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JP7275014B2 - 収穫機 - Google Patents

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JP7275014B2
JP7275014B2 JP2019215943A JP2019215943A JP7275014B2 JP 7275014 B2 JP7275014 B2 JP 7275014B2 JP 2019215943 A JP2019215943 A JP 2019215943A JP 2019215943 A JP2019215943 A JP 2019215943A JP 7275014 B2 JP7275014 B2 JP 7275014B2
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Description

本発明は、収穫機に関する。
特許文献1には、分草杆を備えたコンバインが記載されている。分草杆は、運転部に設けたレバーを介した手動操作により分草作業姿勢と収納姿勢とに姿勢変更可能に構成されている。分草杆は、分草作業姿勢にある時に、前処理部の側部から張り出して未刈り穀稈を分草して、未刈り穀稈の機体への接触を抑制する。
特開2011-160691号公報
特許文献1のコンバインでは、分草杆の姿勢変更が手動操作により行われるため、オペレータが操作を忘れた場合には、分草杆が収納姿勢となったまま収穫走行が行われてしまう可能性がある。また近年、コンバインを自動走行させて圃場の作物を収穫する技術が普及し始めているが、このような自動作業においてはオペレータの手動操作を不要として省力化することが好ましい。
本発明の目的は、操作忘れにより分草杆の姿勢が不適切になることを防止すると共に、収穫機の自動走行において省力化を実現する手段を提供することにある。
上記目的を達成するための収穫機の特徴構成は、自動走行可能な収穫機であって、機体の横側部に設けられると共に機体横方向外側へ張り出した作業姿勢と前記作業姿勢よりも機体横方向内側に位置する収納姿勢とに姿勢変更可能に構成される分草杆と、自動走行中に前記分草杆の姿勢変更を自動的に制御する分草杆制御部と、自車位置を示す測位データを生成する衛星測位モジュールと、前記測位データに基づいて、収穫機の位置座標を経時的に算出する自車位置算出部と、走行経路上を自動走行しながら植立穀稈を収穫する自動収穫走行のための収穫走行経路と、前記自動収穫走行と前記自動収穫走行との間に行われるターン走行のためのターン走行経路と、算出する経路算出部と、を備え、記分草杆制御部は、前記自車位置算出部が算出した前記収穫機の位置座標が、前記収穫走行経路の始点と一致したことに応じて、前記分草杆を前記作業姿勢にする姿勢変更を行い、かつ、前記位置座標が、前記ターン走行経路の始点と一致したことに応じて、前記分草杆を前記収納姿勢にする姿勢変更を行う制御と、前記位置座標が、前記収穫走行経路の始点と一致したことに応じて、前記分草杆を前記作業姿勢にする姿勢変更を行い、かつ、前記位置座標が、前記ターン走行経路の始点と一致したことに応じて、前記分草杆を前記収納姿勢にする姿勢変更を行わない制御と、を選択的に行う点にある。
上記の特徴構成によれば、分草杆制御部が自動収穫走行の開始時に分草杆を作業姿勢にするので、分草杆を適切な姿勢である作業姿勢にして自動収穫走行を実行することができる。加えて、分草杆の姿勢変更が分草杆制御部により自動的に行われるので、オペレータの手動操作を不要にして、収穫機の自動走行において省力化を実現することができる。
また、分草杆制御部がターン走行の開始時に分草杆を収納姿勢にすることで、ターン走行を、分草杆が収納姿勢となり車体外寸が小さくなった状態で行うことができ、圃場の障害物等への接触を抑制することができる。そしてこの分草杆の姿勢変更を、オペレータの手動操作を必要とせず実現することができ、収穫機の自動走行を省力化することができる。
本発明においては、前記分草杆制御部は、前記自車位置算出部が算出した前記収穫機の位置座標が、前記収穫走行経路の終点と一致したことに応じて、前記分草杆を前記収納姿勢にすると好適である。
上記の特徴構成によれば、分草杆制御部が自動収穫走行の終了時に分草杆を収納姿勢にするので、自動収穫走行の次に行われる走行を、分草杆が収納姿勢となり車体外寸が小さくなった状態で行うことができる。これにより、圃場の障害物等(例えば水口の構造物など)への接触を抑制することができる。そしてこの分草杆の姿勢変更を、オペレータの手動操作を必要とせず実現することができ、収穫機の自動走行を省力化することができる。
本発明においては、前記分草杆制御部は、前記自車位置算出部が算出した前記収穫機の位置座標が、前記ターン走行経路の終点と一致したことに応じて、前記分草杆を前記作業姿勢にすると好適である。
上記の特徴構成によれば、分草杆制御部がターン走行の終了時に分草杆を作業姿勢にするので、分草杆を適切な姿勢である作業姿勢にしてターン走行の次に行われる自動収穫走行を実行することができる。そしてこの分草杆の姿勢変更を、オペレータの手動操作を必要とせず実現することができ、収穫機の自動走行を省力化することができる。
本発明においては、前記分草杆制御部は、穀粒を排出する際の排出停車位置まで自動走行する排出走行の開始時に前記分草杆を前記収納姿勢にするものであって、前記経路算出部は、前記排出走行のための排出走行経路を算出するものであって、前記分草杆制御部は、前記自車位置算出部が算出した前記収穫機の位置座標が、前記排出走行経路の始点と一致したことに応じて、前記分草杆を前記収納姿勢にすると好適である。
上記の特徴構成によれば、分草杆制御部が排出走行の開始時に分草杆を収納姿勢にするので、排出走行を、分草杆が収納姿勢となり車体外寸が小さくなった状態で行うことができ、圃場の障害物等への接触を抑制することができる。そしてこの分草杆の姿勢変更を、オペレータの手動操作を必要とせず実現することができ、収穫機の自動走行を省力化することができる。
本発明においては、前記分草杆制御部は、前記排出停車位置から植立穀稈の収穫を再開する収穫再開位置まで自動走行する復帰走行の終了時に前記分草杆を前記作業姿勢にするものであって、前記経路算出部は、前記復帰走行のための復帰走行経路を算出するものであって、前記分草杆制御部は、前記自車位置算出部が算出した前記収穫機の位置座標が、前記復帰走行経路の終点と一致したことに応じて、前記分草杆を前記作業姿勢にすると好適である。
上記の特徴構成によれば、分草杆制御部が復帰走行の終了時に分草杆を作業姿勢にするので、分草杆を適切な姿勢である作業姿勢にして植立穀稈の収穫を再開することができる。そしてこの分草杆の姿勢変更を、オペレータの手動操作を必要とせず実現することができ、収穫機の自動走行を省力化することができる。
コンバインの左側面図である。 コンバインの平面図である。 圃場における初期周回走行を示す図である。 αターン周回走行パターンによる自動走行を示す図である。 Uターン周回走行パターンによる自動走行を示す図である。 排出走行及び復帰走行を示す図である。 制御部に関する構成を示すブロック図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、矢印Fの方向を「機体前側」、矢印Bの方向を「機体後側」、矢印Lの方向を「機体左側」、矢印Rの方向を「機体右側」とする。矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
〔コンバインの全体構成〕
図1、図2に、収穫機の一例である自脱型のコンバインが示されている。このコンバイン1には、機体10と、クローラ式の走行装置11と、が備えられている。機体10の前部には、圃場の植立穀稈を刈り取って収穫する収穫部12が設けられている。
機体10において収穫部12の後方に、運転部13が設けられている。運転部13は、機体10の前部における右側に位置する。運転部13の左方に、収穫部12により収穫された収穫物を搬送する搬送部14が設けられている。
搬送部14の後方に、搬送部14により搬送された収穫物を脱穀処理する脱穀装置15が設けられている。脱穀装置15の後部に、排藁を切断処理する排藁処理装置16が設けられている。
運転部13の後方且つ脱穀装置15の右方に、脱穀装置15により得られた穀粒を貯留する穀粒タンク17が設けられている。穀粒タンク17には、穀粒タンク17に貯留されている穀粒の量を検出する貯留量センサ17a(図7参照)が設けられている。
穀粒タンク17の後方に、穀粒タンク17に貯留された穀粒を外部に排出する排出装置18が設けられている。排出装置18は、上下方向に延びる旋回軸心周りで旋回可能である。
運転部13の前部における左側部分には、衛星測位モジュール19が設けられている。衛星測位モジュール19は、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信して、その信号に基づいて、コンバイン1の自車位置を示す測位データを生成する。
機体10の横側部に、分草杆20が設けられている。分草杆20は、機体横方向外側(本実施形態では機体左側)へ張り出した作業姿勢(図1、図2の点線)と、作業姿勢よりも機体横方向内側(本実施形態では機体右側)に位置する収納姿勢(図1、図2の実線)とに姿勢変更可能に構成されている。本実施形態では、分草杆20は収穫部12の左側部分に支持されている。収穫部12には、分草杆20の姿勢を変更させる分草杆モータ20a(図7参照)が設けられている。
コンバイン1は、排出走行(後述)を実行する旨を周囲の作業者やオペレータに報知する報知機構21(図7参照)を備えている。報知機構21は例えば、運転部13に設けられた作業灯、サイレンやスピーカーであり、報知は作業灯の点滅、サイレンの作動、スピーカーからの音声案内等により実行される。なお、管理端末22(後述)が報知機構21を兼ねてもよい。
運転部13には、管理端末22(図7参照)が配置されている。管理端末22は、種々の情報を表示可能に構成されている。管理端末22が、コンバイン1の自動走行に関する種々の設定(後述する排出停車位置PPの設定、優先する走行パターンの設定など)の入力操作を受け付け可能に構成されてもよい。
コンバイン1は走行装置11により自走可能に構成されており、収穫部12によって圃場の植立穀稈を刈り取りながら走行装置11により走行する収穫走行が可能なように構成されている。
〔コンバインによる収穫作業〕
自脱型のコンバイン1による圃場での収穫作業について、図3-6を参照しながら説明する。本実施形態では、図3に示されるように、圃場の外形が矩形である例が説明される。圃場の外側には、コンバイン1から排出された穀粒を運搬する運搬車CVが駐車しており、圃場内の運搬車CVの近傍位置に排出停車位置PP(図4~6参照)が設定される。
まず最初に、図3に示されるように、圃場における外周側の領域において圃場の境界線に沿って周回するように収穫走行が行われる(初期周回走行)。この初期周回走行によって既作業地となった領域は外周領域SA(図3参照)として設定され、外周領域SAの内側の未作業地は作業対象領域CA(図3参照)として設定される。
外周領域SAは、作業対象領域CAの植立穀稈の収穫を自動走行により行う際に、コンバイン1が方向転換(後述するターン走行)するためのスペースとして用いられる。また、外周領域SAは、排出停車位置PPへの移動や、燃料の補給場所への移動を行うためのスペースとしても用いられる。
初期周回走行は、外周領域SAの幅をある程度広く確保するために、2周~4周程度行われる。初期周回走行は、手動走行により行われてもよいし、自動走行により行われてもよい。初期周回走行は、作業対象領域CAの1辺(好ましくは対向する2辺)が条方向と平行になるように行われる。本実施形態では、作業対象領域CAが矩形であり、作業対象領域CAの対向する2つの短辺が条方向と平行である場合について説明する。
初期周回走行に続いて、自動走行により作業対象領域CAの植立穀稈が収穫される。この自動走行においては、作業対象領域CAに設定された収穫走行経路LI(走行経路の一例)上を自動走行しながら植立穀稈を収穫する自動収穫走行と、1つの自動収穫走行と次の自動収穫走行との間に行われるターン走行とが繰り返し行われる。ターン走行は、2つの収穫走行経路LIの間を繋ぐターン走行経路TN上の自動走行である。
上述の自動収穫走行及びターン走行は、所定の走行パターンに沿って行われる。走行パターンとしては、図4に示されるαターン周回走行パターンと、図5に示されるUターン周回走行パターンが例示される。
αターン周回走行パターン(図4)は、矩形の作業対象領域CAの4つの辺に平行な収穫走行経路LIを順に走行し、ターン走行をαターン走行にて行う走行パターンである。αターン走行は、先の収穫走行経路LIの延びる方向に沿った前進と、旋回走行を含む後進走行と、次の収穫走行経路LIの延びる方向に沿った前進と、により実行される。αターン周回走行パターンによる自動走行は、図4に示されるように、渦巻き状の走行となる。
Uターン周回走行パターン(図5)は、矩形の作業対象領域CAの対向する2辺に平行な収穫走行経路LIを交互に外側から順に走行し、ターン走行をUターン走行にて行う走行パターンである。Uターン走行は、旋回走行を含む前進走行のみにより実行される。Uターン周回走行パターンによる自動走行は、図5に示されるように、αターン周回走行パターンと同様に渦巻き状の走行となる。本実施形態では、Uターン周回走行パターンで走行する収穫走行経路LIを、作業対象領域CAの条方向に平行な2辺に平行な経路とする。
αターン周回走行パターンによる自動走行は、外周領域SAの幅が狭くてUターン周回走行パターンによる自動走行が実行し難い場合に、Uターン周回走行パターンに先立って行われる。外周領域SAの幅が十分に大きく、Uターン周回走行パターンによる自動走行が可能な場合には、αターン周回走行パターンによる自動走行は実行されなくてもよい。
穀粒タンク17の穀粒の貯留量が大きくなると、収穫中断位置IP(図6)から穀粒を排出する際の排出停車位置PPまで自動走行する排出走行が実行され、排出停車位置PPにて排出装置18により穀粒の排出が行われる。穀粒の排出の完了後、作業対象領域CAに未作業地が残っている場合、排出停車位置PPから植立穀稈の収穫を再開する収穫再開位置RP(図6)まで自動走行する復帰走行が実行される。作業対象領域CAに未作業地が残っていない場合、収穫作業が終了する。
排出走行は、図6に示されるように、1つの収穫走行経路LI上の自動走行が終了した後に実行されてもよい。この場合、収穫再開位置RPは、次の収穫走行経路LIの始点となる。排出走行が、収穫走行経路LI上の自動走行を中断して実行されてもよい。この場合、収穫再開位置RPは収穫走行経路LIにおける自動走行を中断した位置となる。
〔制御に関する構成〕
図7に示されるように、コンバイン1の制御部80は、自車位置算出部81、領域算出部82、経路算出部83、走行制御部84、分草杆制御部85、排出制御部86、及び報知制御部87を備えている。
自車位置算出部81は、衛星測位モジュール19が生成した測位データに基づいて、コンバイン1の位置座標を経時的に算出する。
領域算出部82は、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の経時的な位置座標に基づいて、外周領域SA及び作業対象領域CAを算出する。具体的には、領域算出部82は、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の経時的な位置座標に基づいて、圃場の外周側における周回走行(初期周回走行)でのコンバイン1の走行軌跡を算出する。そして、領域算出部82は、算出されたコンバイン1の走行軌跡に基づいて、コンバイン1が植立穀稈を収穫しながら走行した圃場の外周側の領域を外周領域SAとして算出する。また、領域算出部82は、算出された外周領域SAよりも圃場内側の領域を作業対象領域CAとして算出する。
例えば、図3においては、圃場の外周側における周回走行(初期周回走行)においてコンバイン1が走行した経路が矢印で示されている。図示例では、コンバイン1は、3周の周回走行を行っている。そして、この初期周回走行が完了すると、圃場は図4に示される状態となる。
領域算出部82は、図4に示されるように、コンバイン1が植立穀稈を収穫しながら走行した圃場の外周側の領域を外周領域SAとして算出し、算出された外周領域SAよりも圃場内側の領域を作業対象領域CAとして算出する。
経路算出部83は、領域算出部82の算出結果に基づいて、作業対象領域CAの内側において、自動収穫走行のための収穫走行経路LIを算出する。本実施形態では、収穫走行経路LIは、作業対象領域CAの4つの辺に平行に延びる複数のメッシュ線である。また、経路算出部83は、ターン走行(αターン走行、Uターン走行)のための、2つの収穫走行経路LIの間を繋ぐターン走行経路TNを算出する。また、経路算出部83は、排出制御部86が設定する収穫中断位置IP及び収穫再開位置RPに基づいて、排出走行のための排出走行経路ULと、復帰走行のための復帰走行経路RLとを算出する。排出走行経路ULは、収穫中断位置IPと排出停車位置PPとを繋ぐ経路である。復帰走行経路RLは、排出停車位置PPと収穫再開位置RPとを繋ぐ経路である。
走行制御部84は、走行装置11及び収穫部12を制御可能に構成されている。走行制御部84は、経路算出部83が算出した走行経路(収穫走行経路LI、ターン走行経路TN、排出走行経路UL、復帰走行経路RL等)の内から次に走行する走行経路を設定する。走行制御部84は、走行経路の設定を、上述の走行パターン(αターン周回走行パターン、Uターン周回走行パターン)や、排出制御部86が設定する排出タイミング(後述)に基づいて実行する。そして走行制御部84は、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の位置座標と、設定した走行経路と、に基づいて、コンバイン1の自動走行を制御する。具体的には、走行制御部84は、設定した走行経路に沿ってコンバイン1が走行するように、コンバイン1の走行装置11を制御する。そして走行制御部84は、コンバイン1が収穫走行経路LIを走行する時に収穫部12を動作させる。
分草杆制御部85は、分草杆20の姿勢を変更させる分草杆モータ20aを制御可能に構成されている。すなわち分草杆制御部85は、分草杆20の、作業姿勢と収納姿勢との間の姿勢変更を自動的に制御する。詳しくは分草杆制御部85は、収穫走行経路LI上を自動走行しながら植立穀稈を収穫する自動収穫走行の開始時に分草杆20を作業姿勢にし、自動収穫走行の終了時に分草杆20を収納姿勢にする。分草杆制御部85は、ターン走行の開始時に分草杆20を収納姿勢にし、ターン走行の終了時に分草杆20を作業姿勢にする。分草杆制御部85は、排出走行の開始時に分草杆20を収納姿勢にし、復帰走行の終了時に分草杆20を作業姿勢にする。
分草杆制御部85は、以上述べた分草杆20の自動的な姿勢変更を、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の位置座標と、走行制御部84が設定した走行経路と、に基づいて実行する。具体的には、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の位置座標が、走行制御部84が設定した走行経路の始点又は終点と一致したことに応じて、分草杆20を作業姿勢又は収納姿勢にする。例えば、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の位置座標が、走行制御部84が設定した収穫走行経路LIの始点と一致したことに応じて分草杆20を作業姿勢にすると共に、走行制御部84が設定した収穫走行経路LIの終点と一致したことに応じて分草杆20を収納姿勢にする。
排出制御部86は、穀粒タンク17に貯留された穀粒の排出に関する制御を行う。具体的には、排出制御部86は、貯留量センサ17aが検出した穀粒タンク17に貯留されている穀粒の量に基づいて、穀粒の排出タイミングを設定する。そして、設定した排出タイミングに基づいて、収穫中断位置IP及び収穫再開位置RPを設定する。排出制御部86は、コンバイン1が排出停車位置PPにあるときに、排出装置18を制御して穀粒タンク17に貯留された穀粒を排出する。
例えば、排出制御部86は、穀粒タンク17に貯留されている穀粒の量が所定の閾値を超えたことに応じて、排出タイミングを「現在実行している自動収穫走行の終了後」に設定する。この場合、排出制御部86は、現在走行している収穫走行経路LIの終点を収穫中断位置IPとして設定し、次に走行する収穫走行経路LIの始点を収穫再開位置RPとして設定する。
排出制御部86が、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の位置座標や、走行制御部84が設定した走行経路、設定された排出停車位置PPなどに基づいて排出タイミングを設定してもよい。例えば、排出制御部86が、現在走行している収穫走行経路LIの終点が排出停車位置PPから遠い場合に、排出タイミングを「次に実行する自動収穫走行の終了後」に設定してもよい。この場合、排出制御部86は、図6に示されるように、次に走行する収穫走行経路LI10の終点を収穫中断位置IPとして設定し、その次に走行する収穫走行経路LI11の始点を収穫再開位置RPとして設定する。
例えば、現在のコンバイン1の位置と排出停車位置PPとの間の距離が現在走行している収穫走行経路LIの終点と排出停車位置PPとの間の距離よりも小さい場合に、排出制御部86が排出タイミングを「現在」に設定してもよい。この場合、排出制御部86は、収穫中断位置IP及び収穫再開位置RPを現在のコンバイン1の位置に設定する。
排出制御部86が排出タイミングを設定したことが、管理端末22を通じてオペレータに報知されてもよい。運転部13に配置された操作ボタン(図示なし)や管理端末22を通じたオペレータからの手動操作に応じて排出走行を実行するように、経路算出部83、走行制御部84、排出制御部86が構成されてもよい。
報知制御部87は、報知機構21を制御可能に構成されている。報知制御部87は、コンバイン1が排出走行を開始する前に、報知機構21を動作させる。詳しくは報知制御部87は、排出制御部86が排出タイミングを設定したことに応じて、報知機構21を動作させる。例えば報知制御部87は、排出走行の前の自動収穫走行を実行している間、又は当該自動収穫走行を開始する時に、報知機構21を動作させる。図6に示される例では、報知制御部87は、収穫走行経路LI10の自動収穫走行を開始する時に報知機構21を動作させる。報知制御部87が、報知機構21を、排出走行の前の自動収穫走行の間中継続的に動作させてもよいし、間欠的に動作させてもよいし、当該自動収穫走行の後半の所定期間に報知機構21を動作させてもよい。報知制御部87が、報知機構21を、排出走行を開始する時点の所定時間前に動作させてもよい。
〔コンバインによる収穫作業の流れ〕
以下では、コンバイン1が図3に示される圃場で行う収穫作業の流れについて説明する。
最初に、オペレータは、コンバイン1を手動で操作し、図3に示されるように、圃場内の外周部分において、圃場の境界線に沿って周回するように収穫走行を行う(初期周回走行)。図示例では、コンバイン1は、3周の周回走行を行う。この初期周回走行が完了すると、圃場は、図4に示される状態となる。
領域算出部82は、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の経時的な位置座標に基づいて、図3の初期周回走行中のコンバイン1の走行軌跡を算出する。そして領域算出部82は、図4に示されるように、算出したコンバイン1の走行軌跡に基づいて、コンバイン1が植立穀稈を収穫しながら周回走行した圃場の外周側の領域を外周領域SAとして算出する。また領域算出部82は、算出された外周領域SAよりも圃場内側の領域を作業対象領域CAとして算出する。
次に、経路算出部83は、領域算出部82の算出結果に基づいて、図4に示されるように、作業対象領域CAにおける収穫走行経路LIを算出する。図示例では、作業対象領域CAの短辺に平行な複数の収穫走行経路LIと、長辺に平行な複数の収穫走行経路LIとが算出されている。作業対象領域CAの短辺に平行な収穫走行経路LIは、条方向に平行である。
そして、オペレータが自動走行開始ボタン(図示せず)を押すことにより、収穫走行経路LIに沿った自動走行が開始される。この例では、先ず、αターン周回走行パターンによる自動走行(図4)が行われる。走行制御部84は、収穫走行経路LI1、LI2、LI3、LI4を走行の経路として設定する。経路算出部83は、αターン走行用のターン走行経路TN1、TN2、TN3を算出する。走行制御部84は、走行装置11を制御して、収穫走行経路LI1、ターン走行経路TN1、収穫走行経路LI2、ターン走行経路TN2、収穫走行経路LI3、ターン走行経路TN3、収穫走行経路LI4、の順にコンバイン1を自動走行させる。
分草杆制御部85は、収穫走行経路LI1の自動収穫走行の開始時に、分草杆モータ20aを制御して分草杆20を作業姿勢にする。分草杆制御部85は、コンバイン1が収穫走行経路LI1の終点(=ターン走行経路TN1の始点)に到達した時、すなわち収穫走行経路LI1の自動収穫走行の終了時及びターン走行経路TN1のターン走行の開始時に、分草杆モータ20aを制御して分草杆20を収納姿勢にする。分草杆制御部85は、コンバイン1がターン走行経路TN1の終点(=収穫走行経路LI2の始点)に到達した時、すなわちターン走行経路TN1のターン走行の終了時及び収穫走行経路LI2の自動収穫走行の開始時に、分草杆モータ20aを制御して分草杆20を作業姿勢にする。以下同様に、各走行経路の始点及び終点に到達した時、すなわち自動収穫走行及びターン走行の開始時及び終了時に、分草杆制御部85により分草杆20の姿勢変更が行われる。
コンバイン1の周回状の自動走行により圃場外周側の既刈り地が拡大し、Uターン周回走行パターンによる自動走行(図5)が可能な状態になると、走行制御部84は、走行パターンをUターン周回走行パターンに切り替える。走行制御部84は、収穫走行経路LI5、LI6、LI7、LI8を走行の経路として設定する。経路算出部83は、Uターン走行用のターン走行経路TN4、TN5、TN6を算出する。走行制御部84は、走行装置11を制御して、収穫走行経路LI5、ターン走行経路TN4、収穫走行経路LI6、ターン走行経路TN5、収穫走行経路LI7、ターン走行経路TN6、収穫走行経路LI8の順にコンバイン1を自動走行させる。
分草杆制御部85は、収穫走行経路LI5の自動収穫走行の開始時に、分草杆モータ20aを制御して分草杆20を作業姿勢にする。分草杆制御部85は、コンバイン1が収穫走行経路LI5の終点(=ターン走行経路TN4の始点)に到達した時、すなわち収穫走行経路LI5の自動収穫走行の終了時及びターン走行経路TN4のターン走行の開始時に、分草杆モータ20aを制御して分草杆20を収納姿勢にする。分草杆制御部85は、コンバイン1がターン走行経路TN4の終点(=収穫走行経路LI6の始点)に到達した時、すなわちターン走行経路TN4のターン走行の終了時及び収穫走行経路LI6の自動収穫走行の開始時に、分草杆モータ20aを制御して分草杆20を作業姿勢にする。以下同様に、各走行経路の始点及び終点に到達した時、すなわち自動収穫走行及びターン走行の開始時及び終了時に、分草杆制御部85により分草杆20の姿勢変更が行われる。
図6に示されるように、コンバイン1が収穫走行経路LI9を走行中に、穀粒タンク17に貯留されている穀粒の量が所定の閾値を超えたことに応じて、排出制御部86が排出タイミングを「次に実行する自動収穫走行の終了後」に設定する。これは、現在走行している収穫走行経路LI9の終点よりも次に走行する収穫走行経路LI10の終点の方が排出停車位置PPに近く、収穫走行経路LI10の終点から排出走行を開始すると走行距離を短くできるからである。排出制御部86は、次に走行する収穫走行経路LIである収穫走行経路LI10の終点を収穫中断位置IPとして設定し、その次に走行する収穫走行経路LIである収穫走行経路LI11の始点を収穫再開位置RPとして設定する。経路算出部83は、Uターン走行用のターン走行経路TN7、収穫中断位置IPと排出停車位置PPとを繋ぐ排出走行経路UL、及び、排出停車位置PPと収穫再開位置RPとを繋ぐ復帰走行経路RL、を算出する。走行制御部84は、走行装置11を制御して、収穫走行経路LI9、ターン走行経路TN7、収穫走行経路LI10、排出走行経路ULの順にコンバイン1を自動走行させ、コンバイン1を排出停車位置PPに停車させる。報知制御部87は、収穫走行経路LI10に沿った自動収穫走行の実行中に報知機構21を動作させる。排出制御部86は、コンバイン1が排出停車位置PPに停車中に、排出装置18を制御して穀粒タンク17に貯留された穀粒を運搬車CVへ排出させる。穀粒の排出が終了すると、走行制御部84は、走行装置11を制御して復帰走行経路RL、収穫走行経路LI11の順にコンバイン1を自動走行させる。
〔他の実施形態〕
〔1〕上記の実施形態では、自動収穫走行が開始する度に分草杆20が作業姿勢にされ、自動収穫走行が終了する度に分草杆20が収納姿勢にされる例が説明された。これを改変し、オペレータが自動走行開始ボタンを押すことにより収穫走行経路LIに沿った自動走行が開始する時に分草杆20が作業姿勢にされ、最後の収穫走行経路LIに沿った自動走行が終了し圃場の植立穀稈の収穫が完了した時に分草杆20が収納姿勢にされてもよい。
また、αターン周回走行パターンによる自動走行(又はUターン周回走行パターンによる自動走行)が開始する時に分草杆20が作業姿勢にされ、終了した時に分草杆20が収納姿勢にされてもよい。換言すれば、ターン走行、排出走行、及び復帰走行の開始時・終了時の分草杆20の姿勢変更は、行われなくてもよいし、一部(例えば、ターン走行の開始時及び終了時の分草杆20の姿勢変更)が行われてもよい。
〔2〕上記の実施形態では、分草杆20が作業姿勢及び収納姿勢の2つの姿勢の間で姿勢変更可能である例が説明された。分草杆20が3つ以上の姿勢の間で姿勢変更可能に構成されてもよい。すなわち、分草杆20のとる作業姿勢が2つ以上であってもよいし、分草杆20のとる収納姿勢が2つ以上であってもよい。
〔3〕上記の実施形態では、排出制御部86が排出タイミングを設定し、排出走行が実行される例が説明された。排出走行が、オペレータからの操作入力に応じて行われてもよい。例えば、穀粒タンク17の貯留量が所定の閾値を超えたことに応じて、排出制御部86が運転部13に設けられたボタンスイッチ(図示せず)を点灯させ、オペレータが当該ボタンスイッチを押したことに応じて排出走行が実行されるよう、制御部80が構成されてもよい。
〔4〕上記の実施形態では、圃場の外形と作業対象領域CAとが矩形である例が説明された。圃場の外形は矩形に限られず、三角形、五角形等の多角形でもよいし、その外周形状の一部又は全部が曲線であってもよい。作業対象領域CAは、作業効率の面からは矩形が好ましいが、三角形、五角形等の多角形でもよいし、その外周形状の一部又は全部が曲線であってもよい。
〔5〕上記の実施形態では、収穫走行経路LIが直線である例が説明されたが、収穫走行経路LIの一部又は全部が曲線であってもよい。
本発明は、自脱型のコンバインだけでなく、普通型のコンバイン等の種々の収穫機に利用可能である。
10 :機体
19 :衛星測位モジュール
20 :分草杆
81 :自車位置算出部
83 :経路算出部
85 :分草杆制御部
LI1~11:収穫走行経路(走行経路)
PP :排出停車位置
RP :収穫再開位置

Claims (5)

  1. 自動走行可能な収穫機であって、
    機体の横側部に設けられると共に機体横方向外側へ張り出した作業姿勢と前記作業姿勢よりも機体横方向内側に位置する収納姿勢とに姿勢変更可能に構成される分草杆と、
    自動走行中に前記分草杆の姿勢変更を自動的に制御する分草杆制御部と、
    自車位置を示す測位データを生成する衛星測位モジュールと、
    前記測位データに基づいて、収穫機の位置座標を経時的に算出する自車位置算出部と、
    走行経路上を自動走行しながら植立穀稈を収穫する自動収穫走行のための収穫走行経路と、前記自動収穫走行と前記自動収穫走行との間に行われるターン走行のためのターン走行経路と、算出する経路算出部と、を備え、
    記分草杆制御部は、前記自車位置算出部が算出した前記収穫機の位置座標が、前記収穫走行経路の始点と一致したことに応じて、前記分草杆を前記作業姿勢にする姿勢変更を行い、かつ、前記位置座標が、前記ターン走行経路の始点と一致したことに応じて、前記分草杆を前記収納姿勢にする姿勢変更を行う制御と、前記位置座標が、前記収穫走行経路の始点と一致したことに応じて、前記分草杆を前記作業姿勢にする姿勢変更を行い、かつ、前記位置座標が、前記ターン走行経路の始点と一致したことに応じて、前記分草杆を前記収納姿勢にする姿勢変更を行わない制御と、を選択的に行う収穫機。
  2. 記分草杆制御部は、前記自車位置算出部が算出した前記収穫機の位置座標が、前記収穫走行経路の終点と一致したことに応じて、前記分草杆を前記収納姿勢にする請求項1に記載の収穫機。
  3. 記分草杆制御部は、前記自車位置算出部が算出した前記収穫機の位置座標が、前記ターン走行経路の終点と一致したことに応じて、前記分草杆を前記作業姿勢にする請求項1または2に記載の収穫機。
  4. 前記分草杆制御部は、穀粒を排出する際の排出停車位置まで自動走行する排出走行の開始時に前記分草杆を前記収納姿勢にするものであって、
    前記経路算出部は、前記排出走行のための排出走行経路を算出するものであって、
    前記分草杆制御部は、前記自車位置算出部が算出した前記収穫機の位置座標が、前記排出走行経路の始点と一致したことに応じて、前記分草杆を前記収納姿勢にする請求項1からのいずれか1項に記載の収穫機。
  5. 前記分草杆制御部は、前記排出停車位置から植立穀稈の収穫を再開する収穫再開位置まで自動走行する復帰走行の終了時に前記分草杆を前記作業姿勢にするものであって、
    前記経路算出部は、前記復帰走行のための復帰走行経路を算出するものであって、
    前記分草杆制御部は、前記自車位置算出部が算出した前記収穫機の位置座標が、前記復帰走行経路の終点と一致したことに応じて、前記分草杆を前記作業姿勢にする請求項に記載の収穫機。
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