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JP7057127B2 - 水中油型乳化組成物 - Google Patents

水中油型乳化組成物 Download PDF

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Description

本発明は、皮膚外用剤として有用な水中油型乳化組成物に関する。
ステロイド系抗炎症剤は、優れた抗炎症作用を有し、湿疹、皮膚炎、かぶれ、虫さされ、かゆみ、あせも、じんましん等の治療薬として外用で広く利用されている。その剤形としては、クリーム、軟膏、ローション等が販売されている。
ステロイド系抗炎症剤、例えばプレドニゾロン吉草酸エステル、酢酸エステルを含有する外用剤としては、保湿性と使用感に優れ、高温環境下における経時的な分離を抑制し、外観の良い乳化製剤を得ることを目的として、吉草酸酢酸プレドニゾロン、ワセリン及びヒドロキシプロピルセルロースを含有するO/W型乳化製剤(特許文献1)、吉草酸酢酸プレドニゾロン等のステロイド、ワセリン及びメチルセルロースを含有するO/W型乳化製剤(特許文献2)、低級アルコールと、ステロイド等を含有し、軟質多孔性材料で形成された塗布部を備える容器に収容されてなる頭皮用外用組成物(特許文献3)が報告されている。
特開2008-297212号公報 特開2009-29791号公報 特許5989271号公報 国際公開第2011/162421号パンフレット
しかしながら、ステロイド系抗炎症剤含有外用剤が適用される患者の皮膚は、湿疹等により敏感になっており、有効成分の長期保存安定性だけでなく、塗布したときの感触も重要である。
従って、本発明は、有効成分であるステロイド系抗炎症剤を長期間安定に製剤中に保持でき、乳化安定性にも優れ、かつ塗布時になめらかで、べたつきがない等の優れた感触を示す水中油型乳化組成物を提供することを課題とする。
そこで本発明者は、ステロイド系抗炎症剤を含有する水中油型乳化組成物の長期安定性及び感触の両立を図るべく種々検討した結果、ステロイド系抗炎症剤に疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースを組み合わせて用いれば、当該課題が解決できる皮膚外用剤として有用な水中油型乳化組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を含有する水中油型乳化組成物を提供するものである。
(A)ステロイド系抗炎症剤 0.05質量%以上0.6質量%以下
(B)疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.01質量%以上0.5質量%以下
(C)油剤
(D)界面活性剤
(E)水
本発明によれば、有効成分であるステロイド系抗炎症剤を長期間安定に製剤中に保持でき、乳化安定性にも優れ、かつ塗布時になめらかで、べたつきがない等の優れた感触を示す水中油型乳化組成物を提供することができる。
本発明の水中油型乳化組成物は、(A)ステロイド系抗炎症剤及び(B)疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有することを特徴とする。
成分(A)のステロイド系抗炎症剤としては、皮膚疾患用ステロイド系抗炎症剤として使用できるものであればよく、例えばプロピオン酸クロベタゾール、酢酸ジクロラゾン、プロピオン酸デキサメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、ブデソニド、吉草酸ジフルコルトロン、フルオシノニド、ハルシノニド、酪酸プロピオン酸ビドロコルチゾン、ジフルプレドナート、吉草酸デキサメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(吉草酸酢酸プレドニゾロン)、フルオシノロンアセトニド、プロピオン酸アルクロメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ピバル酸フルメタゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸クロベタゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、酢酸ヒドロコルチゾン等が挙げられる。このうち、吉草酸デキサメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(吉草酸酢酸プレドニゾロン)、フルオシノロンアセトニド、プロピオン酸アルクロメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ピバル酸フルメタゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸クロベタゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、酢酸ヒドロコルチゾンが好ましく、吉草酸デキサメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、フルオシノロンアセトニド、プロピオン酸アルクロメタゾンがより好ましく、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルがさらに好ましい。
成分(A)の本発明水中油型乳化組成物中の含有量は、薬効の観点、保存安定性、使用感等の観点から、0.05質量%以上が好ましく、0.07質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、また、0.6質量%以下が好ましく、0.4質量%以下がより好ましく、0.2質量%以下がさらに好ましい。具体的には、0.05質量%以上0.6質量%以下が好ましく、0.07質量%以上0.4質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上0.2質量%以下がさらに好ましい。
成分(B)の疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、セルロースエーテル誘導体であるヒドロキシプロピルメチルセルロースに疎水性基である長鎖アルキル基を導入した化合物であり、例えば特許文献4に記載されている化合物である。この疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いることにより、従来のヒドロキシプロピルメチルセルロースやメチルセルロースを用いた場合に比べて顕著に優れた成分(A)の保存安定性、乳化安定性、良好な使用感が得られる。
長鎖アルキル基としては、C8-C24アルキル基が好ましく、C10-C20アルキル基がより好ましく、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基がさらに好ましく、ステアリル基がよりさらに好ましい。
疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、成分(A)の保存安定性、乳化安定性及び使用感の観点から、ヒドロキシプロピルメチルセルロースC8-C24アルキルエーテルが好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロースC10-C20アルキルエーテルがさらに好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアリルエーテルがよりさらに好ましい。
(B)疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、成分(A)の保存安定性、乳化安定性及び使用感の観点から、0.5%の水/2-プロパノール(119/80(wt/wt))混合溶液の25℃における粘度が72~240mm2/sのものが好ましく、160~240mm2/sのものがより好ましい。ここで粘度は、医薬品添加物規格2013の医薬品添加物各条「疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース」の項に記載される粘度である。
成分(B)の本発明水中油型乳化組成物中の含有量は、成分(A)の保存安定性、乳化安定性及び使用感の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.03質量%以上がさらに好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましく、0.08質量%以上がさらに好ましく、0.15質量%以上がさらにより好ましく、また、0.5質量%以下が好ましく、0.4質量%以下がより好ましく、0.25質量%以下がさらに好ましい。具体的には、0.01質量%以上0.5質量%以下が好ましく、0.02質量%以上0.5質量%以下がより好ましく、0.03質量%以上0.5質量%以下がさらに好ましく、0.05質量%以上0.4質量%以下がよりさらに好ましく、0.08質量%以上0.4質量%以下がよりさらに好ましく、0.15質量%以上0.25質量%以下がよりさらに好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物における、成分(B)に対する成分(A)の質量比(A/B)は、成分(A)の保存安定性、乳化安定性及び使用感の観点から、0.2以上が好ましく、0.3以上がより好ましく、0.4以上がさらに好ましく、0.5以上がさらにより好ましく、また、5以下が好ましく、2以下がより好ましく、1以下がさらに好ましい。具体的には、0.2以上5以下が好ましく、0.3以上2以下がより好ましく、0.4以上2以下がさらに好ましく、0.5以上1以下がさらに好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物は、25℃におけるpHが3.5~6.5であるのが、成分(A)の保存安定性、乳化安定性、良好な使用感を得る点から好ましい。好ましいpHの範囲は、4.0以上6.0以下であり、より好ましくは4.0以上5.5以下であり、さらに好ましくは4.0以上5.0以下である。
水中油型乳化組成物のpHを前記範囲に調整するには、酸及び/又は塩基等のpH調整剤を含有させるのが好ましい。具体的には、pHを3.5~6.5にすることができる有機酸又は無機酸が用いられ、使用感、安定性、保湿実効感の観点から有機酸がより好ましい。当該有機酸としては、コハク酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸等が挙げられ、コハク酸及び乳酸から選ばれる1種以上が好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物は、前記成分(A)及び成分(B)以外に、水中油型乳化組成物を形成する成分である(C)油剤、(D)界面活性剤及び(E)水を含有する。水の含有量は、水中油型乳化系を形成し得る量であれば特に限定されないが、組成物中に40質量%以上95質量%以下が好ましく、55質量%以上90質量%以下がより好ましく、65質量%以上80質量%以下がさらに好ましい。
成分(C)の油剤としては、液状油の他、固形油も挙げられ、液状油及び固形油を含有するのが好ましい。液状油としては、25℃で液体状の油剤であれば特に限定されないが、例えば、軽質流動パラフィン、スクワラン、ワセリン等の炭化水素油;セチルジメチルブチルエーテル、エチレングリコールジオクチルエーテル、グリセロールモノオレイルエーテル等のエーテル油;中鎖脂肪酸トリグリセリド、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリオクタノイン、オリーブ油等の植物油等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等のシリコーン油;パーフルオロアルキルエチルリン酸、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンリン酸、パーフルオロポリエーテル、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系油などが挙げられる。
これらの液状油は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、乳化安定性、使用感の点から、含有量は、全組成中に1重量%以上が好ましく、20重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましい。また、液状油の含有量は、全組成中に1~20重量%が好ましく、1~15重量%がより好ましく、2~5重量%がより好ましい。
固形油としては、25℃で固体状の油剤であり、高級アルコール、高級脂肪酸、ワセリン等の炭化水素油等が挙げられるが、このうち高級アルコールを用いるのが良好な使用感を得る点、乳化安定性の点で好ましい。高級アルコールとしては、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、コレステロール、フィトステロール等が挙げられ、炭素数16~18の脂肪族アルコールが好ましく、セチルアルコール、ステアリルアルコールがより好ましい。
これらの固形油、特に高級アルコールは、1種又は2種以上を用いることができ、全組成中に0.05質量%以上6質量%以下含有するのが好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上3.5質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以上1.8質量%以下がよりさらに好ましく、0.7質量%以上1.2質量%以下がよりさらに好ましい。
本発明においては、水中油型乳化組成物がラメラ状のα-ゲル構造を形成させ、より優れた使用感(なめらかさ、べたつきのなさ)を奏させる観点から、油剤として液状油と高級アルコールを併用するのがより好ましい。
成分(D)の界面活性剤としては、前記成分及び油剤を安定に乳化させることができる界面活性剤であればよく、非イオン性界面活性剤及び陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上を用いるのが好ましい。ここで非イオン性界面活性剤としては、例えば、モノステアリン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸ポリグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)スルビタン(ポリソルベート60)等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロースエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
このうち、乳化安定性、使用感の点から、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが好ましい。さらに、ソルビタン炭素数12~22の脂肪酸エステル、グリセリンモノ炭素数12~22の脂肪酸エステル、モノ炭素数12~22のアルキルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン炭素数12~22の脂肪酸エステルが好ましい。
両性界面活性剤としては、例えば、リン脂質類が挙げられ、リン脂質類のなかでは、大豆リン脂質、水素添加大豆リン脂質が好ましい。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸アルギニン等の炭素数12~22の脂肪酸又はその塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の炭素数12~22のアルキル硫酸エステル又はその塩;ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン等の炭素数12~22のアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩;ラウロイルサルコシンナトリウム等のN-炭素数12~22のアシルサルコシン又はその塩;モノステアリルリン酸ナトリウム等の炭素数12~22のアルキルリン酸又はその塩;ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシエチレン炭素数12~22のアルキルエーテルリン酸又はその塩;ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等の炭素数12~24のジアルキルスルホコハク酸又はその塩;N-ステアロイル-N-メチルタウリンナトリウム等の炭素数12~22のN-アルキロイルメチルタウリン又はその塩;ジラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム、N-ステアロイル-L-グルタミン酸アルギニン、N-ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸ナトリウム等のN-炭素数12~22のアシルグルタミン酸又はその塩などが挙げられる。
これらの界面活性剤のうち、2種以上の非イオン性界面活性剤を併用するか、非イオン性界面活性剤と両性界面活性剤を併用するのが、組成物がラメラ状のα-ゲル構成を形成させ、より優れた使用感を奏させる観点から好ましい。なかでも、非イオン性界面活性剤と両性界面活性剤を併用するのが、さらに好ましく、2種以上の非イオン性界面活性剤と両性界面活性剤を併用するのが、さらに好ましい。
界面活性剤の本発明水中油型乳化組成物中の含有量は、乳化系の安定化、ラメラ状のα-ゲル形成能、使用感の点から、合計で0.02質量%以上6質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.2質量%以上4質量%以下がさらに好ましく、1質量%以上3質量%以下がさらに好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物には、使用感の点から、(G)両親媒性成分、(F)多価アルコール、防腐剤、エキス類、香料等を含有させることができる。
成分(G)の両親媒性成分としては、セラミド類、モノグリセリンジ脂肪酸エステル、ソルビタンジ脂肪酸エステルが挙げられる。セラミド類としては、天然型セラミド類及び一般式(1)で表される擬似型セラミドが挙げられる。
Figure 0007057127000001
(式中、R1は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10~22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示し;X1は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;R2はヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5~22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該炭化水素基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8~22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;R3は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1~30のアルキル基を示す。)
2としては、ノニル、トリデシル、ペンタデシル、ω位にリノール酸がエステル結合したウンデシル基、ω位にリノール酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位に12-ヒドロキシステアリン酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位にメチル分岐イソステアリン酸がアミド結合したウンデシル基が好ましい。
1が水素原子の場合、R3はヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数10~30の、好ましくは総炭素数12~20のアルキル基であり;R1がヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10~22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である場合、R3は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1~8のアルキル基を示すことが好ましい。R3のヒドロキシアルコキシ基又はアルコキシ基としては炭素数1~7のものが好ましい。
Figure 0007057127000002
一般式(1)としては、R1がヘキサデシル基、X1が水素原子、R2がペンタデシル基、R3がヒドロキシエチル基のもの;R1がヘキサデシル基、X1が水素原子、R2がノニル基、R3がヒドロキシエチル基のものの擬似型セラミドが好ましく、一般式(1)のR1がヘキサデシル基、X1が水素原子、R2がペンタデシル基、R3がヒドロキシエチル基のもの(N-(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシエチルヘキサデカナミド)が、更に好ましい。
また天然型セラミドとしては、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社)、Ceramide TIC-001(高砂香料社)、CERAMIDE II(Quest International社)、DS-Ceramide VI、DS-CLA-Phytoceramide、C6-Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(DOOSAN社)、CERAMIDE2(セダーマ社)が挙げられる。
セラミド類の本発明組成物中の含有量は、より優れた使用感を得る点から、0.2質量%以上15質量%以下が好ましく、0.4質量%以上12質量%以下がより好ましく、0.7質量%以上5質量%以下がさらに好ましく、1質量%以上4質量%以下がさらに好ましく、2質量%以上4質量%以下がさらに好ましい。
モノグリセリンジ脂肪酸エステルとしては、モノグリセリンジ炭素数12~22の脂肪酸エステルが好ましく、例えば、グリセリンジラウリン酸エステル、グリセリンジミリスチン酸エステル、グリセリンジパルミチン酸エステル、グリセリンジステアリン酸エステル、グリセリンジベヘン酸エステル、グリセリンジオレイン酸エステル、グリセリンジイソステアリン酸エステル等が挙げられる。
ソルビタンジ脂肪酸エステルとしては、ソルビタンジ炭素数12~22の脂肪酸エステルが好ましく、例えば、ジラウリン酸ソルビタン、ジミリスチン酸ソルビタン、ジパルミチン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビタン、ジベヘン酸ソルビタン、ジオレイン酸ソルビタン等が挙げられる。
これらの中で、乳化安定性の点から、グリセリンジステアリン酸エステル、ジステアリン酸ソルビタンが好ましい。
成分(F)の多価アルコールとしては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール、プロピレングリコール、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール等が挙げられる。これらのうち、使用感の点からグリセリン、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコールから選ばれる1種以上が好ましく、グリセリン、1,3-ブチレングリコールから選ばれる1種以上がより好ましく、グリセリンがさらに好ましい。
多価アルコールは、1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、含有量は、全組成中に5~30質量%が好ましく、7~30質量%がより好ましく、10~20質量%がより好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物は、例えば油相成分及び界面活性剤を必要に応じて加熱して混合し、次いで水相成分を添加して乳化させることにより製造できる。
本発明の水中油型乳化組成物にはステロイド系抗炎症剤が長期間安定して含有されており、かつ乳化安定性が良好で使用感(特になめらかさ、べたつきのなさ)にも優れているので、ステロイド系抗炎症剤が作用する種々の皮膚症状の改善用の皮膚外用剤として有用である。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1~12及び比較例1~3
表1及び表2に示す水中油型乳化組成物を製造し、有効成分の保存安定性、有機酸臭、乳化安定性、塗布時のなめらかさ、塗布後のべたつきのなさを評価した。結果を表1及び表2に示す。なお、有機酸臭は、有効成分の分解に伴って生じると考えられる臭である。
(製造方法)
75~95℃で水相成分に成分(B)及びグリセリンを加えて溶解した後、成分(A)を溶解した油相成分を添加し、徐々に冷却し、ホモミキサーを用いて60~70℃で撹拌(3000r/m)し、さらに徐々に30℃まで冷却して水中油型乳化組成物を製造した。
(評価方法)
(1)成分(A)の安定性
製造直後の組成物を液体クロマトグラフィー法により、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル標準品を用いた溶液と比較し、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルの含有量を求める。次に組成物を50℃で1ヶ月保存し、保存後の組成物を同様に標準品と比較し、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルの含有量を求め、製造直後の組成物のプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルの含有量を1としたときの、残存量を百分率で表し、下記の基準によって評価した。
A:95%以上
B:90%以上95%未満
C:85%以上90%未満
D:80%以上85%未満
E:80%未満
(2)有機酸臭
10名のにおい判定専門パネラーが、50℃で1ヶ月保存後の各乳化組成物のにおいについて、官能評価し、次の基準により判定した。
A:有機酸のにおいを感じると評価したパネラーなし
B:1名または2名が有機酸のにおいを感じると評価
C:3名または4名が有機酸のにおいを感じると評価
D:5名または6名が有機酸のにおいを感じると評価
E:7名~10名が有機酸のにおいを感じると評価
(3)保存安定性
50℃および-5℃で1ヶ月保存後の組成物の状態を、目視により、下記の基準によって評価した。
A:変化なし
B:わずかに粘度が変化
C:明らかに粘度が変化
D:一部分離あるいはゲル化
E:全体が分離あるいはゲル化
(4)塗布時のなめらかさ
10名の専門パネラーが、各乳化組成物を塗布したときのなめらかさについて、官能評価し、次の基準により判定した。
A:7名~10名が良好(良い)と評価
B:5名または6名が良好(良い)と評価
C:3名または4名が良好(良い)と評価
D:1名または2名が良好(良い)と評価
E:良好(良い)と評価したパネラーなし
(5)塗布後のべたつきのなさ
10名の専門パネラーが、各乳化組成物を塗布後のべたつきのなさについて、官能評価し、次の基準により判定した。
A:7名~10名がべたつきがないと感じると評価
B:5名または6名がべたつきがないと感じると評価
C:3名または4名がべたつきがないと感じると評価
D:1名または2名がべたつきがないと感じると評価
E:べたつきがないと感じると評価したパネラーなし
Figure 0007057127000003
Figure 0007057127000004

Claims (12)

  1. 以下の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を含有する水中油型乳化組成物。
    (A)プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル 0.05質量%以上0.6質量%以下
    (B)疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.01質量%以上0.5質量%以下
    (C)油剤
    (D)界面活性剤
    (E)水
  2. 成分(A)の含有量が、0.1質量%以上0.2質量%以下である請求項記載の水中油型乳化組成物。
  3. 成分(B)が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースC8-C24アルキルエーテルである請求項1又は2記載の水中油型乳化組成物。
  4. 成分(B)の0.5%の水/2-プロパノール(119/80(wt/wt))混合溶液の25℃における粘度が72~240mm2/sである請求項1~のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
  5. 成分(B)の含有量が、0.15質量%以上0.25質量%以下である請求項1~のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
  6. 成分(C)が、液状油及び固形油を含有する請求項1~のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
  7. 成分(D)が、2種以上の非イオン性界面活性剤を含有する、又は非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤を含有する請求項1~のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
  8. さらに、成分(F)として、多価アルコールを含有する請求項1~のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
  9. 前記多価アルコールとしてグリセリンを含有する請求項記載の水中油型乳化組成物。
  10. さらに、成分(G)として、両親媒性成分を含有する請求項1~のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
  11. 成分(G)がセラミド類を含有する請求項10記載の水中油型乳化組成物。
  12. 皮膚外用剤である請求項1~11のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
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