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JP6525471B2 - ヘプシジン類似体及びその使用 - Google Patents

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JP6525471B2
JP6525471B2 JP2016503378A JP2016503378A JP6525471B2 JP 6525471 B2 JP6525471 B2 JP 6525471B2 JP 2016503378 A JP2016503378 A JP 2016503378A JP 2016503378 A JP2016503378 A JP 2016503378A JP 6525471 B2 JP6525471 B2 JP 6525471B2
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Description

関連出願の相互参照
本出願は2013年3月15日に出願された米国仮特許出願第61/800,048号及び2013年3月15日に出願された米国仮特許出願第61/800,284号への優先権を主張し、これらの各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
配列表に関する記載
当該出願に関する配列表は、紙のコピーの代わりにテキスト形式で提供され、本明細書に参照として組み込まれる。配列表を含むはテキストファイルの名称PRTH_001_01WO_ST25.txtである。テキストファイルは126KBであり、2014年3月17日に作成され、EFS−Web 経由で電子的に提出されている。
本発明は、特に、ペプチド及び二量体を含む組成物と同様に、そのペプチド及び二量体を含む特定のヘプシジンペプチド類似体及び、遺伝性ヘモクロマトーシス、鉄芽球性貧血を含む鉄過剰症の治療及び/又は予防、及び本明細書に記載の他の状態及び障害を含む種々の疾患、状態又は障害の治療及び/又は予防におけるペプチド及びペプチド二量体の使用に関する。
ヘプシジン(LEAP−1とも呼ばれる)、肝臓によって産生されるペプチドホルモンは、ヒト及び他の哺乳類における鉄ホメオスタシスの調整剤である。ヘプシジンは、その受容体、鉄輸出チャンネルフェロポーチンに結合し、その内部移行および分解を引き起こすことによって作用する。ヒトヘプシジンは 25−アミノ酸ペプチド(Hep25)である。Krause et al. (2000) FEBS Lett 480:147−150,及びPark et al. (2001) J Biol Chem 276:7806−7810を参照されたい。ヘプシジンの生理活性25アミノ酸型の構造は、Jordan et al. J Biol Chem 284:24155−67に記載されるように、4ジスフィルド結合を形成する8個のシステインを有する単純なヘアピンである。N末端領域は鉄調節機能のために必要であり、5N末端アミノ酸残基は鉄調節機能の欠失をもたらす。Nemeth et al. (2006) Blood 107:328−33を参照されたい。
異常なヘプシジン活性は、遺伝性ヘモクロマトーシス(HH)及び鉄芽球性貧血を含む鉄過剰症に関連する。遺伝性ヘモクロマトーシスは主にヘプシジン欠乏、場合によってはヘプシジン抵抗によって引き起こされる遺伝性鉄過剰症である。これは、鉄過剰症の食事及び発生からの鉄の過度の吸収を可能にする。HHの臨床症状は肝臓病(例えば、肝硬変及び肝細胞癌)、糖尿病、及び心不全を含んでもよい。現在、HHの唯一の治療法は通常の瀉血であり、患者にとって非常に負担となる。鉄芽球性貧血はβ−サラセミアなどの無効造血を伴う遺伝性貧血であり、重度な鉄過剰症を伴う。鉄過剰症による合併症はこれらの患者の罹患率及び死亡率の主な原因である。ヘプシジン欠乏は非輸血患者における鉄過剰症の主な原因であり、輸血患者における鉄過剰症の一因となる。これらの患者における鉄過剰症の現在の治療は非常に負担となり、時には効果がなく、しばしば副作用を伴う鉄キレート化である。ヘプシジンは、フォールディングの間のタンパク質の凝集及び沈殿が一因で困難な合成プロセスを含む薬としての使用を制限する多くの制限を有する。当技術分野で必要とされるのは、ヘプシジン様生物製剤が手ごろに生産され得、本明細書に記載のようなヘプシジン−関連疾患及び障害の治療に使用されるために、ヘプシジン活性を有し、改善された溶解性、安定性、及び/又は能力などの他の有益な物理的性質も有する化合物である。
本発明は、本発明のペプチドをヘプシジンへの好適な代替物にするヘプシジン活性及び他の有益な特性を有する新規ペプチド類似体及びその二量体を提供し、このような必要性に対処する。
本発明は、一般に、ヘプシジン活性を示すペプチド及びその使用方法に関する。
いくつかの実施形態において、本発明は単離及び/または精製され得る、以下の構造式I:
−X−Y−R(I)(配列番号:12)
を含む、から本質的に成る、又はから成る、ペプチド又はその薬剤的に許容される塩又は溶媒を提供し、
式中、
は、N末端に付加された、水素、C−Cアルキル、C−C12アリール、C−C12アリール、C−Cアルキル、C−C20アルカノイル(例えば、メチル、アセチル、ホルミル、ベンゾイル又はトリフルオロアセチル、イソ吉草酸、イソ酪酸、オクタン酸、ラウリン酸及びヘキサデカン酸)、γ−Glu−ヘキサデカン酸)又はpGlu、及び単独で、又は上記のいずれかのスペーサーとしてペグ化バージョンを包含し;
’は−NH又は−OHであり;
Xは、式(Ia)
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Ia’)(配列番号:1)
を有するペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leu又は存在せず;
X2はThr、Ala、Aib、D−Thr、Arg又は存在せず;
X3はHis、Lys、Ala又はD−Hisであり;
X4はPhe、Ala、Dpa、bhPhe又はD−Pheであり;
X5はPro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abu又は存在せず;
X6はIle、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、SerまたはAlaであり;
X7はCys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−Ile又はD−Cysであり;
X8はIle、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、又はDapaであり;
X9はPhe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPhe又はD−Pheであり;及び
X10はLys、Phe又は存在しない;
Y’は存在しない、又は
Y’は、式(IIa)
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IIa)(配列番号:5)
を有するペプチドであり、
式中、
Y1はGly、Cys、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Ser又は存在せず;
Y2はPro、Ala、Cys、Gly又は存在せず;
Y3はArg、Lys、Pro、Gly、His、Ala、Trp又は存在せず;
Y4はSer、Arg、Gly、Trp、Ala、His、Tyr又は存在せず;
Y5はLys、Met、Arg、Ala又は存在せず;
Y6はGly、Ser、Lys、Ile、Arg、Ala、Pro、Val又は存在せず;
Y7はTrp、Lys、Gly、Ala、Ile、Val又は存在せず;
Y8はVal、Thr、Gly、Cys、Met、Tyr、Ala、Glu、Lys、Asp、Arg又は存在せず;
Y9はCys、Tyr又は存在せず;
Y10はMet、Lys、Arg、Tyr又は存在せず;
Y11はArg、Met、Cys、Lys又は存在せず;
Y12はArg、Lys、Ala又は存在せず;
Y13はArg、Cys、Lys、Val又は存在せず;
Y14はArg、Lys、Pro、Cys、Thr又は存在せず;及び
Y15はThr、Arg又は存在せず;
式中、Yは、式(I)のペプチドに存在しない場合、X7はIleであり;
式中、式(I)の前記化合物は、R1’、X’、又はY’がペグ化されていてもよい。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は2つ以上のシステイン残基を含み、少なくとも2つの前記システイン残基がジスフィルド結合を介し結合される。
いくつかの実施形態において、本発明は単離及び/または精製され得る、以下の構造式:
’−X’−Y’−R’(I’)(配列番号:21)
を含む、から本質的に成る、又はから成る、ペプチド又はその薬剤的に許容される塩又は溶媒を提供し、
式中、
’は、N末端に付加された、水素、C−Cアルキル、C−C12アリール、C−C12アリール、C−Cアルキル、C−C20アルカノイル(例えば、メチル、アセチル、ホルミル、ベンゾイル又はトリフルオロアセチル、イソ吉草酸、イソ酪酸、オクタン酸、ラウリン酸及びヘキサデカン酸)、γ−Glu−ヘキサデカン酸)又はpGlu、及び単独で、又は上記のいずれかのスペーサーとしてペグ化バージョンを包含し;
’は−NH又は−OHであり;
X’は、式Ia’
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Ia’)(配列番号:1)
を有するペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leu又は存在せず;
X2はThr、Ala、Aib、D−Thr、Arg又は存在せず;
X3はHis、Ala、D−His又はLysであり;
X4はPhe、Ala、Dpa、bhPhe又はD−Pheであり;
X5はPro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abu又は存在せず;
X6はIle、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、SerまたはAlaであり;
X7はCys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−Ile又はD−Cysであり;
X8はIle、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、又はDapaであり;
X9はPhe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPhe又はD−Pheであり;及び
X10はLys、Phe又は存在しない;
Y’が存在しない場合、X7はIleであり;
Y’は、式IIa’
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IIa’)(配列番号:16)
を有するペプチドであり、
式中、
Y1はGly、Cys、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Ser又は存在せず;
Y2はPro、Ala、Cys、Gly又は存在せず;
Y3はArg、Lys、Pro、Gly、His、Ala、Trp又は存在せず;
Y4はSer、Arg、Gly、Trp、Ala、His、Tyr又は存在せず;
Y5はLys、Met、Arg、Ala又は存在せず;
Y6はGly、Ser、Lys、Ile、Ala、Pro、Val又は存在せず;
Y7はTrp、Lys、Gly、Ala、Ile、Val又は存在せず;
Y8はVal、Thr、Gly、Cys、Met、Tyr、Ala、Glu、Lys、Asp、Arg又は存在せず;
Y9はCys、Tyr又は存在せず;
Y10はMet、Lys、Arg、Tyr又は存在せず;
Y11はArg、Met、Cys、Lys又は存在せず;
Y12はArg、Lys、Ala又は存在せず;
Y13はArg、Cys、Lys、Val又は存在せず;
Y14はArg、Lys、Pro、Cys、Thr又は存在せず;及び
Y15はThr、Arg又は存在せず;
式中、式I‘の前記化合物は、R1’、X’、又はY’がペグ化されていてもよく;及び
式(I)の化合物が2つ以上のシステイン残基を含む場合、少なくとも2つの前記システイン残基がジスフィルド結合を介し結合される。
いくつかの実施形態において、式I’の化合物は水素、イソ吉草酸、イソ絡酸、又はアセチルであるR’部分を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される式I’の化合物は式Ia’のX’ペプチドを含む。
X1はAsp、Ala、Ida、pGlu、bhAsp、Leu、D−Asp又は存在せず;
X2はThr、Ala、又はD−Thrであり;
X3はHis、Lys、D−His又はLysであり;
X4はPhe、Ala、Dpa又はD−Pheであり;
X5はPro、Gly、Arg、Lys、Ala、D−Pro又はbhProであり;
X6はIle、Cys、Arg、Lys、D−Ile又はD−Cysであり;
X7はCys、Ile、Leu、Val、Phe、D−Ile又はD−Cysであり;
X8はIle、Arg、Phe、Gln、Lys、Glu、Val、Leu又はD−Ileであり;
X9はPhe又はbhPheであり;
X10はLys、Phe又は存在しない。
いくつかの実施形態において、式I’の化合物は式Ib’のX’:
X1−Thr−His−X4−X5−X6−X7−X8−Phe−X10(Ib’)
を含み、
X1はAsp、Ida、pGlu、bhAsp 又は存在せず;;
X4はPhe又はDpaであり;
X5はPro又はbhProであり;
X6はIle、Cys又はArg;
X7はCys、Ile、Leu又はVal;
X8はIle、Lys、Glu、Phe、Gln又はArg;及び
X10はLys又は存在しない。
いくつかの実施形態において、式I’の化合物は式Ic’のX’ペプチド:
X1−Thr−His−X4−X5−Cys−Ile−X8−Phe−X10 (Ic’)
を含み、
式中、
X1はAsp、Ida、pGlu、bhAsp又は存在せず;
X4はPhe又はDpaであり;
X5はPro又はbhProであり;
X8はIle、Lys、Glu、Phe、Gln又はArgであり;及び
X10はLys又は存在しない。
いくつかの実施形態において、式I’の化合物は式IIb’のY’ペプチド:
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10(IIb’)
を含み、
式中、
Y1はGly、Ala、Lys、Pro又はD−Proであり;
Y2はPro、Ala、又はGlyであり;
Y3はArg、Ala、Lys又はTrpであり;
Y4はSer、Gly又はAlaであり;
Y5はLys、Met、Arg又はAlaであり;
Y6はGly、Arg又はAlaであり;
Y7はTrp又はAlaであり;
Y8はVal、Thr、Ala又はGluであり;及び
Y10はMet、Lys又は存在しない。
いくつかの実施形態において、式I’の化合物は式IIc’のY’ペプチド:
Y1−Y2−Y3−Ser−Lys−Gly−Trp−Y8−Cys−Y10 (IIc’)
を含み、
式中、
Y1はGly、Pro又はD−Proであり;
Y2はPro又はGlyであり;
Y3はArg又はLysであり;
Y8はVal又はThrであり;及び
Y10はMet、Lys又は存在しない。
いくつかの実施形態において、式I’の化合物は式IId’のY’ペプチド:
Cys−Y3−Y4−Arg−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IId’)
を含み、
式中、
Y1−Cys−Y3−Y4−Arg−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IId’)(配列番号:19)
を有するペプチドであり、
式中、
Y1はVal又はAla又は存在せず;
Y3はGly、Pro又は存在せず;
Y4はHis、Trp又はTyrであり;
Y6はSer、Gly又はProであり;
Y7はIle、Gly又はLysであり;
Y8はGly、Met又は存在せず;
Y10はTyr又はCysであり;
Y11はArg、Lys、Met又はAlaであり;
Y12はArg又はAlaであり;
Y13はCys又はVal又は存在せず;
Y14はCys、Lys、Pro、Arg、Thr又は存在せず;及び
Y15はArg、Thr又は存在しない。
いくつかの実施形態において、式I’の化合物は式IIe’のY’ペプチド:
Val−Cys−Y3−His−Arg−Y6−Y7−Y8−Cys−Tyr−Arg−Y12−Y13−Y14−Y15(IIe’)
を含み、
式中、
Y3はGly又は存在せず;
Y6はSer又はProであり;
Y7はIle又はLysであり;
Y8はGly又は存在せず;
Y12はArg又はAlaであり;
Y13はCys、Val又は存在せず;
Y14はCys、Arg、Thr又は存在せず;及び
Y15はArg又は存在しない。
いくつかの実施形態において、本発明は単離及び/または精製され得る、以下の構造式:
”−X”−Y”−R”(I”)(配列番号:27)
を含む、から本質的に成る、又はから成る、ペプチド又はその薬剤的に許容される塩又は溶媒を提供し、
式中、
’はN末端に付加された、水素、C−Cアルキル、C−C12アリール、C−C12アリール、C−Cアルキル、C−C20アルカノイル(例えば、メチル、アセチル、ホルミル、ベンゾイル又はトリフルオロアセチル、イソ吉草酸、イソ酪酸、オクタン酸、ラウリン酸及びヘキサデカン酸)、γ−Glu−ヘキサデカン酸)又はpGlu、及び単独で、又は上記のいずれかのスペーサーとしてペグ化バージョンを包含し;
’は−NH又は−OHであり;
X’は式Ia’
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Ia’)(配列番号:13)
を有するペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leu又は存在せず;
X2はThr、Ala、Aib、D−Thr、Arg又は存在せず;
X3はHis、Ala、D−His又はLysであり;
X4はPhe、Ala、Dpa、bhPhe又はD−Pheであり;
X5はPro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abu又は存在せず;
X6はIle、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、SerまたはAlaであり;
X7はCys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−Ile又はD−Cysであり;
X8はIle、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、又はDapaであり;
X9はPhe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPhe又はD−Pheであり;及び
X10はLys、Phe又は存在しない;
Y’が存在しない場合、X7はIleである。
いくつかの実施形態において、式I’の化合物はR1’、X’、又はY’がペグ化される。
いくつかの実施形態において、式I’の化合物は2つ以上のシステイン残基を含み、少なくとも2つの前記システイン残基がジスフィルド結合を介し結合される。
いくつかの実施形態において、式I’の化合物は水素、イソ吉草酸、イソ酪酸又はアセチルであるRを含む。
いくつかの実施形態において、式I’の化合物は本明細書に記載の式Ia”に従ったX”ペプチドを含み、
式中、
X1はAsp、Ala、Ida、pGlu、bhAsp、Leu、D−Asp又は存在せず;
X2はThr、Ala、又はD−Thrであり;
X3はHis、Lys、D−His又はLysであり;
X4はPhe、Ala、又はDpaであり;
X5はPro、Gly、Arg、Lys、Ala、D−Pro又はbhProであり;
X6はIle、Cys、Arg、Lys、D−Ile又はD−Cysであり;
X7はCys、Ile、Leu、Val、Phe、D−Ile又はD−Cysであり;
X8はIle、Arg、Phe、Gln、Lys、Glu、Val、Leu又はD−Ileであり;
X9はPhe又はbhPheであり;
X10はLys又は存在しない。
いくつかの実施形態において、式I’の化合物は式Ib”のX”ペプチド:
X1−Thr−His−X4−X5−X6−X7−X8−Phe−X10(Ib”)
を含み、
式中、
X1はAsp、Ida、pGlu、bhAsp又は存在せず;
X4はPhe又はDpaであり;
X5はPro又はbhProであり;
X6はIle、Cys又はArgであり;
X7はCys、Ile、Leu又はValであり;
X8はIle、Lys、Glu、Phe、Gln又はArg;及び
X10はLys、Phe又は存在しない。
いくつかの実施形態において、式I’の化合物は式Ic”のX”ペプチド:
X1−Thr−His−X4−X5−Cys−Ile−X8−Phe−X10 (Ic”)
を含み、
式中、
X1はAsp、Ida、pGlu、bhAsp又は存在せず;
X4はPhe又はDpaであり;
X5はPro又はbhProであり;
X8はIle、Lys、Glu、Phe、Gln又はArgであり;及び
X10はLys又は存在しない。
いくつかの実施形態において、式I’の化合物は式IIa’のY”ペプチド:
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10 (IIa”)(配列番号:25)
を含み、
式中、
Y1はGly、Ala、Lys、Pro又はD−Proであり;
Y2はPro、Ala、又はGlyであり;
Y3はArg、Ala、Lys又はTrpであり;
Y4はSer、Gly又はAlaであり;
Y5はLys、Met、Arg又はAlaであり;
Y6はGly、Arg又はAlaであり;
Y7はTrp、Ala、又は存在せず;
Y8はVal、Thr、Lys、Ala、Glu又は存在せず;及び
Y10はMet、Lys又は存在しない。
いくつかの実施形態において、式I’の化合物は式IIb’のY”ペプチド:
Y1−Y2−Y3−Ser−Lys−Gly−Trp−Y8−Cys−Y10 (IIb”)
を含み、
式中、
Y1はGly、Pro又はD−Proであり;
Y2はPro,Gly;
Y3はArg,Lys;
Y8はVal又はThrであり;及び
Y10はMet、Lys又は存在しない。
関連する実施形態において、本発明は本発明のいずれかのペプチドの二量体、例えば、ホモ二量体を含む。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチド又は二量体はヘプシジン活性を示す。 いくつかの実施形態において、ペプチド又は二量体は、フェロポーチン、例えばヒトフェロポーチンと結合する。
いくつかの実施形態において、本発明は、フェロポーチンと結合するかまたはフェロポーチン内部移行および分解を引き起こす方法を提供し、この方法は、フェロポーチンを本明細書に開示する少なくとも1つのペプチド、二量体、または組成物に接触させることからなる。
いくつかの実施形態において、本発明は、ここに開示の少なくとも1つのペプチドまたはペプチド二量体からなる組成物および薬物を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に開示する少なくとも1つのペプチドまたは二量体からなる、鉄代謝の疾患、例えば鉄過剰症を治療するための薬物を製造する方法を提供する。
さらに本発明は、哺乳類の対象、例えばヒト対象などの対象における鉄代謝の病気を治療するための方法を提供し、この方法は、本明細書に開示する少なくとも1つのペプチド、二量体、または組成物を対象に投与することからなる。
いくつかの実施形態において、ペプチド又は二量体を治療的有効量で投与する。いくつかの実施形態において、鉄代謝障害は鉄過剰症である。
いくつかの実施形態において、本発明は本発明のペプチド又はペプチド二量体を合成的に製造する方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は本発明のペプチド又はペプチド二量体を組換え的に製造する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は本明細書に記載のペプチド類似体(例えば、本発明のペプチド又は二量体)、又は薬剤的に許容されるその塩若しくは溶媒和物と、1又は複数の、本明細書に記載のペプチド類似体(例えば、本発明のペプチド又は二量体)若しくは薬剤的に許容されるその塩若しくは溶媒和物と、薬剤的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む、医薬組成物を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に開示する化合物又は医薬組成物を製造する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、ペプチド類似体を対象に送達するための、少なくとも1つのペプチド類似体(例えば、本発明のペプチド又は二量体)又は薬剤的に許容されるその塩または溶媒和物からなる装置を提供する。
試薬、装置、説明資料、またはその組合せと共に梱包された本明細書に開示する少なくとも1つのペプチド、ペプチドアナログ、ペプチド二量体、または組成物からなるキットを提供する。
本発明は、試薬、装置、指示書、またはその組合せと共に同梱された本明細書に開示する少なくとも1つのペプチド、二量体、または組成物からなるキットを提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、フェロポーチン、例えばヒトフェロポーチン、または本明細書に開示するペプチドに特異的に結合する抗体などの抗体、Hep25、またはその組合せに結合した、本明細書に開示する少なくとも1つのペプチドまたは二量体からなる複合体を提供する。
前述の一般的説明および以下の詳細な説明の両方は単に例示および説明であり、特許請求される本発明のさらなる説明を提供することを意図する。
添付図面は本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本発明のいくつかの実施形態を例示し、説明と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。
図1はヒトフェロポーチンタンパク質の分解の誘導を測定するin vitro活性アッセイの結果を示す。ヘプシジン及びミニヘプシジン対照に対する化合物No.1の用量反応曲線を示す。 図2は、ビヒクルへの動物曝露、化合物No. 2及び参照化合物RIミニヘプシジンに続く血清鉄における経時変化を示す。応答は初期(t=0)レベルに標準化される。 図3は、化合物No.2と同様の時点0、30、60、120、240及び360分で参照化合物RI−ミニヘプシジンで測定されたビヒクル対照への血清鉄の相対的な減少を示す。100%は、ビヒクルで治療した動物における鉄血清の測定された平均レベルを表す。 図4は本発明の選択されたペプチド及びヘプシジンのin vivoで血清鉄を減少する能力を示す。 図5は、本発明の選択されたペプチド及びヘプシジンのin vitroで血清鉄を減少する能力の用量応答を示す。 図6は、本発明の選択されたペプチド及びヘプシジンの選択されたペプチドのin vivoで血清鉄を減少する能力についてのPK/PD効果を示す。ヘプシジン及び化合物#181を伴う300nmol/kgの治療については、唯一の時点をt=120分で取った。t=120分の点でヘプシジン応答と化合物#181の1000nmol/kgのプロットがオーバーラップしたので、ヘプシジン応答はこのグラフで明瞭に見られなかった。化合物#181の300nmol/kgの単一のデータポイントは、ヘプシジン点上に直接位置する。 図7はペプチドを二量化させるためにしようしたリンカーの選択された例を示す。
別途定義しない限り、本願で用いる科学および専門用語は、当業者に通常理解される意味を有する。通常、本明細書に記載の化学、分子生物学、細胞と癌生物学、免疫学、微生物学、薬理学、およびタンパク質と核酸化学に関連して、またその手法において用いる命名法は、周知かつ通常当該技術分野で用いられるものとする。
本願で引用した全ての刊行物、特許及び公開特許出願は、特に参考として本明細書に取り込むものとする。矛盾が生じる場合には、その特定の定義を含め本明細書の内容が優先する。
本明細書に記載の本発明の各実施態様は単独または1つまたは複数の本発明の実施態様と組み合わせてよい。
定義
本明細書全体を通して、用語「からなる(compriseまたはそのバリエーションであるcomprisesもしくはcomprising)」は、提示の整数(もしくは成分)または整数(もしくは成分)群を含めることを意味するものであって、他の整数(もしくは成分)または整数(もしくは成分)群の除外を意味するものではないと理解される。
単数形「a」、「an」および「the」は、本明細書において別途明示しない限り、複数形の指示対象をも含むものとする。
用語「含む(including)」は、「〜を含むが、〜に限られない」との意味で用いられる。「含む」および「〜を含むが、〜に限られない」は、互換的に用いる。
用語「患者(patient)」「対象/被検者/対象(subject)」および「個体(individual)」は互換的に用いてよく、かつヒトまたは非ヒト動物のいずれかを指す。これらの用語には、ヒト、霊長類、家畜(例えば、ウシ、ブタ)、コンパニオンアニマル(例えば、イヌ、ネコ)および齧歯類(例えば、マウスおよびラット)などの哺乳類が含まれる。
用語「式(I)」は、本明細書において用語「式I」(すなわち、括弧が無い)と互換的に用いる。用語「式(I’)」は、本明細書において用語「式I’」(すなわち、括弧が無い) と互換的に用いる。用語「式(I”)」は、本明細書において用語「式I”」(すなわち、括弧が無い)と互換的に用いる。
本明細書で用いる、「配列同一性」、「同一性パーセント」、「ホモロジーパーセント」、または、例えば、「50%の同一性を有する配列」からなる、の列挙は、ヌクレオチド対ヌクレオチドを基準とするかまたはアミノ酸対アミノ酸を基準として比較窓を介して比較したときに配列が同一である、という同一程度を指す。したがって、「配列同一性のパーセンテージ」は、最適に並べた2つの配列を比較窓を介して比較し、同一の核酸塩基(例えば、A、T、C、G、I)または同一のアミノ酸残基(例えば、Ala、Pro、Ser、Thr、Gly、Val、Leu、Ile、Phe、Tyr、Trp、Lys、Arg、His、Asp、Glu、Asn、Gln、CysおよびMet)が生じる位置の数を両配列において決定して一致する位置の数を求め、比較窓内(すなわち、窓の大きさ以内)で一致する位置の数を全位置数で除し、その結果に100を乗じて配列同一性のパーセンテージを算出してよい.
配列間の配列類似性または配列同一性(ここで用語は互換的に用いる)は以下のように算出できる。2つのアミノ酸配列、または2つの核酸配列の同一性パーセントを求めるために、配列は比較に最適であるように並べることができる(例えば、ギャップは、1つかまたは両方の第一および第二アミノ酸または核酸配列に導入してアラインメントを最適にでき、また比較にあたって非相同配列は無視できる)。ある一定の実施態様において、比較目的で並べた参照配列の長さは、この参照配列の長さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、60%、さらに好ましくは少なくとも70%、80%、90%、および100%である。次いで対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置にあるアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第一の配列中のこの位置が、第二の配列中の対応する位置で同じアミノ酸残基またはヌクレオチドに占められていれば、その分子はこの位置で同一である。
2つの配列間の同一性パーセントは、2つの配列のアラインメントを最適にするために導入を要するギャップの数および各ギャップの長さを考慮にいれた、これら配列で共通の、同一性を示す位置の数の、関数である。
配列の比較および2つの配列の同一性パーセントの算出は数学的アルゴリズムを用いて行うことができる。いくつかの実施形態において、2つのアミノ酸配列間の同一性パーセントは、GCGソフトウエアパッケージ内GAPプログラムに組み込まれたNeedlemanおよびWunsch(1970, J. Mol. Biol. 48: 444−453)のアルゴリズムで、Blossum 62 matrixまたはPAM250 matrixのどちらか、およびギャップ重量16、14、12、10、8、6、または4および長さ重量1、2、3、4、5、または6を用いて算出する。さらに別の好ましい実施態様において、2つのヌクレオチド配列の同一性パーセントは、GCGソフトウエアパッケージ内GAPプログラムで、NWSgapdna.CMPマトリックスおよびギャップ重量40、50、60、70、または80および長さ重量1、2、3、4、5、または6を用いて求める。また別の典型的なパラメーターセットとしては、ギャップペナルティ12、ギャップ伸長ペナルティ4、およびフレームシフトギャップペナルティ5のBlossum62スコアリングマトリックスがあげられる。2つのアミノ酸またはヌクレオチド配列間の同一性パーセントはALIGNプログラム(バージョン 2.0)に組み込まれたE. MeyersおよびW. Miller (1989, Cabios, 4: 11−17) のアルゴリズムで、PAM120重み残基表、ギャップ長さペナルティ12およびギャップペナルティ4を用いて求められる。
本明細書に記載のペプチド配列は、「クエリー配列」として用いて公開データベースに対して検索し、例えばその他ファミリーメンバーまたは関連配列を同定することができる。こうした検索はAltschulら(1990, J. Mol. Biol, 215: 403−10)のNBLASTおよびXBLASTプログラム(バージョン 2.0)を用いて行うことができる。BLASTヌクレオチド検索をNBLASTプログラム(スコア =100、語長=12)を用いて行って本発明の核酸分子に相同なヌクレオチド配列を得ることができる. BLASTタンパク質検索をXBLAST プログラム(スコア=50、語長= 3)を用いて行って本発明のタンパク質分子に相同なアミノ酸配列を得ることができる。比較目的でギャップありアラインメントを行うためには、Altschulら(Nucleic Acids Res. 25: 3389−3402, 1997)に記載されるように、ギャップありBLASTを利用できる。BLASTおよびギャップありBLASTプログラムを用いる場合、それぞれのプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメータを用いることができる。
本明細書で用いる、用語「薬剤的に許容される塩」は、問題の塩を投与する患者または対象に害のない塩を示すことを意図する。酸付加塩および塩基性塩などから選ばれる塩が好適であろう。酸付加塩の例としては、塩化物塩、クエン酸塩および酢酸塩があげられる。塩基性塩の例としては、カチオンが、ナトリウムまたはカリウムイオンなどのアルカリ金属カチオン、カルシウムまたはマグネシウムイオンなどのアルカリ土類金属カチオン、およびN(R1)(R2)(R3)(R4)+タイプのイオンなどの置換アンモニウムイオン(ここでR1、R2、R3およびR4は個々に典型的には水素を指し、必要に応じて置換C1−6−アルキルまたは必要に応じて置換C2−6−アルケニルを指す)から選択される塩があげられる。C1−6−アルキル基の例としては、メチル、エチル、1−プロピルおよび2−プロピル基があげられる。C2−6−アルケニル基の考え得る適当な例としては、エテニル、1−プロペニルおよび2−プロペニルがあげられる。薬剤的に許容される塩の他の例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」, 17th edition、Alfonso R. Gennaro (Ed.), Mark Publishing Company, Easton, PA, USA, 1985(およびより最近の版)、「Encyclopaedia of Pharmaceutical Technology」, 3rd edition, James Swarbrick (Ed.), Informa Healthcare USA (Inc.), NY, USA, 2007, および J. Pharm. Sci. 66: 2 (1977)に記載がある。さらに、適当な塩について調べるなら、Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use by Stahl and Wermuth (Wiley−VCH, 2002)を参照されたい。その他適当な塩基性塩は、無毒性塩を形成する塩基より形成される。代表的な例として、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン、および亜鉛塩があげられる。半硫酸塩および半カルシウム塩などの、酸および塩基の半塩も形成してよい。非経口投与に好適な本発明において用いられる組成物は、通常、塩化ナトリウム、グリセリン、グルコース、マンニトール、ソルビトールなどを用いて好ましくはレシピエントの血液と等張に調製される、滅菌水溶液及び/又は医薬的有効成分の懸濁液からなってよい。薬剤的に許容される酸付加塩の調製に好適な有機酸の例としては、これに限られないが、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、りんご酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、パルミチン酸、安息香酸、3‐(4‐ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、アルキルスルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2‐エタン‐ジスルホン酸、2‐ヒドロキシエタンスルホン酸など)、アリールスルホン酸(例えば、ベンゼンスルホン酸、4‐クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4‐トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸など)、4‐メチルビシクロ(2.2.2)‐オクト‐2‐エン‐1‐カルボン酸、グルコヘプトン酸、3‐フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert‐ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などがあげられる。
本発明において、用語「溶媒和物」は、溶質(この場合、本発明によるペプチド類似体または薬剤的に許容されるその塩)と溶媒とで形成される化学量論定義の複合体を指す。これに関連する溶媒は例えば、水、エタノールまたは薬剤的に許容される典型的には低分子量の有機種であり、例えば、これに限らないが、酢酸または乳酸であってよい。問題の溶媒が水である場合、そのような溶媒和物は通常水和物と称する。
本発明において用いられる、用語 「アゴニスト」は、フェロポーチンタンパク質の内部移行を起こす物質(リガンド)を指す。
本明細書で用いる、「鉄代謝の疾患」には、異常な鉄代謝が直接引き起こす疾患、または血中鉄分レベルが調節不全で引き起こされる疾患、または鉄分の調節不全が別の疾患の原因となる疾患、または鉄分レベルを調節することで治療できる疾患などが含まれる。より具体的には、本開示に記載の鉄代謝の疾患の例として、鉄過剰症、鉄欠乏性障害、鉄体内分布の障害、鉄代謝のその他障害および鉄代謝に関連する可能性があるその他障害などがあげられる。鉄代謝の疾患としては、ヘモクロマトーシス、HFE変異ヘモクロマトーシス、フェロポーチン変異ヘモクロマトーシス、トランスフェリン受容体2変異ヘモクロマトーシス、ヘモジュベリン変異ヘモクロマトーシス、ヘプシジン変異ヘモクロマトーシス、若年性ヘモクロマトーシス、新生児ヘモクロマトーシス、ヘプシジン欠乏、輸血鉄過剰症、サラセミア、中間型サラセミア、アルファサラセミア、鉄芽球性貧血、ポルフィリン症、晩発性皮膚ポルフィリン症、アフリカ鉄過剰症、高フェリチン血症、セルロプラスミン欠乏症、トランスフェリン欠乏症、先天性赤血球異形成貧血、慢性障害による貧血、炎症による貧血、感染による貧血、低血色素小赤血球性貧血、鉄−欠乏性貧血、鉄剤不応性鉄欠乏性貧血、慢性腎臓病による貧血、エリスロポエチン抵抗性、肥満症による鉄欠乏、その他貧血、ヘプシジンを過剰生産するかまたはその過剰生産を引き起こす良性または悪性腫瘍、ヘプシジン過剰をともなう状態、フリードライヒ失調症、GRACILE 症候群、ハラーホルデン・スパッツ症候群、ウィルソン病、肺血鉄症、肝細胞癌、癌、肝炎、肝臓の肝硬変、異食症、慢性腎不全、インスリンン抵抗性、糖尿病、アテロスクレローゼ、神経変性障害、多発性硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病およびアルツハイマー病があげられる。
いくつかの実施形態において、疾患および障害は、鉄ヘモクロマトーシス、HFE変異ヘモクロマトーシス、フェロポーチン変異ヘモクロマトーシス、トランスフェリン受容体2変異ヘモクロマトーシス、ヘモジュベリン変異ヘモクロマトーシス、ヘプシジン変異ヘモクロマトーシス、若年性ヘモクロマトーシス、新生児ヘモクロマトーシス、ヘプシジン欠乏、輸血鉄過剰症、サラセミア、中間型サラセミア、アルファサラセミアなどの鉄過剰症に関連する。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチドを、典型的には鉄に関連するとはみなされない疾患および障害の治療に用いる。例えば、ヘプシジンはマウスの膵臓において高発現することから、潜在的な鉄代謝障害を治療することで、糖尿病(I型またはII型)、インスリン抵抗性、グルコース不耐性および他障害が改善する可能性が示唆される。ここに参考として組み込んだIlyin, G. et al., (2003) FEBS Lett. 542 22−26を参照されたい。このように、本発明のぺプチドは、こうした疾患や病態の治療に用いてもよい。ここに参考として組み込んだ国際公開第2004092405号のアッセイおよびここに参考として組み込んだ米国特許第7,534,764に記載の当該技術分野で周知のヘプシジン、ヘモジュベリン、または鉄濃度や発現をモニターするアッセイなどの当該技術分野で周知の方法によって、本発明のペプチドを用いて所定の疾患を治療できるかどうかは、当業者であればたやすく判断できる。
本発明の一定の実施態様において、鉄代謝の疾患は、遺伝性ヘモクロマトーシス、鉄付加性貧血、アルコール性肝障害およびC型慢性肝炎を含む、鉄過剰症である.
本明細書で用いる、用語「タンパク質」、「ポリペプチド」および「ペプチド」は互換的に用いて2つかそれ以上のアミノ酸が連結したものを指す。特に記載のない限り、例えば、ここに記載のまれであるかまたは人為的なアミノ酸の略称には、当該技術分野で使用される3文字および1文字略称を用いてアミノ酸残基を表す。「D−」が接頭語にくる場合を除いて、アミノ酸はL−アミノ酸である。アミノ酸の略称群または列を用いてペプチドを表す。特に記載の無い限り、ペプチドは、N末端を左側、配列はN末端からC末端へと表記する。
本発明において用語「ペプチド類似体」は、その第一のペプチド部分が直接または化学的部分の連結を介して(すなわち架橋または間隔を空けて)、第二のペプチド部分に共有化学結合によって付加(すなわち、結合または連結)している、分子を指す。ある一定の実施態様において、ペプチド類似体は、Xペプチド配列およびYペプチド配列からなる本明細書に記載のペプチドである。ある一定の実施態様において、ペプチド類似体は、X’ペプチド配列およびY’ペプチド配列からなる本明細書に記載のペプチドである。ある一定の実施態様において、ペプチド類似体は、X”ペプチド配列およびY”ペプチド配列からなる本明細書に記載のペプチドである。ある一定の実施態様において、ペプチド類似体は、さらに別の化学的部分にコンジュゲートしたXペプチド配列及び/又はYペプチド配列からなる本明細書に記載のペプチドである。ある一定の実施態様において、ペプチド類似体は、さらに別の化学的部分にコンジュゲートしたX’ペプチド 配列及び/又はY’ペプチド配列からなる本明細書に記載のペプチドである。ある一定の実施態様において、ペプチド類似体は、さらに別の化学的部分にコンジュゲートしたX”ペプチド配列及び/又はY”ペプチド配列からなる本明細書に記載のペプチドである。本明細書に記載の本発明のペプチドは、ペプチド類似体である。ペプチド類似体にはさらに本明細書に記載のペプチド二量体のいずれかが含まれる。
本発明のペプチドおよびペプチド二量体は、化合物またはペプチド類似体とも称される。
本明細書で用いる用語「保存的置換」は、1つまたは複数のアミノ酸を別の生物学的に同様な残基で置き換えることを意味する。この例として、同様な特性を有するアミノ酸残基、例えば、小アミノ酸、酸性アミノ酸、極性アミノ酸、塩基性アミノ酸、疎水性アミノ酸および芳香族アミノ酸との置換があげられる。例として下記表を参照されたい。本発明のいくつかの実施形態において、1つまたは複数のMet残基を、その生物学的等価体であるが、Metとは対照的にたやすく酸化されないノルロイシン(Nle)と置換する。内在性の哺乳類ペプチドおよびタンパク質には通常見られない残基との保存的置換の別の例は、ArgまたはLysと、例えばオルニチン、カナバニン、アミノエチルシステインまたは別の塩基性アミノ酸との保存的置換がある。いくつかの実施形態において、本発明のペプチド類似体の1つまたは複数のシステインは、セリンなど別の残基で置換してよい。ペプチドおよびタンパク質における表現型的にサイレントな置換に関する更なる情報については、例えばBowie et. al., Science 247, 1306−1310, 1990を参照されたい。下記スキームに、アミノ酸の保存的置換を物理化学的な性質別にグループ分けする。I:中性、親水性、II:酸およびアミド、III:塩基性、IV:疎水性、V:芳香性、大型アミノ酸
下記スキームに、アミノ酸の保存的置換を物理化学的な性質別にグループ分けする。VI:中性または疎水性、VII:酸性、VIII:塩基性、IX:極性、X:芳香性
ある一定の実施態様において、本発明は鉄代謝の疾患の研究および治療に有用なペプチドを提供する。
本明細書全体を通じて、自然発生するアミノ酸をそのフルネーム(例えばアラニン、アルギニンなど)で示さない限り、それらアミノ酸は、従来の3文字または1文字の省略形(例えばアラニンをAlaまたはA、アルギニンをArgまたはRなど)にて示す。まれであるかまたは自然発生しないアミノ酸の場合、これらアミノ酸をそのフルネーム(例えば、サルコシン、オルニチンなど)で示さない限り、頻繁に採用される3文字または4文字コード、例えばSarまたはSarc(サルコシン、すなわちN−メチルグリシン)、Aib(α−アミノイソ酪酸)、Dab(2,4‐ジアミノブタン酸)、Dapa(2,3‐ジアミノプロパン酸)、γ‐Glu(γ−グルタミン酸)、Gaba(γ−アミノブタン酸)、β−Pro(ピロリジン‐3‐カルボン酸)、および8Ado(8‐アミノ‐3,6‐ジオキサオクタン酸)、Abu(4‐アミノ酪酸)、bhPro(β−ホモプロリン)、bhPhe(β−ホモフェニルアラニン)およびDpa(β,βジフェニルアラニン)、およびIda(イミノ二酢酸)を用いて示す。
当業者には自明であるが、本明細書に開示するペプチド配列は、左から右に、配列の左端がペプチドのN末端および配列の右端がペプチドのC末端として示す。本明細書に開示する配列には、配列のアミノ末端(N末端)に「Hy−」部分を組み込んだ配列および配列のカルボキシ末端(C末端)に「−OH」部分または「−NH」部分を組み込んだ配列がある。このような場合および特に記載のない限り、問題の配列のN末端にある「Hy−」部分は、水素原子[例えば、それぞれR、R’またはR”=式I、I’またはI”の水素(Hy−)であり、N末端に存在する遊離第一または第二アミノ基に対応する]を示し、ここで配列のC末端の「−OH」または「−NH」部分は、水酸基[例えば、それぞれR、R’またはR” =式I、I’またはI”のOHであり、C末端に存在するカルボキシ(COOH)基に対応する]を示し、またはアミノ基[例えば、それぞれR、R’またはR” = 式I、I’、またはI”のNHであり、C末端に存在するアミド(CONH)基に対応する]。本発明の各配列において、C末端「−OH」部分はC末端「−NH」部分と置換してもよいし、その逆でもよい。さらに、R1、R1’またはR1”はすべての配列においてイソ吉草酸またはこれと同等のものと置換できる。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドは、例えばイソ吉草酸、イソ酪酸、吉草酸などの酸性化合物にコンジュゲートし、そのようなコンジュゲーションの存在についてはその酸性型を参照する。したがって、例えば、これらに限られることはないが、イソ吉草酸のペプチドDTHFPCIKFCK(配列番号215)へのコンジュゲーションをイソバレロイル(例えば、イソバレロイル−DTHFPCIKFCK [配列番号215])を参照して示す代わりに、いくつかの実施形態において、本願ではこのようなコンジュゲーションをイソ吉草酸− DTHFPCIKFCK(配列番号215)とする。特に記載のない限り、問題のアミノ酸のL−光学異性体型を参照する。適宜、アミノ酸のD−光学異性体型は、従来の3文字コードの前に接頭語「D」をつけて(例えば、DAspまたはD−Asp;DPheまたはD−Phe)、従来通りの方法で示す。
いくつかの実施形態において、本発明は単離及び/または精製され得る、以下の構造式:
−X−Y−R(I)(配列番号:12)
を含む、から本質的に成る、又はから成る、ペプチド又はその薬剤的に許容される塩又は溶媒を提供し、
式中、
は、N末端に付加された、水素、C−Cアルキル、C−C12アリール、C−C12アリール、C−Cアルキル、C−C20アルカノイル(例えば、メチル、アセチル、ホルミル、ベンゾイル又はトリフルオロアセチル、イソ吉草酸、イソ酪酸、オクタン酸、ラウリン酸及びヘキサデカン酸)、γ−Glu−ヘキサデカン酸)又はpGlu、及び単独で、又は上記のいずれかのスペーサーとしてペグ化バージョンを包含し;
’は−NH又は−OHであり;
X’は、式Ia’
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Ia’)(配列番号:1)
を有するペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leu又は存在せず;
X2はThr、Ala、Aib、D−Thr、Arg又は存在せず;
X3はHis、Lys、Ala又はD−Hisであり;
X4はPhe、Ala、Dpa、bhPhe又はD−Pheであり;
X5はPro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abu又は存在せず;
X6はIle、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、SerまたはAlaであり;
X7はCys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−Ile又はD−Cysであり;
X8はIle、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、又はDapaであり;
X9はPhe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPhe又はD−Pheであり;及び
X10はLys、Phe又は存在しない;
Y’は存在しない、又は
Y’は、式(IIa’)
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IIa’)(配列番号:5)
を有するペプチドであり、
式中、
Y1はGly、Cys、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Ser又は存在せず;
Y2はPro、Ala、Cys、Gly又は存在せず;
Y3はArg、Lys、Pro、Gly、His、Ala、Trp又は存在せず;
Y4はSer、Arg、Gly、Trp、Ala、His、Tyr又は存在せず;
Y5はLys、Met、Arg、Ala又は存在せず;
Y6はGly、Ser、Lys、Ile、Arg、Ala、Pro、Val又は存在せず;
Y7はTrp、Lys、Gly、Ala、Ile、Val又は存在せず;
Y8はVal、Thr、Gly、Cys、Met、Tyr、Ala、Glu、Lys、Asp、Arg又は存在せず;
Y9はCys、Tyr又は存在せず;
Y10はMet、Lys、Arg、Tyr又は存在せず;
Y11はArg、Met、Cys、Lys又は存在せず;
Y12はArg、Lys、Ala又は存在せず;
Y13はArg、Cys、Lys、Val又は存在せず;
Y14はArg、Lys、Pro、Cys、Thr又は存在せず;及び
Y15はThr、Arg又は存在せず;
式中、Yは、式(I)のペプチドに存在せず;
式中、式(I)の前記化合物は、R1’、X’、又はY’がペグ化されていてもよい。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物又はペプチドは2つ以上のシステイン残基を含み、少なくとも2つの前記システイン残基がジスフィルド結合を介し結合される。
いくつかの実施形態において、Xは本明細書に記載の式(Ia)に従ったペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leu又は存在せず;
X2はThr、Ala、Aib、D−Thr、Arg又は存在せず;
X3はHis、Lys、Ala、又はD−Hisであり;
X4はPhe、Ala、Dpa、又はbhPheであり;
X5はPro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abu又は存在せず;
X6はIle、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、SerまたはAlaであり;
X7はCys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−Ile又はD−Cysであり;
X8はIle、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、又はDapaであり;
X9はPhe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPhe又はD−Pheであり;及び
X10はLys、Phe又は存在しない。
いくつかの実施形態において、Xは本明細書に記載の式(Ia)に従ったペプチド配列であり、式中、
X1はAsp、Ala、Ida、pGlu、bhAsp、Leu、D−Asp又は存在せず;
X2はThr、Ala、又はD−Thrであり;
X3はHis、Lys、又はD−Hisであり;
X4はPhe、Ala、又はDpaであり;
X5はPro、Gly、Arg、Lys、Ala、D−Pro又はbhProであり;
X6はIle、Cys、Arg、Lys、D−Ile又はD−Cysであり;
X7はCys、Ile、Leu、Val、Phe、D−Ile又はD−Cysであり;
X8はIle、Arg、Phe、Gln、Lys、Glu、Val、Leu又はD−Ileであり;
X9はPhe又はbhPheであり;
X10はLys、Phe又は存在しない。
いくつかの実施形態において、Xは式(Ib)
X1−Thr−His−X4−X5−X6−X7−X8−Phe−X10(Ib)(配列番号:2)
を有するペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Ida、pGlu、bhAsp 又は存在せず;
X4はPhe又はDpaであり;
X5はPro又はbhProであり;
X6はIle、Cys又はArgであり;
X7はCys、Ile、Leu又はValであり;
X8はIle、Lys、Glu、Phe、Gln又はArgであり;及び
X10はLys、Phe又は存在しない。
いくつかの実施形態において、Xは本明細書に記載の式(Ib)に従ったペプチド配列であり、式中、
X1はAsp、Glu、Ida、pGlu、bhAsp又は存在せず;
X4はPhe又はDpaであり;
X5はPro又はbhProであり;
X6はIle、Cys又はArgであり;
X7はCys、Ile、Leu又はValであり;
X8はIle、Lys、Glu、Phe、Gln又はArgであり;及び
X10はLys又は存在しない。
いくつかの実施形態において、Xは式(Ic)
X1−Thr−His−X4−X5−Cys−Ile−X8−Phe−X10 (Ic)(配列番号:3)
を有するペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Glu、Ida、pGlu、bhAsp又は存在せず;
X4はPhe又はDpaであり;
X5はPro又はbhProであり;
X8はIle、Lys、Glu、Phe、Gln又はArgであり;及び
X10はLys又は存在しない。
いくつかの実施形態において、Xは式(Id)
X1−Thr−His−Phe−X5−Cys−Ile−X8−Phe−X10 (Id)(配列番号:4)
を有するペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Glu、又はIdaであり;
X4はPheであり;
X5はPro又はbhProであり;
X8はIle、Lys又はPheであり;及び
X10は存在しない。
いくつかの実施形態において、Yは式IIb
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10 (IIb)(配列番号:6)
を有するペプチド配列であり、
式中、
Y1はGly、Ala、Lys、Pro又はD−Proであり;
Y2はPro、Ala、又はGlyであり;
Y3はArg、Ala、Lys又はTrpであり;
Y4はSer、Gly又はAlaであり;
Y5はLys、Met、Arg又はAlaであり;
Y6はGly、Arg又はAlaであり;
Y7はTrp、Ala、又は存在せず;
Y8はVal、Thr、Lys、Ala、Glu又は存在せず;及び
Y10はMet、Lys又は存在しない。
いくつかの実施形態において、Yは本発明に記載の式(IIb)に従ったペプチド配列であり、
式中、
Y1はGly、Ala、Lys、Pro又はD−Proであり;
Y2はPro、Ala、又はGlyであり;
Y3はArg、Ala、Lys又はTrpであり;
Y4はSer、Gly又はAlaであり;
Y5はLys、Met、Arg又はAlaであり;
Y6はGly、Arg又はAlaであり;
Y7はTrp、Ala、又は存在せず;
Y8はVal、Thr、Lys、Ala、Glu又は存在せず;及び
Y10はMet、Lys又は存在しない。
いくつかの実施形態において、Yは式(IIc)
Y1−Y2−Y3−Ser−Lys−Gly−Trp−Y8−Cys−Y10 (IIc)(配列番号:7)
を有するペプチド配列であり、
式中、
Y1はGly、Pro又はD−Proであり;
Y2はPro又はGlyであり;
Y3はArg又はLysであり;
Y8はVal又はThrであり;及び
Y10はMet、Lys又は存在しない。
いくつかの実施形態において、Yは式(IId)
Y1−Cys−Y3−Y4−Arg−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IId)(配列番号:8)
を有するペプチド配列であり、
式中、
Y1はVal、Ala又は存在せず;
Y3はGly、Pro又は存在せず;
Y4はHis、Trp又はTyrであり;
Y6はSer、Gly又はProであり;
Y7はIle、Gly又はLysであり;
Y8はGly、Met又は存在せず;
Y10はTyr又はCysであり;
Y11はArg、Lys、Met又はAlaであり;
Y12はArg又はAlaであり;
Y13はCys又はVal又は存在せず;
Y14はCys、Lys、Pro、Arg、Thr又は存在せず;及び
Y15はArg、Thr又は存在しない。
いくつかの実施形態において、Yは式(IIe)
Val−Cys−Y3−His−Arg−Y6−Y7−Y8−Cys−Tyr−Arg−Y12−Y13−Y14−Y15(IIe)(配列番号:9)
を有するペプチド配列であり、
式中、
Y3はGly又は存在せず;
Y6はSer又はProであり;
Y7はIle又はLysであり;
Y8はGly又は存在せず;
Y12はArg又はAlaであり;
Y13はCys、Val又は存在せず;
Y14はCys、Arg、Thr又は存在せず;及び
Y15はArg又は存在しない。
いくつかの実施形態において、Yは式(IIf)
Y1−Pro−Y3−Ser−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10 (IIf)(配列番号:10)
を有するペプチド配列であり、
式中、
Y1はGly、Glu、Val、又はLysであり;
Y3はArg又はLysであり;
Y5はArg又はLysであり;
Y6はGly、Ser、Lys、Ile又はArgであり;
Y7はTrp又は存在せず;
Y8はVal、Thr、Asp、Glu又は存在せず;及び
Y10はLys又は存在しない。
いくつかの実施形態において、Yは式(IIg)
Y1−Pro−Y3−Ser−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10 (IIg)(配列番号:11)
を有するペプチド配列であり、
式中、
Y1はGlu又はLysであり;
Y3はArg又はLysであり;
Y5はArg又はLysであり;
Y6はGly、Ser、Lys、Ile又はArgであり;
Y7はTrp又は存在せず;
Y8はVal又は存在せず;及び
Y10はLys又は存在しない。
いくつかの実施形態において、式(I)のペプチドはYにおいて少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、又は少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個のY残基を含む。
いくつかの実施形態において、Y1からY3は存在し、Y4からY15は存在しない。
いくつかの実施形態において、Y1からY11は存在し、Y12からY15は存在しない。
いくつかの実施形態において、Y1からY10は存在し、Y11からY15は存在しない。
いくつかの実施形態において、Y8及びY15は存在しない。
いくつかの実施形態において、Y3及びY15は存在しない。
いくつかの実施形態において、Y3、Y14及びY15は存在しない。
いくつかの実施形態において、Y5 は存在しない。
いくつかの実施形態において、Y1、Y5、Y7、Y12、Y13、Y14及びY15は存在しない。
いくつかの実施形態において、Y1、Y5、及びY7は存在しない。いくつかの実施形態において、Y8は存在しない。いくつかの実施形態において、Y3は存在しない。いくつかの実施形態において、Y1、Y5、Y7及びY11〜Y15は存在しない。いくつかの実施形態において、Y8及びY11〜Y15は存在しない。いくつかの実施形態において、Y3及びY11〜Y15は存在しない。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)の化合物を提供するが、該化合物は以下の表1に示すいずれかのX/Yペプチド配列式の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、本発明は単離及び/または精製され得る、以下の構造式:
’−X’−Y’−R’(I’)(配列番号:21)
を含む、から本質的に成る、又はから成る、ペプチド又はその薬剤的に許容される塩又は溶媒を提供し、
式中、
’は、N末端に付加された、水素、C−Cアルキル、C−C12アリール、C−C12アリール、C−Cアルキル、C−C20アルカノイル(例えば、メチル、アセチル、ホルミル、ベンゾイル又はトリフルオロアセチル、イソ吉草酸、イソ酪酸、オクタン酸、ラウリン酸及びヘキサデカン酸)、γ−Glu−ヘキサデカン酸)又はpGlu、及び単独で、又は上記のいずれかのスペーサーとしてペグ化バージョンを包含し;
’は−NH又は−OHであり;
X’は、式Ia’
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Ia’)(配列番号:13)
を有するペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leu又は存在せず;
X2はThr、Ala、Aib、D−Thr、Arg又は存在せず;
X3はHis、Lys、Ala又はD−Hisであり;
X4はPhe、Ala、Dpa、bhPhe又はD−Pheであり;
X5はPro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abu又は存在せず;
X6はIle、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、SerまたはAlaであり;
X7はCys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−Ile又はD−Cysであり;
X8はIle、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、又はDapaであり;
X9はPhe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPhe又はD−Pheであり;及び
X10はLys、Phe又は存在しない;
Y’が存在しない場合、X7はIleであり;及び
Y’は、式(IIa’)
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IIa’)(配列番号:16)
を有するペプチドであり、
式中、
Y1はGly、Cys、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Ser又は存在せず;
Y2はPro、Ala、Cys、Gly又は存在せず;
Y3はArg、Lys、Pro、Gly、His、Ala、Trp又は存在せず;
Y4はSer、Arg、Gly、Trp、Ala、His、Tyr又は存在せず;
Y5はLys、Met、Arg、Ala又は存在せず;
Y6はGly、Ser、Lys、Ile、Arg、Ala、Pro、Val又は存在せず;
Y7はTrp、Lys、Gly、Ala、Ile、Val又は存在せず;
Y8はVal、Thr、Gly、Cys、Met、Tyr、Ala、Glu、Lys、Asp、Arg又は存在せず;
Y9はCys、Tyr又は存在せず;
Y10はMet、Lys、Arg、Tyr又は存在せず;
Y11はArg、Met、Cys、Lys又は存在せず;
Y12はArg、Lys、Ala又は存在せず;
Y13はArg、Cys、Lys、Val又は存在せず;
Y14はArg、Lys、Pro、Cys、Thr又は存在せず;及び
Y15はThr、Arg又は存在せず;
式中、式I’の前記化合物は、R1’、X’、又はY’がペグ化されていてもよく;及び
式中、式I’の前記化合物が2つ以上のシステイン残基を含む場合、少なくとも2つの前記システイン残基がジスフィルド結合を介し結合する。
いくつかの実施形態において、R’は水素、イソ吉草酸、イソ酪酸又はアセチルである。
式(I’)のペプチド化合物のいくつかの実施形態において、X’は式(Ia’)に従ったペプチド配列であり、式中、
X1はAsp、Ala、Ida、pGlu、bhAsp、Leu、D−Asp又は存在せず;
X2はThr、Ala、又はD−Thrであり;
X3はHis、Lys、D−His又はLysであり;
X4はPhe、Ala、Dpa又はD−Pheであり;
X5はPro、Gly、Arg、Lys、Ala、D−Pro又はbhProであり;
X6はIle、Cys、Arg、Lys、D−Ile又はD−Cysであり;
X7はCys、Ile、Leu、Val、Phe、D−Ile又はD−Cysであり;
X8はIle、Arg、Phe、Gln、Lys、Glu、Val、Leu又はD−Ileであり;
X9はPhe又はbhPheであり;及び
X10はLys、Phe又は存在しない。
式I’のペプチド化合物のいくつかの実施形態において、X’は式(Ib’)
X1−Thr−His−X4−X5−X6−X7−X8−Phe−X10 (Ib’)(配列番号:14)
を有するペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Ida、pGlu、bhAsp 又は存在せず;
X4はPhe又はDpaであり;
X5はPro又はbhProであり;
X6はIle、Cys又はArgであり;
X7はCys、Ile、Leu又はValであり;
X8はIle、Lys、Glu、Phe、Gln又はArgであり;及び
X10はLys又は存在しない。
式I’のペプチド化合物のいくつかの実施形態において、X’は式(Ic’)
X1−Thr−His−X4−X5−Cys−Ile−X8−Phe−X10 (Ic’)(配列番号:15)
を有するペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Ida、pGlu、bhAsp 又は存在せず;
X4はPhe又はDpaであり;
X5はPro又はbhProであり;
X8はIle、Lys、Glu、Phe、Gln又はArgであり;及び
X10はLys又は存在しない。
式I’のペプチド化合物のいくつかの実施形態において、X’は式(Id’)
X1−Thr−His−Phe−X5−Cys−Ile−X8−Phe−X10 (Id’)(配列番号:4)
を有するペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Glu、又はIdaであり;
X4はPhe;
X5はPro又はbhProであり;
X8はIle、Lys又はPheであり;及び
X10は存在しない。
式I’のペプチド化合物のいくつかの実施形態において、Y’は式(IIb’)
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10 (IIb’)(配列番号:17)
を有するペプチド配列であり、
式中、
Y1はGly、Ala、Lys、Pro又はD−Proであり;
Y2はPro、Ala、又はGlyであり;
Y3はArg、Ala、Lys又はTrpであり;
Y4はSer、Gly又はAlaであり;
Y5はLys、Met、Arg又はAlaであり;
Y6はGly、Arg又はAlaであり;
Y7はTrp、Ala、又は存在せず;
Y8はVal、Thr、Lys、Ala、Glu又は存在せず;及び
Y10はMet、Lys又は存在しない。
式I’のペプチド化合物のいくつかの実施形態において、Y’は式(IIc’)
Y1−Y2−Y3−Ser−Lys−Gly−Trp−Y8−Cys−Y10 (IIc’)(配列番号:18)
を有するペプチド配列であり、
式中、
Y1はGly、Pro又はD−Proであり;
Y2はPro又はGlyであり;
Y3はArg又はLysであり;
Y8はVal又はThrであり;及び
Y10はMet、Lys又は存在しない。
式I’のペプチド化合物のいくつかの実施形態において、Y’は式(IId’)
Y1−Cys−Y3−Y4−Arg−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IId’)(配列番号:19)
を有するペプチド配列であり、
式中、
Y1はVal又はAla又は存在せず;
Y3はGly、Pro又は存在せず;
Y4はHis、Trp又はTyrであり;
Y6はSer、Gly又はProであり;
Y7はIle、Gly又はLysであり;
Y8はGly、Met又は存在せず;
Y10はTyr又はCysであり;
Y11はArg、Lys、Met又はAlaであり;
Y12はArg又はAlaであり;
Y13はCys又はVal又は存在せず;
Y14はCys、Lys、Pro、Arg、Thr又は存在せず;及び
Y15はArg、Thr又は存在しない。
式I’のペプチド化合物のいくつかの実施形態において、Y’は式(IIe’)
Val−Cys−Y3−His−Arg−Y6−Y7−Y8−Cys−Tyr−Arg−Y12−Y13−Y14−Y15(IIe’)(配列番号:20)
を有するペプチド配列であり、
式中、
Y3はGly又は存在せず;
Y6はSer又はProであり;
Y7はIle又はLysであり;
Y8はGly又は存在せず;
Y12はArg又はAlaであり;
Y13はCys、Val又は存在せず;
Y14はCys、Arg、Thr又は存在せず;及び
Y15はArg又は存在しない。
式I’のペプチド化合物のいくつかの実施形態において、Y’は式(IIf’)
Y1−Pro−Y3−Ser−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10 (IIf’)(配列番号:10)
を有するペプチド配列であり、
式中、
Y1はGly、Glu、Val、又はLysであり;
Y3はArg又はLysであり;
Y5はArg又はLysであり;
Y6はGly、Ser、Lys、Ile又はArgであり;
Y7はTrp又は存在せず;
Y8はVal、Thr、Asp、Glu又は存在せず;及び
Y10はLys又は存在しない。
式I’のペプチド化合物のいくつかの実施形態において、Y’は式(IIg’)
Y1−Pro−Y3−Ser−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10 (IIg’)(配列番号:11)
を有するペプチド配列であり、
式中、
Y1はGlu又はLysであり;
Y3はArg又はLysであり;
Y5はArg又はLysであり;
Y6はGly、Ser、Lys、Ile又はArgであり;
Y7はTrp又は存在せず;
Y8はVal又は存在せず;及び
Y10はLys又は存在しない.
いくつかの実施形態において、式(I)のペプチドはYにおいて少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、又は少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個のY残基を含む。
いくつかの実施形態において、Y1からY3は存在し、Y4からY15は存在しない。
いくつかの実施形態において、Y1からY11は存在し、Y12からY15は存在しない。
いくつかの実施形態において、Y1からY10は存在し、Y11からY15は存在しない。
いくつかの実施形態において、Y8及びY15は存在しない。
いくつかの実施形態において、Y3及びY15は存在しない。
いくつかの実施形態において、Y3、Y14及びY15は存在しない。
いくつかの実施形態において、Y5 は存在しない。
いくつかの実施形態において、Y1、Y5、Y7、Y12、Y13、Y14及びY15は存在しない。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I’)の化合物を提供し、該化合物は以下の表2に示すいずれかのX/Yペプチド配列式の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態において、本発明は単離及び/または精製され得る、以下の構造式:
”−X”−Y”−R”(I”)(配列番号:27)
を含む、から本質的に成る、又はから成る、ペプチド又はその薬剤的に許容される塩又は溶媒を提供し、
式中、
’はN末端に付加された、水素、C−Cアルキル、C−C12アリール、C−C12アリール、C−Cアルキル、C−C20アルカノイル(例えば、メチル、アセチル、ホルミル、ベンゾイル又はトリフルオロアセチル、イソ吉草酸、イソ酪酸、オクタン酸、ラウリン酸及びヘキサデカン酸)、γ−Glu−ヘキサデカン酸)又はpGlu、及び単独で、又は上記のいずれかのスペーサーとしてペグ化バージョンを包含し;
’は−NH又は−OHであり;
X’は式Ia’
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Ia’)(配列番号:13)
を有するペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leu又は存在せず;
X2はThr、Ala、Aib、D−Thr、Arg又は存在せず;
X3はHis、Ala、D−His又はLysであり;
X4はPhe、Ala、Dpa、bhPhe又はD−Pheであり;
X5はPro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abu又は存在せず;
X6はIle、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、SerまたはAlaであり;
X7はCys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−Ile又はD−Cysであり;
X8はIle、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、又はDapaであり;
X9はPhe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPhe又はD−Pheであり;及び
X10はLys、Phe又は存在しない;
Y’が存在しない場合、X7はIleであり;
式中、前記式I’の化合物は、R1’、X’、又はY’がペグ化されていてもよく;
式中、式I’の前記化合物が2つ以上のシステイン残基を含む場合、少なくとも2つの前記システイン残基がジスフィルド結合を介し結合する。
いくつかの実施形態において、Y”は存在しない。
いくつかの実施形態において、R”は水素、イソ吉草酸、イソ酪酸又はアセチルである。
式(I”)の化合物のいくつかの実施形態において、X”は式(Ia”)に従ったペプチド配列であり、式中、
X1はAsp、Ala、Ida、pGlu、bhAsp、Leu、D−Asp又は存在せず;
X2はThr、Ala、又はD−Thrであり;
X3はHis、Lys、又はD−Hisであり;
X4はPhe、Ala、又はDpaであり;
X5はPro、Gly、Arg、Lys、Ala、D−Pro又はbhProであり;
X6はIle、Cys、Arg、Lys、D−Ile又はD−Cysであり;
X7はCys、Ile、Leu、Val、Phe、D−Ile又はD−Cysであり;
X8はIle、Arg、Phe、Gln、Lys、Glu、Val、Leu又はD−Ileであり;
X9はPhe又はbhPheであり;及び
X10はLys又は存在しない。
式(I”)の化合物のいくつかの実施形態において、X”は式(Ib”)
X1−Thr−His−X4−X5−X6−X7−X8−Phe−X10 (Ib”)(配列番号:23)
を有するペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Ida、pGlu、bhAsp又は存在せず;
X4はPhe又はDpaであり;
X5はPro又はbhProであり;
X6はIle、Cys又はArgであり;
X7はCys、Ile、Leu又はValであり;
X8はIle、Lys、Glu、Phe、Gln又はArg;及び
X10はLys、Phe又は存在しない。
式(I”)の化合物のいくつかの実施形態において、X”は式(Ic”)
X1−Thr−His−X4−X5−Cys−Ile−X8−Phe−X10 (Ic”)(配列番号:24)
を有するペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Ida、pGlu、bhAsp又は存在せず;
X4はPhe又はDpaであり;
X5はPro又はbhProであり;
X8はIle、Lys、Glu、Phe、Gln又はArgであり;及び
X10はLys又は存在しない。
式(I”)の化合物のいくつかの実施形態において、X”は式(Id”)
X1−Thr−His−Phe−X5−Cys−Ile−X8−Phe−X10 (Id”)(配列番号:4)
を有するペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Glu、又はIdaであり;
X4はPhe;
X5はPro又はbhProであり;
X8はIle、Lys又はPheであり;及び
X10は存在しない。
式(I”)の化合物のいくつかの実施形態において、Y”は式(IIa”)
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10 (IIa”)(配列番号:25)
を有するペプチド配列であり、
式中、
Y1はGly、Ala、Lys、Pro又はD−Proであり;
Y2はPro、Ala、又はGlyであり;
Y3はArg、Ala、Lys又はTrpであり;
Y4はSer、Gly又はAlaであり;
Y5はLys、Met、Arg又はAlaであり;
Y6はGly、Arg又はAlaであり;
Y7はTrp、Ala、又は存在せず;
Y8はVal、Thr、Lys、Ala、Glu又は存在せず;及び
Y10はMet、Lys又は存在しない。
式(I”)の化合物のいくつかの実施形態において、Y”は式(IIa”)(配列番号:25)に従ったペプチド配列であり、
式中、
Y1はGly、Glu、Val、又はLysであり
Y2はProであり;
Y3はArg又はLysであり;
Y4はSerであり;
Y5はArg又はLysであり;
Y6はGly、Ser、Lys、Ile又はArgであり
Y7はTrp又は存在せず;
Y8はVal、Thr、Asp、Glu又は存在せず;
Y10はLys又は存在しない。
式(I”)の化合物のいくつかの実施形態において、Y”は式(IIa”)(配列番号:25)に従ったペプチド配列であり、
式中、
Y1はGlu又はLysであり;
Y2はProであり;
Y3はArg又はLysであり;
Y4はSer
Y5はArg又はLysであり;
Y6はGly、Ser、Lys、Ile又はArgであり;
Y7はTrp又は存在せず;
Y8はVal 又は存在せず;
Y10はLys又は存在しない。
式(I”)の化合物のいくつかの実施形態において、Y”は式(IIa”)(配列番号:25)に従ったペプチド配列であり、
式中、
Y1はGly、Pro又はD−Proであり;
Y2はPro又はGlyであり;
Y3はArg又はLysであり;
Y4はSerであり;
Y5はLysであり;
Y6はGlyであり;
Y7はTrpであり;
Y8はVal又はThrであり;及び
Y10はMet、Lys又は存在しない。
式(I”)の化合物のいくつかの実施形態において、Y”は式(IIb”)
Y1−Y2−Y3−Ser−Lys−Gly−Trp−Y8−Cys−Y10 (IIb”)(配列番号:26)
を有するペプチド配列であり、
式中、
Y1はGly、Pro又はD−Proであり;
Y2はPro又はGlyであり;
Y3はArg又はLysであり;
Y8はVal又はThrであり;及び
Y10はMet、Lys又は存在しない。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I”)の化合物を提供し、化合物は、下表3に示すX”/Y”ペプチド配列式の組合せのいずれかからなる。
いくつかの実施形態において、式(I”)のペプチドは、Y”における少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10のY残基からなる。いくつかの実施形態において、Y1からY3は存在し、またY4からY10は存在しない。いくつかの実施形態において、Y5は存在しない。いくつかの実施形態においてY1、Y5、およびY7は存在しない。いくつかの実施形態において、Y8は存在しない。いくつかの実施形態において、Y3は存在しない。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X7はLeuである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および必要に応じて、(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、または IIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、または Id”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は、式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X7はVal、である。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、または Id”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”) の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX” ペプチド配列からなり、本開示に従い、X6はCysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、または Id’ および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は、式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X7はCysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、または IIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、または Id’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は、(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる.
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X6はIleである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、または IIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、または Id’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、または IIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X” ペプチド配列からなり、本開示に従い、X7はIleである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、または Id’および、必要に応じて、(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、または IIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X” ペプチド配列からなり、本開示に従い、 X8はIleである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、または Id’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、 本明細書に記載のようにそれぞれX、X’、または X”ペプチド配列からなり、本開示に従いX8は Lysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、または IIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、または Id’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)IIa”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X6はCysでありX7はIleである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、または Id’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、または IIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X” ペプチド配列からなり、本開示に従い、X6はCysおよびX8はIleである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、または Id’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X6はCys、X7はIle、およびX8はIleである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、または Id’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、または IIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X6はIleおよびX7はCysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、または IIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、または Id’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X7はCys、およびX8はIleである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、または IIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、または IIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X6はIle、X7はCys、およびX8はIleである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X6はCysおよびX8はLysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、または Id’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、または IIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて、(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X6はCys、X7はIle、およびX8はLysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、または IIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X6はCysおよびC7はLeuである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X6はCysおよびC7はValである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X7はIleおよびX8はLysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、または IIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X7はLeuおよびX8はLysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、または IIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X7はVal、およびX8はLysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X6はCys、X7はLeuおよびX8はLysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書で記載の式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X6はCys、X7は Val、およびX8はLysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、または Id’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、または IIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X6はCys、X7はIle、Leu、またはValである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X6はCys、X7はIle、Leu、またはVal、およびX8はLysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIg、からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて、(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X1はASPまたはIDA、X6はCys、X7はIle、Leu、またはVal、および X8はLysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、または IIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X1はAspまたはIDA、X6はCys、X7はIle、Leu、または Val、および X8はLysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて、(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X2は Thr、X6はCys、X7はIle、Leu、またはVal、およびX8はLysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X3はHis、X6はCys、X7はIle、Leu、または Val、および X8はLysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて、(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X4はPhe、X6はCys、X7はIle、Leu、またはVal、およびX8はLysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて、(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X5はPro、X6はCys、X7はIle、Leu、またはVal、およびX8はLysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて、(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、または IIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X6はCys、X7はIle、Leu、またはVal、X8はLys、およびX9はPheである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、または Id’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X2はThr、X6はCys、X7はIleおよびX8はLysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、または Id’ および、必要に応じて、(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、または IIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X3はHis、X6はCys、X7はIle、およびX8はLysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて、(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、または X”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X4はPhe、X6はCys、X7はIle、およびX8はLysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIg、からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、または IIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X5はPro、X6はCys、X7はIle、およびX8はLysである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、または IIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて、(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X6はCys、X7はIle、X8はLys、およびX9はPheである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、または Id’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、または IIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X5はPro、X6はCys、X7はIle、X8はLys、およびX9はPheである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて、(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X4はPhe、X5はPro、X6はCys、X7はIle、X8はLys、およびX9はPheである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、または IIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、または Id’および、必要に応じて、(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて、(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X3はHis、X4はPhe、X5はPro、X6はCys、X7はIle、X8はLys、およびX9はPheである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X2はThr、X3はHis、X4はPhe、X5はPro、X6はCys、X7はIle、X8はLys、およびX9はPheである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、または Id’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X1はAspまたはIDA、X2はThr、X3はHis、X4はPhe、X5はPro、X6はCys、X7はIle、X8はLys、およびX9はPheである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて、(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X1はAspまたはIDA、X2はThr、X3はHis、X4はPhe、X5はPro、X6はCys、X7はIle、Leu、またはVal、X8はLys、およびX9はPheである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて、(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、または Id’および、必要に応じて、(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X1はAsp、X2はThr、X3はHis、X4はPhe、X5はPro、X6はCys、X7はIle、X8はLys、およびX9はPheである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、または Id’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、または IIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X1はIDA、X2はThr、X3はHis、X4はPhe、X5はPro、X6はCys、X7はIle、X8はLys、および X9はPheである。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、または Idおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”) の化合物を提供し、本明細書に記載のように、化合物は、イソ吉草酸であるRからなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”) の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X1はAspまたはIDA、X2はThr、X3はHis、X4はPhe、X5はPro、X6はCys、X7はIle、Leu、またはVal、X8はLys、およびX9はPheであり、ここで前記ペプチドはさらに、イソ吉草酸であるRからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は、(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて、(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X1はAsp、X2はThr、X3はHis、X4はPhe、X5はPro、X6はCys、X7はIle、Leu、またはVal、およびX8はLysであり、ここで前記ペプチドはさらに、イソ吉草酸であるRからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”) の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X1はAsp、X2はThr、X3はHis、X4はPhe、X5はPro、X6はCys、X7はIle、Leu、またはVal、X8はLys、およびX9はPheであり、ここで前記ペプチドはさらにイソ吉草酸であるR基からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”) の化合物を提供し、本明細書に記載のように、それぞれX、X’、またはX”ペプチド配列からなり、本開示に従い、X1はAsp、X2はThr、X3はHis、X4はPhe、X5はPro、X6はCys、X7はIle、X8はLys、およびX9はPheであり、ここで前記ペプチドは、さらにイソ吉草酸であるR基からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、または IIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、または IIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
いくつかの実施形態において、本発明は式(I)、(I’)、または(I”)の化合物を提供し、本明細書に記載のように、化合物は表5−15のいずれかに記載のアミノ酸配列に対して85%以上(例えば、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.5%)相同性であるペプチド配列からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I)は(a)Ia、Ib、Ic、またはIdおよび、必要に応じて(b)IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、または IIgからなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I’)は(a)Ia’、Ib’、Ic’、またはId’および、必要に応じて(b)IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’からなる。特定の実施態様において、本明細書に記載のように、式(I”)は(i)Ia”、Ib”、Ic”、またはId”および、必要に応じて(ii)IIa”またはIIb’からなる。
特定の実施態様において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体は表5−15のいずれかに示す化合物のいずれかからなる。
特定の実施態様において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体は、配列番号1−334および338−375として示すか、または表5−15のいずれかに示すアミノ酸配列のいずれかからなる。
特定の実施態様において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体は、配列表5−15のいずれかに記載のアミノ酸配列からなる。
特定の実施態様において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体は、表5−15、例えば表 7または12−15のいずれかに示す構造を有する。特定の1実施態様において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体は、表5−15、例えば表7または12−15のいずれかに記載のアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドは、表5−15、例えば表7または12−15のいずれか、または配列番号1−334および338−375のいずれかに記載のアミノ酸配列に対して少なくとも約85%または少なくとも約90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列からなる。特定の1実施態様において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体は、表7または表5−15のいずれかに記載のアミノ酸配列に対して、少なくとも約85%の同一性または少なくとも約90%、95%、97%、98%、99%の同一性を有するアミノ酸配列からなる。
本発明において、添付の表または配列表の1つに示すペプチド配列からなるペプチドまたはペプチド二量体が、ペプチド配列の1つまたは複数のアミノ酸残基に、天然のアミノ酸と比べて一定の小さな改変をもたらすことがあるが、引き続きこの表または配列表に示すペプチド配列からなると考えられることが理解される。例えば、リンカーの結合またはシステイン残基を介した二量体化によって、ペプチドまたはペプチド二量体中に存在する1つまたは複数のアミノ酸残基の1つまたは複数の側鎖が、わずかに改変すること、またはN末端もしくはC末端アミノ酸がアミド化することがある。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体はヘプシジン活性を示す。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドまたはぺプチド二量体は、参照ヘプシジン活性のもつ少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99%より高い、100%より高い、110%より高い、120%より高い、150%より高い、200%より、500%より高い、または1000%より高い活性を示す(例えば、表4に示すヘプシジン参照化合物のいずれか)。いくつかの実施形態において、本明細書に記載のように、この活性はインビトロまたはインビボ活性である。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体は、 参照ヘプシジン(例えば、表4に示すヘプシジン参照化合物のいずれか)のヒトフェロポーチンタンパク質の分解を引き起こすインビトロ活性の少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、または99%より高い活性を示し、ここでこの活性は、本明細書に記載の方法で測定する(例えば、実施例2に記載)。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体は、参照ヘプシジン(例えば、表4に示すヘプシジン参照化合物のいずれか)が示す、個体において血漿遊離鉄の低下を引き起こすインビボ活性の少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、または99%より高い活性を示し、ここでこの活性は、本明細書に記載の方法で測定する(例えば、実施例8に記載)。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体は、ヘプシジン参照ペプチド(例えば、表4に示すヘプシジン参照化合物のいずれか)と比べてより高いヘプシジン活性を示す。特定の実施態様において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体は、参照ヘプシジン(例えば、表4に示すヘプシジン参照化合物のいずれか)よりも1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、または200倍高いか、または少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、700%、または1000%高い活性を示す。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体は、ヘプシジン参照化合物が示す活性の少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、または99%より高い活性を示す。いくつかの実施形態において、この活性はインビトロまたはインビボ活性、例えば本明細書に記載のインビボまたはインビトロ活性である。特定の実施態様において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体は、参照ヘプシジン(例えば、表4に示すヘプシジン参照化合物のいずれか)よりも1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、または 200倍高いか、または少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、700%、または1000%高い活性を示し、ここで実施例2に従い測定する活性がフェロポーチン(ferropontin)の分解を引き起こすインビトロ活性であるか、または実施例8に従い測定する活性が血漿遊離鉄を低減するインビボ活性である。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体は、フェロポーチン、例えばヒトフェロポーチンに結合する。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体は、参照ヘプシジン(例えば、表4に示すヘプシジン参照化合物のいずれか)が示すフェロポーチン結合能の少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、または99%より高い結合能を示す。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体は、参照ヘプシジン(例えば、表4に示すヘプシジン参照化合物のいずれか)が有するフェロポーチン(例えば、ヒトフェロポーチン)に結合についてのIC50(すなわち、より高い結合親和性)よりも低いIC50を有する。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドは、参照ヘプシジン(例えば、表4に示すヘプシジン参照化合物のいずれか)が有するフェロポーチン競合的結合アッセイにおけるIC50よりも少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500% 、700%、または1000%低いIC50を有する。
いくつかの実施形態において、本発明は式I、I’、または I” の化合物を提供し、本明細書に記載のように、ペプチドは、参照ヘプシジン(例えば、表4に示すヘプシジン参照化合物のいずれか)と比べて(例えば、半減期、タンパク質分解率で判定)より高い安定性を示す。いくつかの実施形態において、本発明は、そのような化合物の二量体を提供し、また特定の実施態様において二量体はホモ二量体である。特定の実施態様において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体の安定性は、参照ヘプシジン、(例えば、表4に示すヘプシジン参照化合物のいずれか)よりも、少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、または200倍高いか、または少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、または500%高い。いくつかの実施形態において、この安定性は本明細書に記載の安定性である。いくつかの実施形態において、この安定性は血漿安定性であり、例えば必要に応じて実施例7に記載の方法に従って測定する。
特定の実施態様において、本発明は、式I、I’、または I”の化合物を提供し、本明細書に記載のように、ペプチドは、参照ヘプシジン(例えば、表4に示すヘプシジン参照化合物のいずれか)よりも長い半減期を示す。いくつかの実施形態において、本発明はそのような化合物の二量体を提供し、また特定の実施態様において二量体はホモ二量体である。特定の実施態様において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体は、所定の条件下(例えば、温度、pH)で少なくとも約5分、少なくとも約10分、少なくとも約20分、少なくとも約30分、少なくとも約45分、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、少なくとも約18時間、少なくとも約1日、少なくとも約2日、少なくとも約4日、少なくとも約7日、少なくとも約10日、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約1カ月、少なくとも約2カ月、少なくとも約3カ月、もしくはそれ以上、またはこれら時間に介在するいずれかの半減期またはその中間にある範囲の半減期、約5分、約10分、約20分、約30分、約45分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日、約2日、約4日、約7日、約10日、約2週間、約3週間、約1カ月、約2カ月、約3カ月、もしくはそれ以上、またはこれら時間に介在するいずれかの半減期またはその中間にある範囲の半減期を有する。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体の半減期は、これを1つまたは複数の親油性置換基、例えば本明細書に開示する親油性置換基のいずれかへコンジュゲートすることで延長される。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体の半減期は、これを1つまたは複数の高分子部分、例えば、本明細書に開示する高分子部分のいずれかへコンジュゲートすることで延長される。特定の実施態様において、温度は約25℃、約4℃、または約37℃、およびpHは生理学的pHかまたは約pH7.4である。
いくつかの実施形態において、半減期は当該技術分野で周知の好適な方法を用いてインビドロで測定する。例えば、いくつかの実施形態において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体の安定性は、ペプチドまたはペプチド二量体を、あらかじめ37℃に加温したヒト血清(シグマ)とインキュベートすることによって求める。様々な時点、典型的には最大で24時間までの間に、サンプルを採取し、次いでペプチドまたはペプチド二量体を血清タンパク質から分離し、続いて目的のペプチドまたはペプチド二量体の存在についてLC−MSを用いて分析することによって、サンプルの安定性を分析する。
いくつかの実施形態において、ペプチドの安定性は、当該技術分野で周知の好適な方法を用いてインビボで測定する。例えば、いくつかの実施形態において、ペプチドまたはペプチド二量体の安定性は、ペプチドまたはペプチド二量体をヒトまたは動物(例えば、マウス)などの対象に投与し、次いで様々な時点で、典型的には最大で24時間までの間に、対象からサンプルを採血などで採取することによってインビボで求める。サンプルは次いで、インビドロで半減期を測定する方法に関して前述したように分析する。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体のインビボ安定性は、実施例7に開示の方法で求める。
いくつかの実施形態において、本発明は式I、I’、または I”の化合物またはその二量体を提供し、ペプチドまたは二量体は、参照ヘプシジン(例えば、表4に示すヘプシジン参照化合物のいずれか)と比べて改善した溶解性または改善した凝集特性を示す。溶解性は、当該技術分野で周知の好適な方法で求めてよい。いくつかの実施形態において、溶解性を求めるための当該技術分野で周知の好適な方法には、ペプチドを各種緩衝液(酢酸緩衝液pH4.0、酢酸緩衝液pH5.0、リン酸/クエン酸緩衝液pH5.0、リン酸クエン酸緩衝液pH6.0、リン酸緩衝液pH6.0、リン酸緩衝液pH7.0、リン酸緩衝液pH7.5、強PBS緩衝液pH7.5、Tris緩衝液pH7.5、Tris緩衝液pH8.0、グリシン緩衝液pH9.0、水、酢酸緩衝液(pH5.0および他当該技術分野で周知の緩衝液)でインキュベートし、標準的な手法を用いて凝集または溶解性をテストすることが含まれる。これら手法の例としては、これらに限らないが、目視による沈殿の確認、動的光散乱法、円偏光二色性および蛍光染料による表面疎水性の測定、および凝集または細動の検出、などがあげられる。いくつかの実施形態において、改善した溶解性とは、ペプチドが参照ヘプシジン(例えば、表4に示すヘプシジン参照化合物のいずれか)よりも所定の液体に、より良く溶解することを意味する。
いくつかの実施形態において、本発明は式I、I’、または I”の化合物またはその二量体を提供し、ペプチドまたはその二量体は、より低い分解性(すなわち、より高い分解安定性)を示し、例えば、参照ヘプシジン(例えば、表4に示すヘプシジン参照化合物のいずれか)と比べて、約10%以上、約20%以上、約30%以上、約40以上、約50%以上抑制された分解性を示す。いくつかの実施形態において、分解安定性は、当該技術分野で周知の好適な方法で求める。いくつかの実施形態において、当該技術分野で周知の好適な、分解安定性を求めるための方法には、ここにその全体を組み入れたHawe et al., J Pharm Sci, VOL. 101, NO. 3, 2012, P895−913に記載の方法が含まれる。いくつかの実施形態においてそのような方法は、保管寿命を強化した有力な配列の選択に用いる。
いくつかの実施形態において、本発明は、ここに開示の少なくとも1つのペプチドまたはペプチド二量体からなる組成物および薬物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に開示する少なくとも1つのペプチドまたはペプチド二量体からなる、鉄代謝の疾患、例えば鉄過剰症を治療するための薬物を製造する方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に開示する少なくとも1つのペプチドまたはペプチド二量体からなる、糖尿病(I型またはII型)、インスリン抵抗性、またはグルコース不耐性を治療するための薬物を製造する方法を提供する。さらに本発明は、哺乳類の対象および好ましくはヒト対象などの対象における鉄代謝の疾患を治療するための方法を提供し、この方法は、本明細書に開示する少なくとも1つのペプチド、ペプチド二量体、または組成物を対象に投与することからなる。いくつかの実施形態において、治療的有効量のペプチド、ペプチド二量体、または組成物を投与する。さらに本発明は、哺乳類の対象および好ましくはヒト対象などの対象における糖尿病(I型またはII型)、インスリン抵抗性、または グルコース不耐性を治療するための方法を提供し、この方法は、本明細書に開示する少なくとも1つのペプチド、ペプチド二量体、または組成物を対象に投与することからなる。いくつかの実施形態において、治療的有効量のペプチド、ペプチド二量体、または組成物を投与する。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチド、またはペプチド二量体は、合成的に製造される。他の実施態様において、本発明のペプチドまたはペプチド二量体は組換えで製造される。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に開示する化合物、ペプチド、ペプチド類似体、ペプチド二量体、または医薬組成物を製造する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの本発明のペプチド、ペプチド類似体、またはペプチド二量体、またはペプチド類似体またはペプチド二量体を対象に送達するための薬剤的に許容される塩または溶媒和物からなる装置を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、フェロポーチンを結合するかまたはフェロポーチン内部移行および分解を引き起こす方法を提供し、この方法は、フェロポーチンを本明細書に開示する少なくとも1つのペプチドまたはペプチド類似体、ペプチド二量体、または組成物に接触させることからなる。
いくつかの実施形態において、本発明は、試薬、装置、指示書、またはその組合せと共に同梱された本明細書に開示する少なくとも1つのペプチド、ペプチド類似体、ペプチド二量体、または組成物からなるキットを提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、フェロポーチン、好ましくはヒトフェロポーチン、または本明細書に開示するペプチドまたはペプチド二量体に特異的に結合する抗体などの抗体、Hep25、またはその組合せに結合した、本明細書に開示する少なくとも1つのペプチドまたはペプチド二量体からなる複合体を提供する。
いくつかの実施形態において、化合物が、Fpn(フェロポーチン)内部移行アッセイにおいて500nMより低い測定値(例えば、EC50)を有する。ペプチドの機能がペプチドおよびその提示された結合表面の三次構造に依存することは当業者であれば認識するであろう。したがって、折畳み構造に影響を与えないか、またはその結合表面上へは影響を与えずに、かつ機能は維持する程度の、わずかな変更をその配列にもたらすことは可能である。他の実施態様において、本発明の化合物はペプチドまたはペプチド模倣の化合物、またはその二量体であって、活性を示すか、またはヘプシジンが関与する疾患の症状あるいはその兆候を緩和する、式I、I’、または I”の化合物のアミノ酸配列に対して、85%以上(例えば、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または 99.5%)の同一性または相同性を有する。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチド、ペプチド類似体、またはその二量体は、1つまたは複数の下記に列挙する特定配列と比べて最大で10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1つのアミノ酸置換を有する機能的断片またはその変異体からなってもよい。
本明細書の実施例1に開示する方法に加え、本発明のペプチドおよびペプチド二量体は、化学合成、組換えDNA法を用いる生合成またはインビドロ合成、および固相合成を含む、当該技術分野で周知の方法で生産してよい。例えば、ここに参照として組み入れる、Kelly & Winkler (1990) Genetic Engineering Principles and Methods, vol. 12, J.K. Setlow ed. Plenum Press, NY, pp. 1−19; Merrifield (1964) J Amer Chem Soc 85: 2149; Houghten (1985) PNAS USA 82: 5131−5135; およびStewart & Young (1984) Solid Phase Peptide Synthesis, 2ed. Pierce, Rockford, ILを参照されたい。本発明のペプチドは、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、イオン交換または免疫親和性クロマトグラフィー、濾過またはサイズ排除、または電気泳動などの当該技術分野で周知のタンパク質精製手法を用いて精製してよい。ここに参照として組み入れるOlsnes, S.and A. Pihl (1973) Biochem. 12 (16): 3121−3126; およびScopes (1982) Protein Purification, Springer−Verlag, NYを参照されたい。あるいは、本発明のペプチドは、当該技術分野で周知の組換えDNA手法によって調製してよい。したがって、本明細書においては、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを意図している。好ましい実施態様において、ポリヌクレオチドは単離する。本明細書で用いる「単離したポリヌクレオチド」は、ポリヌクレオチドが自然に発生した環境とは異なる環境におけるポリヌクレオチドを指す。
特定の実施態様において、本発明のペプチドは、フェロポーチン、好ましくはヒトフェロポーチンに結合する。本発明の好ましいペプチドは、ヒトフェロポーチンに特異的に結合する。本明細書で用いる「特異的に結合」とは、サンプルにおいて、ある特定の結合剤が所定のリガンドと、他の結合剤よりも優先的に相互作用することを指す。 例えば、特定の結合剤は、好適な条件下で、サンプル中の他成分との非特異的相互作用をしのぐ、観察可能な量または程度に、所定のリガンドに特異的に結合する、所定のリガンドに結合する。 好適な条件とは、所定の特定の結合剤と所定のリガンドとの間の相互作用を可能にする条件である。これら条件には、pH、温度、濃度、溶媒、インキュベートする時間、等が含まれ、またこれらは所定の特定結合剤およびリガンドのペアよって異なるが、当業者であれば容易に判断できるであろう。
Hep25、生理活性ヒト25−アミノ酸形態のヘプシジン活性を模倣する本発明のペプチドは、本明細書において「ミニヘプシジン」と称される。本明細書で用いる、特定の実施態様において、「ヘプシジン活性」を有する化合物は、化合物が、これを投与した際(例えば、非経口的に注射または経口的に投与)に、対象(例えば、マウスまたはヒト)における血漿鉄濃度を、用量依存的および時間依存的に低下させる能力を有することを意味する。例えば、Rivera et al. (2005), Blood 106: 2196−9にて実証されている。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドは、対象における血漿鉄濃度を少なくとも約1.2、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、または10倍、または少なくとも約5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または約99%低下させる。
いくつかの実施形態において、フェロポーチン発現細胞株におけるフェロポーチンの内部移行および分解をもたらす能力についてNemeth et al. (2006) Blood 107: 328−33に教示されるようにアッセイしたとき、本発明のペプチドは、インビトロ活性を有する。Nemeth et al. (2006) Blood 107: 328−33に記載のように、インビトロ活性は、緑色蛍光タンパク質に融合したフェロポーチンを提示するように操作された細胞の蛍光の用量依存的消失によって測定してよい。細胞のアリコートは、Hep25またはミニヘプシジンの参照調製物の段階的な濃度で、24時間インキュベートする。本明細書において、EC50値は、参照Hep25調製物によって生成される蛍光の最大消失の50%をもたらす所定の化合物(例えば、ペプチド)の濃度として提供される。このアッセイでのHep25調製物のEC50は5から15nMであり、および好ましいミニヘプシジンは、インビトロ活性のアッセイにおいて、約1000nM以下のEC50値を有する。特定の実施態様において、本発明のペプチドは、インビトロ活性のアッセイ(例えば、Nemeth et al. (2006) Blood 107: 328−33または本明細書の実施例2に記載)において、約0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、200または500nM未満のEC値を有する。いくつかの実施形態において、ペプチド類似体または生物学的治療組成物は、約1nM以下のEC値を有する。
本発明に記載のペプチドのヘプシジン活性およびインビトロ活性を算出するための当該技術分野で周知の他の方法を用いてよい。例えば、化合物のインビトロ活性は、細胞性フェロポーチンを内部移行するその能力によって測定してよく、これはフェロポーチンの細胞外エピトープを認識する抗体を用いた免疫組織化学またはフローサイトメトリーによって求める。あるいは、Nemeth et al. (2006) Blood 107: 328−33にあるように、化合物のインビトロ活性は、鉄の放射性同位体または安定な同位体をあらかじめ導入してあるフェロポーチン発現細胞からの鉄の流出を阻害する、その用量依存的能力によって測定してよい。
コンジュゲーション
当業者は、本発明において使用する化合物の好適な調製方法はよく知っているであろう。好適な化学については、例えば、国際公開第98/08871号、国際公開第00/55184号、国際公開第00/55119、Madsen et al(J. Med. Chem. 2007, 50, 6126−32)、および Knudsen et al. 2000(J. Med Chem. 43, 1664−1669)を参照されたい。
本発明の化合物中の1つまたは複数のアミノ酸残基(例えば、Lys残基)の側鎖はさらに、親油性置換基にコンジュゲート(すなわち、共有結合的に結合)してよい。親油性置換基は、アミノ酸側鎖中の原子に共有結合的に結合してよいし、あるいは1つまたは複数のスペーサーを介してアミノ酸側鎖にコンジュゲートしてもよい。問題のアミノ酸(S)は、ペプチド部分Xの一部、またはペプチド部分Yの一部であってよい。
いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、親油性置換基は血流中でアルブミンに結合し、それによって本発明のペプチド類似体を酵素分解から防ぎ、その半減期を増強すると考えられる。スペーサーは、これが存在する場合、ペプチド類似体と親油性置換基との間に間隔を空ける。
特定の実施態様において、親油性置換基は、4から30炭素原子、例えば少なくとも8または12炭素原子、および好ましくは24以下の炭素原子、または20以下の炭素原子を有する炭化水素鎖からなってもよい。炭化水素鎖は直鎖または分枝鎖でもよく、また飽和または不飽和であってもよい。特定の実施態様において、炭化水素鎖は、アミノ酸側鎖またはスペーサーに結合する部分を形成する部分、例えばアシル基、スルホニル基、N原子、O原子またはS原子と置換する。いくつかの実施形態において、炭化水素鎖はアシル基と置換し、したがって、炭化水素鎖は、アルカノイル基の部分、例えばパルミトイル、カプロイル、ラウロイル、ミリストイルまたはステアロイルを形成してもよい。
親油性置換基は、本発明の化合物中のどのアミノ酸側鎖にコンジュゲートしてもよい。特定の実施態様において、アミノ酸側鎖は、スペーサーまたは親油性置換基と、エステル、スルホニルエステル、チオエステル、アミドまたはスルホンアミドを形成するために、カルボキシ、ヒドロキシル、チオール、アミドまたはアミン基を含む。例えば、親油性置換基は、Asn、Asp、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Ser、Thr、Tyr、Trp、CysまたはDbu、DprまたはOrnにコンジュゲートしてよい。特定の実施態様において、親油性置換基は、Lysにコンジュゲートする。本明細書に記載のいずれかの式においてLysとして示すアミノ酸は、例えば、親油性置換基を加えたDbu、DprまたはOrnと置き換えてよい。
本発明のさらなる実施態様において、二者択一的にか、または追加的に、本発明の化合物中の1つまたは複数のアミノ酸残基の側鎖は、例えば、インビボ(例えば、血漿中)溶解性および/または半減期、および/または生体利用効率を増すために、高分子部分にコンジュゲートしてよい。このような修飾はまた、治療タンパク質およびペプチドのクリアランス(例えば、腎クリアランス)を低減することが知られる。
本明細書で用いる、「ポリエチレングリコール」または「PEG」は、一般式H‐(O‐CH2‐CH2)n−OHのポリエーテル化合物である。PEGはまた、ポリエチレンオキシド(PEO)またはポリオキシエチレン(POE)として、また分子量依存的に、本明細書で用いるPEO、PEE、またはPOGとして知られ、エチレンオキシドのオリゴマーまたはポリマーを指す。この3つの名称は、化学的に同義であるが、PEGは分子質量が20,000g/mol未満のオリゴマーおよびポリマーを指すことが多く、PEOは分子質量が20,000g/molを上回るポリマーを指すことが多く、またPOEはどの分子質量のポリマーをも指すことが多い。PEGおよびPEOは、その分子量依存的に液体または低融点固体である。本開示全体を通して、この3つの名称は区別することなく用いる。PEGはエチレンオキシドの重合によって調製され、300g/molから10,000,000g/molの広範囲の分子量のPEGが市販されている。異なる分子量のPEGおよびPEOには異なる応用が考えられ、また鎖長効果のために異なる物理的性質(例えば、粘性)を有するが、その化学的性質はほぼ同一である。高分子部分は好ましくは水溶性(両親媒性または親水性)、無毒、および薬剤的に不活性である。好適な高分子部分には、ポリエチレングリコール(PEG)、PEGのホモまたはコポリマー、PEG(mPEG)のモノメチル置換ポリマー、またはポリオキシエチレングリセロール(POG)が含まれる。例えば、Int. J. Hematology 68: 1 (1998) Bioconjugate Chem. 6:150 (1995); およびCrit. Rev. Therap. Drug Carrier Sys. 9249 (1992)を参照されたい。半減期延長を目的として調製されるペプチドもさらに包含され、例えば、モノ−メトキシ−終端ポリエチレングリコール(mPEG’S)などのモノ−活性化、アルコキシ−終端ポリアルキレンオキシド(POA’S)、ビス活性化ポリエチレンオキシド(グリコール)またはその他PEG誘導体もまた考慮される。好適なポリマーは、分子量約70から約40,000または約200から約40,000の範囲で実質的に異なり、通常、本発明の目的に応じて選択される。分子量200から2,000が好ましく、また分子量200から500がとりわけ好ましい。重合方法に使用するためのイニシエータによっては、異なるPEGの形態もまた使用可能であり、もっとも一般的なイニシエータは、一官能性メチルエーテルPEG、またはmPEGと略記される、メトキシポリ(エチレングリコール)である。
本明細書で用いる、より低分子量のPEGもまた単分散、均一、または離散PEGと称される純オリゴマーとして使用可能である。これらは本発明の特定の実施態様において使用される。
PEGはまた、異なる形状であってもよく、分枝型PEGはセントラルコア部から発する3から10のPEG鎖を有し、スター(Star)PEGはセントラルコア部から発する10から100のPEG鎖を有し、コム(Comb)PEGは通常ポリマーの基本骨格に結合する複数のPEG鎖を有する。 PEGはまた直鎖であってもよい。数はPEGの名称に含まれることが多く、その平均分子量を指す(例えば、n = 9のPEGは平均分子量が約400ダルトンであり、PEG400と表示される。
本明細書で用いる、「ペグ化(PEGylation)」はPEG構造の本発明のペプチドへの共有結合的カップリング作用であり、これは次いで「ペグ化(PEGylated)ペプチド」と称される。いくつかの実施形態において、式IのX部分、式IのY部分、式IのR 部分、式IのR 部分、またはそのいずれかの組合せは、ペグ化される。いくつかの実施形態において、式I’のX’部分、式I’のY’部分、式I’のR’部分、式I’のR’部分、またはそのいずれかの組合せは、ペグ化される。いくつかの実施形態において、式I”のX”部分、式I”のY”部分、式I”のR”部分、式I”のR”部分、またはそのいずれかの組合せは、ペグ化される。いくつかの実施形態において、式I、式I’、または式I”のペプチド中のアミノ酸の1つまたは複数の側鎖は、ペグ化される。特定の実施態様において、ペグ化した側鎖のPEGは分子量が約200から約40,000である。いくつかの実施形態において、式I、式I’、または式I”のペプチドのスペーサーはペグ化される。特定の実施態様において、ペグ化したスペーサーのPEGは、PEG3、PEG4、PEG5、PEG6、PEG7、PEG8、PEG9、PEG10、またはPEG11である. 特定の実施態様において、ペグ化したスペーサーのPEGはPEG3またはPEG8である。特定の実施態様において、ペグ化したスペーサーのPEGは、PEG3またはPEG8である。
その他好適な高分子部分には、ポリ‐リジン、ポリ‐アスパラギン酸およびポリ‐グルタミン酸などのポリ‐アミノ酸(例えば Gombotz, et al. (1995), Bioconjugate Chem., vol. 6: 332−351; Hudecz, et al. (1992), Bioconjugate Chem., vol. 3, 49−57およびTsukada, et al. (1984), J. Natl. Cancer Inst., vol. 73,: 721−729を参照)が含まれる。高分子部分は直鎖または分枝鎖であってよい。いくつかの実施形態において、これは分子量500−40,000Da、例えば500−10,000 Da、1000−5000 Da、10,000−20,000 Da、または 20,000−40,000 Daである。
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、そのような2つ以上の高分子部分からなってよく、ここで全てのそうした部分の総分子量は通常上述の範囲内となる。
いくつかの実施形態において、高分子部分は、アミノ酸側鎖のアミノ、カルボキシルまたはチオール基に(共有結合によって)結合してよい。好ましい例として、Cys残基のチオール基およびLys残基のイプシロンアミノ基、およびAspおよびGlu残基のカルボキシル基もまたあげられる。
熟練技術者であればカップリング反応を行うのに用いることができる好適な手法についてよく知っているであろう。例えば、メトキシ基を有するPEG部分は、ネクターセラピューティクス(Nektar Therapeutics AL)から市販の試薬を用いるマレイミド結合によって、Cysチオール基に結合させることができる。好適な化学の詳細については、国際公開第2008/101017号、および前述の参考文献をも参照されたい。マレイミド‐機能化PEGもまたCys残基の側鎖スルフヒドリル基にコンジュゲートしてよい。
本明細書で用いる、ジスルフィド結合の酸化は1段階または2段階の方法で起こすことができる。本明細書で用いる、1段階の酸化にはトリチル保護基がアセンブリの間によく用いられ、切断の際に脱保護を可能とし、次いで溶液の酸化が起きる。第二のジスルフィド結合が必要とされる場合、自然または選択的酸化を選ぶことができる。直交保護基を必要とする選択的酸化には、Acmおよびトリチルをシステインの保護基として用いる。切断によって、システインの保護基のペアが除去され、このペアの酸化を可能にする。システイン保護Acm基の第二の酸化的脱保護段階が次いで行われる。自然酸化のため、トリチル保護基を全てのシステインに用い、ペプチドの自然なフォールディングを可能にする。
熟練技術者であれば、酸化段階を行うのに用いることができる好適な手法をよく知っているであろう。
ペプチド二量体
ペプチド二量体の中の用語「二量体」は、同一(ホモ二量体)または同一でない(ヘテロ二量体)2つのペプチド鎖が連結部分を介して連結している化合物を指す。システイン二量体はアミノ酸システインジスルフィド結合を通じて連結する2つのペプチド鎖である。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチドは二量体コンフォメーションまたはヘテロ二量体コンフォメーションにて、とりわけ遊離システイン残基がペプチド内に存在する場合に、活性であってよい。特定の実施態様において、このことは合成二量体として起きるか、または、とりわけ、遊離システインモノマーを含むペプチドの存在下でかつ酸化条件下において二量体化が起きる。いくつかの実施形態において、二量体はホモ二量体である。他の実施態様において、二量体はヘテロ二量体である。
特定の実施態様において、本発明のペプチド類似体は、本発明のペプチドからなるペプチド二量体である。特定の実施態様において、ペプチド二量体は、式Iのペプチド、式I’のペプチド、または式I”のペプチドからなる。特定の実施態様において、ペプチド二量体は、式Iの2つのペプチド、式I’の2つのペプチド、または式I”の2つのペプチドからなる。特定の実施態様において、ペプチド二量体はホモ二量体である。ペプチド二量体が式Iのペプチドからなる特定の実施態様において、Xは式Ia、Ib、Ic、またはIdを有する。ペプチド二量体が式Iのペプチドからなる特定の実施態様において、Yは式IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、またはIIgを有する。ペプチド二量体が式I’のペプチドからなる特定の実施態様において、X’は式Ia’、Ib’、Ic’、またはId’を有する。ペプチド二量体が式I’のペプチドからなる特定の実施態様において、Y’は式IIa’、IIb’、IIc’、IId’、IIe’、IIf’、またはIIg’を有する。ペプチド二量体が式I”のペプチドからなる特定の実施態様において、X”は式Ia”、Ib”、Ic”、またはId”を有する。ペプチド二量体が式I”のペプチドからなる特定の実施態様において、Y”は式IIa”またはIIb”を有する。
いくつかの実施形態において、二量体は式Iの2つのX基、式I’の2つのX’基、または式I”の2つの X”基の間にあり、例えば、二量体の2つのペプチドが、式Iの2つのX基、式I’の2つのX’基、または式I”の2つのX”基を通して連結される。いくつかの実施形態において、二量体は式Iの2つのX基、式I’の2つのX’基、または式I”の2つのX”基からなる。いくつかの実施形態において、二量体中の2つのX基、X’基、またはX”基は同じアミノ酸残基からなる。いくつかの実施形態において、二量体中の2つのX基、X’基、またはX”基は異なるアミノ酸残基からなる(すなわち、2つのX、X’またはX”基のそれぞれの中の各アミノ酸は個々に選択される)。いくつかの実施形態において、二量体は式Iの2つのY基、式I’の2つのY基、または式I”の2つのY”基の間にあり、例えば、二量体の2つのペプチドは式Iの2つのY基、式I’の2つのY’基、または式I”の2つのY”基を介して連結される。いくつかの実施形態において、二量体は、式Iの2つのY基、式I’の2つのY基、または式I”の2つのY”基からなる。いくつかの実施形態において、二量体中の2つのY基、Y’基、またはY”基は、同じアミノ酸残基からなる。いくつかの実施形態において、二量体中の2つのY基、Y’基またはY”基は異なるアミノ酸残基からなる(すなわち、Y、Y’またはY”基それぞれの中の各アミノ酸は個々に選択される)。いくつかの実施形態において、二量体は式IのX基および式IのY基(例えば、二量体の2つのペプチドは、式IのX基および式IのY基を介して連結される)、式I’のX’基および式IのY’基(例えば、二量体の2つのペプチドは式I’のX’基および式I’のY’基を通して連結される)、または式I”のX”基および式I”のY”基(例えば、二量体の2つのペプチドは、式I”のX”基および式I”のY”基を介して連結される)の間にある。
特定の実施態様において、本発明のペプチド二量体は、表5−15または配列番号1−334および338−375のいずれかに記載のペプチド配列、または表5−15または配列番号1−334および338−375のいずれかに記載のペプチド配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性を有するペプチド配列からなる、ペプチドからなる。特定の実施態様において、本発明のペプチド二量体は2つのペプチドからなるホモ二量体からなり、ペプチドはそれぞれ表5−15または配列番号1−334および338−375のいずれかに記載のペプチド配列、または表5−15または配列番号1−334および338−375のいずれかに記載のペプチド配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性を有するペプチド配列、からなる。特定の実施態様において、本発明のペプチド二量体は表5−15のいずれかに記載の化合物からなる。特定の実施態様において、本発明のペプチド二量体は2つのペプチドからなるホモ二量体であり、ペプチドはそれぞれ、表5−15のいずれかに記載の化合物からなる。
特定の実施態様において、ペプチド二量体は、1つのペプチド中に存在するシステイン残基と2つめのペプチド中に存在するシステイン残基との間のジスルフィド結合、すなわちシステイン残基間の分子間ジスルフィド結合、を介して二量体化した2つのペプチドからなる。
特定の実施態様において、ペプチド二量体は、各ペプチドの一般的な連結部分、すなわち、リンカーへの共有結合によって二量体化した2つのペプチドからなる。2つのペプチドを二量体化するのに好適な各種リンカーは当該技術分野で周知であり、市販されており、その例として、ジエチレングリコール(DIG)、イミノ二酢酸(IDA)、β‐Ala−IDA、PEG13、およびPEG25があげられる。特定の実施態様において、ペプチド二量体は下記連結部分のいずれかを含むか、または下記構造のいずれかを有する。特定の実施態様において、ペプチド二量体は、連結部分および二量体の1つのペプチド中のシステイン残基ともう1つのペプチド中のシステイン残基との間のジスルフィド結合、の両方を介して二量体化される。
特定の実施態様において、連結部分は式: −NH−R20−NH−からなり、式中、R20は低級(C1−20)アルキルである。特定の実施態様において、連結部分は式: ‐CO‐(CH)n−(X−(CH)m)o−X−(CH)pCO‐からなり、式中、nは1−3、mは1−3、pは1−3、oは0−24、およびXはOまたはNHである。1実施態様において、n、mおよびpはぞれぞれ2、Oは1−25、XはOである。
特定の実施態様において、連結部分は式: −NH−(CH)α−[O−(CH)β]γ−Oδ−(CH)ε−Y−からなり、式中、α、βおよびεはぞれぞれ整数でありその値は個々に1から6から選択され、δは0または1、γは0から10より選択される整数であり、またyはNHまたはCOから選択される、ここでγが1より大きい場合はβが2である。
各種実施態様において、リンカーは、二量体の1つまたは両方のペプチドのN末端アミノ酸に結合、リンカーは、二量体の1つまたは両方のペプチドのC末端アミノ酸に結合、またはリンカーは、二量体の1つまたは両方のペプチドの内部アミノ酸に結合する。1実施態様において、リンカーは二量体の各ペプチド中のリジン残基に結合する。特定の実施態様において、リンカーは二量体の1つまたは両方のペプチドのN末端アミノ酸に結合しない。
特定の実施態様において、二量体中に存在する1つか両方のペプチドは、親油性置換基にコンジュゲート(すなわち、共有結合的に結合)したアミノ酸残基からなり、これには本明細書に記載のいずれかが含まれる。特定の実施態様において、二量体中に存在する1つか両方のペプチドは、高分子部分にコンジュゲートしたアミノ酸残基からなり、これには本明細書に記載のいずれかが含まれる。特定の実施態様において、ペプチド二量体中に存在する1つか両方のペプチドは酸性化合物、例えばイソ吉草酸、イソ酪酸、吉草酸などにコンジュゲートする。
特定の実施態様において、二量体中に存在する連結部分は親油性置換基にコンジュゲート(すなわち、共有結合的結合)し、これには本明細書に記載のいずれかが含まれる。特定の実施態様において、二量体中に存在する連結部分は高分子部分にコンジュゲートし、これには本明細書に記載のいずれかが含まれる。特定の実施態様において、ペプチド二量体中に存在する連結部分は酸性化合物、例えば、イソ吉草酸、イソ酪酸、吉草酸などにコンジュゲートする。
医薬組成物
本発明のペプチド類似体またはその二量体(すなわち、本発明の1つまたは複数のペプチド類似体または本発明の1つまたは複数のペプチド二量体)を医薬組成物中に含める、とは、これにさらに、本発明のペプチド類似体またはペプチド二量体の薬剤的に許容される塩または溶媒和物をも含める、と理解すべきである。
本発明はさらに、本発明に記載の、ペプチド類似体、または薬剤的に許容されるその塩または溶媒和物からなる医薬組成物を提供する。特定の実施態様において、本発明は、本発明に記載の、ペプチド二量体、または薬剤的に許容されるその塩または溶媒和物からなる医薬組成物を提供する。特定の実施態様において、医薬組成物はさらに1つまたは複数の薬剤的に許容される担体、賦形剤(ecxcipient)、または媒体からなる。
本発明はさらに、ここに別途開示するような各種状態、疾患、または障害(例えば、治療用の使用、上記参照)の治療のための、ペプチド類似体、または薬剤的に許容されるその塩または溶媒和物からなる医薬組成物を提供する。特定の実施態様において、本発明は、本明細書に開示するような各種状態、疾患、または障害(例えば、治療用の使用、上記参照)の治療のための、ペプチド二量体、または 薬剤的に許容されるその塩または溶媒和物からなる医薬組成物を提供する。
本発明の、ペプチド二量体を含むペプチド類似体は、保管有りまたは無しの投与に好適な医薬組成物として配合してよく、この医薬組成物は典型的には、薬剤的に許容される担体、賦形剤または媒体と共に、治療的有効量の少なくとも1つの本発明のペプチド類似体からなる。
用語、「薬剤的に許容される担体」には、標準的な医薬的担体が含まれる。治療に使用するための薬剤的に許容される担体は、医薬分野において周知であり、例えば、“Remington’s Pharmaceutical Sciences”, 17th edition, Alfonso R. Gennaro (Ed.), Mark Publishing Company, Easton, PA, USA, 1985に記載されている。例えば、わずかに酸性または生理的pHである滅菌食塩水およびリン酸緩衝食塩水を使用してよい。好適なpH−緩衝剤は、例えば、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、炭酸水素アンモニウム、ジエタノールアミン、ヒスチジン、アルギニン、リジンまたはアセテート(例えば、酢酸ナトリウムとして)、またはその混合物である。用語はさらに、ヒトを含む動物に使用するための米国薬局方(US Pharmacopeia)にリストされている担体剤を包含する。
本発明の医薬組成物は単位剤形であってよい。その場合、組成物は、適当量の1または複数の有効成分を含む単位用量に分ける。単位剤形は、包装された製剤、個別量の製剤を含むパッケージ、例えば、包装された錠剤、カプセルまたはバイアルまたはアンプルに入れた散剤として提示されてよい。単位剤形はさらにそれ自身、例えば、カプセル、カプセル(cachet)または錠剤であってよく、または適当な数のこれら包装された剤形のいずれかであってよい。単位剤形はさらに、1用量注射可能な形状で提供されてもよく、例えば液相(典型的には水性)組成物を含むペン型装置の形状であってよい。組成物はいかなる好適な投与経路および投与手段用に配合してもよい。薬剤的に許容される担体または希釈剤は、例えば経口、硝子体内、直腸内、経膣、経鼻、局部的、腸内または非経口的(皮下(SC)、筋肉内(IM)、静脈内(IV)、皮内および経皮的投与を含む)投与または吸入による投与に好適な製剤において用いるものを含む。製剤は便宜的に単位剤形として提示されてよく、また当該医薬製剤技術分野で周知のいずれの方法によって調製してもよい。
皮下または経皮モードの投与が、本発明のペプチド類似体にはとりわけ好適である。
本発明のさらなる実施態様は、本発明の医薬製剤を送達するために用いる装置、剤形および包装に関する。したがって、ここに記載の少なくとも1つのペプチド類似体、または安定しているかもしくは保存されている製剤または溶液中の特定の部分またはその変種は、本発明に従い、SCまたはIM注射;経皮、経肺、経粘膜、インプラント、浸透圧ポンプ、カートリッジ、マイクロポンプ、または他の当該技術分野で周知の当業者が認める手段を含む、各種送達方法により、患者に投与することができる。
本発明のさらなる実施態様は、経口製剤および経口投与に関する。経口投与のための製剤は、腸壁の透過性を人工的に増すために、アジュバント(例えば、レゾルシノールおよび/またはポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびn−ヘキサデシルポリエチレンエーテルなどの非イオン界面活性剤)と同時投与、および/または酵素分解を阻害するために、酵素阻害剤(例えば、膵臓トリプシン阻害剤、ジイソプロピルフルオロリン酸(DEF)またはトラシロール)の同時投与を必要とすることがある。経口投与のための固形タイプの剤形の有効構成成分の化合物は、少なくとも1つの添加剤、例えばスクロース、ラクトース、セルロース、マンニトール、トレハロース、ラフィノース、マルチトール、デキストラン、スターチ、寒天、アルギン酸塩、キチン、キトサン、ペクチン、トラガカントゴム、アラビアゴム、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、合成または半合成のポリマー、またはグリセリドと混合できる。これらの剤形には例えば他のタイプの添加剤、例えば非活性賦形剤、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、パラベン、ソルビン酸、アスコルビン酸、αトコフェロールなどの保存剤、システインなどの酸化防止剤、崩壊薬、結合剤、増粘剤、緩衝剤、pH調整剤、甘味剤、香味料, 調味料または芳香剤を含めることができる。
投与量
本発明において採用される、ペプチド類似体、例えば、本発明のペプチドまたは二量体の典型的な投与量は、約0.0001 から約100mg/kg 体重/日、例えば約0.0005から約50 mg/kg体重/日、例えば約0.001から約 10 mg/kg体重/日、例えば約0.01から約1 mg/kg体重/日の範囲で、1または複数回に分けて、例えば1から3回に分けて投与してよい。すでにある程度上述してあるが、採用する厳密な投与量は、とりわけ、治療する疾患または障害の性質および症状の程度、治療する対象の性別、年齢、体重および一般的な状態、治療中または治療予定の付随し得る他の疾患または障害、および当業者である開業医に周知となるであろう他因子、に依存するであろう。
本発明のペプチド類似体、例えば、ペプチドまたは二量体は、連続的に対象に投与してよい(例えば、静脈内投与または他連続薬剤投与方法によって)か、または間隔を空けて、典型的には一定の時間間隔を設け、特定の対象のために熟練の医師によって選択された望ましい投与量および医薬組成物に依存して、対象に投与してよい。 一定の投与間隔としては、例えば、1日1回、1日2回、2、3、4、5または6日毎に1回、毎週1または2回、毎月1または2回、等があげられる。
本発明の、ペプチド類似体、ペプチド、または二量体のこのような定期的な投与レジメンは、一定の状況、例えば、慢性的な長期投与の間、ある期間、好都合に中断してよく、その結果投薬治療をうける対象は、薬物レベルを下げるか、または投薬治療を中断するが、これはよく「休薬期間」をとることを指す。休薬期間は、例えば、特に長期かつ慢性的な処置期間中に、薬物に対する感受性の維持または再取得のために有用であるか、または対象を長期かつ慢性的に薬物で処置する際の望ましくない副作用を減らすために有用である。休薬期間のタイミングは、定期的な投薬レジメンのタイミングおよび休薬期間(例えば、薬剤感受性の再取得および/または持続的な長期投与の望ましくない副作用の減少)をとる目的に依存する。いくつかの実施形態において、休薬期間は、薬剤の投与量削減をもたらし得る(例えば、一定の時間間隔で治療的有効量を下回る)。 他実施態様において、同じかまたは異なる投与レジメン(例えば、 より低い投与量またはより高い投与量および/または投与頻度)を用いて投与を再開する前に、薬剤の投与を一定の時間間隔で止める。本発明の休薬期間はしたがって広範囲の時点および投薬レジメンから選択し得る。 代表的な休薬期間は、2日以上、1または複数週、または1または複数月、で、最大約24カ月である。したがって、例えば、本発明のペプチド、ペプチド類似体、または二量体での定期的な毎日の投薬レジメンは、例えば、1週間、または2週間、または4週間の休薬期間で中断してよく、この期間の後、先の定期的投薬レジメン(例えば、毎日または毎週の投薬レジメン)を再開する。各種の他の休薬期間レジメンは、本発明のペプチド、二量体、およびペプチド類似体の投与に有用であるように想定する。
このように、ペプチド類似体、ペプチド、または二量体は、それぞれ休薬期によって分ける2つ以上の投与期からなる投与レジメンを使って、送達してよい。
各投与期の間、ペプチド類似体、ペプチド、または二量体を、レシピエントである対象に、事前に決定した投与パターンに従って、治療的有効量、投与する。投与パターンは、投与期の継続時間にわたる、レシピエントである対象への薬剤の連続投与からなる。あるいは、投与パターンは、レシピエントである対象へのペプチド類似体の複数回投与からなり、ここで前記投与回は、投与間隔によって間隔を空ける。
投与パターンは、少なくとも1投与期につき2回の投与、1投与期につき少なくとも5回の投与、1投与期につき少なくとも10回の投与、1投与期につき少なくとも20回の投与、1投与期につき少なくとも30回の投与かそれ以上、からなってよい。
前記投与間隔は、定期的投与間隔であってよく、上述のように、例えば1日1回、1日2回、2、3、4、5または6日毎に1回、週に1回または2回、月に1回または2回、または定期的およびさらに低い頻度の投与間隔であってよく、特定の投薬剤形、生体利用効率、および本発明のペプチド類似体、ペプチド、または ペプチド二量体の薬物動態学的なプロファイルに依存する。
投与期は、少なくとも2日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも4週間、少なくとも1カ月、少なくとも2カ月、少なくとも3カ月、少なくとも6カ月、またはそれより長い継続時間であってよい。
投与パターンが複数回の投与からなる場合、以下の休薬期の長さ(継続時間)は、その投与パターンで用いる投与間隔よりも長い。投与間隔が不定期である場合、休薬期の長さは、投与期の全過程の平均投与間隔よりも、長くてよい。あるいは、休薬期の長さは、投与期中の連続する投与間隔のうちの最長間隔よりも、長くてよい。
休薬期の長さ(継続時間)は、投与間隔(またはその平均)の少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または少なくとも20倍であってよい。
これら制約のうち、休薬期は、先行投与期中の投与パターンによって、少なくとも2日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも4週間、少なくとも1カ月、少なくとも2カ月、少なくとも3カ月、少なくとも6カ月、またはそれより長い継続時間であってよい。
投与レジームは、少なくとも2つの投与期からなる。連続する投与期は、それぞれの休薬期によって分割される。したがって、投与レジームは、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、または少なくとも30の投与期、またはそれより多い投与期からなってよく、各レジームはそれぞれの休薬期によって分割される。
連続投与期では同じ投与パターンを用いてよいが、これは常に望ましいわけでも、必要なわけでもない。しかし、もしも他の薬剤または活性薬剤と、本発明のペプチド類似体、ペプチドまたはペプチド二量体とを組み合わせて投与するなら、典型的には同じ薬剤または活性薬剤との組合せを、連続投与期にて用いる。特定の実施態様において、レシピエントである対象はヒトである。
装置およびキット
いくつかの実施形態において、本発明は、1つまたは複数の本発明のペプチド、ペプチド類似体、ペプチド二量体または薬剤的に許容されるその塩または溶媒和物からなる、本発明の化合物を対象に送達するための、装置に関する。したがい、1つまたは複数のペプチド類似体、ペプチド、二量体、または薬剤的に許容されるその塩または溶媒和物は、本発明に従って、静脈内、皮下、筋肉内、または腹腔内注射、経口投与、経皮的に、経肺または経粘膜的投与、移植によってかまたは浸透圧ポンプ、カートリッジまたはマイクロポンプによる手段、または当業者が認める他の手段などの、当該技術分野で周知の各種送達方法により患者に投与することができる。
いくつかの実施形態において、本発明は1つまたは複数の本発明のペプチド類似体または薬剤的に許容されるその塩または溶媒和物からなるキットに関する。いくつかの実施形態において、本発明は、1つまたは複数の本発明のペプチド二量体または薬剤的に許容されるその塩または溶媒和物をからなるキットに関する。他の実施態様において、キットは、1つまたは複数のペプチド類似体または薬剤的に許容されるその塩または溶媒和物からなる1つまたは複数の医薬組成物、からなる。特定の実施態様において、キットはさらに梱包物または指示書からなる。他の実施態様において、キットは1つまたは複数の本発明ペプチド二量体、または薬剤的に許容されるその塩または溶媒和物からなる1つまたは複数の医薬組成物をからなる。特定の実施態様において、キットはさらに梱包物または指示書からなる。
併用療法
上述のとおり、本発明のペプチド類似体の下記参照範囲(例えば、表5−15のいずれかに列挙する化合物、例えば化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、65、66、67、68、69、70、71、73、74、75、76、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、293、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、355、356、357、358、359、360、361またはその二量体、例えば、表12−15に開示するペプチド二量体のいずれか、例えば化合物311−353)が、薬剤的に許容されるその塩または溶媒和物、および2つ以上の異なる本発明のペプチド、ペプチド類似体、またはペプチド二量体からなる組成物をも包含することは理解されるであろう。
特定の実施態様において、本発明のペプチド類似体またはペプチド二量体は、デフェロキサミン(Deferoxamine)およびデフェラシロクス(Deferasirox、商品名:エクジェイド(Exjade(商標))などの鉄キレート剤と組み合わせて投与すると何等かの恩恵をもたらす可能性がある。
以下の例は、本発明のある特定の実施態様を示す。以下の例を、詳細に説明した場合を除き、当業者に公知であり、日常的である標準的な技術を用い実行した。これらの実施例は単に例示を目的としたものであり、状態又は本発明の範囲に関して完全に決定的であることを意図しないことを理解すべきである。従って、決してそれらは本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
略語:
DCM:ジクロロメタン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
NMP:N−メチルピロリドン
HBTU:O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート
HATU:2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド
NHS:N−ヒドロキシコハク酸イミド
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
EtOH:エタノール
Et2O:ジエチルエーテル
Hy:水素
TFA:トリフルオロ酢酸
TIS:トリイソプロピルシラン
ACN:アセトニトリル
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
ESI−MS:エレクトロスプレーイオン化質量分析法
PBS:リン酸緩衝食塩水
Boc:t−ブトキシカルボニル
Fmoc:フルオレニルメチルオキシカルボニル
Acm:アセトアミドメチル
IVA:イソ吉草酸(又はイソバレリル)
K( ):化合物又は化学基が直接リジン残基の後の括弧内に示される本明細書に提供されるペプチド配列において、括弧内の化合物又は化学基はリジン残基に共役した側鎖であることが理解されるべきである。従って、例えば、決して限定するものではないが、K(PEG8)はPEG8部分がこのリジンの側鎖に結合していることを示す。そのような共役リジンの非限定的な例については、例えば、化合物54及び90を参照されたい。
Palm:パルミチン酸(パルミトイル)の共役を示す。
本明細書において使われる「C( )」は、特定のジスルフィド架橋に関与するシステイン残基を指す。例えば、ヘプシジンにおいて、4つのジスルフィド架橋がある:第1は、2つのC(1)残基の間; 第2は、2つのC(2)残基の間;第3は、2つのC(3)残基の間;及び、第4は、2つのC(4)残基の間である。従って、いくつかの実施形態において、ヘプシジンの配列は以下のように書かれる:
Hy−DTHFPIC(1)IFC(2)C(3)GC(2)C(4)HRSKC(3)GMC(4)C(1)KT−OH(配列番号:335);及び他のペプチドの配列も、任意に同じ方法で書いてもよい。
これらの実施例は単に例示を目的としたものであり、状態又は本発明の範囲に関して完全に決定的であることを意図しないことを理解すべきである。従って、決してそれらは本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
以下の実施例は本発明の特定の実施形態を例示するために提供されるものであり、本発明の範囲を限定する意図はない。
実施例1
化合物の合成
別段の定めがない限り、下記で用いられる試薬及び溶媒は標準的な実験用試薬または分析グレードで市販され、さらに精製することなく使用した。
ペプチドの固相合成の手順
本発明の示される化合物(例えば、化合物No.2)を、最適化された9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)固層ペプチド合成プロトコールを用い、化学的に合成した。ワング及びトリチル樹脂をまた、C末端の酸を生成するために使用したが、C末端のアミド類については、リンクアミド樹脂を使用した。側鎖保護基は以下の通りであった:Glu,Thr及びTyr:O−tブチル;Trp及びLys:t−Boc(t−ブチルオキシカルボニル);Arg:N−ガンマ−2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル;His,Gln,Asn,Cys:トリチル。選択的なジスルフィド架橋形成については、Acm(アセトアミドメチル)もまたCys保護基として用いた。カップリングについては、4から10倍過剰の、DMF中のFmocアミノ酸、HBTU及びDIPEA(1:1:1.1)を含む溶液を膨潤する樹脂[HBTU:O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート; DIPEA: ジイソプロピルエチルアミン; DMF: ジメチルホルムアミド]に加えた。困難な領域におけるカップリング効率を改善するために、HATU(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3,−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート)をHBTUの代わりに使用した。Fmoc保護基除去はDMF、ピペリジン(2:1)溶液を伴う治療により達成した。
樹脂からのペプチドの切断手順
側鎖脱保護及び本発明のペプチドの切断(例えば、化合物 No. 2)をトリフルオロ酢酸、水、エタンジチオール及びトリイソプロピルシラン(90:5:2.5:2.5)を含む溶液中の乾燥樹脂を2から4時間攪拌することにより達成した。TFAを除去した後、ペプチドを氷冷ジエチルエーテルを用い沈殿させた。溶液を遠心分離し、エーテルを別のジエチルエーテル洗浄に続き、デカントした。ペプチドを0.1%TFA(トリフルオロ酢酸)を含有するアセトニトリル、水の溶液(1:1)に溶解し、得られた溶液を濾過した。直鎖ペプチドの質をエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)を用い評価した。
ペプチドの精製の手順
逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を用い本発明のペプチド(例えば、化合物No.2)、の精製を達成した。1ML/分の流速で、C18カラム(3μm,50x2mm)を用い分析を行った。20mL/分の流速で、直鎖ペプチドの精製をC18カラム(5μm,250x21.2mm)を伴う分取RP−HPLCを用い達成した。分離を緩衝液A中の緩衝液B(緩衝液A:水性0.05%TFA;緩衝液B:0.043%TFA,水中90%アセトニトリル)の直線勾配を用い達成した。
ペプチドの酸化の手順
方法A(単一ジスルフィド 酸化)
MeOH(1MLあたり1Mg)中のヨウ素を溶液(ACN:HO,7:3,0.5%TFA)中のペプチドに滴下することにより、本発明の無保護のペプチド(例えば、化合物No.2)の酸化を達成した。2分間攪拌した後、溶液が透明になるまで一部ずつアスコルビン酸を加え、試料を直ちに精製用のHPLCでロードした。
方法B(2つのジスルフィドの選択的な酸化)
1つを超えるジスルフィド(例えば、化合物30)が存在する場合、選択的な酸化がしばしば行われた。遊離システインの酸化は1Mg/10mLのペプチドでpH7.6のNHCO溶液で達成された。24時間撹拌した後、精製の前に、TFAでpH3に酸性化し、続いて凍結乾燥した。次いで、得られた1つの酸化ペプチド(ACM保護システインを伴う)を酸化させた/ヨウソ水溶液を使用する選択的な脱保護。ペプチド(2mLあたり1Mg)をMeOH/H0に溶解し、反応溶媒に溶解した80:20のヨウ素を室温で反応(最終濃度:5mg/mL)に加えた。溶液が透明になるまで、アスコルビン酸を一部ずつ加える前に、溶液を7分間攪拌した。次いで、この溶液をHPLC上に直接装填した。
方法C(自然酸化)
1つを超えるジスルフィドが存在し、かつ選択的な酸化を行わない場合、自然酸化を行った(例えば、この方法を化合物19に用いた)。酸化型及び還元型グルタチオン(ペプチド:GSSG:GSH、1:10、100)の(ペプチド/GSH/GSSG、1:100:10モル比)の存在下で、自然酸化を100mMのNHCO(pH7.4)溶液により達成した。24時間攪拌した後、RP−HPLC精製の前に、TFAでpH3に酸性化し、続いて凍結乾燥した。
二量体を作るためのシステイン酸化の手順。
MeOH(1MLあたり1Mg)中のヨウ素を溶液(ACN:HO,7:3,0.5%TFA)中のペプチドに滴下することにより、本発明の無保護のペプチド(例えば、化合物No.1)の酸化を達成した。2分間攪拌した後、溶液が透明になるまで一部ずつアスコルビン酸を加え、試料を直ちに精製用のHPLCでロードした。
二量化の手順
0.1M最終濃度でNMP(N−メチルピロリドン)のN−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)及びジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の両方の2.2当量を有する酸(1当量)を処置することにより、グリオキシル酸、IDA、又はFmoc−β−Ala−IDAをN−ヒドロキシスクシンイミドエステルとして予備活性化させた。PEG13及びPEG25リンカーについて、これらの化学物質を、コハク酸イミドエステルとしてあらかじめ形成されたものを、購入した。約0.4当量の活性化エステルをNMP1Mg/mL)中のペプチドに一部ずつゆっくりと加えた。2〜3の追加の約0.05当量のリンカーの2〜3の追加のアリコートをゆっくり加える前に溶液を10分間攪拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣を逆相HPLCにより精製する前に、溶液をさらに3時間攪拌した。追加の逆相HPLC精製を行う前に、DMF(2x、10分)中の20%ピペリジン中のペプチドを攪拌する追加工程を行った。
当業者は、ペプチド合成の標準的方法は、本発明の化合物を生成するために使用できることを理解するであろう。
実施例2
活性アッセイの方法論
設計したペプチドを、ヒトフェロポーチンタンパク質の分解を誘導するために、in vitroで試験した。
フェロポーチン(SLC40A1)をコード化するcDNAをOrigene(NM_014585)からクローンした。コードするDNAフェロポーチンPCRはまた、サブクローニングのための末端制限部位をコードするプライマーを使用したが、終止コドンなしで増幅した。フェロポーチン受容体はフェロポーチンのリーディングフレームがGFPタンパク質を有するフレームで融合されたようなものにネオマイシン(G418)耐性マーカーを含む哺乳類GFP発現ベクターへサブクローン化された。タンパク質をコードするDNAの忠実度を、DNA配列決定によって確認した。HEK293細胞を、フェロポーチン−GFP受容体の発現プラスミドのトランスフェクションのために使用した。細胞を、増殖倍地中で標準的なプロトコルに従って増殖させ、Lipofectamine(製造者のプロトコル、Invitrogen)を用いプラスミドをトランスフェクトした。安定してフェロポーチン−GFPを発現する細胞を増殖培地(その唯一の細胞ではそれを取り出し、残存するcDNA発現プラスミドを組み込んだ)中でG418を用い選択し、数回Cytomation MoFlo(商標)のセルソーターで分別し、GFP−陽性細胞(488nm/530nm)を得た。細胞を増殖させ、アリコートで凍結した。
ヒトフェロポーチンの化合物活性を決定するために、細胞をフェノールレッドなしで、標準培地中において96ウェブプレート中でインキュベートした。化合物をインキュベーター内で少なくとも18時間、所望の最終濃度に加えた。インキュベーションに続き、全細胞GFP蛍光(Envisionプレートリーダー、485/535フィルターペア)、又はBeckman Coulter Quanta(商標)フローサイトメーター(485nm/525nmの蛍光強度の幾何平均として発現する)により、残りのGFP−蛍光を決定した。化合物をインキュベーター内で少なくとも18時間だが、24時間未満、所望の最終濃度に加えた。
参照化合物は天然ヘプシジン、ミニヘプシジン、及びミニヘプシジンの類似体であるR1−ミニヘプシジンを含む。RI−ミニヘプシジンにおける「RI」はレトロインバースを指す。レトロインバースペプチドは、全てのDアミノ酸での逆配列を有するペプチドである。例では、Hy−Glu−Thr−His−NH2がHy−DHis−DThr−Dglu−NH2になる。フェロポーチン分解のこれらの参照化合物のEC50を上述の活性アッセイに従い決定した。これらのペプチドは多くの後に続く研究について管理水準として役立った。
所与のペプチドが内因性フェロポーチンの内部移行及び分解を修正するかどかを決定するために、肝細胞及びペプチドで処置したマクロファージ中のタンパク質レベル及びフェロポーチンの細胞分布はウェスタンブロッティング、免疫組織学及び等技術分野で公知のフェロポーチン抗体を用いアッセイされ得る。
実施例3
ミニヘプシジンのシステイン置換スキャン
先行研究はHep25のN末端セグメントはそのヘプシジン活性にとって重要であり、フェロポーチンとのインターフェースを形成するであろうことを示す。さらに、第7位のCysが活性にとって重要であると考えられた。ジスフィルド結合は、構造、触媒、又は機能的手段により作用し得る。ヘプシジンは続いて受容体を内面化するジスフィルド結合によってフェロポーチンと結合すると仮定される。ヘプシジンの精密検査で、4つのジスルフィドが存在し、これらのシステインのいずれかはフェロポーチンへの結合に責任があり得ることを確かめた。このように、フェロポーチンの遊離チオールは「機能的なアロステリック結合」等価物を有する。より完全にヘプシジン中のシステインの位置に対する構造活性関係を理解するために、我々はミニヘプシジンペプチドの15番目の残基までしステイスキャンを行い、我々はペプチドのヘプシジン活性を示す能力を分析した。ペプチドを実施例1に記載の方法を用い合成し、それらのフェロポーチン 分解における効力を実施例2に記載の通りに試験した。この研究の結果は、EC50値によって示された性能と共に表5に示される。
不活性=30μM及び/又は最低用量で不活性であった。
システインの位置の変更は、試験されたほとんどのペプチド活性を除去した;しかしながらこれらのデータは驚くべきことに、化合物1は6位でシステインを有するにも関わらず活性であることを示した。図1はヘプシジンと比較して、化合物1についての用量反応曲線、及びミニヘプシジン対照の比較を示す。これらのデータは、化合物1はヘプシジンと同様のin vitro能力を有することを明示する。
実施例4
システインスキャンにおいて同定される化合物1のALAスキャン
実施例3の結果を検証するために、Alaスキャンを化合物1で実施した。ペプチドを実施例1に記載の通り合成し、実施例2に記載の通り、それらに活性の試験を行った。この研究の結果を表6に示す。ヘプシジン及び他のミニヘプシジンを有する公知の構造活性相関とこの結果を比較することにより、我々は能力を上昇させた。さらに、これらのデータは、活性についていくつかの残渣の重要性を明示する。逆に、これらのデータはまた、活性を切断することなく修飾され得る多くの残渣を同定する。
実施例5
IN vitroでのペプチド活性の分析
実施例3及び4に記載の実験結果から決定した構造活性相関(SAR)に部分的に基づき、実施例1に記載の方法を用い本発明の種々のヘプシジン様ペプチドを合成し、in vitro活性を実施例2に記載の通りに試験した。参照化合物(表4に示す)は天然ヘプシジン、ミニヘプシジン、及びR1−ミニヘプシジンを含む。ペプチドのEC50値を要約表7に示す。
表7について、挿入語句、例えば、(__)は側鎖共役及び括弧を現し、例えば、[__]は非天然アミノ酸置換を表す。
末端PEG11部分を含む特定の化合物(例えば、化合物89, 108,及び109)については、以下を合成に使用した:
実施例6
化合物18のアラニンスキャン
ヘプシジンの構造活性相関をさらに理解するために、アラニンスキャンを7位のシステインを含む本発明のヘプシジン類似体である化合物18で実施した。実施例1に記載の通りペプチドを合成し、実施例2に記載の通り活性の試験をした;結果を本明細書の表8に示す。
化合物1(6位のシステイン)のアラニンスキャンの場合と同様に、このスキャンは、活性に重要ではないと見られ、従って活性を切除することなく修正され得るいくつかの残渣と同様に、活性に重要である化合物18(7位のシステイン)中の残渣を同定した。
実施例7
プラズマ安定性
血清安定性実験をin vivoでの結果を補完し、強力な、安定したフェロポーチンアゴニストの設計を補助するために行った。ヒトでの安定性を予測するために、ex vivoでの安定性試験を最初にヒト血清中で行った。
鍵ペプチド(10μM)を37℃で余熱したヒト血清(シグマ)とインキュベートした。試料を24時間までの様々な時点で採取した。試料を血清タンパク質から分離し、LC−MSを用い目的のペプチドの存在について分析した。各試料におけるインタクトペプチドの量をゼロ時点に関して分析ピーク領域を用い計算した。表9はこの研究の結果を示す。
実施例8
ラットにおける遊離血漿鉄の減少
ヘプシジン模倣化合物No. 2が血清中の遊離Fe2+の減少において有効であったかどうかを調べるために、レトロインバース(レトロインバース)ミニヘプシジンを参照ペプチドとして使用した。RIミニ−Hepはin vivoで非常に低い能力を持つが、Invest. 2011中Presza et al. J Clin で報告されるようにin vivoでは高活性である。
1日目、動物を血清中の遊離Fe2+について監視した。均質な血清レベルに到達するために、Fe2+を分析し、7又は8匹の動物の均質な集団を各治療群に無作為化した。2日目、動物が試験化合物及びその後の尾部静寂血液試料の腹腔内投与を受けた急性実験。投与前に、動物を3〜5分間加熱ランプの下に置いた。ビヒクルまたは化合物投与前の血清鉄レベルを決定するために全ての動物から尾静脈から血液試料を採取した。動物をビヒクル中の1MLの試験物質又は単にビヒクルで腹腔内投与し、250μlの血液試料を参照化合物の研究において各動物からt=0、60、120、240、360分及び24時間で採取した。レトロインバース (RI)ミニヘプシジン(参照化合物)で行った用量応答試験と、化合物No.2で行った有効性試験は、2つの別個の実験として行った。
0及び1日目からのFe2+の分析を10日後より遅くない後の時点で行った。この実施例で使用される化学物質及び装置を、表10に示す。
最初に、全てのペプチドを3mg/mLの濃度になるように、pH=2.5の酸性のHO中に溶解した。その後、化合物をNa−酢酸緩衝液(50mM酢酸、125mMNaCl,pH5.0)又は強力なPBS(25mMリン酸ナトリウム、125mMNaCl、pH7.4)のいずれかに溶解した。
体重200〜250gの雄Sprague−Dawleyラットを試験に用いた。これらを灯り、温度、及び湿度を調節した部屋(12時間明るく:12時間暗いサイクル、0600/1800時間での点灯/消灯;摂氏23℃;50%相対湿度)中のn=2の群に収容した。OECDの「動物実験の提案におけるエンドポイントのためのガイドライン」に従い、人道的なエンドポイントを適用した。有意な影響を受けた状態(体重減少>30%(肥満動物);異常な姿勢;粗い被毛;目及び/又は鼻の周りの滲出液;皮膚障害;呼吸異常;歩行困難;異常な食物又は水分摂取量;又は自傷といった兆候に基づく)又はかなりの痛みや苦痛を引き起こす他の状態の場合、動物を直ちに安楽死させた。
血漿/血清中の鉄含有量を、アッセイの製造業者の指示に従いCobas 111 cで比色アッセイを用い、鉄含有量について測定すル(アッセイ:IRON2:ACN661)。
cobas Iron2分析から得られたデータは平均値+/−SEMとして示される。
図2及び3に示すように、化合物2のIP投与は、陽性対照レトロインバースミニヘプシジン(RI−ミニヘプシジン)の注入後に観察されたものに匹敵した血清鉄レベルの減少をもたらした。RI−ミニヘプシジンと化合物2により誘導された減少は、どちらの場合にもなかったが、それは恐らく測定での大きな集団間の変化によるものである。
実施例9
選択されたペプチドのin vivo有効化
以下の変更を伴い、実施例8に記載の通り、本発明の選択されたペプチドにin vivo活性の試験を行った。ラットの代わりに、マウス (C57−BL6)を試験した。ペプチド又はビヒクル対照を、3000nmol/kgで投薬された本発明の化合物を伴うマウス(n=8/群)、および1000nmol/kgで皮下注射を介し投与されたヘプシジン対照に投与した。この実験の主要なゴールは、マウスモデルにおいて、ラットにおいて活性であることを示すいくつかのペプチドの活性を有効にすることであった。ペプチド又はビヒクルを投与した後、実施例8に記載の通り血清鉄レベルを評価した。図4に示すように、ビヒクル対照と比較し、これらの用量で、化合物で処置した動物において血清鉄の有意な減少が観察された。さらに、本発明の化合物の最大用量の反応はヘプシジンにより達成される最大用量の反応と非常に似ていた。
血清鉄減少の誘導についてこれらの化合物の用量反応を評価するために、同様の実験を低用量で行った。方法は次のパラメーターを除き、この実施例で上述した通りである:2つの群をプールしたように、n=4のマウス/群、ただしビヒクルについてはn=8である。皮下注射を介し、2つの別々の投与量で(300nmol/kg又は1000nmol/kg)、マウスに試験化合物を投与した。ペプチド又はビヒクル注射の後、実施例8に記載の通り血清鉄レベルを評価した。図5に示すように、これらのペプチドは生体内で天然ヘプシジンを行ったように、同様の鉄の減少を誘導した。さらに、化合物のいくつかは、300nmol/kgという低用量で最大の効果を誘導することが可能であったことが明らかになった。
他のペプチドを、実施例8に記載の通りのラット又は本実施例で上述した通りのマウスにおいて同様に試験し、これらの試験の結果を「in vivo活性」という標題の列で、本明細書の表11に示す。この表において、用量は「in vivo活性」の列の最初の行に記載される副標題に示される;in vivo活性データは「あり」又は「なし」決定として報告され、「あり」は血清鉄減少に関しin vivo活性が観察されたことを示し、「なし」はそのような活性が観察されなかったことを示す。腹腔内注射を介したことが示されない限り、ペプチド投与の経路は皮下注射であった(これは「あり」又は「なし」決定に続き、括弧内で「i.p.」と注記される)。
当業者に公知の方法を用い、ペプチドに他の薬力学/薬力学(PK/PD)パラメーターの試験も行った。これらの試験の結果もまた表11に示す。これらのパラメータは安定性(示されたヒト又はラット対象からのプラズマにおいて安定した時間)、マウスの半減期およびin virto活性(EC50)に関する決定を含んでおり、実施例2に記載の通りに試験された。C57BL6 マウスにおけるそれらのPK/PD効果を決定するために、本発明の2つの化合物(#153及び#181)のPK/PD特性をヘプシジンと比較したそのような研究の一例を図6に示す。これらの化合物のそれぞれは血清鉄の減少を生じさせたが、化合物#181の場合は一過性であり、化合物#153の場合は持続性であった。
これらのデータは、本明細書の表11に存在するデータに加え、ヘプシジンと比較し、活性および本発明のペプチドの有益なPK/PD特性を示し、複数の同様のまたは改善されたPK/PDプロファイルを示す。
特に明記しない限り、全ての化合物は皮下注射で注射した。化合物2は腹腔内注射で注射されたことに注意されたい。
実施例10
選択されたペプチド二量体のin vitro活性
実施例2に記載の通りに、本発明の選択されたペプチド二量体にin vitro活性の試験をした。
1MでのEC50及び%活性を表12に示されるペプチド モノマー及びペプチド二量体に対し決定した。これらのペプチド二量体を、それぞれのペプチドモノマーに存在するシステイン残基の間の単一ジスルフィド結合を介して二量化した。これらの実験の結果を表12に示した。
EC50値をまた、表10に示す配列を有するペプチド二量体に対し決定した。2つのペプチドモノマー間のジスルフィド結合を介してのみ二量化したペプチド二量体の活性をジスフィルド結合及びDIG結合部分の両方を介し二量化した同一のモノマーのペプチド二量体の活性と比較した。加えて、モノマーのN末端、モノマーのC末端、又は異なる内部リジン残渣に結合するDIG結合部分を介し二量化したペプチド二量体の活性を試験した。これらの実験の結果を表13に例示する。
EC50値を異なる結合部分を含むペプチド二量体について、及び2つのペプチドモノマー間のジスフィルド架橋を介したリンケージと比較して決定した。
EC50値を異なる結合部分を含むペプチド二量体について、表14に示すペプチド二量体を含む2つのペプチドモノマー間のジスフィルド架橋を介したリンケージと比較して決定した。特定の結合部分が示されていない場合には、ペプチド二量体をペプチド二量体の各ペプチドモノマーに存在するシステイン残基間のジスフィルド架橋を介し二量化した。この実験の結果を表14に示し、種々のリンカータイプを図7に概略図として示す。
表14において、ブラケットはリンカー及びいずれかのリンカーコンジュゲート(存在する場合)、例えば[リンカー]を示す。
ペプチドモノマーと比較し、EC50値をペプチド鎖内のεに付着したグリコールリンカーを介し二量化したペプチド二量体について決定した。表15に示すように、ペプチド二量体はそれらの対応するペプチドモノマーより低いEC50を有した。この場合、リジンのNεのアシル化によるDIGを使用することによる二量化の前にジスルフィド結合は各ペプチド(例えば、化合物#2及び化合物#3)部分に分子内で存在する。
本明細書に言及される及び/又は出願データシートに記載される全ての上記の米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願及び非特許公開は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の例示的な実施形態をこのように記載したが、開示内は単に例示するものであり、種々の他の代替、改変、及び変更が本発明の範囲内で作られ得ることが当業者によって留意されるべきである。従って、本発明は本明細書に示される特定の実施形態に限定されないが、特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、本発明の特定の実施形態では、以下の項目が提供される。
(項目1)
下記の構造式I’
’−X’−Y’−R (I’)(配列番号:21)
を有するペプチド又は薬剤的に許容されるその塩若しくは溶媒和物であり、
式中、
’は、N末端に付加された、水素、C −C アルキル、C −C 12 アリール、C −C 12 アリール、C −C アルキル、C −C 20 アルカノイル(例えば、メチル、アセチル、ホルミル、ベンゾイル又はトリフルオロアセチル、イソ吉草酸、イソ酪酸、オクタン酸、ラウリン酸及びヘキサデカン酸)、γ−Glu−ヘキサデカン酸)又はpGlu、及び単独で、又は上記のいずれかのスペーサーとしてペグ化バージョン(例えばPEG3からPEG11)を包含し;
’は−NH 又は−OHであり;
X’は式Ia’
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Ia’)(配列番号:13)
を有するペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leu又は存在せず;
X2はThr、Ala、Aib、D−Thr、Arg又は存在せず;
X3はHis、Ala、D−His又はLysであり;
X4はPhe、Ala、Dpa、bhPhe又はD−Pheであり;
X5はPro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abu又は存在せず;
X6はIle、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、Ser又はAlaであり;
X7はCys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−Ile又はD−Cysであり;
X8はIle、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、又はDapaであり;
X9はPhe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPhe又はD−Pheであり;及び
X10はLys、Phe又は存在せず;
Y’が存在しない場合、X7はIleであり;
Y’は式IIa’
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IIa’)(配列番号:16)
を有するペプチドであり、
式中、
Y1はGly、Cys、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Ser又は存在せず;
Y2はPro、Ala、Cys、Gly又は存在せず;
Y3はArg、Lys、Pro、Gly、His、Ala、Trp又は存在せず;
Y4はSer、Arg、Gly、Trp、Ala、His、Tyr又は存在せず;
Y5はLys、Met、Arg、Ala又は存在せず;
Y6はGly、Ser、Lys、Ile、Ala、Pro、Val又は存在せず;
Y7はTrp、Lys、Gly、Ala、Ile、Val又は存在せず;
Y8はVal、Thr、Gly、Cys、Met、Tyr、Ala、Glu、Lys、Asp、Arg又は存在せず;
Y9はCys、Tyr又は存在せず;
Y10はMet、Lys、Arg、Tyr又は存在せず;
Y11はArg、Met、Cys、Lys又は存在せず;
Y12はArg、Lys、Ala又は存在せず;
Y13はArg、Cys、Lys、Val又は存在せず;
Y14はArg、Lys、Pro、Cys、Thr又は存在せず;及び
Y15はThr、Arg又は存在せず;
式中、式I’の前記化合物は、R1’、X’、又はY’がペグ化されていてもよく;及び式中、式I’の前記化合物が2つ以上のシステイン残基を含む場合、少なくとも2つの前記システイン残基がジスフィルド結合を介し結合する、前記ペプチド。
(項目2)
’が水素、イソ吉草酸、イソ酪酸又はアセチルである、項目1に記載のペプチド。
(項目3)
式中、X’は式Ia’を有するペプチドであり、式中、
X1はAsp、Ala、Ida、pGlu、bhAsp、Leu、D−Asp又は存在せず;
X2はThr、Ala、又はD−Thrであり;
X3はHis、Lys、D−His又はLysであり;
X4はPhe、Ala、Dpa又はD−Pheであり;
X5はPro、Gly、Arg、Lys、Ala、D−Pro又はbhProであり;
X6はIle、Cys、Arg、Lys、D−Ile又はD−Cysであり;
X7はCys、Ile、Leu、Val、Phe、D−Ile又はD−Cysであり;
X8はIle、Arg、Phe、Gln、Lys、Glu、Val、Leu又はD−Ileであり;
X9はPhe又はbhPheであり;及び
X10はLys、Phe又は存在しない、項目1又は2に記載のペプチド。
(項目4)
式中、X’は式Ib’
X1−Thr−His−X4−X5−X6−X7−X8−Phe−X10(Ib’)(配列番号:14)
を有するペプチドであり、
式中、
X1はAsp、Ida、pGlu、bhAsp又は存在せず;
X4はPhe又はDpaであり;
X5はPro又はbhProであり;
X6はIle、Cys又はArgであり;
X7はCys、Ile、Leu又はValであり;
X8はIle、Lys、Glu、Phe、Gln又はArgであり;及び
X10はLys又は存在しない、項目1又は2に記載のペプチド。
(項目5)
式中、X’は式Ic’
X1−Thr−His−X4−X5−Cys−Ile−X8−Phe−X10(Ic’)(配列番号:15)
を有するペプチドであり、
式中、
X1はAsp、Ida、pGlu、bhAsp又は存在せず;
X4はPhe又はDpaであり;
X5はPro又はbhProであり;
X8はIle、Lys、Glu、Phe、Gln又はArgであり;及び
X10はLys又は存在しない、項目1又は2に記載のペプチド。
(項目6)
式中、Y’は式IIb’
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10 (IIb’)(配列番号:17)
を有するペプチドであり、式中、
Y1はGly、Ala、Lys、Pro又はD−Proであり;
Y2はPro、Ala、又はGlyであり;
Y3はArg、Ala、Lys又はTrpであり;
Y4はSer、Gly又はAlaであり;
Y5はLys、Met、Arg又はAlaであり;
Y6はGly、Arg又はAlaであり;
Y7はTrp又はAlaであり;
Y8はVal、Thr、Ala又はGluであり;及び
Y10はMet、Lys又は存在しない、項目1から5のいずれか1項に記載のペプチド。
(項目7)
式中、Y’は式IIc’
Y1−Y2−Y3−Ser−Lys−Gly−Trp−Y8−Cys−Y10 (IIc’)(配列番号:18)
を有するペプチドであり、
式中、
Y1はGly、Pro又はD−Proであり;
Y2はPro又はGlyであり;
Y3はArg又はLysであり;
Y8はVal又はThrであり;及び
Y10はMet、Lys又は存在しない、項目1から5のいずれか1項に記載のペプチド。
(項目8)
式中、Y’は式IId’
Y1−Cys−Y3−Y4−Arg−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IId’)(配列番号:19)
を有するペプチドであり、
式中、
Y1はVal又はAla又は存在せず;
Y3はGly、Pro又は存在せず;
Y4はHis、Trp又はTyrであり;
Y6はSer、Gly又はProであり;
Y7はIle、Gly又はLysであり;
Y8はGly、Met又は存在せず;
Y10はTyr又はCysであり;
Y11はArg、Lys、Met又はAlaであり;
Y12はArg又はAlaであり;
Y13はCys又はVal又は存在せず;
Y14はCys、Lys、Pro、Arg、Thr又は存在せず;及び
Y15はArg、Thr又は存在しない、項目1から5のいずれか1項に記載のペプチド。
(項目9)
式中、Y’は式IIe’
Val−Cys−Y3−His−Arg−Y6−Y7−Y8−Cys−Tyr−Arg−Y12−Y13−Y14−Y15(IIe’)(配列番号:20)
を有するペプチドであり、式中、
Y3はGly又は存在せず;
Y6はSer又はProであり;
Y7はIle又はLysであり;
Y8はGly又は存在せず;
Y12はArg又はAlaであり;
Y13はCys又はVal又は存在せず;
Y14はCys、Arg、Thr又は存在せず;及び
Y15はArg又は存在しない、項目1から5のいずれか1項に記載のペプチド。
(項目10)
Y1からY3は存在し、Y4からY15は存在しない、項目1から5のいずれか1項に記載のペプチド。
(項目11)
Y1からY11は存在し、Y12からY15は存在しない、項目1から5のいずれか1項に記載のペプチド。
(項目12)
Y1からY10は存在し、Y11からY15は存在しない、項目1から5のいずれか1項に記載のペプチド。
(項目13)
Y8およびY15は存在しない、項目1から5のいずれか1項に記載のペプチド。
(項目14)
Y3およびY15は存在しない、項目1から5のいずれか1項に記載のペプチド。
(項目15)
Y3、Y14及びY15は存在しない、項目1から5のいずれか1項に記載のペプチド。
(項目16)
Y5は存在しない、項目1から5のいずれか1項に記載のペプチド。
(項目17)
Y1、Y5、Y7、Y12、Y13、Y14、Y15は存在しない、項目1から5のいずれか1項に記載のペプチド。
(項目18)
ペプチドがヘプシジン活性を示す、項目1から17のいずれか1項に記載のペプチド。
(項目19)
ペプチドがフェロポーチンを結合する、項目1から18のいずれか1項に記載のペプチド。
(項目20)
項目1から19のいずれか1項に記載の少なくとも1つのペプチドを含む組成物。
(項目21)
フェロポーチンを項目1から19のいずれか1項に記載の少なくとも1つのペプチド又は項目20に記載の組成物に接触させることを含む、フェロポーチンを結合する又はフェロポーチンの内部移行及び劣化を誘導する方法。
(項目22)
項目1から19のいずれか1項に記載の少なくとも1つのペプチド又は項目20に記載の組成物を対象に投与することを含む、対象の鉄代謝障害を治療する方法。
(項目23)
鉄代謝障害が鉄過剰症である、項目22に記載の方法。
(項目24)
項目1から19のいずれか1項に記載のペプチド類似体を合成的に製造する方法。
(項目25)
項目1から19のいずれか1項に記載のペプチド類似体を組換え的に製造する方法。
(項目26)
項目1から25のいずれかに記載の化合物又は医薬組成物を製造する方法。
(項目27)
項目1から19に記載のペプチド類似体、又は薬剤的に許容されるその塩若しくは溶媒和物と、1又は複数の、項目1から19に記載のペプチド類似体、又は薬剤的に許容されるその塩若しくは溶媒和物と、薬剤的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む、医薬組成物。
(項目28)
項目1から19に記載の少なくとも1つのペプチド類似体、又は薬剤的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を含む、対象へのペプチド類似体の送達のための装置。
(項目29)
試薬、装置、指示書、又はそれらの組み合わせと同梱した、項目1から19のいずれか1項に記載の少なくとも1つのペプチド又は項目20に記載の組成物を含むキット。
(項目30)
フェロポーチン又は抗体に結合する項目1から19のいずれか1項に記載の少なくとも1つのペプチドを含む複合体。
(項目31)
下記の構造式I’’
’’−X’’−Y’’−R 2’’ (I’’)(配列番号:27)
を有するペプチド又は薬剤的に許容されるその塩若しくは溶媒和物であり、
式中、
’’はN末端に付加された、水素、C −C アルキル、C −C 12 アリール、C −C 12 アリール、C −C アルキル、C −C 20 アルカノイル(例えば、メチル、アセチル、ホルミル、ベンゾイル又はトリフルオロアセチル、イソ吉草酸、イソ酪酸、オクタン酸、ラウリン酸及びヘキサデカン酸)、γ−Glu−ヘキサデカン酸)又はpGlu、及び単独で、又は上記のいずれかのスペーサーとしてペグ化バージョン(例えばPEG3からPEG11)を包含し;
’’は−NH 又は−OHであり;
X’’は式Ia’’
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Ia’’)(配列番号:22)
を有するペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leu又は存在せず;
X2はThr、Ala、Aib、D−Thr、Arg又は存在せず;
X3はHis、Ala、D−His又はLysであり;
X4はPhe、Ala、Dpa、bhPhe又はD−Pheであり;
X5はPro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abu又は存在せず;
X6はIle、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、Ser又はAlaであり;
X7はCys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−Ile又はD−Cysであり;
X8はIle、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、又はDapaであり;
X9はPhe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPhe又はD−Pheであり;及び
X10はLys、Phe又は存在せず;
Y’’が存在しない場合、X7はIleである、前記ペプチド。
(項目32)
前記化合物はR ”、X”,又はY”がペグ化される、項目31に記載の化合物。
(項目33)
前記化合物が2つ以上のシステイン残基を含み、少なくとも2つの前記システイン残基がジスフィルド結合を介し結合される、項目31又は32に記載の化合物。
(項目34)
”が水素、イソ吉草酸、イソ酪酸又はアセチルである、項目31から33のいずれか1項に記載の化合物。
(項目35)
式中、
X1はAsp、Ala、Ida、pGlu、bhAsp、Leu、D−Asp又は存在せず;
X2はThr、Ala、又はD−Thrであり;
X3はHis、Lys、D−His又はLysであり;
X4はPhe、Ala、又はDpaであり;
X5はPro、Gly、Arg、Lys、Ala、D−Pro又はbhProであり;
X6はIle、Cys、Arg、Lys、D−Ile又はD−Cysであり;
X7はCys、Ile、Leu、Val、Phe、D−Ile又はD−Cysであり; X8はIle、Arg、Phe、Gln、Lys、Glu、Val、Leu又はD−Ileであり;
X9はPhe又はbhPheであり;及び
X10はLys又は存在しない、項目31〜34のいずれか1項に記載の化合物。
(項目36)
式中、X”はIa”の代わりに式Ib”
X1−Thr−His−X4−X5−X6−X7−X8−Phe−X10(Ib”)(配列番号:23)
を有するペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Ida、pGlu、bhAsp又は存在せず;
X4はPhe又はDpaであり;
X5はPro又はbhProであり;
X6はIle、Cys又はArgであり;
X7はCys、Ile、Leu又はValであり;
X8はIle、Lys、Glu、Phe、Gln又はArgであり;及び
X10はLys、Phe又は存在しない、項目31〜34のいずれかに記載の化合物。
(項目37)
式中、X”はIa”の代わりに式Ic”
X1−Thr−His−X4−X5−Cys−Ile−X8−Phe−X10(Ic”)(配列番号:24)
を有するペプチド配列であり、
式中、
X1はAsp、Ida、pGlu、bhAsp又は存在せず;
X4はPhe又はDpaであり;
X5はPro又はbhProであり;
X8はIle、Lys、Glu、Phe、Gln又はArgであり;及び
X10はLys又は存在しない、項目31〜34のいずれかに記載の化合物。
(項目38)
式中、Y”は式IIa”
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10 (IIa”)(配列番号:25)
を有するペプチド配列であり、
式中、
Y1はGly、Ala、Lys、Pro又はD−Proであり;
Y2はPro、Ala、又はGlyであり;
Y3はArg、Ala、Lys又はTrpであり;
Y4はSer、Gly又はAlaであり;
Y5はLys、Met、Arg又はAlaであり;
Y6はGly、Arg又はAlaであり;
Y7はTrp、Ala、又は存在せず;
Y8はVal、Thr、Lys、Ala、Glu又は存在せず;及び
Y10はMet、Lys又は存在しない、項目31〜37のいずれか1項に記載の化合物。
(項目39)
式中、Y”は式IIb”
Y1−Y2−Y3−Ser−Lys−Gly−Trp−Y8−Cys−Y10(IIb”)
を有するペプチド配列であり、
式中、
Y1はGly、Pro又はD−Proであり;
Y2はPro、Glyであり;
Y3はArg、Lysであり;
Y8はVal又はThrであり;及び
Y10はMet、Lys又は存在しない、項目31〜37のいずれか1項に記載の化合物。
(項目40)
式I”のペプチドが少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、又は少なくとも10個のY”残基を含む、項目31〜39のいずれか1項に記載の化合物。
(項目41)
Y1からY3は存在し、Y4からY10は存在しない、項目31〜40のいずれか1項に記載の化合物。
(項目42)
Y5が存在しない、項目31〜40のいずれか1項に記載の化合物。
(項目43)
Y1、Y5、及びY7が存在しない、項目31〜40のいずれか1項に記載の化合物。
(項目44)
ペプチドがヘプシジン活性を示す、項目31から43のいずれか1項に記載のペプチド。
(項目45)
ペプチドがフェロポーチンを結合する、項目31から43のいずれか1項に記載のペプチド。
(項目46)
項目31から45のいずれか1項に記載の少なくとも1つのペプチドを含む組成物。
(項目47)
フェロポーチンを項目31から45のいずれか1項に記載の少なくとも1つのペプチド又は項目46に記載の組成物に接触させることを含む、フェロポーチンを結合する又はフェロポーチン内部移行及び劣化を誘導する方法。
(項目48)
項目31から45のいずれか1項に記載の少なくとも1つのペプチド又は項目46に記載の組成物を対象に投与することを含む、対象の鉄代謝障害を治療する方法。
(項目49)
鉄代謝障害が鉄過剰症である、項目48に記載の方法。
(項目50)
項目31から45のいずれか1項に記載のペプチドを合成的に製造する方法。
(項目51)
項目31から45のいずれか1項に記載のペプチドを組換え的に製造する方法。
(項目52)
項目1から51のいずれかに記載の化合物又は医薬組成物を製造する方法。
(項目53)
項目31から38に記載のペプチド類似体、又は薬剤的に許容されるその塩若しくは溶媒和物と、1又は複数の、項目31から38に記載のペプチド類似体、又は薬剤的に許容されるその塩若しくは溶媒和物と、薬剤的に許容される担体、賦形剤又はビヒクルを含む、医薬組成物。
(項目54)
項目31〜45に記載の少なくとも1つのペプチド、又は薬剤的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を含む、対象へのペプチドの送達のための装置。
(項目55)
試薬、装置、指示書、又はそれらの組み合わせと同梱した、項目31から45のいずれか1項に記載の少なくとも1つのペプチド又は項目46に記載の組成物を含むキット。
(項目56)
フェロポーチン又は抗体に結合する項目31〜45のいずれか1項に記載の少なくとも1つのペプチドを含む複合体。

Claims (9)

  1. 以下の構造:
    イソ吉草酸−DTHFPCIKFEP−K(isoGlu−Palm)−SKGCK−NH(配列番号243)
    からなり、式中、2つのCys残基の間にジスルフィド結合が存在する、ペプチド又は薬剤的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
  2. 下の構造:
    イソ吉草酸−DTHFPCI−K(isoGlu)−Palm)−FEPRSKGCK−NH(配列番号241)
    からなり、式中、2つのCys残基の間にジスルフィド結合が存在する、ペプチド又は薬剤的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
  3. 下の構造:
    イソ吉草酸−DTHFPCIKF−K(isoGlu−Palm)−PRSKGCK−NH(配列番号242)
    からなり、式中、2つのCys残基の間にジスルフィド結合が存在する、ペプチド又は薬剤的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
  4. 下の構造:
    シクロヘキサン酸−DTHFPCIKFGPRSKGWVCK−NH(配列番号191)
    からなり、式中、2つのCys残基の間にジスルフィド結合が存在する、ペプチド又は薬剤的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
  5. 前記ペプチドが、ヘプシジン活性を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載のペプチド又は薬剤的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のペプチド又は薬剤的に許容されるその塩若しくは溶媒和物と、薬剤的に許容される担体又は賦形剤とを含む、医薬組成物。
  7. フェロポーチンと結合するか又はフェロポーチン内部移行および分解を引き起こすための、請求項1〜のいずれか1項に記載のペプチド又は薬剤的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を含む組成物、あるいは請求項に記載の医薬組成物であって、前記ペプチド、ペプチド二量体、組成物又は医薬組成物が、フェロポーチンと接触させられることを特徴とする、組成物又は医薬組成物。
  8. 必要とする対象における鉄代謝の疾患の処置における使用のための、請求項に記載の医薬組成物であって、前記鉄代謝の疾患は、必要に応じて、ヘモクロマトーシス、HFE変異ヘモクロマトーシス、フェロポーチン変異ヘモクロマトーシス、トランスフェリン受容体2変異ヘモクロマトーシス、ヘモジュベリン変異ヘモクロマトーシス、ヘプシジン変異ヘモクロマトーシス、若年性ヘモクロマトーシス、新生児ヘモクロマトーシス、ヘプシジン欠乏、鉄過剰症、輸血鉄過剰症、サラセミア、中間型サラセミア、アルファサラセミア、鉄芽球性貧血、ポルフィリン症、晩発性皮膚ポルフィリン症、アフリカ鉄過剰症、高フェリチン血症、セルロプラスミン欠乏症、トランスフェリン欠乏症、先天性赤血球異形成貧血、慢性障害による貧血、炎症による貧血、感染による貧血、低血色素小赤血球性貧血、鉄−欠乏性貧血、鉄剤不応性鉄欠乏性貧血、慢性腎臓病による貧血、エリスロポエチン抵抗性、肥満症による鉄欠乏、その他貧血、ヘプシジンを過剰生産するか又はその過剰生産を引き起こす良性又は悪性腫瘍、ヘプシジン過剰をともなう状態、フリードライヒ失調症、GRACILE 症候群、ハラーホルデン・スパッツ症候群、ウィルソン病、肺血鉄症、肝細胞癌、癌、肝炎、肝臓の肝硬変、異食症、慢性腎不全、インスリン抵抗性、糖尿病、アテロスクレローゼ、神経変性障害、多発性硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病およびアルツハイマー病から選択される、医薬組成物。
  9. 前記鉄代謝の疾患が鉄過剰症であって、必要に応じて、鉄ヘモクロマトーシス、HFE変異ヘモクロマトーシス、フェロポーチン変異ヘモクロマトーシス、トランスフェリン受容体2変異ヘモクロマトーシス、ヘモジュベリン変異ヘモクロマトーシス、ヘプシジン変異ヘモクロマトーシス、若年性ヘモクロマトーシス、新生児ヘモクロマトーシス、ヘプシジン欠乏、輸血鉄過剰症、サラセミア、中間型サラセミア、およびアルファサラセミアから選択される、請求項に記載の医薬組成物。
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