JP6687043B2 - 空調機器選定システム - Google Patents
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Description
空調機器選定システム100は、室内ユニット20及び室外ユニット30を有する空調機器10を選定するために用いられる。選定の対象である空調機器10は、いわゆるビル用マルチエアコンである。図1は、空調機器10が設置されている建物90の構成の一例を示す概略図である。建物90は、オフィスビル、学校及び病院等、比較的大きな施設である。空調機器10は、主として、建物90の各部屋に設置される複数の室内ユニット20と、建物90の屋上等に設置される室外ユニット30とから構成される。室外ユニット30は、複数の室内ユニット20と冷媒配管40を介して接続されている。以下、室内ユニット20が設置され、空調機器10による空調の対象となる空間を、対象空間92と呼ぶ。建物90の各対象空間92には、1台の室内ユニット20が設置されてもよく、複数台の室内ユニット20が設置されてもよい。また、建物90には、空調系統ごとに1の空調機器10が設置されている。建物90に複数の空調機器10が設置されている場合、互いに異なる空調機器10に属する複数台の室内ユニット20は、同一の対象空間92を空調しないものとする。
図2は、空調機器選定システム100のブロック図である。空調機器選定システム100は、主として、空調機器情報記憶部101と、熱負荷情報入力部102と、熱負荷取得部103と、空調機器選定部104と、固有情報記憶部105と、空調機器情報入力部106とを備える。これらは、サーバの記憶装置等に保持されているプログラム又はデータである。
図3は、空調機器選定システム100を用いて設計者が空調機器10を選定するプロセスを示すフローチャートである。このプロセスでは、最初に、ステップS1において熱負荷の算出が行われる。具体的には、ステップS1では、熱負荷取得部103は、建物90の各対象空間92の熱負荷を算出して、算出結果を取得する。熱負荷の算出に用いられるデータは、熱負荷情報入力部102を用いて設計者等によって予め入力され、サーバ等に記憶されている。熱負荷取得部103は、各対象空間92について、室内負荷(壁体負荷)と外気負荷との合計に基づいて、熱負荷の最終的な算出結果を取得する。なお、熱負荷取得部103は、冷房運転時の熱負荷である冷房負荷、及び、暖房運転時の熱負荷である暖房負荷をそれぞれ算出する。
次に、空調機器選定部104による空調機器10(室内ユニット20及び室外ユニット30の組み合わせ)の選定プロセスの詳細について説明する。図9は、図4のステップS3の詳細な処理を示すフローチャートである。最初に、ステップS31において、各対象空間92に設置される室内ユニット20の仮選定が行われる。具体的には、空調機器選定部104は、ステップS1で取得された熱負荷の算出結果に基づいて、各対象空間92の熱負荷に見合った室内ユニット20を仮選定する。室内ユニット20の仮選定は、ステップS2において設計者によって選択された型式に適合する室内ユニット20の中から行われる。仮選定の際、空調機器情報記憶部101に記憶されている空調機器10に関する情報が参照される。
(5−1)
従来、建物の熱負荷の算出結果に基づいて、建物内に設置される空調機器を選定する方法が用いられている。しかし、従来の選定方法では、外気温度等による、空調機器の能力の補正は、国土交通省規定のガイドラインに記載されている1通りの方法によってのみ行われる。この場合、空調機器の能力の補正値は、空調機器の種類、具体的には、室外機の圧縮機の馬力、及び、室内機の熱交換器の容量等に依らない値となる。そのため、空調機器の種類によっては、空調機器の能力の補正値が建物の熱負荷を大きく上回ることもあり、その結果、過剰なスペックの空調機器が選定されるという事態が生じ得る。
空調機器選定システム100は、空調機器10の種類に応じて異なる固有情報を用いて、室内ユニット20及び室外ユニット30の能力を補正する。固有情報は、具体的には、図10〜12に示されるような、室内ユニット20及び室外ユニット30の能力の補正に用いられる補正係数である。補正係数は、例えば、室外ユニット30の圧縮機の馬力、及び、室内ユニット20の熱交換器の容量に応じて異なる。そのため、室外ユニット30の圧縮機の馬力、及び、室内ユニット20の熱交換器の容量に応じて固有情報(補正係数)を適切に設定しておくことで、空調機器選定システム100は、過剰なスペックの空調機器10が選定されるという事態の発生を効果的に抑制することができる。
空調機器選定システム100は、図4に示される選択画面80において、建物90に設置される室内ユニット20及び室外ユニット30の型式を設計者が選択するだけで、空調機器10の固有情報を用いて、適切な能力を有する室内ユニット20及び室外ユニット30の組み合わせを選定する。そのため、空調機器選定システム100は、空調機器10の選定作業を人間の手を介さずに自動で行うことができるので、設計者は、空調機器10の選定作業を簡略化することができる。また、設計者は、図14に示されるような選定結果をチェックするだけで、空調機器10の選定作業を完了することができる。
空調機器選定システム100は、空調機器10の固有情報を用いて室内ユニット20及び室外ユニット30の能力の補正値を算出する際に、外気温度による補正、室内吸い込み温度による補正、及び、冷媒配管パラメータによる補正を行う。そのため、空調機器選定システム100は、空調機器10の種類に応じて室内ユニット20及び室外ユニット30の能力を適切に補正することができるので、過剰なスペックの空調機器10が選定されるという事態の発生を効果的に抑制することができる。
(6−1)変形例A
空調機器選定システム100は、建物90に設置される換気機器をさらに選定してもよい。具体的には、熱負荷取得部103は、建物90の各対象空間92を換気するための換気機器を選定し、選定した換気機器の能力を用いて熱負荷の算出結果を取得してもよい。この場合、熱負荷取得部103は、設計者が選択した換気機器システム、及び、対象空間92の静圧時における換気量に基づいて換気機器の必要能力を算出して、換気機器を選定する。そして、熱負荷取得部103は、選定した換気機器の能力及び熱交換効率等を用いて対象空間92の外気負荷を算出し、対象空間92の熱負荷の最終的な算出結果を取得する。
空調機器選定システム100は、室外ユニット30の熱交換器の着霜による、室外ユニット30の能力の補正をさらに行ってもよい。具体的には、空調機器選定部104は、空調機器10の種類に応じて異なる固有情報として、室外ユニット30の吸い込み温度(屋外の湿球温度)に対する補正係数の変化に関するデータを用いて、室外ユニット30の能力の補正値を算出してもよい。
空調機器選定システム100は、室内ユニット20及び室外ユニット30の能力の補正に関する余裕値が設定可能であってもよい。例えば、室内ユニット20の能力と、当該室内ユニット20が設置される対象空間92の熱負荷との差が所定値以上となるように、室内ユニット20の能力の補正係数等が設計者によって設定されるように、空調機器選定システム100が構成されてもよい。
空調機器選定システム100は、室外ユニット30のファンの数による、室外ユニット30の能力の補正をさらに行ってもよい。具体的には、空調機器選定部104は、空調機器10の種類に応じて異なる固有情報として、室外ユニット30のファンの数に対する補正係数の変化に関するデータを用いて、室外ユニット30の能力の補正値を算出してもよい。
空調機器選定システム100は、空調機器10の選定に用いられるパラメータが所定の範囲から外れている場合に、その旨を通知して、パラメータが適切に設定されるようにしてもよい。このようなパラメータの例としては、図4に示される選択画面80で設定される冷媒配管40の長さ、及び、能力の補正に用いられる室内吸い込み温度が挙げられる。
空調機器選定システム100では、空調機器選定部104は、室内ユニット20を仮選択した後に、室外ユニット30を仮選択する。しかし、空調機器選定部104は、室外ユニット30を仮選択した後に、室内ユニット20を仮選択してもよい。この場合においても、図9のステップS36及びステップS37の判定処理が両方とも満たされるように、室内ユニット20及び室外ユニット30が選定される。
空調機器選定システム100は、設計者が使用する端末と、当該端末とネットワークを介して接続されているサーバとから構成されている。しかし、空調機器選定システム100は、ネットワークに接続されていないローカルPCのみから構成されてもよい。この場合、空調機器情報記憶部101、熱負荷情報入力部102、熱負荷取得部103、空調機器選定部104、固有情報記憶部105及び空調機器情報入力部106は、設計者が使用するローカルPCに記憶されている。
20 室内ユニット
30 室外ユニット
40 冷媒配管
92 対象空間
100 空調機器選定システム
103 熱負荷取得部(取得部)
104 空調機器選定部(選定部)
105 固有情報記憶部(記憶部)
106 空調機器情報入力部(入力部)
Claims (8)
- 室内ユニット(20)及び室外ユニット(30)を有し、各対象空間(92)を空調する空調機器(10)を選定するための空調機器選定システムであって、
前記各対象空間における熱負荷の算出結果を取得する取得部(103)と、
前記取得部が取得した前記算出結果に基づいて、前記各対象空間における熱負荷を処理できる前記空調機器を選定する選定部(104)と、
前記空調機器の固有情報を記憶する記憶部(105)と、
を備え、
前記選定部は、前記記憶部が記憶する前記固有情報を用いて前記空調機器を選定し、
前記選定部は、前記各対象空間における熱負荷を処理できる能力を有する前記室内ユニットを選定し、前記各対象空間の選定された前記室内ユニットの能力の合計以上の能力を有する前記室外ユニットを選定し、
前記選定部は、前記固有情報を用いて前記室内ユニットの能力及び前記室外ユニットの能力の補正値を算出し、前記補正値に基づいて前記室内ユニット及び前記室外ユニットを選定する、
空調機器選定システム(100)。 - 前記記憶部は、前記空調機器の種類に応じて異なる前記固有情報を記憶する、
請求項1に記載の空調機器選定システム。 - 前記記憶部は、前記室外ユニットの圧縮機の馬力に応じて異なる前記固有情報を記憶する、
請求項1又は2に記載の空調機器選定システム。 - 前記記憶部は、前記室内ユニットの熱交換器の容量に応じて異なる前記固有情報を記憶する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の空調機器選定システム。 - 前記空調機器の種類の入力を受け付ける入力部(106)をさらに備え、
前記選定部は、前記入力部が受け付けた前記空調機器の種類に対応する前記固有情報を用いて前記空調機器を選定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の空調機器選定システム。 - 前記選定部は、前記室外ユニットが設置される空間の温度、及び、前記各対象空間の温度の少なくとも一方による前記固有情報を用いて、前記補正値を算出する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の空調機器選定システム。 - 前記選定部は、前記室内ユニットと前記室外ユニットとを結ぶ冷媒配管(40)の長さ、及び、前記室内ユニットと前記室外ユニットとの高低差の少なくとも一方による前記固有情報を用いて、前記補正値を算出する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の空調機器選定システム。 - 前記取得部は、前記各対象空間を換気する換気機器を選定し、選定された前記換気機器の能力を用いて前記算出結果を取得する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の空調機器選定システム。
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