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JP7287542B2 - 低誘電性接着剤組成物 - Google Patents

低誘電性接着剤組成物 Download PDF

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JP7287542B2 JP2022104774A JP2022104774A JP7287542B2 JP 7287542 B2 JP7287542 B2 JP 7287542B2 JP 2022104774 A JP2022104774 A JP 2022104774A JP 2022104774 A JP2022104774 A JP 2022104774A JP 7287542 B2 JP7287542 B2 JP 7287542B2
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Description

本発明は、誘電性が低く、接着性が良好なだけでなく、湿熱はんだ耐熱性やレーザー加工性にも優れた低誘電性接着剤組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、電子部品等の接着用途、特に、フレキシブルプリント配線板(以下、「FPC」ともいう)の関連製品の製造に適した接着剤組成物に関する。
電子機器の小型化、軽量化等に伴い、電子部品等の接着用途は多様化し、接着剤層付き積層体の需要は増大している。例えば、電子部品の一つであるFPCの関連製品としては、ポリイミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、液晶ポリマー(LCP)フィルム等に銅箔を貼り合わせたフレキシブル銅張積層板、フレキシブル銅張積層板に電子回路を形成したフレキシブルプリント配線板、フレキシブルプリント配線板と補強板を貼り合せた補強板付きフレキシブルプリント配線板、フレキシブル銅張積層板及びフレキシブルプリント配線板を重ねて接合した多層板、基材フィルムに銅配線を貼り合わせたフレキシブルフラットケーブル(以下、「FFC」ともいう)等があり、これらの電子部品を製造する場合に接着剤層付き積層体が使用される。
具体的には、上記FPCを製造する場合、配線部分を保護するために、通常、「カバーレイフィルム」と呼ばれる接着剤層付き積層体が用いられる。このカバーレイフィルムは、絶縁樹脂層と、その表面に形成された接着剤層とを備え、絶縁樹脂層の形成には、ポリイミド樹脂組成物が広く用いられている。そして、例えば、熱プレス等を利用して、配線部分を有する面に、接着剤層を介してカバーレイフィルムを貼り付けることにより、フレキシブルプリント配線板が製造される。このとき、カバーレイフィルムの接着剤層は、配線部分及び基材フィルムの両方に対して、強固な接着性が必要である。また、近年需要が急速に拡大している携帯電話や、情報機器端末などの移動体通信機器においては、大量のデータを高速で処理する必要があるため、信号の高周波数化が進んでいる。信号速度の高速化と、信号の高周波数化に伴い、FPC関連製品に用いる接着剤には、高周波数領域での電気特性(低誘電率及び低誘電正接)が求められている。
このような電気特性の要求に応えるため、例えば、特許文献1には、オリゴフェニレンエーテルのようなビニル化合物、ポリスチレン-ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック共重合体、エポキシ樹脂、及び硬化触媒よりなるカバーレイフィルムが開示されている。また、特許文献2には、カルボキシル基含有スチレン系エラストマーとエポキシ樹脂とを含有し、このスチレン系エラストマーとエポキシ樹脂の含有量を所定範囲内とすることにより、周波数1GHzで測定した接着剤硬化物の誘電率を3.0未満とした接着剤組成物が開示されている。また、特許文献3には、未変性のポリオレフィン樹脂をα,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体を含む変性剤でグラフト変性した変性ポリオレフィン系樹脂とエポキシ樹脂とを含有し、これら2つの樹脂の含有量を所定範囲内とすることにより、周波数1GHzで測定した接着剤硬化物の誘電率を2.5未満とした接着剤組成物が開示されている。
特開2011-68713号公報 国際公開第2016/017473号公報 国際公開第2016/047289号公報
しかしながら、特許文献1~3に記載された接着剤カバーレイフィルムは、低誘電性や接着性は比較的良いものの、湿熱はんだ耐熱性やレーザー加工性が悪いという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、誘電性が低く、接着性が良好なだけでなく、湿熱はんだ耐熱性やレーザー加工性にも優れた低誘電性接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、樹脂成分としてスチレン系エラストマー(A)と、脂環式骨格含有樹脂(B)と、エポキシ樹脂(C)とを含有する接着剤組成物において、スチレン系エラストマー(A)及び脂環式骨格含有樹脂(B)の少なくとも一方としてカルボキシル基及び/又はその誘導体を含有したものを使用することにより、誘電性が低く、接着性が良好なだけでなく、湿熱はんだ耐熱性やレーザー加工性にも優れた接着剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の各局面によれば、下記の接着剤組成物が提供される。
1.スチレン系エラストマー(A)と、脂環式骨格含有樹脂(B)と、エポキシ樹脂(C)とを含有し、前記スチレン系エラストマー(A)及び前記脂環式骨格含有樹脂(B)の少なくとも一方がカルボキシル基及び/又はその誘導体を含有し、硬化物の誘電率が、2.5未満であることを特徴とする接着剤組成物。
2.前記スチレン系エラストマー(A)および前記脂環式骨格含有樹脂(B)の含有量の合計が、接着剤組成物の固形分100質量部に対して50質量部以上であり、前記エポキシ樹脂(C)の含有量が、前記スチレン系エラストマー(A)および前記脂環式骨格含有樹脂(B)の含有量の合計100質量部に対して1~20質量部である、上記1.に記載の接着剤組成物。
3.前記スチレン系エラストマー(A)と前記脂環式骨格含有樹脂(B)の含有量比が、質量比で[スチレン系エラストマー(A)]:[脂環式骨格含有樹脂(B)]=5:95~95:5である、上記1.又は2.に記載の接着剤組成物。
4.前記スチレン系エラストマー(A)がカルボキシル基及び/又はその誘導体を含有し、該スチレン系エラストマーの酸価が、0.1~50mgKOH/gである、上記1.~3.のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
5.前記スチレン系エラストマー(A)が、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、スチレン-エチレンプロピレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-エチレンブチレン-スチレンブロック共重合体、およびスチレン-エチレンプロピレン-スチレンブロック共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である、上記1.~4.のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
6.前記脂環式骨格含有樹脂(B)がカルボキシル基及び/又はその誘導体を含有し、該脂環式骨格含有樹脂(B)の酸価が、0.1~50mgKOH/gである、上記1.~5.のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
7.前記脂環式骨格含有樹脂(B)が、側鎖に脂環式骨格を有する上記1.~6.のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
8.前記エポキシ樹脂(C)が、ジシクロペンタジエン骨格を含有する多官能のエポキシ樹脂である上記1.~7.のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
9.周波数1GHzで測定した前記硬化物の誘電正接が、0.01未満である上記1.~8.のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
10.温度40℃および湿度90%にて12時間加湿処理した後のはんだ耐熱性の温度が260℃以上である、上記1.~9.のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
11.さらに、紫外線吸収剤を含有する、上記1.~10.のいずれかに1項記載の接着剤組成物。
12.フレキシブル銅張積層板用である、上記1.~11.に記載の接着剤組成物。
13.フレキシブルフラットケーブル用である、上記1.~12.のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
14.上記1.~13.のいずれか1項に記載の接着剤組成物を用いて得られた接着性層が、ポリイミドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、アラミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、液晶ポリマーフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、TPXフィルム、及びフッ素系樹脂フィルムより選択される1種のフィルムの少なくとも片面に形成されてなることを特徴とするカバーレイフィルム。
15.上記1.~14.のいずれか1項に記載の接着剤組成物を用いて得られた接着性層が、離型性フィルムの少なくとも片面に形成されてなることを特徴とするボンディングシート。
本発明の接着剤組成物は、樹脂成分としてスチレン系エラストマー(A)と、脂環式骨格含有樹脂(B)と、エポキシ樹脂(C)とを含有し、スチレン系エラストマー(A)及び脂環式骨格含有樹脂(B)の少なくとも一方がカルボキシル基及び/又はその誘導体を含有しているので、誘電性が低く、接着性が良好なだけでなく、湿熱はんだ耐熱性やレーザー加工性にも優れる。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
1.接着剤組成物
本発明の接着剤組成物は、スチレン系エラストマー(A)と、脂環式骨格含有樹脂(B)と、エポキシ樹脂(C)とを含有する接着剤組成物であって、前記スチレン系エラストマー(A)及び前記脂環式骨格含有樹脂(B)の少なくとも一方がカルボキシル基及び/又はその誘導体を含有し、硬化物の誘電率が、2.5未満であることを特徴とする。以下に本発明を特定する事項について、具体的に説明する。
1-1.スチレン系エラストマー(A)
上記スチレン系エラストマー(A)は、接着剤組成物の主要な成分の1つであり、接着性や硬化物の柔軟性に加えて、電気特性を与える成分である。このスチレン系エラストマーとしては、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とのブロック及びランダム構造を主体とする共重合体、並びにその水素添加物が挙げられる。このスチレン系エラストマーは、酸変性してカルボキシル基及び/又はその誘導体を含有させることが好ましい。ここで、上記「その誘導体」には、2つのカルボキシル基から水分子を取り去って互い結合した酸無水物の形態の他、酸ハライド、アミド、イミド、エステル等のカルボキシル基から誘導されたその他の形態も包含されるが、好ましい誘導体は酸無水物である。なお、本明細書において、カルボキシル基及び/又はその誘導体を含有するスチレン系エラストマーを「酸変性されたスチレン系エラストマー」、「変性スチレン系エラストマー」又は「カルボキシル基含有スチレン系エラストマー」と称することもある。
芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、t-ブチルスチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1-ジフェニルスチレン、N,N-ジエチル-p-アミノエチルスチレン、ビニルトルエン、p-第3ブチルスチレン等が挙げられる。また、共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン等を挙げることができる。なお、スチレン系エラストマー(A)は後で説明する脂環式骨格含有樹脂(B)及びエポキシ樹脂(C)を包含するものではない。
スチレン系エラストマー(A)の酸変性は、例えば、スチレン系エラストマーを不飽和カルボン酸で変性することにより得ることができる。より具体的には、スチレン系エラストマーの重合時に、不飽和カルボン酸を共重合させることにより行うことができる。また、スチレン系エラストマーと不飽和カルボン酸を有機パーオキサイドの存在下に加熱、混練することにより行うこともできる。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸等を挙げることができる。不飽和カルボン酸による変性量は、0.1~20質量%であることが好ましく、0.1~10質量%であることがより好ましく、0.3~5質量%であることがさらに好ましい。
酸変性されたスチレン系エラストマー(A)の酸価は、0.1~50mgKOH/gであることが好ましく、0.1~20mgKOH/gであることがより好ましく、5~20mgKOH/gであることが更に好ましく、7~15mgKOH/gであることが特により好ましい。この酸価が0.1mgKOH/g以上であると、接着剤組成物の硬化が十分であり、良好な接着性、及びはんだ耐熱性が得られる。一方、前記酸価が50mgKOH/g以下であると、接着強さ及び電気特性に優れる。
また、スチレン系エラストマー(A)の重量平均分子量は、1~50万であることが好ましく、3~30万であることがより好ましく、5~20万であることが更に好ましい。重量平均分子量が1~50万の範囲内であれば、優れた接着性及び電気特性を発現することができる。なお、本明細書において、重量平均分子量とは、ゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」ともいう)により測定した分子量をポリスチレン換算した値である。
スチレン系エラストマー(A)の具体例としては、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、スチレン-エチレンプロピレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-エチレンブチレン-スチレンブロック共重合体及びスチレン-エチレンプロピレン-スチレンブロック共重合体等が挙げられ、変性スチレン系エラストマー(A)の具体例としては、これらのブロック共重合体を不飽和カルボン酸で酸変性されたものが挙げられる。これらの各種スチレン系エラストマーは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、変性スチレン系エラストマー(A)と未変性のスチレン系エラストマー(A)を併用してもよい。前記共重合体の中でも、接着性及び電気特性の観点から、スチレン-エチレンブチレン-スチレンブロック共重合体及びスチレン-エチレンプロピレン-スチレンブロック共重合体が好ましい。また、スチレン-エチレンブチレン-スチレンブロック共重合体におけるスチレン/エチレンブチレンの質量比、及びスチレン-エチレンプロピレン-スチレンブロック共重合体におけるスチレン/エチレンプロピレンの質量比は、10/90~50/50であることが好ましく、20/80~40/60であることがより好ましい。当該質量比がこの範囲内であれば、優れた接着特性を有する接着剤組成物とすることができる。
スチレン系エラストマー(A)と脂環式骨格含有樹脂(B)の含有量の合計は、接着剤組成物の固形分100質量部に対して50質量部以上であることが好ましく、60質量部以上であることがより好ましい。この含有量が50質量部以上であると、接着剤層の柔軟性が良好となり、積層体に反りが生じるのを抑制できる。なお、スチレン系エラストマー(A)と脂環式骨格含有樹脂(B)の含有量の合計は、接着剤組成物の固形分100質量部に対して99質量部以下であることが好ましい。
また、スチレン系エラストマー(A)と脂環式骨格含有樹脂(B)の含有量比は、質量比で[スチレン系エラストマー(A)]:[脂環式骨格含有樹脂(B)]=5:95~95:5であることが好ましく、[スチレン系エラストマー(A)]:[脂環式骨格含有樹脂(B)]=10:90~90:10であることがより好ましい。含有量比がこの範囲にあると、湿熱はんだ耐熱性の高い改善効果が得られる。
1-2.脂環式骨格含有樹脂(B)
脂環式骨格含有樹脂(B)としては、脂環式骨格を有する化合物(b)を単量体単位として含む重合体、換言すれば、飽和又は不飽和環式炭化水素骨格を有する化合物(b)から誘導された構造単位を含む重合体が挙げられる。該重合体は単独重合体であっても、共重合体であってもよい。上記化合物(b)がスチレンやノルボルネン等の不飽和環式炭化水素骨格を有する化合物(b)である場合、脂環式骨格含有樹脂(B)の脂環式骨格は、該化合物(b)の重合反応又は水素付加反応により生成する。脂環式骨格含有樹脂(B)は、脂環式骨格を主鎖及び側鎖の少なくとも一方に有するものであってよく、好ましくは、オレフィン系重合体等の鎖式炭化水素鎖の主鎖及び/又は側鎖に脂環式骨格を有し、樹脂単体で熱可塑性を示し、非晶性であるものが挙げられる。脂環式骨格含有樹脂(B)は後で説明するエポキシ樹脂(C)を包含するものではない。
脂環式骨格を有する化合物(b)としては、例えば、多環式の環状オレフィン及び単環式の環状オレフィンが挙げられる。多環式の環状オレフィンとしては、ノルボルネン、メチルノルボルネン、ジメチルノルボルネン、エチルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ブチルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、メチルテトラシクロドデセン、ジメチルシクロテトラドデセン、トリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエン等が挙げられる。また、単環式の環状オレフィンとしては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロオクタトリエン、シクロドデカトリエン等が挙げられる。
脂環式骨格を側鎖に備える脂環式骨格含有樹脂(B)としては、例えば、ビニルシクロヘキサン、3-メチルイソプロペニルシクロヘキサンなどのビニル基を有する飽和脂環式炭化水素化合物(ビニルシクロアルカン)をビニル付加重合して得られる水素化ビニル芳香族重合体ブロックAと、エチレンなどのオレフィン化合物を主体とするオレフィン重合体ブロックBとを含む水素化ブロック共重合体が挙げられる。水素化ビニル芳香族重合体ブロックAは、例えば、当該ブロックAの全重量の50質量%以下の割合で水素化ビニル芳香族化合物以外の単量体成分を含んでいてもよい。オレフィン重合体ブロックBは、例えば、当該ブロックBの全重量の50質量%以下の割合でオレフィン化合物以外の単量体成分を含んでいてもよい。水素化ビニル芳香族重合体ブロックAのシクロヘキサン環などの脂環式骨格に結合する水素原子はメチル基、ブチル基、塩素原子等で置換されていてもよい。オレフィン化合物としては、エチレンの他、プロピレン、イソブチレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン等を使用することもできる。
脂環式骨格を主鎖に備える脂環式骨格含有樹脂(B)としては、例えば、下記式(1)で示されるような、エチレン又はα―オレフィンの重合体を主体とするブロックとノルボルネン又はその誘導体等の環状アルケンの重合体を主体とするブロックとを含むシクロオレフィンポリマー(COP)又はシクロオレフィンコポリマー(COC)が挙げられる。α―オレフィンとしては、例えば、炭素数3~12のα―オレフィンが挙げられる。
Figure 0007287542000001

(式中、m≧1、n≧0、Rは水素又は炭素数1~10のアルキル基、R及びRはそれぞれ独立に水素又は炭素数1~6のアルキル基)
脂環式骨格を主鎖に備える脂環式骨格含有樹脂(B)の具体例としては、例えば、ノルボルネンとエチレンを共重合したシクロオレフィンコポリマーであるTOPAS(商品名:ポリプラスチックス株式会社製)及びAPEL(商品名:三井化学株式会社)の他、各種環状モノマーを開環メタセシス重合した後に水素化することにより得られたたシクロオレフィンコポリマーであるARTON(商品名:JSR株式会社製)、ZEONEX(商品名:日本ゼオン株式会社製)及びZEONOR(商品名:日本ゼオン株式会社製)が挙げられる。
接着性及び湿熱はんだ耐熱性を向上させるため、上記脂環式骨格含有樹脂(B)は、酸変性してカルボキシル基及び/又はその誘導体を含有させて用いることが好ましい。本発明では、スチレン系エラストマー(A)及び脂環式骨格含有樹脂(B)の少なくとも一方がカルボキシル基及び/又はその誘導体を含有すればよいが、少なくとも脂環式骨格含有樹脂(B)がカルボキシル基及び/又はその誘導体を含有することが好ましく、スチレン系エラストマー(A)及び脂環式骨格含有樹脂(B)の両方がカルボキシル基及び/又はその誘導体を含有することが更に好ましい。ここで、上記「その誘導体」には、2つのカルボキシル基から水分子を取り去って互い結合した酸無水物の形態の他、酸ハライド、アミド、イミド、エステル等のカルボキシル基から誘導されたその他の形態も包含されるが、好ましい誘導体は酸無水物である。なお、本明細書において、カルボキシル基及び/又はその誘導体を含有する脂環式骨格含有樹脂を「酸変性された脂環式骨格含有樹脂」、「変性脂環式骨格含有樹脂」又は「カルボキシル基含有脂環式骨格含有樹脂」と称することもある。
酸変性された脂環式骨格含有樹脂は、未変性脂環式骨格含有樹脂に由来する部分と、変性剤に由来するグラフト部分とを有する樹脂であり、好ましくは、未変性脂環式骨格含有樹脂の存在下にα,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体を含む変性剤をグラフト重合することにより得ることができる。グラフト重合による変性脂環式骨格含有樹脂の製造は、公知の方法で行うことが可能であり、製造の際にはラジカル開始剤を用いてもよい。上記変性脂環式骨格含有樹脂の製造方法としては、例えば、未変性脂環式骨格含有樹脂をトルエン等の溶剤に加熱溶解し、上記変性剤及びラジカル開始剤を添加する溶液法や、バンバリーミキサー、ニーダー、押出機等を使用して未変性脂環式骨格含有樹脂、変性剤及びラジカル開始剤を溶融混練する溶融法等が挙げられる。未変性脂環式骨格含有樹脂、変性剤及びラジカル開始剤の使用方法は、特に限定されず、これらを、反応系に一括添加しても、逐次添加してもよい。上記変性脂環式骨格含有樹脂を製造する場合には、α,β-不飽和カルボン酸のグラフト効率を向上させるための変性助剤、樹脂安定性の調整のための安定剤等を更に使用することができる。
変性剤は、α,β-不飽和カルボン酸及びその誘導体を含む。α,β-不飽和カルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、アコニット酸、ノルボルネンジカルボン酸等が挙げられる。また、不飽和ポリカルボン酸の誘導体としては、酸無水物、酸ハライド、アミド、イミド、エステル等が挙げられる。上記変性剤としては、無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水アコニット酸及び無水シトラコン酸が好ましく、無水イタコン酸及び無水マレイン酸が、接着性の点で特に好ましい。変性剤を用いる場合、α,β-不飽和カルボン酸及びその誘導体から選ばれる1種以上であればよく、α,β-不飽和カルボン酸1種以上とその誘導体1種以上の組み合わせ、α,β-不飽和カルボン酸2種以上の組み合わせ、又は、α,β-不飽和カルボン酸の誘導体2種以上の組み合わせとすることができる。
本発明に係る変性剤は、目的に応じて、α,β-不飽和カルボン酸等に加えて、他の化合物(他の変性剤)を含むことができる。他の化合物(他の変性剤)としては、例えば、下記式(2)で表される(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、他の(メタ)アクリル酸誘導体、芳香族ビニル化合物、シクロヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。これらの他の化合物は、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
CH2=CR1COOR2 (2)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭化水素基である。)
上記(メタ)アクリル酸エステルを表す式(2)において、R1は水素原子又はメチル基であり、好ましくはメチル基である。R2は炭化水素基であり、好ましくは炭素数8~18のアルキル基である。上記式(2)で示される化合物としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いてもよいし、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。本発明では、耐熱接着性が改良されることから、炭素数8~18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを更に含む変性剤を用いることが好ましく、特に、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル又は(メタ)アクリル酸ステアリルを含むことが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル以外の(メタ)アクリル酸誘導体としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、イソシアネート含有(メタ)アクリル酸等が挙げられる。芳香族ビニル化合物としては、スチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン等が挙げられる。上記変性剤として、α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体と、他の変性剤とを併用することで、変性剤によるグラフト率を向上させたり、溶媒に対する溶解性を向上させたり、接着性を更に向上させたりすることができる。尚、上記式(2)で表される(メタ)アクリル酸エステルを除く他の変性剤を用いる場合、その使用量は、α,β-不飽和カルボン酸及びその誘導体及び(メタ)アクリル酸エステル使用量の合計を超えないことが望ましい。
上記変性脂環式骨格含有樹脂の製造に用いるラジカル開始剤は、公知のものから、適宜、選択できるが、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物を用いることが好ましい。
上記変性脂環式骨格含有樹脂の製造に用いることができる変性助剤としてはジビニルベンゼン、ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン等が挙げられる。安定剤としては、ヒドロキノン、ベンゾキノン、ニトロソフェニルヒドロキシ化合物等が挙げられる。
上記脂環式骨格含有樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10,000~200,000であり、より好ましくは20,000~150,000であり、更に好ましくは30,000~100,000である。重量平均分子量(Mw)が10,000~200,000であることにより、溶媒への溶解性、および、被着体に対する初期接着性に優れ、更に、接着後の接着部における耐溶剤性にも優れた接着剤組成物とすることができる。
酸変性された脂環式骨格含有樹脂(B)の酸価は、0.1~50mgKOH/gであることが好ましく、1~30mgKOH/gであることがより好ましく、2~20mgKOH/gであることが更に好ましい。この酸価が0.1~50mgKOH/gであることにより、接着剤組成物が十分に硬化し、良好な接着性、湿熱はんだ耐熱性が得られる。
脂環式骨格含有樹脂(B)は、ガラス転移温度が、60~180℃であることが好ましく、70~160℃であることがより好ましく、80~150℃であることが更に好ましい。ガラス転移温度がこの範囲にあると、湿熱はんだ耐熱性が向上する。かかるガラス転移温度を備え、かつ、酸変性された脂環式骨格含有樹脂(B)用いると、接着性および湿熱はんだ耐熱性が更に向上するので、より好ましい。
本発明における脂環式骨格含有樹脂(B)の含有量は、スチレン系エラストマー(A)について上記したとおりである。
1-3.エポキシ樹脂(C)
次に、上記接着剤組成物のもう一つの成分であるエポキシ樹脂(C)について説明する。エポキシ樹脂は(C)は、上記カルボキシル基含有スチレン系エラストマー(A)及び/又は上記カルボキシル基含有脂環式骨格含有樹脂(B)中のカルボキシ基と反応し、被着体に対する高い接着性や、接着剤硬化物の耐熱性を発現させる成分である。
エポキシ樹脂(C)の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、又はそれらに水素添加したもの;オルトフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p-ヒドロキシ安息香酸グリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル等のグリシジルエステル系エポキシ樹脂;エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、テトラフェニルグリシジルエーテルエタン、トリフェニルグリシジルエーテルエタン、ソルビトールのポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールのポリグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等のグリシジルアミン系エポキシ樹脂;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等の線状脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定するものではない。また、フェノールノボラックエポキシ樹脂、o-クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂も用いることができる。
更に、エポキシ樹脂(C)の例として臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ターシャリーブチルカテコール型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等を用いることができる。これらのエポキシ樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エポキシ樹脂の中でも、グリシジルアミノ基を有しないエポキシ樹脂が好ましい。接着剤層付き積層体の貯蔵安定性が向上するからである。また、電気特性に優れた接着剤組成物が得られることから、脂環骨格を有するエポキシ樹脂が好ましく、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂がより好ましい。
本発明に用いるエポキシ樹脂としては、一分子中に2個以上のエポキシ基を有するものが好ましい。カルボキシル基含有スチレン系エラストマー(A)及び/又はカルボキシル基含有脂環式骨格含有樹脂(B)との反応で架橋構造を形成し、高い耐熱性を発現させることができるからである。また、エポキシ基が2個以上のエポキシ樹脂を用いた場合、カルボキシル基含有スチレン系エラストマー(A)及び/又はカルボキシル基含有脂環式骨格含有樹脂(B)との架橋度が十分であり、十分な耐熱性が得られる。したがって、特に好ましいエポキシ樹脂は、ジシクロペンタジエン骨格を有する多官能のエポキシ樹脂である。
上記エポキシ樹脂(C)の含有量は、上記スチレン系エラストマー(A)及び上記脂環式骨格含有樹脂(B)の含有量の合計100質量部に対して1~20質量部であることが好ましい。前記含有量は、3~15質量部であることがより好ましい。この含有量が上記範囲内であると、十分な接着性と耐熱性が得られ、はく離接着強さや電気特性の低下も防止される。
1-4.接着剤組成物の電気特性
本発明に係る接着剤組成物は、スチレン系エラストマー(A)、脂環式骨格含有樹脂(B)及びエポキシ樹脂(C)を含有し、周波数1GHzで測定した接着剤硬化物の誘電率(ε)が2.5未満であることを特徴としている。当該誘電率が2.5未満であれば、FPC関連製品への利用に好適である。また、周波数1GHzで測定した接着剤硬化物の誘電正接(tanδ)が、0.01未満であることが好ましい。当該誘電正接が0.01未満であれば、電気特性に優れるFPC関連製品を製造することができる。誘電率及び誘電正接は、接着剤組成物中のスチレン系エラストマー(A)、脂環式骨格含有樹脂(B)及びエポキシ樹脂(C)の割合に応じて調整できるので、用途に応じて、種々の構成の接着剤組成物を設定することができる。なお、誘電率及び誘電正接の測定方法は後述する。
1-5.接着剤組成物の湿熱はんだ耐熱性
本発明に係る接着剤組成物は、スチレン系エラストマー(A)、脂環式骨格含有樹脂(B)及びエポキシ樹脂(C)を含有し、スチレン系エラストマー(A)及び脂環式骨格含有樹脂(B)の少なくとも一方がカルボキシル基及び/又はその誘導体を含有するため、温度40℃及び湿度90%にて12時間加湿処理した後のはんだ耐熱性の温度を高めることができ、好ましくは240℃以上にすることができる。スチレン系エラストマー(A)又は脂環式骨格含有樹脂(B)の両方がカルボキシル基及び/又はその誘導体を含有する場合は、上記はんだ耐熱性の温度をより高めることができ、特に、スチレン系エラストマー(A)と脂環式骨格含有樹脂(B)の含有量比[スチレン系エラストマー(A)]:[脂環式骨格含有樹脂(B)]を5:95~95:5とした場合は、上記はんだ耐熱性の温度を240℃以上にすることができる。
1-6.その他の成分
上記接着剤組成物には、スチレン系エラストマー(A)、脂環式骨格含有樹脂(B)及びエポキシ樹脂(C)に加えて、スチレン系エラストマー(A)及び脂環式骨格含有樹脂(B)以外の他の熱可塑性樹脂、紫外線吸収剤、粘着付与剤、難燃剤、硬化剤、硬化促進剤、カップリング剤、熱老化防止剤、レベリング剤、消泡剤、無機充填剤、顔料、及び溶媒等を、接着剤組成物の機能に影響を与えない程度に含有することができる。
上記他の熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂及びポリビニル系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記粘着付与剤としては、例えば、クマロン-インデン樹脂、テルペン樹脂、テルペン-フェノール樹脂、ロジン樹脂、p-t-ブチルフェノール-アセチレン樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、キシレン-ホルムアルデヒド樹脂、石油系炭化水素樹脂、水素添加炭化水素樹脂、テレピン系樹脂等を挙げることができる。これらの粘着付与剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記難燃剤は、有機系難燃剤及び無機系難燃剤のいずれでもよい。有機系難燃剤としては、例えば、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、リン酸グアニジン、ポリリン酸グアニジン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸アミドアンモニウム、ポリリン酸アミドアンモニウム、リン酸カルバメート、ポリリン酸カルバメート、トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスジエチルホスフィン酸チタン、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスメチルエチルホスフィン酸チタン、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル、テトラキスジフェニルホスフィン酸チタン等のリン系難燃剤;メラミン、メラム、メラミンシアヌレート等のトリアジン系化合物や、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、トリアゾール系化合物、テトラゾール化合物、ジアゾ化合物、尿素等の窒素系難燃剤;シリコーン化合物、シラン化合物等のケイ素系難燃剤等が挙げられる。また、無機系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化ニッケル等の金属酸化物;炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ホウ酸亜鉛、水和ガラス等が挙げられる。これらの難燃剤は、2種以上を併用することができる。
上記硬化剤としては、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。アミン系硬化剤としては、例えば、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のメラミン樹脂、ジシアンジアミド、4,4’-ジフェニルジアミノスルホン等が挙げられる。また、酸無水物としては、芳香族系酸無水物、及び脂肪族系酸無水物が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂(C)100質量部に対して、1~100質量部であることが好ましく、5~70質量部であることがより好ましい。
上記硬化促進剤は、カルボキシル基含有スチレン系エラストマー(A)及び/又はカルボキシル基含有脂環式骨格含有樹脂(B)とエポキシ樹脂との反応を促進させる目的で使用するものであり、第三級アミン系硬化促進剤、第三級アミン塩系硬化促進剤及びイミダゾール系硬化促進剤等を使用することができる。
第三級アミン系硬化促進剤としては、ベンジルジメチルアミン、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、テトラメチルグアニジン、トリエタノールアミン、N,N’-ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン等が挙げられる。
第三級アミン塩系硬化促進剤としては、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセンの、ギ酸塩、オクチル酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、o-フタル酸塩、フェノール塩又はフェノールノボラック樹脂塩や、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネンの、ギ酸塩、オクチル酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、o-フタル酸塩、フェノール塩又はフェノールノボラック樹脂塩等が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-メチル-4-エチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
接着剤組成物が硬化促進剤を含有する場合、硬化促進剤の含有量は、エポキシ樹脂(C)100質量部に対して、0.5~10質量部であることが好ましく、1~5質量部であることがより好ましい。硬化促進剤の含有量が前記範囲内であれば、優れた接着性及び耐熱性を有する。
また、上記カップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトシキシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イミダゾールシラン等のシラン系カップリング剤;チタネート系カップリング剤;アルミネート系カップリング剤;ジルコニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記熱老化防止剤としては、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、n-オクタデシル-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェノール、トリエチレングリコール-ビス〔3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノ-ル系酸化防止剤;ジラウリル-3,3’-チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3’-ジチオプロピオネート等のイオウ系酸化防止剤;トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系酸化防止剤等が挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記熱老化防止剤の含有量は、上記スチレン系エラストマー(A)及び上記脂環式骨格含有樹脂(B)の含有量の合計100質量部に対して0.1~10質量部であることが好ましく、0.5~5質量部であることがより好ましい。この含有量が上記範囲内であることにより、電気特性及び耐熱性を向上させることができる。
上記無機充填剤としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、カーボンブラック、シリカ、タルク、銅、及び銀等からなる粉体が挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記接着剤組成物は、スチレン系エラストマー(A)、脂環式骨格含有樹脂(B)、エポキシ樹脂(C)(但しスチレン系エラストマー(A)及び脂環式骨格含有樹脂(B)の少なくとも一方が酸変性されてカルボキシル基及び/又はその誘導体を含有している必要がある)及びその他成分を混合することにより製造することができる。混合方法は特に限定されず、接着剤組成物が均一になればよい。接着剤組成物は、溶液又は分散液の状態で好ましく用いられることから、通常は、溶媒も使用される。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n-ブチルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシブチルアセテート等のエステル類;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。接着剤組成物が溶媒を含む溶液又は分散液(樹脂ワニス)であると、基材フィルムへの塗工及び接着剤層の形成を円滑に行うことができ、所望の厚さの接着剤層を容易に得ることができる。
接着剤組成物が溶媒を含む場合、接着剤層の形成を含む作業性等の観点から、固形分濃度は、好ましくは3~80質量%、より好ましくは10~50質量%の範囲である。固形分濃度が80質量%以下であると、溶液の粘度が適度であり、均一に塗工し易い。
2.接着剤層付き積層体
本発明によれば、本発明の接着剤組成物からなる接着剤層と、該接着剤層の少なくとも一方の面に接する基材フィルムとを備えた接着剤層付き積層体が得られ、前記接着剤層がBステージ状であることが好ましい。ここで、接着剤層がBステージ状であるとは、接着剤組成物の一部が硬化し始めた半硬化状態をいい、加熱等により、接着剤組成物の硬化が更に進行する状態をいう。
本発明の接着剤組成物を用いて得られる接着剤層付き積層体の一態様として、カバーレイフィルムが挙げられる。カバーレイフィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の表面に接着剤層が形成されているものであり、基材フィルムと接着剤層のはく離が困難な積層体である。
接着剤層付き積層体がカバーレイフィルムの場合の基材フィルムとしては、ポリイミドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、アラミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、液晶ポリマーフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、TPXフィルム、及びフッ素系樹脂フィルム等が挙げられる。これらの中でも、接着性及び電気特性の観点から、ポリイミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、及び液晶ポリマーフィルムが好ましく、ポリイミドフィルム及び液晶ポリマーフィルムがさらに好ましい。
このような基材フィルムは市販されており、ポリイミドフィルムについては、東レ・デュポン(株)製「カプトン(登録商標)」、東洋紡績(株)製「ゼノマックス(登録商標)」、宇部興産(株)製「ユーピレックス(登録商標)-S」、(株)カネカ製「アピカル(登録商標)」等を使用することができる。また、ポリエチレンナフタレートフィルムについては、帝人デュポンフィルム(株)製「テオネックス(登録商標)」等を用いることができる。更に、液晶ポリマーフィルムについては、(株)クラレ製「ベクスター(登録商標)」、(株)プライマテック製「バイアック(登録商標)」等を用いることができる。基材フィルムは、該当する樹脂を所望の厚さにフィルム化して用いることもできる。
カバーレイフィルムを製造する方法としては、例えば、上記接着剤組成物及び溶媒を含有する樹脂ワニスを、ポリイミドフィルム等の基材フィルムの表面に塗布して樹脂ワニス層を形成した後、該樹脂ワニス層から前記溶媒を除去することにより、Bステージ状の接着剤層が形成されたカバーレイフィルムを製造することができる。
前記溶媒を除去するときの乾燥温度は、40~250℃であることが好ましく、70~170℃であることがより好ましい。乾燥温度が40℃以上であることにより、溶剤の残存による電気特性の悪化を防止し易くなり、250℃以下であることにより、Bステージ状の接着剤層を得易くなる。乾燥は、接着剤組成物が塗布された積層体を、熱風乾燥、遠赤外線加熱、及び高周波誘導加熱等がなされる炉の中を通過させることにより行われる。
なお、必要に応じて、接着剤層の表面には、保管等のため、離型性フィルムを積層してもよい。前記離型性フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、シリコーン離型処理紙、ポリオレフィン樹脂コート紙、ポリメチルペンテン(TPX)フィルム、フッ素系樹脂フィルム等の公知のものが用いられる。
接着剤層付き積層体の別の態様としては、ボンディングシートが挙げられる。ボンディングシートも、基材フィルムの少なくとも一方の表面に上記接着剤層が形成されたものであるが、基材フィルムは離型性フィルムが用いられる。また、ボンディングシートは、2枚の離型性フィルムの間に接着剤層を備える態様であってもよい。ボンディングシートを使用するときに、離型性フィルムをはく離して使用する。離型性フィルムは、上記と同様なものを用いることができる。
このような離型性フィルムも市販されており、東レフィルム加工(株)製「ルミラー(登録商標)」、東洋紡績(株)製「東洋紡エステル(登録商標)フィルム」、旭硝子(株)製「アフレックス(登録商標)」、三井化学東セロ(株)製「オピュラン(登録商標)」等を用いることができる。
ボンディングシートを製造する方法としては、例えば、離型性フィルムの表面に上記接着剤組成物及び溶媒を含有する樹脂ワニスを塗布し、上記カバーレイフィルムの場合と同様にして乾燥する方法がある。
基材フィルムの厚さは、接着剤層付き積層体を薄膜化するため、5~100μmであることが好ましく、5~50μmであることがより好ましく、5~30μmであることが更に好ましい。
Bステージ状の接着剤層の厚さは、5~100μmであることが好ましく、10~70μmであることがより好ましく、10~50μmであることが更に好ましい。
上記基材フィルム及び接着剤層の厚さは用途により選択されるが、電気特性を向上させるために基材フィルムはより薄くなる傾向にある。一般的に基材フィルムの厚さが薄く、接着剤層の厚さが厚くなると、接着剤層付き積層体に反りが生じやすくなり、作業性が低下するが、本発明の接着剤層付き積層体は、基材フィルムの厚さが薄く、接着剤層の厚さが厚い場合でも、積層体の反りがほとんど生じない。本発明の接着剤層付き積層体において、接着剤層の厚さ(A)と、基材フィルムの厚さ(B)との比(A/B)は、1以上、10以下であることが好ましく、1以上、5以下であることがより好ましい。更に、接着剤層の厚さが、基材フィルムの厚さより厚いことが好ましい。
接着剤層付き積層体の反りは、FPC関連製品の製造工程における作業性に影響するため、できるだけ少ない方が好ましい。具体的には、正方形状の接着剤層付き積層体を、接着剤層を上にして水平面上に載置したときに、前記積層体の端部の浮き上がり高さ(H)と、前記積層体の一辺の長さ(L)との比(H/L)が、0.05未満であることが好ましい。この比は、0.04未満であることがより好ましく、0.03未満であることが更に好ましい。当該比(H/L)が、0.05未満であると、積層体が反ったり、カールしたりすることをより抑制できるため、作業性に優れる。
また、上記H/Lの下限値は、Hが0である場合、すなわち0である。
上記積層体の接着剤層を硬化させた後、周波数1GHzで測定した接着剤層付き積層体の誘電率(ε)が3.0未満であり、かつ、該誘電正接(tanδ)が0.01未満であることが好ましい。前記誘電率は、2.9以下であることがより好ましく、誘電正接は、0.005以下であることがより好ましい。誘電率が3.0未満であり、かつ、誘電正接が0.01未満であれば、電気特性の要求が厳しいFPC関連製品にも好適に用いることができる。誘電率及び誘電正接は、接着剤成分の種類及び含有量、並びに基材フィルムの種類等により調整できるので、用途に応じて種々の構成の積層体を設定することができる。
また、上記積層体の接着剤層を硬化させた後、周波数1GHzで測定した接着剤層付き積層体の誘電率(ε)が2.2以上であり、かつ、該誘電正接(tanδ)が0以上であることが好ましい。
3.フレキシブル銅張積層板
本発明によれば、フレキシブル銅張積層板は、上記接着剤層付き積層体を用いて、基材フィルムと銅箔とを貼り合わせることにより得られる。即ち、得られたフレキシブル銅張積層板は、基材フィルム、接着層及び銅箔の順に構成される。なお、接着層及び銅箔は、基材フィルムの両面に形成されていてもよい。本発明の接着剤組成物は、銅を含む物品との接着性に優れるので、本発明により得られるフレキシブル銅張積層板は、一体化物として安定性に優れる。
上記フレキシブル銅張積層板を製造する方法としては、例えば、上記積層体の接着剤層と銅箔とを面接触させ、80℃~150℃で熱ラミネートを行い、更にアフターキュアにより接着剤層を硬化する方法がある。アフターキュアの条件は、例えば、100℃~200℃、30分~4時間とすることができる。なお、前記銅箔は、特に限定されず、電解銅箔、圧延銅箔等を用いることができる。
4.フレキシブルフラットケーブル(FFC)
本発明によれば、上記接着剤層付き積層体を用いて、基材フィルムと銅配線とを貼り合わせることにより、フレキシブルフラットケーブルが得られる。即ち、得られたフレキシブルフラットケーブルは、基材フィルム、接着層及び銅配線の順に構成されたものである。なお、接着層及び銅配線は、基材フィルムの両面に形成されていてもよい。本発明の接着剤組成物は、銅を含む物品との接着性に優れるので、本発明により得られるフレキシブルフラットケーブルは、一体化物として安定性に優れる。
上記フレキシブルフラットケーブルを製造する方法としては、例えば、上記積層体の接着剤層と銅配線とを接触させ、80℃~150℃で熱ラミネートを行い、更にアフターキュアにより接着剤層を硬化する方法がある。アフターキュアの条件は、例えば、100℃~200℃、30分~4時間とすることができる。上記銅配線の形状は、特に限定されず、所望に応じ、適宜形状等を選択すればよい。
本発明を、実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。なお、下記において、部及び%は、特に断らない限り、質量基準である。
1.評価方法
(1)重量平均分子量
下記の条件で、GPC測定を行い、スチレン系エラストマー(A)及び脂環式骨格含有樹脂(B)のMwを求めた。Mwは、GPCにより測定したリテンションタイムを標準ポリスチレンのリテンションタイムを基準にして換算した。
装置:アライアンス2695(Waters社製)
カラム:TSKgel SuperMultiporeHZ-H 2本、TSKgel SuperHZ2500 2本、(東ソー社製)
カラム温度: 40℃
溶離液: テトラヒドロフラン 0.35ml/分
検出器: RI
(2)酸価
スチレン系エラストマー(A)又は脂環式骨格含有樹脂(B)1gをトルエン30mlに溶解し、京都電子工業社製自動滴定装置「AT-510」にビュレットとして同社製「APB-510-20B」を接続したものを使用した。滴定試薬としては0.01mol/Lのベンジルアルコール性KOH溶液を用いて電位差滴定を行い、樹脂1gあたりのKOHのmg数を算出した。
(3)ガラス転移温度
厚さ38μmの離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、その一方の表面に、脂環式骨格含有樹脂(B)の有機溶剤溶液を、ロ-ル塗布した。次いで、この塗膜付きフィルムをオーブン内に静置して、90℃で3分間乾燥させて厚さ25μmの被膜を形成し、ボンディングシートを得た。次に、得られた積層フィルムからPETフィルムを剥がして、これをガラス転移温度測定用の試験片とした。この試験片を、動的粘弾性測定装置「EXSTAR DMS6100」(エスアイアイ・ナノテクノロジー製)により、昇温速度2℃/min、周波数1Hzの条件にて、引張モードで測定に供した。得られた曲線の損失正接の最大値をガラス転移温度(Tg)とした。
(4)はく離接着強さ
厚さ38μmの離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、その一方の表面に、表1に記載の液状接着剤組成物を、ロ-ル塗布した。次いで、この塗膜付きフィルムをオーブン内に静置して、90℃で3分間乾燥させて厚さ25μmの被膜(接着性層)を形成し、ボンディングシートを得た。次に、厚さ62μmの片面銅張積層板(LCPフィルム50μm、圧延銅箔12μm)を用意し、LCP表面と前記ボンディングシートの接着剤層とを面接触するように重ね合わせ、温度150℃、圧力0.4MPa、及び速度0.5m/分の条件でラミネ-トを行い、接着剤層付き片面銅張積層板を得た。その後、厚さ35μmの圧延銅箔と、接着剤層付き片面銅張積層板の接着剤層とを面接触するように重ね合わせ、温度150℃、圧力0.4MPa、及び速度0.5m/分の条件でラミネ-トを行った。次いで、この積層体(片面銅張積層板/接着剤層/銅箔)を温度180℃、及び圧力3MPaの条件で30分間加熱圧着し、フレキシブル銅張積層板Aを得た。このフレキシブル銅張積層板Aを切断して、所定の大きさの接着試験片を作製した。
接着性を評価するために、JIS C 6481「プリント配線板用銅張積層板試験方法」に準拠し、温度23℃及び引張速度50mm/分の条件で、各接着試験片の銅箔をLCPフィルムから剥がすときの90゜はく離接着強さ(N/mm)を測定した。測定時の接着試験片の幅は10mmとした。
(5)はんだ耐熱性
JIS C 6481「プリント配線板用銅張積層板試験方法」に準拠し、次の条件で試験を行った。フレキシブル銅張積層板Aを20mm角に裁断し試験片を作製した。その後、試験片について40℃、90%、12hrの湿熱負荷処理を行った。その後、リフローシミュレーターに片面銅張積層板の面を上にして試験片を投入し、接着試験片表面の発泡が見られる温度を観察した。
<評価基準>
○:260℃以上
△:240~260℃
×:240℃以下
(6)レーザー加工性
フレキシブル銅張積層板Aについて、ESI社製UV-YAGレーザー Model5335を使用し、銅張積層板から接着剤層と圧延銅箔の境界までビア加工を行った。その後、ビア部の断面を光学顕微鏡にて観察し、接着剤層のケズレ長さを測定した。
<評価基準>
○:ケズレ長さ10μm以下
×:ケズレ長さ10μm以上
(7)電気特性(誘電率及び誘電正接)
厚さ38μmの離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、その一方の表面に、表1に記載の液状接着剤組成物を、ロ-ル塗布した。次いで、この塗膜付きフィルムをオーブン内に静置して、90℃で3分間乾燥させて厚さ50μmの被膜(接着性層)を形成し、ボンディングシートを得た。次に、このボンディングシートをオーブン内に静置して、180℃、30min加熱処理をした。その後、前記離型フィルムを剥がして、試験片(150×120mm)を作製した。誘電率(ε)及び誘電正接(tanδ)は、ネットワークアナライザー85071E-300(アジレント社製)を使用し、スプリットポスト誘電体共振器法(SPDR法)で、温度23℃、周波数1GHzの条件で測定した。
2.エラストマー
(1)スチレン系エラストマーa1
旭化成ケミカルズ社製の商品名「タフテックM1913」(マレイン酸変性スチレン-エチレンブチレン-スチレンブロック共重合体)を用いた。この共重合体の酸価は10mgKOH/gであり、スチレン/エチレンブチレン比は30/70であり、重量平均分子量は15万である。
(2)スチレン系エラストマーa2
旭化成ケミカルズ社製の商品名「タフテックH1041」(スチレン-エチレンブチレン-スチレンブロック共重合体)を用いた。この共重合体の酸価は0mgKOH/gであり、スチレン/エチレンブチレン比は30/70であり、重量平均分子量は15万である。
(3)オレフィン系エラストマー
メタロセン触媒を重合触媒として製造した、プロピレン単位97モル%及びエチレン単位3モル%からなるプロピレン-エチレンランダム共重合体100質量部、無水マレイン酸1.0質量部、メタクリル酸ラウリル0.5質量部及びジ-t-ブチルパーオキサイド0.8質量部を、シリンダー部の最高温度を170℃に設定した二軸押出機を用いて混練反応した。その後、押出機内にて減圧脱気を行い、残留する未反応物を除去して、変性オレフィン系エラストマーを製造した。この変性オレフィン系エラストマーは、重量平均分子量が15万、酸価が10mgKOH/gであった。
3.脂環式骨格含有樹脂
(1)脂環式骨格含有樹脂b1
環状オレフィン樹脂(日本ゼオン製 商品名「ゼオノア1060R」100質量部を、4つ口フラスコ中、窒素雰囲気下でキシレン400質量部に加熱溶解させた後、系内温度を140℃に保って攪拌下、無水マレイン酸8質量部とラジカル発生剤としてジクミルパーオキサイド3質量部をそれぞれ2時間かけて加え、その後6時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥して脂環式骨格含有樹脂b1を得た。脂環式骨格含有樹脂b1は、酸価10mgKOH/g、Tg=100℃であった。
(2)脂環式骨格含有樹脂b2
旭化成製「タフテックH1041」(スチレン-エチレンブチレン-スチレンブロック共重合体)100質量部に対して、シクロヘキサン400質量部を加え、さらに水素化触媒としてニッケル-アルミナ触媒(日揮化学社製)7質量部を加え、水素により5MPaに加圧して攪拌しながら温度200℃まで加温した後、4時間水素化反応させた。その後、水素化触媒を除去し、酸化防止剤(チバスペシャリティ・ケミカルズ製「イルガノックス1010」)を0.5質量部添加して溶解させた。次いで、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去しつつ溶融状態で押出機からストランド状に押出し、冷却後ペレット化してペレットを回収した。そして得られたスチレン-エチレンブチレン-スチレンブロック共重合体の水素化物100質量部に対して、無水マレイン酸4質量部、ジクミルパーオキシド2質量部、tert-ブチルベンゼン230質量部を配合し、オートクレーブ中にて135℃、6時間反応を行った後、多量のイソプロピルアルコール中に注いで析出させ、濾別して回収した。回収した樹脂を100℃、1Torr以下で48時間乾燥させ、脂環式骨格含有樹脂b2を得た。脂環式骨格含有樹脂b2は、酸価10mgKOH/mg、Tg=70℃であった。
(3)脂環式骨格含有樹脂b3
日本ゼオン製 商品名「ゼオネックス330R」を使用した。本製品は、酸価0mgKOH/g、Tg=120℃であった。
4.その他接着剤組成物の原料
4-1.エポキシ樹脂
(1)エポキシ樹脂c1
DIC社製 商品名「EPICLON HP-7200」(ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂)を用いた。
(2)エポキシ樹脂c2
DIC社製 商品名「EPICLON N-655EXP」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)を用いた。
4-2.添加剤
(1)硬化促進剤
四国化成社製 商品名「キュアゾールC11-Z」(イミダゾール系硬化促進剤)を用いた。
(2)熱老化防止剤
ADEKA製 商品名「アデカスタブ AO-60」を用いた。
(3)紫外線吸収剤
BASF製 商品名「Uvinul3049」を用いた。
4-3.有機溶剤
メチルシクロヘキサン250質量部、トルエン250質量部、及びメチルエチルケトン50質量部を混合して用いた。
5.接着剤組成物の製造
撹拌装置付き1000mlフラスコに、上記の原料を表1に示す割合で添加し、室温下で6時間撹拌して溶解することにより、液状接着剤組成物を調製し評価した。結果を表1に示す。
6.接着剤層付き積層体の製造及び評価
上記接着剤組成物を用いて、接着剤層付き積層体を製造し評価した。結果を表1に示す。
Figure 0007287542000002
上記表1の結果より、実施例1~11の接着剤組成物は、接着性、湿熱はんだ耐熱性、及び電気特性に優れたものであることが分かる。また、実施例1と実施例11との対比から、紫外線吸収剤を含有する場合、レーザー穴あけ加工性にも優れることが分かる。一方、比較例1のように、接着剤組成物が脂環式骨格含有樹脂(B)を含有しない場合には、湿熱はんだ耐熱性が劣る。また、比較例2のように、接着剤組成物がスチレン系エラストマー(A)を含有しない場合には、接着性及び湿熱はんだ耐熱性が劣る。また、比較例3のように、接着剤組成物がエポキシ樹脂(C)を含有しない場合には、湿熱はんだ耐熱性が劣る。また、比較例4のように、接着剤組成物に含まれるスチレン系エラストマー(A)及び脂環式骨格含有樹脂(B)の何れもがカルボキシル基を含有しない場合も、湿熱はんだ耐熱性が劣る。また、比較例5のように、接着剤組成物がスチレン系エラストマー(A)及び脂環式骨格含有樹脂(B)の代わりにカルボキシル基を含有するオレフィン系エラストマーを含有する場合には、接着性は向上するが、湿熱はんだ耐熱性が劣る。
本発明の接着剤組成物は、接着性、湿熱はんだ耐熱性、及び電気特性などに優れる。従って、本発明の接着剤組成物は、FPC関連製品の製造に好適である。

Claims (13)

  1. スチレン系エラストマー(A)と、脂環式骨格含有樹脂(B)と、エポキシ樹脂(C)とを含有し、前記脂環式骨格含有樹脂(B)は脂環式骨格を主鎖及び側鎖の少なくとも一方に有するものであり、前記スチレン系エラストマー(A)及び前記脂環式骨格含有樹脂(B)のうち少なくとも前記脂環式骨格含有樹脂(B)がカルボキシル基及び/又はその誘導体を含有し、該脂環式骨格含有樹脂(B)の酸価が、0.1~50mgKOH/gであり、硬化物の誘電率が、2.5未満であることを特徴とする接着剤組成物。
  2. 前記スチレン系エラストマー(A)及び前記脂環式骨格含有樹脂(B)の含有量の合計が、接着剤組成物の固形分100質量部に対して50質量部以上であり、
    前記エポキシ樹脂(C)の含有量が、前記スチレン系エラストマー(A)及び前記脂環式骨格含有樹脂(B)の含有量の合計100質量部に対して1~20質量部である、請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 前記スチレン系エラストマー(A)と前記脂環式骨格含有樹脂(B)の含有量比が、質量比で[スチレン系エラストマー(A)]:[脂環式骨格含有樹脂(B)]=5:95~95:5である、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
  4. 前記スチレン系エラストマー(A)がカルボキシル基及び/又はその誘導体を含有し、該スチレン系エラストマーの酸価が、0.1~50mgKOH/gである請求項1~3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  5. 前記スチレン系エラストマー(A)が、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、スチレン-エチレンプロピレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-エチレンブチレン-スチレンブロック共重合体、及びスチレン-エチレンプロピレン-スチレンブロック共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1~4のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  6. 前記脂環式骨格含有樹脂(B)が、側鎖に脂環式骨格を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  7. 周波数1GHzで測定した前記硬化物の誘電正接が、0.01未満である、請求項1~6のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  8. 温度40℃及び湿度90%にて12時間加湿処理した後のはんだ耐熱性の温度が260℃以上である、請求項1~7のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  9. さらに、紫外線吸収剤を含有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  10. フレキシブル銅張積層板用である、請求項1~9のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  11. フレキシブルフラットケーブル用である、請求項1~9のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載の接着剤組成物を用いて得られた接着性層が、ポリイミドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、アラミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、液晶ポリマーフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、TPXフィルム、及びフッ素系樹脂フィルムより選択される1種のフィルムの少なくとも片面に形成されてなることを特徴とするカバーレイフィルム。
  13. 請求項1~11のいずれか1項に記載の接着剤組成物を用いて得られた接着性層が、離型性フィルムの少なくとも片面に形成されてなることを特徴とするボンディングシート。
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