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JP6806747B2 - 鞍乗り型車両のカウル構造 - Google Patents

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JP6806747B2 JP2018185983A JP2018185983A JP6806747B2 JP 6806747 B2 JP6806747 B2 JP 6806747B2 JP 2018185983 A JP2018185983 A JP 2018185983A JP 2018185983 A JP2018185983 A JP 2018185983A JP 6806747 B2 JP6806747 B2 JP 6806747B2
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Description

本発明は、鞍乗り型車両のカウル構造に関する。
従来、ステアリング周りを覆うフロントカウルと、車体下部を覆うアンダーカウルとを備え、フロントカウルとアンダーカウルとの間で車体側面を覆うミドルカウルを備える車両において、ミドルカウルのラジエータ側方に位置する部位に開口を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
スポーツ系の二輪車においてカウルを備える場合には、空力特性を考慮した車体外装形状を形成しながら、ラジエータからの排風を排出する開口が設けられている。
特開2010−64706号公報
特許文献1では、上記開口を設けることで、ラジエータの排風を効果的に排出することは可能であるが、車体内部が露出するとともに外観形状として滑らかに連続する面を形成することが難しくなる。
本発明の目的は、車体内部の露出を抑制しながらラジエータの排風を効果的に排出し且つ滑らかな外観形状として空力性能を高め、更に、運転性を向上させることが可能な鞍乗り型車両のカウル構造を提供することにある。
鞍乗り型車両のカウル構造は、ヘッドパイプ(15)から車体後方に延びるメインフレーム(16)を備えた車体フレーム(10)に、前記ヘッドパイプ(15)の前方に配置されたヘッドライト(44)と、前記メインフレーム(16)の下方に配置されたエンジン(11)と、前記メインフレーム(16)の下方で前記エンジン(11)の前方に配置されたラジエータ(36)と、前記車体フレーム(10)及び前記ラジエータ(36)を覆うカウル(38)とが支持された鞍乗り型車両のカウル構造において、前記カウル(38)は、前記ヘッドライト(44)の周囲を覆うフロントカウル(40)と、前記エンジン(11)の下方に配置されたアンダーカウル(42)と、前記フロントカウル(40)及び前記アンダーカウル(42)のそれぞれの間で少なくとも前記ラジエータ(36)の側方に設けられたミドルカウル(41)とを備え、前記ミドルカウル(41)は、メインカウル(46)と、前記メインカウル(46)の車幅方向外側方に配置されたアウタカウル(47)とを備え、前記メインカウル(46)は、前記ラジエータ(36)の側縁部(36a)に沿ったメインカウル開口(46b)を備え、前記アウタカウル(47)は、前記メインカウル開口(46b)と車両側面視で重なるように設けられ、前記アウタカウル(47)は、アウタカウル開口(47c)を備え、前記メインカウル開口(46b)と前記アウタカウル開口(47c)とは、車両側面視で一部重なり、前記アウタカウル(47)は、前記メインカウル(46)との間に空間(98)を形成し、前記アウタカウル(47)と前記メインカウル(46)とで前記空間(98)の後端部に形成される後端開口(101)は、車両前方からの走行風と、前記メインカウル(46)の前記メインカウル開口(46b)から排出される排風とを排出し、前記後端開口(101)よりも車幅方向外側には、車両後方に向けて開口する前記アウタカウル開口(47c)が配置されていることを特徴とすることを特徴とする。
上記構成において、前記アウタカウル開口(47c)は、前上がりに形成された細長の開口であり、車両側面視では、前記メインカウル(46)の外面に設けられたウイング(71)の後方で前記ラジエータ(36)の長手方向に対して斜めに交差し、車両側方に開口するのに加えて、車両後方にも開口しても良い。
また、上記構成において、前記メインカウル開口(46b)は、前記ラジエータ(36)の側縁部(36a)に沿った前縁部(46g)と、前記前縁部(46g)の上端から車両後方に延びる上縁部(46e)と、前記上縁部(46e)の後端で屈曲して前側に延びる後縁部(46f)とを備え、前記アウタカウル(47)の後縁部(47b)は、前記メインカウル開口(46b)の前記上縁部(46e)及び前記後縁部(46f)と相似形状を成し、車両側面視で前記メインカウル開口(46b)の前記上縁部(46e)及び前記後縁部(46f)よりも前方に位置するようにしても良い。
また、上記構成において、前記メインカウル(46)と前記アウタカウル(47)との間に空間(98)が形成され、前記空間(98)には、ウイング(71)が配置され、前記アウタカウル開口(47c)は、車両側面視で前記ウイング(71)の後方に位置するようにしても良い。
また、上記構成において、前記アウタカウル(47)は、前記アウタカウル開口(47c)の前方に位置する前面部(47e)と、前記アウタカウル開口(47c)の後方に位置する後面部(47f)とを備え、前記前面部(47e)と前記メインカウル(46)との間に前記ウイング(71)が配置され、前記後面部(47f)は、前記前面部(47e)に対して車幅方向内側にオフセットして前記メインカウル(46)寄りに近づけられていても良い。
また、上記構成において、前記アウタカウル開口(47c)は、前記前面部(47e)と前記後面部(47f)とのそれぞれの上部間を繋ぐ上面部(47h)と、前記前面部(47e)と前記後面部(47f)とのそれぞれの下部間を繋ぐ下面部(47j)とを備え、前記上面部(47h)及び前記下面部(47j)は、前後方向及び車幅方向に指向するようにしても良い。
また、上記構成において、前記ラジエータ(36)の下方には、オイルクーラ(86)が設けられ、前記メインカウル(46)は、前記オイルクーラ(86)の側方に位置する側壁部(46h)を備え、前記側壁部(46h)には、車両側面視で、前記オイルクーラ(86)の後方に開口部(46c)を備えるようにしても良い。
また、上記構成において、前記開口部(46c)は、前記オイルクーラ(86)の傾斜に沿って配置されたルーバー(73)を備えるようにしても良い。
鞍乗り型車両のカウル構造は、カウルが、ヘッドライトの周囲を覆うフロントカウルと、エンジンの下方に配置されたアンダーカウルと、フロントカウル及びアンダーカウルのそれぞれの間で少なくともラジエータの側方に設けられたミドルカウルとを備え、ミドルカウルは、メインカウルと、メインカウルの車幅方向外側方に配置されたアウタカウルとを備え、メインカウルは、ラジエータの側縁部に沿ったメインカウル開口を備え、アウタカウルは、メインカウル開口と車両側面視で重なるように設けられ、アウタカウルは、アウタカウル開口を備え、メインカウル開口とアウタカウル開口とは、車両側面視で一部重なるので、アウタカウルがメインカウル開口と車両側面視で重なることで、メインカウル開口を露出しにくくしながら、メインカウル開口から停車時及び走行時にラジエータの排風を効果的に排出することができ、更に、メインカウルとアウタカウルとが車幅方向に重なることで滑らかなカウル表面形状にでき、空力性能を向上できる。また、メインカウル開口とアウタカウル開口とが車両側面視で一部重なることで、車両のバンク時には車幅方向に風が抜けるようにできるため、車体をバンクさせやすくなり、運転性を向上できる。
上記構成において、メインカウル開口は、ラジエータの側縁部に沿った前縁部と、前縁部の上端から車両後方に延びる上縁部と、上縁部の後端で屈曲して前側に延びる後縁部とを備え、アウタカウルの後縁部は、メインカウル開口の上縁部及び後縁部と相似形状を成し、車両側面視でメインカウル開口の上縁部及び後縁部よりも前方に位置するので、メインカウルとアウタカウルとに形状の一体感を持たせながら、メインカウル開口を効果的に目隠しするとともに、アウタカウルによってメインカウル開口からのラジエータ排風の排出を妨げるのを抑制できる。
また、上記構成において、メインカウルとアウタカウルとの間に空間が形成され、空間には、ウイングが配置され、アウタカウル開口は、車両側面視でウイングの後方に位置するので、メインカウルとアウタカウルの間の空間を利用してウイングを配置でき、これによって、空間内の走行風を効果的に整流できる。
また、上記構成において、アウタカウルは、アウタカウル開口の前方に位置する前面部と、アウタカウル開口の後方に位置する後面部とを備え、前面部とメインカウルとの間にウイングが配置され、後面部は、前面部に対して車幅方向内側にオフセットしてメインカウル寄りに近づけられているので、アウタカウル開口から走行風を車両後方に流すことができ、これに伴って、メインカウル開口からの排風を後方に流しやすくできる。
また、上記構成において、アウタカウル開口は、前面部と後面部とのそれぞれの上部間を繋ぐ上面部と、前面部と後面部とのそれぞれの下部間を繋ぐ下面部とを備え、上面部及び下面部は、前後方向及び車幅方向に指向するので、アウタカウルの前面部と後面部とを車幅方向にオフセットすることで、上面部と下面部とを少なくとも車幅方向に指向する形状とすることができ、アウタカウル開口、前面部及び後面部によって、車両前後方向に延びるダクト形状を形成でき、車両前後方向の走行風の流れを形成できる。
また、上記構成において、ラジエータの下方には、オイルクーラが設けられ、メインカウルは、オイルクーラの側方に位置する側壁部を備え、側壁部には、車両側面視で、オイルクーラの後方に開口部を備えるので、オイルクーラの排風を開口部で効果的に排出することができる。
また、上記構成において、開口部は、オイルクーラの傾斜に沿って配置されたルーバーを備えるので、オイルクーラの排風をルーバーによってより一層排出しやすくできる。
本発明の第1実施形態のカウル構造を備えた自動二輪車の左側面図である。 自動二輪車の車体前部を示す斜視図である。 自動二輪車の車体前部を示す正面図である。 自動二輪車の車体前部を示す左側面図である。 図4の車体前部からアウタカウルを取外した状態を示す左側面図である。 図4の車体前部からミドルカウルを取外した状態を示す左側面図である。 図4のVII−VII線断面図である。 自動二輪車の車体前部を斜め後方から見た斜視図である。 図5のIX−IX線断面図である。 カウルの要部を示す正面図である。 自動二輪車の車体前部を示す要部正面図である。 フロントセンターカバー及びその周囲を示す左側面図である。 自動二輪車の車体前部の下部を示す斜視図である。 シートフレーム及びその周囲を示す側面図である。 シートフレーム及びその周囲を示す斜視図である。 第2実施形態のカウル構造を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。なお、説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示している。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態のカウル構造を備えた自動二輪車1の左側面図である。
自動二輪車1は、車体フレーム10にパワーユニットとしてのエンジン11が支持され、前輪2を支持するフロントフォーク12が車体フレーム10の前端に操舵可能に支持され、後輪3を支持するスイングアーム13が車体フレーム10の後部に設けられる車両である。
自動二輪車1は、乗員がシート14に跨るようにして着座する鞍乗り型車両であり、シート14は、車体フレーム10の後部の上方に設けられる。
車体フレーム10は、前端部を構成するヘッドパイプ15と、ヘッドパイプ15から後下方に延びる左右一対のメインフレーム16と、メインフレーム16の後端から下方に延びる左右一対のピボットフレーム17と、メインフレーム16及びピボットフレーム17から後上方に延びる左右一対のシートフレーム18とを備える。
メインフレーム16は、メインフレーム16の前部から下方に延びてエンジン11を支持するエンジンハンガー部(不図示)を備える。
フロントフォーク12は、ヘッドパイプ15によって左右に操舵自在に軸支される。フロントフォーク12の上端部には、操舵ハンドル21が設けられる。前輪2は、フロントフォーク12の下端部に設けられる車軸2aに軸支される。
スイングアーム13は、左右のピボットフレーム17に支持されるピボット軸22に軸支される。ピボット軸22は、車幅方向に水平に延びる。スイングアーム13は、前端部がピボット軸22に軸支され、ピボット軸22を中心に上下に揺動する。
後輪3は、スイングアーム13の後端部に設けられる車軸3aに軸支される。
車体とスイングアーム13との間には、リアサスペンション24が掛け渡される。リアサスペンション24の上端は、車体に連結される。リアサスペンション24の上端は、例えば、エンジン11の後端部から後方に延出するサスペンション連結部(不図示)を介し、車体としてのエンジン11に連結される。
リアサスペンション24の下端は、不図示のリンク機構を介し、スイングアーム13、及び、ピボットフレーム17の下端部に連結される。
エンジン11は、メインフレーム16の下方でピボットフレーム17の前方に配置され、車体フレーム10に固定される。
エンジン11は、車幅方向に水平に延びるクランク軸27を支持するクランクケース28と、クランクケース28の前部から前上方に延びるシリンダー部29とを備える。シリンダー部29には、シリンダー部29内を往復運動するピストン(不図示)が収容される。シリンダー部29のシリンダー軸線29aは鉛直に対し前傾する。
クランクケース28の後部は、変速機(不図示)を収納する変速機ケース部28aである。エンジン11の出力は、上記変速機の出力軸と後輪3とを接続する駆動チェーン30を介し、後輪3に伝達される。
エアクリーナーボックス31は、シリンダー部29の後上方に配置される。エアクリーナーボックス31は、スロットルボディ(不図示)を介し、シリンダー部29の後面の吸気ポートに接続される。
エンジン11の排気管32は、シリンダー部29の前面の排気ポートから下方に引き出され、エンジン11の下方を通って後方に延びる。排気管32の後端は、後輪3の側方に配置されるマフラー33に接続される。
燃料タンク35は、メインフレーム16の上方で、シート14とエアクリーナーボックス31との間に配置される。
エンジン11を冷却するラジエータ36は、エンジン11の前方に配置される。
自動二輪車1は、車体フレーム10及びエンジン11等の車体を覆う車体カバー37を備える。
車体カバー37は、前部にカウル38を備える。
カウル38は、フロントカウル40、ミドルカウル41及びアンダーカウル42からなる。
フロントカウル40は、フロントフォーク12の上部及びヘッドパイプ15を前方から覆うとともに、左右一対のヘッドライト44の周囲を覆う。ミドルカウル41は、エンジン11の前部を側方から覆う左右一対のメインカウル46と、左右のメインカウル46の車幅方向外側方に配置された左右一対のアウタカウル47とからなる。アンダーカウル42は、エンジン11を下方から覆う。
車体カバー37は、エアクリーナーボックス31及び燃料タンク35の一部を覆うタンクカバー51と、車体の後部を覆うリアカバー52とを備える。
前輪2を上方から覆うフロントフェンダー54は、フロントフォーク12に取付けられる。後輪3の前部を上方から覆うインナーフェンダー55は、スイングアーム13に取付けられる。後輪3の後部を上方から覆うリアフェンダー56は、シートフレーム18の後端部から後下方に延びる。
乗員が足を置くステップ58は、ピボットフレーム17に支持され、ピボットフレーム17の後方に配置される。
図2は、自動二輪車1の車体前部を示す斜視図である。図3は、自動二輪車1の車体前部を示す正面図である。
図2及び図3に示すように、フロントカウル40の上部には、中央部に配置されたウインドスクリーン61と、ウインドスクリーン61の車幅方向両側方に配置された左右一対のバックミラー62とが設けられている。
フロントカウル40の下部の車幅方向中央部には、フロントカウル40を貫通する吸気口64が設けられている。
吸気口64は、フロントカウル40の下方に配置されたダクトを介してエンジン11(図1参照)の吸気装置に連通している。
フロントカウル40の下方で吸気口64の車幅方向両側方には、左右一対のヘッドライト44が設けられている。また、左右のヘッドライト44の車幅方向内側及び左右のヘッドライト44のそれぞれの下方は、フロントセンターカバー66で覆われている。
フロントセンターカバー66は、吸気口64の下部を形成する部分であり、吸気口64の上部は、フロントカウル40により形成される。即ち、吸気口64は、フロントカウル40及びフロントセンターカバー66により形成される。
左右のメインカウル46の前部は、フロントセンターカバー66の両側縁部に連続して接続されている。また、左右のアウタカウル47の上縁部は、フロントカウル40の両側縁部に連続して接続され、左右のヘッドライト44の車幅方向外側部分の周囲を覆っている。
フロントセンターカバー66の前縁部66a及び左右のメインカウル46の前縁部46a,46aは、カウル38の開口部であるカウリング開口68を形成する。
カウリング開口68からは、フロントフォーク12の下部が露出している。
左右のメインカウル46におけるそれぞれの前部の外面には、走行風を整流するために翼形とされた複数のウイング71が設けられている。複数のウイング71は、アウタカウル47によって側方から覆われている。
図4は、自動二輪車1の車体前部を示す左側面図である。図5は、図4の車体前部からアウタカウル47を取外した状態を示す左側面図である。
図4に示すように、メインカウル46は、エンジン11のシリンダー部29及びメインフレーム16の一部を側方から覆う。メインカウル46は、車両側面視でメインフレーム16に重なるメインカウル上部開口46bと、メインカウル上部開口46bの下方に配置されたメインカウル下部開口46cとを備える。
メインカウル下部開口46cには、上下に延びるルーバー73が、メインカウル下部開口46cを前後に分けるように設けられる。
アウタカウル47は、車両側面視で前縁部47aの一部がメインカウル46の前縁46aに沿うように形成されている。アウタカウル47の後縁部47bの一部は、メインカウル46のメインカウル上部開口46bの縁部46dの一部(詳しくは、上縁部46e及び後縁部46f)に沿うように形成されている。
アウタカウル47は、車両側面視でメインカウル上部開口46bにおける上縁部46eの前方に前上がりに形成された細長の開口であるアウタカウル開口47cを備える。
メインカウル上部開口46bとアウタカウル開口47cとは、車両側面視で重なるオーバーラップ空間74を形成している。
アウタカウル47の外側面47dにおいて、アウタカウル開口47cよりも前方に位置する前面部47eと、アウタカウル開口47cよりも後方に位置する後面部47fとでは、前面部47eが、後面部47fよりも車幅方向外側に位置する。
前面部47eの車幅方向内側のメインカウル46には、複数のウイング71が配置されている。
図5に示すように、メインカウル46のメインカウル上部開口46bは、側面視三角形状に形成された縁部46dを備える。縁部46dは、後下がりに延びる前縁部46gと、前縁部46gの上端から後下がりに延びる上縁部46eと、上縁部46eの後端から前下がりに延びる又は前方に延びる後縁部46fとからなる。
前縁部46gは、左右のメインカウル46の車幅方向内側に配置されたラジエータ36(詳しくは、ラジエータ36の側縁部36a)と車両側面視で重なり且つラジエータ36(詳しくは、側縁部36a)に沿って傾斜している。
車両側面視では、メインカウル上部開口46bからラジエータ36の後部が露出しているが、ラジエータ36のメインカウル上部開口46bから露出した部分は、アウタカウル47(図4参照)の後部で車幅方向外側方から覆われ、外部に露出しない。
メインカウル46の外側面46kにおいて、前縁部46gよりも前方に位置するメインカウル前面部46mには、複数のウイング71が上下に隔てて設けられている。
ラジエータ36からは、エンジン11側へラジエータホース75が延びている。
ラジエータ36の下方には、エンジン11内のオイルを冷却するオイルクーラ77が配置されている。オイルクーラ77は、メインカウル46の下部を構成する下部側壁部46hと、アンダーカウル42の前部とで車幅方向外側方から覆われている。オイルクーラ77の後縁部は、車両側面視では、メインカウル下部開口46cの前縁部46jと一致する又は前縁部46jよりも前方に配置されているため、オイルクーラ77は、外部に露出しない。
ルーバー73は、オイルクーラ77で温められて後方に排出された排風をカウル38内からメインカウル下部開口46cを介して外部に流出するように促す。
図6は、図4の車体前部からミドルカウル41を取外した状態を示す左側面図である。
エンジン11のシリンダー部29は、クランクケース28の前部上部に設けられたシリンダブロック81と、シリンダブロック81の上部に設けられたシリンダヘッド82とを備える。クランクケース28の下部には、オイルパン84が設けられている。
シリンダー部29の前方には、ラジエータ36が、前上がりに傾斜するように配置されている。ラジエータ36の下方であってオイルパン84の前方には、ラジエータ36の下端部に近接して後上がりに傾斜するようにオイルクーラ86が配置されている。
エンジン11と、ラジエータ36及びオイルクーラ86との間には、シリンダヘッド82に接続された複数の管からなる排気管32の上流部分が配置されている。排気管32は、シリンダヘッド82から下方に延び、更に、オイルクーラ86の後方で屈曲して後方に延びている。
図7は、図4のVII−VII線断面図である。
複数のウイング71は、メインカウル46のメインカウル前面部46mを形成する前壁部46nの車幅方向内側に配置されたバックプレート91に一体に形成されている。複数のウイング71とバックプレート91とは、ウイング成形体92を構成する。
メインカウル46の前壁部46nは、車両前後方向に延びる複数の長穴状のウイング挿通穴46pを備え、複数のウイング挿通穴46pにウイング71がそれぞれ挿入されている。
バックプレート91は、車体の内側に固定された内板94にビス等の締結部材で締結されている。
複数のウイング71のそれぞれの先端部71aとアウタカウル47の内側面47gとは、車幅方向に離れている。
上記したように、複数のウイング71をバックプレート91に一体に形成することで、ウイング成形体92の組付けを容易に行うことができ、ウイング71を一つずつ組付けるのに比べて、組付工数を削減できる。
図8は、自動二輪車1の車体前部を斜め後方から見た斜視図である。
メインカウル46は、外側面46kに、上下に延びる上下面46qと、上下面46qの上縁から車幅方向内側に延びる車幅面46rとを備える。
上下面46qは、その上部、特にメインカウル上部開口46bの上方に位置する開口上方面46sは、上方に向かうにつれて次第に車幅方向外側に突出する湾曲面に形成されている。
上下面46qと車幅面46rとの境に出来た稜線46tは、波打ちながら車両前後方向に延びている。
車幅面46rの後部には、カウル38内の走行風を排出する複数のスリットからなるスリット群96が形成されている。複数のスリットは、それぞれ車幅方向に延びるとともに車両前後方向に間隔を空けて配置されている。
図4及び図8に示すように、アウタカウル47の外側面47dは、前面部47eと後面部47fとのそれぞれの上部間を繋ぐ上面部47hと、前面部47eと後面部47fとのそれぞれの下部間を繋ぐ下面部47jとを備える。
上面部47hは、アウタカウル開口47cの上方の面である。下面部47jは、アウタカウル開口47cの下方の面である。
前面部47eは、後面部47fよりも車幅方向外側に突出しているので、上面部47h及び下面部47jは、車両前後方向に傾いている。即ち、上面部47h及び下面部47jは、それぞれ前側が後側よりも車幅方向外側に位置する。従って、上面部47h及び下面部47jは、車両後方及び車幅方向外側方に指向している(面している)。
アウタカウル47は、メインカウル46との間に空間98を形成している。アウタカウル47とメインカウル46とで空間98の後端部に形成される後端開口101は、車両前方からの走行風と、メインカウル46のメインカウル上部開口46bから排出される排風とを排出する。
後端開口101よりも車幅方向外側には、車両後方に向けて開口するアウタカウル開口47cが配置されている。アウタカウル開口47cは、前面部47eが後面部47fよりも車幅方向外側に配置されるため、車両側方に開口するのに加えて、車両後方にも開口している。
このように、後端開口101よりも車幅方向外側にアウタカウル開口47cを設けることで、メインカウル上部開口46bから後端開口101を通って排出される温められた排風が、アウタカウル開口47cから車両後方に向けて排出される走行風によって車幅方向外側へ排出されるのを抑制して、車両後方へ流すことができる。これにより、カウル38に沿って流れる空気流を効果的に整流でき、空力性能を向上できる。
図9は、図5のIX−IX線断面図である。
メインカウル46の開口上方面46sは、上方に向かうにつれて次第に車幅方向外側に突出するように湾曲している。
また、車幅面46rは、開口上方面46sの上縁から略直角に車幅方向内方斜め上方に屈曲し、更に、車幅方向内方に延びつつ上方に湾曲している。
上記したように、開口上方面46sを形成することで、メインカウル上部開口46bから排出された温められた排風を矢印Aで示すように流して、運転者側に流れにくくできる。
図10は、カウル38の要部を示す正面図である。図11は、自動二輪車1の車体前部を示す要部正面図である。
図10に示すように左右のフロントカウル40、左右のアウタカウル47及びフロントセンターカバー66は、左右のヘッドライト44(図3参照)を露出させる左右一対のヘッドライト用開口38aを形成している。
ヘッドライト用開口38aの縁部38bは、フロントカウル40とアウタカウル47とで形成された上縁部38c、フロントセンターカバー66で形成された内縁部38d、アウタカウル47とフロントセンターカバー66とで形成された下縁部38eを備える。
上縁部38cは、フロントカウル40とアウタカウル47との境界部である上部境界部38fを有する。下縁部38eは、アウタカウル47とフロントセンターカバー66との境界部である下部境界部38gを有する。
このように、上縁部38cに上部境界部38f、下縁部38eに下部境界部38gを設けることで、ヘッドライト44周りに新規な印象を与えることができ、外観性を向上させることができる。
フロントセンターカバー66は、左右のヘッドライト用開口38aの下方に位置する左右一対の外側面部66bを備える。左右の外側面部66bと、左右の外側面部66bに隣接するメインカウル46の内側面部46uとは、連続して後方に湾曲する湾曲面38hを形成している。この結果、フロントセンターカバー66の左右の外側面部66bに当たった走行風は、メインカウル46とアウタカウル47との間の空間98の前端部に形成される前端開口102へ、矢印Bで示すように、メインカウル46の内側面部46uに沿って流れ、更に、最上部のウイング71に向かう。
このように、空間98への空気流の流入を促す湾曲面38hを形成することで、カウル38による空気流の制御を向上でき、空力性能を向上できる。
図11に示すように、カウル38のカウリング開口68の最上縁部68aと、フロントフェンダー54の最上縁部54aとにそれぞれ水平線105,106を引いたときに、水平線105,106間には、左右の複数のウイング71のうち、最も上方に配置されたウイング71が配置される。
また、フロントフェンダー54に一体に設けられた左右一対のフォークガード54bの側部上端部54cを通る水平線107を引いたときに、水平線105,107間には、全ての複数のウイング71が配置される。
このように、車両正面視で、カウリング開口68とフロントフェンダー54とで形成される開口部108の高さに合わせてウイング71を配置することで、開口部108から両側方に逸れた走行風をウイング71で整流でき、空力性能を向上できる。
図12は、フロントセンターカバー66及びその周囲を示す左側面図である。
図10及び図12に示すように、フロントセンターカバー66は、左右のメインカウル46に挟まれるように車幅方向中央部に配置され、左右のメインカウル46よりも前方に突出している。
また、フロントセンターカバー66は、左右のアウタカウル47よりも前方に配置されて、車両側方に露出している。
このように、フロントセンターカバー66を、左右のメインカウル46及び左右のアウタカウル47よりも車両前方に突出させることで、車体前部に新規な印象を与えることができ、外観性を向上できる。
図13は、自動二輪車1の車体前部の下部を示す斜視図である。
カウル38の下部は、下方に向かうにつれて次第に先細りとなり、左右のメインカウル46及び左右のアウタカウル47の車幅方向の間隔は、次第に狭くなっている。
左右のメインカウル46の下部側壁部46h、左右のアウタカウル47の下端部及び左右のアンダーカウル42の前部の車幅方向内側には、縦長のオイルクーラ86(図6参照)が配置されている。オイルクーラ86は、前方からオイルクーラカバー111で覆われている。
オイルクーラカバー111は、枠部111aと、枠部111aの車幅方向中央部を縦に延びる縦桟部111bと、縦桟部111bから枠部111aの両側部まで車幅方向に延びる複数のルーバー111cとから構成される。
複数のルーバー111cは、上下方向に所定距離を隔てて配置され、各ルーバー111cは、前上がりに傾けられている。
このように、複数のルーバー111cをそれぞれ前上がりに傾けることで、オイルクーラ86の上方に前傾姿勢で配置されたラジエータ36の表面に沿って流れてきた斜め上方からの走行風をオイルクーラカバー111の後方へ取入れやすくできる。
また、前上がりとされた複数のルーバー111cによって、前輪2から跳ね上げられた飛び石等が、各ルーバー111c間に入り込むのを阻止することができ、オイルクーラ86を保護できる。
図14は、シートフレーム18及びその周囲を示す側面図である。図15は、シートフレーム18及びその周囲を示す斜視図である。
図14及び図15に示すように、シートフレーム18は、左右一対のアッパーフレーム113、左右一対のロアフレーム114、複数の補強フレーム115から構成される。
左右のアッパーフレーム113は、左右のメインフレーム16の後部からそれぞれ後方斜め上方に延びている。左右のロアフレーム114は、左右のピボットフレーム17の上部から左右のアッパーフレーム113の下方をそれぞれ後方斜め上方に延びている。アッパーフレーム113とロアフレーム114とは、後端同士で接続されている。複数の補強フレーム115は、アッパーフレーム113とロアフレーム114とを接続している。
アッパーフレーム113の前端部113aは、上下に延びる貫通穴113bが形成された筒状に形成され、筒状の前端部113aが、貫通穴113bに挿入されたボルト117でメインフレーム16の上縁部16aに形成されたボス部16bに締結されている。
ロアフレーム114の前端部114aは、車幅方向に延びるねじ穴が形成された筒状に形成され、筒状の前端部114aのねじ穴に、ピボットフレーム17の後縁部17aに形成された取付部17bを貫通するボルト118がねじ結合されている。
このように、アッパーフレーム113の前端部113aを上下方向で支持することで、左右のメインフレーム16で支持される燃料タンク35の幅、即ち容量をより大きくすることができる。
また、ロアフレーム114の前端部114aを車幅方向で支持することで、ロアフレーム114をより車幅方向内側に配置でき、シート14の下方の車幅方向の幅をよりスリムにすることができる。
<第2実施形態>
図16は、第2実施形態のカウル構造を示す斜視図である。
第2実施形態に関し、第1実施形態と同一構成については、同一符号を付け、詳細説明は省略する。
メインカウル121は、上部にメインカウル上部開口46bを備え、メインカウル121の外側面121aにおいて、メインカウル上部開口46bの前縁部46gよりも前方のメインカウル前面部121bに、複数のウイング71が突出している。複数のウイング71は、上下に隔てて車幅方向外側方に突出するように設けられている。
メインカウル前面部121bには、複数のウイング71が挿入される開口部121cが形成され、開口部121cから複数のウイング71が突出している。
複数のウイング71を備えるウイング成形体92(図7も参照)は、矢印Cで示すように、開口部121cの上縁部121dと下縁部121eとの間でスライド可能であり、上縁部121dと下縁部121eとの間の任意の位置で内板94(図7参照)に固定可能である。
即ち、複数のウイング71の位置を矢印Cの方向で変更することができる。
このように、複数のウイング71の位置を任意に調整できるため、空力特性を変更することができる。
以上の図1、図4及び図5に示したように、鞍乗り型車両としての自動二輪車1は、ヘッドパイプ15から車体後方に延びるメインフレーム16を備えた車体フレーム10に、ヘッドライト44、エンジン11、ラジエータ36、カウル38が支持される。
ヘッドライト44は、ヘッドパイプ15の前方に配置され、エンジン11は、メインフレーム16の下方に配置され、ラジエータ36は、メインフレーム16の下方でエンジン11の前方に配置され、カウル38は、車体フレーム10及びラジエータ36を覆う。
カウル38は、フロントカウル40、アンダーカウル42、ミドルカウル41を備える。フロントカウル40は、ヘッドライト44の周囲を覆い、アンダーカウル42は、エンジン11の下方に配置され、ミドルカウル41は、フロントカウル40及びアンダーカウル42のそれぞれの間で少なくともラジエータ36の側方に設けられる。
ミドルカウル41は、メインカウル46と、メインカウル46の車幅方向外側方に配置されたアウタカウル47とを備える。
メインカウル46は、ラジエータ36の側縁部36aに沿ったメインカウル開口としてのメインカウル上部開口46bを備える。アウタカウル47は、メインカウル上部開口46bと車両側面視で重なるように設けられる。アウタカウル47は、アウタカウル開口47cを備え、メインカウル上部開口46bとアウタカウル開口47cとは、車両側面視で一部重なる。
この構成によれば、アウタカウル47がメインカウル上部開口46bと車両側面視で重なるので、メインカウル上部開口46bを露出しにくくしながら、メインカウル上部開口46bから停車時及び走行時にラジエータ36の排風を効果的に排出することができる。
更に、メインカウル46とアウタカウル47とが車幅方向に重なることで滑らかなカウル表面形状にでき、空力性能を向上できる。
また、メインカウル上部開口46bとアウタカウル開口47cとが車両側面視で一部重なるので、車両のバンク時には車幅方向に風が抜けるようにできるため、車体をバンクさせやすくなり、運転性を向上できる。
また、図4及び図5に示したように、メインカウル上部開口46bは、ラジエータ36の側縁部36aに沿った前縁部46gと、前縁部46gの上端から車両後方に延びる上縁部46eと、上縁部46eの後端で屈曲して前側に延びる後縁部46fとを備える。
アウタカウル47の後縁部47bは、メインカウル上部開口46bの上縁部46e及び後縁部46fと相似形状を成し、車両側面視でメインカウル上部開口46bの上縁部46e及び後縁部46fよりも前方に位置する。
この構成によれば、メインカウル46とアウタカウル47とに形状の一体感を持たせながら、メインカウル上部開口46bを効果的に目隠しするとともに、アウタカウル47によってメインカウル上部開口46bからのラジエータ36の排風の排出を妨げるのを抑制できる。
また、図2及び図8に示したように、メインカウル46とアウタカウル47との間に空間98が形成され、空間98には、ウイング71が配置され、アウタカウル開口47cは、車両側面視でウイング71の後方に位置する。
この構成によれば、メインカウル46とアウタカウル47の間の空間98を利用してウイング71を配置でき、これによって、空間98内の走行風を効果的に整流できる。
図4、図5及び図8に示したように、アウタカウル47は、アウタカウル開口47cの前方に位置する前面部47eと、アウタカウル開口47cの後方に位置する後面部47fとを備える。前面部47eとメインカウル46との間にはウイング71が配置され、後面部47fは、前面部47eに対して車幅方向内側にオフセットしてメインカウル46寄りに近づけられている。
この構成によれば、アウタカウル開口47cから走行風を車両後方に流すことができ、これに伴って、メインカウル上部開口46bからの排風を後方に流しやすくできる。
また、図4及び図8に示したように、アウタカウル開口47cは、前面部47eと後面部47fとのそれぞれの上部間を繋ぐ上面部47hと、前面部47eと後面部47fとのそれぞれの下部間を繋ぐ下面部47jとを備える。上面部47h及び下面部47jは、前後方向及び車幅方向に指向する。
この構成によれば、アウタカウル47の前面部47eと後面部47fとを車幅方向にオフセットすることで、上面部47hと下面部47jとを少なくとも車幅方向に指向する形状とすることができる。これにより、アウタカウル開口47c、前面部47e及び後面部47fによって、車両前後方向に延びるダクト形状を形成でき、車両前後方向の走行風の流れを形成できる。
また、図5及び図6に示したように、ラジエータ36の下方には、オイルクーラ86が設けられる。メインカウル46は、オイルクーラ86の側方に位置する側壁部としての下部側壁部46hを備え、下部側壁部46hには、車両側面視で、オイルクーラ86の後方に開口部としてのメインカウル下部開口46cを備える。
この構成によれば、オイルクーラ86の排風をメインカウル下部開口46cで効果的に排出することができる。
また、メインカウル下部開口46cは、オイルクーラ86の傾斜に沿って配置されたルーバー73を備える。
この構成によれば、オイルクーラ86の排風をルーバー73によってより一層排出しやすくできる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
本発明は、自動二輪車1に適用する場合に限らず、自動二輪車1以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
10 車体フレーム
11 エンジン
15 ヘッドパイプ
16 メインフレーム
36 ラジエータ
36a 側縁部
38 カウル
40 フロントカウル
41 ミドルカウル
42 アンダーカウル
44 ヘッドライト
46 メインカウル
46b メインカウル上部開口(メインカウル開口)
46c メインカウル下部開口(開口部)
46e 上縁部
46f 後縁部
46g 前縁部
46h 下部側壁部(側壁部)
47 アウタカウル
47b 後縁部
47c アウタカウル開口
47e 前面部
47f 後面部
47h 上面部
47j 下面部
71 ウイング
86 オイルクーラ
98 空間

Claims (8)

  1. ヘッドパイプ(15)から車体後方に延びるメインフレーム(16)を備えた車体フレーム(10)に、前記ヘッドパイプ(15)の前方に配置されたヘッドライト(44)と、前記メインフレーム(16)の下方に配置されたエンジン(11)と、前記メインフレーム(16)の下方で前記エンジン(11)の前方に配置されたラジエータ(36)と、前記車体フレーム(10)及び前記ラジエータ(36)を覆うカウル(38)とが支持された鞍乗り型車両のカウル構造において、
    前記カウル(38)は、前記ヘッドライト(44)の周囲を覆うフロントカウル(40)と、前記エンジン(11)の下方に配置されたアンダーカウル(42)と、前記フロントカウル(40)及び前記アンダーカウル(42)のそれぞれの間で少なくとも前記ラジエータ(36)の側方に設けられたミドルカウル(41)とを備え、前記ミドルカウル(41)は、メインカウル(46)と、前記メインカウル(46)の車幅方向外側方に配置されたアウタカウル(47)とを備え、前記メインカウル(46)は、前記ラジエータ(36)の側縁部(36a)に沿ったメインカウル開口(46b)を備え、前記アウタカウル(47)は、前記メインカウル開口(46b)と車両側面視で重なるように設けられ、前記アウタカウル(47)は、アウタカウル開口(47c)を備え、前記メインカウル開口(46b)と前記アウタカウル開口(47c)とは、車両側面視で一部重なり、
    前記アウタカウル(47)は、前記メインカウル(46)との間に空間(98)を形成し、前記アウタカウル(47)と前記メインカウル(46)とで前記空間(98)の後端部に形成される後端開口(101)は、車両前方からの走行風と、前記メインカウル(46)の前記メインカウル開口(46b)から排出される排風とを排出し、前記後端開口(101)よりも車幅方向外側には、車両後方に向けて開口する前記アウタカウル開口(47c)が配置されていることを特徴とする鞍乗り型車両のカウル構造。
  2. 前記アウタカウル開口(47c)は、前上がりに形成された細長の開口であり、車両側面視では、前記メインカウル(46)の外面に設けられたウイング(71)の後方で前記ラジエータ(36)の長手方向に対して斜めに交差し、車両側方に開口するのに加えて、車両後方にも開口することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両のカウル構造。
  3. 前記メインカウル開口(46b)は、前記ラジエータ(36)の側縁部(36a)に沿った前縁部(46g)と、前記前縁部(46g)の上端から車両後方に延びる上縁部(46e)と、前記上縁部(46e)の後端で屈曲して前側に延びる後縁部(46f)とを備え、前記アウタカウル(47)の後縁部(47b)は、前記メインカウル開口(46b)の前記上縁部(46e)及び前記後縁部(46f)と相似形状を成し、車両側面視で前記メインカウル開口(46b)の前記上縁部(46e)及び前記後縁部(46f)よりも前方に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両のカウル構造。
  4. 記空間(98)には、前記ウイング(71)が配置され、前記アウタカウル開口(47c)は、車両側面視で前記ウイング(71)の後方に位置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両のカウル構造。
  5. 前記アウタカウル(47)は、前記アウタカウル開口(47c)の前方に位置する前面部(47e)と、前記アウタカウル開口(47c)の後方に位置する後面部(47f)とを備え、前記前面部(47e)と前記メインカウル(46)との間に前記ウイング(71)が配置され、前記後面部(47f)は、前記前面部(47e)に対して車幅方向内側にオフセットして前記メインカウル(46)寄りに近づけられていることを特徴とする請求項に記載の鞍乗り型車両のカウル構造。
  6. 前記アウタカウル開口(47c)は、前記前面部(47e)と前記後面部(47f)とのそれぞれの上部間を繋ぐ上面部(47h)と、前記前面部(47e)と前記後面部(47f)とのそれぞれの下部間を繋ぐ下面部(47j)とを備え、前記上面部(47h)及び前記下面部(47j)は、前後方向及び車幅方向に指向することを特徴とする請求項に記載の鞍乗り型車両のカウル構造。
  7. 前記ラジエータ(36)の下方には、オイルクーラ(86)が設けられ、前記メインカウル(46)は、前記オイルクーラ(86)の側方に位置する側壁部(46h)を備え、前記側壁部(46h)には、車両側面視で、前記オイルクーラ(86)の後方に開口部(46c)を備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両のカウル構造。
  8. 前記開口部(46c)は、前記オイルクーラ(86)の傾斜に沿って配置されたルーバー(73)を備えることを特徴とする請求項に記載の鞍乗り型車両のカウル構造。
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