JP7444182B2 - 車両用スロープ展開装置 - Google Patents

Description

本発明は、車両に搭載され、スロープを展開又は格納するスロープ展開装置に関する。

車両用スロープ展開装置は、車体からスロープを展開すると共に車体にスロープを格納するスロープ展開装置を有している（例えば、特許文献１）。このようなスロープ展開装置は、電動機によって駆動される。電動機は、車両に搭載されたバッテリの電力によって駆動される。スロープが展開された場合には、スロープを駆動する電動機を停止して停止状態を保持する制御モード（以下、停止保持制御モード）が実行される。

特開２０１８－１４４７７４号公報

ところで、スロープを搭載する車両は、各種商品を陳列販売する小売店として使用される場合もある。このようにスロープを搭載する車両が小売店として使用される場合では、スロープが長時間展開された状態となる。スロープが長時間展開した状態では、スロープの停止保持制御モードが常時実行されるため、消費電力が大きくなりバッテリの電力不足を伴う場合がある。

そこで、本発明は、スロープが長時間展開された状態であってもバッテリの電力不足を回避することができる車両用スロープ展開装置を提供することを目的とする。

本発明に係る車両用スロープ展開装置は、車両に搭載され、車体からスロープを展開すると共に車体にスロープを格納する車両用スロープ展開装置であって、スロープの展開又は格納動作を駆動する電動機と、電動機を駆動制御すると共に、電動機の停止状態を保持する停止保持制御モードを有する制御部と、電動機の回転を検知する回転検知部と、を備え、制御部は、回転検知部によって所定時間継続して電動機が回転しないことを検知した場合は、停止保持制御モードを実行しない省電力モードを有することを特徴とする。

このように、所定時間継続して電動機が回転しない場合は、電動機を停止して保持する停止保持制御モードを行わないことによって、消費電力を低減することができる。

本発明に係る車両用スロープ展開装置において、車両は、走行用のバッテリをさらに備え、電動機は、バッテリの電力によって駆動されることが好ましい。

本発明のスロープ搭載車両によれば、スロープが長時間展開された状態であってもバッテリの電力不足を回避することができる。

実施形態の一例であるスロープ展開装置を備える車両を示す模式図である。 車両からスロープが展開された状態を示す斜視図である。 実施形態の一例であるスロープ展開装置の構成を示すブロック図である。 展開機構を示す模式図である。 スロープ展開制御の流れを示すフローである。

以下、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。以下の説明において、具体的な形状、材料、方向、数値等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等に合わせて適宜変更することができる。

「車両」
図１及び図２を用いて、実施形態の一例である車両１０について説明する。

スロープ搭載車両としての車両１０は、略直方体の電気自動車であって、自動運転可能な車両である。具体的には、車両１０は、自動運転モード及び手動運転モードを含む複数の運転モードで運転することが可能である。

車両１０は、走行用電動機を駆動源とする電気自動車である。なお、本実施形態では、車両１０は電気自動車としたが、内燃機関を駆動源とするエンジン車両、走行用電動機と内燃機関との両方を駆動源として使用するハイブリッド車両としてもよい。

図１に示すように、車両１０は、各種商品を陳列販売する小売店として利用される。車両１０が店舗として利用される際には、後述するスロープ１４が展開された状態で利用される。なお、スロープ１４は、途中まで展開された状態で利用されてもよい。

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なお、車両１０は、飲食物を調理提供する飲食店等の店舗として利用されてもよい。また、車両１０は、不特定多数の乗員が乗り合うバス、事務作業又は顧客との打ち合わせ等を行うためのオフィス、顧客又は荷物を輸送するタクシー、運送用車両等として利用されてもよい。また、車両１０の利用シーンは、ビジネスに限らず、例えば、個人の移動手段として利用されてもよい。

図２に示すように、車両１０は、車体１１の側面に設けられた乗降口１２を開閉するスライドドア１３と、スライドドア１３の下側に設けられ、車椅子などの乗り降りを容易にするためのスロープ１４とを有している。

スライドドア１３は、互いに反対の方向にスライドすることで乗降口１２を開閉する２つの扉１３Ａ、１３Ｂから構成されている。それぞれの扉１３Ａ、１３Ｂは、扉開閉装置（図示せず）によって開閉される。本実施形態のように車両１０が店舗として利用されている場合には、スライドドア１３が開いた状態で利用される。

スロープ１４は、通常時には、車体１１の床下に格納されており、乗降時には、図２に示すように外方（図における斜め左手前）に向けてせり出すように展開される。上述したように車両１０が店舗として利用されている場合には、スロープ１４が展開した状態で利用される。スロープ１４は、詳細は後述するスロープ展開装置２０によって格納又は展開される。

「スロープ展開装置」
図３及び図４を用いて、スロープ展開装置２０について説明する。

図３に示すように、スロープ展開装置２０は、上述したようにスロープ１４を展開又は格納する装置である展開機構２２と、展開又は格納動作の駆動源である電動機２１の回転数を検出する回転検知部としてのパルスセンサ２６と、電動機２１に電力を供給するバッテリ２７と、電動機２１の駆動制御、電動機２１を停止して保持する停止保持制御モードを実行する制御部としてのＥＣＵ（Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ Ｃｏｎｔｒｏｌ Ｕｎｉｔ）３０とを有する。

電動機２１は、バッテリ２７から電力を供給され、スロープ１４の展開又は格納動作を駆動する。本実施形態の電動機２１は、例えば三相ブラシレスモータが用いられる。

図４に示すように、展開機構２２は、電動機２１の回転駆動をスロープ１４の展開又は格納動作に変換する機構である。展開機構２２は、スロープ１４に接続された押し出しケーブル２３と、スロープ１４に接続された巻き取りケーブル２４と、押し出しケーブル２３及び巻き取りケーブル２４を巻き取り可能であって電動機２１によって駆動される巻き取り部２５とを有する。

展開機構２２では、電動機２１を正方向に回動させることによって巻き取り部２５に巻き取られた押し出しケーブル２３を押し出し、スロープ１４を展開する。一方、電動機２１を逆方向に回動させることによって巻き取り部２５に巻き取りケーブル２４を巻き取り、スロープ１４を格納する。

図３に示すように、パルスセンサ２６は、電動機２１の回転数を検出するセンサである。パルスセンサ２６は、電動機２１の回転軸の近傍に設けられ、ＥＣＵ３０に接続されている。

バッテリ２７は、電動機２１に電力を供給する。バッテリ２７は、車両１０の走行用のバッテリであってもよく、扉開閉装置とスロープ展開装置２０とにのみ電力を供給するものであってもよく、スロープ展開装置２０にのみ電力を供給するバッテリであってもよい。

ＥＣＵ３０は、電動機２１の駆動制御、電動機２１を停止して保持する停止保持制御モードを実行する。ＥＣＵ３０は、ＣＰＵを有するプロセッサ３１と、制御プログラム、制御データ等を記憶したメモリ３２とを備える。メモリ３２は、例えばＲＡＭ、ＲＯＭ、フラッシュメモリ等である。プロセッサ３１は、メモリ３２に記憶された制御プログラムに従って動作することで、電動機２１の駆動制御、停止保持制御モードを実行する。

プロセッサ３１は、スロープ１４を展開中又は展開後にスロープ１４を停止している間に、スロープ１４に作用する何らかの外力によってスロープ１４が移動した場合には、外力に反抗して停止状態を保持するように制御する（以下、停止保持制御モード）。

換言すれば、停止保持制御モードでは、プロセッサ３１は、スロープ１４に作用する何らかの外力によって電動機２１の回転軸のズレが発生したことをパルスセンサ２６によって検出した場合には、回転軸のズレを修正するように電動機２１に電流を流して外力に反抗するトルクを発生しスロープ１４の停止状態を保持するように制御する。

プロセッサ３１は、パルスセンサ２６によって、電動機２１の停止又は回転を検出することによって、スロープ１４の停止状態又は移動量（展開又は格納動作を含む、以下同じ）を検出することができる。

プロセッサ３１は、スロープ１４を停止している間に、スロープ１４を停止している時間が所定時間継続した場合には、上述した停止保持制御モードを実行しない省電力モードに移行する。

換言すれば、省電力モードでは、プロセッサ３１は、電動機２１を停止している時間が所定時間継続した場合には、上述したように回転軸のズレを修正するように電動機２１に電流を流して外力に反抗するトルクを発生しない。

このように、所定時間継続して電動機２１が回転しない場合は、停止保持制御モードを実行しないことによって、バッテリ２７の消費電力を低減することができる。この省電力モードにより、バッテリ２７の電力不足を回避することができる。

「スロープ展開制御」
図５を用いて、スロープ展開装置２０によるスロープ展開制御について説明する。

ステップＳ１１において、プロセッサ３１は、スロープ１４が移動（展開又は格納動作の途中）しているかを確認する。移動している場合にはステップＳ１２に移行する。ステップＳ１２において、プロセッサ３１は、スロープ１４が停止したかを確認する。ここで、停止とは、展開又は格納動作の途中に停止した場合を含む。スロープ１４が停止した場合には、ステップＳ１３に移行する。スロープ１４が移動している場合には、ステップＳ１１に移行する。

ステップＳ１３において、プロセッサ３１は、上述した停止保持制御モードを実行し、電動機２１の停止状態を保持する。ステップＳ１４において、プロセッサ３１は、停止保持制御モードが継続して所定時間だけ経過したかを確認する。所定時間が経過した場合には、ステップＳ１５に移行する。

ステップＳ１５において、プロセッサ３１は、上述した停止保持制御モードを解除する。この省電力モードにより、バッテリ２７の消費電力を低減することができ、バッテリ２７の電力不足を回避することができる。

なお、本発明は上述した実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項の範囲内において種々の変更や改良が可能であることは勿論である。

１０ 車両、１１ 乗降口、１２ 扉、１３ スロープ、２０ スロープ展開装置、２１ 電動機、２２ 展開機構、２３ 押し出しケーブル、２４ 巻き取りケーブル、２５ 巻き取り部、２６ パルスセンサ（回転検知部）、２７ バッテリ、３０ ＥＣＵ（制御部）、３１ プロセッサ、３２ メモリ

Claims (2)

1. 車両に搭載され、車体からスロープを展開すると共に前記車体に前記スロープを格納する車両用スロープ展開装置であって、
   前記スロープの展開又は格納動作を駆動する電動機と、
   前記電動機を駆動制御すると共に、前記電動機が一定の位置で停止するよう制御された状態を保持する停止保持制御モードを有する制御部と、
   前記電動機の回転を検知する回転検知部と、
   を備え、
   前記制御部は、前記回転検知部によって所定時間継続して前記電動機が回転しないことを検知した場合は、前記停止保持制御モードを実行せず、電力は供給されているが駆動を停止した状態の省電力モードを有する、
   車両用スロープ展開装置。
2. 請求項１に記載の車両用スロープ展開装置であって、
   前記車両は、走行用のバッテリをさらに備え、
   前記電動機は、前記バッテリの電力によって駆動される、
   車両用スロープ展開装置。

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