JP7032046B2 - 生理活性物質の連続的な定流速精製方法 - Google Patents
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(A)抗体と不純物が混じった試料をカラムに負荷する工程(負荷工程)
(B)負荷したカラムから精製対象とする抗体以外の不純物を取り除く工程(洗浄工程)
(C)精製対象とする抗体をカラムから溶出し、回収する工程(溶出工程)
平均透過流束B/平均透過流束A>0.50 (1)
グラフト率(%)=(w1-w0)/w0×100
ここで、w0は反応前の膜状基材の重量、w1はグラフト鎖が導入された膜状基材の重量である。
(カチオン交換基モノマー質量)=
(カチオン交換基密度×担体体積×カチオン交換基モノマー分子量)
(中性モノマーの質量)=
(カチオン交換担体質量―基材担体質量―カチオン交換基モノマー質量)
これらの質量の比により、カチオン交換基を有するモノマー単位の質量割合、及び中性のモノマー単位の質量割合を求めることができる。
透過流束B/平均透過流束A >0.50 (2)
連続精製にはろ過圧力が安定なウイルス除去膜が求められる。上記式(2)の左辺が0.50以上、好ましくは0.60以上、より好ましくは0.70以上、さらに好ましくは0.80以上、最も好ましくは0.90以上であれば、高濃度の抗体を連続的に処理することが可能になる。
ヒト免疫グロブリンは、田辺三菱製薬株式会社製の献血ヴェノグロブリン溶液を、20mmol/L酢酸緩衝液+100mmol/L NaCl(pH4.5)で希釈して10g/Lとし、さらに濾過膜(旭化成メディカル株式会社、PLANOVA35N)で前濾過して夾雑成分を除いたものを濾過元液として用いた。該濾過原液を濾過圧力294kPa、濾過温度25℃の条件で、ウイルス除去膜に定圧デッドエンド濾過を行い、膜1m2当たり50L/m2濾過時の透過流束A、200L/m2濾過時の透過流束Bを測定した。
ヒト免疫グロブリンは、日本血液製剤機構製の献血ヴェノグロブリン溶液を、20mmol/L酢酸緩衝液+100mmol/L NaCl(pH4.5)で希釈して10g/Lとし、さらに濾過膜(旭化成メディカル株式会社、Planova 35N)で前濾過して夾雑成分を除いたものを濾過元液として用いた。該濾過原液を濾過圧力294kPa、濾過温度25℃の条件で、ウイルス除去膜に定圧デッドエンド濾過を行い、膜1m2当たり50Lから55L濾過した時の平均透過流束Aと、膜1m2当たり400Lから405L濾過した時の平均透過流束Bを測定した。
濾過元液として、5%牛胎児血清(Upstate社製)を含むダルベッコMEM培地溶液(日本生物医薬研究所製)で培養したESK細胞(ブタ腎臓細胞)に、ブタパルボウイルスを感染させた時の培養上清を微多孔膜(旭化成(株)製、PLANOVA35N)で前濾過したものを用いた。該濾過元液を濾過圧力294kPa、濾過温度25℃の条件で定圧デッドエンド濾過を行った。濾液は5mL(5L/m2)毎に11フラクションを採取し、濾過開始時から55リットル/m2濾過時におけるブタパルボウイルス対数除去率を測定するために、各フラクションから1mLずつ採取し混合した。濾過元液と濾液(混合液と最初及び最後のフラクション)中のブタパルボウイルス濃度の測定は、それぞれの液をESK細胞に加えて10日間培養した後、ニワトリ新鮮赤血球(日本バイオテスト研究所製)の凝集反応を利用して、TCID50測定法により行った。
生理活性物質溶液に、ブタパルボウイルス(PPV、社団法人動物用生物学的製剤協会)を1.0vol%添加し、よく撹拌して、ウイルス含有生理活性物質溶液を得た。
アメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC)より入手し、培養したPK-13細胞(ATCC No.CRL-6489)を用意した。また、56.0℃の水浴で30分間加熱し非働化させた後の牛血清(Upstate社製)3vol%と、ペニシリン/ストレプトマイシン(+10000 Units/mL ペニシリン、+10000μg/mL ストレプトマイシン、インビトロジェン製)1vol%含有D-MEM(インビトロジェン製、高グルコース)と、の混合液を用意した。以下、この混合液を、3vol%FBS/D-MEMという。次に、PK-13細胞を3vol%FBS/D-MEMで希釈し、細胞濃度2.0×105(細胞/mL)の希釈細胞懸濁液を調製した。次に、96ウェル丸底細胞培養プレート(Falcon社製)を10枚準備し、全てのウェルに、希釈細胞懸濁液を100μLずつ分注した。
希釈細胞懸濁液を分注した細胞培養プレートの8ウェルごとに、ウイルス含有生理活性物質溶液の濾液及び同濾液の10倍、102倍、103倍、104倍及び105倍希釈液と、元液の102倍、103倍、104倍、105倍、106倍及び107倍希釈液と、のそれぞれを、100μLずつ分注した。その後、37.0℃、5%二酸化炭素雰囲気下にあるインキュベーターの中に細胞培養プレートを配置し、細胞を10日間培養した。
10日間培養した細胞に対し、以下説明する赤血球吸着法(ウイルス実験学 総論 国立予防衛生研究所学友会編、p.173参照)を用いて、50%組織培養感染値(TCID50)の測定を行った。まず、ニワトリ保存血(日本バイオテスト製)をPBS(-)(日水製薬株式会社製、製品に添付の説明書に記載の方法で調製)で5倍に希釈した後、希釈したニワトリ保存血を2500rpm、4.0℃で5分間遠心して赤血球を分離し、沈殿させた。その後、上清を吸引除去して、得られた赤血球を含む沈殿物を、再度PBS(-)で200倍に希釈した。
次に、赤血球沈殿物のPBS(-)希釈液を、細胞培養プレートの全ウェルに100μLずつ分注し、2時間静置した。その後、培養した細胞組織の表面に対する赤血球の吸着の有無を目視で確認し、吸着が確認されたものをウイルス感染が起きたウェル、吸着が確認されなかったものをウイルス感染が起きなかったウェルとして数えた。さらに、ウイルス含有タンパク質溶液の濾液及び同濾液の希釈液と、元液希釈液のそれぞれが分注されたウェルごとに、ウイルス感染の割合を確認し、Reed-Muench法(ウイルス実験学総論、国立予防衛生研究所学友会編、p.479-480参照)により、感染価としてlog10(TCID50/mL)を算出し、下記式(3)を用いてウイルスの対数除去率(LRV)を算出した。
LRV=log10(C0/CF) (3)
ここで、C0は、ウイルス除去膜で濾過する前の元液(ウイルス含有生理活性物質溶液)中の感染価を表し、CFはウイルス除去膜で濾過した後の濾過液中の感染価を表す。
該濾過元液を濾過圧力294kPa、濾過温度25℃の条件で定圧デッドエンド濾過を行った。濾液は5mL(5L/m2)毎に11フラクションを採取し、濾過開始時から55リットル/m2濾過時におけるブタパルボウイルス対数除去率を測定するために、各フラクションから1mLずつ採取し混合した。濾過元液と濾液(混合液と最初及び最後のフラクション)中のブタパルボウイルス濃度は、TCID50の測定により求めた。
抗体凝集体は、下記の条件により、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC:Size Exclusion Chromatography)装置を用いて測定した。
カラム:ACQUITY YPLC BEH200 SEC1.7um(Waters
社製)
カラム温度:30℃
システム:ACQUITY UPLC H CLASS(waters社製)
移動相:0.1mol/Lリン酸水素二ナトリウム+0.2mol/L L(+)-ア
ルギニン水溶液(塩酸でpH6.7に調整)
抗体溶液中のHCP濃度は、市販の測定キット(CYGNUS TECHNOLOGIES社、カタログ番号#F550)を用いて測定した。測定は、測定キットに附属の使用説明書に従って実施した。
抗体溶液中のHCP濃度は、市販の測定キット(CYGNUS TECHNOLOGIES社、カタログ番号#F400)測定は、測定キットに附属の使用説明書に従って実施した。
Planova BioEX(0.0003m2)のヒト免疫グロブリンの透過流束を測定した結果、以下の透過流束であった。
透過流束A:119L/m2/h
透過流束B:109L/m2/h
透過流束B/透過流束A:0.92
Planova BioEX(0.0003m2)のブタパルボウイルス除去試験を行った結果、濾過開始から5L/m2透過時におけるブタパルボウイルスの対数除去率、及び50L/m2透過した後さらに5L/m2透過時におけるブタパルボウイルスの対数除去率は、いずれも5.1以上であった。
(カチオン交換膜の製造例)
以下の手順で、放射線グラフト重合によって、カルボン酸基を有する中空糸状のカチオン交換膜を製造した。2-ヒドロキシエチルメタクリレート3.08g、ブチルメタクリレート1.54g、メタクリル酸0.57gを50容量%t-ブチルアルコール水溶液240mLに溶解させ、30分間窒素バブリングしたものを反応液として用いた。外径3.0mm、内径2.0mm、平均孔径0.25umのポリエチレン多孔質中空糸3.00g(15cm、15本)を密閉容器に入れて、容器内の空気を窒素で置換した。その後、容器の外側からドライアイスで冷却しながら、γ線25kGyを照射し、ラジカルを発生させた。得られたラジカルを有するポリエチレン多孔質中空糸をガラス容器に移し、200Pa以下に減圧することにより、反応管内の酸素を除いた。これに40℃に調整した上記反応液を、140mL導入し、16時間静置した。その後、中空糸をメタノールで洗浄し、真空乾燥機中で真空乾燥させ、5.31g、グラフト率77%のカチオン交換膜を得た。
実施例1に係るアフィニティークロマトグラフィー工程では、流速4mL/分(300cm/時間)で操作を行った。まず、Mabselect Sure(GEヘルスケア・ジャパン株式会社)16mLを充填したカラムをリン酸緩衝液(20mmol/Lリン酸ナトリウム+150mmol/L NaCl(pH8.0))80mLで平衡化し、抗体を含む培養上澄み2.5L添加し、抗体を吸着させた。次に、リン酸緩衝液(20mmol/Lリン酸ナトリウム+150mmol/L NaCl(pH8.0))80mLを通液し、さらにトリス/酢酸緩衝液(100mmol/L(pH8.0))48mLを通液して洗浄した後、溶出液として25mmol/L酢酸緩衝液+10mmol/L NaCl(pH3.4)80mLを通液してカラムから抗体を溶出させた。溶出液に1mol/Lトリス緩衝液を加え、pHを7.0に調整し、抗体溶液1を得た。抗体溶液1に、最終濃度として10mmol/L相当のNaCl、及び同じ溶液であり凝集体を多く含む抗体溶液、及び20mmol/L Tris-Acetate+10mmol/L NaCl、pH7.0と混合することにより、後述する連続的なクロマトグラフィー工程に用いる、さまざまな抗体濃度を有する抗体溶液2から7を調整した。抗体溶液2の凝集体(2量体)の割合は0.72%であり、凝集体(3量体以上)の割合は1.04%、単量体の割合は98.24%であった。また、HCPの含有量は1932ppm、プロテインAの含有量は13ppmであった。
実施例1に係る連続的なクロマトグラフィー工程では、カチオン交換膜の製造例で製造したカチオン交換膜を用い、カチオン交換膜モジュール(膜体積0.75mL)、アニオン交換膜モジュールであるQyuSpeed D(旭化成メディカル株式会社、膜体積0.6mL)、ウイルス除去膜であるPlanova BioEX(旭化成メディカル株式会社、膜面積0.0003m2)を直列に連結した(以下、「連結モジュール」という。図1参照。)。また、Planova BioEXの前後に圧力計を配置し、Planova BioEXの膜間差圧が一定になるように流速を制御した。上記連結モジュールをクロマトグラフィー装置AKTA Explore(GEヘルスケア・ジャパン株式会社)に接続した後、平衡化溶液(20mmol/L Tris-Acetate+10mmol/L NaCl、pH7.0)を通液し、電気伝導度が一定になるまで平衡化した。次に、上記アフィニティークロマトグラフィー工程で得た抗体溶液2(抗体濃度5.66mg/mL)250mLを、フロースルー様式で連結モジュールに通液し、連結モジュールを通過してきた抗体溶液をフラクションコレクターで10mLごとに回収した。通液時の流量は、Planova BioEXの前後に配置した圧力計の値を観測し、Planova BioEXの膜間差圧が196kPaの一定になるように流速を制御した。連結モジュールに抗体溶液2を透過させた後、抗体溶液2の溶媒と同じ組成の緩衝液を通液して洗浄し、連結モジュール中に残った抗体を回収した。フロースルー工程と洗浄工程で、合計280mLの溶液を回収した。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。結果を図2に示す。
連続的なクロマトグラフィー精製において、実施例1で調製された抗体溶液3(抗体濃度10.01mg/mL)を連結モジュールに通液した以外、実施例1と同様の方法で、合計280mLの溶液を回収した。通液速度の低下は観測されなかった。回収した溶液を抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。結果を図2に示す。
連続的なクロマトグラフィー精製において、実施例1で調製された抗体溶液4(抗体濃度16.88mg/mL)を連結モジュールに通液した以外、実施例1と同様の方法で、合計280mLの溶液を回収した。通液速度の低下は観測されなかった。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。結果を図2に示す。
連続的なクロマトグラフィー精製において、実施例1で調製された抗体溶液5(抗体濃度23.31mg/mL)を連結モジュールに通液した以外、実施例1と同様の方法で、合計280mLの溶液を回収した。通液速度の低下は僅かに観察されたが、十分なろ過速度を維持した。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。結果を図2に示す。
連続的なクロマトグラフィー精製において、実施例1で調製された抗体溶液1を限外ろ過膜(UF膜)モジュールで濃縮した抗体溶液6(抗体濃度30.11mg/mL)を連結モジュールに通液した以外、実施例1と同様の方法で、合計280mLの溶液を回収した。通液速度の低下は僅かに観察されたが、十分なろ過速度を維持した。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。結果を図2に示す。
連続的なクロマトグラフィー精製において、実施例1で調製された抗体溶液1を30kDaのUF膜モジュールで濃縮した抗体溶液7(抗体濃度55.31mg/mL)を連結モジュールに通液した以外、実施例1と同様の方法で、合計280mLの溶液を回収した。通液速度の低下は僅かに観察されたが、十分なろ過速度を維持した。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。結果を図2に示す。
連続的なクロマトグラフィー精製において、カチオン交換膜としてMustang S(日本ポール株式会社、膜体積1.80mL)を用いた以外、実施例2と同様の方法で、合計280mLの溶液を回収した。通液速度の低下は観察されなかった。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。結果を図2に示す。
連続的なクロマトグラフィー精製において、アニオン交換膜としてMustang Q(日本ポール株式会社、膜体積0.36mL)を用いた以外、実施例2と同様の方法で、合計280mLの溶液を回収した。通液速度の低下は観察されなかった。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。結果を図2に示す。
連続的なクロマトグラフィー精製において、Planova BioEXの膜間差圧が49kPaの一定になるように流速を制御した以外は、実施例3と同様の方法で280mLの溶液を回収した。通液速度の低下は観測されなかったが処理時間は実施例3の4倍かかった。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。結果を図2に示す。
連続的なクロマトグラフィー精製において、Planova BioEXの膜間差圧が98kPaの一定になるように流速を制御した以外は、実施例3と同様の方法で280mLの溶液を回収した。通液速度の低下は観測されなかったが処理時間は実施例3の2倍かかった。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。結果を図2に示す。
連続的なクロマトグラフィー精製において、Planova BioEXの膜間差圧が147kPaの一定になるように流速を制御した以外は、実施例3と同様の方法で280mLの溶液を回収した。通液速度の低下は観測されなかったが処理時間は実施例3の1.33倍かかった。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。結果を図2に示す。
連続的なクロマトグラフィー精製において、Planova BioEXの膜間差圧が245kPaの一定になるように流速を制御した以外は、実施例3と同様の方法で280mLの溶液を回収した。通液速度の低下は観測されず、処理時間は実施例3の0.8倍になった。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。結果を図2に示す。
連続的なクロマトグラフィー精製において、Planova BioEXの膜間差圧が294kPaの一定になるように流速を制御した以外は、実施例3と同様の方法で280mLの溶液を回収した。通液速度の低下は観測されず、処理時間は実施例3の0.67倍になった。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。結果を図2に示す。
連続的なクロマトグラフィー精製において、Planova BioEXの膜間差圧が392kPaの一定になるように流速を制御した以外は、実施例3と同様の方法で280mLの溶液を回収した。通液速度の低下は観測されず、処理時間は実施例3の0.5倍になった。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。結果を図2に示す。
(アフィニティークロマトグラフィー工程)
実施例15に係るアフィニティークロマトグラフィー工程では、流速4mL/分(300cm/時間)で操作を行った。まず、MabSelect SuRe(GE Healthcare)16mLを充填したカラムをリン酸緩衝液(20mmol/Lリン酸ナトリウム+150mmol/L NaCl(pH8.0))80mLで平衡化し、抗体を含む培養上澄み2.5L添加し、抗体を吸着させた。次に、リン酸緩衝液(20mmol/Lリン酸ナトリウム+150mmol/L NaCl(pH8.0))80mLを通液し、さらにトリス/酢酸緩衝液(100mmol/L(pH8.0))48mLを通液して洗浄した後、溶出液として25mmol/L酢酸緩衝液+10mmol/L NaCl(pH3.4)80mLを通液してカラムから抗体を溶出させた。溶出液に1mol/Lトリス緩衝液を加え、pHを7.0に調整し、抗体溶液8を得た。抗体溶液8に、最終濃度として10mmol/L相当のNaCl、及び同じ溶液であり凝集体を多く含む抗体溶液、及び20mmol/L Tris-Acetate+10mmol/L NaCl、pH7.0と混合することにより、後述する連続的なクロマトグラフィー工程に用いる、さまざまな抗体濃度を有する抗体溶液9から12を調整した。抗体溶液9から12の凝集体(2量体)の割合は0.75%であり、凝集体(3量体以上)の割合は1.06%、単量体の割合は98.19%%であった。また、HCPの含有量は1945ppm、プロテインAの含有量は14ppmであった。(ppmは、抗体重量に対する不純物重量の割合を表している。)
実施例15に係る連続的なクロマトグラフィー工程では、実施例1に係るカチオン交換膜の製造例で製造したカチオン交換膜を用い、カチオン交換膜モジュール(膜体積1.25mL)、アニオン交換膜モジュールであるQyuSpeed D(旭化成メディカル株式会社、膜体積0.6mL)、ウイルス除去膜であるPlanova BioEX(旭化成メディカル株式会社、膜面積0.0003m2)の順で直列に連結した(以下、「連結モジュール」という。図1参照)。また、Planova BioEXの前に圧力計を配置し、Planova BioEXの膜間差圧をモニターした。上記連結モジュールをクロマトグラフィー装置AKTA explorer(GE Healthcare)に接続した後、平衡化溶液(20mmol/L Tris-Acetate+10mmol/L NaCl、pH7.0)を通液し、電気伝導度が一定になるまで平衡化した。次に、上記アフィニティークロマトグラフィー工程で得た抗体溶液9(抗体濃度5.46mg/mL)100mLを、フロースルー様式で連結モジュールに通液し、連結モジュールを通過してきた抗体溶液をフラクションコレクターで10mLごとに回収した。プロセス液は0.2mL/min(ウイルス除去膜1m2あたり40L/m2/h)一定流速で透過させた。連結モジュールに抗体溶液9を透過させた後、抗体溶液9の溶媒と同じ組成の緩衝液を通液して洗浄し、連結モジュール中に残った抗体を回収した。フロースルー工程と洗浄工程で、合計130mLの溶液を回収した。通液圧の上昇は観測されなかった。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。しかし、抗体負荷量が少ないため、抗体回収率は70%以下であった。抗体回収率は69%、凝集体(2量体)の割合は0.11%、凝集体(3量体以上)の割合は0.01%未満、HCPの含有量は6ppm、プロテインAの含有量は1ppm未満であった。ウイルス除去膜1m2あたりの抗体処理量は1.26kg/m2であった。従来のバッチプロセスと比べ、精製時間を大幅に削減することができ、貯蔵による抗体の変性も抑制することができた。
連続的なクロマトグラフィー精製において、実施例15で調製された抗体溶液10(抗体濃度16.53mg/mL)を連結モジュールに通液した以外、実施例15と同様の方法で、合計130mLの溶液を回収した。通液圧の上昇は確認されなかった。回収した溶液を抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。抗体回収率は87%、凝集体(2量体)の割合は0.19%、凝集体(3量体以上)の割合は0.01%未満、HCPの含有量は10ppm、プロテインAの含有量は1ppm未満であった。ウイルス除去膜1m2あたりの抗体処理量は4.79kg/m2であった。
連続的なクロマトグラフィー精製において、実施例15で調製された抗体溶液11(抗体濃度26.99mg/mL)を連結モジュールに通液した以外、実施例15と同様の方法で、合計130mLの溶液を回収した。通液圧の僅かな上昇は確認されたが、ウイルス除去膜の上限圧よりも低いものであった。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。処理時間は8.3時間であった。抗体回収率は92%、凝集体(2量体)の割合は0.23%、凝集体(3量体以上)の割合は0.01%未満、HCPの含有量は13ppm、プロテインAの含有量は1ppm未満であった。ウイルス除去膜1m2あたりの抗体処理量は8.28kg/m2であった。
実施例15で調製された抗体溶液11(抗体濃度26.99mg/mL)をカチオン交換膜の製造例で製造したカチオン交換膜モジュール(膜体積1.25mL)、アニオン交換膜モジュールであるQyuSpeed D(旭化成メディカル株式会社、膜体積0.6mL)、ウイルス除去膜であるPlanova BioEX(旭化成メディカル株式会社、膜面積0.0003m2)の順でバッチ精製を行った以外、実施例15と同様の方法で、合計130mLの溶液を回収した。ウイルス除去膜での通液圧上昇が確認された。これにより、十分な処理量を得られなかった。連続的な精製と比べて、バッチ精製の処理時間が3倍以上になったため、凝集体が生じ、ウイルス除去膜の閉塞が起きたと推測できる。
連続的なクロマトグラフィー精製において、実施例15で調製された抗体溶液11(抗体濃度26.99mg/mL)を連結モジュールに、0.1mL/min(ウイルス除去膜1m2あたり20L/m2/h)の一定流速で通液した以外、実施例15と同様の方法で、合計130mLの溶液を回収した。通液圧の僅かな上昇は確認されたが、ウイルス除去膜の上限圧よりも低いものであった。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。処理時間は16.7時間であった。抗体回収率は91%、凝集体(2量体)の割合は0.24%、凝集体(3量体以上)の割合は0.01%未満、HCPの含有量は11ppm、プロテインAの含有量は1ppm未満であった。ウイルス除去膜1m2あたりの抗体処理量は8.19kg/m2であった。
連続的なクロマトグラフィー精製において、実施例15で調製された抗体溶液8を限外濾過膜(UF膜)モジュールで濃縮した抗体溶液12(抗体濃度55.68mg/mL)を連結モジュールに通液した以外、実施例15と同様の方法で、合計130mLの溶液を回収した。通液圧の僅かな上昇は確認されたが、ウイルス除去膜の上限圧よりも低いものであった。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。抗体回収率は90%、凝集体(2量体)の割合は0.31%、凝集体(3量体以上)の割合は0.01%未満、HCPの含有量は18ppm、プロテインAの含有量は1ppm未満であった。ウイルス除去膜1m2あたりの抗体処理量は16.70kg/m2であった。
連続的なクロマトグラフィー精製において、実施例15で調製された抗体溶液8を30kDaのUF膜モジュールで濃縮した抗体溶液12(抗体濃度55.68mg/mL)を連結モジュールに、250mL通液した以外、実施例15と同様の方法で、合計280mLの溶液を回収した。通液圧の僅かな上昇は確認されたが、ウイルス除去膜の上限圧よりも低いものであった。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。しかし、実施例19と比べ、抗体負荷量が大きいため、ウイルス除去膜の透過液に含まれるHCP含有量が20ppmを超えている。抗体回収率は88%、凝集体(2量体)の割合は0.41%、凝集体(3量体以上)の割合は0.01%未満、HCPの含有量は27ppm、プロテインAの含有量は1ppm未満であった。ウイルス除去膜1m2あたりの抗体処理量は40.83kg/m2であった。
連続的なクロマトグラフィー精製において、実施例15で調製された抗体溶液9(抗体濃度5.46mg/mL)を連結モジュールに、0.5mL/min(ウイルス除去膜1m2あたり100L/m2/h)の一定流速で、250mL通液した以外、実施例15と同様の方法で、合計280mLの溶液を回収した。通液圧の上昇は確認されなかった。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。抗体回収率は79%、凝集体(2量体)の割合は0.12%、凝集体(3量体以上)の割合は0.01%未満、HCPの含有量は12ppm、プロテインAの含有量は1ppm未満であった。ウイルス除去膜1m2あたりの抗体処理量は3.60kg/m2であった。
連続的なクロマトグラフィー精製において、実施例15で調製された抗体溶液10(抗体濃度16.53mg/mL)を連結モジュールに、0.5mL/min(ウイルス除去膜1m2あたり100L/m2/h)の一定流速で、250mL通液した以外、実施例15と同様の方法で、合計280mLの溶液を回収した。通液圧の僅かな上昇は確認されたが、ウイルス除去膜の上限圧よりも低いものであった。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。抗体回収率は89%、凝集体(2量体)の割合は0.18%、凝集体(3量体以上)の割合は0.01%未満、HCPの含有量は15ppm、プロテインAの含有量は1ppm未満であった。ウイルス除去膜1m2あたりの抗体処理量は12.26kg/m2であった。
連続的なクロマトグラフィー精製において、実施例15で調製された抗体溶液11(抗体濃度26.99mg/mL)を、アニオン交換膜モジュールであるQyuSpeed D(旭化成メディカル株式会社、膜体積0.6mL)、カチオン交換膜の製造例で製造したカチオン交換膜モジュール(膜体積1.25mL)、ウイルス除去膜であるPlanova BioEX(旭化成メディカル株式会社、膜面積0.0003m2)の順で直列に連結した(図3参照)以外、実施例15と同様の方法で、合計130mLの溶液を回収した。通液圧の僅かな上昇は確認されたが、ウイルス除去膜の上限圧よりも低いものであった。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。抗体回収率は91%、凝集体(2量体)の割合は0.22%、凝集体(3量体以上)の割合は0.01%未満、HCPの含有量は14ppm、プロテインAの含有量は1ppm未満であった。ウイルス除去膜1m2あたりの抗体処理量は8.19kg/m2であった。アニオン交換クロマトグラフィー工程、カチオン交換クロマトグラフィー工程、ウイルス除去工程の順で精製を実施しても、実施例17と同等の結果であった。
連続的なクロマトグラフィー精製において、カチオン交換膜としてMustang S(Pall Corporation、膜体積1.80mL)を用いた以外、実施例17と同様の方法で、合計130mLの溶液を回収した。通液圧の僅かな上昇は確認されたが、ウイルス除去膜の上限圧よりも低いものであった。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。抗体回収率は90%、凝集体(2量体)の割合は0.18%、凝集体(3量体以上)の割合は0.01%未満、HCPの含有量は12ppm、プロテインAの含有量は1ppm未満であった。ウイルス除去膜1m2あたりの抗体処理量は8.10kg/m2であった。
連続的なクロマトグラフィー精製において、アニオン交換膜としてMustang Q(Pall Corporation、膜体積0.36mL)を用いた以外、実施例16と同様の方法で、合計280mLの溶液を回収した。通液圧の僅かな上昇は確認されたが、ウイルス除去膜の上限圧よりも低いものであった。回収した抗体溶液の、抗体回収率、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量を測定したところ、凝集体成分、HCP、及びプロテインAの含有量は減少していた。抗体回収率は91%、凝集体(2量体)の割合は0.21%、凝集体(3量体以上)の割合は0.01%未満、HCPの含有量は13ppm、プロテインAの含有量は1ppm未満であった。ウイルス除去膜1m2あたりの抗体処理量は8.19kg/m2であった。
Claims (40)
- アニオン交換膜を用いるアニオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程と、ウイルス除去膜によるウイルス除去工程と、を備え、
前記アニオン交換膜の上流に設けられた送液ポンプを用いて前記抗体が前記アニオン交換膜に送られ、
各工程間が連続的であり、かつ、各工程間が一定流速で行われ、
前記ウイルス除去膜の前後に圧力計を設けて、前記ウイルス除去膜の膜間差圧が一定となるように前記送液ポンプの流速が制御される、
抗体の精製方法。 - カチオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程をさらに備え、各工程間が連続的であり、かつ、各工程間が一定流速で行われる、請求項1に記載の抗体の精製方法。
- 前記カチオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程において、カチオン交換膜を用いる、請求項2に記載の抗体の精製方法。
- 前記アニオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程の後に、前記カチオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程が行われる、請求項2又は3に記載の抗体の精製方法。
- 前記カチオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程の後に、前記アニオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程が行われる、請求項2又は3に記載の抗体の精製方法。
- 前記アニオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程の後に、前記ウイルス除去膜によるウイルス除去工程が行われる、請求項1から5のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記カチオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程の後に、前記ウイルス除去膜によるウイルス除去工程が行われる、請求項2から5のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記アニオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程と、前記カチオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程と、前記ウイルス除去膜によるウイルス除去工程の間が連続的である、請求項2から5、及び7のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記ウイルス除去膜によるウイルス除去工程が最後に行われる、請求項1から8のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記アニオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程と、前記ウイルス除去膜による精製工程の間に、バッファー交換工程を含まない、請求項1から9のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記カチオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程と、前記ウイルス除去膜による精製工程の間に、バッファー交換工程を含まない、請求項2から5、7及び8のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記アニオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程と、前記カチオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程の間に、バッファー交換工程を含まない、請求項2から5、7、8、及び11のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記アニオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程と、前記ウイルス除去膜による精製工程の間に、精製対象物が2倍以上希釈される工程を含まない、請求項1から12のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記カチオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程と、前記ウイルス除去膜による精製工程の間に、精製対象物が2倍以上希釈される工程を含まない、請求項2から5、7、8、11、及び12のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記アニオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程と、前記カチオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程の間に、精製対象物が2倍以上希釈される工程を含まない、請求項2から5、7、8、11、12、及び14のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記ウイルス除去膜によるウイルス除去工程に、粗大構造層と、緻密構造層と、を備える、熱可塑性樹脂を含む微多孔膜であって、前記粗大構造層が少なくとも一方の膜表面に存在し、前記粗大構造層の厚みが2.0μm以上であり、前記緻密構造層の厚みが膜厚全体の50%以上であって、かつ前記粗大構造層と前記緻密構造層が一体化している多層微多孔膜を用いる、請求項1から15のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記ウイルス除去膜の材質が、親水化された合成高分子である、請求項16に記載の抗体の精製方法。
- 前記ウイルス除去膜の材質が、親水化ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、親水化ポリエーテルスルホン(PES)、親水化ポリエチレン(PE)又は親水化ポリスルホン(PS)から選択される親水化された合成高分子である、請求項17に記載の抗体の精製方法。
- 前記カチオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程がフロースルーモードである、請求項2から5、7、8、11、12、14、及び15のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記カチオン交換膜がグラフト高分子鎖を有する、請求項3に記載の抗体の精製方法。
- 前記カチオン交換膜が、膜状基材と、前記膜状基材の表面に固定された共重合体と、を備えるカチオン交換クロマトグラフィー担体であって、前記共重合体がモノマー単位として(メタ)アクリルアミド類化合物及び/又は(メタ)アクリレート類化合物を含み、当該担体の体積あたり30mmol/Lより高い密度で、1又は複数種類のカチオン交換基を有する、カチオン交換クロマトグラフィー担体を、前記カチオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程に用いる、請求項20に記載の抗体の精製方法。
- 前記カチオン交換クロマトグラフィーで用いられる担体1mLあたり、単量体と凝集体を含む抗体100mgを精製した時に、凝集体割合を50%以上低減させる、請求項2から5、7、8、11、12、14、15、及び19から21のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記アニオン交換クロマトグラフィーによる抗体の精製工程がフロースルーモードである、請求項1から22のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記アニオン交換膜が、グラフト高分子鎖を有する、請求項1から23のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記アニオン交換膜に3級アミノ基を含有するグラフト高分子鎖が固定されている、請求項24に記載の抗体の精製方法。
- アフィニティークロマトグラフィー工程をさらに含む、請求項1から25のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- ウイルス不活化工程をさらに含む、請求項1から26のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記抗体の精製工程に貯蔵容器を含まない、請求項1から27のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記抗体を活性炭素と接触させる工程を含まない、請求項1から28のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記抗体を沈殿剤と接触させる工程を含まない、請求項1から29のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記抗体をデプスフィルターと接触させる工程をさらに含む、請求項1から30のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記抗体の含有溶液の電気伝導度が0.1~100mS/cmである、請求項1から31のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記抗体の含有溶液の水素イオン指数がpH4.0~10.0にある、請求項1から32のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記ウイルス除去膜によるウイルス除去工程で、精製される前記抗体の濃度が5~100g/Lである、請求項1から33のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記ウイルス除去膜1m2あたり、精製される前記抗体の液量が50~3000L/m2である、請求項1から34のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記ウイルス除去膜1m2あたり、前記抗体の処理量が4~30kg/m2である、請求項1から35のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記ウイルス除去膜1m2あたり、前記抗体の負荷量が5~30kg/m2である、請求項1から36のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記ウイルス除去膜1m2あたり、精製される前記抗体の流束が30~200L/m2/hである、請求項1から37のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記ウイルス除去膜1m2あたり、精製される前記抗体の時間あたり負荷量が0.24~20kg/m2/hである、請求項1から38のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
- 前記抗体の回収率が80%以上である、請求項1から39のいずれか1項に記載の抗体の精製方法。
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