JP7134454B2 - 毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物 - Google Patents
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すなわち、本発明は、以下の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物である。
この毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物によれば、毛髪に良好な明度を付与し、さらに毛髪への塗布操作性を向上することができる。さらには、本発明の染毛剤組成物によれば、染毛力に優れるという効果も奏する。
この特徴によれば、本発明の効果をより一層発揮することができる。
本発明の染毛剤組成物によれば、褪色抑制効果に優れた染毛剤組成物を提供することができる。
この特徴によれば、褪色抑制効果に加え、さらに均染性に優れた効果を有する染毛剤組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、均染性に優れた染毛剤組成物を提供することもできる。
[毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物]
毛髪脱色剤組成物は、毛髪中のメラニンを酸化分解することにより、毛髪を脱色するものであり、通常、酸化剤とアルカリ剤を備えた組成物である。また、毛髪脱染剤組成物は、さらに染毛した毛髪から染料とメラニンを脱色するものであり、通常、酸化剤とアルカリ剤の他に酸化助剤を備えた組成物である。
代表的な染毛剤組成物としては、酸化染料を含有する第1剤と酸化剤を含有する第2剤からなる2剤式のものであるが、3剤以上からなる多剤式であってもよい。
エステルは、脂肪酸とアルコールとの脱水反応により得られる化合物であり、本発明の「分岐エステル」とは、分岐高級脂肪酸や分岐高級アルコールを用いて得られるエステルである。なお、分岐エステルは、合成により得られたものだけでなく、天然のロウや油脂から抽出等により得られたものでもよい。
本発明の「(b)25℃で液体の油性成分」は、25℃で流動性を有する油性成分であって、上述の「(a)分岐エステル」を除くものである。ここで、流動性を有するとは、油性成分(約20mL)を投入したビーカー(100mL容量)を25℃の恒温槽内に約1時間保持し、次いで、25℃の恒温槽内に略45°に傾けて30分間静置した際に、油性成分の気液界面が略水平となる場合を示す。(b)油性成分は、炭化水素、高級アルコール、高級脂肪酸、ロウ類・エステル類、油脂、フッ素油である。
本発明の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物は、上記成分(a)および成分(b)以外のその他の油性成分を含有してもよい。その他の油性成分としては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキルアルコール等の高級アルコール、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ラノリン脂肪酸等の高級脂肪酸、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ステアリル、乳酸セチル、カプリン酸セチル等のエステル、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ラノリン、鯨ロウ、コメヌカロウ、サトウキビロウ、パームロウ、モンタンロウ、綿ロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、カポックロウ、セラックロウ等のロウ類、シア脂、ココアバター、牛脂等の油脂、フィトステロール、フィトスタノール、コレステロール、コレスタノール、ラノステロール、エルゴステロール等のステロール類、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテル等のアルキルグリセリルエーテル類、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン類、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン等の多価アルコール類が挙げられる。
キレート剤は、金属イオンを捕捉する物質であり、例えば、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム四水塩、エデト酸二カリウム二水塩、エデト酸二ナトリウムカルシウム、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム液、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム二水塩、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム液、ヒドロキシエタンジホスホン酸液、ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム液、L-アスパラギン酸-N,N-二酢酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、L-グルタミン酸二酢酸四ナトリウム、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、1,3-プロパンジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、アミノトリメチレンホスホン酸等が挙げられる。
酸化染料は、染毛剤組成物に使用する成分であり、酸化剤により酸化重合して発色する染料である。酸化染料には、染料中間体とカプラーがあり、染料中間体は、自身の酸化により発色する物質であり、カプラーは、染料中間体との組み合わせにより種々の色調となる物質である。
本発明の染毛剤組成物では、染料中間体として(d)2,2’-[(4-アミノフェニル)イミノ]ビスエタノール(以下、「4APE」という。)及び/又はその塩を含有することが好ましい。4APE及び/又はその塩を含有することにより、褪色を抑制する効果を奏する。
4APEは、以下の化学式(1)に示す化合物である。塩としては、例えば、有機酸の塩あるいは無機酸の塩、すなわち、硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩等が挙げられる。
染毛剤組成物には、4APE及び/又はその塩以外の染料中間体を含有してもよい。染料中間体は、主としてo-又はp-のフェニレンジアミン類あるいはアミノフェノール類である染料先駆物質であり、通常、それ自体は無色か又は弱く着色した化合物である。
具体的には、p-フェニレンジアミン、p-トルイレンジアミン、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルアミン、p-アミノフェノール、o-アミノフェノール、p-メチルアミノフェノール、2-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン、o-クロル-p-フェニレンジアミン、4-アミノ-m-クレゾール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、2,4-ジアミノフェノール及びそれらの塩類等が例示される。
カプラーとしては、主としてm-のジアミン類、アミノフェノール類又はジフェノール類が挙げられ、具体的には、m-アミノフェノール、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、フロログルシン、没食子酸、ハイドロキノン、5-アミノ-o-クレゾール、5-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-2-メチルフェノール、m-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、トルエン-3,4-ジアミン、α-ナフトール、2,6-ジアミノピリジン、ジフェニルアミン、3,3’-イミノジフェニール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、タンニン酸及びそれらの塩、1-ヒドロキシエチル-4,5-ジアミノピラゾール硫酸塩等が例示される。
本発明の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物は、上記の油性成分、キレート剤、酸化染料以外にも、必要に応じて以下の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、例えば、酸化剤、アルカリ剤、直接染料、界面活性剤、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール等の多価アルコール、アスコルビン酸、無水亜硫酸ナトリウム等の酸化防止剤、フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム等の防腐剤、エタノール等の有機溶剤、ソルビトール、マルトース等の糖類、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー等の水溶性高分子、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム液、塩化ジアリルジメチルアンモニウム・ヒドロキシエチルセルロース等のカチオン化水溶性高分子、塩化ナトリウム等の無機塩、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ピロリン酸、グルクロン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム等のpH調整剤、育毛成分、植物抽出物、生薬抽出物、アミノ酸・ペプチド、尿素、ビタミン類、香料、及び紫外線吸収剤が挙げられる。
酸化剤は、酸化力を有する物質であり、酸化染料を酸化して発色させる作用や、毛髪の内部のメラニンや染料を分解する作用を有するものである。具体的には、例えば、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物、過酢酸及びその塩、過ギ酸及びその塩、過マンガン酸塩、臭素酸塩等が例示される。これらの中でも、過酸化水素が好ましい。これらの酸化剤の具体例のうち、一種のみが単独で含有されてもよいし、二種以上が組み合わされて含有されてもよい。また、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等を酸化助剤として含有してもよい。
アルカリ剤は、毛髪を膨潤させて、染料や酸化剤の浸透を促進する作用を有するものである。アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、アルカノールアミン、ケイ酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、メタケイ酸塩、リン酸塩、硫酸塩、塩化物、有機アミン、塩基性アミノ酸、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物等が例示される。具体的には、アルカノールアミンとしてはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、イソプロピルアミン等が例示され、ケイ酸塩としてはケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等が例示され、炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸マグネシウム、炭酸グアニジン等が例示され、炭酸水素塩としては炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が例示され、メタケイ酸塩としてはメタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム等が例示され、リン酸塩としてはリン酸第1アンモニウム、リン酸第2アンモニウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム等が例示され、硫酸塩としては硫酸アンモニウムなどが例示され、塩化物としては塩化アンモニウムが例示され、有機アミンとしては2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、グアニジンが例示され、塩基性アミノ酸としてはアルギニン、リジン及びそれらの塩等が例示され、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物としては水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が例示される。これらの中でも、アンモニア及びアルカノールアミンを含有することが好ましい。
直接染料は、色を有する化合物であり、毛髪に付着又は浸透して染毛する染料である。例えば、酸性染料、塩基性染料、天然染料、ニトロ染料、HC染料、分散染料等がある。これら直接染料は単独で配合しても良く、組み合わせて配合しても良い。
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
なお、以下の記載において、POEはポリオキシエチレン鎖、POPはポリオキシプロピレン鎖を示し、これに続くカッコ内の数字は、その付加モル数を示している。また、アルキルに続くカッコ内の数字は、脂肪酸鎖の炭素数を示している。
アミノ酸型両性界面活性剤の具体例としては、例えば、N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム(ラウロアンホ酢酸Na)、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシエチル-N’-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシエトキシエチル-N’-カルボキシエチルエチレンジアミン二ナトリウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N’-カルボキシメトキシエチル-N’-カルボキシメチルエチレンジアミン二ナトリウム、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、パーム油脂肪酸アシル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムなどのグリシン型両性界面活性剤;ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミンなどのアミノプロピオン酸型両性界面活性剤;などが挙げられる。
ベタイン型両性界面活性剤の具体例としては、例えば、ヤシ油アルキルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタインなどのアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤;ラウリルヒドロキシスルホベタインなどのスルホベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
本発明の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物の使用方法としては、前記毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物を毛髪に適用することを特徴とする。この毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物の使用方法によれば、毛髪の明度を向上し、明るい色調の毛髪を調製することができる。また、染毛剤組成物の使用方法においては、毛髪の明度を向上し、かつ、染毛力に優れた染毛処理方法を提供することができる。
[毛束の準備]
毛束サンプル(同一人毛、毛径;75~95マイクロメートル)を用いて、「プロマスターEX LT」(ホーユー株式会社製、ブリーチ剤)で30℃、30分処理した後、水洗し、シャンプーを行いドライヤーにて乾かした(ブリーチ処理)。次いで、パーマ剤〔ホーユー(株)製の「ルテアTG」〕で常法によりパーマ処理した後、水洗し、シャンプーを行いドライヤーにて乾かした(パーマ処理)。
このように、上記ブリーチ処理を行い、続いて上記パーマ処理の連続工程を1回処理した毛束(損傷毛束)と、水洗、シャンプー、ドライヤー処理のみを1回施した毛束(健常毛束)を作成した。
[毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物の調製]
以下の表1に示す組成の第1剤および第2剤からなる2剤式の毛髪脱色剤組成物、以下の表2、3に示す組成の第1剤および第2剤からなる2剤式の染毛剤組成物を調製した。なお、第1剤と第2剤の混合比は、1:1で混合した。
次に、毛髪脱色剤組成物又は染毛剤組成物について、「明度向上効果」および「塗布操作性」を評価した。さらには、染毛剤組成物について、「褪色抑制効果」、「均染性」、「染毛力」を評価した。これらの評価方法を以下に示す。評価結果については、各表の下段に示した。
脱色剤組成物の評価では、各例の脱色剤組成物を用いて、健常毛束を脱色処理した。染毛剤組成物の評価では、各例の染毛剤組成物を用いて損傷毛束および健常毛束を染毛処理した。脱色または染毛処理方法は、以下のとおりである。
(脱色または染毛処理方法)
各例の脱色剤組成物または染毛剤組成物3gを毛束1gに対して刷毛を用いて塗布し、25℃で20分間放置した。その後、毛束をすすいで脱色剤または染毛剤組成物を洗い流し、更にシャンプー(ホーユー(株)製 プロマスターカラーケア スタイリッシュシャンプー)で2回洗浄し、染毛剤組成物を洗い落した。次に、毛束にトリートメント(ホーユー(株)製 プロマスターカラーケア スタイリッシュヘアトリートメント)を塗布した。毛束をすすいでトリートメントを洗い流した後、毛束の水分をタオルで拭き取り、最後にドライヤーで乾燥した。
10名のパネラーが脱色剤組成物または染毛剤組成物で処理した後の毛束の明度を標準光源下で目視にて観察した。明度の評価方法は、脱色剤組成物または染毛剤組成物で処理した各毛束の中から基準となる毛束を設定して、他の毛束と比較することにより評価した。表1の脱色剤組成物では、実施例1を基準毛束A、比較例1を基準毛束Bとした。表2の染毛剤組成物では、実施例6を基準毛束A、比較例10を基準毛束Bとし、表3~5の染毛剤組成物では、実施例12を基準毛束A、比較例11を基準毛束Bとした。そして、基準毛束Aを5点、基準毛束Bを1点とし、各実施例または比較例の明度向上効果が基準毛束Aと同等(5点)、基準毛束Aよりやや劣るが良好(4点)、基準毛束Bよりはかなり効果が認められるが、十分とはいえない(3点)、基準毛束Bよりやや良好(2点)及び基準毛束Bと同等(1点)の5段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が4.6点以上を「優れる:5」、3.6点以上4.6点未満を「良好:4」、2.6点以上3.6点未満を「可:3」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:2」及び1点以上1.6点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。結果を表1~5の「評価」欄における「明度向上効果」の項に示す。
染毛剤組成物で処理した後の健常毛束をシャンプーで10回洗浄する洗浄処理を行った後、分光測色計(ミノルタ株式会社製、CM-508D型)でL*a*b*値を測定して、下記式により洗浄処理前後の色差ΔEを算出し、下記基準により褪色抑制効果を評価した。
ΔE={(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)2}1/2
(評価基準)
5:ΔEが4未満で、褪色抑制効果が非常に優れている。
4:ΔEが4以上6未満で、褪色抑制効果が優れている。
3:ΔEが6以上8未満で、褪色抑制効果が普通である。
2:ΔEが8以上10未満で、褪色抑制効果がやや劣る。
1:ΔEが10以上で、褪色抑制効果が劣る。
上記評価結果を表3、4の「評価」欄における「褪色抑制効果」の項に示す。
上記のとおり染毛処理した損傷毛束および健常毛束について、分光測色計を用いて明度の測定を行った。
そして、損傷毛束(ブリーチ処理後、パーマ処理の連続工程を1回処理したサンプル)の明度(L1値)と、健常毛束(ブリーチおよびパーマ処理を施さなかったサンプル)の明度(L2値)との差(L1-L2)が、0.6未満のものを評価「5」、0.6以上1.0未満のものを評価「4」、1.0以上1.4未満のものを評価「3」、1.4以上1.8未満のものを評価「2」、1.8以上のものを評価「1」とした。尚、この測定においては、明度の差(L1-L2)が小さいほど、均染性に優れている。
上記評価結果を表3、4の「評価」の欄における「均染性」の項に示す。
上記のとおり染毛処理した健常毛束について、染毛力を10名のパネラーが目視により評価した。実施例6を5点、比較例9を1点とし、各実施例または比較例の染毛力が実施例6と同等(5点)、実施例6よりやや劣るが良好(4点)、比較例9よりはかなり良好だが、十分とはいえない(3点)、比較例9よりやや良好(2点)及び比較例9と同等(1点)の5段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が4.6点以上を「優れる:5」、3.6点以上4.6点未満を「良好:4」、2.6点以上3.6点未満を「可:3」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:2」及び1点以上1.6点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。
上記評価結果を表2の「評価」の欄における「染毛力」の項に示す。
各例の脱色剤組成物または染毛剤組成物60gを、何も処理していない評価用ウィッグに25℃条件下にて染毛用刷毛を用いて塗布し、10名のパネラーが操作性を評価した。評価基準は、適量をハケにとった際に、ハケからのタレ落ちがなく、かつ、髪への塗布の際に毛髪上で伸ばし易く、髪へのなじみも良い(4点)、適量をハケにとった際に、ハケからの殆どタレ落ちがなく、かつ、髪への塗布の際に毛髪上で伸ばし易く、髪へのなじみも良い(3点)、適量をハケにとった際に、ややハケからのタレ落ちがある、もしくは、やや髪への塗布の際に毛髪上で伸ばしにくい、又は、やや髪へのなじみが悪い(2点)、適量をハケにとった際に、ハケからのタレ落ちがある、もしくは、髪への塗布の際に毛髪上で伸ばしにくい、又は、髪へのなじみが悪い(1点)の4段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均値を算出した。
5:平均点が3.5以上
4:平均点が3.0以上~3.5未満
3:平均点が2.5以上~3.0未満
2:平均点が2.0以上~2.5未満
1:平均点が2.0未満
また、実施例2~5に示すように、種々の(a)成分、種々の(b)成分についても実施例1と同様に、毛髪の明度を向上する効果が認められた。
また、比較例8、9を見ると、(c)キレート剤の含有量を0.5~2.0に調整したにもかかわらず、(a)分岐エステルおよび(b)25℃で液状の油性成分の含有量の和が少ない場合(比較例8)には、明度向上効果が大幅に低下し、多い場合(比較例9)には、染毛力および塗布操作性が大幅に低下した。すなわち、本発明の明度向上効果、塗布操作性、染毛力をバランスよく発揮するには、(c)キレート剤の含有量を調整するだけでなく、(a)分岐エステルおよび(b)25℃で液状の油性成分の含有量の和とのバランスも調整する必要があり、(a+b)/cが0.01~20の範囲で優れた効果を奏するといえる。
さらに、実施例6~8を見ると、(c)キレート剤の含有量に対する(b)25℃で液状の油性成分の含有量の比[b/c]が0.005~10の範囲において、明度向上効果および染毛力に優れた効果が認められた。一方、b/cが0.005未満の実施例9では、明度向上効果がやや低下し、b/cが10を超える実施例10では、染毛力がやや低下する結果となった。
Claims (4)
- (a)分岐エステル、(b)25℃で液体の油性成分(但し、前記(a)を除く。)、(c)キレート剤を含有する、毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物であって、
前記(a)の含有量が組成物全体に対して0.1質量%以上であり、
前記(b)の含有量が組成物全体に対して0.05質量%以上であり、
前記(c)の含有量が組成物全体に対して0.7~2.0質量%であり、
前記(c)の含有量に対する前記(a)および前記(b)の含有量の和の比[(a+b)/c]が0.01~20であり、前記(a)は、分岐高級脂肪酸とアルコールとのエステルを含有することを特徴とする、毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物。 - 前記(b)は、炭化水素を含有することを特徴とする、請求項1に記載の毛髪脱色・脱染剤組成物又は染毛剤組成物。
- さらに(d)2,2’-[(4-アミノフェニル)イミノ]ビスエタノール及び/又はその塩を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の染毛剤組成物。
- 前記(d)に対する前記(c)の含有量の比(c/d)が0.01~500.0であることを特徴とする、請求項3に記載の染毛剤組成物。
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