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JP6945279B2 - 作業車 - Google Patents

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JP6945279B2 JP2016128037A JP2016128037A JP6945279B2 JP 6945279 B2 JP6945279 B2 JP 6945279B2 JP 2016128037 A JP2016128037 A JP 2016128037A JP 2016128037 A JP2016128037 A JP 2016128037A JP 6945279 B2 JP6945279 B2 JP 6945279B2
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Description

本発明は、乗用型田植機や乗用型直播機、刈取部を備えたコンバインや、ロータリ耕耘装置を備えたトラクタ等のように、圃場に対して作業を行いながら走行する作業車に関する。
特許文献1に開示されているように、作業車の一例である乗用型田植機では、圃場において、一方の畦から他方の畦に向って走行(作業)を行い、次に他方の畦の畦際で旋回して、次に他方の畦から一方の畦に向って走行(作業)を行っており、圃場の一方(他方)の畦から他方(一方)の畦への走行(作業)、及び、一方(他方)の畦際での旋回を繰り返している。
特許文献1では、最初に運転者が走行機体の前輪を手動で操向操作して、作業車を畦に沿って走行させるティーチング走行を行うことによって、基準走行ライン(特許文献1の図7の基準線)を設定する。このように、基準走行ラインを設定すると、複数の作業走行ライン(特許文献1の図7の1列目〜N列目)が、基準走行ライン(畦)に沿って互いに平行となるように、所定間隔を置いて圃場に設定される。
これにより特許文献1では、走行機体が第1の作業走行ラインに沿って自動的に走行(作業)するように、走行機体の前輪が自動的に操向操作されて、第1の走行(作業)が行われるのであり、第1の走行(作業)が終了して走行機体が一方の畦に達すると、一方の畦の畦際で走行機体の旋回が行われる。次に、走行機体が隣の第2の作業走行ラインに沿って自動的に走行(作業)するように、走行機体の前輪が自動的に操向操作されて、第2の走行(作業)が行われる。
前述のような走行機体の前輪の自動的な操向操作が行われない場合には、走行機体が作業走行ラインに沿って走行(作業)するように、運転者が走行機体の前輪を手動で操向操作する。
特開2008−92818号公報
特許文献1では、複数の作業走行ラインを設定する為に、最初にティーチング走行を行うことによって基準走行ラインを設定している。
この場合、運転者が走行機体の前輪を手動で操向操作してティーチング走行を行っているので、運転者による走行機体の前輪の操向操作に誤差が生じると、圃場に対して基準走行ラインに誤差が生じることになるので(特に圃場に対して基準走行ラインの方位に誤差が生じることになるので)、基準走行ラインと平行に設定される作業走行ラインにも、圃場に対して誤差が生じることになる。
本発明は、圃場に作業走行ラインを設定するように構成された作業車において、作業走行ラインを精度良く設定することができるように構成することを目的としている。
(構成)
本発明の特徴は、作業車において次のように構成することにある。
圃場の外周部の位置データを取得する取得部が備えられ、
前記位置データに基づいて、走行機体が走行する、所定の間隔で互いに平行な複数の作業走行ラインを圃場に設定する作業設定部が備えられ、
前記位置データに基づいて設定された作業終了位置と作業開始位置とに亘って、旋回ラインを圃場に設定する旋回ライン設定部と、
前記走行機体が前記旋回ラインに沿って走行するように、前記走行機体の操向操作を自動的に行う自動旋回制御部と、
前記旋回ラインでの前記走行機体の旋回方向を、前記走行機体が前記旋回ラインに入る前に事前に報知する旋回方向報知部と、が更に備えられ、
前記作業設定部は、最初に作業を開始する作業スタート位置が指定された場合に、前記作業スタート位置が指定される以前に予め設定されている前記複数の作業走行ラインに対して当該作業スタート位置に応じて前記複数の作業走行ラインの夫々に沿って往復走行するように各作業走行ラインの走行方向を含む往復走行経路を設定し、且つ、作業走行ラインの終点と次の作業走行ラインの始点とに亘って旋回ラインが設定される
(作用及び発明の効果)
圃場の外周部の位置データがGPS等により得られた場合、本発明によると、位置データが作業車に取得される。
これにより、位置データを取得した作業車において、位置データに基づいて作業走行ラインが設定され、圃場に対して作業走行ラインが精度良く設定されるのであり、作業走行ラインに沿っての走行(作業)が精度良く行われるようになる。
(構成)
本発明において、
走行機体が前記作業走行ラインに沿って走行するように、走行機体の操向操作を自動的に行う自動走行制御部が備えられていると好適である。
(作用及び発明の効果)
本発明によると、走行機体が作業走行ラインに沿って走行するように、走行機体の操向操作を自動的に行う自動走行制御部を備えた場合、前述のように、圃場に対して作業走行ラインが精度良く設定されるので、作業走行ラインに沿っての走行(作業)が精度良く自動的に行われるようになる。
(構成)
本発明において、
前記作業設定部に、
前記位置データに基づいて、作業開始位置及び作業終了位置を圃場に設定する作業開始終了位置設定部と、
前記位置データに基づいて、前記作業開始位置と前記作業終了位置とに亘って、前記作業走行ラインを圃場に設定する作業走行ライン設定部とが備えられていると好適である。
(作用及び発明の効果)
作業車では、一般に圃場において、作業を行いながら走行する状態と、次の作業を行うべき位置への移動の為の走行を行う状態とが、交互に繰り返されるようなことがある。
本発明によると、作業開始位置及び作業終了位置が設定され、作業開始位置と作業終了位置とに亘って作業走行ラインが設定されるので、作業車による作業の開始、作業走行ラインに沿っての走行(作業)及び作業の終了が明確なものとなって、作業走行ラインに沿っての走行(作業)が精度良く行われるようになる。
(構成)
本発明において、
前記位置データに基づいて、前記作業開始終了位置設定部により、複数の前記作業開始位置及び複数の前記作業終了位置が畦に沿って圃場に設定され、
前記位置データに基づいて、前記作業走行ライン設定部により、一方の畦側の前記作業開始位置と、反対側の畦側の前記作業終了位置とに亘って、前記作業走行ラインが圃場に設定され、且つ、複数の前記作業走行ラインが互いに平行となるように所定間隔を置いて圃場に設定されると好適である。
(作用及び発明の効果)
本発明によると、前述の[背景技術]に記載のような走行(作業)を行う作業車において、圃場に対して複数の作業走行ラインが精度良く設定されるようになる。
本発明によると、位置データに基づいて、作業開始位置及び作業終了位置が畦に沿って圃場に設定されるので、作業開始位置及び作業終了位置を略同じ位置に揃えることが容易に行える。
このように、作業開始始置及び作業終了位置が略同じ位置に揃えられていると、作業走行ラインに沿っての走行(作業)の終了後に、畦に沿っての走行(作業)を行う場合、畦に沿っての走行(作業)が容易に且つ綺麗に行えるようになる。
(構成)
本発明において、
走行機体の位置を示す測位データを出力する測位部が備えられ、
前記作業開始位置、前記作業終了位置、前記作業走行ライン及び走行機体の位置を表示する表示装置が備えられていると好適である。
(作用及び発明の効果)
本発明によると、運転者は、表示装置に表示される作業開始位置、作業終了位置、作業走行ライン及び走行機体の位置を目視することにより、現在の走行機体の位置と、作業開始位置、作業終了位置、作業走行ラインとの位置関係を容易に把握することができる。
(構成)
本発明において、
前記位置データに基づいて、前記作業終了位置と前記作業開始位置とに亘って、旋回ラインを圃場に設定する旋回ライン設定部が備えられていると好適である。
(作用及び発明の効果)
乗用型田植機等の作業車では、圃場において、一つの作業走行ラインに沿っての走行(作業)を行い、この作業走行ラインに沿っての走行(作業)が終了すると(作業終了位置)、次の作業走行ラインに向って旋回し、次の作業走行ラインに達すると(作業開始位置)、次の作業走行ラインに沿っての走行(作業)を開始するようなことがある。
前述の状態において、本発明によると、作業終了位置と作業開始位置とに亘って旋回ラインが設定されるので、旋回ラインに沿っての旋回が精度良く行われるようになる。
(構成)
本発明において、
走行機体が前記旋回ラインに沿って走行するように、走行機体の操向操作を自動的に行う自動旋回制御部が備えられていると好適である。
(作用及び発明の効果)
本発明によると、自動旋回制御部を備えることにより、旋回ラインに沿っての旋回が精度良く自動的に行われるようになる。
(構成)
本発明において、
前記旋回ラインでの走行機体の旋回方向を、走行機体が前記旋回ラインに入る前に事前に報知する旋回方向報知部が備えられていると好適である。
(作用及び発明の効果)
前述のように旋回が行われる場合、本発明によると、走行機体が旋回ラインに入る前に事前に、旋回ラインでの走行機体の旋回方向が報知される。
これによって、自動旋回制御部により旋回ラインに沿っての旋回が自動的に行われる場合、走行機体の旋回方向が事前に報知されることにより、運転者にとって旋回時の予想が行い易い。運転者が手動で旋回操作を行う場合、走行機体の旋回方向が事前に報知されることにより、運転者は手動による旋回操作(旋回方向)を誤ることがない。
(構成)
本発明において、
前記作業終了位置から前記作業開始位置に亘る旋回状態において、走行機体の旋回操作を行うタイミング及び旋回方向を報知する旋回操作タイミング報知部が備えられていると好適である。
(作用及び発明の効果)
本発明によると、運転者が手動で旋回操作を行う場合、走行機体の旋回操作を行うタイミング及び旋回方向が報知されることにより、運転者は手動による旋回操作を遅れることなく且つ誤ることなく、適切に行うことができる。
(構成)
本発明において、
走行機体の位置を示す測位データを検出する測位部が備えられ、
前記作業開始位置、前記作業終了位置、前記作業走行ライン、前記旋回ライン及び走行機体の位置を表示する表示装置が備えられていると好適である。
(作用及び発明の効果)
本発明によると、運転者は、表示装置に表示される作業開始位置、作業終了位置、作業走行ライン、旋回ライン及び走行機体の位置を目視することにより、現在の走行機体の位置と、作業開始位置、作業終了位置、作業走行ライン及び旋回ラインとの位置関係を容易に把握することができる。
(構成)
本発明において、
搭載される資材の残量を検出する資材残量検出部が備えられ、
資材の残量が少なくなると、走行機体が前記作業走行ラインに沿っての走行を終了した後に資材を補給すべきであることを運転者に報知する資材報知部が備えられていると好適である。
(作用及び発明の効果)
作業車では、例えば苗、種子、肥料、薬剤や走行用の燃料等の資材を搭載して走行(作業)するので、資材が少なくなると、走行機体に資材を補給する必要がある。この場合、資材を準備する補助作業者は畦に資材を置いて待機しているので、畦際で走行機体を停止させて、畦から走行機体に資材を補給することが好ましい。
本発明によると、資材の残量が少なくなった場合、走行機体が作業走行ラインに沿っての走行(作業)を終了した後に資材を補給すべきであることが、運転者に報知されると、運転者は、走行機体が作業走行ラインに沿っての走行(作業)を終了した後、走行機体を畦際で停止させればよい。
これにより、畦際で走行機体を停止させた状態において、畦から走行機体に資材を無理なく補給することができる。
(構成)
本発明において、
前記資材報知部による報知が、畦の補助作業者にも行われると好適である。
(作用及び発明の効果)
畦から走行機体に資材を補給する場合、資材の補給の準備を行う補助作業者が、畦で待機していることがある。
本発明によると、前述のように走行機体が作業走行ラインに沿っての走行(作業)を終了した後に資材を補給すべきであることが、運転者に報知されるのに加えて、畦で待機する補助作業者にも報知される。
これにより、前述のように運転者は、走行機体が作業走行ラインに沿っての走行(作業)を終了した後に、走行機体を畦際で停止させればよいのであり、補助作業者は、資材の補給の準備を早めに開始することができる(例えば走行機体が畦際に達する前から開始することができる)。
(構成)
本発明において、
操作指令に基づいて、走行機体が前記作業走行ラインに沿っての走行を終了した後に、走行機体を畦際で自動的に停止させる自動停止部が備えられていると好適である。
(作用及び発明の効果)
前述のように、走行機体が作業走行ラインに沿っての走行(作業)を終了した後に資材を補給すべきであることが報知された場合、本発明によると、操作指令に基づいて自動停止部を作動状態としておくことにより、走行機体が作業走行ラインに沿っての走行(作業)を終了すると、走行機体が畦際で自動的に停止する。
これにより、畦際で走行機体を停止させた状態において畦から走行機体に資材を補給するという状態を、適切に得ることができる。
(構成)
本発明において、
前記自動停止部は、走行機体が前記作業走行ラインに沿っての走行を終了した後に、走行機体を畦まで前進させて停止させると好適である。
(作用及び発明の効果)
畦から走行機体に資材を補給する場合、畦から走行機体の前部に補給すると好都合な資材がある(例えば、走行機体の前部に予備苗のせ台を備えた乗用型田植機では、畦から苗を補給する場合、苗を畦から走行機体の前部に補給すると、補給された苗を予備苗のせ台に載置し易い)。
前述のように走行機体を畦際で自動的に停止させる場合、本発明によると、走行機体が作業走行ラインに沿っての走行(作業)を終了した後、走行機体が畦まで前進して停止するのであり、走行機体の前部が畦に接近した状態で走行機体が畦際で停止する。
これにより、畦から走行機体の前部に補給すると好都合な資材において、資材の補給の作業性を向上させることができる。
(構成)
本発明において、
前記自動停止部は、走行機体が前記作業走行ラインに沿っての走行を終了した後に、走行機体を旋回させ、次に走行機体を畦まで後進させて停止させると好適である。
(作用及び発明の効果)
畦から走行機体に資材を補給する場合、畦から走行機体の後部に補給すると好都合な資材がある(例えば、走行機体の後部に施肥装置や播種装置、薬剤散布装置を備えた乗用型田植機や乗用型直播機では、畦から肥料や種子、薬剤を補給する場合、肥料や種子、薬剤を畦から走行機体の後部に補給すると、補給された肥料や種子、薬剤を施肥装置や播種装置、薬剤散布装置に補給し易い)。
前述のように走行機体を畦際で自動的に停止させる場合、本発明によると、走行機体が作業走行ラインに沿っての走行(作業)を終了した後、走行機体が畦際で旋回し、次に走行機体が畦まで後進して停止する。
これにより、畦から走行機体の後部に補給すると好都合な資材において、資材の補給の作業性を向上させることができる。
(構成)
本発明において、
資材の残量が事前に設定された設定量よりも少なくなると、走行機体が前記作業走行ラインに沿っての走行を終了した後に、走行機体を畦際で自動的に停止させる強制自動停止部が備えられていると好適である。
(作用及び発明の効果)
操作指令が発せられず、自動停止部が停止状態になっていても、本発明によると、資材の残量が事前に設定された設定量よりも少なくなれば、走行機体は作業走行ラインに沿っての走行(作業)を終了した後に畦際で自動的に停止する。
これにより、畦際で走行機体を停止させた状態において、畦から走行機体に資材を補給する状態を、適切に得ることができる。
(構成)
本発明において、
走行機体が前記作業走行ラインに沿っての走行を終了した後に自動的に停止する畦際が、資材の補給が行われる特定の畦の畦際であると好適である。
(作用及び発明の効果)
畦から走行機体に資材を補給する場合、本発明のように、特定の畦の畦際で走行機体を自動的に停止させて、特定の畦から走行機体に資材を補給するようにすれば、資材を複数の畦に分散して置く必要はなく、資材を特定の畦に集中して置くことができる。
これにより、資材を準備する補助作業者が、トラックにより資材を倉庫等から圃場に運搬する場合、資材を特定の畦に集中して運搬すればよく、資材を複数の畦に分けて運搬する必要がない。畦から走行機体に資材を補給する場合、補助作業者は特定の畦に待機しておればよく、特定の畦の畦際で走行機体が停止すると、補助作業者は畦から走行機体に資材を補給すればよいのであり、補助作業者は複数の畦に亘って移動する必要がない。
以上のように、資材を準備する補助作業者にとって、資材の補給の作業性が良いものとなる。
(構成)
本発明において、
前記作業走行ラインが、過去において圃場を走行した作業車の位置を示す測位データに基づくものであると好適である。
(作用及び発明の効果)
圃場においては、乗用型田植機及び乗用型直播機以外に、コンバインやトラクタ等の各種の作業車が走行(作業)しており、作業車の走行(作業)する季節も異なっている。
本発明によると、一つの作業車が圃場を走行(作業)して、圃場を走行した作業車の位置を示す測位データを得た場合に、前述の測位データを別の作業車が利用することができる。
一つの作業車が圃場を走行(作業)して、圃場を走行した作業車の位置を示す測位データを得た場合に、次の年度において、前述の測位データを同じ作業車が利用することができる。
(構成)
本発明において、
前記位置データに、圃場に存在する障害物の位置を示す障害物データが含まれていると好適である。
(作用及び発明の効果)
圃場においては、樹木等の障害物が存在することがある。
本発明によると、圃場に存在する障害物の位置を示す障害物データが位置データに含まれているので、障害物の存在を認識しながらの走行(作業)が適切に行えるようになる。
(構成)
本発明において、
前記位置データに、圃場の各位置での水平面に対する傾斜を示す傾斜データが含まれていると好適である。
(作用及び発明の効果)
圃場の各位置においては、水平な位置以外に、水平面に対して傾斜した位置も存在することがある。特に畦際は、圃場の中央側から畦に向って少し登り坂となるような状態になっていることがある。
本発明によると、圃場の各位置での水平面に対する傾斜を示す傾斜データが位置データに含まれているので、圃場の各位置の傾斜を認識しながらの走行(作業)が適切に行えるようになる。
乗用型田植機の全体側面図である。 乗用型田植機の全体平面図である。 前輪の操向操作系、前輪及び後輪への伝動系を示す概略平面図である。 制御装置と各部との連係状態を示す図である。 作業走行ライン及び旋回ラインの設定の状態を示す平面図である。 作業走行ライン及び旋回ラインの設定の状態を示す平面図である。 作業走行ライン及び旋回ラインの設定の状態を示す平面図である。 走行機体の作業走行ラインに沿っての自動的な走行(作業)の状態を示す平面図である。 走行機体の作業走行ラインに沿っての自動的な走行(作業)の状態を示す平面図である。 走行機体の作業走行ラインに沿っての自動的な走行(作業)の状態を示す平面図である。 走行機体の回り作業走行での自動的な走行(作業)の状態を示す平面図である。 図7に示す状態とは異なる作業走行ライン及び旋回ラインの設定の状態を示す平面図である。 発明の実施の第1別形態において、走行機体の旋回ラインに沿っての自動的な走行(旋回)の状態を示す平面図である。 発明の実施の第2別形態において、走行機体の旋回ラインに沿っての自動的な走行(旋回)の状態を示す平面図である。 発明の実施の第4別形態において、走行機体の作業走行ラインに沿っての自動的な走行(作業)の状態を示す平面図である。 発明の実施の第5別形態において、走行機体の作業走行ラインに沿っての自動的な走行(作業)の状態を示す平面図である。 発明の実施の第7別形態において、制御装置と各部との連係状態を示す図である。 発明の実施の第8別形態において、畦際での走行機体の自動的な停止状態を示す平面図である。 発明の実施の第8別形態において、畦際での走行機体の自動的な停止状態を示す平面図である。 発明の実施の第8別形態において、制御装置と各部との連係状態を示す図である。 発明の実施の第10別形態において、畦際での走行機体の自動的な停止状態を示す平面図である。
本発明の実施形態における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、以下のように記載している。走行機体50の走行時における前進側の進行方向が「前」であり、後進側の進行方向が「後」である。前後方向での前向き姿勢を基準として右側に相当する方向が「右」であり、左側に相当する方向が「左」である。
[1]
圃場(水田)を走行(作業)する乗用型田植機の全体構成について説明する。
図1及び図2に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2を備えた走行機体50の後部に、リンク機構3及びリンク機構3を昇降駆動する油圧シリンダ4が備えられ、リンク機構3の後部に6条植え型式の苗植付装置5が支持されて、作業車の一例である乗用型田植機が構成されている。
図1及び図2に示すように、苗植付装置5は、左右方向に所定間隔を置いて配置された3個の植付伝動ケース6、植付伝動ケース6の後部の右及び左側部に回転自在に支持された回転ケース7、回転ケース7の両端に備えられた一対の植付アーム8、フロート9及び苗のせ台10等を備えて、6条植え型式に構成されている。
図1及び図4に示すように、右及び左のマーカー19が苗植付装置5の右及び左側部に備えられており、田面に接地する作用姿勢(図1参照)、及び田面から上方に離れた格納姿勢(図4参照)に変更自在に構成されている。右及び左のマーカー19は上下に揺動自在に苗植付装置5に支持されたアーム部19aと、アーム部19aの先端部に自由回転自在に支持された回転体19bとを備えて構成されており、右及び左のマーカー19を作用姿勢及び格納姿勢に操作する電動モータ21が備えられている。
[2]
右及び左の前輪1、右及び左の後輪2への伝動系について説明する。
図1及び図3に示すように、走行機体50の前部に備えられたエンジン31の動力が、伝動ベルト32を介して静油圧式の無段変速装置33及びミッションケース34に伝達され、ミッションケース34の内部の副変速装置(図示せず)から、前輪デフ機構(図示せず)及び前車軸ケース35の内部の伝動軸(図示せず)を介して右及び左の前輪1に伝達される。
図1及び図3に示すように、副変速装置の動力が伝動軸36、後車軸ケース37の入力軸38、入力軸38に固定されたベベルギヤ38a、ベベルギヤ38aに咬合するベベルギヤ39a、ベベルギヤ39aが固定された伝動軸39、右及び左のサイドクラッチ40を介して右及び左の後輪2に伝達される。
図1,2,4に示すように、操縦ハンドル20の左の横側に変速レバー45が備えられており、変速レバー45により無段変速装置33が操作される。変速レバー45により、無段変速装置33を中立位置Nから前進側F及び後進側Rに無段階に操作することができる。
図3に示すように、ミッションケース34の下部の縦軸芯P2周りに、操向部材41が揺動自在に支持され、図1,3,4に示すように、運転座席13の前側に操縦ハンドル20が備えられている。操縦ハンドル20により操向部材41が揺動操作されるように構成されており、操向部材41と右及び左の前輪1とに亘ってタイロッド42が接続されている。操縦ハンドル20を操作することによって、右及び左の前輪1を直進位置A1から、右及び左の操向限度A3に亘って操向操作することができる。
図3に示すように、右及び左のサイドクラッチ40は摩擦多板式に構成されており、バネ(図示せず)により伝動状態に付勢されている。右及び左のサイドクラッチ40をバネに抗して遮断状態に操作する右及び左の操作軸43が、後車軸ケース37に下向きに支持されて、操向部材41と右及び左の操作軸43とに亘って、右及び左の操作ロッド44が接続されている。右及び左の操作ロッド44において右及び左の操作軸43との接続部分に、融通としての長孔44aが備えられている。
図3に示すように、右及び左の前輪1が直進位置A1、右及び左の設定角度A2の範囲に操向操作されていると、右及び左の操作ロッド44の長孔44aの融通によって、右及び左のサイドクラッチ40は伝動状態に操作されている。これにより右及び左の前輪1、右及び左の後輪2(右及び左のサイドクラッチ40の伝動状態)に動力が伝達された状態で、機体は前進(後進)する。
図3に示すように、右及び左の前輪1が右の設定角度A2を越えて右の操向限度A3側に操向操作されると、右の操作ロッド44の長孔44aの範囲を越えて右の操作ロッド44が引き操作されることになり、右の操作軸43により右のサイドクラッチ40が遮断状態に操作される。これにより、右及び左の前輪1、左の後輪2(旋回外側)(左のサイドクラッチ40の伝動状態)に動力が伝達され、右の後輪2(旋回中心側)(右のサイドクラッチ40の遮断状態)が自由回転する状態で、機体は右に旋回する。
図3に示すように、右及び左の前輪1が左の設定角度A2を越えて左の操向限度A3側に操向操作されると、左の操作ロッド44の長孔44aの範囲を越えて左の操作ロッド44が引き操作されることになり、左の操作軸43により左のサイドクラッチ40が遮断状態に操作される。これにより、右及び左の前輪1、右の後輪2(旋回外側)(右のサイドクラッチ40の伝動状態)に動力が伝達され、左の後輪2(旋回中心側)(左のサイドクラッチ40の遮断状態)が自由回転する状態で、機体は左に旋回する。
図3に示すように、右及び左の前輪1が右(左)の操向限度A3側から右(左)の設定角度A2を越えて直進位置A1側に操向操作されると、遮断状態に操作されていた右(左)のサイドクラッチ40が伝動状態に操作されて、右及び左のサイドクラッチ40が伝動状態に操作された状態に復帰する。
[3]
苗植付装置5への伝動系について説明する。
図1及び図4に示すように、ミッションケース34において、副変速装置の直前から分岐した動力が、植付クラッチ26及びPTO軸25を介して苗植付装置5に伝達されており、植付クラッチ26を伝動及び遮断状態に操作する電動モータ28が備えられている。
図1及び図2に示すように、植付クラッチ26が伝動状態に操作されると、苗のせ台10が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、回転ケース7が図1の紙面反時計方向に回転駆動され、苗のせ台10の下部から植付アーム8が交互に苗を取り出して田面に植え付ける。植付クラッチ26が遮断状態に操作されると、苗のせ台10及び回転ケース7が停止する。
[4]
苗植付装置5の自動昇降制御について説明する。
図4に示すように、苗植付装置5の横軸芯P1周りに、中央のフロート9の後部が上下に揺動自在に支持されて、苗植付装置5に対する中央のフロート9の高さを検出するポテンショメータ型式の高さセンサー22が備えられており、高さセンサー22の検出値が制御装置23に入力されている。走行機体50の進行に伴って中央のフロート9が田面に接地追従するのであり、高さセンサー22の検出値により、田面(中央のフロート9)から苗植付装置5までの高さを検出することができる。
図4に示すように、昇降操作部57がソフトウェアとして制御装置23に備えられており、油圧シリンダ4に作動油を給排操作する制御弁24が、昇降操作部57により操作される。制御弁24が上昇位置に操作されると、油圧シリンダ4に作動油が供給され、油圧シリンダ4が収縮作動して、苗植付装置5が上昇する。制御弁24が下降位置に操作されると、油圧シリンダ4から作動油が排出され、油圧シリンダ4が伸長作動して、苗植付装置5が下降する。
図4に示すように、自動昇降制御の作動状態において、田面(中央のフロート9)から苗植付装置5までの高さに基づいて、苗植付装置5が田面から設定高さに維持されるように(高さセンサー22の検出値(高さセンサー22と中央のフロート9との上下間隔)が設定値に維持されるように)、昇降操作部57により制御弁24が操作されて、油圧シリンダ4が伸縮作動し、苗植付装置5が自動的に昇降する。
[5]
操作レバー12について説明する。
図1,2,4に示すように、操縦ハンドル20の下側の右の横側に操作レバー12が備えられて、操作レバー12が右の横外側に延出されている。操作レバー12は中立位置Nから上側の第1上昇位置UU1、第2上昇位置UU2,下側の第1下降位置DD1、第2下降位置DD2、後側の右マーカー位置MR及び前側の左マーカー位置MLの十字方向に操作自在に構成されて、中立位置Nに付勢されており、操作レバー12の操作位置が制御装置23に入力されている。
図4に示すように、走行機体50に対するリンク機構3の上下角度を検出する角度センサー29が備えられて、角度センサー29の検出値が制御装置23に入力されている。クラッチ操作部58及びマーカー操作部59が、ソフトウェアとして制御装置23に備えられている。
後述する[6]に記載のように、操作レバー12の操作に基づいて、昇降操作部57により制御弁24が上昇、中立及び下降位置に操作され、前項[4]に記載の自動昇降制御が作動及び停止状態となる。
後述する[6]に記載のように、操作レバー12の操作に基づいて、クラッチ操作部58により電動モータ28が作動して、植付クラッチ26が伝動及び遮断状態に操作されるのであり、マーカー操作部59により電動モータ21が作動して、右及び左のマーカー19が作用及び格納姿勢に操作される。
[6]
操作レバー12の操作に基づく各部の作動について説明する。
図4に示すように、操作レバー12を第2上昇位置UU2に操作すると、植付クラッチ26が遮断状態に操作され、自動昇降制御が停止状態となり、右及び左のマーカー19が格納姿勢に操作されて、制御弁24が上昇位置に操作され、油圧シリンダ4が収縮作動して苗植付装置5が上昇する。苗植付装置5が上限位置に達したことが角度センサー29により検出されると、制御弁24が中立位置に操作されて、油圧シリンダ4が自動的に停止する。
図4に示すように、操作レバー12を第2下降位置DD2に操作すると、植付クラッチ26が遮断状態に操作され、自動昇降制御が停止状態となり、右及び左のマーカー19が格納姿勢に操作された状態で、制御弁24が下降位置に操作され、油圧シリンダ4が伸長作動して苗植付装置5が下降する。中央のフロート9が田面に接地すると、自動昇降制御が作動状態となって、苗植付装置5が田面に接地して停止した状態となる。
操作レバー12を第2下降位置DD2に操作して中立位置Nに操作した後、操作レバー12を再び第2下降位置DD2に操作すると、自動昇降制御の作動状態で、植付クラッチ26が伝動状態に操作される。
自動昇降制御の停止状態で、植付クラッチ26が遮断状態に操作され、右及び左のマーカー19が格納姿勢に操作された状態において、図4に示すように、操作レバー12を第1上昇位置UU1に操作すると、制御弁24が上昇位置に操作され、油圧シリンダ4が収縮作動して、操作レバー12が第1上昇位置UU1に操作されている間だけ苗植付装置5が上昇する。操作レバー12を中立位置Nに操作すると、制御弁24が中立位置に操作されて苗植付装置5の上昇が停止する。
自動昇降制御の停止状態で、植付クラッチ26が遮断状態に操作され、右及び左のマーカー19が格納姿勢に操作された状態において、図4に示すように、操作レバー12を第1下降位置DD1に操作すると、制御弁24が下降位置に操作され、油圧シリンダ4が伸長作動して、操作レバー12が第1下降位置DD1に操作されている間だけ苗植付装置5が下降する。操作レバー12を中立位置Nに操作すると、制御弁24が中立位置に操作されて苗植付装置5の下降が停止する。
以上のように操作レバー12を第1上昇及び第1下降位置UU1,DD1に操作している間だけ、苗植付装置5を上昇及び下降させることができるのであり、苗植付装置5を任意の高さに上昇及び下降させて停止させることができる。
図4に示すように、操作レバー12を右マーカー位置MRに操作すると、右のマーカー19が作用姿勢に操作される。操作レバー12を左マーカー位置MLに操作すると、左のマーカー19が作用姿勢に操作される。
[7]
走行機体50の位置検出及び方位検出の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、走行機体の前部の右部及び左部に右及び左の支持フレーム16が備えられており、支持フレーム16に予備苗のせ台15が支持されている。右及び左の支持フレーム16の上部に亘って、支持フレーム17が連結されている。
図1及び図2に示すように、支持フレーム17において、平面視で走行機体50の左右中央CLに位置する部分に、計測装置30(測位部に相当)が取り付けられている。計測装置30には、衛星測位システムにより位置情報を取得する受信装置(図示せず)、走行機体50の傾き(ピッチ角、ロール角)を検出する慣性計測装置(図示せず)が備えられており、計測装置30は走行機体50の位置を示す測位データを出力する。
図1及び図2に示すように、後車軸ケース37において平面視で走行機体50の左右中央CLに位置する部分に、慣性情報を計測する慣性計測装置48が取り付けられている。慣性計測装置48及び計測装置30の慣性計測は、IMU(Inertial Measurement Unit)により構成されている。
前述の衛星測位システム(GNSS:Global Navigation Satelite System)には、代表的なものとしてGPS(Global Positioning System)が挙げられる。GPSは、地球の上空を周回する複数のGPS衛星や、GPS衛星の追跡と管制を行う管制局や、測位を行う対象(走行機体50)が備える受信装置を使用して、計測装置30の受信装置の位置を計測するものである。
慣性計測装置48は、走行機体50のヨー角度(走行機体50の旋回角度)の角速度を検出可能なジャイロセンサー(図示せず)、及び、互いに直交する3軸方向の加速度を検出する加速度センサー(図示せず)を備えている。慣性計測装置48により計測される慣性情報には、ジャイロセンサーにより検出される方位変化情報と、加速度センサーにより検出される位置変化情報と、が含まれている。
[8]
自動走行に関する構成について説明する。
図1,2,4に示すように、変速レバー45の操作位置が制御装置23に入力されている。走行機体50の前部において平面視で走行機体50の左右中央CLの位置に、センターマスコット14が備えられている。操縦ハンドル20(操向部材41)を操作する操向モータ51が備えられ、変速レバー45を操作する変速モータ53が備えられている。
図4に示すように、スマートフォン46(携帯情報端末)(取得部に相当)が装備されており、Wi−Fiユニット47(取得部に相当)が備えられている。スマートフォン46とWi−Fiユニット47とはWi−Fi規格により相互に無線通信するように構成されており、Wi−Fiユニット47と制御装置23とはCANにより接続されている。スマートフォン46と外部のコンピュータ49とは、インターネットを介した無線のデータ通信により相互に通信することができる。
図4に示すように、作業開始終了位置設定部60(作業設定部に相当)、作業走行ライン設定部61(作業設定部に相当)、自動走行制御部62、旋回ライン設定部63、自動旋回制御部64、旋回方向報知部65が、ソフトウェアとして制御装置23に備えられている。
図2及び図4に示すように、自動走行制御部62及び自動旋回制御部64を作動状態及び停止状態に人為的に操作する押しボタン型式の操作部18が、変速レバー45の握り部に備えられており、操作部18の操作信号が制御装置23に入力される。操縦ハンドル20の前側に、液晶ディスプレイ等により構成された表示装置27が備えられており、各種の音声を出力するスピーカ等で構成された音声出力装置52が備えられている。
[9]
畦B1,B2,B3,B4の畦際ラインB11,B21,B31,B41の位置データ(圃場の外周部の位置データに相当)の取得について説明する。
図5に示すように、例えば畦B1,B2,B3,B4を備えた圃場において、畦B1,B2,B3,B4の畦際ラインB11,B21,B31,B41の位置データを、以下の(9−1)〜(9−5)に示す方法のうちのいずれか一つ(又は複数)によって事前に得て、コンピュータ49に記憶しておく。
(9−1)
図1及び図2に示す計測装置30を走行機体50から取り外して、計測装置30を持った作業者が畦際ラインB11〜B41に沿って歩行することにより、計測装置30による作業者の位置を示す測位データを、畦際ラインB11〜B41の位置データとして得る。
(9−2)
図1及び図2に示す乗用型田植機(計測装置30が取り付けられた状態)を、畦際ラインB11〜B41に沿って走行させることにより、計測装置30による走行機体50の位置を示す測位データを、畦際ラインB11〜B41の位置データとして得る。
この場合、走行機体50の左右中央CLに位置する部分に、計測装置30が取り付けられているので(走行機体50(苗植付装置5)の外端部が、畦際ラインB11〜B41に位置するので)、計測装置30による走行機体50の位置を示す測位データから、走行機体50(苗植付装置5)の横幅の1/2だけ外側の位置が、畦際ラインB11〜B41の位置データとなるように、補正が行われる。
(9−3)
同じ乗用型田植機(又は計測装置30を備えた別の乗用型田植機や乗用型播種機)が、過去に圃場を走行(作業)して、圃場を走行した走行機体50の位置を示す測位データを得ていた場合に、この測位データを、畦際ラインB11〜B41の位置データとして利用する。この場合、前項(9−2)に記載の補正を行っておく。
(9−4)
計測装置30を備えたコンバインやトラクタ等の各種の作業車が、過去(又は現在)に圃場を走行(作業)して、圃場を走行した作業車の位置を示す測位データを得ていた場合に、この測位データを、畦際ラインB11〜B41の位置データ(別の作業車が得た圃場の外周部の位置データ)として利用する。
(9−5)
畦際ラインB11〜B41の位置データを記録した市販の記憶媒体が存在すれば、この記憶媒体を利用する。
[10]
作業走行ラインL(L01〜L07)及び旋回ラインLL1〜LL6の設定について説明する。
前項[9]に記載のようにして、畦際ラインB11〜B41の位置データがコンピュータ49に記憶された状態において、図5に示すように、乗用型田植機が圃場の近傍に到着すると(走行機体50の位置K1)、畦際ラインB11〜B41の位置データがコンピュータ49からスマートフォン46に送信される。スマートフォン46が受信した畦際ラインB11〜B41の位置データが、スマートフォン46からWi−Fiユニット47に送信されて、Wi−Fiユニット47から制御装置23に送られる。
これにより、畦際ラインB11〜B41の位置データに基づいて、制御装置23において、以下に示す設定が行われる。この場合、畦際ラインB11,B21が平行で、畦際ラインB31,B41が平行な、平面視で長方形状の圃場を想定している。
図6に示すように、作業開始終了位置設定部60により、畦際ラインB11,B21から走行機体50(苗植付装置5)の横幅だけ圃場の中央側の位置に、畦際ラインB11,B21に沿って作業開始終了ラインLA1,LA2(作業開始位置及び作業終了位置に相当)が設定される。畦際ラインB31,B41から走行機体50(苗植付装置5)の横幅だけ圃場の中央側の位置に、畦際ラインB31,B41に沿って枕地ラインLB1,LB2が設定される。
これにより、作業開始終了ラインLA1,LA2及び枕地ラインLB1,LB2が、表示装置27に表示される。
この場合、前項[9]の(9−3)に基づいて、畦際ラインB11〜B41の位置データが得られていると、後述する作業開始位置C1〜C7及び作業終了位置D1〜D7が、過去に圃場を走行(作業)した際の作業開始位置C1〜C7及び作業終了位置D1〜D7と一致(又は近接したい位置)となるように、作業開始終了ラインLA1,LA2及び枕地ラインLB1,LB2の位置が補正されるように、作業開始終了位置設定部60が構成されていてもよい。
次に図6に示すように、作業走行ライン設定部61により、一方の作業開始終了ラインLA1と、反対側の作業開始終了ラインLA2との間において、複数の作業走行ラインLが、枕地ラインLB1,LB2と平行となり、且つ、互いに平行となるように所定間隔W1(走行機体50(苗植付装置5)の横幅)を置いて、作業開始終了ラインLA1,LA2に亘って設定される。
これにより、作業開始終了ラインLA1,LA2及び枕地ラインLB1,LB2、作業走行ラインL、計測装置30による走行機体50の位置(測位データ)が、表示装置27に表示される。
次に運転者が表示装置27において、最初に作業を開始する作業スタート位置を指定する。図7に示すように、例えば位置K2を作業スタート位置として指定すると、作業走行ライン設定部61により、複数の作業走行ラインLにおいて、位置K2に近い作業走行ラインLから順番に、作業走行ラインL01,L02,L03,L04,L05,L06,L07が設定され、作業走行ラインL01〜L07の向き(図7に示す作業走行ラインL01〜L07の矢印参照)が設定される。
図7に示すように、作業走行ラインL01〜L07の始端部における作業開始終了ラインLA1,LA2の位置が、作業開始位置C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7となる。作業走行ラインL01〜L07の終端部における作業開始終了ラインLA1,LA2の位置が、作業終了位置D1,D2,D3,D4,D5,D6,D7となる。
これにより、作業開始終了ラインLA1,LA2及び枕地ラインLB1,LB2、作業開始位置C1〜C7及び作業終了位置D1〜D7、作業走行ラインL01〜L07、計測装置30による走行機体50の位置(測位データ)が、表示装置27に表示される。
[11]
旋回ラインLL1〜LL6の設定について説明する。
前項[10]に記載のように、作業開始位置C1〜C7及び作業終了位置D1〜D7が設定されると、畦際ラインB11〜B41の位置データに基づいて、制御装置23において、以下に示す設定が行われる。
図7に示すように、旋回ライン設定部63により、作業終了位置D1と作業開始位置C2とに亘って、平面視で円状の旋回ラインLL1が圃場に設定される。
同様にして旋回ライン設定部63により、作業終了位置D2と作業開始位置C3、作業終了位置D3と作業開始位置C4、作業終了位置D4と作業開始位置C5、作業終了位置D5と作業開始位置C6、作業終了位置D6と作業開始位置C7とに亘って、平面視で円状の旋回ラインLL2,LL3,LL4,LL5,LL6が圃場に設定される。
これにより、作業開始終了ラインLA1,LA2及び枕地ラインLB1,LB2、作業開始位置C1〜C7及び作業終了位置D1〜D7、作業走行ラインL01〜L07、旋回ラインLL1〜LL6、計測装置30による走行機体50の位置(測位データ)が、表示装置27に表示される。
前項[10]において、図12に示すように、例えば位置K10を作業スタート位置として指定すると、図7に示す状態とは異なる作業開始位置C1〜C7及び作業終了位置D1〜D7、作業走行ラインL01〜L07、旋回ラインLL1〜LL6が、図12に示すように設定される。
[12]
乗用型田植機による走行(作業)について説明する(その1)。
前項[10][11]に記載のように、作業開始位置C1〜C7及び作業終了位置D1〜D7、作業走行ラインL01〜L07、旋回ラインLL1〜LL6が設定された状態において、運転者が操作部18を操作することにより、自動走行制御部62によって以下に示す操作が行われる。
図8に示すように、走行機体50が位置K1に位置した状態において、運転者が操作部18を操作すると、計測装置30による走行機体50の位置(測位データ)及び慣性計測装置48による慣性情報により、制御装置23により変速モータ53(変速レバー45)及び操向モータ51(操縦ハンドル20)が自動的に操作される。
これにより、図8に示すように、走行機体50が位置K1を自動的に発進し、経路LC1に沿って自動的に走行して、運転者が最初に植付作業を開始する作業スタート位置として指定した位置K2で自動的に停止する。
この後、走行機体50が位置K2に位置した状態において、作業を開始する為に、運転者が操作部18を操作する。
図8に示すように、走行機体50が位置K2に位置した状態において、運転者が操作部18を操作すると、後述する[13][14][15]に記載のように、昇降操作部57により制御弁24が操作され、クラッチ操作部58により植付クラッチ26(電動モータ28)が操作され、マーカー操作部59により右及び左のマーカー19(電動モータ21)が操作され、旋回方向報知部65により表示装置27及び音声出力装置52が操作される。
前述と同様に、後述する[13][14][15]に記載のように、計測装置30による走行機体50の位置(測位データ)及び慣性計測装置48による慣性情報に基づいて、自動走行制御部62及び自動旋回制御部64により、変速レバー45(変速モータ53)及び操縦ハンドル20(操向モータ51)が操作される。
[13]
乗用型田植機による走行(作業)について説明する(その2)。
図7に示すように、走行機体50が位置K2に位置した状態において、運転者が操作部18を操作すると、変速レバー45が所定の変速位置に操作されて、走行機体50が自動的に発進し、操縦ハンドル20が操作されて、走行機体50が作業走行ラインL01に沿って自動的に走行する。走行(作業)が開始されたことが、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声で報知される。
この場合、苗植付装置5(植付アーム8)が作業開始位置C1に達する少し前の位置から、苗植付装置5が田面に下降操作され(自動昇降制御(前項[4]参照)の作動状態、植付クラッチ26の遮断状態)、右のマーカー19が作用姿勢に操作される(左のマーカー19は格納姿勢)。苗植付装置5が田面に下降操作されたこと、及び、右のマーカー19が作用姿勢に操作されたことが、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声で報知される。
図8から図9に示すように、苗植付装置5(植付アーム8)が作業開始位置C1に達すると、植付クラッチ26が伝動状態に操作されて、作業開始位置C1から苗の植え付けが開始される。植え付けが開始されたことが、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声で報知される。
これにより図9に示すように、走行機体50が作業走行ラインL01に沿って自動的に走行しながら、苗の植え付けが行われるのであり、右のマーカー19により、作業走行ラインL02に対応する田面の位置に指標が形成される(走行機体50の位置K3参照)。
図9に示すように、作業走行ラインL01において、走行機体50が作業終了位置D1に設定距離まで接近すると、走行機体50が作業終了位置D1に接近したこと、及び、走行機体50が作業終了位置D1に達すると旋回方向への旋回が行われること(旋回ラインLL1では右方向)が、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声で報知される。
図9に示すように、苗植付装置5(植付アーム8)が作業終了位置D1に達すると、植付クラッチ26が遮断状態に操作され(苗の植え付けの停止)、苗植付装置5が田面から上昇操作されて、右のマーカー19が格納姿勢に操作される。これと同時に、変速レバー45が所定の変速位置から少し低速側に操作されて、走行機体50が旋回ラインLL1に沿って自動的に走行(旋回)する(走行機体50の位置K4参照)。
苗の植え付けが停止して苗植付装置5が上昇操作されたこと、右のマーカー19が格納姿勢に操作されたこと、及び、右方向への旋回が開始されたことが、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声で報知される。
図9に示すように、旋回ラインLL1において(走行機体50の位置K4参照)、走行機体50が作業開始位置C2に達する少し前の位置から、苗植付装置5が田面に下降操作され(自動昇降制御(前項[4]参照)の作動状態、植付クラッチ26の遮断状態)、左のマーカー19が作用姿勢に操作される(右のマーカー19は格納姿勢)。苗植付装置5が田面に下降操作されたこと、及び、左のマーカー19が作用姿勢に操作されたことが、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声で報知される。
図9から図10に示すように、苗植付装置5(植付アーム8)が作業開始位置C2に達すると、植付クラッチ26が伝動状態に操作されて、作業開始位置C2から苗の植え付けが開始されるのであり、変速レバー45が所定の変速位置に操作される。苗の植え付けが開始されたことが、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声で報知される。これにより、図10に示すように、走行機体50が作業走行ラインL02に沿って自動的に走行しながら、苗の植え付けが行われるのであり、左のマーカー19により、作業走行ラインL02に対応する田面の位置に指標が形成される(走行機体50の位置K5参照)。
以上の状態において、作業開始終了ラインLA1,LA2及び枕地ラインLB1,LB2、作業開始位置C1〜C7及び作業終了位置D1〜D7、作業走行ラインL01〜L07、旋回ラインLL1〜LL6、計測装置30による走行機体50の位置(測位データ)が、表示装置27に表示されているのであり、表示装置27において、走行機体50が作業走行ラインL01,L02及び旋回ラインLL1に沿って移動する。
前述のように、走行機体50が作業走行ラインL02に沿って自動的に走行する場合、前回の走行機体50の作業走行ラインL01に沿っての自動的な走行(作業)の状態において、右のマーカー19により、作業走行ラインL02に対応する田面の位置に指標が形成されている(図9の走行機体50の位置K3参照)。
これにより、運転者は、表示装置27を目視する同時に、センターマスコット14と、前述の作業走行ラインL02に対応する田面の位置の指標とを目視することによって、走行機体50が作業走行ラインL02に沿って自動的に走行することを確認することができる。
以上のようにして、図9及び図10に示すように、走行機体50の作業走行ラインL01〜L07に沿っての自動的な走行(作業)、及び、走行機体50の旋回ラインLL1〜LL6に沿っての自動的な走行(旋回)が行われる。
[14]
乗用型田植機による走行(作業)について説明する(その3)。
前項[13]の状態について、作業走行ラインL01〜L07及び旋回ラインLL1〜LL6において、運転者が走行機体50の走行速度を変更する必要があると判断した場合に、運転者は、変速モータ53に抗して手動で変速レバー45を所定の変速位置から高速側及び低速側に操作することができる(自動走行制御部62による変速レバー45(変速モータ53)の操作の一時停止状態)。
この後、走行機体50が作業開始位置C1〜C7又は作業終了位置D1〜D7に達すると(又は運転者が操作部18を操作すると)(又は運転者が変速レバー45から手を離すと)、自動走行制御部62により変速レバー45が所定の変速位置に操作される。
同様に作業走行ラインL01〜L07及び旋回ラインLL1〜LL6において、運転者が走行機体50の向きを修正する必要があると判断した場合、運転者は、操向モータ51に抗して手動で操縦ハンドル20を操作することができる(自動走行制御部62による操縦ハンドル20(操向モータ51)の操作の一時停止状態)。
この後、運転者が操縦ハンドル20から手を離すと(又は運転者が操作部18を操作すると)、前述のように自動走行制御部62により操縦ハンドル20(操向モータ51)が操作される状態に戻る。
作業走行ラインL01〜L07及び旋回ラインLL1〜LL6において、走行機体50を停止させる必要が生じた場合(例えば、予備苗のせ台15の苗を苗植付装置5の苗のせ台10に補給する場合等)、運転者が変速レバー45を中立位置Nに操作して、走行機体50を停止させる(自動走行制御部62の一時停止状態)。
この場合、運転者が操作レバー12を操作することにより、前項[5]に記載の操作を行うことができる。
この後、運転者が操作部18を操作すると、自動走行制御部62が作動状態に戻り、自動走行制御部62により変速レバー45が所定の変速位置に操作されて、走行機体50が発進する。
[15]
乗用型田植機による走行(作業)について説明する(その4)。
前項[13][14]において、図11に示すように、走行機体50が作業走行ラインL07から作業終了位置D7に達して、作業走行ラインL01〜L07に沿っての走行(作業)を終了すると、走行機体50は作業終了位置D7で停止する。
図11に示すように、走行機体50が作業終了位置D7で停止した状態において、運転者が操作部18を操作すると、計測装置30による走行機体50の位置(測位データ)及び慣性計測装置48による慣性情報により、自動走行制御部62によって変速モータ53(変速レバー45)及び操向モータ51(操縦ハンドル20)が自動的に操作されて、走行機体50が経路LC2に沿って自動的に走行し、走行機体50の向きの修正及び前後進が行われて、走行機体50が位置K6で自動的に停止する。
この後、走行機体50が位置K6に位置した状態において、回り作業を開始する為に、運転者が操作部18を操作する。
図11に示すように、走行機体50が位置K6に位置した状態において、運転者が操作部18を操作すると、苗植付装置5が田面に下降操作され(自動昇降制御(前項[4]参照)の作動状態、植付クラッチ26の遮断状態)、右及び左のマーカー19は作用姿勢に操作されずに格納姿勢に保持される。苗植付装置5が田面に下降操作されたこと、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声で報知される。
この後に、図11に示すように、変速レバー45が所定の変速位置に操作されて、走行機体50が自動的に発進し、操縦ハンドル20が操作されて、走行機体50が畦際ラインB41及び枕地ラインLB2に沿って自動的に走行する。走行機体50が発進するのと同時に、植付クラッチ26が伝動状態に操作されて、位置K6から苗の植え付けが開始される。苗の植え付けが開始されたことが、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声で報知される。
これにより、図11に示すように、走行機体50が畦際ラインB41及び枕地ラインLB2に沿って自動的に走行しながら、苗の植え付けが行われる(回り作業走行LD1)。
図11に示すように、回り作業走行LD1において、走行機体50が畦際ラインB21に設定距離まで接近すると、走行機体50が畦際ラインB21に接近したことが、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声で報知される。
図11に示すように、回り作業走行LD1が終了して、走行機体50の前部が畦際ラインB21に達すると、植付クラッチ26が遮断状態に操作され(苗の植え付けの停止)、苗植付装置5が田面から上昇操作されるのであり、変速レバー45が中立位置Nに操作されて、走行機体50が停止する。
次に運転者が操作部18を操作すると、走行機体50の向きの修正及び前後進が行われて、走行機体50が位置K7で自動的に停止する。
図11に示すように、走行機体50が位置K7に位置した状態において、運転者が操作部18を操作すると、回り作業走行LD1と同様に、苗植付装置5田面に下降操作され(自動昇降制御(前項[4]参照)の作動状態、植付クラッチ26の遮断状態)、右及び左のマーカー19は作用姿勢に操作されずに格納姿勢に保持される。苗植付装置5が田面に下降操作されたこと、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声により報知される。
この後、変速レバー45が所定の変速位置に操作されて、走行機体50が自動的に発進し、操縦ハンドル20が操作されて、走行機体50が畦際ラインB21及び作業開始終了ラインLA2に沿って自動的に走行するのであり、走行機体50が発進するのと同時に、植付クラッチ26が伝動状態に操作されて、位置K7から苗の植え付けが開始される。苗の植え付けが開始されたことが、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声により報知される。
これにより、図11に示すように、走行機体50が畦際ラインB21及び作業開始終了ラインLA2に沿って自動的に走行しながら、苗の植え付けが行われる(回り作業走行LD2)。
この後、図11に示すように、回り作業走行LD1,LD2と同様にして、位置K8からの畦際ラインB31及び枕地ラインLB1に沿っての回り作業走行LD3、及び、位置K9からの畦際ラインB11及び作業開始終了ラインLA1に沿っての回り作業走行LD4が行われるのであり、回り作業走行LD4が終了して、走行機体50が位置K6に達すると、走行機体50は圃場から出て行く。
以上のようにして、一つの圃場の苗の植え付けを終了する。
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための形態]において、図7〜図12に示す旋回ラインLL1〜LL6は平面視で円状であるが、以下に示すような平面視の形状を備えた旋回ラインLL1〜LL6を設定してもよい。
旋回ラインLL1を代表として説明する。図13に示すように、作業走行ラインL01において、走行機体50の前部が畦際ラインB11に達するまで直進すると、植付クラッチ26が遮断状態に操作され(苗の植え付けの停止)、苗植付装置5が田面から上昇操作されるのであり、変速レバー45が中立位置Nに操作されて、走行機体50が停止する。この状態において、苗植付装置5(植付アーム8)が作業終了位置D1に位置する。
図13に示すように、走行機体50が停止してから、旋回ラインLL1において、後進部分LL11、前進部分LL12、旋回部分LL13、前進部分LL14、旋回部分LL15、前進部分LL16が行われて、苗植付装置5(植付アーム8)が作業開始位置C2に位置する。
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための形態]において、図7〜図12に示す旋回ラインLL1〜LL6は平面視で円状であるが、以下に示すような平面視の形状を備えた旋回ラインLL1〜LL6を設定してもよい。
旋回ラインLL1を代表として説明する。図14に示すように、作業走行ラインL01において、走行機体50の前部が畦際ラインB11の少し手前の位置に達すると、植付クラッチ26が遮断状態に操作され(苗の植え付けの停止)、苗植付装置5が田面から上昇操作されるのであり、変速レバー45が中立位置Nに操作されて、走行機体50が停止する。この状態において、苗植付装置5(植付アーム8)が作業終了位置D1に位置する。
図14に示すように、走行機体50が停止してから、旋回ラインLL1において、旋回部分LL17、前進部分LL18、旋回部分LL19が行われて、苗植付装置5(植付アーム8)が作業開始位置C2に位置する。
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]において、以下に示すように構成してもよい。
図5において、畦際ラインB11〜B41の位置データに基づいて、畦際ラインB31,B41に沿って作業開始終了ラインLA1,LA2を設定し、畦際ラインB11,B21に沿って枕地ラインLB1,LB2を設定する。
次に、一方の作業開始終了ラインLA1と、反対側の作業開始終了ラインLA2との間において、複数の作業走行ラインL(L01〜L07)を、枕地ラインLB1,LB2(畦際ラインB11,B21)と平行となり、且つ、互いに平行となるように所定間隔W1(走行機体50(苗植付装置5)の横幅)を置いて、作業開始終了ラインLA1,LA2に亘って設定する。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]並びに本項[発明の実施の第3別形態]に記載の作業走行ラインL01〜L07及び旋回ラインLL1〜LL6は、走行機体50の後部にロータリ耕耘装置(図示せず)を昇降自在に支持したトラクタ(作業車の一例)(図示せず)においても適用できる。
[発明の実施の第4別形態]
圃場の作物を刈り取るコンバイン(図示せず)において、前述の[発明を実施するための形態]の図7〜図12に示す作業走行ラインL01〜L07及び旋回ラインLL1〜LL6に代えて、図15に示すように設定してもよい。
図15に示すように、圃場において、走行機体50を畦際ラインB11〜B41に沿って平行に走行させて、畦B1〜B4の畦際の作物(図11の回り作業走行LD1〜LD4の部分の作物)を、事前に刈り取っておく。これにより、畦際ラインB11〜B41の位置データに基づいて、圃場に残る作物の外周部を示す外周部ラインLE1,LE2,LE3,LE4が生成される。
図15に示すように、次に運転者が表示装置27において、最初に刈取作業を開始する作業スタート位置を指定する。図15に示すように、例えば位置K11を作業スタート位置として指定すると、外周部ラインLE1〜LE4の位置データ及び走行機体50の横幅に基づいて、作業開始位置C1〜C9が設定されて、作業終了位置D1〜D9が設定される。作業開始位置C1〜C9及び作業終了位置D1〜D9に基づいて、作業走行ラインL01〜L09が設定され、作業走行ラインL01〜L09の向き(図15に示す作業走行ラインL01〜L09の矢印参照)が設定される。
図15に示すように、作業開始位置C1〜C9及び作業終了位置D1〜D9が設定されると、畦際ラインB11〜B41(外周部ラインLE1〜LE4)の位置データに基づいて、作業開始位置C1〜C9と作業終了位置D1〜D9とに亘って旋回ラインLL1が設定される。
図15に示すように、作業終了位置D1と作業開始位置C2とに亘る旋回ラインLL1を代表として説明すると、旋回ラインLL1において、前進での旋回部分LL20,後進での旋回部分LL21、前進部分LL22が行われて、作業開始位置C2に位置する。
[発明の実施の第5別形態]
圃場の作物を刈り取るコンバイン(図示せず)において、前述の[発明を実施するための形態]の図7〜図12に示す作業走行ラインL01〜L07及び旋回ラインLL1〜LL6に代えて、図16に示すように設定してもよい。
図16に示すように、圃場において、走行機体50を畦際ラインB11〜B41に沿って平行に走行させて、畦B1〜B4の畦際の作物(図11の回り作業走行LD1〜LD4の部分の作物)を、事前に刈り取っておく。これにより、畦際ラインB11〜B41の位置データに基づいて、圃場に残る作物の外周部を示す外周部ラインLE1,LE2,LE3,LE4が生成される。
図16に示すように、次に運転者が表示装置27において、最初に刈取作業を開始する作業スタート位置を指定する。例えば位置K12を作業スタート位置として指定すると、外周部ラインLE1〜LE4の位置データ及び走行機体50の横幅に基づいて、作業開始位置C1〜C7が設定されて、作業終了位置D1〜D7が設定される。作業開始位置C1〜C7及び作業終了位置D1〜D7に基づいて、作業走行ラインL01〜L07が設定され、作業走行ラインL01〜L07の向き(図16に示す作業走行ラインL01〜L07の矢印参照)が設定される。
図16に示すように、作業開始位置C1〜C7及び作業終了位置D1〜D7が設定されると、畦際ラインB11〜B41(外周部ラインLE1〜LE4)の位置データに基づいて、作業開始位置C1〜C7と作業終了位置D1〜D7とに亘って旋回ラインLL1〜LL6が設定される。
[発明の実施の第6別形態]
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第5別形態]において、以下の(6−1)〜(6−4)に記載のように構成してもよい。
(6−1)
自動走行制御部62及び自動旋回制御部64を備えた場合、自動走行制御部62を手動操作により独立で作動状態及び停止状態に操作できるように構成し、自動旋回制御部64を手動操作により独立で作動状態及び停止状態に操作できるように構成する。
(6−2)
自動走行制御部62を備えて、自動旋回制御部64を備えない。この場合、自動走行制御部62を手動操作により独立で作動状態及び停止状態に操作できるように構成する。
(6−3)
自動旋回制御部64を備えて、自動走行制御部62を備えない。この場合、自動旋回制御部64を手動操作により独立で作動状態及び停止状態に操作できるように構成する。
(6−4)
自動走行制御部62及び自動旋回制御部64の両方を備えない。
前項(6−1)〜(6−4)において、自動走行制御部62を備えない場合(自動走行制御部62を停止状態に操作した場合)、自動旋回制御部64を備えない場合(自動旋回制御部64を停止状態に操作した場合)、運転者は表示装置27の表示を目視しながら、操縦ハンドル20及び変速レバー45を操作して、走行機体50を作業走行ラインL01〜L07(L09)及び旋回ラインLL1〜LL6に沿って走行させる。
この場合、乗用型田植機では、表示装置27の表示に加えて、センターマスコット14と作業走行ラインL02〜L07に対応する田面の位置の指標とを目視することにより、操縦ハンドル20及び変速レバー45を操作して、走行機体50を作業走行ラインL01〜L07に沿って走行させる。
[発明の実施の第7別形態]
前述の[発明の実施の第6別形態]において、自動旋回制御部64を備えない場合(自動旋回制御部64を停止状態に操作可能に構成した場合)、図17に示すように、旋回操作タイミング報知部66をソフトウェアとして制御装置23に備えてもよい。
これにより、自動旋回制御部64を備えない状態(自動旋回制御部64を停止状態に操作した状態)において、旋回操作タイミング報知部66が以下の(7−1)〜(7−4)に記載のように作動するように構成する。
(7−1)
図7に示すように、走行機体50が作業終了位置D1〜D6に達した時に、
「走行機体50の旋回方向及び操縦ハンドル20を旋回方向に操作すること」
が、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声で報知される。
走行機体50が作業開始位置C2〜C7に達した時に、
「操縦ハンドル20を直進位置に操作すること」
が、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声で報知される。
これにより、運転者は、表示装置27の表示及び音声出力装置52による音声での報知に従って、操縦ハンドル20及び変速レバー45を操作すればよい。
(7−2)
図13に示すように、走行機体50が作業終了位置D1〜D6に達した時に、
「走行機体50を停止させて後進させること」(後進部分LL11)
「走行機体50を停止させて前進させること」(前進部分LL12)
「走行機体50の旋回方向及び操縦ハンドル20を旋回方向に操作すること」(旋回部分LL13)
「走行機体50を前進させること」(前進部分LL14)
「走行機体50の旋回方向及び操縦ハンドル20を旋回方向に操作すること」(旋回部分LL15)
「走行機体50を前進させること」(前進部分LL16)
が、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声で報知される。
これにより、運転者は、表示装置27の表示及び音声出力装置52による音声での報知に従って、操縦ハンドル20及び変速レバー45を操作すればよい。
(7−3)
図14に示すように、走行機体50が作業終了位置D1〜D6に達した時に、
「走行機体50の旋回方向及び操縦ハンドル20を旋回方向に操作すること」(旋回部分LL17)
「走行機体50を前進させること」(前進部分LL18)
「走行機体50の旋回方向及び操縦ハンドル20を旋回方向に操作すること」(旋回部分LL19)
が、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声で報知される。
これにより、運転者は、表示装置27の表示及び音声出力装置52による音声での報知に従って、操縦ハンドル20及び変速レバー45を操作すればよい。
(7−4)
図15に示すように、走行機体50が作業終了位置D1〜D8に達した時に、
「走行機体50の旋回方向及び操縦ハンドル20を旋回方向に操作すること」(前進での旋回部分LL20)
「走行機体50の旋回方向、操縦ハンドル20を旋回方向に操作すること及び走行機体50を後進させること」(後進での旋回部分LL21)
「走行機体50を前進させること」(前進部分LL22)
が、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声で報知される。
これにより、運転者は、表示装置27の表示及び音声出力装置52による音声での報知に従って、操縦ハンドル20及び変速レバー45を操作すればよい。
この場合、図16に示すような旋回ラインLL1〜LL6において、前述のような表示装置27の表示及び音声出力装置52による音声での報知を行ってもよい。
前項(7−1)〜(7−4)において、前述の[発明を実施するための形態]の[13][14][15]に記載のような、昇降操作部57による苗植付装置5の上昇及び下降操作、クラッチ操作部58による植付クラッチ26の操作、マーカー操作部59による右及び左のマーカー19の操作が行われないように構成し、苗植付装置5の上昇及び下降操作、植付クラッチ26の操作、右及び左のマーカー19の操作を、運転者が操作レバー12を操作することによって行うように構成してもよい(前述の[発明を実施するための形態]の[5][6]参照)。
[発明の実施の第8別形態]
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第7別形態]において、以下に説明する構成を備えてもよい。
図20に示すように、苗のせ台10及び予備苗のせ台15に載置された苗(資材に相当)の残量を検出する資材残量検出部67が、苗のせ台10及び予備苗のせ台15に備えられており、資材残量検出部67の検出値が制御装置23に入力されている。運転者が手動で操作する自動停止スイッチ54が備えられており、自動停止スイッチ54の操作指令が制御装置23に入力される。
図20に示すように、資材残量演算部68、資材報知部69、自動停止部70、強制自動停止部71が、ソフトウェアとして制御装置23に備えられている。これにより、資材残量検出部67の検出値に基づいて、資材残量演算部68により、以下の(8−1)(8−2)に示すように苗の残量が演算される。
図18に示すように、畦B1(特定の畦に相当)に苗がトラック等により運搬されてきて置かれており、補助作業者がB1で待機している。
(8−1)
図18に示すように、
「走行機体50が作業走行ラインL01(L03)(L05)に位置している状態において、次の作業走行ラインL02(L04)(L06)に入った場合、2つの作業走行ラインL02,L03(L04,L05)(L06,L07)に沿っての走行(作業)を終了して、畦B1に達することができるだけ苗の残量があるか否か」
(8−2)
図19に示すように、
「走行機体50が作業走行ラインL02(L04)(L06)に位置している状態において、次の作業走行ラインL03(L05)(L07)に入った場合、次の作業走行ラインL03(L05)(L07)の途中で、苗のせ台10及び予備苗のせ台15の苗が無くなってしまうか否か」
これにより、例えば図18に示すように、走行機体50が位置K13に位置している状態(作業走行ラインL03)において、次の作業走行ラインL04に入ってしまうと、作業走行ラインL04,L05の途中で苗のせ台10及び予備苗のせ台15の苗が無くなってしまうと、資材残量演算部68により演算されたとする。
前述のような状態になると、図18及び図20に示すように、
「畦B1の畦際で走行機体50を停止させて苗の補給を行うべきこと」
が、資材報知部69により、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声で報知されるのであり、運転者は自身の判断により、自動停止スイッチ54を操作すればよい。
これと同時に、補助作業者が携帯するスマートフォン55(携帯情報端末)に、前述と同じ報知内容がスマートフォン46から送信されるのであり、補助作業者は、自身が携帯するスマートフォン55への報知に基づいて苗の補給の準備を開始する。
運転者が自動停止スイッチ54を操作すると、自動停止部70が作動する。
これにより、図18に示すように、走行機体50が位置K13に位置している状態(作業走行ラインL03)において、運転者が自動停止スイッチ54を操作すると、走行機体50の作業走行ラインL03に沿っての自動的な走行(作業)は続行される。
この後、図18に示すように、苗植付装置5(植付アーム8)が作業終了位置D3に達すると、植付クラッチ26が遮断状態に操作され(苗の植え付けの停止)、苗植付装置5が田面から上昇操作されて、右のマーカー19が格納姿勢に操作される。次に、走行機体50の旋回ラインLL3に沿っての自動的な走行(旋回)は行われず、走行機体50はそのまま前進して、走行機体50の前部が畦際ラインB11に位置する位置K14で、走行機体50は自動的に停止する。
これにより、畦B1において、補助作業者が苗を、走行機体50の運転者に手渡すのであり、苗を受け取った運転者は、苗を苗のせ台10及び予備苗のせ台15に補給する。
次に強制自動停止部71の作動について説明する。
図18に示すように、走行機体50が位置K13に位置している状態(作業走行ラインL03)において、
「畦B1の畦際で走行機体50を停止させて苗の補給を行うべきこと」
が、資材報知部69により、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声で報知されても、運転者が自動停止スイッチ54を操作しなかった場合、図19に示すように、走行機体50の旋回ラインLL3に沿っての自動的な走行(旋回)が行われ、走行機体50が作業走行ラインL04に入ったとする(位置K15参照)。
この場合、資材残量検出部67の検出値に基づいて、資材残量演算部68により苗の残量の演算が再び行われるのであり、
「走行機体50が作業走行ラインL04に位置している状態において、次の作業走行ラインL05に入った場合、次の作業走行ラインL05の途中で、苗のせ台10及び予備苗のせ台15の苗が無くなってしまう」
という苗の残量の状態が演算されると(資材の残量が事前に設定された設定量よりも少なくなった状態に相当)、強制自動停止部71が作動する。
図19に示すように、強制自動停止部71が作動すると、走行機体50の作業走行ラインL04に沿っての自動的な走行(作業)は続行されるのであり、苗植付装置5(植付アーム8)が作業終了位置D4に達すると、植付クラッチ26が遮断状態に操作され(苗の植え付けの停止)、苗植付装置5が田面から上昇操作されて、左のマーカー19が格納姿勢に操作される。
次に、走行機体50の旋回ラインLL4に沿っての自動的な走行(旋回)は行われず、走行機体50はそのまま前進して、走行機体50の前部が畦際ラインB21に位置する位置K16で、走行機体50は自動的に停止する。
この場合、畦B1で待機している補助作業者は、畦B1に準備された苗を畦B2に移動させる必要があるのであり、畦B2において、苗の補給が行われる。
[発明の実施の第9別形態]
前述の[発明の実施の第8別形態]において、強制自動停止部71により走行機体50が以下の説明のように走行して停止するように構成してもよい。
図18に示すように、走行機体50が位置K13に位置している状態(作業走行ラインL03)において、
「畦B1の畦際で走行機体50を停止させて苗の補給を行うべきこと」
が、資材報知部69により、表示装置27に表示され、音声出力装置52により音声で報知されても、運転者が自動停止スイッチ54を操作しなかった場合、図19に示すように、走行機体50の旋回ラインLL3に沿っての自動的な走行(旋回)が行われ、走行機体50が作業走行ラインL04に入ったとする(位置K15参照)。
この場合、資材残量検出部67の検出値に基づいて、資材残量演算部68により苗の残量の演算が再び行われるのであり、
「走行機体50が作業走行ラインL04に位置している状態において、次の作業走行ラインL05に入った場合、次の作業走行ラインL05の途中で、苗のせ台10及び予備苗のせ台15の苗が無くなってしまう」
という苗の残量の状態が演算されると(資材の残量が事前に設定された設定量よりも少なくなった状態に相当)、強制自動停止部71が作動する。
強制自動停止部71が作動すると、走行機体50の作業走行ラインL04に沿っての自動的な走行(作業)は続行され、走行機体50の旋回ラインLL3に沿っての自動的な走行(旋回)が行われて、走行機体50が作業走行ラインL05に入る。
この場合、作業走行ラインL05の途中で苗のせ台10及び予備苗のせ台15の苗が無くなってしまうのであるが、作業走行ラインL05の途中で苗のせ台10及び予備苗のせ台15の苗が無くなってしまうと、植付クラッチ26が遮断状態に操作され(苗の植え付けの停止)、苗植付装置5が田面から上昇操作されて、右のマーカー19が格納姿勢に操作される。
この後、走行機体50の作業走行ラインL05に沿っての走行は続行されるのであり、走行機体50が作業終了位置D5に達し、走行機体50の前部が畦際ラインB11に位置すると、走行機体50は自動的に停止する。
これにより、畦B1の補助作業者が畦B1に準備された苗を、走行機体50の運転者に手渡すのであり、苗を受け取った運転者は、苗を苗のせ台10及び予備苗のせ台15に補給する。
この後、運転者が手動で操縦ハンドル20及び変速レバー45を操作して、走行機体50を作業走行ラインL05に沿って後進させるのであり、前述の植付クラッチ26が遮断状態に操作された位置(苗の植え付けの停止位置)に戻り、走行機体50の作業走行ラインL05に沿っての自動的な走行(作業)を再開する。
[発明の実施の第10別形態]
前述の[発明の実施の第8別形態][発明の実施の第9別形態]において、自動停止部70により走行機体50が以下の説明のように走行して停止するように構成してもよい。
図21に示すように、走行機体50が位置K17に位置している状態(作業走行ラインL03)において、運転者が自動停止スイッチ54を操作すると、走行機体50の作業走行ラインL03に沿っての自動的な走行(作業)は続行される。
図21に示すように、苗植付装置5(植付アーム8)が作業終了位置D3に達すると、植付クラッチ26が遮断状態に操作され(苗の植え付けの停止)、苗植付装置5が田面から上昇操作されて、右のマーカー19が格納姿勢に操作される。これと同時に、変速レバー45が所定の変速位置から少し低速側に操作されて、走行機体50が旋回ラインLL3に沿って自動的に走行(旋回)する。
図21に示すように、旋回ラインLL3において、走行機体50が作業開始位置C4に達しても(位置K18参照)、苗植付装置5は上昇操作された状態に維持されて(植付クラッチ26の遮断状態、右及び左のマーカー19の格納姿勢)、次の走行機体50の作業走行ラインL04に沿っての自動的な走行(作業)は行われず、走行機体50はそのまま後進して、苗植付装置5が畦際ラインB11に位置する位置K19で、走行機体50が自動的に停止する。
例えば、走行機体50の後部やリンク機構3に、施肥装置(図示せず)や播種装置(図示せず)、薬剤散布装置(図示せず)を備えた乗用型田植機や乗用型直播機では、畦B1から肥料や種子、薬剤を補給する場合、肥料や種子、薬剤を畦B1から走行機体50の後部に補給すると、補給された肥料や種子、薬剤を施肥装置や播種装置、薬剤散布装置に補給し易い。
従って、このような乗用型田植機や乗用型直播機において、図21に示すように、苗植付装置5が畦際ラインB11に位置する位置K19で走行機体50を停止させることは、好都合なものとなる。
[発明の実施の第11別形態]
前述の[発明の実施の第8別形態][発明の実施の第9別形態][発明の実施の第10別形態]において、資材残量演算部68、資材報知部69、自動停止部70、強制自動停止部71の機能を、例えば種子、肥料、薬剤や走行用の燃料等の資材に適用するように構成してもよい。
[発明の実施の第12別形態]
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第11別形態]において、以下の(12−1)(12−2)に記載の構成を備えてもよい。
(12−1)
圃場の中央側(畦際ラインB11〜B41の内側)において、樹木等の障害物が存在する場合、圃場に存在する障害物の位置を示す障害物データを、圃場の外周部(畦際ラインB11〜B41の位置データ)に含ませる(追加する)。
この場合、障害物が存在する位置において、作業走行ラインL01〜L09が障害物を迂回するように、曲がった状態となるように設定される。
作業走行ラインL01〜L09において、走行機体50が障害物に達すると、植付クラッチ26が遮断状態に操作され(苗の植え付けの停止)、苗植付装置5が田面から上昇操作されて、右(左)のマーカー19が格納姿勢に操作される。走行機体50が障害物の迂回を終了すると、苗植付装置5が田面に下降操作され(自動昇降制御(前項[4]参照)の作動状態)、右(左)のマーカー19が作用姿勢に操作され、植付クラッチ26が伝動状態に操作されて、苗の植え付けが再開される。
(12−2)
圃場の中央側(畦際ラインB11〜B41の内側)において、圃場の各位置での水平面に対する傾斜を示す傾斜データを、圃場の外周部(畦際ラインB11〜B41の位置データ)に含ませる(追加する)。
圃場において傾斜がある部分では、傾斜に沿って走行機体50が横滑りする可能性がある。これにより、走行機体50が横滑りする可能性がある位置において、走行機体50の横滑りを加味して、作業走行ラインL01〜L09を横滑り方向とは逆側に少し偏倚させたり、自動走行制御部62及び自動旋回制御部64による操向モータ51(操縦ハンドル20)が敏感に行われるように構成する。
[発明の実施の第13別形態]
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第12別形態]において、作業開始終了位置設定部60、作業走行ライン設定部61及び旋回ライン設定部63を、制御装置23に備えないように構成してもよい。
このように構成した場合、以下の(13−1)〜(13−8)に記載のように構成すればよい。
(13−1)
作業開始終了位置設定部60、作業走行ライン設定部61、旋回ライン設定部63、取得部を、ソフトウェアとして、走行機体50とは別に設置されるコンピュータ等(例えば図4に示すコンピュータ49等)に備える。
これにより、ソフトウェアである作業開始終了位置設定部60、作業走行ライン設定部61、旋回ライン設定部63、取得部により、作業走行ラインL01〜L09及び旋回ラインLL1〜LL6を設定する作業設定システムを構成する。
(13−2)
前項(13−1)に記載の構成において、作業開始終了位置設定部60、作業走行ライン設定部61、旋回ライン設定部63、取得部を、同一のコンピュータではなく、別々のコンピュータに備える。
この場合、作業開始終了位置設定部60、作業走行ライン設定部61、取得部により、作業走行ラインL01〜L09を設定する作業設定システムを構成し、これとは別に、作業開始終了位置設定部60、旋回ライン設定部63、取得部により、旋回ラインLL1〜LL6を設定する作業設定システムを構成してもよい。
(13−3)
作業開始終了位置設定部60、作業走行ライン設定部61、旋回ライン設定部63を、ソフトウェアとして、走行機体50とは別に設置されるコンピュータ等(例えば図4に示すコンピュータ49等)に備え、図4に示すスマートフォン46(携帯情報端末)、Wi−Fiユニット47に相当する取得部を、別に備える。
これにより、ソフトウェアである作業開始終了位置設定部60、作業走行ライン設定部61、旋回ライン設定部63と、ハードウェアである取得部とにより、作業走行ラインL01〜L09及び旋回ラインLL1〜LL6を設定する作業設定システムを構成する。
(13−4)
前項(13−3)に記載の構成において、作業開始終了位置設定部60、作業走行ライン設定部61、旋回ライン設定部63を、同一のコンピュータではなく、別々のコンピュータに備える。
この場合、ソフトウェアである作業開始終了位置設定部60、作業走行ライン設定部61、旋回ライン設定部63と、ハードウェアである取得部とにより、作業走行ラインL01〜L09を設定する作業設定システムを構成し、これとは別に、ソフトウェアである作業開始終了位置設定部60、旋回ライン設定部63と、ハードウェアである取得部とにより、旋回ラインLL1〜LL6を設定する作業設定システムを構成してもよい。
(13−5)
作業開始終了位置設定部60、作業走行ライン設定部61、旋回ライン設定部63、取得部を備えた専用の制御装置を備えて、作業走行ラインL01〜L09及び旋回ラインLL1〜LL6を設定する作業設定装置とする。
(13−6)
前項(13−5)に記載の構成において、作業開始終了位置設定部60、作業走行ライン設定部61、取得部を備えた専用の制御装置を備えて、作業走行ラインL01〜L09を設定する作業設定装置とし、これとは別に、作業開始終了位置設定部60、旋回ライン設定部63、取得部を備えた専用の制御装置を備えて、旋回ラインLL1〜LL6を設定する作業設定装置としてもよい。
(13−7)
作業開始終了位置設定部60、作業走行ライン設定部61、旋回ライン設定部63を備えた専用の制御装置を備え、図4に示すスマートフォン46(携帯情報端末)、Wi−Fiユニット47に相当する取得部を、制御装置とは別に備えて、制御装置及び取得部により、作業走行ラインL01〜L09及び旋回ラインLL1〜LL6を設定する作業設定装置とする。
(13−8)
前項(13−7)に記載の構成において、作業開始終了位置設定部60、作業走行ライン設定部61を備えた専用の制御装置及び取得部により、作業走行ラインL01〜L09を設定する作業設定装置とし、これとは別に、作業開始終了位置設定部60、旋回ライン設定部63を備えた専用の制御装置及び取得部により、旋回ラインLL1〜LL6を設定する作業設定装置としてもよい。
以上の(13−1)〜(13−8)に記載の構成において、前述の[発明を実施するための形態]の[9]に記載の方法(9−1)〜(9−4)により、畦際ラインB11〜B41の位置データを、作業設定システム(作業設定装置)の取得部で取得し、作業設定システム(作業設定装置)で、作業走行ラインL01〜L09(旋回ラインLL1〜LL6)を設定する。
次に、各種の通信手段や記憶媒体を介して、作業走行ラインL01〜L09(旋回ラインLL1〜LL6)を、作業設定システム(作業設定装置)から走行機体50の制御装置23に伝達する。この場合、図4に示すスマートフォン46(携帯情報端末)及びWi−Fiユニット47は、本発明の取得部ではなくなる。
本発明は、走行機体50の後部に苗植付装置5(作業装置に相当)を昇降自在に備えた乗用型田植機ばかりではなく、走行機体50の後部に播種装置(作業装置に相当)を昇降自在に備えた乗用型直播機、走行機体50の後部にロータリ耕耘装置(作業装置に相当)を昇降自在に備えたトラクタ、走行機体50の前部に刈取部(作業装置に相当)を昇降自在に備えたコンバイン等のように、圃場に対して作業を行いながら走行する作業車に適用できる。
27 表示装置
30 測位部
46,47 取得部
50 走行機体
60 作業設定部、作業開始終了位置設定部
61 作業設定部、作業走行ライン設定部
62 自動走行制御部
63 旋回ライン設定部
64 自動旋回制御部
65 旋回方向報知部
66 旋回操作タイミング報知部
67 資材残量検出部
69 資材報知部
70 自動停止部
71 強制自動停止部
B1,B2 畦
B11〜B41 圃場の外周部
C1〜C9 作業開始位置
D1〜D9 作業終了位置
L01〜L09 作業走行ライン
LL1〜LL6 旋回ライン
W1 所定間隔

Claims (17)

  1. 圃場の外周部の位置データを取得する取得部が備えられ、
    前記位置データに基づいて、走行機体が走行する、所定の間隔で互いに平行な複数の作業走行ラインを圃場に設定する作業設定部が備えられ、
    前記位置データに基づいて設定された作業終了位置と作業開始位置とに亘って、旋回ラインを圃場に設定する旋回ライン設定部と、
    前記走行機体が前記旋回ラインに沿って走行するように、前記走行機体の操向操作を自動的に行う自動旋回制御部と、
    前記旋回ラインでの前記走行機体の旋回方向を、前記走行機体が前記旋回ラインに入る前に事前に報知する旋回方向報知部と、が更に備えられ、
    前記作業設定部は、最初に作業を開始する作業スタート位置が指定された場合に、前記作業スタート位置が指定される以前に予め設定されている前記複数の作業走行ラインに対して当該作業スタート位置に応じて前記複数の作業走行ラインの夫々に沿って往復走行するように各作業走行ラインの走行方向を含む往復走行経路を設定し、且つ、作業走行ラインの終点と次の作業走行ラインの始点とに亘って旋回ラインが設定される作業車。
  2. 走行機体が前記作業走行ラインに沿って走行するように、走行機体の操向操作を自動的に行う自動走行制御部が備えられている請求項1に記載の作業車。
  3. 前記作業設定部に、
    前記位置データに基づいて、作業開始位置及び作業終了位置を圃場に設定する作業開始終了位置設定部と、
    前記位置データに基づいて、前記作業開始位置と前記作業終了位置とに亘って、前記作業走行ラインを圃場に設定する作業走行ライン設定部とが備えられている請求項1又は2に記載の作業車。
  4. 前記位置データに基づいて、前記作業開始終了位置設定部により、複数の前記作業開始位置及び複数の前記作業終了位置が畦に沿って圃場に設定され、
    前記位置データに基づいて、前記作業走行ライン設定部により、一方の畦側の前記作業開始位置と、反対側の畦側の前記作業終了位置とに亘って、前記作業走行ラインが圃場に設定され、且つ、複数の前記作業走行ラインが互いに平行となるように所定間隔を置いて圃場に設定される請求項3に記載の作業車。
  5. 走行機体の位置を示す測位データを出力する測位部が備えられ、
    前記作業開始位置、前記作業終了位置、前記作業走行ライン及び走行機体の位置を表示する表示装置が備えられている請求項3又は4に記載の作業車。
  6. 前記作業終了位置から前記作業開始位置に亘る旋回状態において、走行機体の旋回操作を行うタイミング及び旋回方向を報知する旋回操作タイミング報知部が備えられている請求項3〜5のうちのいずれか一項に記載の作業車。
  7. 前記旋回ラインを表示する表示装置が備えられている請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の作業車。
  8. 搭載される資材の残量を検出する資材残量検出部が備えられ、
    資材の残量が少なくなると、走行機体が前記作業走行ラインに沿っての走行を終了した後に資材を補給すべきであることを運転者に報知する資材報知部が備えられている請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の作業車。
  9. 前記資材報知部による報知が、畦の補助作業者にも行われる請求項8に記載の作業車。
  10. 操作指令に基づいて、走行機体が前記作業走行ラインに沿っての走行を終了した後に、走行機体を畦際で自動的に停止させる自動停止部が備えられている請求項8又は9に記載の作業車。
  11. 前記自動停止部は、走行機体が前記作業走行ラインに沿っての走行を終了した後に、走行機体を畦まで前進させて停止させる請求項10に記載の作業車。
  12. 前記自動停止部は、走行機体が前記作業走行ラインに沿っての走行を終了した後に、走行機体を旋回させ、次に走行機体を畦まで後進させて停止させる請求項10に記載の作業車。
  13. 資材の残量が事前に設定された設定量よりも少なくなると、走行機体が前記作業走行ラインに沿っての走行を終了した後に、走行機体を畦際で自動的に停止させる強制自動停止部が備えられている請求項8〜12のうちのいずれか一項に記載の作業車。
  14. 走行機体が前記作業走行ラインに沿っての走行を終了した後に自動的に停止する畦際が、資材の補給が行われる特定の畦の畦際である請求項10〜13のうちのいずれか一項に記載の作業車。
  15. 前記作業走行ラインが、過去において圃場を走行した作業車の位置を示す測位データに基づくものである請求項1〜14のうちのいずれか一項に記載の作業車。
  16. 前記位置データに、圃場に存在する障害物の位置を示す障害物データが含まれている請求項1〜15のうちのいずれか一項に記載の作業車。
  17. 前記位置データに、圃場の各位置での水平面に対する傾斜を示す傾斜データが含まれている請求項1〜16のうちのいずれか一項に記載の作業車。
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