以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る自動運転システムを示すブロック図である。図1に示す第1の実施形態に係る自動運転システム100は、乗用車等の車両に搭載され、車両の自動運転を実行する。自動運転制御とは、予め設定された目的地に向かって自動で車両を走行させる車両制御である。自動運転制御では、運転者が運転操作を行う必要が無く、車両が自動で走行を行う。
自動運転システム100は、トリガードエンゲージと自動エンゲージを実行可能である。トリガードエンゲージとは、自動運転開始条件が満たされ、且つ、乗員により自動運転開始トリガーが入力された場合に車両の自動運転制御を開始することである。自動エンゲージとは、自動エンゲージ条件が満たされた場合に車両の自動運転制御を自動的に開始することである。トリガードエンゲージと自動エンゲージについて詳しくは後述する。
[自動運転システムの構成]
図1に示すように、自動運転システム100は、システムを統括的に管理するECU[Electronic Control Unit]20を備えている。ECU20は、CPU[CentralProcessing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等を有する電子制御ユニットである。ECU20では、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。ECU20は、複数の電子ユニットから構成されていてもよい。
ECU20は、GPS受信部1、外部センサ2、内部センサ3、地図データベース4、BGマップデータベース5、デフォルトモード情報記憶部6、ナビゲーションシステム7、アクチュエータ8、及びHMI[Human Machine Interface]9と接続されている。
GPS受信部1は、3個以上のGPS衛星から信号を受信することにより、車両の位置(例えば車両の緯度及び経度)を測定する測定器である。GPS受信部1は、測定した車両の位置情報をECU20へ送信する。
外部センサ2は、車両の周辺の状況を検出する検出機器である。外部センサ2は、カメラ、レーダセンサのうち少なくとも一つを含む。
カメラは、車両の外部状況を撮像する撮像機器である。カメラは、車両のフロントガラスの裏側に設けられている。カメラは、車両の外部状況に関する撮像情報をECU20へ送信する。カメラは、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。
レーダセンサは、電波(例えばミリ波)又は光を利用して車両の周辺の障害物を検出する検出機器である。レーダセンサには、例えば、ミリ波レーダ又はライダー[LIDAR:LightDetection and Ranging]が含まれる。レーダセンサは、電波又は光を車両の周辺に送信し、障害物で反射された電波又は光を受信することで障害物を検出する。レーダセンサは、検出した障害物情報をECU20へ送信する。障害物には、ガードレール、建物等の静止障害物の他、歩行者、自転車、他車両等の移動障害物が含まれる。
内部センサ3は、車両の走行状態及び車両状態を検出する検出機器である。内部センサ3は、車速センサ、加速度センサ、及びヨーレートセンサを含む。車速センサは、車両の速度を検出する検出器である。車速センサとしては、例えば、車両の車輪又は車輪と一体に回転するドライブシャフト等に対して設けられ、車輪の回転速度を検出する車輪速センサが用いられる。車速センサは、検出した車速情報(車輪速情報)をECU20に送信する。
加速度センサは、車両の加速度を検出する検出器である。加速度センサは、例えば、車両の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサと、車両の横加速度を検出する横加速度センサとを含んでいる。加速度センサは、例えば、車両の加速度情報をECU20に送信する。ヨーレートセンサは、車両の重心の鉛直軸周りのヨーレート(回転角速度)を検出する検出器である。ヨーレートセンサとしては、例えばジャイロセンサを用いることができる。ヨーレートセンサは、検出した車両のヨーレート情報をECU20へ送る。
地図データベース4は、地図情報を記憶するデータベースである。地図データベース4は、例えば、車両に搭載されたHDD[Hard Disk Drive]内に形成されている。地図情報には、道路の位置情報、道路種別(自動車専用道路、一般道路等)、道路形状の情報(例えば曲率等)、交差点及び分岐点の位置情報、及び構造物の位置情報等が含まれる。地図情報には、位置情報と関連付けられた法定速度等の交通規制情報も含まれてもよく、施設の位置と施設の種類(学校、病院、駅、コンビニエンスストア等の種類)を含む施設データが含まれてもよい。地図データベース4は、適宜更新が行なわれる。地図データベース4は、例えば、車両と通信可能な管理センター等の地図更新用サーバから送信された更新情報に基づいて地図情報を更新する。なお、地図データベース4は、車載である必要はなく、管理センター等の施設のサーバに記憶されていてもよい。この場合には、サーバ内で地図情報の更新が行なわれる。
BGマップデータベース5は、自動運転に利用されるバックグラウンドマップ(以下、BGマップと呼ぶ)を記憶するデータベースである。BGマップとは、木や電柱等の静止障害物の地図上の位置情報を含むマップである。自動運転システム100は、外部センサ2の検出結果(障害物情報等)にBGマップを参照することで、静止障害物を適切に認識する。BGマップは、木の成長、工事による電柱やガードレール等の新設及び除去に対応するため、適宜更新が行なわれる。BGマップデータベース5は、例えば、車両と通信可能な管理センター等の更新用サーバから送信された更新情報に基づいてBGマップを更新する。なお、BGマップデータベース5は、車載である必要はなく、管理センター等の施設のサーバに記憶されていてもよい。この場合には、サーバ内でBGマップの更新が行なわれる。BGマップデータベース5は、地図データベース4と一体であってもよい。
デフォルトモード情報記憶部6は、デフォルトモード情報を記憶する記憶部である。ここでは、デフォルトモード情報記憶部6は、データベースとして構成されている。デフォルトモード情報とは、地図上に設定されたエリア及び道路種別等に対して、自動エンゲージモード及びトリガードエンゲージモードの何れか一方をデフォルトモードとして関連付けた情報である。
デフォルトモードとは、自動エンゲージモード及びトリガードエンゲージモードのうち運転者の操作なく自動で予め設定されるモード(自動でデフォルトとして車両に設定されるモード)と言う意味である。すなわち、デフォルトモードが自動で設定されることにより、運転者は自動エンゲージモードとトリガードエンゲージモードの切り換え操作の手間を減らすことが可能になる。
デフォルトモード情報記憶部6では、地図上の道路の道路種別に対して、自動エンゲージモード及びトリガードエンゲージモードの何れかがデフォルトモードとして関連付けられている。道路種別とは、自動車専用道路及び一般道路等の道路の種類の区別である。一般道路は、例えば予め地図上に設定された市街エリアの道路である。一般道路は、市街エリアに限定せず予め設定された郊外エリアの道路を含んでもよく、自動車専用道路以外の道路全てを含んでもよい。
具体的に、デフォルトモード情報記憶部6において、自動車専用道路に対して自動エンゲージモードをデフォルトモードとして関連付け、一般道路に対してトリガードエンゲージモードをデフォルトモードとして関連付けることができる。一般道路における自動運転は、交差点の右左折、踏切等における一時停止、歩行者に対する回避行動等複雑な環境下で行なわれる。このため、上記の関連付けは、一般道路において何らかの要因により自動運転が解除された場合には、運転者の判断により自動運転を開始することが望ましいと考える運転者に適切である。
一方で、デフォルトモード情報記憶部6において、自動車専用道路に対してトリガードエンゲージモードがデフォルトモードとして関連付けられ、一般道路に対して自動エンゲージモードがデフォルトモードとして関連付けられていてもよい。このような関連付けは、一般道路においては様々な要因に起因して自動運転の解除の頻度が自動車専用道路と比べて高いと思われることから、利便性の観点から自動エンゲージモードをデフォルトモードとすることが望ましいと考える運転者に適切である。
また、デフォルトモード情報記憶部6では、地図データベース4の地図情報の更新頻度に応じて地図上のエリアが区別され、更新頻度に応じたエリアに対して自動エンゲージモード及びトリガードエンゲージモードの何れか一方をデフォルトモードとして関連付けている。地図情報の更新の頻度とは、一定期間内(例えば1ヶ月間)で地図情報の更新が行なわれた回数である。
地図情報の更新頻度に応じたエリアの形成の仕方は特に限定されない。地図情報の更新頻度に応じたエリアは、緯度経度に沿って地図を格子状に区切って形成されてもよく、実際の市町村の境界線に沿って区切って形成されてもよく、道路に沿って設定された区間であってもよい。道路に沿って設定された区間は、一定距離ごとに区切られた区間であってもよく、距離に加えて交差点ごとに区切られた区間であってもよい。
デフォルトモード情報記憶部6では、例えば、地図上に設定された地図情報の高更新頻度エリア及び低更新頻度エリアに対して、デフォルトモードがそれぞれ関連付けられる。地図情報の高更新頻度エリアとは、地図上に予め設定されたエリアであって、地図情報の更新の頻度が第1の更新閾値以上のエリアである。第1の更新閾値とは、地図情報の更新の頻度を判定するために予め設定された閾値である。地図情報の低更新頻度エリアとは、地図上に予め設定されたエリアであって、地図情報の更新の頻度が第1の更新閾値未満のエリアである。なお、地図情報の低更新頻度エリアを地図情報の更新の頻度が第2の更新閾値未満のエリアとしてもよい。第2の更新閾値は、第1の更新閾値より小さい値である。
デフォルトモード情報記憶部6において、地図情報の高更新頻度エリアに対してトリガードエンゲージモードをデフォルトモードとして関連付け、低更新頻度エリアに対して自動エンゲージモードをデフォルトモードとして関連付けることができる。地図情報の更新頻度が高いエリアでは、更新の時間差に起因して古い地図情報から自動運転の走行計画が生成され実際の道路状況と合わない可能性が生じ得る。このため、上記の関連付けは、地図情報の高更新頻度エリアにおいて自動運転が解除された場合には、運転者の判断により自動運転を開始することが望ましいと考える運転者に適切である。
一方で、デフォルトモード情報記憶部6において、地図情報の高更新頻度エリアに対して自動エンゲージモードをデフォルトモードとして関連付け、低更新頻度エリアに対してトリガードエンゲージモードをデフォルトモードとして関連付けてもよい。このような関連付けは、地図情報の高更新頻度エリアにおいて自動運転の解除の頻度が低更新頻度エリアと比べて高いと思われることから、利便性の観点から自動エンゲージモードをデフォルトモードとすることが望ましいと考える運転者に適切である。なお、自動運転システム100は、地図情報の更新遅れに起因して自動運転が解除された場合には、地図情報の更新が終わってから自動エンゲージを可能にする態様であってもよい。
更に、デフォルトモード情報記憶部6では、BGマップデータベース5のBGマップの更新頻度に応じて地図上のエリアが区別され、更新頻度に応じたエリアに対して自動エンゲージモード及びトリガードエンゲージモードの何れか一方をデフォルトモードとして関連付けている。BGマップの更新の頻度とは、一定期間内(例えば1ヶ月間)でBGマップの更新が行なわれた回数である。BGマップの更新頻度に応じたエリアの形成の仕方は特に限定されない。BGマップの更新頻度に応じたエリアは、地図情報の更新頻度のエリアと同様に形成されてもよく、異なる方法で形成されてもよい。
デフォルトモード情報記憶部6では、例えば、地図上に設定されたBGマップの高更新頻度エリア及び低更新頻度エリアに対して、デフォルトモードがそれぞれ関連付けられる。BGマップの高更新頻度エリアとは、地図上に予め設定されたエリアであって、BGマップの更新の頻度が第3の更新閾値以上のエリアである。第3の更新閾値とは、BGマップの更新の頻度を判定するために予め設定された閾値である。BGマップの低更新頻度エリアとは、地図上に予め設定されたエリアであって、BGマップの更新の頻度が第3の更新閾値未満のエリアである。なお、BGマップの低更新頻度エリアをBGマップの更新の頻度が第4の更新閾値未満のエリアとしてもよい。第4の更新閾値は、第3の更新閾値より小さい値である。
デフォルトモード情報記憶部6において、BGマップの高更新頻度エリアに対してトリガードエンゲージモードをデフォルトモードとして関連付け、低更新頻度エリアに対して自動エンゲージモードをデフォルトモードとして関連付けることができる。BGマップの更新頻度が高いエリアでは、更新の時間差に起因して古いBGマップから自動運転の走行計画が生成され実際の道路状況と合わない可能性が生じ得る。このため、上記の関連付けは、BGマップの高更新頻度エリアにおいて自動運転が解除された場合には、運転者の判断により自動運転を開始することが望ましいと考える運転者に適切である。
一方で、デフォルトモード情報記憶部6において、BGマップの高更新頻度エリアに対して自動エンゲージモードをデフォルトモードとして関連付け、低更新頻度エリアに対してトリガードエンゲージモードをデフォルトモードとして関連付けてもよい。このような関連付けは、BGマップの高更新頻度エリアにおいて自動運転の解除の頻度が低更新頻度エリアと比べて高いと思われることから、利便性の観点から自動エンゲージモードをデフォルトモードとすることが望ましいと考える運転者に適切である。なお、自動運転システム100は、BGマップの更新遅れに起因して自動運転が解除された場合には、BGマップの更新が終わってから自動エンゲージを可能にする態様であってもよい。
その他、デフォルトモード情報記憶部6では、後述する渋滞判定部27の判定結果に対して、自動エンゲージモード及びトリガードエンゲージモードの何れか一方をデフォルトモードとして関連付けられていてもよい。詳しくは後述する。以上説明したデフォルトモードの関連付けは、車両の出荷時に初期設定として決められていてもよく、車両の乗員らが任意に設定可能であってもよい。
デフォルトモード情報記憶部6は、道路種別、地図情報の更新頻度、BGマップの更新頻度、及び渋滞状態の判定結果の全てに対応するデフォルトモード情報を記憶している必要はない。デフォルトモード情報記憶部6は、少なくとも道路種別又は地図情報の更新頻度に対応するデフォルトモード情報を記憶していればよい。
なお、デフォルトモード情報記憶部6は、ECU20と別体ではなくECU20内の半導体メモリ等の記憶部であってもよく、車両と通信可能な管理センター等の施設のサーバに設けられた記憶部であってもよい。デフォルトモード情報記憶部6は、地図データベース4及びBGマップデータベース5の少なくとも一方と一体のデータベースを構成していてもよい。
ナビゲーションシステム7は、車両に搭載され、自動運転制御によって車両が走行する目標ルートを設定する。ナビゲーションシステム7は、予め設定された目的地E、GPS受信部1によって測定された車両の位置、及び地図データベース4の地図情報に基づいて、車両の位置から目的地Eに至るまでの目標ルートを演算する。自動運転制御の目的地Eは、車両の乗員がナビゲーションシステム7の備える入力ボタン(又はタッチパネル)を操作することにより設定される。目標ルートは、道路を構成する車線を区別して設定される。ナビゲーションシステム7は、周知の手法により目標ルートを設定することができる。ナビゲーションシステム7は、運転者による車両の手動運転時において、目標ルートに沿った案内を行う機能を有していてもよい。ナビゲーションシステム7は、車両の目標ルートの情報をECU20へ出力する。ナビゲーションシステム7は、その機能の一部が車両と通信可能な情報処理センター等の施設のサーバで実行されていてもよい。ナビゲーションシステム7の機能は、ECU20において実行されてもよい。
アクチュエータ8は、車両の制御に用いられる機器である。アクチュエータ8は、スロットルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、及び操舵アクチュエータを少なくとも含む。スロットルアクチュエータは、ECU20からの加速制御指令値に応じてエンジンに対する空気の供給量(スロットル開度)を制御し、車両の駆動力を制御する。なお、車両がハイブリッド車である場合には、エンジンに対する空気の供給量の他に、動力源としてのモータにECU20からの加速制御指令値が入力されて当該駆動力が制御される。車両が電気自動車である場合には、スロットルアクチュエータの代わりに動力源としてのモータにECU20からの加速制御指令値が入力されて当該駆動力が制御される。これらの場合における動力源としてのモータは、アクチュエータ8を構成する。
ブレーキアクチュエータは、ECU20からの減速制御指令値に応じてブレーキシステムを制御し、車両の車輪へ付与する制動力を制御する。ブレーキシステムとしては、例えば、液圧ブレーキシステムを用いることができる。操舵アクチュエータは、電動パワーステアリングシステムのうち操舵トルクを制御するアシストモータの駆動を、ECU20からの操舵制御指令値に応じて制御する。これにより、操舵アクチュエータは、車両の操舵トルクを制御する。
HMI9は、自動運転システム100と乗員との間で情報の入出力を行うためのインターフェイスである。HMI9は、例えば、ディスプレイ、スピーカ等を備えている。HMI9は、ECU20からの制御信号に応じて、ディスプレイの画像出力及びスピーカからの音声出力を行う。ディスプレイは、ヘッドアップディスプレイであってもよい。HMI9は、例えば、乗員からの入力を受け付けるための入力機器(ボタン、タッチパネル、音声入力器等)を備えている。
次に、ECU20の機能的構成について説明する。図1に示すように、ECU20は、車両位置認識部21、走行環境認識部22、走行状態認識部23、トリガードエンゲージ判定部24、自動エンゲージ判定部25、走行計画生成部26、渋滞判定部27、デフォルトモード設定部28、及び車両制御部29を有している。
車両位置認識部21は、GPS受信部1の位置情報及び地図データベース4の地図情報に基づいて、車両の地図上の位置を認識する。また、車両位置認識部21は、地図データベース4の地図情報に含まれた電柱等の固定障害物の位置情報及び外部センサ2の検出結果を利用して、SLAM[Simultaneous Localization And Mapping]技術により車両の位置を認識する。車両位置認識部21は、その他、周知の手法により車両の地図上の位置を認識してもよい。
走行環境認識部22は、外部センサ2の検出結果に基づいて、車両の走行環境を認識する。走行環境には、車両に対する障害物の位置、車両に対する障害物の相対速度、車両に対する障害物の移動方向等が含まれる。走行環境認識部22は、カメラの撮像画像、レーダセンサの障害物情報に基づいて、周知の手法により、車両の走行環境を認識する。
走行状態認識部23は、内部センサ3の検出結果に基づいて、走行中の車両の状態を認識する。走行状態には、車両の車速、車両の加速度、車両のヨーレートが含まれる。具体的に、走行状態認識部23は、車速センサの車速情報に基づいて、車両の車速を認識する。走行状態認識部23は、加速度センサの加速度情報に基づいて、車両の加速度(前後加速度及び横加速度)を認識する。走行状態認識部23は、ヨーレートセンサのヨーレート情報に基づいて、車両のヨーレートを認識する。
トリガードエンゲージ判定部24は、車両がトリガードエンゲージモードである場合に、自動運転開始条件が満たされたか否かを判定する。トリガードエンゲージモードとは、運転者の操作により車両の自動運転制御が開始されるモードである。運転者は、HMI9へモード設定の入力を行うことで車両をトリガードエンゲージモードにすることができる。
自動運転開始条件とは、トリガードエンゲージによる自動運転制御を開始するための前提となる条件である。自動運転開始条件は、例えば、地図上に予め設定された自動運転可能な区間内に車両が位置することを条件の一つとすることができる。自動運転開始条件は、車両が直進姿勢であり、車速が一定閾値以下であることを条件の一つとしてもよい。自動運転開始条件は、車両のシフトレバーが「D(ドライブ)」のシフト位置であることを条件の一つとしてもよい。
トリガードエンゲージ判定部24は、地図データベース4の地図情報、車両位置認識部21の認識した車両の地図上の位置、走行環境認識部22の認識した車両の走行環境、及び走行状態認識部23の認識した車両の走行状態に基づいて、自動運転開始条件が満たされたか否かを判定する。
トリガードエンゲージ判定部24は、自動運転開始条件が満たされたと判定した場合、乗員により自動運転開始トリガーが入力されたか否かを判定する。自動運転開始トリガーは、HMI9の入力部に含まれるトリガー入力部を乗員が操作することで自動運転システム100に入力される。自動運転開始トリガーは、例えば、ボタンであるトリガー入力部を一定時間押し続けることで入力される。自動運転開始トリガーは、音声によって入力されてもよい。トリガードエンゲージ判定部24は、HMI9の入力信号に基づいて、自動運転開始トリガーが入力されたか否かを判定する。
自動エンゲージ判定部25は、車両が自動エンゲージモードである場合に、自動エンゲージ条件が満たされたか否かを判定する。自動エンゲージモードとは、車両が自動エンゲージ条件を満たした場合に自動で車両の自動運転制御を開始するモードである。運転者は、HMI9へモード設定の入力を行うことで車両を自動エンゲージモードに切り換えることができる。
自動エンゲージ条件とは、自動エンゲージによる自動運転制御を開始するための条件である。自動エンゲージ条件は、予め地図上に設定された自動エンゲージの開始地点に車両が至ったことを条件の一つとすることができる。自動エンゲージの開始地点には、例えば、自動運転専用レーンの入口地点が含まれる。
自動エンゲージ条件は、上述した自動運転開始条件と同一としてもよく、自動運転開始条件と異なっていてもよい。自動エンゲージ条件は、自動運転開始条件と比べて自動運転制御を開始しにくい条件(厳しい条件)であってもよい。自動エンゲージ条件は、車両のシフトレバーが「A(自動)」のシフト位置であることを条件の一つとしてもよい。
自動エンゲージ判定部25は、地図データベース4の地図情報、車両位置認識部21の認識した車両の地図上の位置、走行環境認識部22の認識した車両の走行環境、及び走行状態認識部23の認識した車両の走行状態に基づいて、上述した自動エンゲージ条件が満たされたか否かを判定する。
走行計画生成部26は、地図データベース4の地図情報、ナビゲーションシステム7の経路情報、車両位置認識部21の認識した車両の地図上の位置、走行環境認識部22の認識した車両の走行環境、及び走行状態認識部23の認識した車両の走行状態に基づいて、自動運転制御のための走行計画を生成する。
走行計画には、車両の操舵に関する操舵計画と車両の車速に関する車速計画とが含まれる。操舵計画には、自動運転制御により車両が走行する経路上の位置に応じた目標操舵角が含まれている。経路上の位置とは、地図上で経路(すなわち自動運転制御の目標ルート)の延在方向における位置である。具体的に、経路上の位置は、経路の延在方向において所定間隔(例えば1m)毎に設定された設定縦位置とすることができる。目標操舵角は、走行計画において車両の操舵角の制御目標となる値である。走行計画生成部26は、経路上で所定間隔離れた位置毎に目標操舵角を設定することで、操舵計画を生成する。なお、目標操舵角に代えて目標操舵トルク又は目標横位置(車両の目標となる道路の幅方向における位置)を用いてもよい。操舵計画として、目標軌跡が設定されていてもよい。
車速計画には、自動運転制御により車両が走行する経路上の位置に応じた目標車速が含まれている。目標車速は、走行計画において車両の車速の制御目標となる値である。走行計画生成部26は、経路上で所定間隔離れた位置毎に目標車速を設定することで、車速計画を生成する。なお、目標車速に代えて目標加速度又は目標ジャークを用いてもよい。経路上の位置(設定縦位置)に代えて時間を基準としてもよい。
渋滞判定部27は、走行環境認識部22の認識した車両の周囲の走行環境に基づいて、車両の周囲が渋滞状態であるか否かを判定する。渋滞判定部27は、例えば、車両の周囲の他車両の密度が密度閾値以上である場合、車両の周囲が渋滞状態であると判定する。密度閾値は、渋滞状態を判定するために予め設定された値である。車両の周囲の他車両の密度は、外部センサ2の検出結果等から周知の手法により求めることができる。
或いは、渋滞判定部27は、車両の周囲の他車両の台数が渋滞台数閾値以上であり、他車両の平均車速が渋滞車速閾値以下である場合に、車両の周囲が渋滞状態であると判定してもよい。渋滞台数及び渋滞車速閾値は、渋滞状態を判定するために予め設定された値である。渋滞状態の判定方法は、上述した方法に限られない。渋滞状態の判定方法は、周知の種々の手法を採用することができる。
デフォルトモード設定部28は、地図データベース4の地図情報と車両位置認識部21の認識した車両の地図上の位置とデフォルトモード情報記憶部6のデフォルトモード情報とに基づいて、自動エンゲージモード及びトリガードエンゲージモードの何れか一方を車両のデフォルトモードとして設定する。
デフォルトモード設定部28は、地図情報と車両の地図上の位置とデフォルトモード情報とに基づいて、車両の走行する道路の道路種別が自動車専用道路であると認識した場合、自動エンゲージモード及びトリガードエンゲージモードのうち、自動車専用道路に関連付けられたモードをデフォルトモードとして設定する。デフォルトモード設定部28は、車両の走行する道路の道路種別が一般道路であると認識した場合、一般道路に関連付けられたモードをデフォルトモードとして設定する。
また、デフォルトモード設定部28は、車両が地図情報の高更新頻度エリアを走行していると認識した場合、自動エンゲージモード及びトリガードエンゲージモードのうち、地図情報の高更新頻度エリアに関連付けられたモードをデフォルトモードとして設定する。デフォルトモード設定部28は、車両が地図情報の低更新頻度エリアを走行していると認識した場合、地図情報の低更新頻度エリアに関連付けられたモードをデフォルトモードとして設定する。
更に、デフォルトモード設定部28は、車両がBGマップの高更新頻度エリアを走行していると認識した場合、自動エンゲージモード及びトリガードエンゲージモードのうち、BGマップの高更新頻度エリアに関連付けられたモードをデフォルトモードとして設定する。デフォルトモード設定部28は、車両がBGマップの低更新頻度エリアを走行していると認識した場合、BGマップの低更新頻度エリアに関連付けられたモードをデフォルトモードとして設定する。
また、デフォルトモード設定部28は、渋滞判定部27の判定結果に基づいて、車両のデフォルトモードを設定する。デフォルトモード設定部28は、渋滞判定部27により車両の周囲が渋滞状態であると判定された場合、自動エンゲージモード及びトリガードエンゲージモードのうち、渋滞状態に予め関連付けられたモードをデフォルトモードとして設定する。
具体的に、渋滞状態に対してトリガードエンゲージモードをデフォルトモードとして関連付けてもよい。自動運転解除の原因が渋滞状態に起因する場合には、時間経過や車両の位置の移動によって当該原因が早期に解決しない可能性がある。上記の関連付けは、渋滞状態で一時的に前方の先行車が前に進んで自動エンゲージにより自動運転が開始されても、先行車が停止して車両が追い付くと再び渋滞状態となり自動運転が解除されるおそれがあることから、渋滞状態においては運転者の判断により自動運転を開始することが望ましいと考える運転者に適切である。
一方で、渋滞状態に対して自動エンゲージモードをデフォルトモードとして関連付けてもよい。渋滞状態は逆に交通環境の変化が少ない環境と考えられ、自動運転が解除されたとしても周囲の他車両の動きも緩やかなため自動運転に復帰しやすく、自動運転の解除が繰り返されたとしても利便性の観点から自動エンゲージモードをデフォルトモードとすることが望ましいと考える運転者に適切である。
なお、渋滞状態ではない場合(非渋滞状態の場合)に対して、自動エンゲージモード又はトリガードエンゲージモードをデフォルトモードとして設定してもよい。非渋滞状態の場合には、渋滞状態の場合と異なるモードをデフォルトモードとして設定することができる。
デフォルトモード設定部28は、デフォルトモードの設定に優先付けを行なってもよい。デフォルトモード設定部28は、例えば、車両の走行する道路の道路種別に関連付けられたモードと車両の走行する地図情報の更新頻度に応じたエリアに関連付けられたモードとが異なる場合には、道路種別に関連付けられたモードを優先してデフォルトモードに設定する。この場合、デフォルトモード設定部28は、道路種別が未登録の道路を走行するときに、地図情報の更新頻度に応じたエリアに関連付けられたモードをデフォルトモードとして設定する。
同様に、デフォルトモード設定部28は、車両の走行する道路の道路種別に関連付けられたモードと車両の走行するBGマップの更新頻度に応じたエリアに関連付けられたモードとが異なる場合には、道路種別に関連付けられたモードを優先してデフォルトモードに設定してもよい。この場合、デフォルトモード設定部28は、道路種別が未登録の道路を走行するときに、BGマップの更新頻度に応じたエリアに関連付けられたモードをデフォルトモードとして設定する。
或いは、デフォルトモード設定部28は、車両の走行する道路の道路種別が自動車専用道路である場合は、地図情報の更新頻度又はBGマップの更新頻度を優先して、デフォルトモードを設定してもよい。デフォルトモード設定部28は、車両の走行する道路の道路種別が一般道路である場合は、地図情報の更新頻度及びBGマップの更新頻度より道路種別を優先して、デフォルトモードを設定する。
デフォルトモード設定部28は、車両が地図情報の低更新頻度エリアを走行していたとしても、BGマップの高更新頻度エリアに位置する場合には、BGマップの高更新頻度エリアに関連付けられたモードを優先してデフォルトモードに設定してもよい。同様に、デフォルトモード設定部28は、車両がBGマップの低更新頻度エリアを走行していたとしても、地図情報の高更新頻度エリアに位置する場合には、BGマップの高更新頻度エリアに関連付けられたモードを優先してデフォルトモードに設定してもよい。
また、デフォルトモード設定部28は、渋滞判定部27により車両の周囲が渋滞状態であると判定された場合には、道路種別、地図情報の更新頻度、及びBGマップの更新頻度に関わらず、渋滞状態に関連付けられたモードを優先してデフォルトモードに設定してもよい。以上、デフォルトモードの優先付けについて説明したが、優先付けは上記の内容に限られない。優先付けは、運転者等による任意の設定が可能であってもよい。
その他、デフォルトモード設定部28は、HMI9を介して現在のデフォルトモードを運転者等に対して表示させてもよい。デフォルトモード設定部28は、デフォルトモードを変更した場合に、HMI9を介して運転者等に変更したデフォルトモードを画像表示及び/又は音声出力によって通知してもよい。デフォルトモード設定部28は、HMI9に制御信号を送信することによって運転者等への通知等を制御する。
なお、デフォルトモード設定部28は、道路種別、地図情報の更新頻度、BGマップの更新頻度、及び渋滞状態の判定結果の全てに対応する必要はなく、少なくとも道路種別又は地図情報の更新頻度に対応してデフォルトモードを設定できればよい。
車両制御部29は、地図データベース4の地図情報、車両位置認識部21の車両の地図上の位置、走行環境認識部22の車両の走行環境、走行状態認識部23の走行状態、及び、走行計画生成部26の生成した走行計画に基づいて、車両の自動運転制御を実行する。車両制御部29は、アクチュエータ8に制御信号を送信することにより、車両の自動運転制御を実行する。
車両制御部29は、トリガードエンゲージ判定部24により、自動運転開始条件が満たされ、且つ、乗員により自動運転開始トリガーが入力されたと判定された場合、トリガードエンゲージによる車両の自動運転制御を開始する。車両制御部29は、自動エンゲージ判定部25により自動エンゲージ条件が満たされたと判定された場合、自動エンゲージによる車両の自動運転制御を開始する。車両制御部29は、自動運転制御中に予め設定された自動運転解除条件が満たされた場合、自動運転を解除する。自動運転解除条件としては、周知の種々の条件を採用することができる。
[自動運転システムのデフォルトモード設定処理]
以下、自動運転システム100のデフォルトモード設定処理について図面を参照して説明する。
〈道路種別に応じたデフォルトモードの設定処理〉
図2(a)は、道路種別に応じたデフォルトモードの設定処理の一例を示すフローチャートである。
図2(a)に示すように、自動運転システム100のECU20は、S10として、デフォルトモード設定部28により車両の走行する道路の道路種別が自動車専用道路であるか否かを判定する。デフォルトモード設定部28は、地図情報と車両の地図上の位置とデフォルトモード情報とに基づいて上記判定を行う。ECU20は、車両の走行する道路の道路種別が自動車専用道路であると判定された場合(S10:YES)、S12に移行する。ECU20は、車両の走行する道路の道路種別が自動車専用道路ではないと判定された場合(S10:NO)、S14に移行する。
S12において、ECU20は、デフォルトモード設定部28により自動車専用道路に関連付けられたモードをデフォルトモードとして設定する。デフォルトモード設定部28は、デフォルトモード情報を参照してデフォルトモードの設定を行う。その後、ECU20は、今回の処理を終了し、一定時間後に再びS10から処理を繰り返す。
S14において、ECU20は、デフォルトモード設定部28により一般道路に関連付けられたモードをデフォルトモードとして設定する。ここでは、一般道路を自動車専用道路以外の道路としている。その後、ECU20は、今回の処理を終了し、一定時間後に再びS10から処理を繰り返す。
〈地図データの更新頻度に応じたデフォルトモードの設定処理〉
図2(b)は、地図データの更新頻度に応じたデフォルトモードの設定処理の一例を示すフローチャートである。
図2(b)に示すように、自動運転システム100のECU20は、S20として、デフォルトモード設定部28により車両が地図情報の高更新頻度エリアを走行しているか否かを判定する。デフォルトモード設定部28は、地図情報と車両の地図上の位置とデフォルトモード情報とに基づいて上記判定を行う。ECU20は、車両が地図情報の高更新頻度エリアを走行していると判定された場合(S20:YES)、S22に移行する。ECU20は、車両が地図情報の高更新頻度エリアを走行していないと判定された場合(S20:NO)、S24に移行する。
S22において、ECU20は、デフォルトモード設定部28により地図情報の高更新頻度エリアに関連付けられたモードをデフォルトモードとして設定する。デフォルトモード設定部28は、デフォルトモード情報を参照してデフォルトモードの設定を行う。その後、ECU20は、今回の処理を終了し、一定時間後に再びS20から処理を繰り返す。
S24において、ECU20は、デフォルトモード設定部28により地図情報の低更新頻度エリアに関連付けられたモードをデフォルトモードとして設定する。その後、ECU20は、今回の処理を終了し、一定時間後に再びS20から処理を繰り返す。
〈BGマップの更新頻度に応じたデフォルトモードの設定処理〉
図3(a)は、BGマップの更新頻度に応じたデフォルトモードの設定処理の一例を示すフローチャートである。
図3(a)に示すように、自動運転システム100のECU20は、S30として、デフォルトモード設定部28により車両がBGマップの高更新頻度エリアを走行しているか否かを判定する。デフォルトモード設定部28は、地図情報と車両の地図上の位置とデフォルトモード情報とに基づいて上記判定を行う。ECU20は、車両がBGマップの高更新頻度エリアを走行していると判定された場合(S30:YES)、S32に移行する。ECU20は、車両がBGマップの高更新頻度エリアを走行していないと判定された場合(S30:NO)、S34に移行する。
S32において、ECU20は、デフォルトモード設定部28によりBGマップの高更新頻度エリアに関連付けられたモードをデフォルトモードとして設定する。デフォルトモード設定部28は、デフォルトモード情報を参照してデフォルトモードの設定を行う。その後、ECU20は、今回の処理を終了し、一定時間後に再びS30から処理を繰り返す。
S34において、ECU20は、デフォルトモード設定部28によりBGマップの低更新頻度エリアに関連付けられたモードをデフォルトモードとして設定する。その後、ECU20は、今回の処理を終了し、一定時間後に再びS30から処理を繰り返す。
〈渋滞状態に応じたデフォルトモードの設定処理〉
図3(b)は、渋滞状態に応じたデフォルトモードの設定処理の一例を示すフローチャートである。
図3(b)に示すように、自動運転システム100のECU20は、S40として渋滞判定部27により車両の周囲が渋滞状態であるか否かを判定する。渋滞判定部27は、走行環境認識部22の認識した車両の周囲の走行環境に基づいて上記判定を行う。ECU20は、車両の周囲が渋滞状態であると判定された場合(S40:YES)、S42に移行する。ECU20は、車両の周囲が渋滞状態ではないと判定された場合(S40:NO)、今回の処理を終了し、一定時間後に再びS40から処理を繰り返す。
S42において、ECU20は、デフォルトモード設定部28により渋滞状態に関連付けられたモードをデフォルトモードとして設定する。その後、ECU20は、今回の処理を終了し、一定時間後に再びS40から処理を繰り返す。
[自動運転システムの作用効果]
以上説明した一実施形態に係る自動運転システム100によれば、道路種別等の状況に応じてデフォルトモードが自動で設定されることにより、状況に応じてトリガードエンゲージモード又は自動エンゲージモードをデフォルトモードとして適切に設定することができる。しかも、自動運転システム100によれば、デフォルトモードが自動で設定されるので、運転者は自動エンゲージモードとトリガードエンゲージモードの切り換え操作の手間を減らすことが可能になり、自動運転の開始に関する処理時間の短時間化及び効率化を図ることが可能になる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。
デフォルトモード情報記憶部6は、道路種別に関して、自動車専用道路と一般道路の両方にモードを関連付ける必要はない。デフォルトモード情報記憶部6は、自動車専用道路又は一般道路の一方にのみデフォルトモードとして用いられるモードを関連付けていてもよい。同様に、デフォルトモード情報記憶部6は、地図情報の高更新頻度エリアと低更新頻度エリアのうち一方にのみデフォルトモードとして用いられるモードを関連付けていてもよい。BGマップの更新頻度においても同様である。
デフォルトモード情報記憶部6は、必ずしも道路の地図上の位置を記憶する必要はない。この場合、デフォルトモード設定部28は、車両の地図上の位置及びデフォルトモード情報に加えて、地図情報を参照することで、車両の走行する道路の道路種別を認識することができる。
デフォルトモード設定部28は、車両が次に走行する地図上のエリア(地図情報の高更新頻度エリア、BGマップの高更新頻度エリア等)又は車両が次に走行する道路の道路種別に基づいて、次のデフォルトモードを予め準備していてもよい。
デフォルトモード設定部28は、車両の目標ルート、車両の地図上の位置、及び地図情報に基づいて、車両が次に走行する地図上のエリア又は車両が次に走行する道路の道路種別を認識することができる。デフォルトモード設定部28は、デフォルトモード情報に基づいて、車両が次に走行する地図上のエリア又は車両が次に走行する道路の道路種別から次のデフォルトモードを認識する。デフォルトモード設定部28は、現在のデフォルトモードと次のデフォルトモードが異なる場合、ECU20においてデフォルトモードの変更の準備処理を行う。デフォルトモード設定部28は、車両が次の地図上のエリアに進入した場合、又は車両が次の道路種別の道路に進入した場合、準備していたデフォルトモードに変更する。
デフォルトモード設定部28は、車両の通信機器を介した無線通信(車々間通信を含む)によって、車両の前方に渋滞状態が発生していることを認識してもよい。デフォルトモード設定部28は、無線通信により取得した車両の前方の渋滞情報に基づいて、車両の前方に渋滞状態が発生していると認識した場合、デフォルトモード情報に基づいて、渋滞状態に関連付けられた次のデフォルトモードを認識する。デフォルトモード設定部28は、現在のデフォルトモードと次のデフォルトモードが異なる場合、ECU20においてデフォルトモードの変更の準備処理を行う。このように、自動運転システム100では、予め次のデフォルトモードを認識して、デフォルトモードの変更の準備処理を予め実行しておくことで、デフォルトモードの変更を短時間で行うことが可能になる。