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JP6683006B2 - ハイブリッド車両 - Google Patents

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JP6683006B2 JP2016095918A JP2016095918A JP6683006B2 JP 6683006 B2 JP6683006 B2 JP 6683006B2 JP 2016095918 A JP2016095918 A JP 2016095918A JP 2016095918 A JP2016095918 A JP 2016095918A JP 6683006 B2 JP6683006 B2 JP 6683006B2
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Description

本発明は、エンジン及びモータを動力源とするハイブリッド車両に関する。
エンジン及びモータを走行用動力源として搭載したハイブリッド電気自動車が開発され、普及してきている。このようなハイブリッド電気自動車の中には、運転者によって設定された目標車速を中心とした上限速度と下限速度との間に車速を保つオートクルーズ制御が搭載されたものも存在する(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−073347号公報
近年の環境問題に対する関心の高まりに応えるため、ハイブリッド車両のオートクルーズ制御においても一層の燃費向上が求められている。一方で、長距離及び長時間の運転が想定されるトラック等の場合には、運転感覚がよいことも重要な要素である。燃費向上を求める余りハイブリッド車両の加減速における応答が悪くなると、ハイブリッド車両の運転者の運転感覚に悪影響を与えかねない。特に、ハイブリッド車両のより一層の安全性向上のために、オートクルーズ中に運転者が意図的に制動を求める場合には、大きな制動トルクが発生することが求められる。
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ハイブリッド車両のオートクルージングにおける安全性を向上させる技術を提供することを目的とする。
本発明のある態様は、エンジンとモータジェネレータとを駆動力とするハイブリッド車両である。このハイブリッド車両は、前記エンジンの動力伝達を制御するクラッチと、前記クラッチを介して前記エンジンと接続する主変速機構と、前記主変速機構の変速比を調整するためのハイギアとローギアとの少なくとも2つのギアを含む副変速機構と、前記エンジンの動力を駆動輪に伝達するプロペラシャフトと、前記ハイブリッド車両のオートクルーズにおける動作を制御する制御装置と、を備える。ここで前記モータジェネレータは、減速機構を介して前記プロペラシャフトと接続され、前記制御装置は、(1)前記クラッチが接続状態、(2)前記副変速機構がニュートラル状態、かつ(3)前記モータジェネレータが回生状態、の場合において排気ブレーキの作動要求があったとき、前記エンジンの回転数が所定の回転数以下となることを条件として前記副変速機構をローギアに切り替える制御を実行する。
前記制御装置は、(1)前記クラッチが接続状態、(2)前記副変速機構がニュートラル状態、かつ(3)前記モータジェネレータが回生状態、の場合において前記排気ブレーキを作動させる要求があったとき、前記副変速機構をローギアに切り替えることによって前記エンジンの回転数が前記所定の回転数を上回る場合、前記副変速機構をハイギアに切り替える制御を実行してもよい。
本発明によれば、ハイブリッド車両のオートクルージングにおける安全性を向上させる技術を提供できる。
実施の形態に係るハイブリッド車両の構成を示す図である。 実施の形態に係るトランスミッションの内部構成を模式的に示す図である。 実施の形態に係るトランスミッションの動作を説明するための図である。 実施の形態に係るHEVが取り得る走行モードの分類を示す図である。 実施の形態に係るハイブリッド車両の機能構成を模式的に示す図である。
<実施の形態の概要>
実施の形態の概要を述べる。本発明の実施の形態は、駆動力としてディーゼルエンジンとモータジェネレータとを備えるハイブリッド車両(Hybrid Electric Vehicle;以下、「HEV」と記載する。)であって、特にオートクルーズモードを搭載するHEVに関する。
ここで、「オートクルーズモード」とは、運転者がアクセルやシフトレバーを操作しなくても、運転者によって設定されたHEVの車速を維持するように、ディーゼルエンジン、モータジェネレータ、及びトランスミッション等が自動で制御されるモードをいう。オートクルーズモードは、HEVが高速道路を走行する際に使用されることが主に想定されている。
詳細は後述するが、HEVのオートクルーズモードには、駆動力としてディーゼルエンジンのみを使用する「エンジン走行モード」、モータジェネレータのみを使用する「モータ走行モード」、ディーゼルエンジンとモータジェネレータとを併用する「アシスト走行モード」、及びディーゼルエンジンとモータジェネレータとの両方とも使用せず、慣性力で走行する「惰性走行モード」の4つの走行モードが存在する。本発明の実施は、主にオートクルーズモードにおいてある走行モードが別の走行モードに遷移する際に、ディーゼルエンジン、モータジェネレータ、及びトランスミッションに対してなされる制御に関する。
以下では、まず本発明の実施の形態の前提となるHEVの概要を説明し、次いでHEVが搭載しているトランスミッションについて説明する。その後、HEVのディーゼルエンジン、モータジェネレータ、及びトランスミッションの制御を担う制御装置について説明し、最後にHEVが備える走行モードの遷移について説明する。
<ハイブリッド車両の概要>
まず、本発明の実施の形態に係るハイブリッド車両の概要について説明する。
図1は、実施の形態に係るHEV100の構成を示す図である。図1に示すHEV100は、例えばバスやトラックなどの大型車両である。HEV100は、ディーゼルエンジン10とモータジェネレータ33とを有するハイブリッドシステムを備える。ディーゼルエンジン10とモータジェネレータ33とは、HEV100の運転状態に応じて、制御装置80によって複合的に制御される。
HEV100はまた、運転者によってオートクルーズ作動スイッチ811が投入された場合、制御装置80による制御の下オートクルーズモードを実行するように構成されている。
ここでシフトレバー81は、HEV100の運転手がトランスミッション20のギアを手動で選択するか、あるいは制御装置80にトランスミッション20のギアの選択を自動制御させるかを切り替えるためのレバーである。シフトレバー81は、HEV100の運転手がトランスミッション20を手動でギアシフトする際にも用いられる。
ディーゼルエンジン10は、エンジン本体11に形成された複数個(図1に示す例では6個)の気筒12内で燃料を燃焼させて発生させた熱エネルギーにより、クランクシャフト13を回転駆動させる。クランクシャフト13の回転動力は、クラッチ15を通じてトランスミッション20に伝達される。クラッチ15は、例えば図示しない流体継手及び湿式多板や、乾式クラッチ等を用いて実現される。
例えば運転手がクラッチペダルを踏み込むことによって、図示しないクラッチ板がフライホイールから離れ、ディーゼルエンジン10の回転動力はトランスミッション20に伝達しなくなる。この意味で、クラッチ15はディーゼルエンジン10の動力伝達を制御する部材である。以下本明細書において、クラッチ15がディーゼルエンジン10の回転動力をトランスミッション20に伝達している状態を「クラッチの接続状態」、そうでない状態を「クラッチの切断状態」等と記載することがある。
トランスミッション20は、クラッチ15を介してディーゼルエンジン10と接続される。トランスミッション20は、HEV100の運転状態と予め設定されたマップデータとに基づいて、制御装置80が、事前に設定された目標変速段に自動で変速するAMT(Automated Manual Transmission)が採用されている。
トランスミッション20は、クラッチ15を介して伝達されるディーゼルエンジン10の回転駆動を減速させるための複数段に変速可能な主変速機構21と、主変速機構21の変速比を調整するための副変速機構22とを含む。副変速機構22はさらに、ディーゼルエンジン10からクラッチ15を介して伝達された回転動力を低速段と高速段の2段に変速して主変速機構21に伝達可能な第1副変速機構22aと、主変速機構21から伝達された回転動力を低速段と高速段の2段に変速可能な第2副変速機構22bとから構成される。なお、第1副変速機構22aは「スプリッタ」、第2副変速機構22bは「レンジ」と呼ばれることもある。トランスミッション20の詳細は後述する。
プロペラシャフト25は、トランスミッション20を介してディーゼルエンジン10の回転動力を駆動輪27に伝達する。より具体的には、トランスミッション20で変速された回転動力は、まずアウトプットシャフト23に連結するプロペラシャフト25を通じてデファレンシャル26に伝達される。デファレンシャル26は、ダブルタイヤからなる一対の駆動輪27にそれぞれ駆動力を分配する。
モータジェネレータ33は、トランスミッション20を挟んでディーゼルエンジン10の反対側に配置される。モータジェネレータ33は、プロペラシャフト25と減速機構30を介して接続されている。モータジェネレータ33はまた、インバータ34を通じてバッテリ35に電気的に接続されている。バッテリ35は、例えばニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の既知の二次電池である。バッテリ35は、モータジェネレータ33の駆動電力源であり、かつモータジェネレータ33が発電した電力を蓄電する蓄電部としても機能する。
プロペラシャフト25とモータジェネレータ33の回転軸32とは、減速機構30を介して接続されている。減速機構30は、モータジェネレータ33の回転軸32を入力軸とし、かつプロペラシャフト25を出力軸としている。つまり、減速機構30においては、モータジェネレータ33の回転数Nmに対するプロペラシャフト25の回転数Npの割合である減速比(Nm/Np)が1.0より大となる。なお、この減速比は、固定又は可変のいずれに設定されていてもよい。
なお、減速機構30が備えるギアのうち回転軸32に接続しているギアは、図示しないスリーブによって固定及び解除が可能であってもよく、このスリーブの動作は制御装置80が図示しないアクチュエータを動作させることで制御されてもよい。スリーブによってギアの固定が解除されると減速機構30はニュートラル状態となり、プロペラシャフト25と回転軸32との間の動力伝達が停止する。
HEV100に減速機構30を設けることで、HEV100の高速走行中の慣性走行時において、トランスミッション20のギア段にかかわらず、モータジェネレータ33の回生制動トルクを減速機構30により大きくすることができる。これにより、回生効率を向上することができる。また、バッテリ35の充電状態(State Of Charge;以下「SOC」と記載する。)が所定の閾値(例えば90%)を上回る場合は減速機構30をニュートラルにすることにより、バッテリ35が過充電となることを抑制できる。
なお、実施の形態に係るHEV100は、減速機構30を介してモータジェネレータ33の動力をプロペラシャフト25に伝達する。このため、パワートレインコンポーネントのレイアウトの変更が小さくて済み、既存の車両からの転用が従来よりも容易となる。
コンビネーションスイッチ95は、運転手がHEV100の制動を制御するために操作するスイッチである。HEV100の制動手段は、エンジンブレーキ、回生ブレーキ、サイドブレーキ、フットブレーキ、排気ブレーキ、圧縮解放ブレーキ、及びリターダ28が挙げられる。コンビネーションスイッチ95は、このうち補助ブレーキである排気ブレーキ、圧縮解放ブレーキ、及びリターダ28の使用を運転者が制御するために用いられる。
図示はしないが、コンビネーションスイッチは0から3までの4つの段階が設定可能である。運転手がコンビネーションスイッチ95を0に設定すると、HEV100の排気ブレーキ、圧縮解放ブレーキ、及びリターダ28は作動しない。運転手がコンビネーションスイッチ95を1に設定するとHEV100の排気ブレーキが作動し、コンビネーションスイッチ95を2に設定するとHEV100の排気ブレーキと圧縮解放ブレーキとが作動する。同様に、運転手がコンビネーションスイッチ95を3に設定すると、HEV100の排気ブレーキ、圧縮解放ブレーキ、及びリターダ28が作動する。
なお、運転手がコンビネーションスイッチ95を1から3のいずれかに設定すると、排気経路73に設けられたバルブ76が排気経路を閉塞する。これによりディーゼルエンジン10のフリクションが大きくなり、排気ブレーキが作動する。また運転手がコンビネーションスイッチ95を3に設定すると、トランスミッション20に固定された固定子とアウトプットシャフト23と共に回転するロータとの間に電磁力による抵抗が生じ、プロペラシャフト25の回転を抑制するリターダ28が作動する。
<トランスミッション>
続いてトランスミッション20について説明する。
図2は、実施の形態に係るトランスミッション20の内部構成を模式的に示す図である。ディーゼルエンジン10の回転駆動は、クラッチ15を介してインプットシャフト29aに伝えられる。カウンターシャフト29bはインプットシャフト29aと並行に配置され、第1副変速機構22aを介してインプットシャフト29aから回転駆動が伝達される。カウンターシャフト29bの回転駆動は、主変速機構21に伝達される。すなわち、第1副変速機構22aは、クラッチ15を介して伝達されたディーゼルエンジン10の回転駆動を主変速機構21に伝える駆動伝達経路上に設けられている。
第1副変速機構22aはスプリッタとも呼ばれ、主変速機構21の変速比を調整するためにローギア221及びハイギア222の2つのギアと、第1スリーブ223とを含む。ローギア221は、インプットシャフト29aに配置された第1ローギア221aと、カウンターシャフト29bに固定された第2ローギア221bとを含む。同様に、ハイギア222は、インプットシャフト29aに配置された第1ハイギア222aと、カウンターシャフト29bに固定された第2ハイギア222bとを含む。
第1スリーブ223は、制御装置80が制御する第1アクチュエータ201aによってインプットシャフト29a上を摺動する。第1スリーブ223が第1ローギア221aと連結すると、インプットシャフト29aの回転駆動はローギア221を介してカウンターシャフト29bに伝達される。同様に、第1スリーブ223が第1ハイギア222aと連結すると、インプットシャフト29aの回転駆動はハイギア222を介してカウンターシャフト29bに伝達される。
なお、図2は、第1スリーブ223が第1ローギア221aと第1ハイギア222aとのいずれのギアとも連結していない状態を示している。この場合、インプットシャフト29aは第1ローギア221aと第1ハイギア222aとのいずれのギアに対しても空転する。このため、インプットシャフト29aの回転駆動はカウンターシャフト29bに伝達されない。以下本明細書において、第1スリーブ223が第1ローギア221aと第1ハイギア222aとのいずれのギアとも連結していない状態を、「副変速機構22のニュートラル状態」又は「スプリッタのニュートラル状態」等と記載することがある。
スプリッタがニュートラル状態の場合、ディーゼルエンジン10とカウンターシャフト29bとの間の動力伝達経路が遮断される。この状態は、ディーゼルエンジン10の回転動力がカウンターシャフト29bに伝達されないという意味において、クラッチ15が切断された状態に相当する効果がある。したがって、以下本明細書において、「スプリッタのニュートラル状態」を「クラッチ15の切断相当状態」等と記載することもある。
一般に、クラッチ15の切断状態と接続状態との遷移を繰り返すと、クラッチ15を構成するクラッチレリーズベアリング等の部品が摩耗する。したがって、クラッチ15の切断状態をスプリッタのニュートラル状態で代替することにより、クラッチ15の消耗を抑制することができる。
特にHEV100がオートクルーズモードで走行しているときは、ディーゼルエンジン10を停止又はアイドリング状態とし、モータジェネレータ33を力行させる状態もしばしば発生する。この様な場合、ディーゼルエンジン10によるフリクションロスを低減するためにクラッチ15を切断状態とするのが一般的である。これをスプリッタのニュートラル状態で代替することにより、モータジェネレータ33の力行時におけるクラッチ15の摩耗を低減できる。
主変速機構21は、一速ギア211、二速ギア212、三速ギア213、第2スリーブ214、及び第3スリーブ215を含む。一速ギア211は、アウトプットシャフト23に配置された第1一速ギア211aとカウンターシャフト29bに固定された第2一速ギア211bとを含む。同様に、二速ギア212は、アウトプットシャフト23に配置された第1二速ギア212aとカウンターシャフト29bに固定された第2二速ギア212bとを含み、三速ギア213は、アウトプットシャフト23に配置された第1三速ギア213aとカウンターシャフト29bに固定された第2三速ギア213bとを含む。
第2スリーブ214及び第3スリーブ215は、それぞれ制御装置80によって動作が制御される第2アクチュエータ201bにより、アウトプットシャフト23上を摺動する。第2スリーブ214は、第1一速ギア211a又は第1二速ギア212aのいずれか一方と連結することができる。また第3スリーブ215は、第1三速ギア213aと連結するか、あるいは、インプットシャフト29aとアウトプットシャフト23とを直結することができる。
第2スリーブ214が第1一速ギア211a又は第1二速ギア212aのいずれかと連結しているときは、第3スリーブ215は第1三速ギア213aと連結することはできず、またインプットシャフト29aとアウトプットシャフト23とを直結することもできない。その逆も同様であり、第3スリーブ215が第1三速ギア213aと連結するか、又はインプットシャフト29aとアウトプットシャフト23とを直結しているときは、第2スリーブ214は第1一速ギア211a及び第1二速ギア212aとのいずれとも連結することができない。
第2スリーブ214又は第3スリーブ215が第1一速ギア211a、第1二速ギア212a、又は第1三速ギア213aのいずれかと連結しているとき、カウンターシャフト29bの回転動力はそれぞれの変速比に応じて減速され、アウトプットシャフト23に伝達される。第3スリーブ215がインプットシャフト29aとアウトプットシャフト23とを直結すると、インプットシャフト29aの回転動力は直接アウトプットシャフト23に伝達される。
第2副変速機構22bはレンジとも呼ばれ、アウトプットシャフト23の回転駆動をプロペラシャフト25に伝える駆動伝達経路上に設けられている。第2副変速機構22bは既知の遊星歯車機構224であり、減速比を低速又は高速の2段階に切り替えることができる。なお、第2副変速機構22bにおける低速段及び高速段の切り替えは、制御装置80の制御の下で駆動する第3アクチュエータ201cによって実現される。
図3(a)−(r)は、実施の形態に係るトランスミッション20の動作を説明するための図である。図3(a)−(r)においては、煩雑となることを避けるため、同じ部材を示す符号は1箇所にのみ付している。また図3(a)−(r)において、太線は動力伝達経路を示している。特に、太線で示すギアは、ディーゼルエンジン10の回転駆動によって回転している状態を示している。
図3(a)から図3(p)は、それぞれトランスミッション20が1速から16速に入っている状態を示している。例えば図3(a)は、第1副変速機構22aがローギア221、主変速機構21が一速ギア211、及び第2副変速機構22bが低速段の状態を図示しており、この状態がトランスミッション20の1速である。また図3(b)は第1副変速機構22aがハイギア222である以外は図3(a)と同じであり、この状態がトランスミッション20の1速である。
図3(g)はインプットシャフト29aとアウトプットシャフト23とが直結しており、第2副変速機構22bが低速段の状態を示しており、この状態がトランスミッション20の7速である。また図3(h)は、アウトプットシャフト23の入力が第1副変速機構22aのローギア221である状態を示しており、この状態がトランスミッション20の8速である。
図3(i)−図3(p)はそれぞれ第2副変速機構22bが高速段である以外は図3(a)−(h)と同じである。例えば、トランスミッション20が1速の状態で第2副変速機構22bを高速段に切り替えると、トランスミッション20は9速となる。このようにトランスミッション20を多段に構成することにより、ディーゼルエンジン10におけるエンジン効率のよい回転域を維持できるため、HEV100の燃費向上に資する。
図3(q)は、クラッチ15が切断状態であることを示している。図3(q)に示すように、クラッチ15が切断状態である場合、ディーゼルエンジン10の回転駆動はカウンターシャフト29bに伝達されない。また図3(r)は、スプリッタがニュートラル状態であること、すなわちクラッチ15が切断相当状態であることを示している。図3(r)に示すように、クラッチ15が切断相当状態である場合も、ディーゼルエンジン10の回転駆動はカウンターシャフト29bに伝達されない。
なお、説明の便宜のため、図2及び図3では後退用のギアの図示を省略している。
<HEVの走行モード>
HEV100が取り得る走行モードMについて説明する。
図4は、実施の形態に係るHEV100が取り得る走行モードMの分類を示す図である。図4に示すように、HEV100が取り得る走行モードMは通常モードNMとオートクルーズモードAMとに大別される。
通常モードNMは、HEV100の運転手がアクセルペダル及びブレーキペダルを操作することにより、HEV100の速度を変えながら運転するモードである。通常モードNMは主に、HEV100が例えば市街地等のように発進及び停車を頻繁に繰り返しながら走行する際に用いられる。
通常モードNMはさらに、オートシフトモードASMとマニュアルシフトモードMSMとに分別される。オートシフトモードASMでは、HEV100の車速、回転数センサ86で検出されたディーゼルエンジン10のエンジン回転数Ne、主変速機構21のギア、及び副変速機構22のギアに少なくとも基づいて予め定められたマップデータに基づいて、制御装置80が主変速機構21のギア及び副変速機構22のギアを設定する走行モードである。
一方、マニュアルシフトモードMSMは、HEV100の運転手がシフトレバー81を操作して、トランスミッション20を手動でギアシフトするモードである。図2に示す例では、トランスミッション20の1速から16速の間で切り替えることができる。なお、マニュアルシフトモードMSMであっても、クラッチ15及びアクチュエータ201の動作は制御装置80によって制御される。すなわち、マニュアルシフトモードMSMは、トランスミッション20のシフトのタイミングを運転手が選択するモードとも言える。
HEV100の運転者がシフトレバー81に備えられたオートクルーズ作動スイッチ811を投入すると、HEV100はオートクルーズモードAMとなる。オートクルーズモードAMは、制御装置80がディーゼルエンジン10、トランスミッション20の切り替え、及びモータジェネレータ33の動作を自動で制御するモードである。オートクルーズモードAMにおいては、HEV100は制御装置80の制御の下、車輪速センサ84で取得された車速Vを予め設定された目標速度範囲に維持してHEV100を自動走行させる。より具体的には、オートクルーズモードAMはさらに、エンジン走行モードEDM、アシスト走行モードADM、モータ走行モードMDM、及び惰性走行モードIDMに分けられ、制御装置80は各走行モードを適宜選択しながら、HEV100の車速Vを予め設定された目標速度範囲に維持する。
ここで目標速度範囲とは、目標速度vaを基準とした上限速度vbと下限速度vcとの間の範囲のことである。これら目標速度va、上限速度vb、及び下限速度vcは、運転手が任意の値にそれぞれ設定でき、例えば、目標速度vaは70km/h以上、90km/h以下に設定され、上限速度vbは目標速度vaに対して0km/h以上、+10km/h以下の速度に設定され、下限速度vcは目標速度vaに対して−10km/h以上、0km/h以下の速度に設定される。
エンジン走行モードEDMは、ディーゼルエンジン10からクラッチ15及びトランスミッション20を経由してプロペラシャフト25に伝達された駆動力FeでHEV100を走行させる。エンジン走行モードEDMでは減速機構30はニュートラル状態としモータジェネレータ33をプロペラシャフト25から切断する。このためエンジン走行モードEDMでは、HEV100はディーゼルエンジン10の駆動力のみで加速し、モータジェネレータ33の駆動力は用いられない。またエンジン走行モードEDMでは、HEV100の減速時にもモータジェネレータ33の回生ブレーキは作動しない。
モータ走行モードMDMは、クラッチ15を切断相当状態、すなわちスプリッタをニュートラル状態にして、モータジェネレータ33からの駆動力FmでHEV100を走行させる。モータ走行モードMDMでは、ディーゼルエンジン10の駆動力はプロペラシャフト25に伝達しない。その代わり、モータ走行モードMDMでは、HEV100の加速時にはモータジェネレータ33を力行させ、HEV100の減速時にはモータジェネレータ33を回生発電させる。
アシスト走行モードADMは、ディーゼルエンジン10からの駆動力Fe及びモータジェネレータ33から減速機構30を経由してプロペラシャフト25に伝達された駆動力Fmの両方でHEV100を走行させる。アシスト走行モードADMでは、ディーゼルエンジン10の駆動力とモータジェネレータ33の駆動力との両方がプロペラシャフト25に伝達される。
惰性走行モードIDMは、ディーゼルエンジン10及びモータジェネレータ33の駆動力をプロペラシャフト25に伝達しない状態でHEV100を走行させる。惰性走行モードIDMではクラッチ15が切断相当であり、かつ減速機構30がニュートラル状態となる。このため、ディーゼルエンジン10とモータジェネレータ33との両方がプロペラシャフト25から切断される。
なお制御装置80は、HEV100がモータ走行モードMDM又は惰性走行モードIDMの場合、クラッチ15を切断状態又は切断相当状態にすると共に燃料の噴射を停止してディーゼルエンジン10を停止してアイドリングストップ状態を維持してもよいし、ディーゼルエンジン10のアイドリングを維持する量だけ燃料を噴射するようにしてもよい。
HEV100がオートクルーズモードAMの場合、アクセル開度センサ92でアクセルペダルの踏み込みが検出されるとディーゼルエンジン10からの駆動力によりHEV100を加速させることもできる。また、ブレーキペダル開度センサ93でブレーキペダルの踏み込みが検出されるか、クラッチセンサ94でクラッチペダルの踏み込みが検出されるか、あるいは、オートクルーズ作動スイッチ811の投入が解除されるとHEV100のオートクルーズモードは解除される。
続いて実施の形態に係るHEV100の機能構成について説明する。
図5は、実施の形態に係るHEV100の機能構成を模式的に示す図である。実施の形態に係るHEV100は、ディーゼルエンジン10、クラッチ15、トランスミッション20、アクチュエータ201、制御装置80、シフトレバー81、オートクルーズ作動スイッチ811、車輪速センサ84、回転数センサ86、アクセル開度センサ92、ブレーキペダル開度センサ93、クラッチセンサ94、及びコンビネーションスイッチ95を備える。なお、図4は実施の形態に係るHEV100を機能面から説明するための構成を示しており、その他の構成は省略している。
制御装置80は、ディーゼルエンジン10、クラッチ15の切断及び接続、トランスミッション20の切り替え、及びモータジェネレータ33の動作を制御する。制御装置80はまた、HEV100のオートクルーズにおける動作も制御する。
具体的には、制御装置80は、回転数センサ86で検出されたエンジン回転数Neやアクセル開度センサ92で検出したアクセルペダルの踏み込み量に基づいて、ディーゼルエンジン10の気筒12への燃料の噴射量や噴射タイミングを調節する。また、制御装置80は、バッテリ35のSOC等に応じてインバータ34の周波数やバッテリ35及びモータジェネレータ33の間の電流値を調節する。制御装置80は、HEV100の発進時や加速時にモータジェネレータ33を制御して駆動力の少なくとも一部をアシストさせる。一方で、制御装置80は、HEV100が慣性走行中や制動時においては、モータジェネレータ33に回生発電させ、余剰の運動エネルギーを電力に変換してバッテリ35に充電する。
<走行モードの遷移>
上述したように、HEV100の走行モードMは通常モードNMとオートクルーズモードAMとの2つのモードに分かれる。また、HEV100がオートクルーズモードAMの場合、制御装置80はエンジン走行モードEDM、アシスト走行モードADM、モータ走行モードMDM、及び惰性走行モードIDMを適宜選択する。以下では、HEV100の走行モードMの遷移について説明する。
[通常モードからオートクルーズモードへの遷移]
制御装置80は、運転手によるシフトレバー81及びオートクルーズ作動スイッチ811の操作を検知する。HEV100の走行モードMが通常モードNMの場合において運転手がオートクルーズ作動スイッチ811を投入すると、HEV100はオートクルーズモードAMに遷移する。この際、HEV100の車速が目標速度範囲に到達していない場合は、HEV100はディーゼルエンジン10の駆動力とモータジェネレータ33の駆動力との両方で駆動するアシスト走行モードADMに遷移する。
[アシスト走行モードからモータ走行モードへの遷移]
HEV100がアシスト走行モードADMの時、制御装置80は、ディーゼルエンジン10の気筒12への燃料の噴射量、トランスミッション20のギアを切り替えるためのアクチュエータ201の動作、クラッチ15の動作、及びモータジェネレータ33の力行を制御して、HEV100の車速を目標速度範囲に到達させる。このとき、HEV100の車速が所定の速度(例えば時速60キロメートル)以上であれば、トランスミッション20は最高段となっている。図2に示す例では、HEV100が惰性走行モードIDMに遷移したとき、トランスミッション20のギアは16速となっている。
HEV100がアシスト走行モードADM中に例えば上り坂にさしかかると、HEV100の車速が運転手によって設定された目標速度範囲を下回ることも起こりうる。この場合、制御装置80は、(1)クラッチ15を切断又は切断相当とし、(2)ディーゼルエンジン10に供給する燃料噴射量を所定値(例えばピストンの1ストローク当たり40ミリ立方メートル)以下とし、かつ(3)モータジェネレータ33を力行させる制御を実行する。これにより、HEV100はアシスト走行モードADMからモータ走行モードMDMに遷移する。限定はしないが、一例として、制御装置80は、HEV100の車速が時速90kmの時は、プロペラシャフト25換算で50Nmのトルクをモータジェネレータ33に発生させる。
目標速度範囲を少し下回ったHEV100の車速を目標速度範囲に回復する際には、一般に大きな駆動力を要しない。このため、この駆動力をディーゼルエンジン10の出力で賄おうとすると、エンジン効率が低い回転域でディーゼルエンジン10を使用することになるため、効率が悪い。したがって、このような場合にモータジェネレータ33の駆動力を用いることにより、燃料消費量を削減することができる。また、モータジェネレータ33はディーゼルエンジン10と比べるとフィルタ処理等のなましが少ないため、制御装置80の駆動要求に対して短時間で応答できる。結果として、HEV100の車速補正を短時間で実現できる。
ここで、HEV100がアシスト走行モードADM中に例えば下り坂にさしかかると、HEV100の車速が運転手によって設定された目標速度範囲を上回ることも起こりうる。この場合、制御装置80は、(1)クラッチ15を切断又は切断相当とし、(2)ディーゼルエンジン10に供給する燃料噴射量を所定値以下とし、かつ(3)モータジェネレータ33を回生させる制御を実行する。これにより、HEV100はアシスト走行モードADMからモータ走行モードMDMに遷移する。限定はしないが、一例として、制御装置80は、HEV100の車速が時速90kmの時は、プロペラシャフト25換算で100Nmのトルクでモータジェネレータ33に回生させる。
これにより、ディーゼルエンジン10のエンジンフリクションを使用した速度制御に対し、モータジェネレータ33の回生を多用することが可能となり、バッテリ35のSOCを高い値に保つことができる。結果として、モータジェネレータ33を用いるアシスト走行モードADMを多用することが可能となるため、トランスミッション20をより高いギア段で使用する頻度が増加し、燃料消費量を削減することができる。
さらに、モータジェネレータ33はディーゼルエンジン10と比べるとフィルタ処理等のなましが少ないため、制御装置80の駆動要求に対して短時間で応答できる。結果として、HEV100の車速補正を短時間で実現できる。
[モータ走行モードからエンジン走行モードへの遷移]
ここで、モータジェネレータ33はバッテリ35の電力で駆動する。このため、バッテリ35のSOCが少ない場合は、バッテリ35が過放電となることを防ぐために、モータジェネレータ33を力行させないことが好ましい。
そこで制御装置80は、バッテリ35のSOCが所定の閾値(例えば、20%)未満のときは、HEV100の車速が設定した目標速度範囲を下回ったときであっても、(1)クラッチ15を接続又はスプリッタのニュートラル状態を解除し、(2)HEV100の目標速度範囲内となるようにディーゼルエンジン10に供給する燃料噴射量を制御し、かつ(3)モータジェネレータ33を回生させる制御を実行する。これにより、HEV100はモータ走行モードMDMからエンジン走行モードEDMに遷移する。
このように、制御装置80はバッテリ35のSOCが低い場には、ディーゼルエンジン10の出力でHEV100を駆動させ、かつモータジェネレータ33には回生させる。これにより、バッテリ35が過放電となることが抑制され、バッテリ35の寿命を伸ばすことができる。また、モータジェネレータ33は回生するため、バッテリ35のSOCを増加することもできる。
また、バッテリ35はモータジェネレータ33の回生によって充電される。このため、バッテリ35のSOCが多い場合は、バッテリ35が過充電となることを防ぐために、モータジェネレータ33を回生させない方が好ましい。
そこで制御装置80は、バッテリ35のSOCが所定の閾値(例えば90%)以上のときは、HEV100の車速が目標速度範囲を上回ったときであっても、クラッチ15を接続又はスプリッタのニュートラル状態を解除する制御を実行する。制御装置80はさらに、減速機構30をニュートラルとしてもよい。これにより、モータジェネレータ33の回生による発電量が減少し、バッテリ35が過充電となることを抑制できる。結果として、バッテリ35の寿命を伸ばすことができる。
なお、制御装置80は、HEV100に排気ブレーキの要求がなされた場合は、すなわちコンビネーションスイッチ95が1から3のいずれかに設定された場合には、HEV100がオートクルーズで走行している場合において車両速度が目標速度範囲を下回っていても、クラッチ15を接続、又はスプリッタのニュートラル状態を解除する制御を実行する。これにより、HEV100に排気ブレーキが働き、HEV100を減速することができる。
[モータ走行モードからアシスト走行モードへの遷移]
HEV100がモータ走行モードMDMの時は、運転手が意図的にクラッチ15を切断する場合を除くと、クラッチ切断相当の状態となる。すなわち、クラッチ15は接続状態を維持し、スプリッタがニュートラル状態となっている。この場合に、例えばHEV100が下り坂にさしかかると、制御装置80は、モータジェネレータ33に回生させ、回生ブレーキによってHEV100を減速させる。
このような状況、すなわち(1)クラッチ15が接続状態、(2)スプリッタがニュートラル状態、かつ(3)モータジェネレータ33が回生状態の場合において、運転手から排気ブレーキの作動要求があると、制御装置80はスプリッタのニュートラル状態を解除する。この結果、HEV100はモータ走行モードMDMからアシスト走行モードADMに遷移する。これにより、ディーゼルエンジン10とプロペラシャフト25とが接続するので、ディーゼルエンジン10のフリクションを利用した排気ブレーキを作動させることができるようになる。
ここで制御装置80がスプリッタのニュートラル状態を解除するためには、第1副変速機構22aをローギア221に入れるか、あるいはハイギア222に入れるかの2通りの選択がある。制御装置80は、ディーゼルエンジン10の回転数が所定の回転数以下となることを条件として第1副変速機構22aをローギア221に切り替える制御を実行する。なお「所定の回転数」とは、ディーゼルエンジン10に予め設定された回転数の許容限界値であり、いわゆる「レブリミット」である。所定の回転数の具体的な値は、ディーゼルエンジン10の性能等を考慮して製造者が定めればよい。制御装置80は、HEV100の車速、主変速機構21のギアに基づいて、予め定められたマップデータを参照することにより、第1副変速機構22aをローギア221に設定したときディーゼルエンジン10のエンジン回転数Neがレブリミットを下回るか否かを判定する。
第1副変速機構22aがローギア221に設定される方が、ハイギア222に設定される場合よりも、ディーゼルエンジン10のエンジン回転数Neが上昇する。このため、HEV100の制動トルクが大きくなり、HEV100に大きな制動力が働く。ゆえに、HEV100のオートクルーズ作動時における速度超過を抑制することができ、より安全に走行することができる。加えて、ディーゼルエンジン10のエンジン回転数Neが上昇することで、排気ブレーキや圧縮開放ブレーキの制動トルクも大きくなり、制動力が大きくなる。このため、HEV100のオートクルーズ作動時の速度超過を抑制することができ、より安全に走行することが可能となる。
第1副変速機構22aをローギア221にすることにより、ディーゼルエンジン10のエンジン回転数Neがレブリミットを上回ると判定した場合は、第1副変速機構22aをハイギア222に切り替える制御を実行する。これにより、ディーゼルエンジン10のエンジン回転数Neがレブリミットを超えることが抑制でき、ディーゼルエンジン10に悪影響を与えることを抑制できる。
[惰性走行モードへの遷移]
なお、HEV100がエンジン走行モードEDM、アシスト走行モードADM、又はモータ走行モードMDMの場合において、バッテリ35のSOCが所定の範囲(例えば30%以上80%以下)かつ、HEV100の車速が目標速度範囲内に一定時間とどまると、HEV100の走行モードMは惰性走行モードIDMに遷移する。これにより燃料消費量及びバッテリ35の使用量を削減できる。
[オートクルーズモードから通常モードへの遷移]
続いて、HEV100がオートクルーズモードAMから通常モードNMへの遷移について説明する。
HEV100がオートクルーズモードAMのひとつであるモータ走行モードMDM中に、HEV100が例えば緩やかな下り坂を走行しているときを考える。このときHEV100は、(1)クラッチ15が接続状態、(2)スプリッタがニュートラル状態、かつ(3)モータジェネレータ33が回生状態の場合である。このとき、運転手は排気ブレーキを使うほどではないが、ディーゼルエンジン10のエンジンブレーキを使用することを望む場合もあると考えられる。
この様な場合、HEV100の運転手は、シフトレバー81を操作してトランスミッション20をシフトダウンすることを要求する。制御装置80は、運転手によるトランスミッション20のシフトダウン要求を契機として、スプリッタのニュートラル状態を解除する。より具体的には、制御装置80は、第1アクチュエータ201aを駆動して第1スリーブ223でハイギア222又はローギア221を固定することにより、スプリッタのニュートラル状態を解除する。同時に制御装置80は、HEV100の運転状態とマップデータとに基づいて定められるギアとなるように、主変速機構21のギアに変速する。この結果、HEV100はモータ走行モードMDMからマニュアルシフトモードMSMに遷移する。
これにより、HEV100の制動力が増加して運転者の要求に近い車両挙動を得ることができる。特にHEV100が下り勾配でカーブを曲がる前に要求される制動力に近い制動力が得られるため、よりHEV100の安全性能が向上する。さらに、HEV100が平地のカーブを曲がった後に再加速する際にクラッチ15が接続状態となっているため、HEV100の再加速が迅速となる。結果として運転者に与えるドライビングフィールを向上することができる。
なお、上記の遷移はHEV100の運転手がブレーキペダルを踏まない場合を前提としている。HEV100の運転手がブレーキペダルを踏んだ場合、HEV100のオートクルーズモードAMは解除され、通常モードNMであるオートシフトモードASMに遷移する。
[マニュアルシフトモードからオートシフトモードへの遷移]
HEV100がマニュアルシフトモードMSMで加速していないときは、(1)クラッチ15は接続状態、(2)第1副変速機構22aは非ニュートラル状態、かつ(3)モータジェネレータ33は回生状態となっている。この様な場合に運転者がシフトレバー81をドライブレンジ(不図示)に設定すると、制御装置80はトランスミッション20のギアの選択を自動制御するオートシフトモードASMに遷移する。HEV100がオートシフトモードASMの場合は、運転手が手動でトランスミッション20のギアを選択することはない。
そこで制御装置80は、HEV100が加速していない状態でマニュアルシフトモードMSMからオートシフトモードASMに遷移することを契機として、クラッチ断回生相当の動作、すなわち第1副変速機構22aをニュートラル状態とする。これにより、モータジェネレータ33の制動回生で得られるエネルギーを増大させることができる。
なお、上記の遷移はHEV100の運転手がブレーキペダルを踏まない場合を前提としている。HEV100の運転手がブレーキペダルを踏んだ場合、HEV100のマニュアルシフトモードMSMは維持される。
以上説明したように、実施の形態に係るハイブリッド車両によれば、ハイブリッド車両のオートクルージングにおける安全性を向上させることができる。また、ハイブリッド車両のオートクルージングにおける燃費向上と加減速の応答速度とを両立させることができる。
また、制御装置80が、HEV100のオートクルーズ中にディーゼルエンジン10を停止又はアイドリング状態とすることで、排気バルブ70からの排気ガス71の排出を削減できる。このため、排気経路73に配置されて、排気バルブ70からエグゾーストマニホールド72を経由してタービン74を駆動した排気ガス71を浄化する排気ガス浄化装置75の浄化能力の低下を抑制できる。
排気ガス浄化装置75の浄化能力が低下した場合に、HEV100の駆動力に寄与しない燃料を噴射して排気ガス71の温度を上昇させて排気ガス浄化装置75の浄化能力を回復して再生する必要がある。排気バルブ70からの排気ガス71の排出が削減されると排気ガス浄化装置75の浄化能力を回復する機会も低減するので、その再生に必要な燃料消費も削減できる。この排気ガス浄化装置75としては、例えば、排気ガス71中の粒子状物質を捕集する捕集装置であり、HEV100がモータ走行及び惰性走行中は、捕集装置への粒子状物質の堆積が抑制されるので、捕集装置の再生に必要な燃費を抑制できる。
加えて、惰性走行中にクラッチ15を切断状態又は切断相当状態にすると共に燃料の噴射を停止してディーゼルエンジン10を停止する構成とすることで、プロペラシャフト25の回転動力がディーゼルエンジン10の回転抗力により減少することも回避できるので、モータ走行中及び惰性走行中のエネルギーの損失を低減してより燃費を向上できる。
また制御装置80は、モータ走行中にクラッチ15を切断状態又は切断相当状態にすると共に燃料の噴射量を制御してディーゼルエンジン10を停止又はアイドリング状態としてもよい。これによりモータ走行中の燃料消費量を削減でき、かつ排気ガス浄化装置75の浄化能力の低下を抑制できるので、より燃費を向上することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10・・・ディーゼルエンジン
15・・・クラッチ
20・・・トランスミッション
21・・・主変速機構
22・・・副変速機構
25・・・プロペラシャフト
28・・・リターダ
30・・・減速機構
33・・・モータジェネレータ
35・・・バッテリ
80・・・制御装置
81・・・シフトレバー
95・・・コンビネーションスイッチ
100・・・ハイブリッド車両
201・・・アクチュエータ
214・・・第2スリーブ
215・・・第3スリーブ
221・・・ローギア
222・・・ハイギア
223・・・第1スリーブ
811・・・オートクルーズ作動スイッチ

Claims (2)

  1. エンジンとモータジェネレータとを駆動力とするハイブリッド車両であって、
    前記エンジンの動力伝達を制御するクラッチと、
    前記クラッチを介して前記エンジンと接続する主変速機構と、
    前記主変速機構の変速比を調整するためのハイギアとローギアとの少なくとも2つのギアを含む副変速機構と、
    前記エンジンの動力を駆動輪に伝達するプロペラシャフトと、
    前記ハイブリッド車両のオートクルーズにおける動作を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記モータジェネレータは、減速機構を介して前記プロペラシャフトと接続され、
    前記制御装置は、(1)前記クラッチが接続状態、(2)前記副変速機構がニュートラル状態、かつ(3)前記モータジェネレータが回生状態、の場合において排気ブレーキの作動要求があったとき、前記エンジンの回転数が所定の回転数以下となることを条件として前記副変速機構をローギアに切り替える制御を実行する、
    ことを特徴とするハイブリッド車両。
  2. 前記制御装置は、(1)前記クラッチが接続状態、(2)前記副変速機構がニュートラル状態、かつ(3)前記モータジェネレータが回生状態、の場合において前記排気ブレーキを作動させる要求があったとき、前記副変速機構をローギアに切り替えることによって前記エンジンの回転数が前記所定の回転数を上回る場合、前記副変速機構をハイギアに切り替える制御を実行することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。
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