以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や、派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
(第1の実施形態)
第1の実施形態の車両1は、例えば、不図示の内燃機関を駆動源とする自動車、すなわち内燃機関自動車であってもよいし、不図示の電動機を駆動源とする自動車、すなわち電気自動車や燃料電池自動車等であってもよいし、それらの双方を駆動源とするハイブリッド自動車であってもよいし、他の駆動源を備えた自動車であってもよい。また、車両1は、種々の変速装置を搭載することができるし、内燃機関や電動機を駆動するのに必要な種々の装置、例えばシステムや部品等を搭載することができる。また、車両1における車輪3の駆動に関わる装置の方式や、数、レイアウト等は、種々に設定することができる。
図1に例示されるように、車体2は、不図示の乗員が乗車する車室2aを構成している。車室2a内には、乗員としての運転者の座席2bに臨む状態で、操舵部4や、加速操作部5、制動操作部6、変速操作部7等が設けられている。操舵部4は、例えば、ダッシュボード24から突出したステアリングホイールであり、加速操作部5は、例えば、運転者の足下に位置されたアクセルペダルであり、制動操作部6は、例えば、運転者の足下に位置されたブレーキペダルであり、変速操作部7は、例えば、センターコンソールから突出したシフトレバーである。なお、操舵部4や、加速操作部5、制動操作部6、変速操作部7等は、これらには限定されない。
また、車室2a内には、表示出力部としての表示装置8や、音声出力部としての音声出力装置9が設けられている。表示装置8は、例えば、LCD(liquid crystal display)や、OELD(organic electroluminescent display)等である。音声出力装置9は、例えば、スピーカである。また、表示装置8は、例えば、タッチパネル等、透明な操作入力部10で覆われている。乗員は、操作入力部10を介して表示装置8の表示画面に表示される画像を視認することができる。また、乗員は、表示装置8の表示画面に表示される画像に対応した位置で手指等で操作入力部10を触れたり押したり動かしたりして操作することで、操作入力を実行することができる。これら表示装置8や、音声出力装置9、操作入力部10等は、例えば、ダッシュボード24の車幅方向すなわち左右方向の中央部に位置されたモニタ装置11に設けられている。モニタ装置11は、スイッチや、ダイヤル、ジョイスティック、押しボタン等の不図示の操作入力部を有することができる。また、モニタ装置11とは異なる車室2a内の他の位置に不図示の音声出力装置を設けることができるし、モニタ装置11の音声出力装置9と他の音声出力装置から、音声を出力することができる。なお、モニタ装置11は、例えば、ナビゲーションシステムやオーディオシステムと兼用されうる。
また、図1、2に例示されるように、車両1は、例えば、四輪自動車であり、左右二つの前輪3Fと、左右二つの後輪3Rとを有する。これら四つの車輪3は、いずれも転舵可能に構成されうる。図3に例示されるように、車両1は、少なくとも二つの車輪3を操舵する操舵システム13を有している。操舵システム13は、アクチュエータ13aと、トルクセンサ13bとを有する。操舵システム13は、ECU14(electronic control unit)等によって電気的に制御されて、アクチュエータ13aを動作させる。操舵システム13は、例えば、電動パワーステアリングシステムや、SBW(steer by wire)システム等である。操舵システム13は、アクチュエータ13aによって操舵部4にトルク、すなわちアシストトルクを付加して操舵力を補ったり、アクチュエータ13aによって車輪3を転舵したりする。この場合、アクチュエータ13aは、一つの車輪3を転舵してもよいし、複数の車輪3を転舵してもよい。また、トルクセンサ13bは、例えば、運転者が操舵部4に与えるトルクを検出する。
また、図2に例示されるように、車体2には、複数の撮像部15として、例えば四つの撮像部15a~15dが設けられている。撮像部15は、例えば、CCD(charge coupled device)やCIS(CMOS image sensor)等の撮像素子を内蔵するデジタルカメラである。撮像部15は、所定のフレームレートで動画データを出力することができる。撮像部15は、それぞれ、広角レンズまたは魚眼レンズを有し、水平方向には例えば140°~190°の範囲を撮影することができる。また、撮像部15の光軸は斜め下方に向けて設定されている。よって、撮像部15は、車両1が移動可能な路面や車両1が駐車可能な領域を含む車体2の周辺の外部の環境を逐次撮影し、撮像画像データとして出力する。
撮像部15aは、例えば、車体2の後側の端部2eに位置され、リヤトランクのドア2hの下方の壁部に設けられている。撮像部15bは、例えば、車体2の右側、すなわち車幅方向の右側の端部2fに位置され、右側の突出部としてのドアミラー2gに設けられている。撮像部15cは、例えば、車体2の前側、すなわち車両前後方向の前方側の端部2cに位置され、フロントバンパー等に設けられている。撮像部15dは、例えば、車体2の左側、すなわち車幅方向の左側の端部2dに位置され、左側の突出部としてのドアミラー2gに設けられている。ECU14は、複数の撮像部15で得られた画像データに基づいて演算処理や画像処理を実行し、より広い視野角の画像を生成したり、車両1を上方から見た仮想的な俯瞰画像を生成したりすることができる。なお、俯瞰画像は、平面画像とも称されうる。
また、ECU14は、撮像部15の画像から、車両1の周辺の路面に示された区画線等を識別し、区画線等に示された駐車区画を検出(抽出)する。
また、図1、2に例示されるように、車体2には、複数の測距部16、17として、例えば四つの測距部16a~16dと、八つの測距部17a~17hとが設けられている。測距部16、17は、例えば、超音波を発射してその反射波を捉えるソナーである。ソナーは、ソナーセンサ、あるいは超音波探知器とも称されうる。ECU14は、測距部16、17の検出結果により、車両1の周囲に位置された障害物等の物体の有無や当該物体までの距離を測定することができる。すなわち、測距部16、17は、物体を検出する検出部の一例である。なお、測距部17は、例えば、比較的近距離の物体の検出に用いられ、測距部16は、例えば、測距部17よりも遠い比較的長距離の物体の検出に用いられうる。また、測距部17は、例えば、車両1の前方および後方の物体の検出に用いられ、測距部16は、車両1の側面方向の物体の検出に用いられうる。また、測距部16、17は、レーダ装置等であってもよい。
また、図3に例示されるように、駐車支援システム100では、ECU14や、モニタ装置11、操舵システム13、測距部16、17等の他、ブレーキシステム18、舵角センサ19、アクセルセンサ20、シフトセンサ21、車輪速センサ22等が、電気通信回線としての車内ネットワーク23を介して電気的に接続されている。車内ネットワーク23は、例えば、CAN(controller area network)として構成されている。ECU14は、車内ネットワーク23を通じて制御信号を送ることで、操舵システム13、ブレーキシステム18等を制御することができる。また、ECU14は、車内ネットワーク23を介して、トルクセンサ13b、ブレーキセンサ18b、舵角センサ19、測距部16、測距部17、アクセルセンサ20、シフトセンサ21、車輪速センサ22等の検出結果や、操作入力部10等の操作信号等を、受け取ることができる。
ECU14は、例えば、CPU14a(central processing unit)や、ROM14b(read only memory)、RAM14c(random access memory)、表示制御部14d、音声制御部14e、SSD14f(solid state drive、フラッシュメモリ)等を有している。CPU14aは、例えば、表示装置8で表示される画像に関連した画像処理や、車両1の目標位置の決定、車両1の移動経路の演算、物体との干渉の有無の判断、車両1の自動制御、自動制御の解除等の、各種の演算処理および制御を実行することができる。CPU14aは、ROM14b等の不揮発性の記憶装置にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって演算処理を実行することができる。RAM14cは、CPU14aでの演算で用いられる各種のデータを一時的に記憶する。また、表示制御部14dは、ECU14での演算処理のうち、主として、撮像部15で得られた画像データを用いた画像処理や、表示装置8で表示される画像データの合成等を実行する。また、音声制御部14eは、ECU14での演算処理のうち、主として、音声出力装置9で出力される音声データの処理を実行する。また、SSD14fは、書き換え可能な不揮発性の記憶部であって、ECU14の電源がオフされた場合にあってもデータを記憶することができる。なお、CPU14aや、ROM14b、RAM14c等は、同一パッケージ内に集積されうる。また、ECU14は、CPU14aに代えて、DSP(digital signal processor)等の他の論理演算プロセッサや論理回路等が用いられる構成であってもよい。また、SSD14fに代えてHDD(hard disk drive)が設けられてもよいし、SSD14fやHDDは、ECU14とは別に設けられてもよい。ECU14は、表示制御装置の一例である。
ブレーキシステム18は、例えば、ブレーキのロックを抑制するABS(anti-lock brake system)や、コーナリング時の車両1の横滑りを抑制する横滑り防止装置(ESC:electronic stability control)、ブレーキ力を増強させる(ブレーキアシストを実行する)電動ブレーキシステム、BBW(brake by wire)等である。ブレーキシステム18は、アクチュエータ18aを介して、車輪3ひいては車両1に制動力を与える。また、ブレーキシステム18は、左右の車輪3の回転差などからブレーキのロックや、車輪3の空回り、横滑りの兆候等を検出して、各種制御を実行することができる。ブレーキセンサ18bは、例えば、制動操作部6の可動部の位置を検出するセンサである。ブレーキセンサ18bは、可動部としてのブレーキペダルの位置を検出することができる。ブレーキセンサ18bは、変位センサを含む。
舵角センサ19は、例えば、ステアリングホイール等の操舵部4の操舵量を検出するセンサである。舵角センサ19は、例えば、ホール素子などを用いて構成される。ECU14は、運転者による操舵部4の操舵量や、自動操舵時の各車輪3の操舵量等を、舵角センサ19から取得して各種制御を実行する。なお、舵角センサ19は、操舵部4に含まれる回転部分の回転角度を検出する。舵角センサ19は、角度センサの一例である。
アクセルセンサ20は、例えば、加速操作部5の可動部の位置を検出するセンサである。アクセルセンサ20は、可動部としてのアクセルペダルの位置を検出することができる。アクセルセンサ20は、変位センサを含む。
シフトセンサ21は、例えば、変速操作部7の可動部の位置を検出するセンサである。シフトセンサ21は、可動部としての、レバーや、アーム、ボタン等の位置を検出することができる。シフトセンサ21は、変位センサを含んでもよいし、スイッチとして構成されてもよい。
車輪速センサ22は、車輪3の回転量や単位時間当たりの回転数を検出するセンサである。車輪速センサ22は、検出した回転数を示す車輪速パルス数をセンサ値として出力する。車輪速センサ22は、例えば、ホール素子などを用いて構成されうる。ECU14は、車輪速センサ22から取得したセンサ値に基づいて車両1の移動量などを演算し、各種制御を実行する。なお、車輪速センサ22は、ブレーキシステム18に設けられている場合もある。その場合、ECU14は、車輪速センサ22の検出結果をブレーキシステム18を介して取得する。
なお、上述した各種センサやアクチュエータの構成や、配置、電気的な接続形態等は、一例であって、種々に設定(変更)することができる。
また、図4に示されるように、ECU14は、取得部401、障害物検出部402、受付部403、特定部404、俯瞰画像生成部405、及び表示制御部406等を備える。CPU14aは、プログラムにしたがって処理を実行することにより、取得部401、障害物検出部402、受付部403、特定部404、俯瞰画像生成部405、表示制御部406等として機能する。また、RAM14cやROM14bなどの記憶部には、各部の演算処理で用いられるデータや、演算処理の結果のデータ等が記憶される。なお、上記各部の機能の少なくとも一部は、ハードウエアによって実現されてもよい。
取得部401は、車両1の周辺領域を撮像する複数の撮像部15から複数の撮像画像データを取得する。また、取得部401は、測距部16、17から車両1の周辺領域に存在する物体の検出結果(以下、測距データとも称する)を取得する。なお、本実施形態においては、物体を検出する検出部として、車両1の周辺領域に存在する物体を検出するために測距部16、17を用いる例について説明するが、測距部16、17に制限するものではなく、例えば撮像部15で撮像された撮像画像データを解析して物体を検出しても良いし、レーザセンサー等を用いて物体を検出しても良い。
障害物検出部402は、取得部401が取得した測距データに基づいて、撮像画像データで撮像された車両1の周辺領域に存在する障害物を検出する。他の手法として、障害物検出部402は、取得部401が取得した撮像画像データに対して画像解析を行うことで、車両1の周辺領域に存在する障害物(例えば、駐車中の車両等)を検出してもよい。なお、障害物は、移動する障害物であっても良いし、静止している障害物であっても良い。
特定部404は、撮像画像データとして撮像された、車両1の側面方向に存在する周辺領域から、車両1を駐車する候補領域を特定する。本実施形態の特定部404は、撮像画像データから、駐車区画線(例えば、白線)を抽出し、当該駐車区画線に囲まれた領域において、障害物検出部402によって障害物や他の車両が存在しないと判定された領域を、車両1を駐車する候補領域として特定する。なお、車両1を駐車する候補領域の特定手法は、車両1が駐車可能な領域を特定できればよく、周知の手法を問わず、どのような手法を用いても良い。
俯瞰画像生成部405は、取得部401により取得された撮像画像データを変換し、仮想視点を基準にした俯瞰画像データを生成する。仮想視点としては、例えば、車両1の上方向に所定の距離離れた位置とすることが考えられる。
俯瞰画像データは、取得部401により取得された撮像画像データを合成して生成する画像データであって、仮想視点を基準にした表示画像データになるように俯瞰画像生成部405により画像処理が施された画像データとする。俯瞰画像データは、車両1を示したアイコン(表示データ)を中央に配置した上で、当該車両1を基準に俯瞰視点で当該車両1の周辺を表した画像データとする。
表示制御部406は、俯瞰画像生成部405により生成された俯瞰画像データを、表示装置8に表示する。また、表示制御部406は、特定部404により特定された候補領域を示す表示データを、俯瞰画像データ上に表示する。また、特定部404により特定された候補領域が複数存在する場合に、表示制御部406は、特定された複数の候補領域の各々について、当該候補領域であることを示す表示データを表示する。
図5は、第1の実施形態にかかる表示制御部406により表示される表示画面を例示した図である。図5に示される例では、表示装置8の表示領域500に、俯瞰画像データ501が表示されている。俯瞰画像データ501は、車両1を示すアイコン510を基準に、車両1の周囲が表されている。さらに、俯瞰画像データ501は、特定部404により複数の候補領域が特定された場合を示しており、車両1の側面方向に存在する、車両1を駐車可能な複数の候補領域521~523を示す表示データが表されている。図5に示される例では、候補領域521~523を示す表示データとして、点線による矩形を表す例とする。
図5に示されるような俯瞰画像データ501においては、候補領域521~523の奥がどのような状況か把握することが難しい。そこで、本実施形態のECU14は、候補領域521~523を選択可能にした上で、候補領域521~523のうちいずれか一つの選択を受け付けた場合に、選択を受け付けた候補領域全体が表示されるよう制御する。
受付部403は、特定部404により複数の候補領域が特定された場合に、複数の候補領域から、表示対象となる候補領域の選択を受け付ける。図5に示された俯瞰画像データ501の例では、受付部403は、タッチパネル等である操作入力部10を介して、運転者から候補領域521~523のうちいずれか一つの選択を受け付ける。本実施形態は、候補領域の選択を受け付ける手法を、操作入力部10を介した、候補領域521~523のタッチ操作に制限するものではなく、操舵部4を用いた選択操作であってもよい。
そして、俯瞰画像生成部405は、受付部403により候補領域の選択を受け付けた場合に、すでに表示されている俯瞰画像データと比べて、受付部403により選択を受け付けた候補領域が存在する、車両1の側面方向の表示範囲が広い俯瞰画像データを生成する。
本実施形態においては、特定部404により特定された候補領域が複数存在する場合に、複数の候補領域から選択を受け付ける例について説明した。しかしながら、本実施形態は、複数の候補領域から選択を受け付けた場合に、選択を受け付けた候補領域全体が含まれるような俯瞰画像データに切り替える手法に制限するものではない。例えば、特定部404により特定された候補領域が一つしか存在しない場合、受付部403が表示の切り替え操作等を受け付けたタイミングで、俯瞰画像生成部405は、当該一つの候補領域全体が含まれるような、車両の側面方向の表示範囲が広い俯瞰画像データを生成してもよい。
そして、表示制御部406は、俯瞰画像生成部405により新たに生成された俯瞰画像データを表示する。
図6は、表示制御部406により表示される表示画面を例示した図である。図6に示される例では、表示装置8の表示領域500に、俯瞰画像データ601が表示されている。俯瞰画像データ601は、車両1を示すアイコン510を基準に、車両1の周囲が表されている。俯瞰画像データ601は、図5に示される候補領域522の選択を受け付けた場合に、表示される俯瞰画像データとする。このため、候補領域611全体が表示されるように、表示範囲が拡大されている。また、候補領域611は、選択を受け付けたことを表すために網掛け表示がなされている。
図6に示される俯瞰画像データ601は、図5に示される俯瞰画像データ501と比べて、車両1の右側面方向の表示範囲を拡大させた例を示しているが、本実施形態は、このような表示態様に制限するものではない。例えば、俯瞰画像データ501と比べて、表示領域の縮小率を大きくした上で、車両1を示すアイコン510を含めて表示される範囲を左右方向にずらすことで、選択を受け付けた候補領域全体が表示されるようにしても良い。換言すれば、受付部403により選択を受け付けた候補領域が存在する、車両1の側面方向の表示範囲が広くなれば、どのような表示態様であっても良い。
さらに、表示制御部406は、障害物検出部402により検出された障害物が、候補領域に含まれている場合に、障害物が検出された候補領域には進入できないことを示すマークを表示する。
図7は、表示制御部406により表示される表示画面を例示した図である。図7に示される例では、表示装置8の表示領域500に、俯瞰画像データ701が表示されている。俯瞰画像データ701は、障害物検出部402により障害物711が候補領域611で検出されたため、候補領域611に進入できないことを示すマーク712が表されている。
次に、本実施形態のECU14における駐車支援時の表示処理について説明する。図8は、本実施形態のECU14における上述した処理の手順を示すフローチャートである。なお、車両1は駐車場の通路内等を低速度で走行中とする。
まず、受付部403は、操作入力部10から、駐車支援開始の操作を受け付けたか否かを判定する(S801)。駐車支援開始の操作を受け付けていないと判定した場合(S801:No)、再びS801の処理を繰り返す。
一方、受付部403が、駐車支援開始の操作を受け付けたと判定した場合(S801:Yes)、取得部401が、撮像部15から撮像画像データを取得すると共に、測距部16、17から測距データを取得する(S802)。
そして、障害物検出部402が、測距データ及び撮像画像データに基づいて、車両1の周辺に存在する障害物を検出する(S803)。
そして、特定部404が、撮像画像データから認識された、駐車区画線に囲まれた領域のうち、障害物検出部402によって障害物等が存在しないと判定された領域を、車両1を駐車可能な候補領域として特定する(S804)。
そして、ECU14は、車両1が停止したか否かを判定する(S805)。車両1が停止していないと判定した場合(S805:No)、再びS802から処理を行う。
一方、ECU14は、車両1が停止したと判定した場合(S805:Yes)、取得部401が、撮像部15から撮像画像データを取得すると共に、測距部16、17から測距データを取得する(S806)。そして、障害物検出部402が、測距データ及び撮像画像データに基づいて、車両1の周辺に存在する障害物を検出する(S807)。
その後、俯瞰画像生成部405は、S806で取得した撮像画像データに基づいて、俯瞰画像データを生成する(S808)。
そして、表示制御部406は、S804で特定された候補領域が示された俯瞰画像データを表示する(S809)。これにより、運転者は、車両1の走行中に特定された駐車可能な候補領域を把握できる。また、S804で特定された候補領域に、S807で障害物が検出された場合には、障害物が存在しているとみなして、表示制御部406は、当該候補領域に進入できないことを示すマークを表示する。
そして、受付部403が、候補領域の選択を受け付けたか否かを判定する(S810)。選択を受け付けていないと判定した場合(S810:No)、再びS806から処理を行う。
一方、受付部403が、候補領域の選択を受け付けたと判定した場合(S810:Yes)、俯瞰画像生成部405が、選択を受け付けた候補領域が存在する車両1の側面方向が広げられた俯瞰画像データを生成する(S811)。
そして、表示制御部406は、S811で生成された俯瞰画像データ、換言すれば選択を受け付けた候補領域全体が表された俯瞰画像データを表示する(S812)。
本実施形態においては、上述した処理手順を行うことで、運転者が車両1を駐車可能な候補領域の状況を確認できる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、撮像部15が現在撮像した撮像画像データから生成された俯瞰画像データを表示する例について説明した。しかしながら、現在撮像した撮像画像データを用いた際には、障害物や他の車両の死角となっている候補領域が存在する場合に、表示制御部406は、当該候補領域を俯瞰画像データ上に適切に表示できない可能性がある。そこで、第2の実施形態では、過去に撮影された撮像画像データを用いて、選択を受け付けた候補領域に応じた俯瞰画像データを表示する例について説明する。
本実施形態においては、選択を受け付けた候補領域が車両1と近接している場合に過去に撮像された撮像画像データを用いて生成された俯瞰画像データを表示する例とする。
図9は、第2の実施形態のECU14で実現されるソフトウェア構成を例示した図である。図9に示されるように、第2の実施形態のECU14は、第1の実施形態の構成と比較して、撮像画像記憶部901が追加され、俯瞰画像生成部405と実行する処理が異なる俯瞰画像生成部902に変更されている。
撮像画像記憶部901は、取得部401により撮像された撮像画像データを、撮像した位置を示す位置データと対応付けて記憶する。
俯瞰画像生成部902は、取得部401により取得された撮像画像データを変換し、仮想視点を基準にした俯瞰画像データを生成する他に、撮像画像記憶部901に記憶された撮像画像データを変換し、仮想視点を基準にした俯瞰画像データを生成する。
本実施形態の俯瞰画像生成部902は、受付部403が候補領域の選択を受け付けた場合に、撮像画像記憶部901に記憶された撮像画像データのうち、当該候補領域に最も近い位置で撮像された撮像画像データを読み出し、当該撮像画像データに基づいた俯瞰画像データを生成する。生成される俯瞰画像データは、第1の実施形態と同様、候補領域が存在する、車両1の側面方向の表示範囲が広くなっている。
図10は、表示制御部406により表示される表示画面の遷移を例示した図である。図10の(A)は、車両1が停止した際に、俯瞰画像生成部902により生成された俯瞰画像データ1001を含む表示画面とする。俯瞰画像データ1001には、候補領域1011~1013が表されている。
俯瞰画像データ1001は、撮像部15が現在撮像した撮像画像データに基づいて生成されている。当該俯瞰画像データでは、現在の車両1の位置が基準となっている。このため、撮像部15が撮像する際、特定部404により特定された候補領域が、障害物や他の車両による死角となっている可能性がある。この場合、当該候補領域は、俯瞰画像データ上に適切に表示できない可能性がある。
そこで、本実施形態においては、受付部403が候補領域の選択を受け付けた場合、俯瞰画像生成部902は、撮像画像記憶部901に記憶された撮像画像データと対応付けられている位置データに基づいて、選択を受け付けた候補領域に最も近い位置で撮像を行った撮像画像データを読み出し、当該撮像画像データで俯瞰画像データを生成する。
図10の(B)は、受付部403が、候補領域1013の選択を受け付けた場合に、表示される俯瞰画像データ1002を含む表示画面とする。俯瞰画像データ1002には、候補領域1013に対応する候補領域1021全体が表されている。また、車両1を示すアイコン1032は、アイコン1031と比べて、車両1の過去の位置を示すように表示態様を異ならせても良い。また、俯瞰画像データ1002に現在の車両1の位置を示すアイコン1033を表示しても良い。
そして、表示制御部406は、俯瞰画像生成部902により過去の撮像画像データに基づいて生成された俯瞰画像データを表示する。
次に、本実施形態のECU14における駐車支援時の表示処理について説明する。図11は、本実施形態のECU14における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
図11に示されるフローチャートは、図8で示したフローチャートのS801~S810と同様に、候補領域の選択の受付まで行われる(S1101~S1110)。
S1110において、受付部403が、候補領域の選択を受け付けたと判定した場合(S1110:Yes)、俯瞰画像生成部902は、選択を受け付けた候補領域と近い位置から撮像された撮像画像データを、撮像画像記憶部901から読み出す(S1111)。
そして、俯瞰画像生成部902は、読み出された撮像画像データを用いて、選択を受け付けた候補領域が存在する車両1の側面方向が広げられた俯瞰画像データを生成する(S1112)。
そして、表示制御部406は、S1112で生成された俯瞰画像データ、換言すれば選択を受け付けた候補領域全体が表された俯瞰画像データを表示する(S1113)。
本実施形態においては、上述した処理手順を行うことで、候補領域の近傍の状況を確認できる。
また、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、障害物検出部402が候補領域内に障害物を検出した場合に、当該候補領域に進入できないことを示すマークを、俯瞰画像データ内に表示する。
なお、本実施形態は、俯瞰画像生成部902が、撮像画像記憶部901に記憶された撮像画像データと対応付けられている位置データに基づいて、選択を受け付けた候補領域に最も近い位置で撮像を行った撮像画像データを読み出し、当該撮像画像データで俯瞰画像データを生成する例について説明した。しかしながら、本実施形態は、選択を受け付けた候補領域に最も近い位置で撮像を行った撮像画像データを読み出す手法に制限するものではなく、候補領域が適切な範囲に写っている撮像画像であれば読み出し対象として良い。つまり、選択を受け付けた候補領域に近傍の位置を示した位置データと、撮像画像記憶部901で対応付けられた複数の撮像画像データと、に基づいて俯瞰画像データを生成すれば良い。
(第3の実施形態)
上述した実施形態は、俯瞰画像データの表示範囲を広げることで、候補領域全体を表示する例について説明した。しかしながら、上述した実施形態は、候補領域の状況を把握させる手法を、俯瞰画像データの表示範囲を広げる手法に制限するものではない。そこで、第3の実施形態においては、候補領域が存在する方向を撮像した撮像画像データを表示する例について説明する。
図12は、第3の実施形態のECU14で実現されるソフトウェア構成を例示した図である。図12に示されるように、第3の実施形態のECU14は、第1の実施形態の構成から、俯瞰画像生成部405、表示制御部406と実行する処理が異なる俯瞰画像生成部1201、表示制御部1202に変更されている。
俯瞰画像生成部1201は、取得部401により取得された撮像画像データを変換し、仮想視点を基準にした俯瞰画像データを生成する。本実施形態の俯瞰画像生成部1201は、受付部403が候補領域の選択を受け付けた場合であっても、俯瞰画像データの再生成は行わない。
表示制御部1202は、取得部401が取得した撮像画像データのうち、受付部403により選択を受け付けた候補領域が含まれている撮像画像データを、俯瞰画像データと共に表示する。
図13は、表示制御部1202により表示される画面例を示している。図13に示される例では、表示装置8の表示領域500に、俯瞰画像データ1301と撮像画像データ1302が表示されている。俯瞰画像データ1301は、車両1を示すアイコン1311を基準に、車両1の周囲が表されている。さらには、俯瞰画像データ1301には、候補領域1312~1314が選択可能に表されている。
図13に示される画面例では、受付部403が、候補領域1312の選択を受け付けた例とする。候補領域1312を含む撮像画像データ1302が表示される。
図13に示されるように、選択を受け付けた候補領域1312を含む撮像画像データが表示されることで、運転者は、車両1の駐車対象となる候補領域1312の状況を把握できる。
本実施形態の駐車支援時の表示処理は、S811、S812の処理の代わりに、表示制御部1202が、選択を受け付けた候補領域を含む撮像画像データと、俯瞰画像データと、を表示する以外、図8で示したフローチャートと同様として説明を省略する。
本実施形態においては、候補領域を含む撮像画像データを表示することで、候補領域の状況を把握できるので、安全性を向上させることができる。
(第4の実施形態)
第3の実施形態においては、撮像部15が撮像した現在の撮像画像データを表示する例について説明した。しかしながら、第3の実施形態は、現在の撮像画像データを表示することに制限するものではない。そこで、第4の実施形態においては、過去に撮像された撮像画像データを表示する例について説明する。
図14は、第4の実施形態のECU14で実現されるソフトウェア構成を例示した図である。図14に示されるように、第4の実施形態のECU14は、第2の実施形態の構成から、俯瞰画像生成部902、表示制御部406と実行する処理が異なる俯瞰画像生成部1401、表示制御部1402に変更されている。
俯瞰画像生成部1401は、取得部401により取得された撮像画像データを変換し、仮想視点を基準にした俯瞰画像データを生成する。
表示制御部1402は、撮像画像記憶部901に記憶されている撮像画像データのうち、受付部403により選択を受け付けた候補領域に最も近い位置で撮像され且つ当該候補領域が含まれている撮像画像データを、俯瞰画像データと共に表示する。
図15は、表示制御部1402により表示される画面例を示している。図15に示される例では、表示装置8の表示領域500に、俯瞰画像データ1511と撮像画像データ1512が表示されている。俯瞰画像データ1511は、車両1を示すアイコン1311を基準に、車両1の周囲が表されている。さらには、俯瞰画像データ1511には、候補領域1312~1314を選択可能に表されている。
図15に示される画面例では、受付部403が、候補領域1312の選択を受け付けた例とする。そこで、車両1の走行中、候補領域1312に最も近い位置1501で撮像された撮像画像データであって、候補領域1312を含む撮像画像データ1512が表示される。
図15に示されるように、選択を受け付けた候補領域1312を含む撮像画像データ1512が表示されることで、運転者は、車両1の駐車対象となる候補領域1312の状況を把握できる。
本実施形態の駐車支援時の表示処理は、図11のS1111~S1113の処理の代わりに、俯瞰画像生成部1401が、選択を受け付けた候補領域と近い位置から撮像された撮像画像データであって、候補領域を含む撮像画像データを、撮像画像記憶部901から読み出し、表示制御部1202が、読み出された撮像画像データと、俯瞰画像データと、を表示する以外、図11で示したフローチャートと同様として説明を省略する。
また、本実施形態は、上述した実施形態と同様に、障害物検出部402により検出された障害物が、候補領域に含まれている場合に、障害物が検出された候補領域には進入できないことを示すマークを、俯瞰画像データに表示する。これにより、障害物が存在するため、当該候補領域に侵入できないことを運転者に認識させることができる。
また、本実施形態の表示制御部1402は、障害物を検知した候補領域に対応する表示範囲に、当該候補領域には進入できないことを示すマークを、撮像画像データに表示してもよい。これにより、過去に撮像された撮像画像データを表示する場合であっても、現在の状況を把握することができる。
(第5の実施形態)
第4の実施形態においては、候補領域の状況を把握させるために、撮像画像データを表示する例について説明した。しかしながら、撮像部15で撮像される撮像画像データは、広角レンズや魚眼レンズで撮影されているため、歪みが生じている。そこで第5の実施形態は、撮像画像データに対して歪み補正を行う場合について説明する。
図16は、第5の実施形態のECU14で実現されるソフトウェア構成を例示した図である。図16に示されるように、第5の実施形態のECU14は、第4の実施形態の構成と比較し、補正部1601が追加され、俯瞰画像生成部1401、表示制御部1402と実行する処理が異なる俯瞰画像生成部1602、表示制御部1603に変更されている。
俯瞰画像生成部1602は、取得部401により取得された撮像画像データを変換し、仮想視点を基準にした俯瞰画像データを生成する。
補正部1601は、撮像画像記憶部901に記憶されている撮像画像データのうち、受付部403により選択を受け付けた候補領域に最も近い位置で撮像され且つ当該候補領域が含まれている撮像画像データに対して、当該候補領域の歪みがとれるように歪み補正を行う。
表示制御部1603は、補正部1601により歪み補正された撮像画像データを、俯瞰画像データと共に表示する。
図17は、表示制御部1603により表示される画面例を示している。図17に示される例では、表示装置8の表示領域500に、俯瞰画像データ1511と撮像画像データ1701が表示されている。俯瞰画像データ1511は、第4の実施形態と同様に、車両1を示すアイコン1311を基準に、車両1の周囲が表されている。さらには、俯瞰画像データ1511には、候補領域1312~1314が選択可能に表されている。
図17に示される画面例では、受付部403が、候補領域1312の選択を受け付けた例とする。そこで、車両1の走行中、候補領域1312に最も近い位置1501で撮像された撮像画像データであって、歪み補正が行われた撮像画像データ1701が表示される。
図17に示されるように、歪みがとれた候補領域1312を含む撮像画像データが表示されることで、運転者は、車両1の駐車対象となる候補領域1312の状況を把握できる。
本実施形態は、撮像画像データに対して歪み補正を行う以外は、第4の実施形態と同様の処理を行うものとして、説明を省略する。
以上説明したとおり、第1から第5の実施形態によれば、運転者は駐車候補となる対象領域の状況を把握できるので、候補領域に停車させるか否かの判断が容易になる。これにより、安全性を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。