JP7372093B2 - 車両用空気吹き出し装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、インストルメントパネルの上面から車室内に露出した円筒体を回転させることで、空調風(温度調節された空気)を吹き出させる方向をフェイス方向とデフロスタ方向とに切り替えることが開示されている。
また、前部座席に優先的に温度調節された空気を供給させたい場合と、前部座席及び後部座席の全体に温度調節された空気を供給させたい場合とがあるが、これら2つの切り替えを行う機能がないため、切り替えを行えないという問題があった。
本開示に係る車両用空気吹き出し装置は、車両のインストルメントパネルの上面に形成された吹き出し口、及び車両用空調装置により温度調節された空気を前記吹き出し口に導く流路を区画するケーシングと、前記吹き出し口の中央部に配置されたセンターフラップと、前記車両の幅方向から前記センターフラップを挟むように配置された少なくとも一対のサイドフラップと、前記車両の幅方向に延びて、前記吹き出し口に配置され、軸線回りに回動可能な回転軸と、前記回転軸を回動させるアクチュエータと、を備え、前記センターフラップ及び前記サイドフラップは、前記回転軸に固定されており、前記センターフラップは、前記回転軸の径方向外側に配置された平面、及び前記回転軸の径方向外側に突出し、両端が前記平面と接続された凸曲面を有しており、前記サイドフラップは、板状のフラップであり、鉛直方向に対して直交する水平面と前記センターフラップの前記平面とが成す第1の角度は、前記水平面と前記サイドフラップとが成す第2の角度と等しく、前記第1の角度と前記第2の角度とを等しくすることで、前記サイドフラップの開口率は、前記センターフラップの開口率よりも大きくする。
本開示に係る車両用空気吹き出し装置は、車両のインストルメントパネルの上面に形成された吹き出し口、及び車両用空調装置により温度調節された空気を前記吹き出し口に導く流路を区画するケーシングと、前記吹き出し口の中央部に配置されたセンターフラップと、前記車両の幅方向から前記センターフラップを挟むように配置された少なくとも一対のサイドフラップと、前記車両の幅方向に延びて、前記吹き出し口に配置され、軸線回りに回動可能な第1の回転軸と、前記第1の回転軸を回動させる第1のアクチュエータと、前記車両の幅方向に延びて、前記吹き出し口に配置され、軸線回りに回動可能な第2の回転軸と、前記第2の回転軸を回動させる第2のアクチュエータと、前記第1及び第2のアクチュエータを制御する制御部と、を備え、前記サイドフラップは、前記第1の回転軸に固定されており、前記センターフラップは、前記第2の回転軸に固定されており、前記制御部は、前記サイドフラップの開口率が前記センターフラップの開口率よりも大きくなるように制御する。
(車両の構成)
図1~図4を参照して、第1の実施形態の車両用空気吹き出し装置20を備えた車両10について説明する。なお、図2~図4に示す矢印は、温度調節された空気(以下、「温調空気」という)が流れる方向を模式的に示している。図1~図4において、同一構成部分には同一符号を付す。
インストルメントパネル11は、車両10の前方側に配置されている。インストルメントパネル11は、上面11aを有する。
車両用空気吹き出し装置20は、インストルメントパネル11の内側に設けられている。
車両用空気吹き出し装置20は、ケーシング24と、回転軸26と、アクチュエータ28と、制御部29と、センターフラップ31と、サイドフラップ32,33(一対のサイドフラップ)と、を有する。
ケーシング24は、インストルメントパネル11の内側に配置されている。ケーシング24は、吹き出し口35と、流路36と、を区画している。
流路36は、鉛直方向に延びており、吹き出し口35の下方に配置されている。流路36の上端側は、吹き出し口35と連通している。流路36の下端側は、車両用空調装置21に連通している。流路36は、車両用空調装置21により温度調節された空気を吹き出し口35に導く。
回転軸26は、車両10の幅方向に延びた状態で吹き出し口35に配置されている。回転軸26は、車両10の前後方向(車両10の幅方向に対して直交する方向)において吹き出し口35の中間位置に配置されている。回転軸26は、軸線O回りに回動可能な状態でケーシング24に支持されている。回転軸26の一方の端部は、ケーシング24の外側に突出している。
アクチュエータ28は、インストルメントパネル11の内側に設けられている。アクチュエータ28は、回転軸26の一方の端部と接続されている。アクチュエータ28は、回転軸26を回動させる。
制御部29は、インストルメントパネル11の内側に設けられている。制御部29は、アクチュエータ28と電気的に接続されている。制御部29は、アクチュエータ28の駆動を制御する。
センターフラップ31は、吹き出し口35の中央部に位置する回転軸26に固定されている。センターフラップ31は、回転軸26が回動した際、回転軸26とともに回動する。
センターフラップ31は、板状のフラップである。センターフラップ31は、平面とされた面31a,面31bを有する。面31bは、面31aの反対側に配置されている。
つまり、センターフラップ31及びサイドフラップ32,33は、同一の吹き出し口35に配置されている。
サイドフラップ32は、板状のフラップであり、平面とされた面32a,面32bを有する。面32bは、面32aの反対側に配置された面である。
サイドフラップ33は、板状のフラップであり、平面とされた面33a,面33bを有する。面33bは、面33aの反対側に配置された面である。
第1の実施形態では、第1の角度θ1を第2の角度θ2よりも小さくすることで、サイドフラップ32,33の開口率(サイドフラップ32,33により開かれた吹き出し口35の割合)をセンターフラップ31の開口率(センターフラップ31により開かれた吹き出し口35の割合)よりも大きくしている。
ここで、図2~図4を参照して、前部座席13及び後部座席15に温調空気を供給する際の第1及び第2の角度θ1,θ2について説明する。
この場合、第1の角度θ1は、例えば、センターコンソールの上部に温調空気が供給される角度となるように設定することが好ましい。
また、第2の角度θ2は、例えば、前部座席13のヘッドレストの上部に温調空気が供給される角度となるように設定することが好ましい。
上記2つの条件(角度)を満たすように、センターフラップ31及びサイドフラップ32の姿勢が保たれる。
次に、図5~図9を参照して、前部座席13に優先的に温調空気を供給する際の第1及び第2の角度θ1,θ2について説明する。
なお、図5~図9において、図1~図4に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。図6~図9に示す矢印は、温調空気が流れる方向を示している。また、図6では、図2に示す第1の角度θ1を図示することが困難なため、符号θ1の図示を省略する。
このよう状態とすることで、センターフラップ31の面31aにより、車両用空調装置21から供給された温調空気が遮断されるため、後部座席15への温調空気の供給が停止される。
そして、センターフラップ31の面31aに衝突した温調空気は、センターフラップ31の幅方向外側(図9に示すJ方向)に向かって流れる。
したがって、サイドフラップ32,33を介して、温調空気を前部座席13に優先的に供給することが可能となる。
これにより、車両10の前部座席13に温調空気を優先的に供給させたい場合には、前部座席13の幅方向(図9に示すK方向)に温度調節された空気を広げて供給することができる。
上述したように、第1の角度θ1を第2の角度θ2よりも小さくして、サイドフラップ32,33の開口率をセンターフラップ31の開口率よりも大きくすることで、前部座席13に優先的に温調空気を供給する際には、角度を0°にすることで、サイドフラップ32,33を介して、センターフラップ31に衝突した温調空気を前部座席13の幅方向(車両10の幅方向)に広げて供給させることができる。
一方、前部座席13及び後部座席15に温調空気を供給する際には、第1の角度を0°よりも大きくすることで、前部座席13及び後部座席15に温調空気を供給することができる。
つまり、簡便な構成で、1つの吹き出し口35から導出される温調空気の供給先を、前部座席13と、前部座席13及び後部座席15と、に切り替えることができるとともに、前部座席13に優先的に温調空気を供給させる際には、前部座席13の幅方向に温調空気を広げて供給することができる。
(車両の構成)
図10~図13を参照して、第2の実施形態の車両用空気吹き出し装置41を備えた車両40について説明する。なお、図11~図13に示す矢印は、温調空気が流れる方向を模式的に示している。図10~図13において、図1~図9に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
車両用空気吹き出し装置41は、第1の実施形態の車両用空気吹き出し装置20を構成するセンターフラップ31に替えて、センターフラップ43を有すること以外は、車両用空気吹き出し装置20と同様に構成されている。
センターフラップ43は、平面43aと、凸曲面43bと、を有する。
平面43aは、回転軸26の径方向外側に配置されている。平面43aは、回転軸26の軸線Oに対して平行な面である。凸曲面43bは、回転軸26の径方向外側に突出して配置されている。周方向に配置された凸曲面43bの両端は、平面43aと接続されている。凸曲面43bは、例えば、円筒面の一部である。
第2の実施形態では、サイドフラップ32,33を板状にするとともに、センターフラップ43に吹き出し口35及び流路36を狭める凸曲面43bを設けることで、第1の角度θ3と第2の角度θ4とを等しくしてもサイドフラップ32,33の開口率がセンターフラップ43の開口率よりも大きくなるように構成している。
ここで、図11~図13を参照して、前部座席及び後部座席に温調空気を供給する際の第1及び第2の角度θ3,θ4について説明する。
この場合、第1及び第2の角度θ3,θ4は、例えば、180°<θ3<360°及び180°<θ4<360°を満たす範囲内で適宜設定することが可能である。
このような範囲内で第1及び第2の角度θ3,θ4を設定することで、凸曲面43bにより、車両40の後方側に位置する吹き出し口35及び流路36を狭められることがなく、かつサイドフラップ32,33により吹き出し口35が塞がれることがなくなるため、車両40の前部座席及び後部座席に温調空気を供給することができる。
次に、図14~図16を参照して、前部座席に優先的に温調空気を供給する際の第1及び第2の角度θ3,θ4について説明する。
なお、図14~図16において、図10~図13に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。図14~図16に示す矢印は、温調空気が流れる方向を示している。
このような範囲内で第1及び第2の角度θ3,θ4を設定することで、凸曲面43bにより、車両40の後方側に位置する吹き出し口35及び流路36を狭めることが可能となり、かつサイドフラップ32,33により吹き出し口35が塞がれることがなくなるため、車両40の前部座席に優先的に温調空気を供給することができる。
上述した構成とすることで、前部座席に優先的に温調空気を供給する際には、凸曲面43bを平面43aよりも下方で、かつ車両40の後方側に位置する流路36及び吹き出し口35を狭める位置に凸曲面43bを配置させて、凸曲面43bに温調空気を衝突させることが可能となる。これにより、サイドフラップ32,33を介して、センターフラップ43の凸曲面43bに衝突した温調空気を前部座席の幅方向に広げて供給することができる。
さらに、同一の回転軸26にセンターフラップ43及びサイドフラップ32,33を固定する構成とされているため、簡便な構成とすることが可能である。
つまり、簡便な構成で、1つの吹き出し口35から導出される温調空気の供給先を、前部座席と、前部座席及び後部座席と、に切り替えることができるとともに、前部座席に優先的に温調空気を供給させる際には、前部座席の幅方向に広げて供給させることができる。
(車両の構成)
図17~図18を参照して、第3の実施形態の車両用空気吹き出し装置51を備えた車両50について説明する。なお、図17に示す矢印は、温調空気が流れる方向を模式的に示している。図17及び図18において、図1~図9に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
車両用空気吹き出し装置51は、第1の実施形態の車両用空気吹き出し装置20を構成する回転軸26及びアクチュエータ28に替えて、第1の回転軸52、第1のアクチュエータ53、第2の回転軸55、及び第2のアクチュエータ56を有すること以外は、車両用空気吹き出し装置20と同様に構成されている。
第1の回転軸52は、中央部に形成された切欠き部52Aを有する。切欠き部52Aは、車両50の幅方向に延びている。
これにより、第2の回転軸55の一部は、第1の回転軸52に形成された切欠き部52Aから露出されている。
つまり、第3の実施形態では、センターフラップ31の回動とサイドフラップ32,33の回動とを別々に制御可能な構成とされている。
上述した構成とすることで、前部座席及び後部座席に空気を供給する際、第1及び第2のアクチュエータ53,56を用いて、サイドフラップ32,33の開口率とセンターフラップ31の開口率とを独立して制御することが可能となる。これにより、吹き出し口35から導出される温調空気の供給方向の自由度を高めることができる。
各実施形態に記載の車両用空気吹き出し装置20,41,51は、例えば、以下のように把握される。
つまり、1つの吹き出し口35から導出される空気の供給先を、前部座席13と、前部座席13及び後部座席15と、に切り替えることができる。
また、前部座席13及び後部座席15に空気を供給する際には、吹き出し口35を開く位置にセンターフラップ31を移動させることで、前部座席13及び後部座席15に空気を供給することができる。
つまり、簡便な構成で、1つの吹き出し口35から導出される空気の供給先を、前部座席13と、前部座席13及び後部座席15と、に切り替えることができるとともに、前部座席13に優先的に空気を供給させる際には、前部座席13の幅方向に広げて供給することができる。
さらに、同一の回転軸26にセンターフラップ43及びサイドフラップ32,33を固定する構成とされているため、簡便な構成とすることが可能である。
つまり、簡便な構成で、1つの吹き出し口35から導出される温調空気の供給先を、前部座席13と、前部座席13及び後部座席15と、に切り替えることができるとともに、前部座席13に優先的に温調空気を供給させる際には、前部座席13の幅方向に広げて供給させることができる。
11…インストルメントパネル
11a…上面
12…ハンドル
13…前部座席
13A…運転席
13B…助手席
15…後部座席
20,41,51…車両用空気吹き出し装置
21…車両用空調装置
24…ケーシング
26…回転軸
28…アクチュエータ
29…制御部
31,43…センターフラップ
31a,31b,32a,32b,33a,33b…面
32,33…サイドフラップ
35…吹き出し口
36…流路
43a…平面
43b…凸曲面
52…第1の回転軸
52A…切欠き部
53…第1のアクチュエータ
55…第2の回転軸
56…第2のアクチュエータ
J,K…方向
O…軸線
S…水平面
θ1~θ4…角度
Claims (3)
- 車両のインストルメントパネルの上面に形成された吹き出し口、及び車両用空調装置により温度調節された空気を前記吹き出し口に導く流路を区画するケーシングと、
前記吹き出し口の中央部に配置されたセンターフラップと、
前記車両の幅方向から前記センターフラップを挟むように配置された少なくとも一対のサイドフラップと、
前記車両の幅方向に延びて、前記吹き出し口に配置され、軸線回りに回動可能な回転軸と、
前記回転軸を回動させるアクチュエータと、
を備え、
前記センターフラップ及び前記サイドフラップは、前記回転軸に固定された板状のフラップであり、
鉛直方向に対して直交する水平面と前記センターフラップとが成す第1の角度は、前記水平面と前記サイドフラップとが成す第2の角度よりも小さくなるように構成されており、
前記第1の角度を前記第2の角度よりも小さくすることで、前記サイドフラップの開口率を前記センターフラップの開口率よりも大きくする車両用空気吹き出し装置。 - 車両のインストルメントパネルの上面に形成された吹き出し口、及び車両用空調装置により温度調節された空気を前記吹き出し口に導く流路を区画するケーシングと、
前記吹き出し口の中央部に配置されたセンターフラップと、
前記車両の幅方向から前記センターフラップを挟むように配置された少なくとも一対のサイドフラップと、
前記車両の幅方向に延びて、前記吹き出し口に配置され、軸線回りに回動可能な回転軸と、
前記回転軸を回動させるアクチュエータと、
を備え、
前記センターフラップ及び前記サイドフラップは、前記回転軸に固定されており、
前記センターフラップは、前記回転軸の径方向外側に配置された平面、及び前記回転軸の径方向外側に突出し、両端が前記平面と接続された凸曲面を有しており、
前記サイドフラップは、板状のフラップであり、
鉛直方向に対して直交する水平面と前記センターフラップの前記平面とが成す第1の角度は、前記水平面と前記サイドフラップとが成す第2の角度と等しく、
前記第1の角度と前記第2の角度とを等しくすることで、前記サイドフラップの開口率は、前記センターフラップの開口率よりも大きくする車両用空気吹き出し装置。 - 車両のインストルメントパネルの上面に形成された吹き出し口、及び車両用空調装置により温度調節された空気を前記吹き出し口に導く流路を区画するケーシングと、
前記吹き出し口の中央部に配置されたセンターフラップと、
前記車両の幅方向から前記センターフラップを挟むように配置された少なくとも一対のサイドフラップと、
前記車両の幅方向に延びて、前記吹き出し口に配置され、軸線回りに回動可能な第1の回転軸と、
前記第1の回転軸を回動させる第1のアクチュエータと、
前記車両の幅方向に延びて、前記吹き出し口に配置され、軸線回りに回動可能な第2の回転軸と、
前記第2の回転軸を回動させる第2のアクチュエータと、
前記第1及び第2のアクチュエータを制御する制御部と、
を備え、
前記サイドフラップは、前記第1の回転軸に固定されており、
前記センターフラップは、前記第2の回転軸に固定されており、
前記制御部は、前記サイドフラップの開口率が前記センターフラップの開口率よりも大きくなるように制御する車両用空気吹き出し装置。
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