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JP6985323B2 - トイレットペーパー - Google Patents

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Description

本発明は、トイレットペーパーに関する。
洗浄機能付きトイレともいわれるシャワートイレの普及にともない、トイレットペーパーにおいては、シャワートイレにおける使用に適することが求められている(下記、特許文献1)。
洗浄機能を使用すると肌に多くの水分が付着するため、トイレットペーパーには、多くの水分が付着した肌へのふき取り性、特に吸水性が高いことが重要となる。
しかしながら、従来のトイレットペーパーは、洗浄機能を使用した後に拭き取りをすると、肌に付着した水分によって濡れ、破れたり、水分が手にまで浸透するといった問題があった。
また、シャワートイレでは、丈夫さや厚み感を高めて消費者が使用した際の安心感を得るためにプライ数を多くすることも考えられるが、トイレットペーパーは、トイレットロールとした際の直径の制限から、プライ数を多くすると1プライあたりの厚みを薄くする必要があるため、プライ数を過度に多くすると表層のプライが肌に付着した水分によって破れやすくなる。また、過度に丈夫さや厚み感を高めるようにすると風合いが低下する。
特許第5317995号 特許第4776989号
そこで、本発明の主たる課題は、トイレットペーパーとしての風合いに優れ、シャワートイレを使用しようした後の水分が付着した肌をふき取る際において十分な強度があり、安心感のある高い水分吸収性を有し、水分が手に浸透しがたいトイレットペーパーを提供することにある。
上記課題を解決した第一の手段は、
2〜3プライであり、
1プライの坪量が15.8〜17.8g/m2であり、
原料パルプに対して一過性湿潤紙力剤を0.01〜0.03質量%、乾燥紙力剤を0.005〜0.15質量%添加して形成され、
ポリエチレンオキサイドを含み、
縦方向の乾燥引張強度が700〜800cN/25mmであり、
エンボス加工がされ、エンボス加工による凹部の面積が1.0〜2.5mm 2 で、凹部の密度が5.0〜50個/cm 2 で、凹部のエンボス深さが、0.1472〜0.2154mmである、
ことを特徴とする、トイレットペーパーである。
第二の手段は、
温度23度±1度・湿度50%±2%の条件下で4時間以上キュアリングした試料を10組重ねて、直径10cmの孔の空いた試料台の前記孔部分を塞ぐように固定し、前記試料の孔を塞いだ部分に対してビュレットより10±2mL/分で純水を滴下し、試料の滴下面と反対の面である下面側に水の沁み出しが確認できた段階で滴下を停止し、その滴下した水の量をビュレットの目盛りより確認した値である、吸水量が1.1〜2.0ccである上記第一の手段に係るトイレットペーパーである。
本発明によれば、風合いに優れ、シャワートイレを使用しようした後の水分が付着した肌をふき取る際において十分な強度があり、安心感のある高い水分吸収性を有し、水分が手に浸透しがたいトイレットペーパーが提供される。
本発明の実施形態に係るトイレットロールの斜視図である。 本発明に係るエンボス深さの測定手順を説明するための概略図である。
本実施形態に係るトイレットペーパーは、2プライ又は3プライである。つまり、2枚又は3枚が重ねられているものである。3プライを超える多プライとすると、一般的なトイレットロールの製品形態とした場合に、1プライを薄くする必要があり、全体としての紙厚を厚くすることができるが、特にシャワートイレを使用しようした後の水分が付着した肌をふき取った際に、表層のプライが破れやすくなる。
なお、ここでいうトイレットロールの製品形態としては、図1に示されるように、帯状のトイレットペーパー10を20〜40m、紙管(管芯とも称される)20にロール状に巻いた形態である。そのトイレットロールは、巻径L2(直径)110〜115mmである。トイレットロールの巻径は、JIS P 4501において、120mm以下と定められており、一般的なトイレットロールをセットするためのホルダーはこの120mmを基準として作成されている。本発明のトイレットロールは、巻径が110〜115mmとすることができ、一般的なホルダーに十分にセット可能な大きさにすることができる。ここで、巻径は、ムラテックKDS株式会社製ダイヤメータールール又はその相当機を用いて測定した値である。測定値は、幅方向に場所を変えて3個所測定した平均値である。なお、同一製造ロット品における平均値は5個のロールの平均値とする。
他方で、本実施形態に係るトイレットペーパーでは、1プライあたり坪量が15.8g/m2以上17.8g/m2以下である。1プライの坪量がこの範囲内であれば上記2又は3プライの際に、十分な破れにくさとすることができる。
他方で、本発明に係るトイレットペーパーは、構成する繊維の75〜90質量%が広葉樹由来のパルプであるのが望ましい。広葉樹由来のパルプは繊維長が短く、紙表面の地合いを良好にしやすい。本発明に係るトイレットペーパーは、後述するように2又は3プライとプライ数が複数であるうえ乾燥紙力が高い。このようなトイレットペーパーは、硬質な感じが高まりやすいが、広葉樹由来のパルプを75質量%以上とすることで滑らかさが高まり、使用時に硬さを感じ難いものとなりやすい。なお、広葉樹由来のパルプとしては、LBKP、LUKP、LOKPなどが知られるが、漂白処理されたLBKPであるのが望ましい。なお、広葉樹由来のパルプ以外の繊維としては、針葉樹由来のパルプであるのが望ましい。この場合、塩素漂白されたNBKPであるのが望ましい。
他方で、本発明に係るトイレットペーパーは、一過性湿潤紙力剤及び乾燥紙力剤を含む。乾燥紙力剤を含むことで乾燥引張強度が高まる。また、乾燥引張強度が高まると吸水性も高まる。しかし、乾燥紙力剤のみで乾燥引張強度を高めると水解性が悪化し、また、紙が硬質となって風合いや使用感が低下しやすい。他方で、一過性湿潤紙力剤は、拭き取り時の短期的な水分との接触によって水解せず、水性トイレ内のトラップに溜まる十分な量の水分に対して十分な水解性を有しつつ、紙力については乾燥紙力剤のみを使用する時に比べやや低下させて風合いを良好にする。本発明では、乾燥紙力剤ととともに一過性湿潤紙力剤を含むようにすることで、トイレットペーパーとしての風合いに優れ、シャワートイレを使用しようした後の水分が付着した肌をふき取る際において十分な強度があり、安心感のある高い水分吸収性を有し、水分が手に浸透しがたいトイレットペーパーとなる。ここで、具体的な乾燥引張強度としては、本発明に係るトイレットペーパーでは、縦方向の乾燥引張強度が、700〜800cN/25mmとする。この乾燥引張強度は、一般的に市販される汎用タイプのトイレットペーパーの2倍を超える高い乾燥引張強度である。乾燥紙力剤の添加のみでこの紙力とすると上述のように、紙が硬質となって風合いや使用感が低下しやすくなるが、一過性湿潤紙力剤を含むようにすることで、上記の優れた効果を奏する。
本発明に係るトイレットペーパーの吸水量については、1.1〜2.0ccであるのが望ましい。この吸水量は、一般的に市販される汎用タイプのトイレットペーパーの2倍を超える高い吸水量である。本発明に係るトイレットペーパーは、一過性湿潤紙力剤及び乾燥紙力剤を含み、縦方向の乾燥引張強度を700〜800cN/25mmとすることで、このような高い吸水量とすることができる。この吸水量は、重ね合せた試料上に水を一定速度で滴下した時、検査紙が水を保持できる量である。測定方法は、前処理として試料を恒温恒湿機に入れ温度23度±1度・湿度50%±2%の条件下で4時間以上キュアリングする。試料を製品の姿で10組重ね、試料台に置き固定する。試料台は、直径10cmの孔の空いた台であり、この孔部分を塞ぐように試料を固定することができる。また、試料の孔を塞いだ部分の下面側を目視にて確認できるものである。次いで、試料台に試料を固定した後には、前記試料の下面側を注視しながら、ビュレットより10±2mL/分で純水を滴下する。試料の滴下面と反対の面である下面側に水の沁み出しが確認できた段階で滴下を停止し、滴下した水の量をビュレットの目盛りより確認し、吸水量とする。
なお、横方向の乾燥引張強度は200cN/25mm以上350cN/25mm以下、であるのが望ましい。ここで、紙の縦方向とは、MD方向とも呼ばれ、抄紙の際の流れ方向である。紙の横方向は、CD方向とも呼ばれ、抄紙の際の流れ方向(MD方向)に直行する方向である。また、本発明に係る乾燥引張強度は、JIS P 8113(2006)に基づいて測定した値であり、次のようにして測定する。試験片は縦・横方向ともに巾25mm(±0.5mm)×長さ150mm程度に裁断したものを用いる。試験片は複数プライのまま測定する。試験機は、ミネベア株式会社製ロードセル引張り試験機TG−200N及びこれに相当する相当機を用いる。なお、つかみ間隔100mm、引張速度は100mm/minに設定する。測定は、試験片の両端を試験機のつかみに締め付け、紙片を上下方向に引張り荷重をかけ、紙が破断する時の指示値(デジタル値)を読み取る手順で行う。縦方向、横方向ともに各々5組の試料を用意して各5回ずつ測定し、その測定値の平均を各方向の乾燥引張強度とする。
また、本発明に係るトイレットペーパーは、縦方向の湿潤引張強度が50cN/25mm以上90cN/25mm以下、であるのが望ましい。横方向の湿潤引張強度は25cN/25mm以上40cN/25mm以下、であるのが望ましい。湿潤引張強度は、JIS P 8135(1998)に基づいて測定した値であり、次のようにして測定する。試験片は縦・横方向ともに巾25mm(±0.5mm)×長さ150mm程度に裁断したものを用いる。トイレットペーパーは複数プライの場合は複数プライのまま測定する。試験機は、ミネベア株式会社製ロードセル引張り試験機TG−200N及びこれに相当する相当機を用いる。なお、つかみ間隔100mm、引張速度は50mm/minに設定する。試験片は、105℃の乾燥機で10分間のキュアリングを行ったものを用いる。試験片の両端を試験機のつかみに締め付けた後、水を含ませた平筆を用い、試験片の中央部に約10mm幅で水平に水を付与し、その後、直ちに紙片に対して上下方向に引張り荷重をかけ、紙が破断する時の指示値(デジタル値)を読み取る手順で測定を行う。縦方向、横方向ともに各々5組の試料を用意して各5回ずつ測定し、その測定値の平均を各方向の湿潤引張強度とする。
本発明に係るトイレットペーパーにおける乾燥紙力増強剤は、原料パルプに対して0.005〜0.15質量添加するのが望ましい。乾燥紙力剤の種類は、必ずしも限定されないが、澱粉、ポリアクリルアミド、CMC(カルボキシメチルセルロース)若しくはその塩であるカルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース亜鉛が挙げられる。なかでも特に望ましい乾燥紙力増強剤は、0.01質量%添加時した坪量16.0〜17.5g/m2のシートの縦方向の乾燥引張強度が600〜700cN/25mmの範囲に調整されるものである。
本発明に係るトイレットペーパーにおける一過性湿潤紙力剤は、原料パルプに0.01〜0.03質量%添加するのが望ましい。一過性湿潤紙力剤は、必ずしも限定されないが、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、尿素樹脂、酸コロイド・メラミン樹脂、熱架橋性塗工PAM、星光PMC株式会社社製のTS−20、グリオキシル化ポリアクリルアミド、カチオン性グリオキシル化ポリアクリルアミドなどのポリマーアルデヒド−官能性化合物、グリオキザールの二価のアルデヒドで変性したアクリルアミドモノマーと他の共重合可能な不飽和モノマーの共重合体又はジアルデヒド澱粉が挙げられる。なかでも特に望ましい一過性湿潤紙力剤は、0.02質量%添加時に、坪量16.0〜17.5g/m2のシートの縦方向の乾燥引張強度が500〜600cN/25mmの範囲に調整されるものである。より望ましい一過性湿潤紙力剤は、0.02質量%添加時に、乾燥紙力剤0.01質量%添加した際に600〜700cN/25mmの範囲に調整される坪量16.0〜17.5g/m2のシートの縦方向の乾燥引張強度をさらに700〜800cN/25mmの範囲にまで高めるものである。
また、本発明に係るトイレットペーパーは、ポリエチレンオキサイドを含むのがよい。表面の地合いが良好になり、水分が付着した肌をふき取る際において十分な強度としやすい。特に、ポリエチレンオキサイドは、分子量が6万をこえるものであるのがのぞましい。
他方、本発明に係るトイレットペーパーは、実質的に保湿剤が塗布されていない保湿剤非塗布のものであるが望ましい。本発明に係る外添剤としての保湿剤は、吸湿によって紙力を低下させるポリオール類である。例えば、グリセリンである。但し、保湿性のトイレットペーパーというに値しない程度にしか影響を与えない程度であれば、上記成分が含有されていることは否定されない。
本発明に係るトイレットペーパーは、抄紙時に内添する原紙自体の柔らかさや紙力を定める柔軟剤や柔軟保湿剤は適宜に添加することができる。
ここで、本発明に係るトイレットペーパーは、エンボス加工がされていてもよい。そのエンボスパターンは必ずしも限定されるわけではない。エンボスは、マイクロエンボスやドット型のエンボス、デザインエンボス等の適宜のエンボスパターンとすることができる。本発明に係る好適なエンボスパターンは、凹部の面積が1.0〜2.5mm2で、密度が5.0〜50個/cm2で、エンボス深さが、0.1〜0.3mmである。トイレットペーパーとしての肌触りがより向上する。また、エンボス加工は、シングルエンボスと称される1プライ又は複数プライ積層状態で一方面から凸部に押されて付与されるエンボスであってもよいし、ダブルエンボスと称される、1プライ又は複数プライ積層状態で一方面から凸部に押されて凹部を形成した後に、他の1プライ又は複数積層プライのシートと重ねて形成したものでもよい。後者の場合重ねる他の1プライ又は複数積層プライのシートについても一方面が凹部となるようにエンボス加工を施し、凹部が両面に位置するように重ねられたものがより望ましい。ダブルエンボスの場合、一方面を構成するシートの凸部の頂部に接着剤等を付与して両シートを接着する態様としてもよい。本発明では特にダブルエンボスが吸水性を高めやすく望ましい。
エンボスの深さは、株式会社キーエンス社製ワンショット3D測定マクロスコープ VR−3200又はその相当機と、画像解析ソフトウェア「VR−H1A」又はその相当ソフトウェアにより測定した値である。測定は、倍率12倍、視野面積24mm×18mmの条件で測定する。但し、倍率と視野面積は、エンボス(凹部)の大きさによって、適宜変更することができる。具体的な測定手順は、図2を参照して説明すると、上記ソフトウェアを用いて、平面視点で示される画像部(図中X部分)中の一つのエンボス(凹部)40の周縁の最長部を横切る線分Q1におけるエンボス深さ(測定断面曲線)プロファイルを得る。このエンボス深さプロファイルの断面曲線からλc:800μm(但し、λcはJIS−B0601「3.1.1.2」に記載の「粗さ成分とうねり成分との境界を定義するフィルタ」)より短波長の表面粗さの成分を低域フィルタによって除去して得られる断面視点で示される画像部(図中Y部分)の「輪郭曲線Q2」のうち、上に凸で最も曲がりが強くなる2つの凹部エッジ点P1,P2と、凹部エッジ点P1,P2で挟まれる最小値を求め、深さの最小値Minとする。さらに、凹部エッジ点P1,P2の深さの値の平均値を深さの最大値Maxとする。このようにして、エンボス深さ=最大値Max−最小値Minとする。又、凹部エッジ点P1,P2のX−Y平面上の距離(長さ)を最長部の長さと規定する。上記の上に凸で最も曲がりが強くなる2つの凹部エッジ点P1,P2は目視にて選択する。なお、その選択にあたっては、当該測定中のエンボス(凹部)40の平面視点の画像中の輪郭Eを参考としてもよい。同様にして、最長部に垂直な方向での最短部についてもエンボス(凹部)の深さを測定し、大きい方の値をエンボス(凹部)の深さとして採用する。以上の測定を、トイレットペーパー表面の任意の10個のエンボスについて行い、その平均値を最終的なエンボス深さとする。
なお、エンボスパターンの個々の凹部の面積についても、ワンショット3D測定マクロスコープ VR−3200又はその相当機と、画像解析ソフトウェア「VR−H1A」又はその相当ソフトウェアにより測定して得た3D画像から目視でエンボス凹部の輪郭を確認し、輪郭内部の面積を測定する。トイレットペーパー表面の任意の10個のエンボスについて行い、その平均値を最終的なエンボス凹部の面積とする。
他方で、本発明に係るトイレットペーパーは、トイレットペーパー全体としての紙厚が200〜300μmであるのが望ましい。紙厚をこの範囲とすることで吸水量と柔らかさが向上されやすい。トイレットペーパーの紙厚の測定方法は、試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に(通常は、8時間程度)調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCKH型」(尾崎製作所製)を用いて複数プライの場合は複数プライのまま測定する。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーを700μmに開いた状態からレバーを一気に下ろしそのときのゲージを読み取る。トイレットペーパーがエンボス加工されている場合には、構成する一つの凹部(凸部)が必ず測定台の範囲に入るようにする。なお、深さの異なる凹部が存在する場合には、最も深さの深い凹部が位置するようにする。この測定時には、プランジャーはのせるだけとして押えない。プランジャーの端子はゴム製で直径10mmの円形の平面が紙平面に対し垂直に当たるようにし、この紙厚測定時の荷重は、約70gfである。なお、紙厚は測定を10回行って得られる平均値とする。ここで、紙厚の測定時には、エンボス(凹部)の潰れが想定されるが、本発明に係る紙厚は、そのような潰れも含んで測定した値であり、そのような潰れは無視してよい。本紙厚測定において凹部の潰れによって生ずる紙厚差は無視できる。
また、本発明に係るトイレットペーパーは、水解性が40秒以内、好ましくは20秒以上40秒以下であるのがよい。水解性が40秒以内であれば、水洗トイレ等に流水廃棄した際に配管を詰まらせるおそれは小さい。また、20秒以上であれば、シャワートイレ使用後の多量の水分を拭き取る際においても直ちに繊維がほぐれて破るおそれが小さくなる。この水解性(ほぐれやすさ)の測定は、JIS P 4501(1993)による。ほぐれやすさの試験は、水300mL(水温20±5℃)を入れた300mLのビーカーをマグネチックスターラーに載せ、回転子の回転数を600±10回転/分になるように調整する。その中に一辺が100±2mm角の試験片を投入し、ストップウォッチを押す。回転子の回転数は試験片の抵抗によって、いったん約500回転に下降し、試験片がほぐれるに従い回転数は上昇する。この回転数が540回転までに回復した時点でストップウォッチを止め、その時間を1秒単位で測定する。ほぐれやすさの結果は、試験を5回行い、その平均で表す。回転子は、直径35mm、厚さ12mmの円盤状のものとする。
以下、実施例を参照しながらさらに本発明にかかるトイレットペーパーの効果について説明する。
次いで、本発明のトイレットペーパーの実施例及び比較例について「吸水量」、「水解性」を測定した。また、「風合い」について官能評価試験を行った。この官能評価試験は、被験者を10名として、実際にトイレットペーパーを使用し、柔らかさ、肌触りなどの主に硬質感に関する風合いについて評価するようにした。評価は、5段階として、良い=5点、やや良い=4点、どちらでもない=3点、やや悪い=2点、悪い=1点として点数付けを行い、その平均値を算出した。
また、各例に係るトイレットペーパーは、トイレットロールを製造し、そのトイレットロールから引き出したものとした。なお、トイレットペーパーにはダブルエンボス加工による両面凹部を有する形態である。各例に係る物性・組成は、下記表1のとおりとなった。
Figure 0006985323
本発明に係る実施例1及び2は、一過性湿潤紙力剤と乾燥紙力剤の両方を含むものであり、吸水量が非常に高い結果となった。実施例1と実施例2は、エンボスの深さ変化させたが、実施例2のようにエンボス深さを浅くしても十分な吸水量が得られた。また、比較例1は、汎用タイプの市販品であり、一過性湿潤紙力剤と乾燥紙力剤を含まないものである。この比較例1と実施例1及び実施例2とを対比すると、吸水量が4倍以上となる結果が得られた。さらに、比較例2は、乾燥紙力剤を含むが、一過性湿潤紙力剤を含まないものである。実施例1よりもエンボスの深さを深くしたが、吸水量は実施例1よりも低い。比較例3は、一過性湿潤紙力剤を含むが、乾燥紙力剤を含まないものである。エンボスの深さは実施例1よりも深くしたが、吸水量が実施例1及び実施例2ほど高まっていない。比較例4は、一過性湿潤紙力剤を含まず、乾燥紙力剤を添加し、さらに、坪量を高くしたものであるが、乾燥引張強度が高くなりすぎて、風合いが過度に悪化し、水解性も悪化した。
このように本発明の実施例のように、一過性湿潤紙力剤と乾燥紙力剤の両方を含み乾燥引張強度を700〜800cN/25mmとすることで、高い吸水量と風合いに優れるものとなり、シャワートイレを使用した後の水分が付着した肌をふき取る際において十分な強度と風合いがあり、安心感のある高い水分吸収性を有し、水分が手に浸透しがたいトイレットペーパーとなる。
1…トイレットロール、10…トイレットペーパー、20…紙管(管芯)、L1…トイレットロールの巻径(直径)、L2…トイレットロールの管芯の直径、L3…トイレットロールの幅。

Claims (2)

  1. 2〜3プライであり、
    1プライの坪量が15.8〜17.8g/m2であり、
    原料パルプに対して一過性湿潤紙力剤を0.01〜0.03質量%、乾燥紙力剤を0.005〜0.15質量%添加して形成され、
    ポリエチレンオキサイドを含み、
    縦方向の乾燥引張強度が700〜800cN/25mmであり、
    エンボス加工がされ、エンボス加工による凹部の面積が1.0〜2.5mm 2 で、凹部の密度が5.0〜50個/cm 2 で、凹部のエンボス深さが、0.1472〜0.2154mmである、
    ことを特徴とする、トイレットペーパー。
  2. 温度23度±1度・湿度50%±2%の条件下で4時間以上キュアリングした試料を10組重ねて、直径10cmの孔の空いた試料台の前記孔部分を塞ぐように固定し、前記試料の孔を塞いだ部分に対してビュレットより10±2mL/分で純水を滴下し、試料の滴下面と反対の面である下面側に水の沁み出しが確認できた段階で滴下を停止し、その滴下した水の量をビュレットの目盛りより確認した値である、吸水量が1.1〜2.0ccである請求項1記載のトイレットペーパー。
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