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JP6705581B2 - 微生物細胞から微生物油を入手するための方法 - Google Patents

微生物細胞から微生物油を入手するための方法 Download PDF

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JP6705581B2 JP2016541238A JP2016541238A JP6705581B2 JP 6705581 B2 JP6705581 B2 JP 6705581B2 JP 2016541238 A JP2016541238 A JP 2016541238A JP 2016541238 A JP2016541238 A JP 2016541238A JP 6705581 B2 JP6705581 B2 JP 6705581B2
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Description

発明の詳細な説明
[関連出願の相互参照]
[0001] 本出願は、2013年12月20日に出願された米国仮特許出願第61/919,026号明細書の出願日の利益を主張し、上記特許出願の開示は参照により本明細書に組み込まれる。
[発明の背景]
[0002] 本明細書で開示されているのは、1種または複数種の微生物細胞から1種または複数種の多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む微生物油を入手するための方法であって、細胞を溶解して溶解細胞組成物を形成し、次いでこの溶解細胞組成物から油を回収することによる方法である。本明細書でさらに開示されているのは、本明細書に記載した少なくとも1つの方法により微生物細胞から回収される、1種または複数種のPUFAを含む微生物油である。
[0003] 1種または複数種のPUFAを含む微生物油は、例えば藻類および真菌類等の微生物により産生される。
[0004] 微生物細胞からPUFA含有油を入手するための典型的な方法は、所望の油を産生することができる微生物を発酵槽、ポンドまたはバイオリアクタ中で増殖させて微生物細胞バイオマスを製造する工程、バイオマスが増殖した発酵培地からバイオマスを分離する工程、水非混和性有機溶媒(例えばヘキサン)を使用して微生物細胞バイオマスを乾燥させ、乾燥細胞から油を抽出する工程、およびこの油から有機溶媒(例えばヘキサン)を除去する工程を含む。この方法は、細胞バイオマスを含む発酵培地を水で希釈し、続いて遠心分離により希釈発酵培地からバイオマスを分離する工程をさらに含むことができる。
[0005] 微生物細胞からPUFA含有油を入手するための別の方法は、所望の油を産生することができる微生物を発酵槽、ポンドまたはバイオリアクタ中で増殖させて微生物細胞バイオマスを製造する工程、機械的力(例えばホモジナイゼーション)、酵素処理または化学処理を使用して細胞壁を破壊することにより、PUFA含有油を細胞が増殖した発酵培地中に放出させる工程、およびイソプロピルアルコール等の水混和性有機溶媒を使用して、結果として生じたPUFA含有油、細胞断片および液体を含む組成物から油を回収する工程を含む。この組成物から油を機械的に分離することができ、この油および水性バイオマス廃棄物流の両方からアルコールを除去しなければならない。
[0006] 微生物細胞からPUFA含有油を入手するための上記方法のいずれかの工業規模の使用では、大量の揮発性および可燃性有機溶媒を使用する必要があり、そのため、危険な運転条件が生じて高価な防爆装置を使用する必要がある。加えて、有機溶媒の使用により有機溶媒廃棄物流が生じ、この有機溶媒廃棄物流は、揮発性有機化合物(VOC)排出への厳しい環境規制に対処するために高価な溶媒回収プロセスの実施を必要とし、そのためより多くの人的資源および高価な装置の必要性が生じる。
[0007] さらに、細胞を乾燥させるための、および/または回収した油から溶媒を除去するための上記方法における熱の使用により、PUFA含有油が分解し、かつエネルギー使用量が増大する可能性があり、そのため処理コストがさらに増大する可能性がある。分解は、PUFA含有油が酸素に曝露されている場合、例えば微生物の細胞壁の完全性が崩壊している場合および/または微生物細胞が熱に曝露されている場合に発生する。
[0008] 微生物細胞からPUFA含有油を入手するための無溶媒の方法は、所望の油を産生することができる微生物を発酵槽、ポンドまたはバイオリアクタ中で増殖させて微生物細胞バイオマスを製造する工程、機械的力(例えばホモジナイゼーション)、酵素処理または化学処理を使用して細胞壁を破壊することにより、PUFA含有油を細胞が増殖した発酵培地中に放出させる工程、ならびにpHを上昇させることにより、塩を加えることにより、加熱することにより、および/または結果として生じたPUFA含有油、細胞断片および液体を含む組成物を撹拌することにより、この組成物から粗油を回収する工程を含む。しかしながら、細胞からPUFA含有油を入手するためのこの無溶媒の方法は、長期にわたる油回収時間、大量の塩および/または多くの工程を必要とする可能性があり、そのため処理コストが全面的に増大する可能性がある。
[0009] 結果として、揮発性有機溶媒を使用しない、容易に利用可能な装置を使用して実施することができる、必要な工数が最小である、油回収時間がより短い、および高品質のPUFA含有油を高収率で生成することができる、微生物細胞から高品質のPUFA含有油を入手するための方法が依然として必要とされている。
[0010] 本明細書で開示されているのは、1種または複数種の微生物細胞から1種または複数種の多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む微生物油を入手するための方法であって、(a)微生物油を含む細胞を溶解して溶解細胞組成物を形成する工程、(b)(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせを含む、溶解細胞組成物を解乳化して解乳化溶解細胞組成物を形成する工程、(c)解乳化溶解細胞組成物から油を分離する工程、および(d)油を回収する工程を含む、方法である。
[0011] 本明細書で開示されているのは、1種または複数種の微生物細胞から1種または複数種の多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む微生物油を入手するための方法であって、(a)微生物油を含む細胞を溶解して溶解細胞組成物を形成する工程、(b)(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせおよび塩基を含む、溶解細胞組成物を解乳化して解乳化溶解細胞組成物を形成する工程、(c)解乳化溶解細胞組成物から油を分離する工程、および(d)油を回収する工程を含む、方法である。
[0012] 本明細書で開示されているのは、1種または複数種の微生物細胞から1種または複数種の多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む微生物油を入手するための方法であって、(a)微生物油を含む細胞を溶解して溶解細胞組成物を形成する工程、(b)(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせを含む、溶解細胞組成物を解乳化して解乳化溶解細胞組成物を形成する工程、(c)解乳化溶解細胞組成物から油を分離する工程、および(d)油を回収する工程を含み、(a)または(b)の少なくとも一方が、組成物を少なくとも60℃の温度に加熱する工程をさらに含む、方法である。
[0013] 本明細書で開示されているのは、1種または複数種の微生物細胞から1種または複数種の多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む微生物油を入手するための方法であって、(a)微生物油を含む細胞を溶解して溶解細胞組成物を形成する工程、(b)(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせおよび塩基を含む、溶解細胞組成物を解乳化して解乳化溶解細胞組成物を形成する工程、(c)解乳化溶解細胞組成物から油を分離する工程、および(d)油を回収する工程を含み、(a)または(b)の少なくとも一方が、組成物を少なくとも60℃の温度に加熱する工程をさらに含む、方法である。
[0014] 本明細書で開示されているのは、1種または複数種の微生物細胞から1種または複数種の多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む微生物油を入手するための方法であって、(a)微生物油を含む細胞を溶解して溶解細胞組成物を形成する工程、(b)(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせおよび溶解細胞組成物のpHを8以上に上昇させる工程を含む、溶解細胞組成物を解乳化して解乳化溶解細胞組成物を形成する工程、(c)解乳化溶解細胞組成物から油を分離する工程、および(d)油を回収する工程を含む、方法である。
[0015] 本明細書で開示されているのは、1種または複数種の微生物細胞から1種または複数種の多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む微生物油を入手するための方法であって、(a)微生物油を含む細胞を溶解して溶解細胞組成物を形成する工程、(b)(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせおよび少なくとも1種の酵素を加える工程を含む、溶解細胞組成物を解乳化して解乳化溶解細胞組成物を形成する工程、(c)解乳化溶解細胞組成物から油を分離する工程、および(d)油を回収する工程を含む、方法である。
[0016] 本明細書で開示されているのは、1種または複数種の微生物細胞から1種または複数種の多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む微生物油を入手するための方法であって、(a)微生物油を含む細胞を溶解して溶解細胞組成物を形成する工程、(b)(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせおよび溶解細胞組成物のpHを6.5以下に低下させる工程を含む、溶解細胞組成物を解乳化して解乳化溶解細胞組成物を形成する工程、(c)解乳化溶解細胞組成物から油を分離する工程、および(d)油を回収する工程を含む方法である。
[0017] 本明細書で開示されているのは、1種または複数種の微生物細胞から1種または複数種の多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む微生物油を入手するための方法であって、(a)微生物油を含む細胞を溶解して溶解細胞組成物を形成する工程、(b)溶解細胞組成物を解乳化して解乳化溶解細胞組成物を形成する工程、(c)解乳化溶解細胞組成物から油を分離する工程、および(d)油を回収する工程を含み、(a)および(b)が互いに結合されて、(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせを含む1工程の溶解および解乳化する工程を形成する、方法である。
[0018] 本明細書で開示されているのは、1種または複数種の微生物細胞から1種または複数種の多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む微生物油を入手するための方法であって、(a)(i)解乳化溶解細胞組成物の形成に適した酵素、(ii)解乳化溶解細胞組成物の形成に適したpHまたは(iii)それらの組み合わせにより、微生物油を含む細胞を溶解して、解乳化溶解細胞組成物を形成する工程、(b)解乳化溶解細胞組成物から油を分離する工程、および(c)油を回収する工程を含み、解乳化溶解細胞組成物が、(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせ下での前記溶解中に入手される、方法である。
[0019] 本明細書で開示されているのは、本明細書に記載した方法のいずれかにより入手される微生物油である。
[0020] 当業者は、下記の詳細な説明を読むことにより本発明の特徴および利点をより容易に理解することができる。明瞭さを理由として、上記に記載されている本発明のいくつかの特徴および下記において別々の実施形態と関連して記載されている本発明のいくつかの特徴を、これらの部分的組み合わせを形成するために組み合わせ得ることが認識されよう。
[0021] 本明細書において代表的とみなされる実施形態は、例示であり限定的ではないことが意図されている。
[0022] 用語「約」は、規定した数字と同じ結果を実質的に達成することができる、規定した数字の上下の変動値を捉えるように意図されている。
[0023] 脂肪酸は、炭素鎖の長さおよび飽和特性に基づいて分類される。微生物油中に存在する脂肪酸は4〜28個の炭素原子を有することができ、鎖中に存在する炭素の数に基づいて、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸または長鎖脂肪酸と命名される。脂肪酸は、炭素原子間に二重結合が存在しない場合には飽和脂肪酸と命名され、二重結合が存在する場合には不飽和脂肪酸と命名される。不飽和の長鎖脂肪酸は、二重結合が1個のみ存在する場合には単価不飽和であり、二重結合が複数存在する場合には多価不飽和である。
[0024] 本明細書に記載した微生物油は、1種または複数種のPUFAを含み、かつ微生物細胞から入手される油を意味する。
[0025] 多価不飽和脂肪酸(PUFA)は脂肪酸のメチル末端からの最初の二重結合の位置に基づいて分類され、ω−3(n−3)脂肪酸は3番目の炭素で最初の二重結合を含み、ω−6(n−6)脂肪酸は6番目の炭素で最初の二重結合を含む。例えば、ドコサヘキサエン酸(DHA)は、22個の炭素の鎖長および6個の二重結合を有するω−3の長鎖多価不飽和脂肪酸(LC−PUFA)であり、「22:6n−3」と表されることが多い。一実施形態では、PUFAは、ω−3脂肪酸、ω−6脂肪酸およびそれらの混合物から選択される。別の実施形態では、PUFAはLC−PUFAから選択される。さらなる実施形態では、PUFAは、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、アラキドン酸(ARA)、γ−リノール酸(GLA)、ジホモ−γ−リノール酸(DGLA)、ステアリドン酸(SDA)およびそれらの混合物から選択される。別の実施形態では、PUFAは、DHA、ARAおよびそれらの混合物から選択される。さらなる実施形態では、PUFAはDHAである。さらなる実施形態では、PUFAはARAである。
[0026] LC−PUFAは、少なくとも3個の二重結合を含み、かつ18個以上の炭素または20個以上の炭素の鎖長を有する脂肪酸である。ω−6シリーズのLC−PUFAとして、ジ−ホモ−γリノール酸(C20:3n−6)、アラキドン酸(C20:4n−6)(「ARA」)、ドコサテトラエン酸またはアドレン酸(C22:4n−6)およびドコサペンタエン酸(C22:5n−6)(「DPA n−6」)が挙げられるがそれらに限定されない。ω−3シリーズのLC−PUFAとして、エイコサトリエン酸(C20:3n−3)、エイコサテトラエン酸(C20:4n−3)、エイコサペンタエン酸(C20:5n−3)(「EPA」)、ドコサペンタエン酸(C22:5n−3)およびドコサヘキサエン酸(C22:6n−3)が挙げられるがそれらに限定されない。LC−PUFAとして22個超の炭素および4個以上の二重結合を有する脂肪酸も挙げられ、この脂肪酸としてC24:6(n−3)およびC28:8(n−3)が挙げられるがそれらに限定されない。
[0027] PUFAは、遊離脂肪酸、塩、脂肪酸エステル(例えばメチルエステルまたはエチルエステル)、モノアシルグリセロール(MAG)、ジアシルグリセロール(DAG)、トリアシルグリセロール(TAG)および/またはリン脂質(PL)の形態であることができる。
[0028] より多価の不飽和脂肪酸(HUFA)は、4個以上の不飽和炭素−炭素結合を含むω−3多価不飽和脂肪酸および/またはω−6多価不飽和脂肪酸である。
[0029] 本明細書で使用する場合、「細胞」は油を含む生体材料を意味しており、例えば油性微生物(oleaginous microorganism)に由来する生体材料を意味する。微生物により産生された油または微生物細胞から入手される油は「微生物油」と称される。藻類および/または真菌類により産生された油はそれぞれ、藻類油および/または真菌油とも称される。
[0030] 本明細書で使用する場合、「微生物細胞」または「微生物」は、藻類、細菌、酵母、原生生物およびそれらの組み合わせ等の生物を意味しており、例えば単細胞生物を意味する。いくつかの実施形態では、微生物細胞は真核細胞である。微生物細胞として、黄金色藻類(例えばストラメノパイル(Stramenopiles)界の微生物);緑色藻類;珪藻類;渦鞭毛藻類(例えば、クリプテコディニウム(Crypthecodinium)属のメンバー等の渦鞭毛藻(Dinophyceae)目の微生物、例えばクリプテコディニウム・コーニィ(Crypthecodinium cohnii)またはC.コーニィ(C.cohnii));スラウストキトリアレス(Thraustochytriales)目の微生物;酵母(子嚢菌類または担子菌類);ならびにムコール(Mucor)属、モルティエレラ(Mortierella)属(モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)およびモルティエレラ(Mortierella)節シュマッカリ(Schmuckeri)が挙げられるがそれらに限定されない)ならびにピシウム(Pythium)属(ピシウム・インシディオスム(Pythium insidiosum)が挙げられるがこれに限定されない)の真菌類が挙げられるがそれらに限定されない。
[0031] 一実施形態では、微生物細胞は、モルティエレラ(Mortierella)属、クリプテコディニウム(Crypthecodinium)属またはスラウストキトリアレス(Thraustochytriales)目に由来する。さらなる実施形態では、微生物細胞はクリプテコディニウム・コーニィ(Crypthecodinium Cohnii)に由来する。さらなる実施形態では、微生物細胞は、クリプテコディニウム・コーニィ(Crypthecodinium Cohnii)、モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)、トラウストキトリウム(Thraustochytrium)属、シゾキトリウム(Schizochytrium)属およびそれらの混合物から選択される。
[0032] さらなる実施形態では、微生物細胞として、モルティエレラ(Mortierella)属、コニディオボルス(Conidiobolus)属、ピシウム(Pythium)属、フィトフトラ(Phytophthora)属、ペニシリウム(Penicillium)属、クラドスポリウム(Cladosporium)属、ムコール(Mucor)属、フザリウム(Fusarium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ロドトルラ(Rhodotorula)属、エントモフトラ(Entomophthora)属、エキノスポランギウム(Echinosporangium)属およびサプロレグニア(Saprolegnia)属に属する微生物が挙げられるがそれらに限定されない。別の実施形態では、ARAをモルティエレラ(Mortierella)属に由来する微生物細胞から得ており、このモルティエレラ(Mortierella)属として、モルティエレラ・エロンガータ(Mortierella elongata)、モルティエレラ・エキシグア(Mortierella exigua)、モルティエレラ・ヒグロフィラ(Mortierella hygrophila)、モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)、モルティエレラ・シュマッカリ(Mortierella schmuckeri)およびモルティエレラ・ミヌチシマ(Mortierella minutissima)が挙げられるがそれらに限定されない。さらなる実施形態では、ARAを、モルティエレラ・エロンガータ(Mortierella elongata)IFO8570、モルティエレラ・エキシグア(Mortierella exigua)IFO8571、モルティエレラ・ヒグロフィラ(Mortierella hygrophila)IFO5941、モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)IFO8568、ATCC16266、ATCC32221、ATCC42430、CBS219.35、CBS224.37、CBS250.53、CBS343.66、CBS527.72、CBS529.72、CBS608.70およびCBS754.68ならびにこれらの変異体に由来する微生物細胞から入手する。さらなる実施形態では、微生物細胞はモルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpina)に由来する。
[0033] さらには、微生物細胞はスラウストキトリアレス(Thraustochytriales)目の微細藻類に由来し、この微細藻類として、トラウストキトリウム(Thraustochytrium)属(種として、アルジメンタレ(arudimentale)、アウレウム(aureum)、ベンチコラ(benthicola)、グロボスム(globosum)、キンネイ(kinnei)、モチブム(motivum)、ムルチルジメンタレ(multirudimentale)、パキデルマム(pachydermum)、プロリフェルム(proliferum)、ロセウム(roseum)、セトリアツム(striatum)が挙げられる);シゾキトリウム(Schizochytriu)属(種として、アグレガツム(aggregatum)、リムナセウム(limnaceum)、マングロベイ(mangrovei)、ミヌツム(minutum)、オクトスポルム(octosporum)が挙げられる);ウルケニア(Ulkenia)属(種として、アモエボイデア(amoeboidea)、ケルグエレンシス(kerguelensis)、ミヌタ(minuta)、プロフンダ(profunda)、ラジアタ(radiate)、サイレンス(sailens)、サルカリアナ(sarkariana)、シゾキトロプス(schizochytrops)、ウィスルゲンシス(visurgensis)、ヨルケンシス(yorkensis)が挙げられる);アウランチアコキトリウム(Aurantiacochytrium)属;オブロンギチトリウム(Oblongichytrium)属;シコイドチトリウム(Sicyoidochytium)属;パリエンティチトリウム(Parientichytrium)属;ボトリオチトリウム(Botryochytrium)属;およびそれらの組み合わせが挙げられるがそれらに限定されない。ウルケニア(Ulkenia)内に記載した種は、シゾキトリウム(Schizochytrium)属のメンバーとみなすことができる。別の実施形態では、微生物細胞は、スラウストキトリアレス(Thraustochytriales)目に由来する。さらに別の実施形態では、微生物細胞はトラウストキトリウム(Thraustochytrium)に由来する。さらなる実施形態では、微生物細胞はシゾキトリウム(Schizochytrium)に由来する。さらなる実施形態では、微生物細胞は、トラウストキトリウム(Thraustochytrium)属、シゾキトリウム(Schizochytrium)またはそれらの混合物から選択される。
[0034] 一実施形態では、本方法は、微生物油を含む微生物細胞を溶解して溶解細胞組成物を形成する工程を含む。用語「溶解する(lyse)」および「溶解する(lysing)」は、微生物細胞の壁および/または膜を破裂させるプロセスを意味する。一実施形態では、機械的、化学的、酵素的、物理的およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の処理を施すことにより微生物細胞を溶解する。別の実施形態では、本方法は、微生物油を含む微生物細胞を溶解して溶解細胞組成物を形成する工程を含み、この溶解は、機械的、化学的、酵素的、物理的およびそれらの組み合わせから選択される。
[0035] いくつかの実施形態では、細胞の溶解前に、細胞を洗浄するおよび/または低温殺菌することができる。いくつかの実施形態では、細胞の洗浄は、水等の水溶液を使用してあらゆる細胞外の水溶性化合物または水分散性化合物を除去する工程を含む。いくつかの実施形態では、細胞を1回、2回、3回またはそれを超える回数だけ洗浄することができる。いくつかの実施形態では、細胞の低温殺菌は、細胞を加熱してあらゆる望ましくない酵素を不活性化する工程を含み、例えば油を劣化させ得るか、またはPUFAの収率を低減させ得るあらゆる酵素を不活性化させる工程を含む。いくつかの実施形態では、細胞を溶解する前に洗浄し、次いで低温殺菌する。いくつかの実施形態では、溶解する細胞は発酵ブロスに含まれている。
[0036] いくつかの実施形態では、本方法は、微生物油を含む未洗浄の微生物細胞を溶解して溶解細胞組成物を形成する工程を含む。いくつかの実施形態では、微生物油を含む微生物細胞を含む発酵ブロスを例えば水により最初に洗浄し、次いで細胞を溶解して溶解細胞組成物を形成する。その他の実施形態では、本方法は、発酵培地中の未洗浄の細胞を溶解して溶解細胞組成物を形成する工程を含む。
[0037] 機械的処理として、ホモジナイゼーション、超音波、冷間圧搾、磨砕およびそれらの組み合わせが挙げられるがそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、本方法は、ホモジナイゼーションにより細胞を溶解する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、ホモジナイザーにより細胞を溶解する工程を含む。
[0038] ホモジナイゼーションとして、フレンチ(French)細胞圧搾、超音波処理器、ホモジナイザー、マイクロフルイダイザ、ボールミル、ロッドミル、ペブルミル、ビーズミル、高圧粉砕ロール、垂直軸インパクター、工業用ブレンダー、高剪断ミキサー、パドルミキサー、ポリトロンホモジナイザー、工業用ホモジナイザー(例えば、Niro Soavi製VHPホモジナイザーおよびAPV Rannie製ホモジナイザーおよびAPV Gaulin製ホモジナイザー)、工業用高剪断流体処理装置(例えばマイクロフルディスク高剪断流体処理装置)、細胞溶解/ビーズミルホモジナイザー(例えばDyno−Mill製およびBuhler製)ならびにそれらの組み合わせを利用するプロセスが挙げられるがそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、細胞を、任意選択的に加熱されるホモジナイザーに通す。いくつかの実施形態では、好適なホモジナイゼーションは、高圧および/または低圧のいずれかでホモジナイザーに1回〜3回通す工程を含むことができる。
[0039] いくつかの実施形態では、ホモジナイゼーション中の圧力は、150bar〜1,400bar、150bar〜1,200bar、150bar〜900bar、150bar〜300bar、300bar〜1,400bar、300bar〜1,200bar、300bar〜900bar、400bar〜800bar、500bar〜700bar、または600barである。いくつかの実施形態では、ホモジナイゼーション中の圧力は、2,000psi〜20,000psi、2,000psi〜18,000psi、2,000psi〜16,000psi、2,000psi〜14,000psi、2,000psi〜12,000psi、2,000psi〜10,000psi、2,000psi〜8,000psi、2,000psi〜6,000psi、2,000psi〜4,000psi、4,000psi〜20,000psi、4,000psi〜18,000psi、4,000psi〜16,000psi、4,000psi〜14,000psi、4,000psi〜12,000psi、4,000psi〜10,000psi、4,000psi〜8,000psi、4,000psi〜6,000psi、6,000psi〜20,000psi、6,000psi〜18,000psi、6,000psi〜16,000psi、6,000psi〜14,000psi、6,000psi〜12,000psi、6,000psi〜10,000psi、6,000psi〜8,000psi、8,000psi〜20,000psi、8,000psi〜18,000psi、8,000psi〜16,000psi、8,000psi〜14,000psi、8,000psi〜12,000psi、8,000psi〜10,000psi、10,000psi〜20,000psi、10,000psi〜18,000psi、10,000psi〜16,000psi、10,000psi〜14,000psi、10,000psi〜12,000psi、12,000psi〜20,000psi、12,000psi〜18,000psi、12,000psi〜16,000psi、12,000psi〜14,000psi、14,000psi〜20,000psi、14,000psi〜18,000psi、14,000psi〜16,000psi、16,000psi〜20,000psi、16,000psi〜18,000psiまたは18,000psi〜20,000psiである。
[0040] いくつかの実施形態では、微生物細胞を、ホモジナイズする前に高剪断ミキサー中で混合する。いくつかの実施形態では、この高剪断ミキサーを、少なくとも5,000rpm、少なくとも7,500rpm、少なくとも10,000rpm、少なくとも12,500rpm、少なくとも15,000rpm、5,000rpm〜15,000rpm、5,000rpm〜12,500rpm、5,000rpm〜10,000rpm、5,000rpm〜7,500rpm、7,500rpm〜15,000rpm、7,500rpm〜12,500rpm、7,500rpm〜10,000rpm、10,000rpm〜15,000rpm、10,000rpm〜12,500rpmまたは12,500rpm〜15,000rpmの範囲で作動させる。
[0041] 物理処理として加熱する工程が挙げられるがこれに限定されず、この加熱として、抵抗、対流、蒸気、流体浴、太陽光およびそれらの組み合わせが挙げられるがそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、細胞を、抵抗コイルを壁中/壁上に備えるタンク内で加熱する。いくつかの実施形態では、細胞を、管が貫通している液浴中で加熱する。
[0042] 化学処理として、細胞のpHを上昇させる工程、細胞のpHを低下させる工程、細胞と化学物質とを接触させる工程およびそれらの組み合わせが挙げられるがそれらに限定されない。
[0043] いくつかの実施形態では、細胞のpHを上昇させることにより細胞を溶解する。いくつかの実施形態では、このpHを、塩基を添加することにより上昇させる。この塩基として、水酸化物(例えばLiOH、NaOH、KOHおよびCa(OH)ならびにそれらの組み合わせ)、炭酸塩(例えばNaCO、KCO、MgCOおよびそれらの組み合わせ)、重炭酸塩(例えばLiHCO、NaHCO、KHCOおよびそれらの組み合わせ)ならびにそれらの組み合わせが挙げられるがそれらに限定されない。この塩基は、固体の形態(例えば結晶、顆粒およびペレット)、液体の形態(例えば水溶液ならびにそれらの組み合わせであることができる。
[0044] いくつかの実施形態では、この塩基のpKは、1〜12、1〜10、1〜8、1〜6、1〜5、2〜12、2〜10、2〜8、2〜6、2〜5、3〜10、3〜6、3〜5、4〜10、4〜8、4〜6、5〜10または5〜8である。本明細書で使用する場合、用語「pK」は、塩基の塩基会合定数Kの負の対数を意味する。Kは水中での塩基のイオン化平衡定数を意味しており、ここで、
Figure 0006705581

であり、塩基であるBのKは下記のように定義される。
Figure 0006705581
[0045] いくつかの実施形態では、このpHは、約8以上、約9以上、約10以上、約11以上および約12以上から選択される。その他の実施形態では、このpHは、7〜13、7〜12、7〜11、7〜10、7〜9、8〜13、8〜12、8〜11、8〜10、8〜9、9〜12、9〜11、9〜10、10〜12および10〜11から選択される。
[0046] いくつかの実施形態では、塩素アルカリプロセスにより細胞のpHを上昇させることができる。いくつかの実施形態では、塩化ナトリウムおよび細胞を含む発酵ブロスに電気分解を施し、その結果、水酸化ナトリウムが形成され、この水酸化ナトリウムにより細胞のpHが上昇する。いくつかの実施形態では、この発酵ブロスは塩化ナトリウムの代わりにまたは塩化ナトリウムに加えて、塩化カルシウムまたは塩化カリウムを含み、電気分解により水酸化カルシウムまたは水酸化カリウムがそれぞれ形成され、それにより細胞のpHが上昇する。
[0047] いくつかの実施形態では、細胞のpHを低下させることにより細胞を溶解する。いくつかの実施形態では、このpHを、酸を添加することにより低下させる。この酸として、硫酸、リン酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、フルオロ硫酸、硝酸、フルオロアンチモン酸、ホウフッ化水素酸、ヘキサフルオロリン酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、クエン酸、ギ酸およびそれらの組み合わせが挙げられるがそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、このpHは、約7以下、約6.5以下、約6以下、約5.5以下、約5以下、約4.5以下、約4以下、約3.5以下、約3以下、約2.5以下、約2以下、約1.5以下、約1以下および約0.5以下から選択される。その他の実施形態では、このpHは、約0.5〜約7、約0.5〜約6.5、約0.5〜約6、約0.5〜約5.5、約0.5〜約5、約0.5〜約4.5、約0.5〜約4、約0.5〜約3.5、約0.5〜約3、約0.5〜約2.5、約0.5〜約2、約0.5〜約1.5、約0.5〜約1、約1〜約7、約1〜約6.5、約1〜約6、約1〜約5.5、約1〜約5、約1〜約4.5、約1〜約4、約1〜約3.5、約1〜約3、約1〜約2.5、約1〜約2、約1〜約1.5、約1.5〜約7、約1.5〜約6.5、約1.5〜約6、約1.5〜約5.5、約1.5〜約5、約1.5〜約4.5、約1.5〜約4、約1.5〜約3.5、約1.5〜約3、約1.5〜約2.5、約1.5〜約2、約2〜約7、約2〜約6.5、約2〜約6、約2〜約5.5、約2〜約5、約2〜約4.5、約2〜約4、約2〜約3.5、約2〜約3、約2〜約2.5、約2.5〜約7、約2.5〜約6.5、約2.5〜約6、約2.5〜約5.5、約2.5〜約5、約2.5〜約4.5、約2.5〜約4、約2.5〜約3.5、約2.5〜約3、約3〜約7、約3〜約6.5、約3〜約6、約3〜約5.5、約3〜約5、約3〜約4.5、約3〜約4、約3〜約3.5、約3.5〜約7、約3.5〜約6.5、約3.5〜約6、約3.5〜約5.5、約3.5〜約5、約3.5〜約4.5、約3.5〜約4、約4〜約7、約4〜約6.5、約4〜約6、約4〜約5.5、約4〜約5、約4〜約4.5、約4.5〜約7、約4.5〜約6.5、約4.5〜約6、約4.5〜約5.5、約4.5〜約5、約5〜約7、約5〜約6.5、約5〜約6、約5〜約5.5、約5.5〜約7、約5.5〜約6.5、約5.5〜約6、約6〜約7、約6〜約6.5および約6.5〜約7から選択される。
[0048] いくつかの実施形態では、酸を、細胞ブロスの約2重量(もしくは体積)%〜約10重量(もしくは体積)%、約2重量(もしくは体積)%〜約9重量(もしくは体積)%、約2重量(もしくは体積)%〜約8重量(もしくは体積)%、約2重量(もしくは体積)%〜約7重量(もしくは体積)%、約2重量(もしくは体積)%〜約6重量(もしくは体積)%、約3重量(もしくは体積)%〜約6重量(もしくは体積)%、約4重量(もしくは体積)%〜約6重量(もしくは体積)%、約5重量(もしくは体積)%〜約6重量(もしくは体積)%、約2重量(もしくは体積)%〜約5重量(もしくは体積)%、約2重量(もしくは体積)%〜約4重量(もしくは体積)%、約2重量(もしくは体積)%〜約3重量(もしくは体積)%、約3重量(もしくは体積)%〜約5重量(もしくは体積)%、約3重量(もしくは体積)%〜約4重量(もしくは体積)%または約4重量(もしくは体積)%〜約5重量(もしくは体積)%の量で添加してpHを低下させる。
[0049] 酵素処理は、細胞と1種または複数種の酵素とを接触させることにより細胞を溶解することを意味する。酵素として、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、キチナーゼ、ペクチナーゼおよびそれらの組み合わせが挙げられるがそれらに限定されない。プロテアーゼの非限定的な例として、セリンプロテアーゼ、セロニン(theronine)プロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、アラカーゼ(alacase)およびそれらの組み合わせが挙げられる。セルラーゼの非限定的な例として、スクラーゼ、マルターゼ、ラクターゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アミラーゼ、リゾチーム、ノイラミニダーゼ、ガラクトシダーゼ、α−マンノシダーゼ、グルクロニダーゼ、ヒアルロニダーゼ、プラルナーゼ、グルコセレブロシダーゼ、ガラクトシルセラミダーゼ、アセチルガラクトサミニダーゼ、フコシダーゼ、ヘキソサミニダーゼ、イズロニダーゼ、マルターゼ−グルコアミラーゼおよびそれらの組み合わせが挙げられる。チキナーゼの非限定的な例としてキトトリオシダーゼが挙げられる。ペクチナーゼの非限定的な例として、ペクトリアーゼ、ペクトザイム(pectozyme)、ポリガラクツロナーゼおよびそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、数種の酵素を加熱により活性化させる。いくつかの実施形態では、溶解は酵素の使用を含まない。
[0050] 本明細書で使用する場合、「溶解細胞組成物」は、細胞断片および細胞のその他の内容物等の1種または複数種の溶解細胞を(溶解細胞由来の)微生物油と共に含み、液体(例えば水)、栄養素および微生物細胞を含む発酵ブロスを任意選択的に含む組成物を意味する。いくつかの実施形態では、微生物細胞は、水を含む発酵ブロスまたは発酵培地に含まれている。いくつかの実施形態では、溶解細胞組成物は、1種または複数種の溶解細胞、細胞断片、微生物油、細胞の天然内容物、および発酵ブロス由来の水性成分を含む組成物を意味する。一実施形態では、この溶解細胞組成物は、液体、細胞断片および微生物油を含む。いくつかの実施形態では、溶解細胞組成物は、連続した水相と分散した油相との混合物を含む水中油型エマルションの形態である。いくつかの実施形態では、分散した油相は、乳化した溶解細胞組成物の約1重量(もしくは体積)%〜約60重量(もしくは体積)%、約1重量(もしくは体積)%〜約50重量(もしくは体積)%、約1重量(もしくは体積)%〜約40重量(もしくは体積)%、約1重量(もしくは体積)%〜約30重量(もしくは体積)%、約1重量(もしくは体積)%〜約20重量(もしくは体積)%、約5重量(もしくは体積)%〜約60重量(もしくは体積)%、約5重量(もしくは体積)%〜約50重量(もしくは体積)%、約5重量(もしくは体積)%〜約40重量(もしくは体積)%、約5重量(もしくは体積)%〜約30重量(もしくは体積)%、約5重量(もしくは体積)%〜約20重量(もしくは体積)%、約10重量(もしくは体積)%〜約60重量(もしくは体積)%、約10重量(もしくは体積)%〜約50重量(もしくは体積)%、約10重量(もしくは体積)%〜約40重量(もしくは体積)%、約20重量(もしくは体積)%〜約60重量(もしくは体積)%、20重量(もしくは体積)%〜50重量(もしくは体積)%、20重量(もしくは体積)%〜約40重量(もしくは体積)%、約30重量(もしくは体積)%〜約60重量(もしくは体積)%、約30重量(もしくは体積)%〜約50重量(もしくは体積)%または約40重量(もしくは体積)%〜約60重量(もしくは体積)%の濃度で存在する。
[0051] いくつかの実施形態では、微生物細胞を溶解することにより、細胞中のまたは細胞バイオマス中の、限定されないがタンパク質、リン脂質、炭水化物およびそれらの組み合わせ等からエマルションが形成される。いかなる特定の理論にも拘束されないが、本発明の方法は、乳化した溶解細胞組成物を分解または解乳化して、この溶解細胞組成物から微生物油を分離させると考えられる。用語「エマルション」および「乳化した」は、2つ以上の非混和性の相または層の混合物であって、一方の相または層が別の相または層中に分散している混合物を意味する。用語「壊す(break)」、「破壊する」、「解乳化する(demulsify)」、「解乳化」、「解乳化する(demulsifying)」および「壊す(breaking)」は、エマルションの非混和性の相または層を分離するプロセスを意味する。例えば、乳化した溶解細胞組成物を解乳化する工程または壊す工程は、乳化した溶解細胞組成物が1つまたは複数の相または層を有するエマルションから2つ以上の相または層を有する組成物へと変化するプロセスを意味する。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の方法により、乳化した溶解細胞組成物が単一の相から2つ以上の相へと壊れる。いくつかの実施形態では、この2つ以上の相は油相および水相を含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法により、乳化した溶解細胞組成物が壊れて少なくとも3つの相になる。いくつかの実施形態では、これら3つの相は、油相、水相および固相から選択される。いくつかの実施形態では、これらの相は、油相、エマルション相、水相および固相から選択される。
[0052] いくつかの実施形態では、解乳化中に形成される油滴の平均粒径は、5ミクロン〜50ミクロン、5ミクロン〜45ミクロン、5ミクロン〜40ミクロン、5ミクロン〜35ミクロン、5ミクロン〜30ミクロン、5ミクロン〜25ミクロン、5ミクロン〜20ミクロン、5ミクロン〜15ミクロン、10ミクロン〜50ミクロン、10ミクロン〜45ミクロン、10ミクロン〜40ミクロン、10ミクロン〜35ミクロン、10ミクロン〜30ミクロン、10ミクロン〜25ミクロン、10ミクロン〜20ミクロン、10ミクロン〜15ミクロン、15ミクロン〜50ミクロン、15ミクロン〜45ミクロン、15ミクロン〜40ミクロン、15ミクロン〜35ミクロン、15ミクロン〜30ミクロン、15ミクロン〜25ミクロン、15ミクロン〜20ミクロン、20ミクロン〜50ミクロン、20ミクロン〜45ミクロン、20ミクロン〜40ミクロン、20ミクロン〜35ミクロン、20ミクロン〜30ミクロン、20ミクロン〜25ミクロン、25ミクロン〜50ミクロン、25ミクロン〜45ミクロン、25ミクロン〜40ミクロン、25ミクロン〜35ミクロン、25ミクロン〜30ミクロン、30ミクロン〜50ミクロン、30ミクロン〜45ミクロン、30ミクロン〜40ミクロン、30ミクロン〜35ミクロン、35ミクロン〜50ミクロン、35ミクロン〜45ミクロン、35ミクロン〜40ミクロン、40ミクロン〜50ミクロン、40ミクロン〜45ミクロンおよび45ミクロン〜50ミクロンから選択される。さらなる実施形態では、解乳化中に形成される油滴の平均粒径は、少なくとも10ミクロン、少なくとも15ミクロン、少なくとも20ミクロン、少なくとも25ミクロン、少なくとも30ミクロン、少なくとも35ミクロンおよび少なくとも40ミクロン以上から選択される。さらなる実施形態では、解乳化中に形成される油滴の平均粒径は、少なくとも10ミクロン、少なくとも15ミクロン、少なくとも20ミクロンおよび少なくとも25ミクロンから選択される。いくつかの実施形態では、この平均粒径を、例えばBeckman Coulter LS 13 320粒径アナライザ(Beckman Coulter(カリフォルニア州ブレア(Brea,CA))を使用して測定することができる。いくつかの実施形態では、この平均粒径を、例えばMalvern MS2000粒径アナライザ(Malvern Instruments Ltd.(英国ウスターシャー(Worcestershire,United Kingdom))を使用して測定することができる。
[0053] いくつかの実施形態では、(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせ下で解乳化溶解細胞組成物を形成する。用語「撹拌する」および「撹拌」は、力を加えることにより、細胞、溶解細胞組成物および/または解乳化溶解細胞組成物中での運動に影響を及ぼすプロセスを意味する。いくつかの実施形態では、本方法は、混ぜることにより、混合することにより、混和することにより、振盪することにより、振動させることによりまたはそれらの組み合わせにより、細胞、溶解細胞組成物および/または解乳化溶解細胞組成物を撹拌する工程を含む。いくつかの実施形態では、撹拌機は1つまたは複数のインペラを有する。本明細書で使用する場合、「インペラ」は、回転時に細胞、溶解細胞組成物または解乳化溶解組成物に運動を付与するために配置されている装置を意味する。
[0054] 低剪断撹拌および/または軸流撹拌を、例えば軸流インペラ(軸流タービンとしても知られている)および混流インペラ(mixed−flow impeller)により行うことができる。軸流インペラとして、ブレードが回転面と90°未満の角度を作る全てのインペラが挙げられる。解乳化溶解細胞組成物の形成に適した軸流インペラとして、例えばフルイドホイルインペラ(fluidfoil impeller)(例えばA320(低レイノルズ数インペラ)およびA315(ガス処理用インペラ))、高効率インペラ、ハイドロホイルインペラ(hydrofoil impeller)(例えばA310/A510(低弦節比ハイドロホイル)およびA312(サイドエントリのハイドロホイルインペラ))、プロペラ(例えばA100および海洋型の混合インペラ)、A200(PBT)、A100(折りたたみ式軸流インペラ)、A200(表面曝気装置)、A333クリーンエッジ(一続きではない軸流)、A340(くみ上げ機 − ガス処理用)、A400(二重らせん − 低レイノルズ数)、A6000(複合材料)、A620(低レイノルズ数)、MBI(ボトムエントリのマグミキサー)ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。混流インペラとして、例えばピッチブレードタービンが挙げられる。
[0055] いくつかの実施形態では、軸流インペラにより行う(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせ下で解乳化溶解細胞組成物を形成する。その他の実施形態では、フルイドホイルインペラ、高効率インペラ、ハイドロホイルインペラ、プロペラ、ピッチブレードタービンおよびそれらの組み合わせから選択されるインペラにより行う(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせ下で解乳化溶解細胞組成物を形成する。さらなる実施形態では、ハイドロホイルインペラにより行う(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせ下で解乳化溶解細胞組成物を形成する。
[0056] いくつかの実施形態では、この撹拌機は加熱プレートを有する。いくつかの実施形態では、この撹拌機は混ぜるための外被を有する。いくつかの実施形態では、この撹拌機は、細胞の溶解前にもしくは溶解中におよび/または溶解細胞組成物の解乳化後に塩基および/または塩を分散させる分散型撹拌機である。
[0057] いくつかの実施形態では、本方法は、(i)細胞の溶解前にもしくは溶解中に、(ii)溶解細胞組成物の解乳化後にまたは(iii)それらの組み合わせで撹拌する工程をさらに含む。細胞の溶解前もしくは溶解中および/または溶解細胞組成物の解乳化後の撹拌に適したインペラとして、直線状ブレードインペラ(straight blade impeller)、ラシュトン(Rushton)ブレードインペラ、軸流インペラ、放射状流インペラ、凹面状ブレードディスクインペラ(concave blade disc impeller)、高効率インペラ、プロペラ、パドル、タービンおよびそれらの組み合わせが挙げられる。
[0058] いくつかの実施形態では、本方法は、約2hp/l,000gal〜約10hp/1,000gal、約2hp/1,000gal〜約5hp/1,000gal、約2hp/1,000gal〜約4hp/1,000gal、約2hp/1,000gal〜約3hp/1,000gal、約2.5hp/l,000gal〜約10hp/1,000gal、約2.5hp/1,000gal〜約5hp/1,000gal、約2.5hp/1,000gal〜約4hp/1,000galまたは約2.5hp/1,000gal〜約3hp/1,000galの組成物で細胞および/または解乳化溶解細胞組成物を撹拌する工程を含む。別の実施形態では、本方法は、約2hp/1,000gal以上、約2.1hp/1,000gal以上、約2.2hp/1,000gal以上、約2.3hp/1,000gal以上、約2.4hp/1,000gal以上または約2.5hp/1,000gal以上の組成物で細胞および/または解乳化溶解細胞組成物を撹拌する工程を含む。さらなる実施形態では、本方法は、約2hp/1,000gal〜約3hp/1,000galの組成物で細胞および/または解乳化溶解細胞組成物を撹拌する工程を含む。さらなる実施形態では、本方法は、約2hp/1,000gal〜約10hp/1,000galの組成物で細胞および/または解乳化溶解細胞組成物を撹拌する工程を含む。
[0059] いくつかの実施形態では、本方法は、約0.01hp/1,000gal〜約2hp/1,000gal、約0.1hp/1,000gal〜約2hp/1,000gal、約0.5hp/1,000gal〜約2hp/1,000gal、約1hp/1,000gal〜約2hp/1,000galまたは約1.5hp/1,000gal〜約2hp/1,000galの組成物で溶解細胞組成物を撹拌する工程を含む。さらなる実施形態では、本方法は、約0.01hp/1000gal以上、約0.1hp/1000gal以上、約0.2hp/1000gal以上、約0.3hp/1000gal以上、約0.4hp/1000gal以上または約0.5hp/1000gal以上の組成物で溶解細胞組成物を撹拌する工程を含む。さらなる実施形態では、本方法は、約0.01hp/1,000gal〜約2hp/1,000galの組成物で溶解細胞組成物を撹拌する工程を含む。さらなる実施形態では、本方法は、約0.5hp/1000gal以上で溶解細胞組成物を撹拌する工程を含む。
[0060] いくつかの実施形態では、本方法は、10rpm以下、20rpm以下、50rpm以下、100rpm以下、150rpm以下、200rpm以下、250rpm以下、300rpm以下、350rpm以下、400rpm以下、10rpm〜400rpm、10rpm〜350rpm、10rpm〜300rpm、10rpm〜250rpm、10rpm〜200rpm、10rpm〜150rpm、10rpm〜100rpm、10rpm〜50rpm、10rpm〜20rpm、20rpm〜400rpm、20rpm〜350rpm、20rpm〜300rpm、20rpm〜250rpm、20rpm〜200rpm、20rpm〜150rpm、20rpm〜100rpm、20rpm〜50rpm、50rpm〜400rpm、50rpm〜350rpm、50rpm〜300rpm、50rpm〜250rpm、50rpm〜200rpm、50rpm〜150rpm、50rpm〜100rpm、100rpm〜400rpm、100rpm〜350rpm、100rpm〜300rpm、100rpm〜250rpm、100rpm〜200rpm、100rpm〜150rpm、150rpm〜400rpm、150rpm〜350rpm、150rpm〜300rpm、150rpm〜250rpm、150rpm〜200rpm、200rpm〜400rpm、200rpm〜350rpm、200rpm〜300rpm、200rpm〜250rpm、250rpm〜400rpm、250rpm〜350rpm、250rpm〜300rpm、300rpm〜400rpm、300rpm〜350rpmまたは350rpm〜400rpmで撹拌する工程を含む。いくつかの実施形態では、この撹拌は350rpm以下の速度で行われる。
[0061] いくつかの実施形態では、本方法は、インペラ先端速度が90ft/分〜1,200ft/分、200ft/分〜1,000ft/分、300ft/分〜800ft/分、400ft/分〜700ft/分または500ft/分〜600ft/分である撹拌機を使用して、細胞、溶解細胞組成物および/または解乳化溶解細胞組成物を撹拌する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、インペラ先端速度が200ft/分〜1000ft/分である撹拌機により撹拌する工程を含む。
[0062] いくつかの実施形態では、本方法は、インペラ先端速度が5cm/秒〜900cm/秒、5cm/秒〜750cm/秒、5cm/秒〜500cm/秒、5cm/秒〜350cm/秒、5cm/秒〜300cm/秒、5cm/秒〜250cm/秒、5cm/秒〜200cm/秒、5cm/秒〜150cm/秒、5cm/秒〜100cm/秒、5cm/秒〜50cm/秒、5cm/秒〜25cm/秒、25cm/秒〜900cm/秒、25cm/秒〜750cm/秒、25cm/秒〜500cm/秒、25cm/秒〜350cm/秒、25cm/秒〜300cm/秒、25cm/秒〜250cm/秒、25cm/秒〜200cm/秒、25cm/秒〜150cm/秒、25cm/秒〜100cm/秒、25cm/秒〜50cm/秒、50cm/秒〜900cm/秒、50cm/秒〜750cm/秒、50cm/秒〜500cm/秒、50cm/秒〜350cm/秒、50cm/秒〜300cm/秒、50cm/秒〜250cm/秒、50cm/秒〜200cm/秒、50cm/秒〜150cm/秒、50cm/秒〜100cm/秒、100cm/秒〜900cm/秒、100cm/秒〜750cm/秒、100cm/秒〜500cm/秒、100cm/秒〜350cm/秒、100cm/秒〜300cm/秒、100cm/秒〜250cm/秒、100cm/秒〜200cm/秒、100cm/秒〜150cm/秒、150cm/秒〜900cm/秒、150cm/秒〜750cm/秒、150cm/秒〜500cm/秒、150cm/秒〜350cm/秒、150cm/秒〜300cm/秒、150cm/秒〜250cm/秒、150cm/秒〜200cm/秒、200cm/秒〜900cm/秒、200cm/秒〜750cm/秒、200cm/秒〜500cm/秒、200cm/秒〜350cm/秒、200cm/秒〜300cm/秒、200cm/秒〜250cm/秒、250cm/秒〜900cm/秒、250cm/秒〜750cm/秒、250cm/秒〜500cm/秒、250cm/秒〜350cm/秒、250cm/秒〜300cm/秒、300cm/秒〜900cm/秒、300cm/秒〜750cm/秒、300cm/秒〜500cm/秒、300cm/秒〜350cm/秒、350cm/秒〜900cm/秒、350cm/秒〜850cm/秒、350cm/秒〜800cm/秒、350cm/秒〜750cm/秒、350cm/秒〜700cm/秒、350cm/秒〜650cm/秒、350cm/秒〜600cm/秒、350cm/秒〜550cm/秒、350cm/秒〜500cm/秒、350cm/秒〜450cm/秒、350cm/秒〜400cm/秒、400cm/秒〜900cm/秒、400cm/秒〜850cm/秒、400cm/秒〜800cm/秒、400cm/秒〜750cm/秒、400cm/秒〜700cm/秒、400cm/秒〜650cm/秒、400cm/秒〜600cm/秒、400cm/秒〜550cm/秒、400cm/秒〜500cm/秒、400cm/秒〜450cm/秒、450cm/秒〜900cm/秒、450cm/秒〜850cm/秒、450cm/秒〜800cm/秒、450cm/秒〜750cm/秒、450cm/秒〜700cm/秒、450cm/秒〜650cm/秒、450cm/秒〜600cm/秒、450cm/秒〜550cm/秒、450cm/秒〜500cm/秒、500cm/秒〜900cm/秒、500cm/秒〜850cm/秒、500cm/秒〜800cm/秒、500cm/秒〜750cm/秒、500cm/秒〜700cm/秒、500cm/秒〜650cm/秒、500cm/秒〜600cm/秒、500cm/秒〜550cm/秒、550cm/秒〜900cm/秒、550cm/秒〜850cm/秒、550cm/秒〜800cm/秒、550cm/秒〜750cm/秒、550cm/秒〜700cm/秒、550cm/秒〜650cm/秒、550cm/秒〜600cm/秒、600cm/秒〜900cm/秒、600cm/秒〜850cm/秒、600cm/秒〜800cm/秒、600cm/秒〜750cm/秒、600cm/秒〜700cm/秒、600cm/秒〜650cm/秒、650cm/秒〜900cm/秒、650cm/秒〜850cm/秒、650cm/秒〜800cm/秒、650cm/秒〜750cm/秒、650cm/秒〜700cm/秒、700cm/秒〜900cm/秒、700cm/秒〜850cm/秒、700cm/秒〜800cm/秒、700cm/秒〜750cm/秒、750cm/秒〜900cm/秒、750cm/秒〜850cm/秒、750cm/秒〜800cm/秒、800cm/秒〜900cm/秒、800cm/秒〜850cm/秒または850cm/秒〜900cm/秒である撹拌機を使用して、細胞、溶解細胞組成物および/または解乳化溶解細胞組成物を撹拌する工程を含む。用語「インペラ先端速度」は、インペラがその中心軸の周りを回転する際のインペラの最も外側の部分の速度を意味する。
[0063] いくつかの実施形態では、この撹拌(および本明細書に記載したような任意選択的な追加の工程)を、インペラを含む容器中で実施し、この容器の容積に対するインペラの直径の比率は、0.1〜0.5、0.1〜0.4、0.2〜0.5、0.2〜0.4、0.3〜0.5または0.3〜0.4である。
[0064] いくつかの実施形態では、この撹拌(および本明細書に記載したような任意選択的な追加の工程)を、インペラを含む容器中で実施し、この容器の内径に対するインペラの直径の比率は、少なくとも0.25、少なくとも0.34、少なくとも0.65、0.25〜0.65、0.25〜0.33、0.3〜0.6、0.3〜0.5、0.3〜0.4、0.34〜0.65、0.34〜0.6、0.34〜0.55、0.37〜0.55、0.4〜0.65、0.4〜0.6、0.4〜0.5または0.42〜0.55である。
[0065] いくつかの実施形態では、撹拌は、細胞、溶解細胞組成物および/または解乳化溶解細胞組成物が10〜10,000、1,000〜10,000、1,500〜10,000または2,000〜10,000のレイノルズ数で表される流動条件下に置かれるように、細胞、溶解細胞組成物および/または解乳化溶解細胞組成物を混合する工程を含む。いくつかの実施形態では、この撹拌中での溶解細胞エマルションのレイノルズ数は、2,000以上、3,000以上もしくは5,000以上、または2,000〜10,000、3,000〜10,000もしくは5,000〜10,000である。
[0066] いくつかの実施形態では、撹拌ベッセルは2つのインペラを有することができる。いくつかの実施形態では、細胞の溶解前のもしくは溶解中のおよび/または溶解細胞組成物の解乳化後(すなわち、解乳化溶解細胞組成物)の撹拌に使用するインペラは放射状流インペラである。いくつかの実施形態では、細胞の溶解前のもしくは溶解中のおよび/または溶解細胞組成物の解乳化後の撹拌に使用するインペラはラシュトンブレードインペラである。いくつかの実施形態では、これらのインペラは、少なくとも最小のインペラの直径に等しい距離だけ互いに離間されている。ベッセル中の液体の体積の直径がxであり、撹拌ブレードの直径がyである(y=0.3x〜0.5x)その他の実施形態では、底部インペラが底からy/0.33の位置に配置され、上部インペラが軸方向のポンピングのために底部インペラの上方yから2yの距離で配置されている場合または半径方向のポンピングのために底部インペラの上方2yから3yの距離で配置されている場合、高さがxである液体を混ぜることができる。いくつかの実施形態では、撹拌ベッセルの容積は、少なくとも10,000リットル、少なくとも20,000リットル、少なくとも30,000リットル、少なくとも40,000リットル、少なくとも50,000リットル、少なくとも60,000リットル、少なくとも70,000リットル、少なくとも80,000リットル、少なくとも90,000リットル、少なくとも100,000リットル、少なくとも150,000リットルまたは少なくとも200,000リットルである。いくつかの実施形態では、溶解細胞組成物を少なくとも50rpm、少なくとも100rpmまたは少なくとも200rpmで撹拌する。
[0067] いくつかの実施形態では、解乳化溶解細胞組成物を形成するプロセスは、少なくとも1種の酵素を添加する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、解乳化溶解細胞組成物を形成するプロセスは、少なくとも1種の酵素カクテルを添加する工程をさらに含む。解乳化溶解細胞組成物の形成に適した酵素として、例えばβ−グルカナーゼ(例えばVinoflow Max(Novozymes Corp.)およびBrewzyme LP(Dyadic Int.))、キシラナーゼ(例えばXylanase Plus(Dyadic Int.)およびPentopan(Novozymes Corp.))、セルラーゼ(例えばCellustar CL(Dyadic Int.)、Fibrezyme G2000(Dyadic Int.)、Celluclast(Novozymes Corp.)、Fungamyl(Novozymes Corp.)および(Viscozyme L(Novozymes Corp.))、ペクチナーゼ(例えばPectinex(Novozymes Corp.))、マンナナーゼ、アミラーゼ(例えばAlphastar Plus(Dyadic Int.)およびTermamyl(Novozymes Corp.))ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、解乳化溶解細胞組成物を形成するプロセスは、β−グルカナーゼ、キシラナーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アミラーゼおよびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種の酵素を添加する工程をさらに含む。その他の実施形態では、解乳化溶解細胞組成物を形成するプロセスは、少なくとも1種のβ−グルカナーゼ酵素を添加する工程をさらに含む。
[0068] いくつかの実施形態では、解乳化溶解細胞組成物を形成するプロセスは、この組成物の約0.05重量(または体積)%〜約10重量(または体積)%、約0.05重量(または体積)%〜約9重量(または体積)%、約0.05重量(または体積)%〜約8重量(または体積)%、約0.05重量(または体積)%〜約7重量(または体積)%、約0.05重量(または体積)%〜約6重量(または体積)%、約0.05重量(または体積)%〜約5重量(または体積)%、約0.05重量(または体積)%〜約4重量(または体積)%、約0.05重量(または体積)%〜約3重量(または体積)%、約0.05重量(または体積)%〜約2重量(または体積)%、約0.05重量(または体積)%〜約1重量(または体積)%、約0.05重量(または体積)%〜約0.5重量(または体積)%、約0.05重量(または体積)%〜約0.1重量(または体積)%、約0.1重量(または体積)%〜約10重量(または体積)%、約0.1重量(または体積)%〜約9重量(または体積)%、約0.1重量(または体積)%〜約8重量(または体積)%、約0.1重量(または体積)%〜約7重量(または体積)%、約0.1重量(または体積)%〜約6重量(または体積)%、約0.1重量(または体積)%〜約5重量(または体積)%、約0.1重量(または体積)%〜約4重量(または体積)%、約0.1重量(または体積)%〜約3重量(または体積)%、約0.1重量(または体積)%〜約2重量(または体積)%、約0.1重量(または体積)%〜約1重量(または体積)%、約0.1重量(または体積)%〜約0.5重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約10重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約9重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約8重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約7重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約6重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約5重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約4重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約3重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約2重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約1重量(または体積)%、約1重量(または体積)%〜約10重量(または体積)%、約1重量(または体積)%〜約9重量(または体積)%、約1重量(または体積)%〜約8重量(または体積)%、約1重量(または体積)%〜約7重量(または体積)%、約1重量(または体積)%〜約6重量(または体積)%、約1重量(または体積)%〜約5重量(または体積)%、約1重量(または体積)%〜約4重量(または体積)%、約1重量(または体積)%〜約3重量(または体積)%および約1重量(または体積)%〜約2重量(または体積)%の量で(例えば粉末状のまたは溶液の)酵素を添加する工程をさらに含む。さらなる実施形態では、解乳化溶解細胞組成物を形成するプロセスは、この組成物の約10重量(または体積)%未満、約9重量(または体積)%、約8重量(または体積)%、約7重量(または体積)%、約6重量(または体積)%、約5重量(または体積)%、約4重量(または体積)%、約3重量(または体積)%、約2重量(または体積)%、約1重量(または体積)%および約0.5重量(または体積)%の量で酵素を添加する工程をさらに含む。
[0069] いくつかの実施形態では、解乳化溶解細胞組成物を形成するプロセスは、乳化剤を添加する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、この乳化剤は、内在性物質により形成されたエマルションを置き換える。なぜならば、PUFAは内在性物質(例えばタンパク質、リン脂質および炭水化物)と比べて乳化剤に対する親和性が強いからである。いくつかの実施形態では、乳化剤により形成されたエマルションは、内在性物質により形成されたエマルションと比べて安定している。いくつかの実施形態では、乳化剤による形成されたエマルションは、内在性物質により形成されたエマルションと比べて、本明細書に記載した方法を使用して容易に解乳化される。
[0070] いくつかの実施形態では、本方法は、溶解細胞組成物のpHを低下させることにより溶解細胞組成物を解乳化する工程を含む。いくつかの実施形態では、このpHを、酸を添加することにより低下させる。この酸として、硫酸、リン酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、フルオロ硫酸、硝酸、フルオロアンチモン酸、ホウフッ化水素酸、ヘキサフルオロリン酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、クエン酸、ギ酸およびそれらの組み合わせが挙げられるがそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、このpHは、7以下、約6.5以下、約6以下、約5.5以下、約5以下、約4.5以下、約4以下、約3.5以下、約3以下、約2.5以下、約2以下、約1.5以下、約1以下および約0.5以下から選択される。いくつかの実施形態では、本方法は、溶解細胞組成物のpHを約6以下に低下させる工程を含む。その他の実施形態では、このpHは、約0.5〜約7、約0.5〜約6.5、約0.5〜約6、約0.5〜約5.5、約0.5〜約5、約0.5〜約4.5、約0.5〜約4、約0.5〜約3.5、約0.5〜約3、約0.5〜約2.5、約0.5〜約2、約0.5〜約1.5、約0.5〜約1、約1〜約7、約1〜約6.5、約1〜約6、約1〜約5.5、約1〜約5、約1〜約4.5、約1〜約4、約1〜約3.5、約1〜約3、約1〜約2.5、約1〜約2、約1〜約1.5、約1.5〜約7、約1.5〜約6.5、約1.5〜約6、約1.5〜約5.5、約1.5〜約5、約1.5〜約4.5、約1.5〜約4、約1.5〜約3.5、約1.5〜約3、約1.5〜約2.5、約1.5〜約2、約2〜約7、約2〜約6.5、約2〜約6、約2〜約5.5、約2〜約5、約2〜約4.5、約2〜約4、約2〜約3.5、約2〜約3、約2〜約2.5、約2.5〜約7、約2.5〜約6.5、約2.5〜約6、約2.5〜約5.5、約2.5〜約5、約2.5〜約4.5、約2.5〜約4、約2.5〜約3.5、約2.5〜約3、約3〜約7、約3〜約6.5、約3〜約6、約3〜約5.5、約3〜約5、約3〜約4.5、約3〜約4、約3〜約3.5、約3.5〜約7、約3.5〜約6.5、約3.5〜約6、約3.5〜約5.5、約3.5〜約5、約3.5〜約4.5、約3.5〜約4、約4〜約7、約4〜約6.5、約4〜約6、約4〜約5.5、約4〜約5、約4〜約4.5、約4.5〜約7、約4.5〜約6.5、約4.5〜約6、約4.5〜約5.5、約4.5〜約5、約5〜約7、約5〜約6.5、約5〜約6、約5〜約5.5、約5.5〜約7、約5.5〜約6.5、約5.5〜約6、約6〜約7、約6〜約6.5および約6.5〜約7から選択される。いくつかの実施形態では、本方法は、溶解細胞組成物のpHを約0.5から約6に低下させる工程を含む。
[0071] いくつかの実施形態では、本方法は、細胞ブロスまたは溶解細胞組成物の約0.5重量(または体積)%〜約20重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約15重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約10重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約9重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約8重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約7重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約6重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約5重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約4重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約3重量(または体積)%、約0.5重量(または体積)%〜約2重量(または体積)%および約0.5重量(または体積)%〜約1重量(または体積)%の量で酸を添加することにより、溶解細胞組成物を解乳化する工程を含む。一実施形態では、本方法は、溶解細胞組成物の約0.5重量%〜約20重量%の量で酸を添加することにより、溶解細胞組成物を解乳化する工程を含む。
[0072] 一実施形態では、本方法は、溶解する工程および解乳化する工程を互いに結合させて、1工程の溶解および解乳化する工程を形成する工程をさらに含む。
[0073] いくつかの実施形態では、本方法は、溶解する工程および解乳化する工程を互いに結合させて、上記に既に記載した少なくとも1種の酵素を添加して解乳化溶解細胞組成物を入手する工程を含む、1工程の溶解および解乳化する工程を形成する工程をさらに含む。その他の実施形態では、解乳化溶解細胞組成物の形成に適した少なくとも1種の酵素で細胞を溶解する。いくつかの実施形態では、好適な酵素は、解乳化溶解細胞組成物を入手するための上記に既に記載した酵素である。
[0074] いくつかの実施形態では、乳化剤は洗浄剤である。いくつかの実施形態では、乳化剤は界面活性剤である。いくつかの実施形態では、溶解前に、溶解中にまたは溶解後に乳化剤を添加する。一実施形態では、溶解後に乳化剤を添加する。いくつかの実施形態では、溶解細胞組成物に乳化剤を添加する。本明細書で使用する場合、用語「乳化剤」は、エマルションを安定化させる物質を意味する。乳化剤は、イオン性乳化剤、非イオン性乳化剤およびそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、乳化剤はイオン性乳化剤である。
[0075] いくつかの実施形態では、イオン性乳化剤は、アニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤およびそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、アニオン性乳化剤は、アニオン性硫酸塩乳化剤、例えばアルキル硫酸塩(例えばラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)/ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)およびそれらの組み合わせ)、アルキルエーテル硫酸塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム/ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウムおよびそれらの組み合わせ)ならびにそれらの組み合わせ等;アニオン性スルホン酸塩乳化剤、例えばドクサート(docusate)(例えばスルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホン酸塩フッ素系界面活性剤(例えばペルフルオロオクタンスルホン酸塩およびペルフルオロブタンスルホン酸塩)、アルキルベンゼンスルホン酸塩およびそれらの組み合わせ)等;アニオン性リン酸塩乳化剤(例えばアルキルアリールエーテルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩およびそれらの組み合わせ);アニオン性カルボン酸塩乳化剤(例えばアルキルカルボン酸塩(例えばステアリン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、カルボン酸塩フッ素系界面活性剤(例えばペルフルオロノナン酸塩、ペルフルオロオクタン酸塩およびそれらの組み合わせ)ならびにそれらの組み合わせ)ならびにそれらの組み合わせであることができる。いくつかの実施形態では、乳化剤はアニオン性乳化剤である。一実施形態では、アニオン性乳化剤は、アニオン性硫酸塩乳化剤、アニオン性スルホン酸塩乳化剤、アニオン性リン酸塩乳化剤、アニオン性カルボン酸塩乳化剤およびそれらの組み合わせから選択される。別の実施形態では、アニオン性乳化剤はアニオン性硫酸塩乳化剤である。さらなる実施形態では、アニオン性硫酸塩乳化剤は、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウムおよびそれらの組み合わせから選択される。さらなる実施形態では、アニオン性硫酸塩乳化剤はドデシル硫酸ナトリウムである。
[0076] いくつかの実施形態では、カチオン性乳化剤は、pH依存性の第1級アミン;pH依存性の第2級アミン;pH依存性の第3級アミン;オクテニジン二塩酸塩;永続的に帯電した第4級アンモニウムカチオン(例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)/臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)およびそれらの組み合わせ)、塩化セチルピリジニウム(CPC)、塩化ベンザルコニウム(BAC)、塩化ベンゼトニウム(BZT)、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン、塩化ジメチルジオクタデシルアンモニウム、臭化ジオクタデシルジメチルアンモニウム(DODAB)およびそれらの組み合わせ);ならびにそれらの組み合わせであることができる。
[0077] いくつかの実施形態では、乳化剤の分子量は、500g/モル以下、450g/モル以下、400g/モル以下、350g/モル以下および300g/モル以下から選択される。さらなる実施形態では、乳化剤の分子量は、250g/モル〜500g/モル、250g/モル〜450g/モル、250g/モル〜400g/モル、250g/モル〜350g/モル、250g/モル〜300g/モル、300g/モル〜500g/モル、300g/モル〜450g/モル、300g/モル〜400g/モル、300g/モル〜350g/モル、350g/モル〜500g/モル、350g/モル〜450g/モル、350g/モル〜400g/モル、400g/モル〜500g/モル、400g/モル〜450g/モルおよび450g/モル〜500g/モルから選択される。例えば、SDSの分子量は288g/モルであり、CTABの分子量は364g/モルである。さらなる実施形態では、乳化剤の分子量は、250g/モル〜450g/モル、250g/モル〜400g/モル、250g/モル〜350g/モルおよび250g/モル〜300g/モルから選択される。
[0078] いくつかの実施形態では、乳化剤を粉末で添加する。いくつかの実施形態では、乳化剤を、エマルション濃度が5%〜50%、5%〜45%、5%〜40%、5%〜35%、5%〜30%、10%〜50%、10%〜45%、10%〜40%、10%〜35%、10%〜30%、15%〜50%、15%〜45%、15%〜40%、15%〜35%、15%〜30%、20%〜50%、20%〜45%、20%〜40%、20%〜35%、20%〜30%、25%〜50%、25%〜45%、25%〜40%、25%〜35%、25%〜30%、30%〜50%、30%〜45%、30%〜40%および30%〜35%の量である溶液で添加する。
[0079] いくつかの実施形態では、(例えば粉末状のまたは溶液の)乳化剤を、発酵ブロスまたは溶解細胞組成物の0.2重量(または体積)%〜10重量(または体積)%、0.2重量(または体積)%〜9.5重量(または体積)%、0.2重量(または体積)%〜9重量(または体積)%、0.2重量(または体積)%〜8.5重量(または体積)%、0.2重量(または体積)%〜8重量(または体積)%、0.2重量(または体積)%〜7.5重量(または体積)%、0.2重量(または体積)%〜7重量(または体積)%、0.2重量(または体積)%〜6.5重量(または体積)%、0.2重量(または体積)%〜6重量(または体積)%、0.2重量(または体積)%〜5.5重量(または体積)%、0.2重量(または体積)%〜5重量(または体積)%、0.2重量(または体積)%〜4.5重量(または体積)%、0.2重量(または体積)%〜4重量(または体積)%、0.2重量(または体積)%〜3.5重量(または体積)%、0.2重量(または体積)%〜3重量(または体積)%、0.2重量(または体積)%〜2.5重量(または体積)%、0.2重量(または体積)%〜2重量(または体積)%、0.2重量(または体積)%〜1.5重量(または体積)%、0.2重量(または体積)%〜1重量(または体積)%、0.2重量(または体積)%〜0.5重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜10重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜9.5重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜9重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜8.5重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜8重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜7.5重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜7重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜6.5重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜6重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜5.5重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜5重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜4.5重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜4重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜3.5重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜3重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜2.5重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜2重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜1.5重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜1重量(または体積)%、1重量(または体積)%〜10重量(または体積)%、1重量(または体積)%〜9.5重量(または体積)%、1重量(または体積)%〜9重量(または体積)%、1重量(または体積)%〜8.5重量(または体積)%、1重量(または体積)%〜8重量(または体積)%、1重量(または体積)%〜7.5重量(または体積)%、1重量(または体積)%〜7重量(または体積)%、1重量(または体積)%〜6.5重量(または体積)%、1重量(または体積)%〜6重量(または体積)%、1重量(または体積)%〜5.5重量(または体積)%、1重量(または体積)%〜5重量(または体積)%、1重量(または体積)%〜4.5重量(または体積)%、1重量(または体積)%〜4重量(または体積)%、1重量(または体積)%〜3.5重量(または体積)%、1重量(または体積)%〜3重量(または体積)%、1重量(または体積)%〜2.5重量(または体積)%、1重量(または体積)%〜2重量(または体積)%、1重量(または体積)%〜1.5重量(または体積)%、1.5重量(または体積)%〜10重量(または体積)%、1.5重量(または体積)%〜9.5重量(または体積)%、1.5重量(または体積)%〜9重量(または体積)%、1.5重量(または体積)%〜8.5重量(または体積)%、1.5重量(または体積)%〜8重量(または体積)%、1.5重量(または体積)%〜7.5重量(または体積)%、1.5重量(または体積)%〜7重量(または体積)%、1.5重量(または体積)%〜6.5重量(または体積)%、1.5重量(または体積)%〜6重量(または体積)%、1.5重量(または体積)%〜5.5重量(または体積)%、1.5重量(または体積)%〜5重量(または体積)%、1.5重量(または体積)%〜4.5重量(または体積)%、1.5重量(または体積)%〜4重量(または体積)%、1.5重量(または体積)%〜3.5重量(または体積)%、1.5重量(または体積)%〜3重量(または体積)%、1.5重量(または体積)%〜2.5重量(または体積)%、1.5重量(または体積)%〜2重量(または体積)%、2重量(または体積)%〜10重量(または体積)%、2重量(または体積)%〜9.5重量(または体積)%、2重量(または体積)%〜9重量(または体積)%、2重量(または体積)%〜8.5重量(または体積)%、2重量(または体積)%〜8重量(または体積)%、2重量(または体積)%〜7.5重量(または体積)%、2重量(または体積)%〜7重量(または体積)%、2重量(または体積)%〜6.5重量(または体積)%、2重量(または体積)%〜6重量(または体積)%、2重量(または体積)%〜5.5重量(または体積)%、2重量(または体積)%〜5重量(または体積)%、2重量(または体積)%〜4.5重量(または体積)%、2重量(または体積)%〜4重量(または体積)%、2重量(または体積)%〜3.5重量(または体積)%、2重量(または体積)%〜3重量(または体積)%、2重量(または体積)%〜2.5重量(または体積)%、2.5重量(または体積)%〜10重量(または体積)%、2.5重量(または体積)%〜9.5重量(または体積)%、2.5重量(または体積)%〜9重量(または体積)%、2.5重量(または体積)%〜8.5重量(または体積)%、2.5重量(または体積)%〜8重量(または体積)%、2.5重量(または体積)%〜7.5重量(または体積)%、2.5重量(または体積)%〜7重量(または体積)%、2.5重量(または体積)%〜6.5重量(または体積)%、2.5重量(または体積)%〜6重量(または体積)%、2.5重量(または体積)%〜5.5重量(または体積)%、2.5重量(または体積)%〜5重量(または体積)%、2.5重量(または体積)%〜4.5重量(または体積)%、2.5重量(または体積)%〜4重量(または体積)%、2.5重量(または体積)%〜3.5重量(または体積)%、2.5重量(または体積)%〜3重量(または体積)%、3重量(または体積)%〜10重量(または体積)%、3重量(または体積)%〜9.5重量(または体積)%、3重量(または体積)%〜9重量(または体積)%、3重量(または体積)%〜8.5重量(または体積)%、3重量(または体積)%〜8重量(または体積)%、3重量(または体積)%〜7.5重量(または体積)%、3重量(または体積)%〜7重量(または体積)%、3重量(または体積)%〜6.5重量(または体積)%、3重量(または体積)%〜6重量(または体積)%、3重量(または体積)%〜5.5重量(または体積)%、3重量(または体積)%〜5重量(または体積)%、3重量(または体積)%〜4.5重量(または体積)%、3重量(または体積)%〜4重量(または体積)%および3重量(または体積)%〜3.5重量(または体積)%から選択される量で添加する。別の実施形態では、(例えば粉末状のまたは溶液の)乳化剤を、発酵ブロスまた溶解細胞組成物の0.2重量(または体積)%〜5重量(または体積)%、0.5重量(または体積)%〜5重量(または体積)%、1重量(または体積)%〜5重量(または体積)%、1.5重量(または体積)%〜5重量(または体積)%、2重量(または体積)%〜5重量(または体積)%、2.5重量(または体積)%〜5重量(または体積)%および3重量(または体積)%〜5重量(または体積)%から選択される量で添加する。さらなる実施形態では、乳化剤を、溶解細胞組成物の0.2重量%〜10重量%の量で添加する。
[0080] いくつかの実施形態では、乳化剤は、発酵ブロスまたは溶解細胞組成物の界面張力(すなわち、表面張力)を低下させる。本明細書で使用する場合、用語「界面張力」または「表面張力」は、2つの相の間の界面における1メートルの長さの仮想線に作用する力を意味する。いくつかの実施形態では、乳化剤により形成されたエマルションの界面張力は、内在性物質により形成されたエマルションと比べて低い。いくつかの実施形態では、界面張力をダイン/cmで測定することができる。
[0081] いくつかの実施形態では、乳化剤は、発酵ブロスまたは溶解細胞組成物のζ電位の絶対値を増加させる(すなわち、正のζ電位を増加させる、または負のζ電位を低下させる)。いくつかの実施形態では、アニオン性乳化剤の添加により、結果として発酵ブロスまたは溶解細胞組成物のζ電位が下方へシフトし得る(例えば正のζ電位が低下する、または負のζ電位が増加する)。いくつかの実施形態では、カチオン性乳化剤の添加により、結果として発酵ブロスまたは溶解細胞組成物のζ電位が上方へシフトし得る(例えば正のζ電位が増加する、または負のζ電位が増加する)。本明細書で使用する場合、用語「ζ電位」は、エマルション中の粒子間の運動電位を意味する。いくつかの実施形態では、このζ電位をmVで測定することができる。いくつかの実施形態では、乳化剤により形成されたエマルションのζ電位の絶対値は、内在性物質により形成されたエマルションと比べて高い。
[0082] いくつかの実施形態では、イオン性乳化剤の添加により水中油型エマルションが生じる。いくつかの実施形態では、この水中油型エマルションは油、水およびイオン性乳化剤を含むがそれらに限定されない。
[0083] いくつかの実施形態では、解乳化溶解細胞組成物を形成するプロセスは、溶解細胞組成物のpHを上昇させる工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、このpHを、溶解細胞組成物に塩基を添加することにより上昇させる。溶解細胞組成物を解乳化するのに使用することができる塩基は、上述したものと同じである。いくつかの実施形態では、このpHは、約7.5以上、約8以上、約9以上、約10以上、約11以上および約12以上から選択される。その他の実施形態では、このpHは、7〜13、7〜12、7〜11、7〜10、7〜9、7〜8、8〜13、8〜12、8〜11、8〜10、8〜9、9〜13、9〜12、9〜11、9〜10、10〜13、10〜12および10〜11から選択される。いくつかの実施形態では、このpHは9〜11から選択される。
[0084] いくつかの実施形態では、本方法は、溶解細胞組成物に塩を添加する工程をさらに含む。用語「塩」は、酸由来の水素イオンを金属(例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属および遷移金属)または正に帯電した化合物(例えばNH )に置き換えることにより形成されているイオン性化合物を意味する。いくつかの実施形態では、この塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、硫酸塩またはそれらの組み合わせであることができる。塩中に存在する負に帯電したイオン種として、ハライド、硫酸、重硫酸、亜硫酸、リン酸、リン酸水素、リン酸二水素、炭酸、重炭酸およびそれらの組み合わせが挙げられるがそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、塩は、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、グルタミン酸モノナトリウム、硫酸アンモニウム、塩化カリウム、塩化鉄、硫酸鉄、硫酸アルミニウム、酢酸アンモニウムおよびそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、塩はNaOHを含まない。塩を固体(例えば結晶状、アモルファス状、ペレット状および/もしくは粒状)で添加することができる、ならびに/または例えば水を含む溶液(例えば希釈溶液、飽和溶液もしくは過飽和溶液)で添加することができる。
[0085] いくつかの実施形態では、この塩を、5g/l〜25g/l、5g/l〜10g/l、10g/l〜15g/l、15g/l〜20g/l、20g/l〜25g/lまたは10g/l〜20g/lの量で添加する。
[0086] その他の実施形態では、塩を、溶解細胞組成物の20重量(もしくは体積)%以下、15重量(もしくは体積)%以下、10重量(もしくは体積)%以下、7.5重量(もしくは体積)%、5重量(もしくは体積)%以下または2重量(もしくは体積)%の量で溶解細胞組成物に添加する。いくつかの実施形態では、塩を、溶解細胞組成物(例えば全ブロス重量(または全ブロス体積))の約0.05重量(もしくは体積)%〜約20重量(もしくは体積)%、約0.1重量(もしくは体積)%〜約20重量(もしくは体積)%、約0.1重量(もしくは体積)%〜約15重量(もしくは体積)%、約0.1重量(もしくは体積)%〜約10重量(もしくは体積)%、約0.5重量(もしくは体積)%〜約20重量(もしくは体積)%、約0.5重量(もしくは体積)%〜約15重量(もしくは体積)%、約0.5重量(もしくは体積)%〜約10重量(もしくは体積)%、約0.5重量(もしくは体積)%〜約5重量(もしくは体積)%、約0.5重量(もしくは体積)%〜約4重量(もしくは体積)%、約0.5重量(もしくは体積)%〜約3重量(もしくは体積)%、約0.5重量(もしくは体積)%〜約2.5重量(もしくは体積)%、約0.5重量(もしくは体積)%〜約2重量(もしくは体積)%、約0.5重量(もしくは体積)%〜約1.5重量(もしくは体積)%、約0.5重量(もしくは体積)%〜約1重量(もしくは体積)%、約1重量(もしくは体積)%〜約20重量(もしくは体積)%、約1重量(もしくは体積)%〜約15重量(もしくは体積)%、約1重量(もしくは体積)%〜約10重量(もしくは体積)%、約1重量(もしくは体積)%〜約5重量(もしくは体積)%、約1重量(もしくは体積)%〜約4重量(もしくは体積)%、1重量(もしくは体積)%〜約3重量(もしくは体積)%、約1重量(もしくは体積)%〜約2.5重量(もしくは体積)%、約1重量(もしくは体積)%〜約2重量(もしくは体積)%、約1重量(もしくは体積)%〜約1.5重量(もしくは体積)%、約1.5重量(もしくは体積)%〜約5重量(もしくは体積)%、約1.5重量(もしくは体積)%〜約4重量(もしくは体積)%、約1.5重量(もしくは体積)%〜約3重量(もしくは体積)%、約1.5重量(もしくは体積)%〜約2.5重量(もしくは体積)%、約1.5重量(もしくは体積)%〜約2重量(もしくは体積)%、約2重量(もしくは体積)%〜20重量(もしくは体積)%、約2重量(もしくは体積)%〜約15重量(もしくは体積)%、約2重量(もしくは体積)%〜約10重量(もしくは体積)%、約2重量(もしくは体積)%〜約5重量(もしくは体積)%、約2重量(もしくは体積)%〜約4重量(もしくは体積)%、約2重量(もしくは体積)%〜約3重量(もしくは体積)%、約2重量(もしくは体積)%〜約2.5重量(もしくは体積)%、約2.5重量(もしくは体積)%〜約5重量(もしくは体積)%、約2.5重量(もしくは体積)%〜約4重量(もしくは体積)%、約2.5重量(もしくは体積)%〜約3重量(もしくは体積)%、約3重量(もしくは体積)%〜約5重量(もしくは体積)%、約3重量(もしくは体積)%〜約4重量(もしくは体積)%、約4重量(もしくは体積)%〜約5重量(もしくは体積)%、約5重量(もしくは体積)%〜約20重量(もしくは体積)%、約5重量(もしくは体積)%〜約15重量(もしくは体積)%、約5重量(もしくは体積)%〜約10重量(もしくは体積)%、約10重量(もしくは体積)%〜約20重量(もしくは体積)%、約10重量(もしくは体積)%〜約15重量(もしくは体積)%または約15重量(もしくは体積)%〜約20重量(もしくは体積)%の量で溶解細胞組成物に添加する。例えば、溶解細胞組成物の重量が1,000kgである場合、0.5重量(もしくは体積)%〜20重量(もしくは体積)%の量で塩を添加するには、5kg〜200kgの塩を溶解細胞組成物に添加することが必要になる。いくつかの実施形態では、塩を、溶解細胞組成物の約0.05重量(もしくは体積)%〜約20重量(もしくは体積)%、約0.1重量(もしくは体積)%〜約20重量(もしくは体積)%、約0.5重量(もしくは体積)%〜約15重量(もしくは体積)%または約2重量(もしくは体積)%〜約10重量(もしくは体積)%の量で溶解細胞組成物に添加する。
[0087] いくつかの実施形態では、本方法は、細胞の溶解前に、溶解中にまたは溶解後に加熱する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、この加熱を、乳化剤の添加前に、乳化剤の添加中に、乳化剤の添加後に、塩の添加前に、塩の添加中に、塩の添加後にまたはこれらの混み合わせで実施する。いくつかの実施形態では、本方法は、溶解細胞組成物および/または細胞を少なくとも10℃、少なくとも20℃、少なくとも25℃、少なくとも30℃、少なくとも35℃、少なくとも40℃、少なくとも45℃、少なくとも50℃、少なくとも55℃、少なくとも60℃、少なくとも65℃、少なくとも70℃、少なくとも75℃、少なくとも80℃、少なくとも85℃、少なくとも90℃、少なくとも95℃または少なくとも100℃に加熱する工程を含む。その他の実施形態では、本方法は、溶解細胞組成物および/または細胞を、約10℃〜約100℃、約10℃〜約90℃、約10℃〜約80℃、約10℃〜約70℃、約20℃〜約100℃、約20℃〜約90℃、約20℃〜約80℃、約20℃〜約70℃、約30℃〜約100℃、約30℃〜約90℃、約30℃〜約80℃、約30℃〜約70℃、約40℃〜約100℃、約40℃〜約90℃、約40℃〜約80℃、約50℃〜約100℃、約50℃〜約90℃、約50℃〜約80℃、約50℃〜約70℃、約60℃〜約100℃、約60℃〜約90℃、約60℃〜約80℃、約70℃〜約100℃、約70℃〜約90℃、約80℃〜約100℃、約80℃〜約90℃または約90℃〜約100℃に加熱する工程を含む。さらなる実施形態では、本方法は、溶解細胞組成物を、約60℃〜約100℃、約70℃〜約100℃、約70℃〜約90℃、約80℃〜約100℃、約80℃〜約90℃または約90℃〜約100℃に加熱する工程を含む。さらなる実施形態では、本方法は、溶解細胞組成物を少なくとも60℃、少なくとも70℃、少なくとも75℃、少なくとも80℃、少なくとも85℃、少なくとも90℃、少なくとも95℃または少なくとも100℃に加熱する工程を含む。
[0088] いくつかの実施形態では、溶解細胞組成物を、この溶解細胞組成物を解乳化するのに十分な期間にわたり加熱する。
[0089] いくつかの実施形態では、細胞および/または溶解細胞組成物を、閉鎖型システム中でまたはエバポレーターを備えたシステム中で加熱することができる。いくつかの実施形態では、細胞中におよび/または溶解細胞組成物中に存在する水の一部が蒸発により除去されるように、細胞および/または溶解細胞組成物を、エバポレーターを備えたシステム中で加熱することができる。いくつかの実施形態では、本方法は、細胞および/または溶解細胞組成物を、エバポレーターを備えたシステム中で加熱して、細胞中におよび/または溶解細胞組成物中に存在する水の最大で1重量(もしくは体積)%、5重量(もしくは体積)%、10重量(もしくは体積)%、15重量(もしくは体積)%、20重量(もしくは体積)%、25重量(もしくは体積)%、30重量(もしくは体積)%、35重量(もしくは体積)%、40重量(もしくは体積)%、45重量(もしくは体積)%または50重量(もしくは体積)%を除去する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、細胞および/または溶解細胞組成物を、エバポレーターを備えたシステム中で加熱して、水の1重量(もしくは体積)%〜50重量(もしくは体積)%、1重量(もしくは体積)%〜45重量(もしくは体積)%、1重量(もしくは体積)%〜40重量(もしくは体積)%、1重量(もしくは体積)%〜35重量(もしくは体積)%、1重量(もしくは体積)%〜30重量(もしくは体積)%、1重量(もしくは体積)%〜25重量(もしくは体積)%、1重量(もしくは体積)%〜20重量(もしくは体積)%、1重量(もしくは体積)%〜15重量(もしくは体積)%、1重量(もしくは体積)%〜10重量(もしくは体積)%、1重量(もしくは体積)%〜5重量(もしくは体積)%、5重量(もしくは体積)%〜50重量(もしくは体積)%、5重量(もしくは体積)%〜45重量(もしくは体積)%、5重量(もしくは体積)%〜40重量(もしくは体積)%、5重量(もしくは体積)%〜35重量(もしくは体積)%、5重量(もしくは体積)%〜30重量(もしくは体積)%、5重量(もしくは体積)%〜25重量(もしくは体積)%、5重量(もしくは体積)%〜20重量(もしくは体積)%、5重量(もしくは体積)%〜15重量(もしくは体積)%、5重量(もしくは体積)%〜10重量(もしくは体積)%、10重量(もしくは体積)%〜50重量(もしくは体積)%、10重量(もしくは体積)%〜45重量(もしくは体積)%、10重量(もしくは体積)%〜40重量(もしくは体積)%、10重量(もしくは体積)%〜35重量(もしくは体積)%、10重量(もしくは体積)%〜30重量(もしくは体積)%、10重量(もしくは体積)%〜25重量(もしくは体積)%、10重量(もしくは体積)%〜20重量(もしくは体積)%、10重量(もしくは体積)%〜15重量(もしくは体積)%、15重量(もしくは体積)%〜50重量(もしくは体積)%、15重量(もしくは体積)%〜45重量(もしくは体積)%、15重量(もしくは体積)%〜40重量(もしくは体積)%、15重量(もしくは体積)%〜35重量(もしくは体積)%、15重量(もしくは体積)%〜30重量(もしくは体積)%、15重量(もしくは体積)%〜25重量(もしくは体積)%、15重量(もしくは体積)%〜20重量(もしくは体積)%、20重量(もしくは体積)%〜50重量(もしくは体積)%、20重量(もしくは体積)%〜45重量(もしくは体積)%、20重量(もしくは体積)%〜40重量(もしくは体積)%、20重量(もしくは体積)%〜35重量(もしくは体積)%、20重量(もしくは体積)%〜30重量(もしくは体積)%、20重量(もしくは体積)%〜25重量(もしくは体積)%、25重量(もしくは体積)%〜50重量(もしくは体積)%、25重量(もしくは体積)%〜45重量(もしくは体積)%、25重量(もしくは体積)%〜40重量(もしくは体積)%、25重量(もしくは体積)%〜35重量(もしくは体積)%、25重量(もしくは体積)%〜30重量(もしくは体積)%、30重量(もしくは体積)%〜50重量(もしくは体積)%、30重量(もしくは体積)%〜45重量(もしくは体積)%、30重量(もしくは体積)%〜40重量(もしくは体積)%、30重量(もしくは体積)%〜35重量(もしくは体積)%、35重量(もしくは体積)%〜50重量(もしくは体積)%、35重量(もしくは体積)%〜45重量(もしくは体積)%、35重量(もしくは体積)%〜40重量(もしくは体積)%、40重量(もしくは体積)%〜50重量(もしくは体積)%、40重量(もしくは体積)%〜45重量(もしくは体積)%または45重量(もしくは体積)%〜50重量(もしくは体積)%を除去する工程を含む。
[0090] いくつかの実施形態では、乳化剤、塩基、塩、熱および撹拌のうちの1つまたは複数を溶解細胞組成物に施して、解乳化溶解細胞組成物を形成する。
[0091] いくつかの実施形態では、本方法は、微生物油を含む未洗浄の溶解細胞組成物を解乳化して未洗浄の解乳化溶解細胞組成物を形成し、次いで、この未洗浄の解乳化溶解細胞組成物から微生物油を分離する工程を含む。未洗浄の解乳化溶解細胞組成物は、溶解細胞組成物が、後に例えば遠心分離により除去される例えば水または緩衝液で洗浄されないプロセスを意味する。溶解細胞組成物を洗浄することにより、細胞から入手される油の全収率が低下する可能性がある。
[0092] 代替実施形態では、溶解細胞組成物を洗浄する回数を、1回、2回、3回またはそれを超える回数だけ低減させることができる。いくつかの実施形態では、この洗浄はわずか1回、2回または3回である。
[0093] いくつかの実施形態では、溶解細胞組成物を形成する工程、溶解細胞組成物に乳化剤を添加する工程、溶解細胞組成物と塩基とを接触させる工程または溶解細胞組成物のpHを上昇させる工程、溶解細胞組成物と塩とを接触させる工程、溶解細胞組成物を加熱する工程、および溶解細胞組成物を撹拌する工程の様々な組み合わせを、単一のベッセル中で行うことができる。いくつかの実施形態では、細胞を形成する工程、細胞と塩基とを接触させる工程または細胞のpHを上昇させる工程、溶解細胞組成物に乳化剤を添加する工程、細胞と塩とを接触させる工程、細胞を加熱する工程、および細胞を撹拌する工程の様々な組み合わせを単一のベッセル中で行うことができる。いくつかの実施形態では、この単一のベッセルとして発酵ベッセルが挙げられる。いくつかの実施形態では、この発酵ベッセルの容積は、少なくとも20,000リットル、少なくとも50,000リットル、少なくとも100,000リットル、少なくとも120,000リットル、少なくとも150,000リットル、少なくとも200,000リットルまたは少なくとも220,000リットルであることができる。いくつかの実施形態では、この発酵ベッセルの容積は、20,000リットル〜220,000リットル、20,000リットル〜100,000リットル、20,000リットル〜50,000リットル、50,000リットル〜220,000リットル、50,000リットル〜150,000リットル、50,000リットル〜100,000リットル、100,000リットル〜220,000リットル、100,000リットル〜150,000リットル、100,000リットル〜120,000リットル、150,000リットル〜220,000リットル、150,000リットル〜200,000リットルまたは200,000リットル〜220,000リットルであることができる。
[0094] いくつかの実施形態では、ベッセル中で形成する細胞または溶解細胞組成物のある量を、1つまたは複数の撹拌ベッセルに移すことができる。いくつかの実施形態では、この撹拌ベッセルの容積は、少なくとも20,000リットル、少なくとも30,000リットル、少なくとも40,000リットルまたは少なくとも50,000リットルであることができる。いくつかの実施形態では、この撹拌ベッセルの容積は、20,000リットル〜50,000リットル、20,000リットル〜40,000リットル、20,000リットル〜30,000リットル、30,000リットル〜50,000リットル、30,000リットル〜40,000リットルまたは40,000リットル〜50,000リットルであることができる。
[0095] 通常、本明細書に記載した方法は、微生物細胞から微生物油を入手するために、分離するためにまたは回収するために有機溶媒を利用しない。いくつかの実施形態では、微生物細胞から微生物油を入手するのに有機溶媒を使用しない。別の実施形態では、本明細書で開示したプロセス中に、有機溶媒を、微生物油を入手するのに十分な量または濃度で細胞に添加しない、溶解細胞組成物に添加しない、および/または油に添加しない。有機溶媒として、極性溶媒、無極性溶媒、水混和性溶媒、水非混和性溶媒およびそれらの組み合わせが挙げられる。
[0096] いくつかの実施形態では、本方法は、解乳化溶解細胞組成物から油を分離する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、解乳化溶解細胞組成物を遠心分離することにより、この解乳化溶解細胞組成物から油を分離する工程を含む。いくつかの実施形態では、解乳化溶解細胞組成物を静置させることにより、この解乳化溶解細胞組成物から油を分離し、この静置では、重力を使用して、解乳化溶解細胞組成物から(例えば分離層として)油が分離する。いくつかの実施形態では、親油性膜により分離が実現される。いくつかの実施形態では、この分離は、10℃〜100℃の温度で遠心分離する工程を含む。いくつかの実施形態では、(例えば、上記に記載した塩基を添加することにより)pHを中性まで最初に上昇させ、次いで解乳化溶解細胞組成物を遠心分離して油を入手することにより、解乳化溶解細胞組成物から油を分離する。
[0097] いくつかの実施形態では、本方法は、解乳化溶解細胞組成物を少なくとも10℃、少なくとも20℃、少なくとも25℃、少なくとも30℃、少なくとも35℃、少なくとも40℃、少なくとも45℃、少なくとも50℃、少なくとも55℃、少なくとも60℃、少なくとも65℃、少なくとも70℃、少なくとも75℃、少なくとも80℃、少なくとも85℃、少なくとも90℃、少なくとも95℃または少なくとも100℃の温度で遠心分離することにより、この解乳化溶解細胞組成物から油を分離する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、解乳化溶解細胞組成物を10℃〜100℃、10℃〜90℃、10℃〜80℃、20℃〜100℃、20℃〜90℃、20℃〜80℃、25℃〜100℃、25℃〜90℃、25℃〜80℃、25℃〜75℃、30℃〜100℃、30℃〜90℃、30℃〜80℃、40℃〜100℃、40℃〜90℃、40℃〜80℃、50℃〜100℃、50℃〜90℃、50℃〜80℃、50℃〜70℃、60℃〜100℃、60℃〜90℃、60℃〜80℃、60℃〜70℃、70℃〜100℃、70℃〜90℃、70℃〜80℃、80℃〜100℃、80℃〜90℃または90℃〜100℃の温度で遠心分離することにより、この解乳化溶解細胞組成物から油を分離すること含む。
[0098] いくつかの実施形態では、遠心分離を、1分当たり1キログラム(kg/分)〜500kg/分、1kg/分〜400kg/分、1kg/分〜300kg/分、1kg/分〜200kg/分、1kg/分〜100kg/分、1kg/分〜75kg/分、1kg/分〜50kg/分、1kg/分〜40kg/分、1kg/分〜30kg/分、1kg/分〜25kg/分、1kg/分〜10kg/分、10kg/分〜500kg/分、10kg/分〜400kg/分、10kg/分〜300kg/分、10kg/分〜200kg/分、10kg/分〜100kg/分、10kg/分〜75kg/分、10kg/分〜50kg/分、10kg/分〜40kg/分、10kg/分〜30kg/分、20kg/分〜500kg/分、20kg/分〜400kg/分、20kg/分〜300kg/分、20kg/分〜200kg/分、20kg/分〜100kg/分、20kg/分〜75kg/分、20kg/分〜50kg/分、20kg/分〜40kg/分、25kg/分〜500kg/分、25kg/分〜400kg/分、25kg/分〜300kg/分、25kg/分〜200kg/分、25kg/分〜100kg/分、25kg/分〜75kg/分、25kg/分〜50kg/分、30kg/分〜60kg/分、30kg/分〜50kg/分、30kg/分〜40kg/分、50kg/分〜500kg/分、100kg/分〜500kg/分または200kg/分〜500kg/分の(解乳化溶解細胞組成物の遠心分離機への)供給速度で行う。
[0099] いくつかの実施形態では、本方法は、解乳化溶解細胞組成物を、1,000g〜25,000g、1,000g〜20,000g、1,000g〜10,000g、2,000g〜25,000g、2,000g〜20,000g、2,000g〜15,000g、3,000g〜25,000g、3,000g〜20,000g、5,000g〜25,000g、5,000g〜20,000g、5,000g〜15,000g、5,000g〜10,000g、5,000g〜8,000g、10,000g〜25,000g、15,000g〜25,000g、または少なくとも1,000g、少なくとも2,000g、少なくとも4,000g、少なくとも5,000g、少なくとも7,000g、少なくとも8,000g、少なくとも10,000g、少なくとも15,000g、少なくとも20,000gもしくは少なくとも25,000gの遠心力で遠心分離する工程を含む。本明細書で使用する場合、「g」は、標準重力または約9.8m/秒を意味する。いくつかの実施形態では、本方法は、解乳化溶解細胞組成物を、4,000rpm〜14,000rpm、4,000rpm〜10,000rpm、6,000rpm〜14,000rpm、6,000rpm〜12,000rpm、8,000〜14,000rpm、8,000rpm〜12,000rpmまたは8,000rpm〜10,000rpmで遠心分離する工程を含む。
[00100] いくつかの実施形態では、例えば、分離した組成物の表面から微生物油をデカントすることにより、すくい取ることにより、吸引することにより、ポンプでくみ上げることにより、吸い出すことにより、流し出すことにより、サイホンで吸い上げることにより、または別の方法で回収することにより、この油を回収することができる。
[00101] いくつかの実施形態では、本方法は、回収した油を乾燥させてこの油から水を除去する工程を含む。いくつかの実施形態では、この油を乾燥させる工程として、この油を加熱して水を蒸発させる工程を挙げることができるがこれに限定されない。いくつかの実施形態では、乾燥後、この油の含水量は、油の重量(または体積)パーセントで3%未満、2.5%未満、2%未満、1.5%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満または0%である。いくつかの実施形態では、乾燥後、この油の含水量は、油の重量(または体積)パーセントで0%〜3%、0%〜2.5%、0%〜2%、0%〜1.5%、0%〜1%、0%〜0.5%、0.1%〜3%、0.1%〜2.5%、0.1%〜2%、0.1%〜1.5%、0.1%〜1%、0.1%〜0.5%、0.5%〜3%、0.5%〜2.5%、0.5%〜2%、0.5%〜1.5%、0.5%〜1%、1%〜3%、1%〜2.5%、1%〜2%、1%〜1.5%、1.5%〜3%、1.5%〜2.5%、1.5%〜2%、2%〜3%、2%〜2.5%または2.5%〜3%である。
[00102] 本明細書で開示されているのは、本明細書で開示した方法のいずれかにより微生物細胞から入手することができる微生物油である。いくつかの実施形態では、この油は少なくとも30重量(または体積)%のアラキドン酸を含む。いくつかの実施形態では、この油は少なくとも30重量(または体積)%のドコサヘキサエン酸を含む。
[00103] アニシジン値(AV)をAOCS公式法Cd 18−90に従って決定する。一実施形態では、本明細書に記載した油のAVは、約50未満、約40未満、約30未満、約20未満、約15未満または約10未満である。いくつかの実施形態では、この油のAVは約50未満である。用語アニシジン値は、油の酸化中に生じる二次反応生成物の測定値を意味しており、例えばアルデヒドおよびケトンの測定値を意味する。
[00104] 過酸化物値(PV)をAOCS公式法Cd 8−53に従って決定する。一実施形態では、本明細書に記載した油のPVは、約20meq/kg未満、約10meq/kg未満または約5meq/kg未満である。いくつかの実施形態では、この油のPVは約5meq/kg未満である。用語過酸化物値は、油の酸化中に生じる一次反応生成物の測定値を意味しており、例えば過酸化物およびヒドロペルオキシドの測定値を意味する。本明細書で使用する場合、過酸化物値をmeq/kgで測定する。
[00105] いくつかの実施形態では、油のリン含量は、100ppm以下、95ppm以下、90ppm以下、85ppm以下、80ppm以下、75ppm以下、70ppm以下、65ppm以下、60ppm以下、55ppm以下、50ppm以下、45ppm以下、40ppm以下、35ppm以下、30ppm以下、25ppm以下、20ppm以下、15ppm以下、10ppm以下、9ppm以下、8ppm以下、7ppm以下、6ppm以下、5ppm以下、4ppm以下、3ppm以下、2ppm以下または1ppm以下である。いくつかの実施形態では、油のリン含量は約8ppm以下である。
[00106] いくつかの実施形態では、油は1種または複数種のPUFAを含む。いくつかの実施形態では、油は、(PUFA重量で)少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%または少なくとも80%のPUFAを含む。いくつかの実施形態では、油は、(DHA重量で)少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%もしくは少なくとも80%のDHAを含む、および/または(DPA n−6重量で)少なくとも10%、少なくとも15%もしくは少なくとも20%のDPA n−6を含む、および/または(EPA重量で)少なくとも10%、少なくとも15%もしくは少なくとも20%のEPAを含む、および/または(ARA重量で)少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%もしくは少なくとも80%のARAを含む。いくつかの実施形態では、油は、(EPA重量で)50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、15%未満、10%未満または5%未満のEPAを含む。いくつかの実施形態では、油は、(DHA重量で)50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、15%未満、10%未満または5%未満のDHAを含む。いくつかの実施形態では、油は、10重量(もしくは体積)%未満、5重量(もしくは体積)%未満、2重量(もしくは体積)%未満、1重量(もしくは体積)%未満または0.5重量(もしくは体積)%未満のステロールを含む。
[00107] いくつかの実施形態では、油は、少なくとも50重量(もしくは体積)%、少なくとも60重量(もしくは体積)%、少なくとも70重量(もしくは体積)%、少なくとも80重量(もしくは体積)%、少なくとも90重量(もしくは体積)%、少なくとも95重量(もしくは体積)%または50重量(もしくは体積)%〜95重量(もしくは体積)%、50重量(もしくは体積)%〜90重量(もしくは体積)%、50重量(もしくは体積)%〜85重量(もしくは体積)%、50重量(もしくは体積)%〜80重量(もしくは体積)%、50重量(もしくは体積)%〜75重量(もしくは体積)%、60重量(もしくは体積)%〜95重量(もしくは体積)%、60重量(もしくは体積)%〜90重量(もしくは体積)%、60重量(もしくは体積)%〜85重量(もしくは体積)%、70重量(もしくは体積)%〜95重量(もしくは体積)%、70重量(もしくは体積)%〜90重量(もしくは体積)%、70重量(もしくは体積)%〜85重量(もしくは体積)%、75重量(もしくは体積)%〜95重量(もしくは体積)%、75重量(もしくは体積)%〜90重量(もしくは体積)%または75重量(もしくは体積)%〜85重量(もしくは体積)%のトリグリセリドを含む。
[00108] いくつかの実施形態では、このトリグリセリドは、少なくとも10重量(もしくは体積)%、少なくとも20重量(もしくは体積)%、少なくとも30重量(もしくは体積)%、少なくとも35重量(もしくは体積)%、少なくとも40重量(もしくは体積)%、少なくとも50重量(もしくは体積)%、少なくとも60重量(もしくは体積)%、少なくとも70重量(もしくは体積)%または少なくとも80重量(もしくは体積)%のDHAを含む。いくつかの実施形態では、このトリグリセリドは、少なくとも10重量(もしくは体積)%、少なくとも20重量(もしくは体積)%、少なくとも30重量(もしくは体積)%、少なくとも35重量(もしくは体積)%、少なくとも40重量(もしくは体積)%、少なくとも45重量(もしくは体積)%、少なくとも50重量(もしくは体積)%、少なくとも55重量(もしくは体積)%、少なくとも60重量(もしくは体積)%、少なくとも65重量(もしくは体積)%、少なくとも70重量(もしくは体積)%、少なくとも75重量(もしくは体積)%または少なくとも80重量(もしくは体積)%のARAを含む。いくつかの実施形態では、このトリグリセリドは、少なくとも50重量(もしくは体積)%、少なくとも40重量(もしくは体積)%、少なくとも30重量(もしくは体積)%、少なくとも20重量(もしくは体積)%、少なくとも15重量(もしくは体積)%、少なくとも10重量(もしくは体積)%または少なくとも5重量(もしくは体積)%のEPAを含む。
[00109] 一実施形態では、本明細書に記載した方法のいずれかにより入手および/または回収される微生物油は粗油である。別の実施形態では、本明細書に記載した油は精油である。「粗油」は、さらに加工することなく微生物細胞から入手される油である。「精油」は、精製、漂白および/または脱臭のための標準的な加工で粗油を処理することにより入手される油である。例えば米国特許第5,130,242号明細書を参照されたい。いくつかの実施形態では、精製として、苛性精製、脱ガム、酸処理、アルカリ処理、冷却、加熱、漂白、脱臭、脱酸およびそれらの組み合わせが挙げられるがそれらに限定されない。
[00110] いくつかの実施形態では、本方法は、微生物細胞を含む発酵ブロスを濃縮する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、溶解細胞組成物を濃縮する工程を含む。本明細書で使用する場合、「濃縮する」は、ある組成物から水を除去することを意味する。濃縮として、蒸発、化学的乾燥、遠心分離等およびそれらの組み合わせを挙げることができるがそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、細胞組成物または溶解細胞組成物を濃縮して、油の濃度をこの組成物の少なくとも4重量(もしくは体積)%、少なくとも5重量(もしくは体積)%、少なくとも10重量(もしくは体積)%、少なくとも15重量(もしくは体積)%、少なくとも20重量(もしくは体積)%、少なくとも25重量(もしくは体積)%または少なくとも30重量(もしくは体積)%にする。いくつかの実施形態では、細胞組成物または溶解細胞組成物を濃縮して、油の濃度をこの組成物の4重量(もしくは体積)%〜40重量(もしくは体積)%、4重量(もしくは体積)%〜30重量(もしくは体積)%、4重量(もしくは体積)%〜20重量(もしくは体積)%、4重量(もしくは体積)%〜15重量(もしくは体積)%、5重量(もしくは体積)%〜40重量(もしくは体積)%、5重量(もしくは体積)%〜30重量(もしくは体積)%、5重量(もしくは体積)%〜20重量(もしくは体積)%、10重量(もしくは体積)%〜40重量(もしくは体積)%、10重量(もしくは体積)%〜30重量(もしくは体積)%、10重量(もしくは体積)%〜20重量(もしくは体積)%、15重量(もしくは体積)%〜40重量(もしくは体積)%、15重量(もしくは体積)%〜30重量(もしくは体積)%、20重量(もしくは体積)%〜40重量(もしくは体積)%、20重量(もしくは体積)%〜30重量(もしくは体積)%、25重量(もしくは体積)%〜40重量(もしくは体積)%または30重量(もしくは体積)%〜40重量(もしくは体積)にする。
[00111] 本発明で使用する微生物細胞の有効な培養条件として、油の産生を可能にする有効培地、バイオリアクタ、温度、pHおよび酸素条件が挙げられるがそれらに限定されない。有効培地は、微生物細胞、例えばスラウストキトリアレス(Thraustochytriales)の微生物細胞が概して培養されるあらゆる培地を意味する。そのような培地は、吸収可能な炭素、窒素およびリン酸塩の供給源、ならびに適切な塩、ミネラルおよびその他の栄養素、例えばビタミンを有する水性培地を概して含む。本発明で使用する微生物細胞を、従来の発酵バイオリアクタ中で、振盪フラスコ中で、試験管中で、マイクロタイター皿中でおよびペトリ皿中で培養することができる。
[00112] いくつかの実施形態では、微生物細胞は、少なくとも30重量(もしくは体積)%の油、少なくとも35重量(もしくは体積)%の油、少なくとも40重量(もしくは体積)%の油、少なくとも50重量(もしくは体積)%の油、少なくとも60重量(もしくは体積)%の油、少なくとも70重量(もしくは体積)%の油または少なくとも80重量(もしくは体積)%の油を含む。いくつかの実施形態では、本発明で使用するための微生物細胞は、1時間当たり1リットルにつき少なくとも0.1グラム(g/L/h)のDHA、少なくとも0.2g/L/hのDHA、少なくとも0.3g/L/hのDHAまたは少なくとも0.4g/L/hのDHAを産生することができる。いくつかの実施形態では、本発明で使用するための微生物細胞は、1時間当たり1リットルにつき少なくとも0.01グラム(g/L/h)のARA、少なくとも0.05g/L/hのARA、少なくとも0.1g/L/hのARA、少なくとも0.2g/L/hのARA、少なくとも0.3g/L/hのARAまたは少なくとも0.4g/L/hのARAを産生することができる。
[00113] いくつかの実施形態では、本明細書に記載した方法のいずれかに従って入手される油、バイオマス残渣またはそれらの組み合わせを、食品または食品成分として、例えばベビーフード、調製粉乳、飲料、ソース、乳製品(例えばミルク、ヨーグルト、チーズおよびアイスクリーム)、油(例えば食用油またはサラダドレッシング)および焼き菓子;(例えばカプセルまたは錠剤の形状の)栄養補助剤;任意の非ヒト動物(例えば、生産物(例えば肉、乳または卵)がヒトにより消費されるもの)用の飼料および飼料補助剤;栄養補助食品;ならびに医薬品(直接的なまたは補助的な治療用途)での一成分として直接使用することができる。用語「動物」は、動物界に属するあらゆる生物を意味しており、あらゆるヒト動物、および生産物(例えば乳、卵、家禽肉、牛肉、豚肉または子羊肉)が得られる非ヒト動物を含む。いくつかの実施形態では、油および/またはバイオマスを海産食品で使用することができる。海産食品は魚、エビおよび甲殻類から得られるがそれらに限定されない。用語「生産物」は、そのような動物から得られるあらゆる生産物を含み、この生産物として、肉、卵、乳またはその他の生産物が挙げられるがそれらに限定されない。油および/またはバイオマスをそのような動物に給餌すると、多価不飽和油がそのような動物の肉、乳、卵またはその他の生産物に取り込まれて、この生産物の油含量を高めることができる。
[実施例]
[実施例1]
[00114] 微生物細胞(シゾキトリウム(Schizochytrium)種)を含む未洗浄の細胞ブロス(500〜700kg)を、60℃で1時間にわたり低温殺菌した。50重量%のNaOH溶液を添加してこのブロスのpHを7.2〜7.5に調整し、ブロスの重量で0.5%のAlcalase(登録商標)2.4 FG(Novozymes(ノースカロライナ州フランクリントン(Franklinton,NC))から入手可能である)を添加し、2時間にわたり55〜60°で撹拌することにより、細胞を溶解した。幅狭ブレードのハイドロホイルインペラにより190〜221RPMで溶解細胞組成物を撹拌し続け、50重量%のNaOHを添加してpHを4に調整し、組成物の重量で2%のNaClを添加し、90℃に加熱することにより、溶解細胞組成物を解乳化した。90℃での数時間後に、解乳化溶解細胞組成物を1750RPMで遠心分離(Seital SR 1010(Seital srl、イタリア)して粗油を生成することにより、この組成物から微生物油を分離し、この粗油から(DHA重量で)76.47%(平均)のDHAを得た。
[実施例2]
[00115] 微生物細胞(シゾキトリウム(Schizochytrium)種)を含む未洗浄の細胞ブロス(500〜700kg)を、60℃で1時間にわたり低温殺菌した。ブロスの重量で1.5%の98%硫酸溶液を添加してpHを1.6〜2.1に調整し、幅狭ブレードのハイドロホイルインペラと加熱用の水とにより190〜221RPMで撹拌しつつ90℃に加熱することにより、解乳化溶解細胞組成物を形成した。90℃での数時間後に、50重量%のNaOHを添加してpHを中性(6.5〜8.5)に調整し、解乳化溶解細胞組成物を1750RPMで遠心分離(Seital SR 1010(Seital srl、イタリア)して粗油を生成することにより、この組成物から微生物油を分離し、この粗油から(DHA重量で)84.57%(平均)のDHAを得た。
[実施例3]
[00116] 微生物細胞(シゾキトリウム(Schizochytrium)種)を含む未洗浄の細胞ブロス(500〜700kg)を、60℃で1時間にわたり低温殺菌した。ブロスの重量で1.5%の98%硫酸溶液を添加してpHを1.6〜2.1に調整し、幅狭ブレードのハイドロホイルインペラと加熱用の水蒸気とにより221RPMで撹拌しつつ90℃に加熱することにより、解乳化溶解細胞組成物を形成した。90℃での数時間後に、50重量%のNaOHを添加してpHを中性(6.5〜8.5)に調整し、解乳化溶解細胞組成物を1750RPMで遠心分離(Seital SR 1010(Seital srl、イタリア)して粗油を生成することにより、この組成物から微生物油を分離し、この粗油から(DHA重量で)87.08%のDHAを得た。
[実施例4]
[00117] 微生物細胞(シゾキトリウム(Schizochytrium)種)を含む未洗浄の細胞ブロス(500〜700kg)を、60℃で1時間にわたり低温殺菌した。ブロスの重量で4%の98%硫酸溶液を添加してpHを<1.0に調整し、次いで幅狭ブレードのハイドロホイルインペラと加熱用の水または水蒸気とを使用して151〜190RPMで撹拌しつつ90℃に加熱することにより、解乳化溶解細胞組成物を形成した。90℃での数時間後に、50重量%のNaOHを添加してpHを中性(6.5〜8.5)に調整し、解乳化溶解細胞組成物を1750RPMで遠心分離(Seital SR 1010(Seital srl、イタリア)して粗油を生成することにより、この組成物から微生物油を分離し、この粗油から(DHA重量で)93.61%(平均)のDHAを得た。
[実施例5]
[00118] 微生物細胞(シゾキトリウム(Schizochytrium)種)を含む未洗浄の細胞ブロス(500〜700kg)を、60℃で1時間にわたり低温殺菌した。50重量%のNaOH溶液を添加してpHを7.2〜7.5に調整し、ブロスの重量で0.5%のAlcalase(登録商標)2.4 FG(Novozymes(ノースカロライナ州フランクリントン)から入手可能である)を添加し、55〜60°で2時間にわたり撹拌することにより、細胞を溶解した。幅狭ブレードのハイドロホイルインペラと加熱用の水または水蒸気とにより221RPMで溶解細胞組成物を撹拌し続け、50重量%のNaOHを添加してpHを10.5に調整し、組成物の重量で2%のNaClを添加し、90℃に加熱することにより、溶解細胞組成物を解乳化した。90℃での数時間後に、解乳化溶解細胞組成物を1750RPMで遠心分離(Seital SR 1010(Seital srl、イタリア)して粗油を生成することにより、この組成物から微生物油を分離し、この粗油から(DHA重量で)72.77%(平均)のDHAを得た。
[実施例6]
[00119] 微生物細胞(シゾキトリウム(Schizochytrium)種)を含む未洗浄の細胞ブロス(500〜700kg)を、60℃で1時間にわたり低温殺菌した。50重量%のNaOH溶液を添加してpHを7.2〜7.5に調整し、ブロスの重量で0.5%のAlcalase(登録商標)2.4 FG(Novozymes(ノースカロライナ州フランクリントン)から入手可能である)を添加し、pHを7.2〜7.5で制御しつつ55〜60°で8時間にわたり撹拌することにより、細胞を溶解した。幅狭ブレードのハイドロホイルインペラと加熱用の水または水蒸気とにより221RPMで溶解細胞組成物を撹拌し続け、50重量%のNaOHを添加してpHを10.5に調整し、組成物の重量で2%のNaClを添加し、90℃に加熱することにより、溶解細胞組成物を解乳化した。90℃での数時間後に、50重量%のNaOHを添加してpHを中性(6.5〜8.5)に調整し、解乳化溶解細胞組成物を1750RPMで遠心分離(Seital SR 1010(Seital srl、イタリア)して粗油を生成することにより、この組成物から微生物油を分離し、この粗油から(DHA重量で)85.28%(平均)のDHAを得た。
[実施例7]
[00120] 微生物細胞(シゾキトリウム(Schizochytrium)種)を含む未洗浄の細胞ブロス(500〜700kg)を、60℃で1時間にわたり低温殺菌した。50重量%のNaOH溶液を添加してpHを7.2〜7.5に調整し、ブロスの重量で0.5%のAlcalase(登録商標)2.4 FG(Novozymes(ノースカロライナ州フランクリントン)から入手可能である)を添加し、pHを制御しつつ55〜60°で2時間にわたり撹拌することにより、細胞を溶解した。ブロスの重量で0.5%のAlcalase(登録商標)の別の投与量でブロスを処理し、pHを制御しつつさらに2時間にわたり撹拌下でこのブロスを保持した。幅狭ブレードのハイドロホイルインペラと加熱用の水または水蒸気とにより221RPMで溶解細胞組成物を撹拌し続け、50重量%のNaOHを添加してpHを10.5に調整し、組成物の重量で2%のNaClを添加し、90℃に加熱することにより、溶解細胞組成物を解乳化した。90℃での数時間後に、50重量%のNaOHを添加してpHを中性(6.5〜8.5)に調整し、解乳化溶解細胞組成物を1750RPMで遠心分離(Seital SR 1010(Seital srl、イタリア)して粗油を生成することにより、この組成物から微生物油を分離し、この粗油から(DHA重量で)81.12%(平均)のDHAを得た。
[実施例8]
[00121] 微生物細胞(シゾキトリウム(Schizochytrium)種)を含む未洗浄の細胞ブロス(500〜700kg)を、60℃で1時間にわたり低温殺菌した。50重量%のNaOH溶液を添加してpHを7.2〜7.5に調整し、ブロスの重量で0.5%のAlcalase(登録商標)2.4 FG(Novozymes(ノースカロライナ州フランクリントン)から入手可能である)を添加し、55〜60°で2時間にわたり撹拌することにより、細胞を溶解した。幅狭ブレードのハイドロホイルインペラにより221RPMで溶解細胞組成物を撹拌し続け、50重量%のNaOHを添加してpHを10.5に調整し、組成物の重量で2%のNaClを添加し、90℃に加熱することにより、溶解細胞組成物を解乳化した。90℃での数時間後に、この組成物に50重量%のNaOHを添加してpHを9〜10.5に再調整し、この組成物を撹拌しつつ数時間にわたり90℃で保持した。解乳化溶解細胞組成物を1750RPMで遠心分離(Seital SR 1010(Seital srl、イタリア)して粗油を生成することにより、この組成物から微生物油を分離し、この粗油から(DHA重量で)86.57%(平均)のDHAを得た。
[実施例9]
[00122] 微生物細胞(シゾキトリウム(Schizochytrium)種)を含む未洗浄の細胞ブロス(500〜700kg)を、60℃で1時間にわたり低温殺菌した。50重量%のNaOH溶液を添加してpHを7.2〜7.5に調整し、ブロスの重量で0.5%のAlcalase(登録商標)2.4 FG(Novozymes(ノースカロライナ州フランクリントン)から入手可能である)を添加し、55〜60°で2時間にわたり撹拌することにより、細胞を溶解した。幅狭ブレードのハイドロホイルインペラにより221RPMで溶解細胞組成物を撹拌し続け、ブロスの重量で2.5%の50%NaOH溶液を添加してpHを11.8に調整し、組成物の重量で2%のNaClを添加し、90℃に加熱することにより、溶解細胞組成物を解乳化した。90℃での数時間後に、この組成物に50重量%のNaOHを添加してpHを10.5に再調整し、この組成物を撹拌しつつ90℃で保持した。さらに数時間後に、50重量%のNaOHを添加してpHを中性(6.5〜8.5)に調整し、解乳化溶解細胞組成物を1750RPMで遠心分離(Seital SR 1010(Seital srl、イタリア)して粗油を生成することにより、この組成物から微生物油を分離し、この粗油から(DHA重量で)>96%(平均)のDHAを得た。
[実施例10]
[00123] 微生物細胞(シゾキトリウム(Schizochytrium)種)を含む未洗浄の細胞ブロス(500〜700kg)を、60℃で1時間にわたり低温殺菌した。50重量%のNaOH溶液を添加してpHを7.2〜7.5に調整し、ブロスの重量で0.5%のAlcalase(登録商標)2.4 FG(Novozymes(ノースカロライナ州フランクリントン)から入手可能である)を添加し、55〜60°で2時間にわたり撹拌することにより、細胞を溶解した。幅狭ブレードのハイドロホイルインペラにより221RPMで溶解細胞組成物を撹拌し続け、ブロスの重量で2.5%の50重量%NaOH溶液を添加してpHを11に調整し、組成物の重量で2%のNaClを添加し、90℃に加熱することにより、溶解細胞組成物を解乳化した。90℃での数時間後に、この組成物に50重量%のNaOH溶液を添加してpHを10.5に再調整し、この組成物を撹拌しつつ90℃で保持した。さらに数時間後に、解乳化溶解細胞組成物を1750RPMで遠心分離(Seital SR 1010(Seital srl、イタリア)して粗油を生成することにより、この組成物から微生物油を分離した。

Claims (31)

  1. 1種または複数種の微生物細胞から1種または複数種の多価不飽和脂肪酸を含む微生物油を入手するための方法であって、
    (a)前記微生物油を含む前記細胞を溶解して溶解細胞組成物を形成する工程;
    (b)前記溶解細胞組成物を解乳化して解乳化溶解細胞組成物を形成する工程;
    (c)前記解乳化溶解細胞組成物から前記油を分離する工程;および
    (d)前記油を回収する工程
    を含み、
    前記微生物細胞が、トラウストキトリウム(Thraustochytrium)属、シゾキトリウム(Schizochytrium)属またはそれらの混合物に由来し、
    (b)が、(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせを含み、
    前記(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせが、ハイドロホイルインペラ、ピッチブレードタービンおよびそれらの組み合わせから選択されるインペラによって行われる、方法。
  2. (a)または(b)の少なくとも一方が、前記細胞または前記溶解細胞組成物を少なくとも60℃に加熱する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. (b)が、
    (e)前記溶解細胞組成物に塩基を添加する工程;
    (f)0.05重量%〜20重量%の量で塩を添加する工程;
    (g)少なくとも1種の酵素を添加する工程;および
    (h)前記溶解細胞組成物に乳化剤を添加する工程
    のうちの少なくとも1の工程をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記酵素が、β−グルカナーゼ、キシラナーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アミラーゼおよびそれらの組み合わせから選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記酵素がβ−グルカナーゼである、請求項3または4に記載の方法。
  6. 前記酵素が前記溶解細胞組成物の0.05重量%〜10重量%の量で添加される、請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記乳化剤がイオン性乳化剤である、請求項3〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記塩が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、硫酸塩およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項3〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. (b)が、前記溶解細胞組成物のpHを8以上に上昇させる工程をさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. (a)が、前記細胞を撹拌する工程をさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  11. (a)の前記細胞が未洗浄である、および/または、(a)の前記細胞が発酵ブロスに含まれている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. (c)が、前記解乳化溶解細胞組成物を遠心分離する工程を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記多価不飽和脂肪酸が、ω−3脂肪酸、ω−6脂肪酸およびそれらの混合物から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記多価不飽和脂肪酸が、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、アラキドン酸(ARA)、γ−リノール酸(GLA)、ジホモ−γ−リノール酸(DGLA)、ステアリドン酸(SDA)およびそれらの混合物から選択される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記多価不飽和脂肪酸がドコサヘキサエン酸(DHA)である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記溶解細胞組成物が、液体、細胞断片および微生物油を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記油を前記細胞から入手するために有機溶媒が使用されない、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記解乳化溶解細胞組成物の平均粒径が少なくとも10ミクロンである、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. (d)の前記油が粗油である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. (d)が、前記粗油を精製して精油を入手する工程をさらに含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記油が少なくとも30重量%のドコサヘキサエン酸を含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記油のアニシジン値が50未満である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記油のリン含量が8ppm以下である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記油の過酸化物値が5meq/kg未満である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. (b)が、前記溶解細胞組成物のpHを6以下に低下させる工程をさらに含む、請求項1〜または1024のいずれか一項に記載の方法。
  26. (b)が、前記溶解細胞組成物の0.5重量%〜20重量%の量で酸を添加する工程をさらに含む、請求項1〜または1025のいずれか一項に記載の方法。
  27. (a)および(b)が互いに結合されて、1工程の溶解および解乳化する工程を形成する、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. (c)が、前記解乳化溶解細胞組成物のpHを上昇させる工程をさらに含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 1種または複数種の微生物細胞から1種または複数種の多価不飽和脂肪酸を含む微生物油を入手するための方法であって、
    (a)前記微生物油を含む前記細胞を溶解して溶解細胞組成物を形成する工程;
    (b)前記溶解細胞組成物を解乳化して解乳化溶解細胞組成物を形成する工程;
    (c)前記解乳化溶解細胞組成物から前記油を分離する工程;および
    (d)前記油を回収する工程
    を含み、
    前記微生物細胞が、トラウストキトリウム(Thraustochytrium)属、シゾキトリウム(Schizochytrium)属またはそれらの混合物に由来し、
    (a)および(b)が互いに結合されて、(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせを含む1工程の溶解および解乳化する工程を形成し、
    前記(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせが、ハイドロホイルインペラ、ピッチブレードタービンおよびそれらの組み合わせから選択されるインペラによって行われる、方法。
  30. 1種または複数種の微生物細胞から1種または複数種の多価不飽和脂肪酸を含む微生物油を入手するための方法であって、
    (a)(i)解乳化溶解細胞組成物の形成に適した酵素、(ii)解乳化溶解細胞組成物の形成に適したpHまたは(iii)それらの組み合わせにより、前記微生物油を含む前記細胞を溶解する工程;
    (b)前記解乳化溶解細胞組成物から前記油を分離する工程;および
    (c)前記油を回収する工程
    を含み、
    前記微生物細胞が、トラウストキトリウム(Thraustochytrium)属、シゾキトリウム(Schizochytrium)属またはそれらの混合物に由来し、
    前記解乳化溶解細胞組成物が、(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせ下での前記溶解中に入手され、
    前記(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせが、ハイドロホイルインペラ、ピッチブレードタービンおよびそれらの組み合わせから選択されるインペラによって行われる、方法。
  31. 前記(i)低剪断撹拌、(ii)軸流撹拌または(iii)それらの組み合わせがハイドロホイルインペラによって行われる、請求項29または30に記載の方法。
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