は、外窓14の内側面に沿って下向きに流れ、中間層16の下まで流れてから折り返し、内窓15のガラスの室外側面に沿って上昇し、この間にガラスから室外に逃げる冷熱を空気の流れによって回収する。その後、内窓15上部の換気口36を通り、室内に流出する。
窓51は、外側ガラス(外窓)14と内側ガラス(内窓)15を有し、外側ガラス14の内側面と内側ガラス15の外側面に沿って外気が流れることで内側ガラス15から逃げる熱を回収することで、窓51から室内の熱が逃げるのを抑えられるため、暖房負荷をさらに抑えることができる。
上下階の開口部を窓51,53とすることで、外壁に給気・排気口が要らなくなるので、建物の美観を損ねない。
窓51は、外側ガラス14と内側ガラス15を有し、外側ガラス14の内側面と内側ガラス15の外側面に沿って内気が流れることで外側ガラス14から入ってくる熱を捨てることで、窓から室外の熱が入ってくるのを抑えられるため、冷房負荷をさらに抑えることができる。
上下階の開口部を窓51,53とすることで、外壁に給気・排気口が要らなくなるので、建物の美観を損ねない。
2,2a,2b 開口面積調整機構(流量調節手段)
3 室内空間圧力調整手段
14 外窓(外側ガラス)
15 内窓(内側ガラス)
39,45 フィルター(流量調節手段)
51,51a,51b,51c,51d 二重窓(窓)
53 窓
To 外気温
Ti 室内温度
X 上階の換気装置の開口面積
Y 下階の換気装置の開口面積
V 上階の換気装置の流路抵抗
W 下階の換気装置の流路抵抗
Claims (4)
- 上階と下階にそれぞれ設けた開口部と、上階と下階に連通する室内空間とを備え、上階と下階の開口部は、換気装置又は窓の何れかであり、上階と下階の開口部の少なくとも一方に流量調節手段を有し、室内空間には、室内空間を正圧及び負圧に調整することができる室内空間圧力調整手段を有し、外気温が室内温度より低い冬期において、室内空間圧力調整手段により室内空間を負圧に調整し、流量調節手段により外気温Toと室内温度Tiの温度差(Ti-To)が大きいほど下階の開口部を上階の開口部よりも相対的に外気が入り難くすることで、上下階の開口部から入ってくる外気の流量をほぼ同じにすることを特徴とする換気システム。
- 窓は、外側ガラスと内側ガラスを有し、外側ガラスの内側面と内側ガラスの外側面に沿って外気が流れることで内側ガラスから逃げる熱を回収することを特徴とする請求項1記載の換気システム。
- 上階と下階にそれぞれ設けた開口部と、上階と下階に連通する室内空間とを備え、上階と下階の開口部は、換気装置又は窓の何れかであり、上階と下階の開口部の少なくとも一方に流量調節手段を有し、室内空間には、室内空間を正圧及び負圧に調整することができる室内空間圧力調整手段を有し、外気温が室内温度より高い夏期において、室内空間圧力調整手段により室内空間を正圧に調整し、流量調節手段により外気温Toと室内温度Tiの温度差(To-Ti)が大きいほど上階の開口部を下階の開口部よりも相対的に内気が出やすくすることで、上下階の開口部から出る内気の流量をほぼ同じにすることを特徴とする換気システム。
- 窓は、外側ガラスと内側ガラスを有し、外側ガラスの内側面と内側ガラスの外側面に沿って内気が流れることで外側ガラスから入ってくる熱を捨てることを特徴とする請求項3記載の換気システム。
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