以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技価値(遊技媒体)として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態のスロットマシン1は、収納箱BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての第1リールR1〜第3リールR3からなるリールユニットが収められている。また、筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(図2参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また、第1リールR1〜第3リールR3は、リール駆動手段としてのステッピングモータ(図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が、遊技状態に応じてそれぞれ2枚(第2規定投入数)又は3枚(第1規定投入数)に設定されており、各遊技状態に設定された規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1〜第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1〜ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示器から構成される主制御表示装置500が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選コマンドに対応する表示である報知表示が表示され、報知表示の表示後第1リールR1〜第3リールR3が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。本実施形態のスロットマシン1では、当選コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯することで、内部抽選で当選した役がどの役であるか遊技者が推測できるような報知表示が実行される。
また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、後述する有利期間制御手段400Aによって有利期間が開始されている場合に点灯し、有利期間が開始されていない、つまり非有利期間が開始されている場合に消灯することで有利期間が開始されているか否かを報知する有利期間報知部500Aが設けられている。
また、前面上扉UDには、演出を行うための演出表示装置330が設けられている。演出表示装置330は、例えば液晶ディスプレイから構成され、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像や画像が表示される。また、本実施形態のスロットマシン1では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。スピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1〜ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを精算するための精算ボタンBSも設けられている。
本実施形態のスロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、規定投入数と同じ回数シングルベットボタンBTを押下するシングルベット操作又はマックスベットボタンMBを押下するマックスベット操作を行うことで、規定投入数のメダルが投入状態に設定され、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下操作が許可、すなわちストップボタンB1〜ストップボタンB3による停止操作が有効化される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜ストップボタンB3を押下(以下、「押下タイミング」と記載)していくと、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれに内蔵されている停止信号出力手段としてのストップスイッチ240がON動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をOFF状態からON状態へ変化させる。ここで、ストップスイッチは、例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサ等から構成される。
また、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜ストップボタンB3を解放すると、ストップボタンB1〜ストップボタンB3それぞれに対応するストップスイッチがOFF動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をON状態からOFF状態に変化させる。そして、制御基板は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のOFF状態からON状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンBSが押下された場合、精算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
図2は、本実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。本実施形態のスロットマシン1は、それぞれ独立した制御基板である主制御部10と副制御部20とによって制御される。主制御部10は、複数の操作検出手段としてのメダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240、設定変更スイッチ250及びリセットスイッチ260の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、遊技情報表示部DS及び比率表示装置610等の出力手段の動作を制御する。また、スロットマシン1においては、主制御部10と副制御部20とについて、主制御部10から副制御部20への単方向通信のみを可能に構成され、主制御部10から副制御部20へ各種信号を送信可能であるものの、副制御部20から主制御部10へ各種信号を送信することができないように通信接続されている。
主制御部10の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)、ROM(Read Only Memory、情報記憶媒体の一例)、あるいはRWMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。本実施形態の主制御部10は、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit、以下、主制御部10のCPUを「メインCPU」とも記載)を有している。
また、主制御部10は、主制御部10のROM上に、設定変更手段100、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、主記憶手段190、有利期間制御手段400A、指示機能状態制御手段400B及び稼働記録制御手段600を設けている。主制御部10を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、主記憶手段190に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
設定変更手段100は、主記憶手段190の設定値記憶手段191に記憶されている設定値を変更する制御を行う。本実施形態のスロットマシン1では、収納箱BX内に収められた電源装置290(図9参照)に設けられている設定変更スイッチ250から出力される信号である設定信号が入力されることで、設定変更が実行される。設定変更スイッチ250は、電源装置290の前面に設けられたキーシリンダ270(図9参照)に挿入された設定キーが回動することでON/OFFの状態が切り換わる設定キースイッチと、設定変更ボタン280(図9参照)が押下操作されたことを検知することで設定信号を出力する変更スイッチと、から構成されている。
本実施形態のスロットマシン1では、キーシリンダ270に設定キーが挿入されて時計回り(又は反時計回り)に設定キーが回された状態で、電源装置290のスイッチが作動し電源装置290に電力が供給されたことを設定の変更を許可する条件(設定変更許可条件)としている。設定変更手段100は、設定変更許可条件が成立している場合に、スロットマシン1を設定の変更を許可する状態(設定変更許可状態)に制御する。
設定変更許可状態において、設定変更手段100は、電源装置290に設けられている変更スイッチからの設定信号を受け付けるごとに、設定値記憶手段191に記憶されている設定値を設定1→設定2・・・設定6→設定1→・・・の順序で循環的に変動させる。また、スロットマシン1では、設定変更許可状態におけるスタートスイッチ230の作動が設定を確定させる条件とされており、スタートレバーSLの操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて設定値記憶手段191に記憶されている設定値を確定させて設定変更許可状態を終了する。本実施形態のスロットマシン1では、設定値記憶手段191において確定された設定値に応じて、内部抽選手段120による内部抽選で当選可能な当選エリアのうち一部の当選エリアの当選確率が変更される。
投入受付手段105は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間において、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段105は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
本実施形態において、投入受付手段105は、遊技状態移行制御手段170によって制御される遊技状態が非リプレイタイム状態〜リプレイタイム2状態(以下、リプレイタイムを「RT」とも記載)、ボーナス成立状態又は第1種特別役物に係る役物連続作動装置としての第1レギュラービッグボーナス又は第2レギュラービッグボーナス(以下、レギュラービッグボーナスを「RBB」と記載し、第1レギュラービッグボーナスを「RBB1」、第2レギュラービッグボーナスを「RBB2」と記載する)が作動し第1種特別役物としてのレギュラーボーナス(以下、「RB」と記載)が連続作動する状態である第1ボーナス状態である場合に、規定投入数を第1規定投入数としての3枚に設定し、遊技状態が非RT状態〜RT2状態中に第2種特別役物に係る役物連続作動装置としてのチャレンジビッグボーナス(以下、「CBB」と記載)が作動し第2種特別役物としてのチャレンジボーナス(以下、「CB」と記載)が連続作動する状態である第2ボーナス状態である場合に、規定投入数を第2規定投入数としての2枚に設定する。各遊技状態の詳細については、後述する。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。
乱数生成手段110は、抽選用の乱数を発生させる手段である。乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能し得る値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
抽選テーブル選択処理では、主記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段192に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0〜65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応付けられている。
図3は、遊技状態が非RT状態〜RT2状態である場合に選択される内部抽選テーブルである内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCと、非RT状態〜RT2状態における内部抽選でRBB1又はRBB2に当選した場合に移行する遊技状態であるボーナス成立状態である場合に選択される内部抽選テーブルである内部抽選テーブルDと、RBB1又はRBB2が入賞した場合に移行する遊技状態である第1ボーナス状態である場合に選択される内部抽選テーブルである内部抽選テーブルEと、を示す図である。なお、本実施形態においては、非RT状態〜RT2状態における内部抽選でCBBに当選し、かつCBBが入賞した場合に移行する遊技状態である第2ボーナス状態である場合に、CBBが当選した遊技において選択されていた内部抽選テーブルで当選可能なリプレイに乱数が対応付けられた内部抽選テーブルが用いられる。
図3に示すように、遊技状態が非RT状態〜RT2状態である場合に選択される内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCと、遊技状態がボーナス成立状態である場合に選択される内部抽選テーブルDと、は、いずれも小役を含む当選エリアの当選確率が同一に設定されており、小役を含む当選エリアとして、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」と、当選エリア「共通ベル役」と、当選エリア「レア役」と、当選エリア「取りこぼし役」と、にそれぞれ乱数が対応付けられている。一方、遊技状態が第1ボーナス状態又は第2ボーナス状態である場合に選択される内部抽選テーブルEは、小役を含む当選エリアとして、当選エリア「JAC」に乱数が対応付けられている。
また、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCでは、本実施形態において用意されているボーナスとして用意されているRBB1と、RBB2と、CBBと、のそれぞれに当選可能な当選エリアとが抽選対象として設定されている。具体的には、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCでは、RBB1のみに当選する当選エリアである当選エリア「RBB1」と、RBB2のみに当選する当選エリアである当選エリア「RBB2」と、CBBのみに当選する当選エリアである当選エリア「CBB」と、が抽選対象として設定されている。一方、内部抽選テーブルDでは、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCにおいて当選エリア「RBB1」に対応付けられていた乱数と、当選エリア「RBB2」に対応付けられていた乱数と、当選エリア「CBB」に対応付けられていた乱数と、がハズレ(不当選)に対応付けられている。
図4(A)は、非RT状態〜RT2状態、ボーナス成立状態において当選可能な小役を含む当選エリア(当選態様)と、各当選エリアの当選時に実行されるストップボタンB1〜ストップボタンB3の操作態様によって入賞可能となる小役と、を示す図である。図4(A)に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、入賞可能な小役(以下、「入賞役」と記載)として、ベル、特殊小役1〜特殊小役6、レア役及び取りこぼし役が用意されており、複数種類の入賞役が重複して当選する小役の当選エリア(当選態様)として、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」が設定されている。
ここで、「打順」とは、ストップボタンB1〜ストップボタンB3に対して押下操作を実行する順番を意味し、打順1〜打順6の6通りの打順から構成されている。本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。このため、本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下順序が変化すると、第1リールR1〜第3リールR3の停止順序が変化する。
打順1は、ストップボタンB1→ストップボタンB2→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される、いわゆる順押しと称される打順である。また、打順2は、ストップボタンB1→ストップボタンB3→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される、いわゆるハサミ打ちと称される打順である。また、打順3は、ストップボタンB2→ストップボタンB1→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される打順である。また、打順4は、ストップボタンB2→ストップボタンB3→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される打順である。また、打順5は、ストップボタンB3→ストップボタンB1→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される打順である。また、打順6は、ストップボタンB3→ストップボタンB2→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される、いわゆる逆押しと称される打順である。
なお、以下の記載において、リール制御手段130によって第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始され、遊技者が最初に有効なストップボタンB1〜ストップボタンB3のいずれかを押下操作することを第1停止操作とも記載し、第1リールR1〜第3リールR3のうち、第1停止操作で押下操作されたストップボタンに対応した1つのリールの回転が停止した状態で遊技者が有効なストップボタンB1〜ストップボタンB3のいずれかを押下操作することを第2停止操作とも記載し、第1リールR1〜第3リールR3のうち第1停止操作で押下操作されたストップボタンに対応したリールと第2停止操作で押下操作されたストップボタンに対応したリールとの2つのリールの回転が停止した状態で遊技者が有効なストップボタンB1〜ストップボタンB3のいずれかを押下操作することを第3停止操作とも記載する。
当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」は、ベルと、特殊小役1〜特殊小役6のうちいずれか1種類と、が重複して当選する当選エリアである。ここで、ベルは、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時に適切な打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に、各ストップボタンの押下タイミングによらず入賞する入賞役であり、例えば当選エリア「打順ベル1」の当選時である場合には、打順1でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に入賞する。また、特殊小役1〜特殊小役6は、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時にベルを入賞可能な打順以外の打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、かつ各ストップボタンの押下タイミングが適切であった場合に入賞可能な入賞役であり、例えば当選エリア「打順ベル1」の当選時である場合には、打順2〜打順6のいずれかの打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、かつ各ストップボタンの押下タイミングが適切であった場合に入賞する。
なお、本実施形態のスロットマシン1において、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時にベルを入賞させることができない打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、かつ特殊小役1〜特殊小役6を入賞させることができない押下タイミングで各ストップボタンが押下操作された場合には、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)が発生する。また、以下の記載において、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時にベルを入賞させることができる打順を、正解打順とも記載する。また、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時にベルを入賞させることができない打順を、不正解打順とも記載する。
当選エリア「共通ベル役」は、ベルに当選し、打順及び押下タイミングによらずベルが入賞可能に構成されている。当選エリア「レア役」は、レア役に当選し、打順及び押下タイミングによらずレア役が入賞可能に構成されており、他の小役を含む当選エリアよりも当選する確率が低くなるように構成されている。当選エリア「取りこぼし役」は、取りこぼし役に当選し、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合に取りこぼし役を入賞可能に構成されており、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングが取りこぼし役を入賞させることができない押下タイミングであった場合には、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となる。
図4(B)は、第1ボーナス状態において当選可能な小役の当選エリアを示す図である。図4(B)に示すように、JACは、ベル、特殊小役1〜特殊小役6、レア役及び取りこぼし役の、非RT状態〜RT2状態及びボーナス成立状態において当選可能な小役のすべてに重複して当選する当選エリアである。本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「JAC」に当選した場合、リール制御手段130によるリール停止制御において、入賞時の払出数が最も多いベルが他の役に優先して入賞するように第1リールR1〜第3リールR3を制御する。これにより、当選エリア「JAC」に当選した場合には、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の打順及び押下タイミングによらずベルが入賞する。
次に、リプレイを含む当選エリアについて説明する。図3に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイのみを含む当選エリアとして、当選エリア「通常リプレイ1」と、当選エリア「通常リプレイ2」と、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」と、当選エリア「レアリプレイ」と、が設定されている。
当選エリア「通常リプレイ1」は、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルDのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、通常リプレイに当選し、打順及び押下タイミングによらず通常リプレイを入賞可能に構成されている。当選エリア「通常リプレイ2」は、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルDのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、通常リプレイと、通常リプレイとは入賞形態を示す図柄組合せ(以下、「入賞図柄組合せ」とも記載)が他のリプレイとは異なる特殊リプレイ1と、に当選し、打順及び押下タイミングによらず通常リプレイを入賞可能に構成されている。当選エリア「レアリプレイ」は、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルDのそれぞれにおいて設定されている当選エリアであり、レアリプレイに当選し、打順及び押下タイミングによらずレアリプレイを入賞可能に構成されている。また、当選エリア「レアリプレイ」は、各内部抽選テーブルにおいて当選可能なリプレイを含む当選エリアのいずれの当選エリアよりも当選確率が低くなるように設定されている。
当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」は、遊技状態がRT1状態である場合に選択される内部抽選テーブルBにおいて設定されている当選エリアであり、通常リプレイと、RT2移行リプレイと、に重複して当選し、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」のそれぞれに設定された打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合にはRT2移行リプレイが入賞し、それ以外の打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合には通常リプレイが入賞する。
また、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」は、重複当選する当選態様がそれぞれ異なるように構成されている。具体的には、当選エリア「打順リプレイ1」は、通常リプレイと、RT2移行リプレイとが重複当選し、当選エリア「打順リプレイ2」は、通常リプレイと、RT2移行リプレイと、他のリプレイとは入賞図柄組合せが異なる特殊リプレイ1と、が重複当選し、当選エリア「打順リプレイ3」は、通常リプレイと、RT2移行リプレイと、他のリプレイとは入賞図柄組合せが異なる特殊リプレイ2と、が重複当選し、当選エリア「打順リプレイ4」は、通常リプレイと、RT2移行リプレイと、他のリプレイとは入賞図柄組合せが異なる特殊リプレイ3と、が重複当選し、当選エリア「打順リプレイ5」は、通常リプレイと、RT2移行リプレイと、他のリプレイとは入賞図柄組合せが異なる特殊リプレイ4と、が重複当選し、当選エリア「打順リプレイ6」は、通常リプレイと、RT2移行リプレイと、他のリプレイとは入賞図柄組合せが異なる特殊リプレイ5と、が重複当選するように構成されている。なお、後述するリール制御手段130は、内部抽選手段120による内部抽選で特殊リプレイ1〜特殊リプレイ5を含む当選エリアに当選した場合に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3がいずれの打順及び押下タイミングで押下操作された場合にも、特殊リプレイ1〜特殊リプレイ5の入賞図柄組合せが表示されないようにリール停止制御を実行するように構成されている。
本実施形態のスロットマシン1では、設定値記憶手段191に記憶されている設定値に応じて、当選エリア「RBB2」と、当選エリア「通常リプレイ2」と、の当選確率が変更されるように構成されており、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」と、当選エリア「共通ベル役」と、当選エリア「レア役」と、当選エリア「取りこぼし役」と、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」と、当選エリア「通常リプレイ1」と、当選エリア「レアリプレイ」と、当選エリア「RBB1」と、当選エリア「CBB」と、は、設定値記憶手段191に記憶されている設定値がいずれの値であっても当選確率に変化が生じないように構成されている。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段110が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非成立状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から成立状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。本実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが成立状態に設定される。なお、抽選フラグの設定情報は、主記憶手段190の抽選フラグ記憶手段193に格納される。
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に成立状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非成立状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応付けられる役としては、RBB1,RBB2,CBBがあり、小役及びリプレイは、後者の持越不可フラグに対応付けられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でRBB1,RBB2又はCBBのいずれかを含む当選エリアに当選すると、当選したRBB1,RBB2又はCBBの抽選フラグの成立状態を、RBB1,RBB2又はCBBが入賞するまで持ち越す処理を行う。
なお、本実施形態においては、CBBの入賞図柄組合せを構成する各図柄が、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングによらずに入賞可能となるように第1リールR1〜第3リールR3の周面に配列されている。このため、本実施形態のスロットマシン1は、当選した遊技以降の遊技にまで抽選フラグの成立状態を持ち越す持ち越し処理について、RBB1又はRBB2の持ち越し処理のみを実行可能となっている。また、本実施形態の内部抽選手段120は、CBBが作動している場合、内部抽選の結果によらずすべての小役の抽選フラグを成立状態にセットする。
内部抽選手段120は、RBB1又はRBB2の抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、RBB1又はRBB2の抽選フラグの成立状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているRBB1又はRBB2の抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを成立状態に設定する。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230から、スタート信号が出力されたことに基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動を開始する。また、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作されることでストップスイッチ240によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、停止操作の検出に基づきストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、リールユニット310のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。このとき、リール制御手段130は、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態、すなわち内部抽選の結果に応じた態様で停止させる制御を行う。つまり、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の各ボタンが押下されるごとに、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたストップボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1〜第3リールR3について、ストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ラインL1上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄を有効ラインL1上の表示位置に表示するように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
このため、スロットマシン1では、上述したベルや各リプレイ、CBBのようなストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングによらず入賞可能な役の入賞図柄組合せを構成する図柄が、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれにおいて、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに表示可能な範囲内に配列されている。特に、ベルの入賞図柄組合せのうち、第3リールR3に表示可能な図柄については、第3リールR3の滑りコマ数が最大1コマとなるCBB作動時である場合にもストップボタンB3の押下タイミングによらず表示可能となるように配列されている。
ここで、リール制御手段130は、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号を受信し、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始して1回の遊技を開始した場合に、一般にウェイト(又はウェイト時間)と称される待機時間(約4.1秒)を設定するように構成されている。そして、リール制御手段130は、待機時間の設定から待機時間が経過するまでの期間内にスタート信号をスタートスイッチ230から受信した場合に、待機時間が経過した後に第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始するように構成されている。この構成により、リール制御手段130は、1回の遊技の開始から次の遊技の開始までに一定の時間として最小遊技時間(約4.1秒)を経過してから遊技を開始させることができる。
リール制御手段130は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、主記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段194に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理とを行っている。
まず、ロジック演算処理では、役ごとに定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点、つまりストップボタンの押下操作を検出した時点におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。ここで、リール制御手段130は、リールユニット310に設けられたフォトセンサが各リールに設けられたリール位置検出部を検出した場合に出力されるリールが1回転したことを示す情報であるリールインデックスと、リールインデックスが検出されるリールの基準位置からの回転角度(ステッピングモータに供給した駆動パルスの供給回数から算出)を用いて、ストップスイッチ240からリール停止信号を受信した時点におけるリールの回転状態を取得する。そして、各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただし、ロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置等に応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合がある。最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、テーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
本実施形態のスロットマシン1では、遊技状態が非RT状態〜RT2状態、ボーナス成立状態又は第1ボーナス状態である場合、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。また、スロットマシン1において、CBB作動中である第2ボーナス状態である場合には、「小役>リプレイ>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。つまり、本実施形態のスロットマシン1は、CBB作動中である場合におけるリール停止制御の実行時において、小役とリプレイ又はボーナスとに重複して当選した場合に、リプレイ及びボーナスに優先して小役の入賞図柄組合せを構成する図柄を有効ラインL1上に停止する。
ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが当選状態に設定されている場合、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補を、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。
なお、本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法とが存在する。有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1上に表示可能な入賞図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。また、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置、すなわち配当が多い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
また、ロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。ここで、引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方、蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このように、リール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。
ここで、本実施形態のスロットマシン1において、CBBが入賞しCBBが作動した場合、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3のうち第3リールR3について、ストップボタンB3が押下された時点から75ms以内に回転中の第3リールR3を停止するようにリールの停止制御を実行する。ストップボタンの押下時点から75ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で1コマ分回転可能に構成されている。
なお、リール制御手段130は、CBB作動中におけるリールの停止制御において、第1リールR1〜第3リールR3のうち、予め定められた少なくとも1つのリールをストップボタンが押下された時点から75ms以内に停止するようにリール停止制御を実行すればよく、本実施形態においては、ストップボタンB3が押下操作されたことでストップスイッチ240から出力されるリール停止信号を検出した時点から75ms以内に第3リールR3を停止するようにリールの停止制御を実行するが、第1リールR1や第2リールR2といった他のリールに対応するストップボタンが押下操作されたことをストップスイッチ240が検出し、リール停止信号がストップスイッチ240から出力された時点から75ms以内にリールを停止するようにリールの停止制御を実行するように構成されていてもよく、ストップスイッチ240からリール停止信号が出力された時点から75ms以内にリールを停止するように設定されるリールの本数は、1本ではなく複数本であってもよい。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、主記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段195に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3のすべてが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1上に表示された図柄組合せによって、小役、リプレイ、ボーナスの入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合には、リプレイ処理手段160に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナスが入賞した場合には遊技状態移行制御手段170に入賞したボーナスを作動させる処理が行われる。
本実施形態において、小役の配当は、第1規定投入数である場合と第2規定投入数である場合とで異なる払出数が設定されている。規定投入数が第1規定投入数に設定されている場合、ベルの配当は、第1規定投入数よりも多い9枚に設定され、レア役の配当は、第1規定投入数と同数の3枚に設定され、特殊小役1〜特殊小役6及び取りこぼし役の配当は、第1規定投入数よりも少ない1枚に設定されている。また、規定投入数が第2規定投入数に設定されている場合、ベルの配当は、第2規定投入数よりも多い14枚に設定され、レア役の配当は、第2規定投入数と同数の2枚に設定され、特殊小役1〜特殊小役6及び取りこぼし役の配当は、第2規定投入数よりも少ない1枚に設定されている。
払出制御手段150は、メダルの払い出しに関する制御である払出制御を実行し、遊技結果に応じたメダルの払い出しを行う処理である払出処理を実行する。具体的には、払出制御手段150は、入賞判定手段140による入賞判定処理の結果に基づき、払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット320に払い出させる払出制御を行う。
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出すごとに作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられている。払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいて、ホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、主記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段160は、入賞判定手段140により有効ラインL1上に複数種類のリプレイのうちいずれかのリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに遊技を実行可能にする準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、規定投入数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
遊技状態移行制御手段170は、非RT状態〜RT2状態の間で遊技状態を移行させ、リプレイの当選態様を変更させるRT状態移行制御処理と、内部抽選手段120による内部抽選でRBB1又はRBB2が当選した場合に現在の遊技状態からボーナス成立状態に移行させるボーナス成立状態移行制御処理と、リール制御手段130によるリール停止制御によってRBB1,RBB2又はCBBの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合に、有効ラインL1上に表示されたボーナスを作動させるとともに遊技状態を第1ボーナス状態又は第2ボーナス状態に移行させるボーナス作動制御処理と、の遊技状態移行制御を行う。
図5は、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態移行制御において、各遊技状態から移行可能な遊技状態を示す状態遷移図である。なお、以下の記載において、非RT状態〜RT2状態をまとめて「非ボーナス状態」とも記載する。また、以下の記載において、第1ボーナス状態、第2ボーナス状態をまとめて「ボーナス状態」とも記載する。
まず、RT状態移行制御処理の詳細について説明する。図5に示すように、非RT状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、非RT状態からはRT1状態への移行が可能となっている。具体的には、非RT状態において当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」のいずれかが当選し、かつストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御により小役、リプレイ及びボーナスのいずれの役の入賞図柄組合せとは異なる図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合にRT1状態へ移行する。また、非RT状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定された内部抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われる。
RT1状態は、非RT状態と、RT2状態と、から移行可能な通常の状態に相当する遊技状態で、RT1状態からはRT2状態への移行が可能となっている。具体的には、RT1状態において、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」のいずれかに当選し、かつRT2移行リプレイを入賞可能な打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御によりRT2移行リプレイの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合に、RT2状態に移行する。RT1状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われる。
RT2状態は、RT1状態においてリール制御手段130によるリール停止制御によりRT2移行リプレイの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。RT2状態からは、RT1状態への移行が可能となっている。具体的には、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」のいずれかが当選し、かつストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御により小役、リプレイ及びボーナスのいずれの役の入賞図柄組合せとは異なる図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合に、RT1状態に移行する。RT2状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/1.5に設定されることで、小役、リプレイ又はボーナスのいずれかに当選する確率が極めて高く設定されている内部抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われる。
本実施形態のスロットマシン1では、非RT状態〜RT2状態の間で遊技状態を遷移させることで、各遊技状態で異なる遊技性を実現している。具体的には、本実施形態のスロットマシン1においては、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時にベルを入賞させ続ける限り、リプレイの当選確率が約1/7.3と低い確率で維持される非RT状態と、通常の遊技が実行されるRT1状態と、高確率でリプレイに当選することで毎回の遊技において小役、リプレイ又はボーナスのいずれかに極めて高い確率で当選可能なRT2状態と、でそれぞれ異なる遊技性を実現している。
また、リプレイに当選する確率が約1/1.5と高確率に設定されているRT2状態においては、当選エリア「通常リプレイ1」に当選する確率と当選エリア「通常リプレイ2」に当選する確率とも高くなっており、後述する有利期間制御手段400Aによって有利期間が開始され、指示機能状態制御手段400Bによって特定役の入賞を補助する入賞補助制御が実行されるアシストタイム状態(以下、アシストタイムを「AT」とも記載)が開始されることで、AT状態における遊技が他の遊技状態よりもリプレイに高確率で当選するRT2状態で実行される、いわゆるアシストリプレイタイム遊技(以下、アシストリプレイタイムを「ART」とも記載)を実行することができる構成となっている。
次に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態移行制御処理のうちボーナス成立状態移行制御処理について説明する。遊技状態移行制御手段170は、内部抽選でRBB1又はRBB2を含む当選エリアに当選した場合に、遊技状態を現在の遊技状態からボーナス成立状態へ移行させるボーナス成立状態移行制御処理を実行する。具体的には、遊技状態移行制御手段170は、例えば非RT状態での内部抽選において当選エリア「RBB1」や当選エリア「RBB2」等のRBB1又はRBB2を含む当選エリアに当選した場合に、遊技状態を非RT状態からボーナス成立状態に移行させる。また、スロットマシン1では、RBB1又はRBB2を含む当選エリアに当選し、かつ当選したRBB1又はRBB2が入賞しなかった場合に、当選したRBB1又はRBB2が入賞するまでの以降の遊技においてボーナス成立状態での遊技が実行される。ボーナス成立状態では、リプレイの当選確率が例えば約1/7.3に設定されている内部抽選テーブルDを参照した内部抽選が行われる。
本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス成立状態において、内部抽選で小役、リプレイ又はボーナスのいずれかに当選する確率が極めて高く設定されているRT2状態よりもリプレイの当選確率が低い内部抽選テーブルを用いて内部抽選が実行されるように構成されている。上述した通り、本実施形態のスロットマシン1においては、内部抽選でRBB1又はRBB2を含む当選エリアに当選した場合に、当選したRBB1又はRBB2が入賞するまで抽選フラグが成立状態で持ち越される。このため、スロットマシン1では、ボーナス成立状態における内部抽選で小役又はリプレイに当選した場合に、小役とボーナス又はリプレイとボーナスが重複して当選した状態となる。また、上述した通り、スロットマシン1では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。また、スロットマシン1では、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングが適切である場合に入賞する特殊小役1〜特殊小役6、取りこぼし役の当選時において、当選した特殊小役1〜特殊小役6、取りこぼし役を入賞できない押下タイミングでストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に、いずれの役も入賞しない取りこぼし(非入賞)となるように構成されている。
このため、本実施形態のスロットマシン1では、ボーナス成立状態のリプレイの当選確率をRT2状態におけるリプレイの当選確率よりも低くなるように設定し、内部抽選でハズレ(不当選)となり得るように構成することで、ボーナスに単独で当選した状態が発生し得るように構成されている。これにより、スロットマシン1では、ボーナス成立状態において、内部抽選でハズレ(不当選)となった際に、抽選フラグが成立状態にセットされ続けているRBB1又はRBB2を入賞させることができるようになる。
次に、遊技状態移行制御手段170が実行する遊技状態移行制御処理のうちボーナス状態移行制御処理について説明する。遊技状態移行制御手段170は、リール制御手段130によるリール停止制御によりRBB1又はRBB2の入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合に、ボーナス状態移行制御処理として、RBB1又はRBB2を作動させるとともに遊技状態をボーナス成立状態から第1ボーナス状態へ移行させる処理を実行する。第1ボーナス状態へ移行した場合、遊技状態移行制御手段170は、主記憶手段190の有するカウンタであるボーナス終了判定カウンタ(不図示)へ値を加算する処理を開始する。第1ボーナス状態からは、非RT状態への移行が可能となっている。具体的には、第1ボーナス状態において、269枚を超えるメダルの払い出しが実行され、ボーナス終了判定カウンタに記憶されている値が予め定められた所定の払出数に対応する値(本実施形態では値「270」)に到達した場合に、RBB1又はRBB2を終了させるとともに遊技状態を非RT状態に移行する。第1ボーナス状態では、小役の当選エリアとして当選エリア「JAC」が設定され、極めて高い確率で当選エリア「JAC」に当選するように設定された内部抽選テーブルEを参照した内部抽選が行われる。
また、遊技状態移行制御手段170は、リール制御手段130によるリール停止制御によりCBBの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示された場合に、ボーナス状態移行制御処理として、CBBを作動させるとともに遊技状態をCBBに当選した遊技における遊技状態から第2ボーナス状態へ移行させる処理を実行する。第2ボーナス状態へ移行した場合、遊技状態移行制御手段170は、ボーナス終了判定カウンタへ値を加算する処理を開始する。第2ボーナス状態からは、CBBに当選した遊技における遊技状態への移行が可能となっている。具体的には、遊技状態が非RT状態である状態でCBBに当選し、CBBが入賞することで第2ボーナス状態が開始された場合において、27枚を超えるメダルの払い出しが実行され、ボーナス終了判定カウンタに記憶されている値が予め定められた所定の払出数に対応する値(本実施形態では値「28」)に到達した場合に、CBBを終了させるとともに遊技状態をCBBに当選した遊技状態である非RT状態に移行する。
有利期間制御手段400Aは、特定役の入賞を補助する入賞補助制御を実行可能な遊技が実行される期間である有利期間(有利区間)と、入賞補助制御が実行されない遊技が実行される期間である非有利期間(非有利区間)と、の間での移行に係る制御を実行する。本実施形態の有利期間制御手段400Aは、有利期間と非有利期間との間での移行に係る制御として、非有利期間内における遊技において、設定値記憶手段191に記憶されている設定値がいずれの値であっても当選確率が変動せず、かつ非RT状態〜RT2状態のいずれの遊技状態である場合にも当選可能な当選エリア、つまり設定差がない当選エリアに当選した場合に、非有利期間を終了し有利期間を開始するか否かを決定する抽選である有利期間抽選を実行する。なお、有利期間制御手段400Aは、遊技状態がボーナス成立状態である場合、設定差がない当選エリアに当選した場合であっても有利期間移行抽選を実行しないように構成されている。
有利期間移行抽選において、有利期間制御手段400Aは、まず、有利期間制御データ記憶手段197から、複数の乱数のそれぞれに対して「有利期間の開始」、「ハズレ(不当選)」が対応付けられているデータテーブルである有利期間移行抽選テーブルを取得する。そして、有利期間制御手段400Aは、乱数生成手段110から乱数を取得し、取得した乱数を有利期間移行抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき、有利期間を開始するか否かを決定する。なお、有利期間制御データ記憶手段197には、有利期間制御手段400Aが有利期間内において実行する所定の制御処理でON状態又はOFF状態にセットする各種フラグも格納されている。
有利期間制御手段400Aは、有利期間を終了する条件が成立した場合に、有利期間を終了し次ゲームから非有利期間を開始する処理である終了処理を実行する。また、有利期間制御手段400Aは、有利期間を開始した場合に有利期間報知部500Aを点灯させ、非有利期間を開始した場合に有利期間報知部500Aを消灯させる。
本実施形態において、内部抽選で当選することで有利期間制御手段400Aが有利期間移行抽選を実行する契機となる当選エリアは、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」と、当選エリア「共通ベル役」と、当選エリア「レア役」と、当選エリア「取りこぼし役」と、当選エリア「通常リプレイ1」と、当選エリア「レアリプレイ」と、当選エリア「RBB1」と、当選エリア「CBB」と、である。
指示機能状態制御手段400Bは、有利期間制御手段400Aによって有利期間が開始されている場合に、特定役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理(入賞補助制御)と、入賞補助制御を実行可能な状態であるAT状態を含む複数の指示機能状態の間での指示機能状態の移行に係る処理等の指示機能の作動に係る処理以外の処理(指示機能処理)と、を含む指示機能に係る制御(アシストタイム制御)を行う。本実施形態において、指示機能状態制御手段400Bは、指示機能状態が入賞補助制御を実行可能な状態である場合に、指示機能作動処理として、内部抽選手段120に当選した当選エリアに応じてそれぞれ異なる当選コマンドを作成させ、作成させた当選コマンドを主制御表示装置500に送信させることで、内部抽選で当選した当選エリアがいずれの当選エリアであるかを報知し、遊技者にストップボタンB1〜ストップボタンB3の操作方法を指示する機能(指示機能)である報知表示が主制御表示装置500に実行される制御である入賞補助制御を実行可能となるように構成されている。
ここで、入賞補助制御の対象になる当選エリアは、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」と、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」と、が含まれる。また、入賞補助制御によって入賞する確率が上がる役(特定役)は、当選エリア「打順ベル1」〜当選エリア「打順ベル6」の当選時のベル、当選エリア「打順リプレイ1」〜当選エリア「打順リプレイ6」の当選時のRT2移行リプレイである。
また、指示機能状態制御手段400BによってAT状態が実行されている場合、演出制御手段180は、内部抽選手段120から送信される当選コマンドに基づき、特定役の入賞を補助する演出である入賞補助演出を実行する。例えば、演出制御手段180は、内部抽選で当選エリア「打順ベル1」に当選したことを示す当選コマンドが内部抽選手段120から送信された場合、ベルを入賞させることができる正解打順を演出装置300によって報知する入賞補助演出を実行する。
次に、本実施形態のスロットマシン1における有利期間の詳細について説明する。図6は、本実施形態の有利期間制御手段400Aによって制御される非有利期間と有利期間との詳細を示す図である。図6に示すように、非有利期間は、指示機能状態制御手段400Bによる入賞補助制御が実行されない期間である。有利期間制御手段400Aは、当選エリア「RBB1」と当選エリア「CBB」と以外の当選エリアに当選したことを契機とした有利期間移行抽選において「有利期間の開始」を決定した場合、つまり有利期間移行抽選で当選した場合と、当選エリア「RBB1」に当選したことを契機とした有利期間移行抽選で当選し、かつ当選エリア「RBB1」に当選した遊技においてRBBが入賞した場合と、当選エリア「CBB」に当選したことを契機とした有利期間移行抽選で当選し、かつ当選エリア「CBB」に当選した遊技においてCBBが入賞した場合と、に、今回の遊技で非有利期間を終了し次ゲームから有利期間を開始する。また、有利期間制御手段400Aは、当選エリア「RBB1」に当選したことを契機とした有利期間移行抽選で当選し、かつ当選エリア「RBB1」に当選した遊技においてRBBが入賞しなかった場合、今回の遊技で非有利期間を終了し次ゲームから待機期間を開始する。
待機期間は、有利期間制御手段400Aによる指示機能に係る一切の処理が禁止された期間である。待機期間が開始された場合、有利期間制御手段400Aは、RBB1が入賞するまで待機期間を継続し、RBB1が入賞した場合に、RBB1が入賞した遊技で待機期間を終了し次ゲームから有利期間を開始する。
有利期間は、指示機能状態制御手段400Bによる指示機能に係る処理が実行可能な期間である。有利期間が開始された場合、有利期間制御手段400Aは、有利期間を開始した遊技から主記憶手段190の有利期間終了判定カウンタ198に所定の遊技回数に対応する値(例えば、1500ゲーム)をセットし、1回の遊技が実行されるごとに1ゲームに相当する値である値「1」を有利期間終了判定カウンタ198の記憶値から減算(更新)し、1500ゲームの遊技が実行された場合、つまり有利期間終了判定カウンタ198の記憶値が値「0」になった場合に、有利期間を終了させる条件として特定終了条件が成立したと判定し、有利期間を終了させて次ゲームから非有利期間を開始する終了処理を実行する。また、有利期間制御手段400Aは、有利期間中に、少なくとも1回の入賞補助制御が実行された又はRBB1又はRBB2が作動した場合であり、かつ有利期間を終了するか否かを決定する終了抽選で「有利期間の終了」に決定された場合に、有利期間を終了させる条件として通常終了条件が成立したと判定し、有利期間を終了させて次ゲームから非有利期間を開始する終了処理を実行する。終了処理の実行時において、有利期間制御手段400Aは、有利期間においてON状態にセットした各フラグや有利期間において設定した値等の有利期間における各種制御処理で用いた情報をすべて初期化する。
なお、有利期間制御手段400Aは、有利期間中にRBB1又はRBB2が入賞した場合にも1回の遊技が実行されるごとに値「1」を有利期間終了判定カウンタの記憶値から減算する。また、指示機能状態制御手段400Bは、有利期間中に遊技状態がボーナス成立状態となった場合と、設定値記憶手段191に記憶されている設定値によって当選確率が変動する当選エリアである当選エリア「RBB2」に含まれるボーナスであるRBB2が作動している場合と、において、入賞補助制御を除く内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに基づく指示機能に係る制御を実行しないように構成されている。
稼働記録制御手段600は、主制御部10上に設けられ、主制御部10の初期稼働から記録される値である稼働記録を用いた制御の結果(稼働比率)を稼働記録表示装置としての比率表示装置610で表示可能にするための各種制御を実行する。ここで、稼働記録の記録を開始する時点である初期稼働とは、スロットマシン1が製造されて完成し、最初の遊技がされた時点を指し、スロットマシン1を製造する工場における出荷検査時に初めて遊技が行われた場合には、当該出荷検査時に初めて遊技が実行された時点を意味し、遊技場に設置されてから遊技が初めて実行された場合には、当該遊技場に設置されてから遊技が初めて実行された時点を意味する。
なお、稼働記録制御手段600は、初期稼働の時点として、出荷検査時に遊技が行われた場合であっても、遊技場に設置されてから遊技が初めて実行された時点を初期稼働の時点として設定してもよく、また、遊技場に設置されてから遊技場の店員が確認(検査)のために遊技を行った場合であっても、遊技場の店員ではなく遊技者によって最初の遊技が実行された時点を初期稼働の時点として設定してもよい。
まず、稼働記録制御手段600が実行する稼働記録を用いた制御のうち、比率表示装置610で表示する稼働比率に係る演算処理について説明する。本実施形態の稼働記録制御手段600は、稼働比率に係る演算処理によって、総遊技回数に対する有利期間の遊技回数の総数の比率である有利期間滞在比率と、遊技機が払い出したメダルの数(遊技価値の付与数)に対する第1種特別役物の作動中に遊技機が払い出したメダルの数の比率である連続役物比率と、遊技機が払い出したメダルの数に対する役物の作動中に遊技機が払い出したメダルの数の比率である役物比率と、を算出する。
本実施形態において、稼働記録制御手段600は、連続役物比率及び役物比率について、遊技6000回における値及び総遊技回数における値を算出する。ここで、役物とは、入賞を容易にするための特別の装置であり、役物としては第1種特別役物(レギュラーボーナス(RB))、第2種特別役物(チャレンジボーナス(CB))、普通役物(シングルボーナス(SB))などが存在する。すなわち、連続役物比率は、遊技機が払い出したメダルの数に対するRBの作動中に遊技機が払い出したメダルの数の比率であり、役物比率は、遊技機が払い出したメダルの数に対するRB、CB又はSBの作動中に遊技機が払い出したメダルの数の比率である。
まず、有利期間滞在比率を算出する手法について説明すると、本実施形態では、有利期間滞在比率を算出するためのデータとして遊技回数及び有利期間の遊技回数を集計する。具体的には、主記憶手段190は、図7に示すように、総遊技回数を記憶する総遊技回数カウンタ204(総遊技回数記憶手段の一例)及び有利期間の遊技回数の総数を記憶する有利期間遊技回数カウンタ205(有利期間遊技回数記憶手段の一例)を備え、これらのカウンタは主制御部10のRWMに予め設定された各3バイトの記憶領域により構成されており、記憶可能な最大の値、つまり記憶可能な値の上限となる上限値が、主制御部10のRWMに予め設定された容量(3バイト)より、3バイトの記憶領域に記憶させることができる値(例えば、値「16777215」)となっている。
そして、稼働記録制御手段600は、1回の遊技が行われるごとに、総遊技回数カウンタ204の記憶値に1回分の遊技に相当する一定値(例えば、値「1」)を加算するインクリメント更新を行う。なお、本実施形態では、総遊技回数カウンタ204の記憶値が上限値以下であり、総遊技回数カウンタ204をインクリメント更新可能である場合、遊技が行われると、遊技状態移行制御手段170が制御する遊技状態及び有利期間制御手段400Aが制御する期間に関わらずに総遊技回数カウンタ204のインクリメント更新を行う。これに対して、有利期間遊技回数カウンタ205に関しては、有利期間である場合に限って、1回の遊技が行われるごとに、有利期間遊技回数カウンタ205の記憶値に1回分の遊技に相当する一定値「1」を加算するインクリメント更新が行われる。なお、有利期間遊技回数カウンタ205の更新は、非有利期間において有利期間移行抽選に当選した遊技の次回の遊技から開始される。ただし、RBB1又はCBBの当選に基づく有利期間移行抽選に当選した場合には、当該ボーナスが入賞した遊技(有利期間への移行処理が行われた遊技)の次回の遊技から開始される。このように、本実施形態の稼働記録制御手段600は、1回の遊技が行われるごとに総遊技回数カウンタ204に記憶されている総遊技回数を更新し、有利期間において1回の遊技が行われるごとに有利期間遊技回数カウンタ205に記憶されている有利期間の遊技回数の総数を更新する更新処理を行う。
そして、稼働記録制御手段600は、総遊技回数カウンタ204に記憶されている総遊技回数(A1)及び有利期間遊技回数カウンタ205に記憶されている有利期間の遊技回数の総数(A2)に基づいて、「(A2×100)/A1」の演算を行って有利期間滞在比率(%)を算出する処理を行い、算出した有利期間滞在比率を比率記憶手段203の所定の記憶領域に上書きして記憶させる。なお、本実施形態の稼働記録制御手段600は、有利期間滞在比率を毎遊技算出し、具体的には、1回の遊技が行われるごとに、総遊技回数を更新するとともに有利期間であれば有利期間の遊技回数の総数も更新する更新処理を行ってから有利期間滞在比率を算出する。
続いて、連続役物比率及び役物比率を算出する手法について説明する。本実施形態のスロットマシン1では、ボーナスとしてRBB(RBB1,RBB2)とCBBとが設けられている。RBBは、RBの入賞図柄組合せの表示によらずにRBが連続で作動するものとなっており、CBBは、CBの入賞図柄組合せの表示によらずにCBが連続で作動するものとなっている。そして、本実施形態の稼働記録制御手段600は、連続役物比率及び役物比率を算出するためのデータとして、スロットマシン1が払い出したメダルの数である払出数、第1種特別役物の作動中に遊技機が払い出したメダルの数である連続役物払出数及び役物の作動中に遊技機が払い出したメダルの数である役物払出数を集計する。
具体的には、稼働記録制御手段600は、RBBの入賞に伴って移行する第1ボーナス状態である場合、すべての遊技において第1種特別役物であるRBが作動している状態であることから、第1ボーナス状態における払出数を連続役物払出数及び役物払出数として集計し、CBBの入賞に伴って移行する第2ボーナス状態である場合、すべての遊技において役物のうちの一つであるCBが作動している状態であることから、第2ボーナス状態における払出数を役物払出数としてのみ集計する。すなわち、本実施形態の稼働記録制御手段600は、連続役物払出数として第1ボーナス状態における払出数を集計し、役物払出数として第1ボーナス状態又は第2ボーナス状態における払出数を集計する。さらに、本実施形態の稼働記録制御手段600は、遊技6000回(所定集計期間の一例)における連続役物比率及び役物比率を算出するためのデータとして、遊技6000回を15分割したうちの1セット分の遊技回数である遊技400回(予め定められた基準集計期間の一例)における上記3種類のメダルの払出数を集計しつつ、遊技400回を1セットとして15セット分の上記3種類のメダルの払出数を1セットごとに個別に集計する。
本実施形態の主記憶手段190は、図7に示すように、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて遊技400回における累計を記憶する400回累計記憶手段199(基準集計期間累計記憶手段の一例)と、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて遊技400回を1セットとして15セット分のデータを1セットごとに個別に記憶する15セット個別記憶手段200(基準集計期間累計個別記憶手段の一例)と、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて15セットの累計を記憶する15セット累計記憶手段201(所定集計期間累計記憶手段の一例)と、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて総累計を記憶する総累計記憶手段202と、を備えている。
また、400回累計記憶手段199は、遊技400回における払出数の累計を記憶する400回累計第1カウンタ199a、遊技400回における連続役物払出数の累計を記憶する400回累計第2カウンタ199b及び遊技400回における役物払出数の累計を記憶する400回累計第3カウンタ199cを備えている。これらのカウンタは、主制御部10のRWMに予め設定された各2バイトの記憶領域により構成されている。
稼働記録制御手段600は、1回の遊技が行われた場合、リプレイが入賞した場合を除き、400回累計第1カウンタ199aの記憶値にスロットマシン1が払い出すメダル数に相当する値(例えば、1枚の払い出しが発生する場合であれば、1枚分のメダルの払出数に相当する値「1」)を加算する処理を行う。なお、本実施形態の稼働記録制御手段600は、400回累計第1カウンタ199aの記憶値を加算する処理を実行する場合には、遊技状態移行制御手段170が制御する遊技状態及び有利期間制御手段400Aが制御する期間に関わらず、400回累計第1カウンタ199aの記憶値を加算する。また、稼働記録制御手段600は、遊技状態が第1ボーナス状態である場合に限り、400回累計第2カウンタ199bの記憶値にスロットマシン1が払い出すメダル数に相当する値(例えば、1枚の払い出しが発生する場合であれば、1枚分のメダルの払出数に相当する値「1」)を加算する処理を行う。また、稼働記録制御手段600は、遊技状態が第1ボーナス状態又は第2ボーナス状態である場合に限り、400回累計第3カウンタ199cの記憶値にスロットマシン1が払い出すメダル数に相当する値(例えば、1枚分のメダルの払出数に相当する値「1」)を加算する処理を行う。
稼働記録制御手段600は、400回の遊技が行われるごとに400回累計記憶手段199のデータを15セット個別記憶手段200に転送し、総累計記憶手段202のデータが更新された後に400回累計記憶手段199を初期化するために、主記憶手段190のカウンタであり、初期化されてから400ゲーム分のデータを400回累計記憶手段199に記録したか否かを判定するためのカウンタである遊技400回カウンタ199d(図2参照)の記憶値に、メダルの払い出しの有無によらず、1回の遊技が行われるごとに1回分の遊技に相当する一定値(例えば、値「1」)を加算するインクリメント更新を行う。稼働記録制御手段600は、400回カウンタ199dの記憶値が値「400」となった場合に、初期化されている400回累計記憶手段199に400ゲーム分のデータを記録したと判定し、400回累計記憶手段199のデータを15セット個別記憶手段200に転送し、総累計記憶手段202のデータが更新された後に400回累計記憶手段199と遊技400回カウンタ199dとを初期化する。
このようにして、稼働記録制御手段600は、遊技400回における累計を400回累計記憶手段199に記憶する。なお、稼働記録制御手段600は、400回の遊技が行われたか否かの判定について、遊技400回カウンタ199dの記憶値に基づいて判定する構成に限らず、例えば総遊技回数カウンタ204の記憶値に基づいて判定するよう構成されていてもよい。
15セット個別記憶手段200は、図7に示すように、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて遊技400回を1セットとして15セット分のデータを1セットごとに個別に記憶する記憶領域として、それぞれの払出数について、主制御部10のRWMに予め設定された各2バイトの領域を15個ずつ備えている。15セット個別記憶手段200の各記憶領域では、遊技400回(1セット)における累計のデータを記憶するようになっている。払出数についてセットごとの個別累計を15セット分個別に記憶する15個の記憶領域、連続役物払出数についてセットごとの個別累計を15セット分個別に記憶する15個の記憶領域及び役物払出数についてセットごとの個別累計を15セット分個別に記憶する15個の記憶領域のそれぞれは、記憶領域の先頭から順次データを記憶して当該記憶領域の最後まできたら最初に戻って記憶するリングバッファとして構成されている。このため、例えば、1〜15セット目までのデータを15セット個別記憶手段200が記憶している状態で16セット目のデータを記憶する場合には、1セット目のデータを記憶した記憶領域に16セット目のデータが上書きされ、これにより最新のデータが最先に記憶されたデータに上書きされて記憶される。
また、15セット累計記憶手段201は、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて15セットの累計を記憶する記憶領域として主制御部10のRWMに予め設定された各3バイトの領域を備え、総累計記憶手段202は、払出数の総累計を記憶する総累計第1カウンタ202a、連続役物払出数の総累計を記憶する総累計第2カウンタ202b及び役物払出数の総累計を記憶する総累計第3カウンタ202cを備えている。総累計第1カウンタ202a〜総累計第3カウンタ202cは、主制御部10のRWMに予め設定された各3バイトの記憶領域により構成されており、記憶可能な値の上限となる上限値が、主制御部10のRWMに予め設定された容量(3バイト)より、3バイトの記憶領域に記憶させることができる値(例えば、値「16777215」)となっている。
そして、稼働記録制御手段600は、400回の遊技が行われるごとに、400回累計記憶手段199に記憶されている払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれに関する遊技400回における累計のデータ(400回累計第1カウンタ199a、400回累計第2カウンタ199b及び400回累計第3カウンタ199cの記憶値)を15セット個別記憶手段200に転送して記憶させる。このように、本実施形態の稼働記録制御手段600は、400回の遊技が行われるごとに、400回累計記憶手段199に記憶されている払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれに関する遊技400回における累計のデータを15セット個別記憶手段200に記憶させ、遊技6000回が経過した以降、400回の遊技が経過するごとに、400回累計記憶手段199に記憶されている払出数に関する遊技400回における累計のデータを、15セット個別記憶手段200に最先に記憶された払出数に関する遊技400回における累計のデータに上書きして記憶させ、400回累計記憶手段199に記憶されている連続役物払出数に関する遊技400回における累計のデータを、15セット個別記憶手段200に最先に記憶された連続役物払出数に関する遊技400回における累計のデータに上書きして記憶させ、400回累計記憶手段199に記憶されている役物払出数に関する遊技400回における累計のデータを、15セット個別記憶手段200に最先に記憶された役物払出数に関する遊技400回における累計のデータに上書きして記憶させる。
また、稼働記録制御手段600は、400回の遊技が行われるごとに、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて15セットの累計を更新する。具体的には、稼働記録制御手段600は、15セット個別記憶手段200に最新のデータが記憶されると、15セット個別記憶手段200に記憶されている、15セット分の払出数の総和、15セット分の連続役物払出数の総和及び15セット分の役物払出数の総和を算出し、算出した15セットの累計を15セット累計記憶手段201の所定の記憶領域に上書きして記憶させることによって15セットの累計を更新する。
そして、稼働記録制御手段600は、15セット累計記憶手段201に記憶されている、払出数の15セットの累計(B1)及び連続役物払出数の15セットの累計(B2)に基づいて、「(B2×100)/B1」の演算を行って遊技6000回における連続役物比率(%)を算出する処理並びに15セット累計記憶手段201に記憶されている、払出数の15セットの累計(B1)及び役物払出数の15セットの累計(B3)に基づいて、「(B3×100)/B1」の演算を行って遊技6000回における役物比率(%)を算出する処理を行い、算出した連続役物比率及び役物比率を比率記憶手段203の所定の記憶領域に上書きして記憶させる。
このように、本実施形態の稼働記録制御手段600は、400回の遊技が行われるごとに、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて15セットの累計を更新してから算出することで、遊技6000回における連続役物比率及び役物比率を算出する。
稼働記録制御手段600は、1回の遊技が行われた場合、リプレイが入賞した場合を除き、総累計記憶手段202の総累計第1カウンタ202aの記憶値にスロットマシン1が払い出すメダル数に相当する値(例えば、1枚のメダルの払い出しが発生する場合であれば、1枚分のメダルの払出数に相当する値「1」)を加算する処理を行う。なお、本実施形態の稼働記録制御手段600は、総累計第1カウンタ202aの記憶値に払出数を加算しても上限値以下となり、総累計第1カウンタ202aに払出数に相当する値を加算可能である状態であり、かつ総累計第1カウンタ202aの記憶値に払出数を加算する処理を実行する場合には、遊技状態移行制御手段170が制御する遊技状態及び有利期間制御手段400Aが制御する期間に関わらず、総累計第1カウンタ202aの記憶値を加算する。また、稼働記録制御手段600は、遊技状態が第1ボーナス状態である場合に限り、総累計第2カウンタ202bの記憶値にスロットマシン1が払い出すメダル数に相当する値(例えば、1枚のメダルの払い出しが発生する場合であれば、1枚分のメダルの払出数に相当する値「1」)を加算する処理を行う。また、稼働記録制御手段600は、遊技状態が第1ボーナス状態又は第2ボーナス状態である場合に限り、総累計第3カウンタ202cの記憶値にスロットマシン1が払い出すメダル数に相当する値(例えば、1枚のメダルの払い出しが発生する場合であれば、1枚分のメダルの払出数に相当する値「1」)を加算する処理を行う。
このように、稼働記録制御手段600は、総累計記憶手段202に払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれを累積してカウントすることによって総累計(払出総数、連続役物払出総数及び役物払出総数)を記憶し、リプレイが入賞しなかった場合には、1回の遊技が行われるごとに総累計を更新可能な処理を実行する。
なお、本実施形態の稼働記録制御手段600は、リプレイが入賞した場合を除き1回の遊技が行われるごとに総累計を更新する場合に限られず、1枚以上のメダルの払い出しが発生するごとに総累計を更新するようにしてもよく、この場合、メダルの払い出しが発生するごとに総累計第1カウンタ202aを必ず更新し、遊技状態が第1ボーナス状態である場合に限りメダルの払い出しが発生するごとに総累計第2カウンタ202bを更新し、遊技状態が第1ボーナス状態又は第2ボーナス状態である場合に限りメダルの払い出しが発生するごとに総累計第3カウンタ202cを更新するようにしてもよい。また、稼働記録制御手段600は、400回の遊技が実行される都度、400回累計記憶手段199に記憶されている各値を総累計記憶手段202に加算することで、400回の遊技が実行される都度総累計記憶手段202を更新するようにしてもよい。
稼働記録制御手段600は、総累計第1カウンタ202aに記憶されている払出数の総累計(C1)及び総累計第2カウンタ202bに記憶されている連続役物払出数の総累計(C2)に基づいて、「(C2×100)/C1」の演算を行って総遊技回数における連続役物比率(%)を算出する処理並びに総累計第1カウンタ202aに記憶されている払出数の総累計(C1)及び総累計第3カウンタ202cに記憶されている役物払出数の総累計(C3)に基づいて、「(C3×100)/C1」の演算を行って総遊技回数における役物比率(%)を算出する処理を行い、算出した連続役物比率及び役物比率を比率記憶手段203の所定の記憶領域に上書きして記憶させる。
このように、本実施形態の稼働記録制御手段600は、総累計記憶手段202の記憶値を加算する処理を実行するごとに、総遊技回数における連続役物比率及び総遊技回数における役物比率を算出する。
なお、本実施形態の稼働記録制御手段600は、総累計記憶手段202のうち総累計第1カウンタ202aに記憶されている払出数の総累計にスロットマシン1が払い出すメダル数に相当する値を加算する処理(累計加算処理)を行う際に、主記憶手段190の総累計カウンタ上限フラグ記憶手段206に記憶されている総累計カウンタ上限フラグのON/OFF状態を参照し、総累計カウンタ上限フラグがOFF状態である場合に、スロットマシン1が払い出すメダル数に相当する値を加算する処理を実行するように構成されている。また、稼働記録制御手段600は、スロットマシン1が払い出すメダル数に相当する値を加算する処理を実行することで総累計第1カウンタ202aが記憶可能な値の上限を超過する場合に、累計加算処理を行うことで総累計第1カウンタ202aの記憶可能な値の上限を超過したと判定し、主記憶手段190の総累計カウンタ上限フラグ記憶手段206に記憶されている総累計カウンタ上限フラグをON状態にセットする。
つまり、本実施形態の稼働記録制御手段600は、スロットマシン1が払い出すメダル数に相当する値を加算する処理を実行する際において、総累計カウンタ上限フラグ記憶手段206に記憶されている総累計カウンタ上限フラグのON/OFF状態を参照することで、前回までの遊技で総累計第1カウンタ202aの記憶値にスロットマシン1が払い出すメダル数に相当する値を加算することで総累計第1カウンタ202aに記憶可能な上限となる値を超過したか否かを判定している。
この、総累計カウンタ上限フラグが、本実施形態における総累計第1カウンタ202aに記憶される値が記憶可能な値の上限を超過したか否かを記憶する情報(超過情報)を構成し、総累計カウンタ上限フラグ記憶手段206が、総累計第1カウンタ202aに記憶される値が記憶可能な値の上限を超過したか否かを記憶する情報を記憶する記憶手段(超過情報記憶手段)を構成する。
また、総累計記憶手段202の総累計第1カウンタ202aに記憶されている払出数の総累計が、本実施形態における遊技価値の付与数の累計である累計付与数(累計払出数)を構成し、総累計記憶手段202の総累計第2カウンタ202bに記憶されている連続役物払出数の総累計が、本実施形態における連続役物の作動中における遊技価値の付与数の累計である累計連続役物付与数(累計連続役物払出数)を構成し、総累計記憶手段202の総累計第3カウンタ202cに記憶されている役物払出数の総累計が、本実施形態における役物の作動中における遊技価値の付与数の累計である累計役物付与数(累計役物払出数)を構成する。
また、累計付与数を記憶し、記憶可能な値の上限となる第1上限値として3バイトの記憶領域に記憶させることができる値(例えば、値「16777215」)が設定された総累計第1カウンタ202aが、本実施形態における累計付与数カウンタを構成し、累計役物付与数を記憶し、記憶可能な値の上限となる第2上限値として3バイトの記憶領域に記憶させることができる値(例えば、値「16777215」)が設定された総累計第3カウンタ202cが、本実施形態における累計役物付与数カウンタを構成し、累計連続役物付与数を記憶し、記憶可能な値の上限となる第3上限値として3バイトの記憶領域に記憶させることができる値(例えば、値「16777215」)が設定された総累計第2カウンタ202bが、本実施形態における累計連続役物付与数カウンタを構成する。
なお、本実施形態の400回累計記憶手段199は、上述したように、400回の遊技が行われるごとに稼働記録制御手段600によって初期化されるが、それ以外の契機では、主制御部10のRWMの異常エラーや、主制御部10のRWMのバックアップエラーといった、主制御部10のRWMに関するエラーが発生した場合を除き初期化されないことでデータが保持されるように構成されており、例えば、第1ボーナス状態又は第2ボーナス状態の開始又は終了、有利期間の開始又は終了といった契機によって初期化されないことで、データが保持されるように構成されている。また、15セット個別記憶手段200、15セット累計記憶手段201、総累計記憶手段202、比率記憶手段203、総遊技回数カウンタ204及び有利期間遊技回数カウンタ205については、主制御部10のRWMに関するエラーが発生した場合を除き、どのような状況においても初期化されることが無く、常にデータを保持するように構成されており、例えば、第1ボーナス状態又は第2ボーナス状態の開始又は終了、有利期間の開始又は終了等を含むいずれの契機が発生しても初期化されずにデータが保持されるように構成されている。
主制御部10のRWMに関するエラーが発生した場合に、400回累計記憶手段199、15セット個別記憶手段200、15セット累計記憶手段201、総累計記憶手段202、比率記憶手段203、総遊技回数カウンタ204及び有利期間遊技回数カウンタ205を初期化することで、本実施形態のスロットマシン1は、エラーの発生により信頼度が低下したRWMの値を用いた演算が実行されてしまうことを防ぐことができる。
また、400回累計記憶手段199、15セット個別記憶手段200、15セット累計記憶手段201、総累計記憶手段202、比率記憶手段203、総遊技回数カウンタ204及び有利期間遊技回数カウンタ205は、遊技機に設けられた操作手段に対する操作によって初期化されずにデータが保持されるように構成されており、例えば、設定値が変更された場合でも初期化されずにデータが保持され、電源のON/OFFによっても初期化されずにデータが保持されるようになっている。
次に、稼働記録制御手段600が実行する演算処理の結果を比率表示装置610に送信し比率表示装置610に表示させる制御について説明する。本実施形態の稼働記録制御手段600は、主制御部10上に設けられた比率表示装置610の表示を制御する。
図8は、主制御部10と、主制御部10を収納する基板ケース350と、を示す図である。図8に示すように、主制御部10の表面には、比率表示装置610が設けられている。また、主制御部10は、ケース本体352及びケース蓋体354により構成される透明又は半透明な基板ケース350に収納される。
ケース本体352には、貫通する穴であるピン係止孔362を有する本体側連結部358が長手方向一方側に設けられている。また、ケース蓋体354は、貫通する穴であるピン挿通孔を有する蓋体側連結部360が、長手方向一方側のうち短手方向の位置がケース本体352の本体側連結部358と略同一の位置に設けられている。
基板ケース350は、ケース本体352とケース蓋体354とが連結する場合、本体側連結部358が蓋体側連結部360の内部に収納され、ピン係止孔362とピン挿通孔とのそれぞれの中心軸の位置が略同一の位置となる。この状態において、基板ケース350は、先端部分の形状が、先端から後端へ向かって互いに離れる方向へ広がる矢じり形状に形成され、弾性変形可能なピンである連結ピン356がピン挿通孔を介してピン係止孔362に挿通される。ここで、ピン係止孔362の直径は、連結ピン356の先端部分の形状のうち最も広がる両端部間の距離よりも短いものとなっている。
このため、基板ケース350では、連結ピン356がピン係止孔362を通過する際に弾性変形し、先端部分の形状のうち最も広がる両端部間の距離がピン係止孔362の直径と略同一となる。また、基板ケース350では、連結ピン356の先端部分がピン係止孔362を通過した場合、連結ピン356の先端部分が自身の弾性力により元の形状に復元されることで、先端部分の形状のうち最も広がる両端部間の距離がピン係止孔362の直径よりも長い形状に復元され、再度ピン係止孔362を通過することができなくなる。
これにより、基板ケース350は、ケース本体352とケース蓋体354とが連結ピン356、本体側連結部358及び蓋体側連結部360によって連結されることで、基板ケース350内に収納している主制御部10及び主制御部10の表面に設けられた比率表示装置610を、封印することができる。
図9は、主制御部10を内包する基板ケース350を収納箱BXに取り付けた状態を示す図である。図9に示すように、スロットマシン1では、主制御部10を内包する基板ケース350を収納箱BXに取り付けた場合、主制御部10上に設けられた比率表示装置610の表示が、前面上扉UDを開放した状態で正面から視認可能となるように、リールユニット310(図2参照)の上方に設置される。なお、上述したキーシリンダ270及び設定変更ボタン280は、図9に示すように、リールユニット310の下方に設けられた電源装置290の前面に設けられているが、例えば主制御部10上に設けられていてもよい。
次に、比率表示装置610の詳細について説明する。図10は、主制御部10に設けられた比率表示装置610を示す図である。図10(A)に示すように、本実施形態の比率表示装置610は、7セグメント表示器のセグメントを駆動する回路であるセグメントドライバと、4桁の数字を表示可能な7セグメント表示器と、から構成されている。比率表示装置610を構成する7セグメント表示器の各桁の表示部は、図10(B)に示すように、数字の「8」の字状に配置された7つのセグメントA〜Gと、セグメントA〜Gの右下に配置されたドット形状のセグメントHと、から構成されており、セグメントドライバが、稼働記録制御手段600からの表示制御信号に応答して7セグメント表示器の各セグメントを駆動するセグメント駆動信号を出力して7セグメント表示器の表示態様を変化させる。これにより、稼働記録制御手段600は、8ビットのデータで8つのセグメントA〜Hのそれぞれの点灯・消灯を制御し、比率表示装置610による数字や記号等の種々の表示が可能となっている。
本実施形態の稼働記録制御手段600は、有利期間滞在比率(%)と、遊技6000回における連続役物比率(%)及び役物比率(%)と、総遊技回数における連続役物比率(%)及び役物比率(%)と、を比率表示装置610に順次表示させる制御を行う。具体的には、稼働記録制御手段600は、電源が投入されると、比率記憶手段203のデータに基づいて、有利期間滞在比率の数値と、遊技6000回における連続役物比率の数値と、遊技6000回における役物比率の数値と、総遊技回数における連続役物比率の数値と、総遊技回数における役物比率の数値と、のそれぞれの表示制御信号について、各数値が表示される時間である表示時間(例えば5秒)が経過するごとに各数値の表示態様を示す表示制御信号を比率表示装置610に送信することで、各数値を比率表示装置610に順次表示させる。
図11は、本実施形態における比率表示装置610に表示される表示態様の一例を示す図である。図11に示すように、本実施形態の比率表示装置610に表示される表示態様では、有利期間滞在比率を示す識別記号として「7U」、遊技6000回における連続役物比率を示す識別記号として「6y」、遊技6000回における役物比率を示す識別記号として「7y」、総遊技回数における連続役物比率を示す識別記号として「6A」、総遊技回数における役物比率を示す識別記号として「7A」が予め設定されている。
比率表示装置610は、4桁の数字を表示可能な表示部のうち、上位2桁の表示部を有利期間滞在比率等の識別記号を表示する表示領域として設定され、下位2桁の表示部を有利期間滞在比率等の数値を表示する表示領域として設定されている。このため、本実施形態の稼働記録制御手段600は、比率表示装置610の下位2桁の表示部の表示に対応する識別記号を、比率表示装置610の上位2桁の表示部に表示させることによって、下位2桁の表示部の表示が、有利期間滞在比率、遊技6000回における連続役物比率、遊技6000回における役物比率、総遊技回数における連続役物比率又は総遊技回数における役物比率のいずれであるかが明確となるように、比率表示装置610に表示させることができる。なお、本実施形態の稼働記録制御手段600は、比率表示装置610の下位2桁の表示部を有利期間滞在比率等の数値を表示する表示領域としているため、有利期間滞在比率等の数値を表示させる場合に、小数点以下を切り捨てた数値を比率表示装置610に表示させる。
副制御部20は、主制御部10から送信される各種信号に基づき、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて演出表示装置330、音響装置340を含む演出装置300等の出力手段の動作を制御する。副制御部20の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRWMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。本実施形態の副制御部20は、プロセッサとして、CPU(以下、副制御部20のCPUを「サブCPU」とも記載)を有している。また、副制御部20は、副制御部20のROM上に、演出制御手段180及び副記憶手段181を設けている。副制御部20を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、副記憶手段181に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
演出制御手段180は、主制御部10から送信された各種信号と、副記憶手段181の演出データ記憶手段182に記憶されている演出データと、に基づいて、例えば、演出表示装置330を用いて行う表示演出や音響装置340を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出に係る制御を行う。具体的には、メダルの投入、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜ストップボタンB3に対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプ及びLEDの点灯あるいは点滅、演出表示装置330の表示内容の変化、スピーカからの音の出力等を実行することにより、遊技を盛り上げる演出や、特定の役を入賞させることができる打順や押下タイミングを報知することで特定の役の入賞を補助する演出である入賞補助演出等の遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
また、演出制御手段180は、各演出状態に基づく演出を演出装置300を構成する各構成に実行させる。なお、本実施形態において、演出制御手段180は、乱数を用いる抽選処理ごとに、副制御部20の乱数生成手段の乱数格納領域から乱数を取得し、副記憶手段181の演出抽選テーブル記憶手段183に記憶されている複数の演出抽選テーブルのうち、各抽選処理に必要な演出抽選テーブルを用いて各抽選処理を実行する。
2.メインCPUのメモリーマップ
次に、本実施形態のスロットマシン1における主制御部10のメインCPUのROM及びRWMのメモリーマップについて説明する。図12は、主制御部10のメインCPUのROM及びRWMのメモリーマップを示す図である。図12に示すように、本実施形態において、主制御部10は、遊技の進行を制御するモジュールである遊技制御処理モジュールが記述された領域である使用領域と、遊技制御処理モジュール以外のモジュールである別処理モジュールが記述された領域である別領域と、が区分されたメモリであるROM及びRWMを有している。
本実施形態の主制御部10は、設定変更手段100、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、有利期間制御手段400A及び指示機能状態制御手段400Bとして機能するモジュールである遊技制御処理モジュールのプログラム命令コードを、規定容量(制御領域4.5KB)内のアドレス0000H〜11FFHの領域に記述している。また、主制御部10は、遊技制御処理モジュールのプログラムデータを、規定容量(データ領域3.0KB)内のアドレス1200H〜1DF3Hの領域に記述している。この、主制御部10のROMにおけるアドレス0000H〜11FFHの領域と、アドレス1200H〜1DF3Hの領域と、は、遊技制御処理モジュールが記述された領域であり、本実施形態における使用領域を構成する。
主制御部10は、未使用領域、コメント領域の後ろ、アドレス1F00H〜2FBFHに、不正な改造その他の変更を防止する観点からのセキュリティ関連処理及び稼働記録制御手段600として機能するモジュール等の遊技機規則で定める試験関連信号処理等を担う、遊技制御処理モジュール以外の別処理モジュールのプログラム命令コード及びデータを記述している。この、主制御部10のROMにおけるアドレス1F00H〜2FBFHの領域は、遊技制御処理モジュール以外の別処理モジュールが記述された領域であり、本実施形態における別領域を構成する。また、稼働記録制御手段600として機能するモジュールは、本実施形態における別処理モジュールに含まれる。
主制御部10は、プログラム管理エリア、ハード的に領域のないエリアの後ろ、アドレスF000H〜F1FFHの512バイトに使用領域のRWMを設けており、本実施形態における使用領域を構成している。また、主制御部10は、アドレスF200H〜F3FFHの512バイトに別領域のRWMを設けており、本実施形態における別領域を構成している。そして、主制御部10において、F400H〜FFFFHは、ハード的に領域のないエリアである。なお、使用領域における遊技制御処理モジュールのプログラム命令コード及び別領域における別処理モジュールのプログラム命令コードは、アセンブラ言語で記述されている。
主制御部10は、使用領域のRWMのうち、F000H〜F13FHに、有利期間終了判定カウンタ198等の、使用領域のプログラムに係るタイマ、カウンタ、フラグ等のワーク領域を確保し、F140H〜F1BFHの未使用領域の後ろ、F1C0H〜F1FFHに使用領域のスタック領域を確保している。また、主制御部10は、使用領域のRWMにおいて、レジスタを使用領域で使用しており、裏レジスタについては未使用となっている。
また、主制御部10は、別領域のRWMのうち、F200H〜F20FHの未使用領域の後ろ、F210H〜F22FHに、400回累計記憶手段199、遊技400回カウンタ199d、15セット個別記憶手段200、15セット累計記憶手段201、総累計記憶手段202、比率記憶手段203、総遊技回数カウンタ204、有利期間遊技回数カウンタ205、総累計カウンタ上限フラグ記憶手段206等の別領域のプログラムに係るタイマ、カウンタ、フラグ等のワーク領域を確保し、F230H〜F246Hに別領域のスタック領域を確保し、F247H〜F3FFHを未使用領域としている。
主制御部10は、別領域に記述されているプログラムについて、使用領域から呼び出すことで実行可能となるように構成されている。つまり、別領域に記述され別処理モジュールとして機能する稼働記録制御手段600は、使用領域に記述されている遊技制御処理モジュールとして機能する設定変更手段100、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、有利期間制御手段400A及び指示機能状態制御手段400Bのいずれかから呼び出されることで、制御処理を実行可能となるように構成されている。
また、主制御部10は、別領域に記述された別処理モジュールを呼び出す際に、4バイトの命令コードを用いて呼び出している。このため、本実施形態のスロットマシン1は、別処理モジュールを構成する命令コードが4バイト以上である場合、4バイトを超える分について使用領域の容量を節約することができる。
なお、別領域に記述されているプログラムは、使用領域のプログラムから静的に呼び出された上で実行されるように構成されており、これら別領域に記述されているプログラムと使用領域に記述されたプログラムとが同時に実行されることがないように構成されている。また、使用領域又は別領域から互いの領域にあるRWMへのアクセスは、参照のみが許されており、更新することは出来ないように構成されている。加えて、別領域の制御領域から使用領域の制御領域にあるサブルーチンを呼び出すことは、できないように構成されている。
また、主制御部10は、別領域に記述されているプログラムの実行時において、実行のためのサブルーチンが使用領域に組まれた処理であり、予め定められた周期(例えば、1.49msごと)で実行する処理である割り込み処理の実行を禁止するように構成されている。このため、スロットマシン1では、別領域に記述されているプログラムの実行開始から実行終了までの時間が、割り込み処理が実行される周期よりも長い時間となってしまった場合、1回の割り込み処理が実行されなくなってしまう。
主制御部10による割り込み処理においては、スタートスイッチ230から送信されるスタート信号の検出や、主制御部10から副制御部20へのコマンド信号の送信といった、遊技の進行に係る制御や演出に係る制御等に関係する多様な処理を実行している。このため、スロットマシン1においては、別領域に記述されているプログラムを実行した際に、実行開始から実行終了までの時間が、割り込み処理が実行される周期よりも長い時間となってしまった場合に、遊技の進行に係る制御や演出に係る制御においてエラーが発生してしまう虞があり、別領域に記述されているプログラムの実行に必要な時間の短縮が求められている。
本実施形態の稼働記録制御手段600は、払出制御手段150によって呼び出されることで、比率表示装置610に表示する主制御部10の稼働記録を演算する処理である稼働記録演算処理を実行するように構成されている。また、稼働記録制御手段600は、主制御部10が実行する割り込み処理のうち、遊技情報表示部DS及び比率表示装置610への表示に係る制御処理を実行する際に、主制御部10に呼び出されることで、稼働記録演算処理で演算した稼働比率と該稼働比率に対応する識別記号とを比率表示装置610に表示するために、比率表示装置610に表示制御信号を送信する処理を実行するように構成されている。
なお、稼働記録制御手段600は、比率表示装置610に表示制御信号を送信する処理において、所定の時間である5秒が経過するごとに比率表示装置610に送信する表示制御信号を切り換えることで、比率表示装置610に、有利期間滞在比率を示す識別記号及び有利期間滞在比率を示す数値と、遊技6000回における連続役物比率を示す識別記号及び遊技6000回における連続役物比率を示す数値と、遊技6000回における役物比率を示す識別記号及び遊技6000回における役物比率を示す数値と、総遊技回数における連続役物比率を示す識別記号及び総遊技回数における連続役物比率を示す数値と、総遊技回数における役物比率を示す識別記号及び総遊技回数における役物比率を示す数値と、を順次表示させている。
3.累計連続役物比率及び累計役物比率の算出に係る制御処理
次に、図13を参照して、本実施形態に係るスロットマシン1において、稼働記録制御手段600が実行する比率表示装置610に表示する稼働記録の演算結果を算出する処理である稼働記録演算処理の一部について説明する。
<稼働記録演算処理>
図13は、払出制御手段150によるメダルの払い出しに係る制御である払出制御の実行時において、使用領域のモジュールである払出制御手段150によって稼働記録制御手段600が呼び出されることで、稼働記録制御手段600によって実行されるサブルーチンである稼働記録演算処理のうち、累計連続役物比率及び累計役物比率の算出に係る処理を示す図である。
本実施形態の稼働記録制御手段600は、スタートレバーSLが開始操作されてから有効なストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作され、リール制御手段130によるリール停止制御によって有効ラインL1上に図柄組合せが表示されて、入賞判定手段140により役の入賞の有無が判定されることで、1回の遊技の結果が出た後である払出制御の実行時において、比率表示装置610に表示する有利期間滞在比率を示す数値と、遊技6000回における連続役物比率を示す数値と、遊技6000回における役物比率を示す数値と、総遊技回数における連続役物比率を示す数値と、総遊技回数における役物比率を示す数値と、演算する稼働記録演算処理を実行する。図13は、稼働記録演算処理のうち、総遊技回数における連続役物比率を示す数値と、総遊技回数における役物比率を示す数値と、演算する処理について説明するフローチャートである。
稼働記録演算処理において、まず、稼働記録制御手段600は、遊技回数を集計する遊技回数集計処理を実行する。遊技回数集計処理において、稼働記録制御手段600は、まず、総遊技回数カウンタ204の記憶値を加算するための処理である回数加算処理を実行する(S1)。この処理において、稼働記録制御手段600は、1回の遊技が実行されたことから、1ゲームに相当する値である値「1」を総遊技回数カウンタ204に加算するために、総遊技回数カウンタ204の記憶値に値「1」を加算した結果を算出する回数加算処理を実行する。
次に、稼働記録制御手段600は、ステップS1の処理で実行した回数加算処理によって算出された値が、総遊技回数カウンタ204に記憶可能な上限値を超えるか否かを判定する(S2)。この処理において、稼働記録制御手段600は、回数加算処理によって算出された値が、主制御部10のRWMに予め設定された容量である3バイトの総遊技回数カウンタ204に記憶させることができる上限値を超えるか否かを判定している。
稼働記録制御手段600は、回数加算処理で算出した値が総遊技回数カウンタ204の上限値を超えると判定した場合には(YES)、回数加算処理で算出した値を、総遊技回数カウンタ204、つまり主制御部10のRWMに記憶させることなくステップS4に処理を進める。一方、稼働記録制御手段600は、回数加算処理で算出した値が総遊技回数カウンタ204の上限値を超えないと判定した場合には(NO)、1回の遊技が実行されたことから、1ゲームに相当する値である値「1」を総遊技回数カウンタ204の記憶値に加算するインクリメント更新を実行する(S3)。この処理において、稼働記録制御手段600は、総遊技回数カウンタ204の記憶値を1加算することで、ステップS1の処理で実行した回数加算処理の結果を主制御部10のRWMに記憶させる。
ステップS3の処理を実行した後又はステップS2の処理において、回数加算処理によって算出した値が総遊技回数カウンタ204の上限値を超えると判定した場合には(YES)、稼働記録制御手段600は、今回の遊技において入賞した役がリプレイであるか否かを判定する(S4)。この処理において、稼働記録制御手段600は、今回の遊技においてリプレイが入賞したか否かを判定することで、メダルの払い出しに係る情報を記憶する領域に記憶された値、つまり付与する遊技価値に対応する値である付与値が、リプレイの入賞によってセットされたものであるか否かを判定している。
ステップS4の処理において、今回の遊技においてリプレイが入賞したと判定した場合には(YES)、稼働記録制御手段600は、メダルの再投入が実行されるもののメダルをホッパーユニット320から払い出すことがないリプレイの入賞に基づきメダルの払い出しに係る情報を記憶する領域に付与値が記憶されたと判定し、メダルの払い出しが実行されないにもかかわらず総累計記憶手段202に付与値が加算されることを防ぐために、稼働記録演算処理を終了する。
一方、ステップS4の処理において、今回の遊技においてリプレイが入賞していないと判定した場合には(NO)、稼働記録制御手段600は、総累計カウンタ上限フラグ記憶手段206に記憶されている総累計カウンタ上限フラグがON状態であるか否かを判定する(S5)。この処理において、稼働記録制御手段600は、総累計カウンタ上限フラグがON状態であるか否かを判定することで、前回の遊技までに既に総累計第1カウンタ202aの払出数加算処理を実行した際に総累計第1カウンタ202aの記憶値と付与値との合計が第1上限値である値「16777215」以上となっており、総累計第1カウンタ202aの記憶値に値を加算することができない状態となっているか否かを判定しており、総累計カウンタ上限フラグがON状態であると判定した場合には(YES)、ステップS6以降の処理を実行することなく稼働記録演算処理を終了する。
このように、本実施形態のスロットマシン1は、一度総累計第1カウンタ202aの記憶値が上限値以上となった場合には、総累計カウンタ上限フラグをON状態にセットし、以降の総累計第1カウンタ202a〜総累計第3カウンタ202cへの付与値の加算に係る処理の実行を省略することで、総累計第1カウンタ202aの記憶値が上限値以上となった後の遊技において総累計第2カウンタ202bや総累計第3カウンタ202cの記憶値に付与値が加算されてしまい、実際の総遊技回数における連続役物比率及び総遊技回数における役物比率と総累計第1カウンタ202a〜総累計第3カウンタ202cから算出される総遊技回数における連続役物比率及び総遊技回数における役物比率とに乖離が生じてしまうことを防ぐことができる。
また、本実施形態のスロットマシン1は、一度総累計第1カウンタ202aの記憶値が上限値以上となった場合には、総累計カウンタ上限フラグをON状態にセットし、以降の総累計第1カウンタ202a〜総累計第3カウンタ202cへの付与値の加算に係る処理及び総遊技回数における連続役物比率と総遊技回数における役物比率とを算出処理のステップS6〜ステップS16の処理の実行を省略することができるため、総累計第1カウンタ202a〜総累計第3カウンタ202cへの付与値の加算に係る処理及び総遊技回数における連続役物比率と総遊技回数における役物比率とを算出処理に係る制御における処理速度を向上させることができ、稼働記録を用いた制御である稼働記録演算処理が割り込み処理を実行する周期(約1.49ms)よりも長い時間となってしまい、1回の割り込み処理が実行されなくなってしまうことで、遊技の進行に影響を与えることを防ぐことができる。
一方、ステップS5の処理において、総累計カウンタ上限フラグがOFF状態であると判定した場合には(NO)、稼働記録制御手段600は、総累計第1カウンタ202aの記憶値を加算するための処理である総累計第1カウンタ202aの払出数加算処理を実行する(S6)。この処理において、稼働記録制御手段600は、今回の遊技で払い出されるメダルの払出数に相当する値である付与値を総累計第1カウンタ202aに加算するために、総累計第1カウンタ202aの記憶値に付与値を加算した結果を算出する総累計第1カウンタ202aの払出数加算処理を実行する。
次に、稼働記録制御手段600は、ステップS6の処理で実行した総累計第1カウンタ202aの払出数加算処理によって算出された値が、総累計第1カウンタ202aに記憶可能な上限値を超えるか否かを判定する(S7)。この処理において、稼働記録制御手段600は、総累計第1カウンタ202aの払出数加算処理によって算出された値が、主制御部10のRWMに予め設定された容量である3バイトの総累計第1カウンタ202aに記憶させることができる第1上限値である値「16777215」を超えるか否かを判定している。
ステップS7の処理において、総累計第1カウンタ202aの払出数加算処理で算出した値が総累計第1カウンタ202aの上限値を超えないと判定した場合には(NO)、稼働記録制御手段600は、付与値を総累計第1カウンタ202aの記憶値に加算する(S8)。この処理において、稼働記録制御手段600は、付与値を総累計第1カウンタ202aに加算することで、ステップS6の処理で実行した総累計第1カウンタ202aの払出数加算処理の結果を主制御部10のRWMに記憶させる。
ステップS8の処理を実行した後、稼働記録制御手段600は、今回の遊技がボーナス状態における遊技であったか否かを判定する(S9)。この処理において、稼働記録制御手段600は、今回の遊技において、RBB1,RBB2又はCBBのいずれかが作動していたか否かを判定しており、いずれのボーナスも作動しておらず今回の遊技がボーナス状態以外での遊技であると判定した場合には(NO)、ステップS10〜ステップS14の処理を実行することなくステップS15に処理を進める。
一方、ステップS9の処理において、RBB1,RBB2又はCBBのいずれかが作動していたと判定した場合には(YES)、稼働記録制御手段600は、総累計第3カウンタ202cの記憶値を加算するための処理である総累計第3カウンタ202cの払出数加算処理を実行する(S10)。この処理において、稼働記録制御手段600は、今回の遊技で払い出されるメダルの払出数に相当する値である付与値を総累計第3カウンタ202cに加算するために、総累計第3カウンタ202cの記憶値に付与値を加算した結果を算出する総累計第3カウンタ202cの払出数加算処理を実行する。
次に、稼働記録制御手段600は、付与値を総累計第3カウンタ202cの記憶値に加算する(S11)。この処理において、稼働記録制御手段600は、付与値を総累計第3カウンタ202cに加算することで、ステップS10の処理で実行した総累計第3カウンタ202cの払出数加算処理の結果を主制御部10のRWMに記憶させる。
本実施形態のスロットマシン1においては、総累計第3カウンタ202cの払出数加算処理を実行した際に総累計第3カウンタ202cの記憶値が記憶可能な上限となる第2上限値を超過するのが、第2上限値が第1上限値と同値の値「16777215」に設定されていることから、毎回のメダルの払い出しが役物の作動時に行われた場合、つまり総累計第1カウンタ202aの払出数加算処理を実行することで総累計第1カウンタ202aの記憶値が記憶可能な上限となる第1上限値を超過する場合と同時な場合に限られており、ステップS7の処理において総累計第1カウンタ202aの記憶値に付与値を加算しても第1上限値を超過しない場合には、必然的に総累計第3カウンタ202cの払出数加算処理を実行しても総累計第3カウンタ202cの記憶値が第2上限値を超過することがないため、総累計第3カウンタ202cの払出数加算処理の実行後に第2上限値を超過したか否かを判定することなく総累計第3カウンタ202cの記憶値に付与値を加算するように構成されている。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、総累計第3カウンタ202cへの付与値の加算に係る処理における処理速度を向上させることができ、稼働記録を用いた制御である稼働記録演算処理が割り込み処理を実行する周期(約1.49ms)よりも長い時間となってしまい、1回の割り込み処理が実行されなくなってしまうことで、遊技の進行に影響を与えることを防ぐことができる。
ステップS11の処理を実行した後、稼働記録制御手段600は、今回の遊技が第1ボーナス状態における遊技であったか否かを判定する(S12)。この処理において、稼働記録制御手段600は、今回の遊技において、RBB1又はRBB2のいずれかが作動していたか否かを判定しており、RBB1及びRBB2のいずれもが作動しておらず今回の遊技が第2ボーナス状態での遊技であると判定した場合には(NO)、ステップS13、ステップS14の処理を実行することなくステップS15に処理を進める。
一方、ステップS12の処理において、RBB1又はRBB2のいずれかが作動していたと判定した場合には(YES)、稼働記録制御手段600は、総累計第2カウンタ202bの記憶値を加算するための処理である総累計第2カウンタ202bの払出数加算処理を実行する(S13)。この処理において、稼働記録制御手段600は、今回の遊技で払い出されるメダルの払出数に相当する値である付与値を総累計第2カウンタ202bに加算するために、総累計第2カウンタ202bの記憶値に付与値を加算した結果を算出する総累計第2カウンタ202bの払出数加算処理を実行する。
次に、稼働記録制御手段600は、付与値を総累計第2カウンタ202bの記憶値に加算する(S14)。この処理において、稼働記録制御手段600は、付与値を総累計第2カウンタ202bに加算することで、ステップS13の処理で実行した総累計第2カウンタ202bの払出数加算処理の結果を主制御部10のRWMに記憶させる。
本実施形態のスロットマシン1においては、総累計第2カウンタ202bの払出数加算処理を実行した際に総累計第2カウンタ202bの記憶値が記憶可能な上限となる第3上限値を超過するのが、第3上限値が第1上限値と同値の値「16777215」に設定されていることから、毎回のメダルの払い出しが連続役物の作動時に行われた場合、つまり総累計第1カウンタ202aの払出数加算処理を実行することで総累計第1カウンタ202aの記憶値が記憶可能な上限となる第1上限値を超過する場合と同時な場合に限られており、ステップS7の処理において総累計第1カウンタ202aの記憶値に付与値を加算しても第1上限値を超過しない場合には、必然的に総累計第2カウンタ202bの払出数加算処理を実行しても総累計第2カウンタ202bの記憶値が第3上限値を超過することがないため、総累計第2カウンタ202bの払出数加算処理の実行後に第3上限値を超過したか否かを判定することなく総累計第2カウンタ202bの記憶値に付与値を加算するように構成されている。
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、総累計第2カウンタ202bへの付与値の加算に係る処理における処理速度を向上させることができ、稼働記録を用いた制御である稼働記録演算処理が割り込み処理を実行する周期(約1.49ms)よりも長い時間となってしまい、1回の割り込み処理が実行されなくなってしまうことで、遊技の進行に影響を与えることを防ぐことができる。
ステップS14の処理を実行した後、ステップS9の処理において、今回の遊技がボーナス状態以外の遊技状態での遊技であったと判定した場合(NO)又はステップS12の処理において、今回の遊技が第2ボーナス状態での遊技であったと判定した場合には(NO)、稼働記録制御手段600は、総遊技回数における連続役物比率と総遊技回数における役物比率とを算出し(S15)、稼働記録演算処理を終了する。この処理において、稼働記録制御手段600は、連続役物比率の総遊技回数における値と、役物比率の総遊技回数における値と、を算出する。
連続役物比率の総遊技回数における値を算出する場合、稼働記録制御手段600は、総累計第1カウンタ202aに記憶されている払出数の総累計(C1)及び総累計第2カウンタ202bに記憶されている連続役物払出数の総累計(C2)に基づいて、総遊技回数における連続役物比率(=(C2×100)/C1)(%)を算出し比率記憶手段203に記憶させる。
役物比率の総遊技回数における値を算出する場合、稼働記録制御手段600は、総累計第1カウンタ202aに記憶されている払出数の総累計(C1)及び総累計第3カウンタ202cに記憶されている連続役物払出数の総累計(C3)に基づいて、総遊技回数における役物比率(=(C3×100)/C1)(%)を算出し比率記憶手段203に記憶させる。
ステップS7の処理において、総累計第1カウンタ202aの払出数加算処理で算出した値が総累計第1カウンタ202aの第1上限値を超えると判定した場合には(YES)、稼働記録制御手段600は、総累計カウンタ上限フラグ記憶手段206に記憶されている総累計カウンタ上限フラグをON状態にセットし(S16)、稼働記録演算処理を終了する。この処理において、稼働記録制御手段600は、今回の総累計第1カウンタ202aの払出数加算処理によって、総累計第1カウンタ202aの記憶値に付与値を加算した際に総累計第1カウンタ202aの記憶可能な上限となる値を超過したことから、総累計カウンタ上限フラグをON状態にセットし、次回以降のステップS5の処理を実行時において、ステップS6以降の処理を実行することなく稼働記録演算処理を終了することができるようにしている。
また、稼働記録制御手段600は、ステップS7の処理において総累計第1カウンタ202aの払出数加算処理で算出した値が総累計第1カウンタ202aの第1上限値を超えると判定した場合(YES)には、ステップS8〜ステップS15の処理の実行をスキップ(省略)してステップS16の処理を実行することで、ステップS7の処理で総累計第1カウンタ202aの第1上限値を超えると判定した場合に、総累計第1カウンタ202a〜総累計第3カウンタ202cの記憶値に付与値を加算せずに、総累計第1カウンタ202a〜総累計第3カウンタ202cの記憶値を変更しないように構成されている。
このように、メダルの払い出し(遊技価値の付与)に伴い、総累計第1カウンタ202aに記憶された値に、払い出すメダル(付与する遊技価値)に対応する値である付与値を加算するステップS6の処理が、本実施形態における累計加算処理を構成する。また、役物の作動中におけるメダルの払い出し(遊技価値の付与)に伴い、総累計第3カウンタ202cに記憶された値に、払い出すメダル(付与する遊技価値)に対応する値である付与値を加算するステップS10の処理が、本実施形態における累計役物加算処理を構成する。また、第1種特別役物の作動中におけるメダルの払い出し(遊技価値の付与)に伴い、総累計第2カウンタ202bに記憶された値に、払い出すメダル(付与する遊技価値)に対応する値である付与値を加算するステップS13の処理が、本実施形態における累計連続役物加算処理を構成する。また、ステップS6、ステップS10及びステップS13の処理を含む図13に示すステップS1〜ステップS16の処理(稼働記録演算処理)が、本実施形態における累計加算制御を構成する。また、ステップS6の処理によって総累計第1カウンタ202aの記憶値が記憶可能な値の上限を超過するか否かを判定するステップS7の処理が、本実施形態における上限判定処理を構成する。また、ステップS7の処理によって総累計第1カウンタ202aの記憶値が記憶可能な値の上限を超過すると判定した場合に、ステップS16の処理を実行し、以降の稼働記録演算処理の実行時において、ステップS6〜ステップS16の処理をスキップ(省略)することで不実行にする(ステップS6、ステップS10及びステップS13の処理を実行せず、総累計第1カウンタ202aの記憶値と、総累計第2カウンタ202bの記憶値と、総累計第3カウンタ202cの記憶値と、を変更しないようにする)ステップS5の処理が、本実施形態における不実行処理を構成する。また、総遊技回数における連続役物比率及び総遊技回数における役物比率を算出するステップS15の処理は、本実施形態における累計払出数と、累計役物払出数と、の比率である累計役物比率を算出する処理である累計役物比率算出処理を構成する。また、総遊技回数における連続役物比率と、総遊技回数における役物比率と、は、本実施形態における累計役物比率を構成する。また、累計役物比率を算出する演算と、算出した累計役物比率を比率表示装置610に送信して表示させる稼働記録制御手段600は、本実施形態における役物比率制御手段を構成する。そして、累計役物比率を表示可能な比率表示装置610は、本実施形態における役比表示装置を構成する。
<比率表示装置による表示>
次に、比率表示装置610による表示について、図14を用いて説明する。図14は、本実施形態のスロットマシン1における比率表示装置610による表示の一例を示す図である。
上述したように、稼働記録制御手段600は、主制御部10が実行する割り込み処理のうち、主制御表示装置500への表示に係る制御処理を実行する際に、主制御部10に呼び出されることで、稼働記録演算処理で演算した結果を比率表示装置610に表示するために比率表示装置610に表示制御信号を送信する処理を実行するように構成されている。ここで、稼働記録制御手段600は、表示時間ごとに送信する表示制御信号として、現在主制御部10によって表示制御信号を出力する先として選択されている比率表示装置610を構成する7セグメント表示器において、セグメントA〜Hのいずれを点灯させるかを特定する信号を送信する。
図14(A)に示すように、本実施形態のスロットマシン1においては、電源がOFF状態である場合、主制御部10上に設けられた比率表示装置610には何も表示されておらず、電源が投入されON状態になると、比率記憶手段203のデータに基づいて、有利期間滞在比率を比率表示装置610に表示する。具体的には、スロットマシン1は、図14(B)に示すように、有利期間滞在比率を示す識別記号「7U」を比率表示装置610の上位2桁の表示部に表示するとともに、有利期間滞在比率の数値を比率表示装置610の下位2桁の表示部に表示する。なお、図14(B)に示す例は、有利期間滞在比率(%)として「70」の数値を表示させた場合の例となっており、有利期間滞在比率が70%であることを示している。
また、スロットマシン1では、有利期間滞在比率の識別記号及び数値の表示が開始されると、表示時間(例えば5秒)の計時を開始し、以降5秒経過するごとに比率表示装置610に表示する記号及び数値を変更する。スロットマシン1では、有利期間滞在比率の識別記号及び数値を表示してから5秒経過した場合、比率記憶手段203のデータに基づいて、遊技6000回における連続役物比率を比率表示装置610に表示する。具体的には、スロットマシン1は、図14(C)に示すように、有利期間滞在比率を示す識別記号「7U」に替えて遊技6000回における連続役物比率を示す識別記号「6y」を比率表示装置610の上位2桁の表示部に表示するとともに、有利期間滞在比率の数値に替えて遊技6000回における連続役物比率の数値を比率表示装置610の下位2桁の表示部に表示する。なお、図14(C)に示す例は、遊技6000回における連続役物比率(%)として「60」の数値を表示させた場合の例となっており、遊技6000回における連続役物比率が60%であることを示している。
また、スロットマシン1は、遊技6000回における連続役物比率の識別記号及び数値の表示を開始してから5秒経過した場合、比率記憶手段203のデータに基づいて、遊技6000回における役物比率を比率表示装置610に表示する。具体的には、スロットマシン1は、図14(D)に示すように、遊技6000回における連続役物比率を示す識別記号「6y」に替えて遊技6000回における役物比率を示す識別記号「7y」を比率表示装置610の上位2桁の表示部に表示するとともに、遊技6000回における連続役物比率の数値に替えて遊技6000回における役物比率の数値を比率表示装置610の下位2桁の表示部に表示する。なお、図14(D)に示す例は、遊技6000回における役物比率(%)として「70」の数値を表示させた場合の例となっており、遊技6000回における役物比率が70%であることを示している。
また、スロットマシン1は、遊技6000回における役物比率の識別記号及び数値の表示を開始してから5秒が経過した場合、比率記憶手段203のデータに基づいて、総遊技回数における連続役物比率を比率表示装置610に表示する。具体的には、図14(E)に示すように、遊技6000回における役物比率を示す識別記号「7y」に替えて総遊技回数における連続役物比率を示す識別記号「6A」を比率表示装置610の上位2桁の表示部に表示するとともに、遊技6000回における役物比率の数値に替えて総遊技回数における連続役物比率の数値を比率表示装置610の下位2桁の表示部に表示する。なお、図14(E)に示す例は、総遊技回数における連続役物比率(%)として「60」の数値を表示させた場合の例となっており、総遊技回数における連続役物比率が60%であることを示している。
また、スロットマシン1は、総遊技回数における連続役物比率の識別記号及び数値の表示を開始してから5秒経過した場合、比率記憶手段203のデータに基づいて、総遊技回数における役物比率を比率表示装置610に表示する。具体的には、スロットマシン1は、図14(F)に示すように、総遊技回数における連続役物比率を示す識別記号「6A」に替えて総遊技回数における役物比率を示す識別記号「7A」を比率表示装置610の上位2桁の表示部に表示するとともに、総遊技回数における連続役物比率の数値に替えて総遊技回数における役物比率の数値を比率表示装置610の下位2桁の表示部に表示する。なお、図14(F)に示す例は、総遊技回数における役物比率(%)として「70」の数値を表示させた場合の例となっており、総遊技回数における役物比率が70%であることを示している。
また、スロットマシン1は、総遊技回数における役物比率の識別記号及び数値の表示を開始してから5秒経過した場合、図14(B)に示すように、比率記憶手段203のデータに基づいて、有利期間滞在比率の識別記号及び数値の表示を再び開始し、以降は、上述と同様に5秒経過するごとに、図14(B)〜図14(F)に示す順序で比率表示装置610の表示を切り替えるように構成されている。
そして、スロットマシン1は、図14(B)〜図14(F)に示す表示を比率表示装置610に循環的に表示させている間に電源がOFF状態になると、図14(G)に示すように、有利期間滞在比率等の表示を終了する。このように、本実施形態のスロットマシン1では、電源がON状態では常に有利期間滞在比率等を循環的に表示し、電源がOFF状態になるまで有利期間滞在比率等を循環的に表示し続けるようになっている。また、スロットマシン1では、有利期間滞在比率等を表示する際には比率記憶手段203のデータに基づいて表示するため、1回の遊技が行われて有利期間滞在比率が稼働記録制御手段600によって更新された場合や、400回の遊技が行われて遊技6000回又は総遊技回数における連続役物比率及び役物比率が稼働記録制御手段600によって更新された場合にも、最新の数値を表示することができる。
<本実施形態のまとめ>
以上のように、本実施形態のスロットマシン1は、メダルの払い出しが実行される際における稼働記録制御手段600による稼働記録演算処理(図13参照)の実行時に、総累計第1カウンタ202aの払出数加算処理の結果、総累計第1カウンタ202aの記憶値に付与値を加算すると第1上限値を超過する場合に、ステップS8〜ステップS15の処理をスキップ(省略)することで総累計第1カウンタ202a〜総累計第3カウンタ202cに付与値を加算せず、かつ以降の稼働記録演算処理において、ステップS6〜ステップS16の処理をスキップ(省略)することで不実行にするステップS5の処理を実行することで、総累計第1カウンタ202a〜総累計第3カウンタ202cの記憶値を変更しないように構成されている。
このため、本実施形態のスロットマシン1は、総累計第1カウンタ202aの記憶値が上限値を超過する直前の正確な総遊技回数における連続役物比率及び総遊技回数における役物比率を維持することができ、遊技価値の付与数の累計から求められる比率の正確性を担保することができる。
4.変形例
なお、本実施形態において、稼働記録制御手段600は、稼働記録演算処理(図13参照)のステップS7の処理において、総累計第1カウンタ202aの払出数加算処理の結果総累計第1カウンタ202aの記憶値が第1上限値を超えると判定した場合に、ステップS16の処理を実行し総累計カウンタ上限フラグをON状態にセットすることで、以降のステップS5の処理の実行時に、ステップS6〜ステップS16の処理の不実行を決定し、総累計第1カウンタ202a〜総累計第3カウンタ202cの記憶値を変更しないように構成されているが、これに限定されない。稼働記録制御手段600は、例えば、総累計カウンタ上限フラグがON状態にセットされた場合には、ステップS6の処理やステップS10、ステップS13の処理の実行時に付与値として値「0」を加算することで総累計第1カウンタ202a〜総累計第3カウンタ202cの記憶値を変更しないように構成されていてもよく、ステップS6、ステップS10、ステップS13の処理を実行した後に、主制御部10のRWMに実行した結果を記憶させることなく破棄するように構成されていてもよく、総累計第1カウンタ202a〜総累計第3カウンタ202cの記憶値を変更しないように構成されていれば、その具体的な方法については本実施形態に限定されない。
また、本実施形態において、稼働記録制御手段600は、上限判定処理について、総累計第1カウンタ202aの記憶値が記憶可能な値の上限を超過するか否かを判定するように構成されているが、これに限定されない。稼働記録制御手段600は、総累計第2カウンタ202bと総累計第3カウンタ202cとのいずれか又は双方のカウンタについても、各カウンタの払出数加算処理の実行後に記憶可能な値の上限を超過するか否かを判定するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、稼働記録制御手段600は、総累計第1カウンタ202aに記憶可能な第1上限値について、主制御部10のRWMに予め設定された容量(3バイト)に基づき、3バイトの容量に記憶可能な値(例えば値「16777215」)を第1上限値と設定しているが、これに限らず、例えば、総累計第1カウンタ202aに記憶させることができる値であり、かつ予め設定された所定の値として、値「15000000」等の、容量に基づかない値を第1上限値として設定してもよい。また、稼働記録制御手段600は、総累計第2カウンタ202bの第3上限値、総累計第3カウンタ202cの第2上限値についても同様に、容量に基づかない値を上限値として設定してもよい。また、第1上限値〜第3上限値は、必ずしも同値である必要はなく、それぞれ異なる値に設定されていてもよい。
なお、このように構成された場合、稼働記録制御手段600は、総累計第1カウンタ202a〜総累計第3カウンタ202cの記憶値に付与値を加算する各カウンタの払出数加算処理の実行時において、各カウンタの記憶可能な上限値を超過するか否かを判定するように構成し、いずれかのカウンタにおいて記憶可能な上限値を超過すると判定した場合には、当該稼働記録演算処理において付与値を加算しかつ上限値を超過しなかったと判定したカウンタについて、付与値の加算を取り消すように構成される必要がある。
また、本実施形態において、稼働記録制御手段600は、総累計第1カウンタ202a〜総累計第3カウンタ202cの記憶値にメダルの払出数を加算する際において、演算の結果各カウンタに設定されている上限値を超過した場合に、該演算の結果上限値を超過したカウンタについて上限値を記憶させるように構成されているが、これに限らず、例えば、上限値を超過したという情報を記憶するとともに、上限値を超過した値を新たな記憶値として設定し、以降の総遊技回数における連続役物比率と総遊技回数における役物比率との演算時において、各カウンタの記憶値と上限値を超過したという情報の有無とを参照して総遊技回数における連続役物比率と総遊技回数における役物比率とを算出するように構成されていてもよい。
具体的には、稼働記録制御手段600は、例えば、記憶値が値「16777210」の総累計第1カウンタ202aに総累計第1カウンタ202aの払出数加算処理を実行し値「14」を総累計第1カウンタ202aの記憶値に加算することで総累計第1カウンタ202aの第1上限値である値「16777215」を超過し、記憶値が値「11700014」の総累計第3カウンタ202cに総累計第3カウンタ202cの払出数加算処理を実行し値「14」を総累計第3カウンタ202cに加算することで総累計第3カウンタ202cの第2上限値である値「16777215」を超過しない場合、総累計第1カウンタ202aについては、値「16777215」を超過した値である値「8」を記憶値として設定するとともに、第1上限値を超過したという情報を記憶し、総累計第3カウンタ202cについては、値「11700028」を記憶する。そして、稼働記録制御手段600は、総遊技回数における役物比率の算出時において、総累計第1カウンタ202aの記憶値である値「8」と、第1上限値を超過したという情報と、を参照し、第1上限値を超過したという情報に基づき現在の総累計第1カウンタ202aの記憶値に第1上限値を加算した値である値「16777224」を用いて総遊技回数における役物比率を算出するように構成されていてもよい。
このように構成された場合、スロットマシン1は、主制御部10のRWMに予め設定された容量を超過したメダルの払出数となった場合にも、継続して正確な総遊技回数における連続役物比率及び総遊技回数における役物比率を算出することができる。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、総累計第1カウンタ202a〜総累計第3カウンタ202c、総遊技回数カウンタ204及び有利期間遊技回数カウンタ205について、それぞれ3バイトの記憶領域によって構成されているが、これに限らず、少なくとも1つのカウンタについて、4バイトで構成されていてもよく、5バイト以上の記憶領域によって構成されていてもよい。
また、本実施形態において、稼働記録制御手段600は、払出数集計処理として、払出数と、連続役物払出数と、役物払出数と、を集計するが、これに限定されない。稼働記録制御手段600は、例えばスロットマシン1がボーナスとしてRBB及びRBを有しない構成であれば、払出数集計処理の実行時において、払出数と、役物払出数と、を集計すればよい。また、稼働記録制御手段600は、例えばスロットマシン1がいずれのボーナスも有しない構成であれば、払出数集計処理の実行時において、払出数を集計すればよい。
また、本実施形態において、稼働記録制御手段600は、稼働記録演算処理において、遊技回数集計処理と、払出数集計処理と、比率算出処理と、を実行するが、これに限定されない。稼働記録制御手段600は、例えば、スロットマシン1がボーナス及び有利期間を有しない構成である場合には、稼働記録演算処理において、遊技回数集計処理と、払出数集計処理と、を実行するように構成されていればよい。また、稼働記録制御手段600は、例えば、スロットマシン1が有利期間を有しない構成である場合には、比率算出処理として、連続役物比率と役物比率とを算出するように構成されていればよく、スロットマシン1がボーナスとしてRBB及びRBを有しておらず、かつ有利期間を有しない構成である場合には、比率算出処理として、役物比率を算出するように構成されていればよい。
また、本実施形態において、稼働記録制御手段600は、遊技6000回における連続役物比率と、遊技6000回における役物比率と、総遊技回数における連続役物比率と、総遊技回数における役物比率と、を算出するように構成されているが、これに限らず、例えば、遊技6000回における連続役物比率と、遊技6000回における役物比率と、を算出し、総遊技回数における連続役物比率と、総遊技回数における役物比率と、については算出しないように構成されていてもよい。また、稼働記録制御手段600は、総遊技回数における連続役物比率と、総遊技回数における役物比率と、を算出し、遊技6000回における連続役物比率と、遊技6000回における役物比率と、については算出しないように構成されていてもよい。
つまり、稼働記録制御手段600は、有利期間、連続役物、役物の3つの要素について、スロットマシン1が有しない要素については、該有していない要素の比率を算出するための処理を実行しないように構成されていてもよく、また、いずれの要素も有している場合であっても、比率を算出する要素について、予め定められていれば、算出する要素を任意の要素に限定するように構成されていてもよい。このように構成された場合、稼働記録制御手段600は、算出していない要素の表示について、値「−−」を比率表示装置610に表示するように構成されていればよい。具体的には、例えばスロットマシン1が有利期間を有していない場合、稼働記録制御手段600は、有利期間滞在比率の表示時において、有利期間滞在比率を示す識別記号「7U」を比率表示装置610の上位2桁の表示部に表示するとともに、有利期間滞在比率の数値として値「−−」を比率表示装置610の下位2桁の表示部に表示する。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、比率表示装置610に表示する複数の稼働記録として、有利期間滞在比率と、遊技6000回における連続役物比率と、遊技6000回における役物比率と、総遊技回数における連続役物比率と、総遊技回数における役物比率と、を有しているが、これに限らず、例えば稼働記録として総遊技回数に対する有利期間における払出数の比率を比率表示装置610に表示するように構成されていてもよく、比率表示装置610において表示する稼働記録は本実施形態に限定されるものではない。
また、本実施形態において、稼働記録制御手段600は、電源が投入されたことに基づいて有利期間滞在比率等の識別記号及び数値を比率表示装置610に順次表示させるように構成されているが、これに限らず、例えば、電源が投入されている状態で前面上扉UD又は前面下扉DDが開放されたことに基づいて有利期間滞在比率等の識別記号及び数値の表示を開始し、前面上扉UD又は前面下扉DDが閉じられたことに基づいて有利期間滞在比率等の識別記号及び数値の表示を終了するようにしてもよい。
また、稼働記録制御手段600は、例えば、入賞判定処理が行われて遊技の結果が確定してから次回の遊技を行うためにメダルが投入状態に設定されるまでの間(非遊技中)に設定変更ボタン280が押下されたことに基づいて有利期間滞在比率等の識別記号及び数値の表示を開始し、前面上扉UD又は前面下扉DDが閉じられたことに基づいて有利期間滞在比率等の識別記号及び数値の表示を終了するようにしてもよい。
具体的には、本実施形態のスロットマシン1では、設定変更ボタン280を操作するには前面下扉DDを開放する必要があり、電源が投入されている状態で前面下扉DDが開放されると、スロットマシン1がエラー状態に制御され、ドア開放エラー以外のエラーが発生していないことを条件としてエラーの種別がドア開放エラーに設定される。なお、本実施形態のスロットマシン1では、エラーとして、前面下扉DDの開放によるドア開放エラーの他に、ホッパーユニット320にメダルが無くなることによるホッパーエンプティエラー、メダル投入口MIから投入されたメダルを検出するセレクター(図示省略)内にメダルが詰まることによるセレクターエラーなどが存在し、ドア開放エラーよりも他のエラーが優先されるようになっており、ドア開放エラーを含む複数種類のエラーが発生している場合には他のエラーを解消しなければドア開放エラーに設定されないようになっている。
そして、本変形例における稼働記録制御手段600は、非遊技中であってエラー状態においてエラーの種別がドア開放エラーに設定されている場合に、設定変更ボタン280が押下されたことに基づいて有利期間滞在比率等の識別記号及び数値の表示を開始し、前面上扉UD又は前面下扉DDが閉じられたことに基づいて有利期間滞在比率等の識別記号及び数値の表示を終了するように構成されていてもよい。
なお、稼働記録制御手段600による稼働記録の表示の開始契機は、設定変更ボタン280の操作に限られるものではなく、例えば、非遊技中の前面下扉DDの開放に基づくエラー状態における、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB又は精算ボタンBSの操作に基づいて有利期間滞在比率等の表示を開始するようにしてもよい。
また、稼働記録制御手段600は、設定変更ボタン280等の操作が行われるごとに、図14に示す順序で有利期間滞在比率の識別記号及び数値から順に表示を切り替えるように構成されていてもよい。また、稼働記録制御手段600は、電源が投入されている状態で前面上扉UD又は前面下扉DDが開放されたことや、非遊技中であってエラー状態においてエラーの種別がドア開放エラーに設定されている場合に所定の操作手段(例えば、設定変更ボタン280等)に対する操作が行われたことに基づいて有利期間滞在比率、遊技6000回又は総遊技回数における連続役物比率及び役物比率を算出するようにしてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、主制御部10上に設けられた比率表示装置610に有利期間滞在比率等の識別記号及び数値を表示させるように構成されているが、これに限定されない。スロットマシン1は、主制御部10が動作を制御するデバイスである遊技情報表示部DSにおいて有利期間滞在比率等の識別記号及び数値を表示させるように構成されていてもよい。このように構成された場合、スロットマシン1は、例えば、遊技情報表示部DSのうち払出数を表示する表示部に有利期間滞在比率等の数値を表示し、遊技情報表示部DSのうちクレジット数を表示する表示部に有利期間滞在比率等の識別記号を表示するように構成されていてもよい。
このように構成された場合、稼働記録制御手段600は、非遊技中のドア開放エラーに基づくエラー状態において所定の操作手段(例えば、設定変更ボタン280等)に対する操作が行われたことに基づいて有利期間滞在比率の識別記号及び数値から順に図14に示す順序で循環的に有利期間滞在比率等の識別記号及び数値を表示させ、表示時間(例えば、5秒)が経過するごとに図14に示す順序で遊技情報表示部DSの表示を切り替え、前面下扉DDが閉じられたことに基づいて有利期間滞在比率等の識別記号及び数値の表示を終了するようにしてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、4桁の7セグメント表示器を有する比率表示装置610によって稼働記録を表示するように構成されているが、これに限らず、例えば2桁の7セグメント表示器を有する表示装置によって稼働記録を表示するように構成されていてもよい。このように構成された場合、稼働記録制御手段600は、非遊技中のドア開放エラーに基づくエラー状態において所定の操作手段(例えば、設定変更ボタン280等)に対する操作が行われたことに基づいて、「有利期間滞在比率の識別記号→有利期間滞在比率の数値→遊技6000回における連続役物比率の識別記号→遊技6000回における連続役物比率の数値→遊技6000回における役物比率の識別記号→遊技6000回における役物比率の数値→総遊技回数における連続役物比率の識別記号→総遊技回数における連続役物比率の数値→総遊技回数における役物比率の識別記号→総遊技回数における役物比率の数値→有利期間滞在比率の識別記号→・・・」の順序で循環的に有利期間滞在比率等の識別記号及び数値を表示させ、表示時間(例えば、5秒)が経過する毎に上述した順序で2桁の7セグメント表示器を有する表示装置の表示を切り替え、前面下扉DDが閉じられたことに基づいて有利期間滞在比率等の識別記号及び数値の表示を終了するようにしてもよい。なお、稼働記録制御手段600は、非遊技中のドア開放エラーに基づくエラー状態において所定の操作手段(例えば、設定変更ボタン280等)に対する操作が行われたことに基づいて有利期間滞在比率、遊技6000回又は総遊技回数における連続役物比率及び役物比率を算出するようにしてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、主制御部10上に比率表示装置610を設けることとしたが、比率表示装置610を搭載する基板(以下、比率表示装置基板)を主制御部10とは別に設け、主制御部10及び比率表示装置基板をハーネスで接続し、主制御部10、比率表示装置610が搭載された比率表示装置基板及びこれらの基板を接続するハーネスを、基板ケース350に収納して封印するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、RBBとして、RBが連続で作動するRBB1,RBB2を有しているが、これに限らず、例えば、RBBとして、当該ボーナス中にRBを抽選し、RBの入賞図柄組合せが表示された場合にRBが作動するRBB(以下、RBB3と記載)を有するように構成されていてもよい。
このように構成された場合、スロットマシン1は、RBB3が入賞した場合、遊技状態を第1ボーナス状態、第2ボーナス状態とは異なる第3ボーナス状態に移行させる。第3ボーナス状態において、スロットマシン1は、RBB一般遊技と、RB遊技と、を実行可能に構成されている。スロットマシン1は、RBB一般遊技において、小役の当選確率を非ボーナス状態と同一に設定しつつRBを抽選対象に設定して内部抽選を行い、RBが当選して当該ボーナスの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示されたことに基づいて、RBを作動させてRB遊技を開始する。また、スロットマシン1は、RB遊技において、非ボーナス状態よりも高確率で小役が当選するように内部抽選を行い、RB状態での遊技回数及び小役の入賞回数に基づいて、RB状態の終了条件が成立したか否かを判断し、RB状態での遊技回数が所定回数(例えば12回)に達したこと又はRB状態での小役の入賞回数が所定回数(例えば8回)に達したことのいずれかの終了条件が成立したことを契機としてRB状態を終了させてRBB一般遊技を再開する。そして、スロットマシン1は、RBB一般遊技及びRB遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた終了予定払出数を超えるメダルが払い出されると、第3ボーナス状態を終了させて、遊技状態を非ボーナス状態へ復帰させる。
このように構成された場合、稼働記録制御手段600は、第3ボーナス状態での遊技のうち、RBB一般遊技中である場合には、第1種特別役物の作動中でも役物の作動中でもないことから、スロットマシン1が払い出したメダル数を連続役物払出数、役物払出数のいずれとしても集計せず、RB遊技中である場合には、第1種特別役物の作動中であって役物の作動中であることから、スロットマシン1が払い出したメダル数を連続役物払出数、役物払出数のいずれとしても集計する。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、CBBとして、CBが連続で作動するCBBを有しているが、これに限らず、例えば、CBBとして、当該ボーナス中にCBを抽選し、CBの入賞図柄組合せが表示された場合にCBが作動するCBB(以下、CBB2と記載)を有するように構成されていてもよい。
このように構成された場合、スロットマシン1は、CBB2が入賞した場合、遊技状態を第1ボーナス状態〜第3ボーナス状態とは異なる第4ボーナス状態に移行させる。第4ボーナス状態において、スロットマシン1は、CBB一般遊技と、CB遊技と、を実行可能に構成されている。スロットマシン1は、RBB一般遊技において、小役の当選確率を非ボーナス状態と同一に設定しつつCBを抽選対象に設定して内部抽選を行い、CBが当選して当該ボーナスの入賞図柄組合せが有効ラインL1上に表示されたことに基づいて、CBを作動させてCB遊技を開始する。また、スロットマシン1は、CB遊技において、内部抽選の結果に関わらずに強制的にすべての小役の抽選フラグを成立状態に設定し、CB状態で1回の遊技が行われたことを契機として、CB状態の終了条件が成立したと判断してCB状態を終了させてCBB一般遊技を再開する。そして、スロットマシン1は、CBB一般遊技及びCB遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた終了予定払出数を超えるメダルが払い出されると、第4ボーナス状態を終了させて、遊技状態を非ボーナス状態へ復帰させる。
このように構成された場合、稼働記録制御手段600は、第4ボーナス状態での遊技のうち、CBB一般遊技中である場合には、第1種特別役物の作動中でも他の役物の作動中でもないことから、スロットマシン1が払い出したメダル数を連続役物払出数、役物払出数のいずれとしても集計せず、CB遊技中である場合には、第1種特別役物の作動中ではないものの第2種特別役物の作動中であることから、スロットマシン1が払い出したメダル数を役物払出数として集計する。
なお、RBB一般遊技においてスロットマシン1が払い出したメダル数及びCBB一般遊技においてスロットマシン1が払い出したメダル数は、連続役物払出数としても役物払出数としても稼働記録制御手段600に集計されないが、スロットマシン1が払い出したメダル数である払出数として稼働記録制御手段600に集計される。
また、本実施形態の稼働記録制御手段600は、遊技6000回における連続役物比率又は役物比率を表示させる場合に、総遊技回数が6000回未満であった場合には、遊技6000回における連続役物比率を示す識別記号「6y」又は遊技6000回における役物比率を示す識別記号「7y」を点滅表示させることで、遊技回数が6000回に達していないこと報知するように構成されていてもよい。すなわち、稼働記録制御手段600は、総遊技回数が6000回以上であった場合には遊技6000回における連続役物比率を示す識別記号「6y」又は遊技6000回における役物比率を示す識別記号「7y」を点灯表示(第1の態様又は通常の態様で表示)させ、総遊技回数が6000回未満であった場合には、遊技6000回における連続役物比率を示す識別記号「6y」又は遊技6000回における役物比率を示す識別記号「7y」を点滅表示(第2の態様又は特定の態様で表示)させるように構成されていてもよい。
また、稼働記録制御手段600は、有利期間滞在比率又は総遊技回数における連続役物比率もしくは役物比率を表示させる場合に、総遊技回数が所定回数(例えば175000回)未満であった場合(有利期間滞在比率又は総遊技回数における連続役物比率もしくは役物比率が収束するのに十分な量のデータを集計していない場合)には、有利期間滞在比率を示す識別記号「7U」、総遊技回数における連続役物比率を示す識別記号「6A」又は総遊技回数における役物比率を示す識別記号「7A」を点滅表示させるように構成されていてもよい。すなわち、稼働記録制御手段600は、総遊技回数が所定回数以上であった場合には、有利期間滞在比率を示す識別記号「7U」、総遊技回数における連続役物比率を示す識別記号「6A」、又は総遊技回数における役物比率を示す識別記号「7A」を点灯表示(第1の態様又は通常の態様で表示)させ、総遊技回数が所定回数(例えば、175000回)未満であった場合には有利期間滞在比率を示す識別記号「7U」、総遊技回数における連続役物比率を示す識別記号「6A」、又は総遊技回数における役物比率を示す識別記号「7A」を点滅表示(第2の態様又は特定の態様で表示)させるように構成されていてもよい。
また、稼働記録制御手段600は、有利期間滞在比率等の数値を比率表示装置610に表示させる場合に、算出した比率の数値が当該比率に対して予め定められた上限値未満であった場合には当該比率の数値を点灯表示(第1の態様又は通常の態様で表示)させ、算出した比率の数値が当該比率に対して予め定められた上限値以上であった場合には当該比率の数値を点滅表示(第2の態様又は特定の態様で表示)させるように構成されていてもよい。なお、本実施形態の稼働記録制御手段600は、上述した通り、有利期間滞在比率等の数値を表示させる場合に小数点以下を切り捨てた数値を表示させるため、例えば、有利期間滞在比率の数値として70%(上限値)を表示させる場合には実際に算出した有利期間滞在比率が70%を超えている場合もあることから、算出した比率の数値が当該比率に対して予め定められた上限値以上であった場合に当該比率の数値を点滅表示させるように構成されていてもよい。さらに、稼働記録制御手段600は、算出した比率の数値が当該比率に対して予め定められた上限値以上であった場合に点滅表示させる態様に限られず、算出した比率の数値が当該比率に対して予め定められた上限値以下であった場合には、当該比率の数値を点灯表示(第1の態様又は通常の態様で表示)させ、算出した比率の数値が当該比率に対して予め定められた上限値を超えていた場合には当該比率の数値を点滅表示(第2の態様又は特定の態様で表示)させるように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、稼働記録制御手段600は、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて、所定集計期間である遊技6000回における累計を記憶して遊技6000回における連続役物比率及び役物比率を算出することとしたが、所定集計期間は遊技6000回に限られるものではなく任意に定めることができる。
また、本実施形態において、稼働記録制御手段600は、400回の遊技が行われるごとに、払出数、連続役物払出数及び役物払出数のそれぞれについて15セットの累計及び総累計を更新してから連続役物比率及び役物比率を算出するように構成されているが、これに限らず、400回の遊技が行われるごとに15セットの累計及び総累計を更新しつつ、1回の遊技が行われるごとに連続役物比率及び役物比率を算出するように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、稼働記録制御手段600は、毎回の遊技の実行ごとに総遊技回数カウンタ204を1ずつ加算することで総遊技回数カウンタ204の記憶値を更新するように構成されているが、これに限らず、例えば、初期値として値「175000」をセットし、毎回の遊技の実行ごとに1ずつ減算するように更新してもよく、初期値、初期値から離れる方向に更新する処理及び初期値に近づく方向に更新する際の計算方法については、本実施形態に限定されるものではない。また、稼働記録制御手段600は、他のカウンタについても同様に、その更新方法については特に限定されない。
また、本実施形態のスロットマシン1においては、基板ケース350の前面にシール等を貼り付ける場合、比率表示装置610の表示の視認を妨げない位置に貼り付けることが望ましい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、払出制御手段150がメダルの払出数を決定するように構成されているが、これに限らず、入賞判定手段140による入賞判定において小役の入賞が判定された際に、小役に設定された配当に基づき入賞判定手段140がメダルの払出数を決定するように構成されていてもよい。このように構成された場合、払出制御手段150は、入賞判定手段140によって決定された小役の配当に伴うメダルの払出数に対応するメダルを払い出す払出制御を実行するように構成されていればよい。
また、本実施形態においては、遊技機として、外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、遊技者による開始操作を検出するスタートスイッチと、複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出するストップスイッチと、遊技の進行を制御する主制御部と、コマンドに基づき演出を制御する演出制御手段を有する副制御部を備え、主制御部が、複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、スタートスイッチによる開始操作の検出に基づいて、複数のリールを回転させ、ストップスイッチによる停止操作の検出及び内部抽選手段により決定された内部抽選の結果に基づいて、回転中のリールを停止させるリール停止制御を行うリール制御手段と、複数のリールが停止した状態で、役ごとに予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことに基づいて、役が入賞したと判定する入賞判定手段と、を有するスロットマシン1を例示したが、これに限らず、例えば、大当たり図柄を含む複数種類の図柄の中からいずれかを決定する図柄決定手段と、図柄が決定されてから所定の変動時間が経過すると、図柄表示部に図柄を表示させる図柄表示手段と、図柄表示部に大当たり図柄が表示されると、複数回のラウンド遊技で構成される大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、大役遊技におけるラウンド遊技のうち予め設定された特定ラウンド遊技中に、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に進入すると、所定の遊技利益を付与する遊技利益付与手段と、大役遊技中の演出を実行する演出実行手段と、を備えるいわゆる第一種遊技を可能なパチンコ機や、小当たり遊技中に所定の領域に遊技球が侵入することで大役遊技を開始可能な第二種遊技を可能なパチンコ機であっても本発明は適用し得る。以下、パチンコ機1000について詳述する。
<パチンコ機の機械的構成>
図15は、本実施形態の遊技機であるパチンコ機1000の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図15に示すように、パチンコ機1000は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠1020と、外枠1020にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠1040と、中枠1040にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠1060と、を備えている。
中枠1040は、外枠1020と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されている。パチンコ機1000では、中枠1040の囲繞空間に遊技盤1080を保持している。また、前枠1060には、ガラス製又は樹脂製の透過板1100が保持されている。そして、パチンコ機1000では、中枠1040及び前枠1060を外枠1020に対して閉じると、遊技盤1080と透過板1100とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、パチンコ機1000の正面側から、透過板1100を介して遊技盤1080が視認可能となる。
図16は、本実施形態におけるパチンコ機1000の正面図である。図16に示すように、前枠1060の下部には、パチンコ機1000の正面側に突出する操作ハンドル1120が設けられている。操作ハンドル1120は、遊技者によって回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル1120を回転させて発射操作を行うと、操作ハンドル1120の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤1080に設けられたレール1140a,1140b間を上昇して遊技領域1160に導かれることになる。
遊技領域1160は、遊技盤1080と透過板1100(図15参照)との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下又は転動可能な領域である。遊技盤1080には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域1160に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
遊技領域1160は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域1160a及び第2遊技領域1160bを備えている。第1遊技領域1160aは、パチンコ機1000に正対した遊技者から見て遊技領域1160の左側に位置し、第2遊技領域1160bは、パチンコ機1000に正対した遊技者から見て遊技領域1160の右側に位置している。パチンコ機1000では、レール1140a,1140bが遊技領域1160の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球が第1遊技領域1160aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球が第2遊技領域1160bに進入することになる。
また、遊技領域1160には、遊技球が入球可能な一般入賞口1180、第1始動口1200、第2始動口1220が設けられており、一般入賞口1180、第1始動口1200、第2始動口1220に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。なお、パチンコ機1000において、賞球数は、1個以上であれば何個でもよく、また、一般入賞口1180、第1始動口1200、第2始動口1220のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。パチンコ機1000では、第1始動口1200に遊技球が入球して払い出す賞球数を、第2始動口1220に遊技球が入球して払い出す賞球数よりも少なく設定することも可能である。
本実施形態のパチンコ機1000では、第1始動口1200内に第1始動領域が設けられ、第2始動口1220内に第2始動領域が設けられている。そして、パチンコ機1000では、所定の契機として、第1始動口1200又は第2始動口1220に遊技球が入球して第1始動領域又は第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1つの特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の特典(遊技利益)が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口1200又は第2始動口1220に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の特典を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
また、第2始動口1220には、可動片1220bが開閉可能に設けられており、可動片1220bの状態に応じて、第2始動口1220への遊技球の進入容易性が変化するように構成されている。具体的には、可動片1220bが閉状態にあるときには、第2始動口1220への遊技球の入球が不可能となり、可動片1220bが開き遊技球の直径よりも開いた状態にあるときには、第2始動口1220への遊技球の入球が可能となっている。
パチンコ機1000では、遊技領域1160に設けられたゲート1240内の進入領域を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われ、抽選によって当たりに当選すると、可動片1220bが所定時間、開状態に制御される。可動片1220bが開状態に制御されることで、本実施形態のパチンコ機1000では、可動片1220bが遊技球を第2始動口1220に導く受け皿として機能し、第2始動口1220への遊技球の入球が容易となる。なお、パチンコ機1000は、可動片1220bが閉状態にあるときに、第2始動口1220への遊技球の入球が不可能となるように構成されているが、第2始動口1220が閉状態にある場合にも一定の頻度で遊技球が入球可能となるように構成されていてもよい。
遊技領域1160には、遊技球が入球可能な大入賞口1280が設けられている。大入賞口1280には、開閉扉1280bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉1280bが大入賞口1280を閉鎖して、大入賞口1280への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、パチンコ機1000では、大役遊技が実行されると、開閉扉1280bが開放されて、大入賞口1280への遊技球の入球が可能となる。そして、パチンコ機1000では、大入賞口1280に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
遊技領域1160の最下部には、一般入賞口1180、第1始動口1200、第2始動口1220、大入賞口1280のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域1160から遊技盤1080の背面側に排出する排出口1300が設けられている。
パチンコ機1000には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置2000、駆動装置からなる演出役物装置2020、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置2040、スピーカからなる楽曲出力装置2060、遊技者の演出に関する操作を受け付ける演出操作装置2080が設けられている。
演出表示装置2000は、遊技盤1080の略中央部分において、パチンコ機1000の正面側から視認可能な位置に画像を表示する画像表示部を備えている。演出表示装置2000は、図16に示すように、画像表示部に演出図柄2100a〜2100cが変動表示され、演出図柄2100a〜2100cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。
演出役物装置2020は、演出表示装置2000よりも前方に配置され、通常、遊技盤1080の背面側に退避しているが、演出図柄2100a〜2100cの変動表示中などに、演出表示装置2000の前方まで移動して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
演出照明装置2040は、例えばLED(Light Emitting Diode)から構成され、演出役物装置2020や遊技盤1080等に設けられており、演出表示装置2000に表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
楽曲出力装置2060は、前枠1060の上部位置や外枠1020の最下部位置に設けられ、演出表示装置2000に表示される画像等に合わせて、パチンコ機1000の正面側に向けてさまざまな楽曲を出力する。なお、楽曲とは、楽音、噪音、音声、擬音等、音に関するすべての概念を含む。
演出操作装置2080は、遊技者の押下操作を受け付けるボタンと、遊技者の回転操作を受け付ける回転操作部(例えば、ジョグダイヤル)で構成され、パチンコ機1000の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板1100よりも下方位置に設けられている。演出操作装置2080は、演出表示装置2000に表示される画像等に合わせて有効化され、操作有効期間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、様々な演出が実行される。
また、演出操作装置2080の後方には、パチンコ機1000から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿1320が設けられ、上皿1320の下方に下皿1340が設けられている。パチンコ機1000では、上皿1320が遊技球で一杯になると、遊技球が下皿1340に導かれることとなる。また、下皿1340の底面には、下皿1340から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ1340aを図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみ1340aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿1340の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
遊技盤1080には、遊技領域1160の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、遊技に係る種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示器1600、第2特別図柄表示器1620、第1特別図柄保留表示器1640、第2特別図柄保留表示器1660、普通図柄表示器1680、普通図柄保留表示器1700及び右打ち報知表示器1720が設けられている。
図17は、本実施形態のパチンコ機1000の機能ブロック図である。パチンコ機1000は、それぞれ独立した制御基板として、主制御部3000と、払出・発射制御部3100と、副制御部3300と、を有しており、主制御部3000に、払出・発射制御部3100及び副制御部3300が接続されている。なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給が実行されている。
主制御部3000は、遊技の進行を制御し、メインCPU3000aと、メインROM3000bと、メインRAM3000cと、を備えている。メインCPU3000aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM3000bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の制御部に主制御部3000で生成したコマンドである第1コマンドを送信したりすることで、遊技の進行に係る制御処理を実行する。メインRAM3000cは、メインCPU3000aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
主制御部3000には、一般入賞口1180に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ1180sと、第1始動口1200に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ1200sと、第2始動口1220に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ1220sと、ゲート1240を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ1240sと、大入賞口1280に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出スイッチ1280sと、が接続されており、各検出スイッチから出力される検出信号が主制御部3000に入力されるよう構成されている。
また、主制御部3000には、第2始動口1220の可動片1220bを作動する普通電動役物ソレノイド1220cと、大入賞口1280を開閉する開閉扉1280bを作動する大入賞口ソレノイド1280cと、が接続されており、主制御部3000によって、第2始動口1220及び大入賞口1280の開閉制御が実行されるよう構成されている。
また、主制御部3000には、第1特別図柄表示器1600と、第2特別図柄表示器1620と、第1特別図柄保留表示器1640と、第2特別図柄保留表示器1660と、普通図柄表示器1680と、普通図柄保留表示器1700と、右打ち報知表示器1720と、が接続されており、主制御部3000によって、これら各表示器の表示制御が実行される。
本実施形態のパチンコ機1000では、主に第1始動口1200又は第2始動口1220への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート1240を遊技球が通過することによって開始される普通遊技と、に遊技の種別が大別される。そして、主制御部3000のメインROM3000bには、特別遊技及び普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
メインCPU3000aでは、例えば、発生させた乱数を用いて実行する特別図柄の当否に係る抽選、普通電動役物ソレノイド1220cに信号を出力し可動片1220b(図16参照)を作動させる制御、大入賞口ソレノイド1280cに信号を出力し開閉扉1280b(図16参照)を作動させる制御等、遊技の進行に係る制御を実行する。
メインCPU3000aは、メインROM3000bに格納されたプログラムに基づき、メインRAM3000cと協働して、各検出スイッチから入力された検出信号や制御処理の結果を第1コマンドに変換し、第1コマンドを払出・発射制御部3100や副制御部3300に送信する。
払出・発射制御部3100は、遊技球を発射させるための制御及び賞球を払い出すための制御を行う。払出・発射制御部3100も、主制御部3000と略同様に、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御部3000に対して双方向に通信可能に接続されている。払出・発射制御部3100には、遊技情報出力端子板3120が接続されており、主制御部3000から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出・発射制御部3100及び遊技情報出力端子板3120を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
また、払出・発射制御部3100には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ3140が接続されている。払出・発射制御部3100は、主制御部3000から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ3140を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、パチンコ機1000では、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ3160sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるように構成されている。
また、払出・発射制御部3100には、下皿1340(図16参照)の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ3180sが接続されている。皿満タン検出スイッチ3180sは、賞球として払い出される遊技球を下皿1340に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号を払出・発射制御部3100に出力するように構成されている。
そして、皿満タン検出スイッチ3180sは、下皿1340に所定量以上の遊技球が貯留された状態である満タン状態になると、下皿1340に向かう通路内に遊技球が滞留することで、払出・発射制御部3100に向けて遊技球検出信号を連続的に出力する。払出・発射制御部3100は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿1340が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御部3000に送信する。払出・発射制御部3100は、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御部3000に送信する。
なお、皿満タンコマンド及び皿満タン解除コマンドについて、主制御部3000は、第1コマンドとして副制御部3300に送信するように構成されている。これにより、パチンコ機1000では、下皿1340が満タン状態となった場合に、演出表示装置2000や楽曲出力装置2060等を用いて遊技者に下皿1340が満タン状態となったことを報知できるとともに、下皿1340の満タン状態が解除されたことも演出表示装置2000や楽曲出力装置2060等を用いて遊技者に報知することができる。
また、払出・発射制御部3100には、遊技球の発射制御を行う払出・発射制御回路3200が設けられている。払出・発射制御部3100には、操作ハンドル1120に設けられ、当該操作ハンドル1120に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ1120sと、操作ハンドル1120の操作角度を検出する操作ボリューム1120aと、が接続されている。そして、タッチセンサ1120s及び操作ボリューム1120aから信号が入力されると、払出・発射制御回路3200において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド1120cを通電して遊技球を発射させる制御が実行される。
副制御部3300は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御し、サブCPU3300aと、サブROM3300bと、サブRAM3300cと、を備えている。また、副制御部3300は、画像に係る制御を実行する画像IC、画像ROM及び画像RAMと、演出役物装置2020を動作させる役物ドライバと、演出照明装置2040を点灯及び消灯させる照明ドライバと、楽曲に係る制御を実行する楽曲IC及び楽曲ROMと、を備えている。パチンコ機1000においては、主制御部3000に対して、不正防止の観点により、当該主制御部3000から副制御部3300への一方向にのみ通信可能に接続されている。
副制御部3300においては、サブCPU3300a、サブRAM3300c、画像IC、画像ROM、画像RAM、楽曲IC、楽曲ROM等の一連の機能部が、SoC(System−on−a−Chip)として1個の集積回路に集積されている。ただし、SoCにいずれの機能部を集積するかは任意に設定することができる。また、サブCPU3300a、サブRAM3300c、画像IC、画像ROM、画像RAM、楽曲IC、楽曲ROM等の各機能部がそれぞれ異なる集積回路として集積され、電気的に接続されているとしてもよい。
サブCPU3300aは、主制御部3000から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM3300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出表示装置2000に画像を表示させる制御である画像表示制御や、演出役物装置2020を駆動させる駆動制御、演出照明装置2040を点灯させる点灯制御、楽曲出力装置2060から楽曲を出力させる楽曲出力制御等の演出に係る制御を実行する。サブRAM3300cは、サブCPU3300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、副制御部3300には、演出操作装置2080への遊技者の操作を検出する押下検出スイッチ2080sと回転検出スイッチ2090sと、の副操作信号出力手段が接続されている。押下検出スイッチ2080sは、遊技者が演出操作装置2080のボタンを押下操作した場合に、遊技者の押下操作を検出し、演出押下操作検出信号を副制御部3300に出力する。回転検出スイッチ2090sは、遊技者が演出操作装置2080の回転操作部を回転操作した場合に、遊技者の回転操作を検出し、演出回転操作検出信号を副制御部3300に出力する。
パチンコ機1000は、メインRAM3000c内に主制御部3000の初期稼働から記録される値である稼働記録が記録される稼働記録記憶手段3001cに対応する記憶領域を備えている。また、パチンコ機1000においては、メインROM3000bに格納されたプログラムに基づき、メインCPU3000aがメインROM3000bとメインRAM3000cと協働して、稼働記録記憶手段3001cに記憶されている稼働記録を用いた制御を実行する稼働記録制御手段3001aとして機能するように構成されている。
稼働記録制御手段3001aは、主制御部3000の初期稼働からの稼働記録として、遊技領域1160に発射された遊技球の数の合計(総発射数)と、一般入賞口1180、第1始動口1200、第2始動口1220及び大入賞口1280から払い出された遊技球(付与された遊技価値)の数の合計(総払出数)と、を稼働記録記憶手段3001cに記憶させる。また、稼働記録制御手段3001aは、役物の作動時における遊技球の払出数の合計(役物の作動時における総払出数)として、第1始動口1200、第2始動口1220及び大入賞口1280から払い出された遊技球を稼働記録記憶手段3001cに記憶させる。そして、稼働記録制御手段3001aは、稼働記録記憶手段3001cに記憶させた総払出数と役物作動時における総払出数との比率である累計役物比率を算出可能に構成されている。この、稼働記録制御手段3001aが、役物比率制御手段を構成する。
稼働記録制御手段3001aは、総発射数について、払出・発射制御部3100から遊技球の発射に係るコマンドを受信することで、稼働記録記憶手段3001cに総発射数を記憶させている。また、稼働記録制御手段3001aは、払出球計数スイッチ3160sから出力された信号に係るコマンドを払出・発射制御部3100から受信することで、稼働記録記憶手段3001cに総払出数を記憶させている。
なお、パチンコ機1000は、一般入賞口1180、第1始動口1200、第2始動口1220、大入賞口1280及び排出口1300を通過した遊技球が合流する合流通路に遊技球の通過を検出する発射検出スイッチを有することで、該発射検出スイッチからの信号に基づき総発射数を記録するように構成されていてもよい。また、パチンコ機1000は、排出口1300に発射検出スイッチを設け、一般入賞口1180、第1始動口1200、第2始動口1220及び大入賞口1280のそれぞれに設けられた検出スイッチからの信号と、発射検出スイッチからの信号と、を合算して総発射数を記録するように構成されていてもよい。
稼働記録制御手段3001aは、総発射数と総払出数との比率や、総払出数と役物作動時における総払出数との比率である累計役物比率、総払出数と役物連続作動装置の作動時における総払出数との比率である累計連続役物比率を算出し、主制御部3000の基板に搭載された表示装置であり、7セグメント表示器から構成された表示装置である比率表示装置4000に、算出した結果(比率表示)と、算出した結果が総発射数と総払出数との比率であることを報知する種別(種別表示)と、を表示するように構成されている。稼働記録制御手段3001aによって算出された累計役物比率を表示する比率表示装置4000が、役比表示装置を構成する。また、パチンコ機1000における役物比率とは、遊技全体で払い出された遊技球のうち、遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則に定められている「役物」の作動によって払い出された遊技球の割合を示している。また、パチンコ機1000における連続役物比率とは、遊技全体で払い出された遊技球のうち、遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則に定められている「役物連続作動装置」の作動によって払い出された遊技球の割合を示している。
パチンコ機1000において、稼働記録記憶手段3001cは、総払出数を記憶する領域(累計付与数カウンタ)と、役物の作動中における払出数の累計を記憶する領域(累計役物付与数カウンタ)と、役物連続払出装置の作動中における払出数の累計を記憶する領域(累計連続役物付与数カウンタ)と、について、それぞれ3バイトの記憶領域を有している。パチンコ機1000は、累計付与数カウンタと累計役物付与数カウンタとについて、記憶可能な値の上限として、それぞれ第1上限値としての値「16777215」と、第2上限値としての値「16777215」と、を設定している。
稼働記録制御手段3001aは、一般入賞口1180、第1始動口1200、第2始動口1220及び大入賞口1280への入球に基づく遊技球の払い出しに伴い、累計付与数カウンタに記憶された値に、払い出す遊技球に対応する値である付与値を加算する累計加算処理と、可動片1220bが開状態に制御された状態で第2始動口1220に遊技球が入球した場合と、開閉扉1280bが開放された状態で大入賞口1280に遊技球が入球した場合と、における第2始動口1220又は大入賞口1280への入球に基づく遊技球の払い出しに伴い、累計役物付与数カウンタに記憶された値に、払い出す遊技球に対応する値である付与値を加算する累計役物加算処理と、開閉扉1280bが開放された状態で大入賞口1280に遊技球が入球した場合における大入賞口1280への入球に基づく遊技球の払い出しに伴い、累計連続役物付与数カウンタに記憶された値に、払い出す遊技球に対応する値である付与値を加算する累計連続役物加算処理と、を含む累計加算制御を実行可能に構成されている。
また、稼働記録制御手段3001aは、累計加算制御を実行する場合に、累計加算処理によって累計付与数カウンタに記憶される値が記憶可能な値の上限を超過するか否かを判定する上限判定処理を実行し、上限判定処理によって累計付与数カウンタに記憶される値が記憶可能な値の上限を超過すると判定した場合に、累計付与数カウンタと、累計役物付与数カウンタと、累計連続役物付与数カウンタと、に付与値を加算せず、かつ以降の累計加算制御の実行時において、累計付与数カウンタに記憶される値と、累計役物付与数カウンタと、累計連続役物付与数カウンタと、に記憶される値とを変更しないように構成されている。
ここで、稼働記録制御手段3001aは、上限判定処理によって累計付与数カウンタに記憶される値が記憶可能な値の上限を超過すると判定した場合に、以降の累計加算制御の実行時において、累計加算処理と累計役物加算処理とを不実行にする不実行処理を実行し、累計付与数カウンタに記憶される値と累計役物付与数カウンタに記憶される値とを変更しないように構成されていてもよく、累計付与数カウンタに記憶される値と累計役物付与数カウンタに記憶される値とを変更しないようにする具体的手法については、特に限定されない。