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JP6523225B2 - 皺及び肌のきめの粗さを平滑化するための方法 - Google Patents

皺及び肌のきめの粗さを平滑化するための方法 Download PDF

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Description

本発明は、皺及びきめの粗さを平滑化するように粘着力及び肌の収縮を呈するパーソナルケア組成物、並びにその使用方法に関するものである。
目に見える皺、特に顔及び目の周りのものは、最も顕著かつ望ましくない老化の兆候の1つである。多くの消費者製品及び手技は、皺を隠すこと又は減らすことに専念している。これらの消費者製品及び手技は、例えば、特にプライマー又は着色されたファンデーションといったメークアップを、消費者の皮膚の皺を単純に覆うために適用するなど、単純かつ安価である場合がある。顔の皺の外観を減らすために、外科的なフェイスリフト及びボトックス注射のような、はるかに高価かつ劇的な手技もまた使用されている。肌をよりしなやかにし、皺の外観を減らすために肌に水分を補給することを目的としたローション及びクリームは非常に多い。これらの液体製品のいくつかは、時間をかけて皮膚を修復し若返らせるのを助ける、例えばナイアシンアミドなどの活性成分を含有している。これらの製品及び手技の全ては欠点を有する。
ファンデーション及び他のメークアップ製品は、可視であることが多く、きめへの効果はほとんどなく、皮膚への持続的な効果を有さない。いったんメークアップを落としたら、皮膚は、メークアップの適用前と同じ外観になる。液体製品は、慢性、急性、又は両方の影響を皮膚に及ぼす場合がある。水分補給及び光学的効果は、一般的な急性効果であり、これらの効果は、時間経過とともに消失する。長期的な有効成分は、時間をかけて肌を活性化又は修復することができる。これらの長期的な効果が発生するには時間がかかり、かつ、それらの効果は漸進的な改善である。これらの長期的な効果がどの程度有効であり得るかには限度がある。整形手術及び化学品の注入は、消費者の皮膚の見た目に対するより顕著で即時の劇的な効果を有するが、これらの手技は非常に高価であり、かつ多くのリスクを伴う。整形外科手術は、外観を損なうことを含めた、他の任意の外科的手技と同じ失敗のリスクを有する。
既存の製品及び手順の欠点を伴わずに皮膚の外観を改善するために、新しい製品カテゴリーを開発する試みが為されてきた。そのような製品分類の1つは、一般に、「粘着性・収縮性フィルム形成剤」として分類され得る。フィルム形成剤は、皮膚に適用されたときに柔軟な凝集性の連続した被覆を残す化学組成物である。フィルム形成剤の選択群もまた、皮膚に粘着性であり、更には収縮性である。皺の最も単純な形状は、皮溝(crevices)又はくぼみである。粘着性の収縮性フィルム形成剤が適用されると、くぼみ又は皮溝の底の皮膚が表面に引っ張られて、皮膚は滑らかで、皺がないように見えるようになる。既存の粘着性の収縮性フィルム形成製品の欠点としては、皮膚の収縮によって引き起こされる不快感、皮膚の刺激、消費者が顔の筋肉を使用したときのフィルムの亀裂、使用中の他の化粧品との不適合性、及び、白っぽく、認識可能であることが多いフィルムの視認性が挙げられる。これまで、これらの問題の1つを解消又は低減することは、他の問題の1つを悪化させてきた。
ケイ酸ナトリウムは、今日使用されている粘着性の収縮性フィルム形成成分である。高レベルのケイ酸ナトリウムは、高度から中程度の皮膚収縮をもたらすことができ、結果として、高度から中程度の即時に皺の低減をもたらす。しかし、残念ながら、より多くのケイ酸ナトリウムが使用されるほど、より多くの皮膚刺激が観察され、乾燥したフィルムはより脆くなる(耐久性が低下する)。当業者は、脆いフィルムの問題を解決するために可塑剤を使用することを試みてもよいが、上記に述べたように、この問題を解決することは他の問題を悪化させ、この場合は、白色度が増し、収縮が低減される。したがって、これらの解決策は、消費者に受け入れられるものではない。
したがって、皮膚の外観を改善することができる組成物及び処置方法、より具体的には、適度な皮膚の収縮、フィルムの柔軟性、フィルムの白色度の欠如、収縮弾力性、他の化粧品との適合性、及び皮膚刺激の欠如のバランスをとりながらも皮膚の皺の外観を低減することができる組成物及び処置方法を提供することへの継続的な要望が存在する。本発明により、当該技術に勝るこれら及び他の改善が提供される。
シリカ含有量(SiO2)により測定されたときに、約0.5〜約4%のケイ酸ナトリウムと、約0.1%〜約4.0%の多価ケイ酸塩とを有する皮膚平滑化組成物が提供される。本発明の組成物は、約1重量%〜約20重量%で組成物中に存在する少なくとも1種類の可塑剤を備え得る。加えて、ケイ酸ナトリウム、多価ケイ酸塩、及び可塑剤のレベルは、(a)ケイ酸ナトリウム(SiO2)の多価ケイ酸塩に対する比率が0.7以上、及び/又は(b)ケイ酸塩の合計(ケイ酸ナトリウム+多価ケイ酸塩)の可塑剤の合計に対する比率が1.8以下という比率に従って平衡させる。組成物は、例えば、約10〜98%の水などの担体中において提供され、水性ゲル、水中油型エマルション、又はそれらの形態の一方又は両方を含む組成物のような水性製剤の形態であり得る。
本発明の一態様において、ケイ酸ナトリウムは、SiO2:Na2Oのモル比が3.3以下であり、多価ケイ酸塩は、ベントナイト、ラポナイト、スメクタイト、及びカオリナイトからなる群から選択されるケイ酸塩粘土(silicate clay)である。多価ケイ酸塩は、10を超えるpHで安定であることが好ましい。可塑剤は、例えば、3〜5個の炭素原子を含有するアルキルモノグリコール又はジグリコールであり得る。更に、可塑剤は、プロピレングリコールであり得る。
組成物中の他の任意の成分は、例えばキサンタンガムなどの多糖類増粘剤と、着色及び非着色顔料、干渉顔料、無機粉末、有機粉末、複合材粉末、蛍光増白剤粒子、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、約0.001%〜約5%の粒子状物質とを含む。
スキンケア有効成分もまた、本発明の組成物に使用するのに好ましく、ビタミンB化合物、ビタミンC化合物、ビタミンE化合物、ペプチド、糖アミン、天然植物抽出物、オイルコントロール剤、皮膚美白剤、及びそれらの組み合わせからなる群から、より好ましくは、ナイアシンアミド、パルミトイル−リジン−トレオニン、パルミトイル−リジン−トレオニン−トレオニン−リジン−セリン、N−アセチル−D−グルコサミン、サリチル酸、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、ヘキサミジン化合物、及びそれらの組み合わせからなる群から、選択することができる。
生体内性能を予測する生体外試験によると、本発明の組成物は、約0.51〜約2.29cm(約0.2〜約0.9インチ)の収縮、40以下の白色度、20%以下の収縮損失、及び35γp/mJ/m2以下の極性成分表面エネルギーを呈する。更に、本発明の組成物によって形成されたフィルムは、消費者にとっての好ましい成果が2.8未満である総合性能スコアの計算の際に実行されるような多変数方程式を用いて表すことができる、前の文章に挙げた全ての因子の平衡を呈する。
本発明の別の態様において、シリカ含有量(SiO2)により測定されたときに、約0.5%〜約4%のケイ酸ナトリウムと、約0.1%〜約4.0%の多価ケイ酸塩と、約10%〜約98%の水とを含む皮膚平滑化組成物を有するキットが提供され、組成物は、水ゲル又は水中油型エマルションのような水性製剤の形態である。キットは更に、水中油型エマルション、油中水型エマルション、濃化水ゲル(thickened water gel)、濃化油混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の追加の成分を含み、これらの組成物は、スキンケア組成物か、又は着色化粧品組成物の形態である。更に、キットは、ケラチン組織に利益を提供するためにレジメンを遵守するための指示説明書を含んでいる。キットは、所望により、パーソナルケア組成物を皮膚に送達するために、アプリケータ、送達器具、又は通電送達装置からなる群から選択される追加の構成要素を含んでもよい。
「背景技術」において特定した技術的な問題への対応として、本発明は、卓越した初期的及び持続的な収縮をフィルムにもたらし、柔軟性があり、透明であり、かつ非刺激性である組成物、並びにキットを提供する。多価ケイ酸塩(粘土)、ケイ酸ナトリウム、及び可塑剤のレベルは、追加的な又は過度の剛性、白色度、又は刺激を伴わずに初期的及び持続的な収縮における改善を達成するように平衡される。多価ケイ酸塩、ケイ酸ナトリウム、及び可塑剤のレベルが適正に平衡されていると(ケイ酸塩(SiO2)対多価ケイ酸塩が0.7以上、合計ケイ酸塩(ケイ酸ナトリウム+多価ケイ酸塩)対合計グリコールの比率が1.8以下)、驚くべきことに、フィルムの白色度の低下及び収縮弾力性の改善の両方の追加的な利点をもたらすことが発見された。更に、キットという形態において、皮膚平滑化組成物を比較的親水性の製剤の適用と合わせて皮膚に適用すると、収縮の程度及びしたがって皺の低減効果が増大する。この洞察は、ケイ酸ナトリウムを追加せずに、かつそれに伴う負担を伴わずに、収縮を増大させることを可能にする。
本発明の更なる形態は、以下の詳細な説明にて認識されるであろう。
本発明は、下記の図面及び説明を参照することで更に理解できる。図中の構成要素は、必ずしも縮尺ではなく、むしろ本発明の原理を例示することに強調が置かれている。更には、図面における同様の参照番号は、異なる図を通し一貫して対応する部分を指す。図面において、
本発明による皮膚平滑化組成物を適用するために好適なアプリケータの一部が切り取られた分解図である。
本明細書で使用される全ての百分率及び比率は、組成物全体の重量によるものであり、特に指定しない限り、全ての測定は25℃で行われた。全ての数値範囲は、より狭い範囲を包含する。区切られた上下の範囲限界は互換性があり、明示的に区切られていない更なる範囲を作る。
本発明の組成物は、本明細書に記載されている必須の構成成分及び任意の成分を含むこと、又はそれらから本質的になること、又はそれらからなることができる。本明細書で使用するとき、「から本質的になる」は、追加の成分が本願の組成物又は方法の基本的かつ新規な特徴を実質的に変更しない限り、組成物又は成分が追加の成分を含んでもよいことを意味する。
組成物に関連して使用するとき、用語「適用する」又は「適用」は、本発明の組成物を皮膚表面すなわち表皮等の基質に適用する又は広げることを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「皮膚科学的に許容可能な」は、記載される組成物又は成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応等がなく、ヒトの皮膚組織と接触して使用するのに好適であることを意味する。
本明細書で使用するとき、用語「安全かつ有効な量」は、有益な利益を有意に誘導するのに十分な化合物及び組成物の量を意味する。
本明細書で使用するとき、用語「顔の皮膚表面」は、額、眼窩周囲、頬、口周囲、顎及び鼻の皮膚表面の1つ以上を指す。本明細書では顔の皮膚表面を取り上げ、例示しているが、他の皮膚表面、例えば、顔の皮膚表面、手及び腕の皮膚表面、足及び脚の皮膚表面、並びに首及び胸部の皮膚表面(例えば胸元)のような、通常は衣類で覆われない表面などを本発明の組成物で処置することができる。
本明細書で使用するとき、「安定」及び「安定性」とは、組成物が約1℃〜約40℃の温度にあるときに、化学的な状態、物理的な均質性、及び/又は色が実質的に変わらない組成物を意味する。
組成物
本発明は、様々な組成物、より具体的には、皮膚表面への適用のための組成物に関する。組成物としては、液剤、懸濁剤、ローション、クリーム、ゲル、トナー、スティック、ペンシル、スプレー、エアロゾル、軟膏、クレンジングリキッド及び固形バー、ペースト、発泡剤、粉末、ムース、拭き取り用品、ストリップ、パッチ、ヒドロゲル、フィルム形成製品、顔面及び皮膚マスク(不溶性シートを伴うもの及び伴わないもの)、ファンデーション、アイライナー、及びアイシャドウなどのメークアップなどが挙げられるがこれらに限定されない、様々な製品形態を有することができる。組成物中に担体が存在する場合、組成物の形態は、選択された特定の皮膚科学的に許容される担体に従うことができる。
フィルム形成組成物
本発明の皮膚平滑化組成物は、シリカ含有量(SiO2)により測定されたときに、約0.5%〜約4%のケイ酸ナトリウムと、約0.1%〜約4.0%の多価ケイ酸塩とを含む。多価ケイ酸塩は、ベントナイト、ラポナイト、スメクタイト、及びカオリナイトからなる群から選択されるケイ酸塩粘土である。多価ケイ酸塩は、10.0を超えるpHで安定であることが好ましい。好ましいフィルム形成組成物は、水と石鹸などの洗剤とを併せて使用することで除去可能である、べたつきのないフィルムを形成する。シリカの多価ケイ酸塩に対する比率は、好ましくは約0.70〜約4.0、より好ましくは約1.0〜約3.0、更により好ましくは約1.0〜約2.0である。全体としてのフィルム形成組成物のpHは、好ましくは10.0であり、より好ましくは10.5超、更により好ましくは11.0超である。
本発明のシリカ及び多価ケイ酸塩のフィルム形成剤に加えて、フィルム形成組成物は、所望により、フィルム形成ポリマーを含み得る。好適な任意のフィルム形成高分子材料の例としては、:
a)AQ29D、AQ35S、AQ38D、AQ38S、AQ48S、AQ55S(Eastman Chemicalsから入手可能)などのAQスルホポリエステル樹脂類などの、スルホポリエステル樹脂類、
b)Air Productsから入手可能なVinex 2034、Vinex 2144、Vinex 2019などのVinex樹脂などの、ポリビニルアセテート/ポリビニルアルコールポリマー類、
c)National StarchからDermacryl LTなど商品名「Dermacryl」で入手可能な水分散性のアクリル樹脂などの、アクリル樹脂類、
d)Luviskol K17、K30及びK90(BASFから入手可能)、PVP/VA S−630及びW−735などのPVPの水溶性コポリマー、ISPから入手可能なコポリマー845及びコポリマー937のようなPVP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、並びにE.S.Barabasにより「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」(第2版、17巻、198〜257頁)に開示されている他のPVPポリマーなどの、ポリビニルピロリドン(PVP)類、
e)Alzo International Inc.から入手可能なPolyderm PE−PAなどの、ポリウレタン類、
f)Alzo International Inc.から入手可能なPolyderm PPG−17などの、共重合されたアミドエステル化合物類、
g)アクリルラテックス分散剤類、
h)ジメチコン及び有機置換されたジメチコンであり、特に、約50,000mPasを超える粘度を有するもののような、高分子量のシリコーン類、
i)約50,000mPasを超える粘度を有する高分子量の炭化水素ポリマー類、
j)例えばキサンタンガム、デヒドロキサンタンガム、セルロース誘導体、架橋されたキサンタンガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、ウンデシレノイルキサンタンガム、脱アセチル化されたキサンタンガム、グアーガム、セルロースガム、カラギーナン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びカルボキシメチルキチンナトリウムなどの、多糖類ガム類、
k)オルガノシロキサン樹脂、流体ジオルガノポリシロキサンポリマー、及びシリコーンエステルワックスなどの、オルガノシロキサン類が挙げられる。
これらの任意のポリマー類の例は、1996年10月31日に公開された国際公開第96/33689号、1997年5月15日に公開された同第97/17058号、及び1996年4月9日にCastrogiovanniらに発行された米国特許第5,505,937号に見出され、それら全ては参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に用いるのに好適な追加のフィルム形成ポリマーとしては、水性エマルション中の非水溶性ポリマー材料及び、1998年5月7日に公開された国際公開第98/18431号に記載されている水溶性フィルム形成ポリマーが挙げられ、それらは参照により本明細書に組み込まれる。約50,000mPasを超える粘度を有する高分子量炭化水素ポリマーの例としては、ポリブテン、ポリブテンテレフタレート、ポリデセン、ポリシクロペンタジエン、並びに同様の直鎖及び分枝状の高分子量炭化水素が挙げられる。
任意のフィルム形成ポリマーは、RnSiO(4-n)/2(式中、nは1.0〜1.50の値であり、Rはメチルである)の関係を満たす互いに対する比で、R3SiO1/2「M」単位と、R2SiO「D」単位と、RSiO3/2「T」単位と、SiO2「Q」単位との組み合わせを含むオルガノシロキサン樹脂が挙げられる。最高5%の少量のシラノール又はアルコキシ官能基もまた、処理の結果として樹脂構造内に存在し得ることに留意されたい。オルガノシロキサン樹脂は、約25℃にて固体でなくてはならず、約1,000〜約10,000グラム/モルの分子量範囲を有する必要がある。樹脂は、トルエン、キシレン、イソパラフィン、及びシクロシロキサンのような有機溶媒又は揮発性担体に可溶性であり、樹脂が揮発性担体に不溶性となるほどには樹脂が架橋されていないことを示す。特に好ましいのは、反復する1官能性又はR3SiO1/2「M」単位と4官能性又はSiO2「Q」単位とを含む、1994年7月19日に発行された米国特許第5,330,747(Krzysik)に開示されている「MQ」樹脂としても知られている樹脂であり、当該特許は参照により本明細書に組み込まれる。本発明において、「M」の「Q」に対する官能性単位の比率は、好ましくは約0.7であり、nの値は1.2である。これらのようなオルガノシロキサン樹脂は、GE Toshiba Siliconeから入手可能なトリメチルシロキシシリケート/シクロメチコンD5ブレンド、Wacker Silicones Corporation(ミシガン州Adrian)から入手可能なWacker 803及び804、信越化学工業のKP545、並びにGeneral Electric CompanyのG.E.1170−002などとして市販されている。本発明では、主に第2層にフィルム形成ポリマーを有することによって、フィルム形成ポリマーは組成物の残りの部分と比較してより高い濃度で局所的区域に存在し、このために、皮膚に適用されたときにより高いフィルム強度のフィルムを形成する。そのような高いフィルム強度の高濃度の区域は、皮膚に対する組成物全体の粘着力を高める。つまり、フィルム形成ポリマーを第2層に主に提供することによって、組成物全体に含まれるフィルム形成ポリマーの量を低減することができ、すなわち、同じ量のフィルム形成ポリマーが第2層に配合された場合、組成物全体が改善された粘着力を有することになる。好ましい実施形態では、第2層におけるフィルム形成ポリマーの含有レベルは、約0.1%〜約20%、好ましくは約0.5%〜約10%、より好ましくは約1%〜約8%である。
可塑剤
本発明の組成物は、約1重量%〜約20重量%、好ましくは約1重量%〜約15重量%、より好ましくは2重量%〜約10重量%で組成物中に存在する少なくとも1種類の可塑剤を含んでもよい。可塑剤は、例えば、3〜5個の炭素原子を含有するアルキルモノグリコール又はジグリコールであり得る。更に、可塑剤は、プロピレングリコールであり得る。本明細書の可塑剤は、多価アルコール、水溶性アルコキシル化非イオン性ポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択される。本明細書において有用な多価アルコールとしては、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,3ープロパンジオール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、ヒアルロン酸ナトリウム、ポリプロパンジオール、及びそれらの混合物が挙げられる。
本明細書における市販の可塑剤としては、旭電化工業から入手可能なグリセリン、Inolexから入手可能な商品名LEXOL PG−865/855を有するプロピレングリコール、BASFから入手可能な1,2−PROPYLENE GLYCOL USP、協和発酵工業から入手可能な1,3−ブチレングリコール、BASFから入手可能な同じ商品名のジプロピレングリコール、DuPont Companyから入手可能な商品名ZEMEAを有する1,3プロパンジオール、DuPont Companyから入手可能な商品名CERENOL H250を有するポリプロパンジオール、Solvay GmbHから入手可能な商品名DIGLYCEROLを有するジグリセリン、Active Organicsから入手可能な商品名ACTIMOISTを有するヒアルロン酸ナトリウム、Intergenから入手可能なAVIAN SODIUM HYALURONATEシリーズ、Ichimaru Pharcosから入手可能なヒアルロン酸Naが挙げられる。
皮膚科学的に許容可能な担体
本発明の組成物は、組成物用の皮膚科学的に許容可能な担体(「担体」と称してもよい)も含有し得る。本明細書で使用するとき、「皮膚科学的に許容可能な担体」という語句は、担体がケラチン組織への局所適用に好適であり、良好な審美特性を有し、組成物中の有効成分と適合性があり、安全性又は毒性についていかなる不当な問題も起こさないことを意味する。一実施形態において、担体は、組成物の約50重量%〜約99重量%、約60重量%〜約98重量%、約70重量%〜約98重量%、又は代替的に約80重量%〜約95重量%のレベルで存在する。
担体は様々な形態であり得る。非限定的な例としては、単純な(例えば、水性、有機溶媒、又は油性の)溶液、エマルション、懸濁液、及び固形(例えばゲル、スティック、流動性固体、又は非晶質材料)が挙げられる。特定の実施形態では、皮膚科学的に許容される担体は、エマルション又は懸濁液の形態である。エマルション又は懸濁液は、一般に、連続水相を有するものとして(例えば、水中油型及び水中油中水型)、又は連続油相(例えば、油中水型及び油中水中油型)を有するものとして、分類することができる。本発明の油相は、シリコーン油、炭化水素油、エステル、エーテル等の非シリコーン油、及びそれらの混合物を含んでもよい。
エマルションは、更に、乳化剤を含んでもよい。組成物は、担体を十分に乳化する乳化剤の任意の適切な割合を含むことができる。好適な重量範囲は、組成物の重量に基づいて、約0.1重量%〜約10重量%、又は約0.2重量%〜約5重量%の乳化剤を含む。乳化剤は、非イオン性、アニオン性、又はカチオン性であってもよい。好適な乳化剤は、例えば、米国特許第3,755,560号、同第4,421,769号、及びMcCutcheon’s Detergents and Emulsifiers、North American Edition(317〜324頁)(1986)に開示されている。好適なエマルションは、所望の製品形態に応じて広い範囲の粘度を有することができる。
担体は、当業者に周知であるように増粘剤を更に含有して、好適な粘度及び流動学的特性を有する組成物を提供してもよい。
顔料及び粉末
本発明の組成物は、約5%〜約45%、好ましくは約5%〜約30%の顔料粉末成分を含むことができる。本明細書の顔料粉末成分に含まれる顔料は、本質的に疎水性であってよく、又は疎水性処理がされたものでよい。顔料成分のレベルを低く保つことにより、組成物全体は、展延性、保湿、及び新鮮で軽い感触を与える他の成分に適応する柔軟性を維持する。顔料の種類及びレベルは、例えば、シェード、被覆、優れた摩耗性能、及び組成物中での安定性を提供するように選択される。
本明細書における顔料成分のために有用な顔料は、無機粉末及び有機粉末であり、例えば、タルク、雲母、絹雲母、合成フッ素金雲母、アルミナなどパール顔料、硫酸バリウム、第二リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、被覆酸化チタン、微粉化した酸化チタン、酸化ジルコニウム、通常の粒径の酸化亜鉛、ヒドロキシアパタイト、酸化鉄、チタン酸塩鉄、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト、酸化チタン被覆雲母;ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、メチルメタクリレート樹脂、セルロース、ナイロン−12、ナイロン−6、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリプロピレン、塩化ビニルポリマー、テトラフルオロエチレンポリマー、窒化ホウ素、魚鱗グアニン、レーキタールカラー染料、及び天然レーキ色染料などの有機粉末である。そのような顔料を、メチコン、ジメチコン、及びペルフルオロアルキルシランなどのシリコーン;ステアリン酸及び水素添加グルタミン酸二ナトリウムなどの脂肪物質;ジミリスチン酸アルミニウムなどの金属石鹸;二酸化チタンの活性を低下させるためのアルミニウム水素添加タローグルタミン酸塩、水素添加レシチン、ラウロイルリシン、ペルフルオロアルキルホスフェートのアルミニウム塩、及び水酸化アルミニウム、並びにそれらの混合物などの疎水性の処理剤で処理することができる。そのような顔料を、多糖類、カプリリルシラン、又はポリエチレンオキシドシラン処理のようなより親水性と考えられる物質でコーティングしてもよい。
市販の顔料粉末成分としては、SI−T−CR−50Z、SI−二酸化チタンIS、SA−二酸化チタンCR−50、SI−FTL−300及びSA/NAI−TR−10(全て三好化成から入手可能)のような被覆二酸化チタン、酸化鉄とシクロペンタシロキサンとジメチコンと水素添加グルタミン酸二ナトリウム:SA/NAI−Y−10/D5(70%)/SA/NAI−R−10/D5(65%)/SA/NAI−B−10/D5(75%)(三好化成から入手可能)、酸化鉄と水素添加グルタミン酸二ナトリウム:SA/NAI−Y−10/SA/NAI−R−10/SA/NAI−B−10(三好化成から入手可能)、酸化鉄とメチコン:SI Mapico黄色薄レモンXLO/SI純赤酸化鉄R−1599/SI純赤酸化鉄R−3098/SI純赤酸化鉄R−4098/SI黒酸化鉄247号(大東化成から入手可能)、アルミナと二酸化チタンとメチコン:SI−LTSG30AFLAKE H(5%)LHC(三好化成から入手可能)、タルクとメチコン:SI−Talc JA13R LHC(三好化成から入手可能)、雲母とメチコン:SI雲母(三好化成から入手可能)、ジメチコン:SA−SB−300(三好化成から入手可能)、雲母とメチコン:SI絹雲母(三好化成から入手可能)、雲母とジメチコン:SA絹雲母(三好化成から入手可能)、雲母とC9〜15フルオロアルコールホスフェートとトリエトキシカプリルイルシラン:FOTS−52絹雲母FSE(大東化成から入手可能)、タルクとC9〜15フルオロアルコールホスフェートとトリエトキシカプリルイルシラン:FOTS−52タルクJA−13R(大東化成から入手可能)、窒化ホウ素とメチコン:SI02窒化ホウ素SHP−6(大東化成から入手可能)、窒化ホウ素とC9〜15フルオロアルコールホスフェートとトリエトキシカプリルイルシラン:FOTS−52窒化ホウ素(大東化成から入手可能)、雲母と二酸化チタンとメチコン:SI絹雲母TI−2(三好化成から入手可能)、雲母と二酸化チタンとメチコン:SI雲母TI−2(三好化成から入手可能)、タルクと二酸化チタンとメチコン:SIタルクTI−2(三好化成から入手可能)、ラウロイルリシン:AMIHOPE LL(味の素から入手可能)、合成フッ素金雲母とメチコン:PDM−5L(S)/PDM−10L(S)/PDM−20L(S)/PDM−40L(S)(Topy Industriesから入手可能)が挙げられる。
粘着剤
本発明の組成物は、約0.1%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約2%の粘着剤を含み得る。粘着剤の種類及びレベルは、例えば、より高い柔軟性、より持続的な効果、及び/又は、他のスキンケア又は化粧品製剤とのより良い適合性を組成物にもたらすように選択される。
好適な粘着剤の例としては、Alzo International Inc.から入手可能なPolyderm PE−PAなどのポリウレタン、Alzo International Inc.から入手可能なPolyderm PPG−17などの共重合されたアミドエステル化合物、及びアクリルラテックス分散液が挙げられる。
皮膚有効成分
本発明の組成物は、スキンケア製品の使用に特徴的な特定のスキンケア効果を提供する皮膚有効成分を含み得る。本明細書では、スキンケア効果は、皮膚の外観又はメークアップに関係する効果を含み得る。スキンケア有効成分は、短期的(即時かつ短時間持続する)効果又は長期的(長期かつ、より長時間持続する)効果を提供し得る。
本明細書で使用するとき、用語「皮膚有効成分」は、皮膚への適用区域に化粧及び/又は治療効果をもたらす活性成分を意味する。本明細書において有用な皮膚有効成分としては、皮膚美白剤、抗ニキビ剤、皮膚軟化剤、非ステロイド性抗炎症剤、局所麻酔剤、人工日焼け剤、抗菌及び抗真菌活性物質、皮膚鎮静剤、日焼け止め剤、皮膚バリア修復剤、抗皺剤、抗皮膚萎縮活性物質、脂質、皮脂抑制剤、皮膚感覚剤、プロテアーゼ阻害剤、かゆみ止め剤、発毛阻害物質、落屑酵素強化剤、抗グリケーション剤、及びこれらの混合物が挙げられる。皮膚有効成分が含まれる場合、本発明の組成物は、約0.001%〜約20%、好ましくは約0.1%〜約10%の少なくとも1種類の皮膚有効成分を含む。
皮膚有効成分の種類及び量は、特定の薬剤の包含が組成物の安定性に影響を与えないように選択される。例えば、水相に可溶な量で親水性薬剤を組み込むことができる一方で、油相に可溶な量で親油性薬剤を組み込むことができる。
本発明における使用のための圧出線弛緩効果を呈することを目的とする他の皮膚有効成分としては、Barnet Products Corporationから入手可能なLavandox、BiotechMarineから入手可能なThallasine 2、Lipotecから入手可能なArgireline NP、Gattefosseから入手可能なGatuline In−Tense及びGatuline Expression、BASF Chemical Companyから入手可能なMyoxinol LS 9736、DSM Nutritional Products,Inc.から入手可能なSyn−ake、Silab,Incから入手可能なInstensyl(登録商標)、Seppic Inc.から入手可能なSesaflash(商標)が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において有用な皮膚美白剤は、処置前と比較したときに色素過剰を改善する活性成分を指す。本明細書において有用な皮膚美白剤としては、アスコルビン酸化合物、ビタミンB3化合物、アゼライン酸、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸及びその誘導体、グリチルリチン酸、ヒドロキノン、コウジ酸、アルブチン、クワ抽出物、及びこれらの混合物が挙げられる。皮膚美白剤の組み合わせの使用は、それらが異なる機序により皮膚美白効果をもたらすことができるという点で有利であると考えられる。
本明細書において有用なアスコルビン酸化合物としては、本質的にL型のアスコルビン酸、アスコルビン酸塩、及びそれらの誘導体が挙げられる。本明細書において有用なアスコルビン酸塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アンモニウム、及びプロタミンの塩が挙げられる。本明細書において有用なアスコルビン酸誘導体としては、例えば、アスコルビン酸のエステル、及びアスコルビン酸のエステル塩が挙げられる。特に好ましいアスコルビン酸化合物としては、アスコルビン酸とグルコースのエステルであり、通常はL−アスコルビン酸2−グルコシド又はアスコルビルグルコシド及びその金属塩と称される2−o−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、並びにリン酸アスコルビルナトリウム、リン酸アスコルビルカリウム、リン酸アスコルビルマグネシウム、及びリン酸アスコルビルカルシウムのようなL−アスコルビン酸リン酸エステル塩が挙げられる。市販のアスコルビン酸化合物としては、昭和電工から入手可能なリン酸アスコルビルマグネシウム、林原から入手可能な2−o−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、及びRocheから入手可能な商標名STAY Cを有するナトリウムL−リン酸アスコルビルが挙げられる。
本明細書で有用なビタミンB3化合物としては、例えば、次式を有するものが挙げられる。
Figure 0006523225
式中、Rは−CONH2(例えばナイアシンアミド)又は−CH2OH(例えばニコチニルアルコール)、その誘導体、及びその塩である。前述のビタミンB3化合物の代表的な誘導体としてはニコチン酸エステルが挙げられ、ニコチン酸の非血管拡張性エステル、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸のニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸N−オキシド、及びナイアシンアミドN−オキシドが含まれる。好ましいビタミンB3化合物は、ナイアシンアミド及びニコチン酸トコフェロールであり、より好ましくはナイアシンアミドである。好ましい実施形態において、ビタミンB3化合物は限られた量の塩の形態を含有し、より好ましくはビタミンB3化合物の塩を実質的に含まないものである。好ましくは、ビタミンB3化合物は約50%未満でそのような塩を含有し、より好ましくは塩の形態を本質的に含まない。市販のビタミンB3化合物で、本明細書において非常に有用なものとしては、Reillyから入手可能なナイアシンアミドUSPが挙げられる。
本明細書において有用な他の疎水性皮膚美白剤としては、アスコルビン酸誘導体が挙げられ、例えば、テトライソパルミチン酸アスコルビル(例えば、日光ケミカルから入手可能なVC−IP)、パルミチン酸アスコルビル(例えば、Roche Vitaminsから入手可能)、ジパルミチン酸アスコルビル(例えば、日光ケミカルから入手可能なNIKKOL CP)、ウンデシレノイルフェニルアラニン(例えば、Seppicから入手可能なSEPIWHITE MSH)、オクタデセン二酸(例えば、Uniquemaから入手可能なARLATONE DIOIC DCA)、マツヨイグサセラビ種抽出物、ナシリンゴ(アップル)果実抽出物、及び水、Myritol 318、ブチレングリコール、トコフェロール、テトライソパルミチン酸アスコルビル、パラベン、カーボポール980、DNA/SMARTVECTOR UV(COLETICAから入手可能)、ヒアルロン充填球中のリン酸マグネシウムアスコルビル(COLETICAから入手可能)、並びにそれらの混合物などである。
本明細書において有用な他の皮膚有効成分としては、N−アセチルD−グルコサミン、パンテノール(例えば、アルプス薬品工業から入手可能なDLパンテノール)、トコフェリルニコチネート、過酸化ベンゾイル、3−ヒドロキシ安息香酸、フラボノイド(例えば、フラバノン、カルコン)、ファルネソール、フィタントリオール、グリコール酸、乳酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アセチルサリチル酸、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、シス−レチノイン酸、トランス−レチノイン酸、レチノール、レチニルエステル(例えば、レチニルプロピオネート)、フィチン酸、N−アセチル−L−システイン、リポ酸、トコフェロール及びそのエステル(例えば、酢酸トコフェロール:エーザイから入手可能なDL−α−酢酸トコフェリル)、アゼライン酸、アラキドン酸、テトラサイクリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、ヒドロコルチゾン、アセトミノフェン、レゾルシノール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、オクトピロックス、塩酸リドカイン、クロトリマゾール、ミコナゾール、ケトコナゾール、硫酸ネオマイシン、テオフィリン、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましい実施例において、皮膚有効成分の含有量は約0.001%〜約20%であり、より好ましくは約0.1%〜約10%である。
任意成分
本明細書の組成物は、例えば、組成物又は皮膚に審美的又は機能的効果をもたらすためのもの、例えば外見、匂い又は感触に関連する知覚上の効果、治療的効果、あるいは予防的効果をもたらすための、局所製品に従来使用されるもののような追加の成分を更に含有してよい(上記の必要とされる材料自体がこうした効果をもたらし得ることを理解されたい)。
これらの成分としては、BASF Chemical Companyから入手可能なQuicklift、Interpolymer Corporationから入手可能なSyntran PC5100、Solabia USA Inc.から入手可能なGlycolift、Frutaromから入手可能なAlguard、Solianceから入手可能なEasyliance、Istituto Ricerche Applicateから入手可能なPhytodermina Lifting code 9002など、弛んだ又は皺のある皮膚を滑らかにする、張りを持たせる、又は持ち上げることを目的とした材料が挙げられるが、これらに限定されない。
CTFA Cosmetic Ingredient Handbook第2版(1992)は、本発明の局所用組成物における使用に好適な、当業界において一般に使用される広範な種類の非限定的な化粧用及び医薬用成分を記載している。そのような他の材料は、組成物の成分の相対可溶性に依存して組成物中に溶解又は分散され得る。好適な局所用成分クラスの例としては、抗セルライト剤、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、キレート剤、ビタミン及びその誘導体、研磨剤、他の油吸収剤、収斂剤、染料、精油、香料、構造化剤、乳化剤、可溶化剤、固化防止剤、消泡剤、結合剤、緩衝剤、増量剤、変性剤、pH調整剤、噴射剤、還元剤、金属イオン封鎖剤、化粧品用殺生物剤、及び防腐剤が挙げられる。
紫外線保護粉末
紫外線保護粉末は、組成物に紫外線保護効果を提供する。紫外線保護粉末は100nm未満の粒径を有し、この粒径は皮膚の被覆効果がほとんどない。本発明の各層の組成物は、微粉化された二酸化チタン及び微粉化された酸化亜鉛のような紫外線保護粉末を約0%〜約20%、好ましくは約0.1%〜約10%含むことができる。本明細書における顔料成分中に含まれる粉末は、典型的には、本質的に疎水性であるか、又は疎水性処理されている。
市販の紫外線保護粉末は、三好化成から入手可能な二酸化チタン及びジメチコンSI−TTO−S−3Z、二酸化チタン及びジメチコン及び水酸化アルミニウム及びステアリン酸(三好化成から入手可能なSAST−UFTR−Z)、Sakai Chemical Industryから入手可能なFinexシリーズである。
紫外線吸収剤
本発明の組成物は、安全かつ有効な量の紫外線吸収剤を含み得る。広範な種類の従来の紫外線保護剤が、本明細書に用いるのに好適であり、例えば、米国特許第5,087,445号(Haffeyら、1992年2月11日発行)、米国特許第5,073,372号(Turnerら、1991年12月17日発行)、米国特許第5,073,371号(Turnerら、1991年12月17日発行)、及びCosmetics Science and Technology(1972)のChapter VIII、189頁〜(Segarinら)に記載されている。紫外線吸収剤を含むとき、本発明の組成物は、約0.5%〜約20%、好ましくは約1%〜約15%の紫外線吸収剤を含む。
本明細書において有用な紫外線吸収剤としては、例えば、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート(PARSOL MCXとして市販されている)、ブチルメトキシジベンゾイル−メタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ−フェノン、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、オクチルジメチル−p−アミノ安息香酸、オクトクリレン、2−エチルヘキシルN,N−ジメチル−p−アミノベンゾエート、p−アミノ安息香酸、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、オクトクリレン、オキシベンゾン、ホモメンチルサリチラート、オクチルサリチラート、4,4’−メトキシ−t−ブチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、3−ベンジリデンカンファー、3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、商標名EUSOLEX 6300、オクトクリレン、アボベンゾン(PARSOL 1789として市販されている)、及びそれらの混合物が挙げられる。
増粘剤
本発明には、増粘剤が有用である。増粘剤は、本発明の固体油中水型形態の組成物を固化するために使用することができる。使用される場合、増粘剤は、組成物の約15%に保たれる。本明細書において有用な増粘剤は、脂肪族化合物、ゲル化剤、無機増粘剤及びそれらの混合物からなる群から選択される。増粘剤の量及び種類は、所望の粘度及び製品の特性に応じて選択される。これらの特性としては、増粘剤とフィルム形成成分との間の相乗効果が含まれ、それによって、白色度を低下させる一方で製品/フィルムの粘着力、収縮、又は柔軟性を高めることができる。
本発明において使用され得る増粘剤としては、Carbopol(商標)(Goodrich)のような架橋されたポリアクリレート;SepiMAX ZEN(Seppic,Inc.)のようなポリアクリレートコポリマー;Sepiplus S(Seppic,Inc.)のような修飾されたアクリレートコポリマー、修飾及び非修飾でんぷんを含む高分子カルボン酸塩、キサンタンガム(例えば、CP KelcoのKeltrol CGT及びKeltrol T630、Jungbunzlauerのキサンタンガム)のような多糖類ガム、ジヒドロキサンタンガム(例えば、AkzoNobelのAmaze XT)、ガラクトマナン(SeppicのSolagum Tara)、及びセルロース誘導体(例えば、Natrosol 250)などが挙げられるが、これらに限定されない。ガムが含まれてもよく、架橋されたキサンタンガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、ウンデシレノイルキサンタンガム、脱アセチル化されたキサンタンガム、グアーガム、セルロースガム、カラギーナン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びナトリウムカルボキシメチルキチンが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において有用なポリマーとしては、膨潤性で、軽度から中程度に架橋されたポリビニルピロリドン(PVP)が挙げられ、例えば、ACP−1120(International Specialty Products)、アクリラート/ステアレス−20イタコネートコポリマーのようなアクリレートコポリマー/クロスポリマー/ブレンド(AkzoNobelのStructure 2001)、アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートコポリマー(AkzoNobelのAmaze XT)、アクリル酸/VPクロスポリマー(International Specialty ProductsのUltrathix P100)などである。
本明細書において有用な脂肪族化合物としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、ステアリン酸、パルミチン酸、平均で約1個〜約5個のエチレンオキシド単位を有するステアリルアルコール又はセチルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましい脂肪族化合物は、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、平均で約2個のエチレンオキシド単位を有する、ステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル(ステアレス−2)、平均で約2個のエチレンオキシド単位を有する、セチルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、及びそれらの混合物が挙げられる。
本発明の増粘剤として有用なゲル化剤としては、脂肪酸ゲル化剤のエステル及びアミド、ヒドロキシ酸、ヒドロキシ脂肪酸、その他のアミドゲル化剤、並びに結晶性ゲル化剤が挙げられる。本明細書において有用なN−アシルアミノ酸アミドは、グルタミン酸、リジン、グルタミン、アスパラギン酸及びそれらの混合物から調製される。
光輝性粉末
光輝性粉末は、7.0を超える光沢レベルを有することにより、皮膚に光り輝くような見た目をもたらすことにおいて特に効果的な顔料である。光沢レベルは、THE LENETA COMPANYから入手可能な不透明度チャート、ドローダウンバー(0.003μm及び0.006μm)、溶媒(信越化学工業から入手可能なKP−545)、HORIBAから入手可能な光沢チェッカーIG−320を用いる既存の方法により測定することが可能なパラメータである。
本明細書において有用な光輝性粉末としては、雲母と二酸化チタンとジメチコンのようなパール顔料(三好化成から入手可能なSA−Timiron MP−1001及びSA−Flamenco Orange)、二酸化チタンと雲母とアルミナとシリカとジメチコン/メチコンコポリマーと酸化鉄(CATALYSTS & CHEMICALS IND.CO.,LTD.から入手可能なRelief Color Pink P−2)、雲母、合成雲母、窒化ホウ素、並びに約20μmの平均粒径及び約7.2(白地に0.003μm)、33.0(白地に0.006μm)、約8.5(黒地に0.003μm)、及び約10.3(黒地に0.006μm)の光沢レベルを有する特定の粒子状タルクが挙げられる。特定の粒子タルクは、通常の粒子タルクより高い光沢レベル及び低い透明度レベルを有する。具体的には、特定の粒子タルクの光沢レベルは通常の粒子タルクと比較して約130%〜200%であり、特定の粒子タルクの透明度は通常の粒子タルクと比較して約10%〜100%である。光沢レベルは、THE LENETA COMPANYから入手可能な不透明度チャート、ドローダウンバー(0.003μm及び0.006μm)、溶媒(信越化学工業から入手可能なKP−545)、Datacolorから入手可能なSpectraflashを用いる既知の方法により測定することができる。市販の特定の粒子タルクは、三好化成からSI−TALC CT−20の商標で入手できる。
製剤中に含有される被覆二酸化チタンのような他の粉末が光輝性粉末の効果を圧倒する場合があるので、光輝く見た目の効果を達成するには、単層製剤における光輝性粉末の典型的なレベルは5%程度である。本発明では、光輝性粉末を主に第2層に配合し、被覆二酸化チタンを第1層に配合し、第1及び第2の層が皮膚に同時に適用され得るようなやり方でそれらの層を提供することにより、本発明のスキンケア製品は、より低いレベルの光輝性粉末を用いて満足のいく光輝く外観の効果をもたらすことができる。その結果、より高い柔軟性が製品製剤にもたらされる。単層製品と比較して、より低いレベルの光輝性粉末を含む多層製品は、より良い展延性を有し、肌への塗り心地が軽い。好ましい実施例では、第2層中の光輝性粉末の含有量は、第2層の組成物の約5重量%〜約25重量%、より好ましくは約10重量%〜20重量%である。第1層と第2層の合計重量に基づいて計算すると、光輝性粉末の好ましい含有量は約0.5%〜約5%である。
ソフトフォーカス粉末
ソフトフォーカス粉末は、規定量で組み込まれたときに、組成物にソフトフォーカス効果、すなわち、皮膚トラブルのある外観を最小限に抑えるための良好な被覆を有しながらもいわゆる自然な仕上げをもたらすことにおいて、特に効果的な顔料である。具体的には、本明細書におけるソフトフォーカス粉末は、そのような効果をもたらすために2つのパラメータ基準を満たす必要がある。第1に、顔料の合計視感透過率(Tt)及び拡散視感透過率(Td)の両方が比較的高い。ソフトフォーカス粉末は、約40〜約94の合計視感透過率(Tt)及び約28〜約38の拡散視感透過率(Td)を有する。理論に束縛されることなく、そのような高いTt値及びTd値を有することにより、ソフトフォーカス粉末は高い透明性を呈し、それによって、全体的に自然な仕上がりをもたらすと考えられている。第2に、ソフトフォーカス粉末は、約32〜約95の比較的高いヘイズ値{(Td/Tt)×100}を有する。理論に束縛されることなく、このような高いヘイズ値を有することにより、光が当たっている皮膚の部分と陰になっている皮膚の部分(例えば孔及び皺)との間のコントラストが最小限に抑えられ、トラブルのある部分を目立たなくすると考えられている。
当業者は、ASTM D 1003−00「Standard Test Method for Haze and Luminous Transmittance of Transparent Plastics」を参考にして、合計視感透過率(Tt)、拡散視感透過率(Td)、及びヘイズ値{(Td/Tt)×100}を測定及び計算することができる。本明細書における顔料はプラスチックではないが、この特定の規格試験の同じ原理を応用することができる。
本明細書において有用なソフトフォーカス粉末としては、ポリメチル/メチルメタクリレート(PMMA)、シリカ、及びアルミナ処理した雲母、二酸化チタン処理したタルク、二酸化チタン処理した雲母のようなハイブリッド顔料、ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー、アルミナ、硫酸バリウム、並びに合成雲母が挙げられる。本明細書において有用な、市販されているソフトフォーカス粉末としては、三好化成から入手可能なSA Excel Mica JP2の商標を有するアルミナ処理した雲母が挙げられ、これは、合計視感透過率(Tt)が約87、拡散視感透過率(Td)が約28、及びヘイズ値{(Td/Tt)×100}が約32である。
光輝性粉末と同様に、単層において被覆二酸化チタンとともに配合する場合、認識可能な自然な外見の効果を達成するために、ソフトフォーカス粉末の含有レベルは5%程度でなければならない。しかし、本発明では、ソフトフォーカス粉末を主に第2層に配合し、被覆二酸化チタンを第1層に配合し、かつ第1及び第2層が同時に皮膚に適用され得るようなやり方でそれらの層を皮膚に適用することにより、本発明のスキンケア製品は、比較的低レベルのソフトフォーカス粉末を用いて満足のいく自然な外見の効果をもたらすことができる。その結果、より柔軟性のある製品製剤を提供しながらも、製品のコストを制御することができる。好ましい実施例では、第2層中のソフトフォーカス粉末の含有レベルは、第2層の組成物に基づいて約2%〜約25%、より好ましくは約5%〜約20%である。第1層及び第2層の総重量に基づいて計算すると、ソフトフォーカス粉末の好ましい含有レベルは、約0.5%〜約4%、より好ましくは約1%〜約3%である。
シリコーンエラストマー
ソフトフォーカスシリコーンエラストマーは、皮膚にソフトフォーカス効果をもたらすのに特に有効な架橋されたシロキサンエラストマーである。換言すれば、シリコーンエラストマーの規定量を化粧品に配合すると、シリコーンエラストマーは、皮膚トラブルの外観を最小限に抑えるための良好な被覆を有しながらも自然な仕上がりをもたらすことができる。具体的には、シリコーンエラストマーは、他のシリコーン油と比較して低い艶消し度を有する。艶消し度は、ソフトフォーカス効果すなわち化粧材料の自然な仕上がりを反映するパラメータである。艶消し度が低いほど、材料はより自然な仕上がりをもたらすことができる。本明細書に使用されるシリコーンエラストマーの艶消し度は約40未満である。艶消し度は、日本電色工業が製造するPG−1M光沢計(入射角/反射角:60/60°)で測定できる。本明細書において有用な市販のシリコーンエラストマーとしては、約37の艶消し度を有する、信越化学工業から入手可能なKSG−16(商標)のシリコーンエラストマーが挙げられる。
本明細書に用いるのに好適なシリコーンエラストマーは、乳化性又は非乳化性の架橋シロキサンエラストマー、又はそれらの混合物であり得る。本明細書で使用するとき、用語「非乳化性」は、ポリオキシアルキレン単位が存在しない架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを定義する。本明細書で使用するとき、用語「乳化性」は、少なくとも1つのポリオキシアルキレン(例えば、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレン)単位を有する架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを意味する。本発明において有用な非乳化性エラストマーは、α、ω−ジエンとオルガノヒドロエンポリシロキサンの架橋を介して形成される。本明細書における乳化性エラストマーとしては、オルガノヒドロゲンポリシロキサンをポリオキシアルキレンジエンと架橋して形成されるポリオキシアルキレン修飾エラストマー、又はα,ω−ジエンと架橋された少なくとも1つのポリエーテル基を含有するオルガノヒドロゲンポリシロキサンが挙げられる。乳化性の架橋オルガノポリシロキサンエラストマーは、具体的には、米国特許第5,412,004号、同第5,837,793号、及び同第5,811,487号に記載の架橋ポリマーから選択され得る。加えて、ジメチコンコポリオールクロスポリマー(及びジメチコン)で構成される乳化性エラストマーが、信越化学工業から商標KSG−21として入手可能である。
非乳化性エラストマーは、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーである。そのようなジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーは、Dow Corning(DC 9040及びDC 9041)、General Electric(SFE 839)、信越化学工業(KSG−15、16、18[ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー])、及びGrant Industries(GRANSIL(商標)エラストマー)など、様々な供給元から供給されている。本発明において有用な架橋オルガノポリシロキサンエラストマー及びそれらの作製プロセスは、米国特許第4,970,252号、同第5,760,116号、及び同第5,654,362号に更に記載されている。本発明において有用な追加の架橋オルガノポリシロキサンエラストマーは、ポーラ化成工業に譲渡された日本国特許出願第61−18708号に開示されている。本明細書における使用に好ましい市販のエラストマーは、Dow Corningの9040シリコーンエラストマーブレンド、信越化学工業のKSG−21、及びそれらの混合物である。
光輝性粉末と同様に、単層において被覆二酸化チタンとともに配合される場合、認識可能な自然な外見の効果を達成するために、シリコーンエラストマーの含有レベルは10%程度でなければならない。しかし、本発明では、シリコーンエラストマーを主に第2層に配合し、被覆二酸化チタンを第1層に配合し、かつ第1及び第2層が同時に皮膚に適用され得るようなやり方でそれらの層を皮膚に適用することにより、本発明のスキンケア製品は、より低レベルのシリコーンエラストマーを用いて満足のいく自然な外見の効果をもたらすことができる。その結果、より柔軟性のある製品製剤を提供しながらも、製品のコストを制御することができる。好ましい実施例では、第2層中のシリコーンエラストマーの含有レベルは、約1%〜約20%、より好ましくは約2%〜約15%である。第1層及び第2層の総重量に基づいて計算すると、シリコーンエラストマーの好ましい含有量レベルは、約0.5%〜約8%、より好ましくは約1%〜約5%である。
油吸収性粉末
油吸収性粉末は、油を吸収することにおいて特に有効な顔料であり、したがって、皮膚からの過度な皮脂を吸収するために本発明の組成物に含めることができる。具体的には、本明細書における油吸収性粉末は少なくとも約100mL/100g、好ましくは少なくとも約200mL/100gの油吸収性を有する。油吸収性は当業者には周知の単位であり、JIS K5101第21号「油吸収性試験方法(Test Method for Oil Absorbency Level)」により測定可能である。
本明細書において有用な油吸収性粉末としては、球状シリカ及びメチルメタクリレートコポリマーが挙げられる。本明細書において有用な市販の球状油吸収性顔料としては、200mL/100gを超える油吸収性を有する、三好化成から入手可能なSI−SILDEX H−52の商標を有する球状シリカ、200mL/100gを超える油吸収性を有する、信越化学工業から入手可能なKSP−100及びKSP−101の商標を有するビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー、並びに100mL/100gを超える油吸収性を有する、GANZ Chemicalから入手可能なSA−GMP−0820の商標を有するメチルメタクリレートコポリマーであり、三好化成により表面処理されたものが挙げられる。典型的には、油のてかりの制御のための油吸収性粉末を含めることは、好ましくない展延性を有する組成物をもたらす場合がある。しかし、本発明においては、主に第2層に油吸収性粉末を含めることにより、好ましくない展延性が改善され得る。好ましい実施例において、第2層における油吸収性粉末の含有レベルは約1%〜約10%であり、より好ましくは約3%〜約5%である。
皮脂固化粉末
本明細書において有用な皮脂固化粉末としては、低結晶質の酸化亜鉛、非晶質の酸化亜鉛、又はそれらの混合物で被覆されるベース物質を含むものが挙げられ、ここで酸化亜鉛は、皮脂固化粉末の約15重量%〜約25重量%である。ベース物質は、「顔料粉末成分」として以下に記載するものを含めて、化粧品用途に有用な任意の有機又は無機の物質であり得る。本明細書における皮脂固化粉末は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第2002/0031534 A1号に開示されている方法に従って適切に作製することができる。皮脂固化粉末を表面処理してもよい。本明細書において有用な皮脂固化粉末は、約30分以内にフィルムが形成されるように、皮脂を固化する能力を有し、すなわち、遊離脂肪酸、ジグリセリド、及びトリグリセリドを吸収し、それらの亜鉛塩を形成することによりそれらを固化する効果を有する。更には、元々光沢のあった皮脂の外観が変わり、艶消しのフィルムになる。そのような能力は、他の油吸収性粉末と区別することができ、他の油吸収性粉末は、吸収される油のタイプに関して選択的でなく、油の吸収後にフィルムを形成せず、したがって、皮脂の吸収後に光沢のあるゲル及びペーストを残し得る。外観の変化は、皮脂がコントロールされたことの認識可能な合図を使用者に提供する。
皮脂固化効果は、一定量の粉末を一定量の人工皮脂と混合し、一定時間混合し、固化されるか又は艶消しの外観を示すまで放置することにより、便利に測定することができる。混合物が固化する又は外観を変えるまでに要した時間を記録する。固化する又は外観を変えるまでに要した時間が短いほど、粉末の固化効果は高い。
本明細書で有用な市販の皮脂固化粉末としては、ヒドロキシアパタイトで被覆された雲母、商標名PLV−20を有する20%酸化亜鉛、及び商品名SI−PLV−20を有する、メチコンで表面処理された前述の粉末(いずれも三好化成から入手可能)が挙げられる。典型的には、皮脂光沢の制御のために皮脂固化粉末を含めることは、好ましくない展延性を有する組成物をもたらす場合がある。しかし、本発明では、主に第2層に皮脂固化粉末を含めることにより、好ましくない展延性を改善することができる。好ましい実施例では、第2層における皮脂固化粉末の含有量は、約0.2%〜約10%、好ましくは約1%〜約7%である。
処置方法
上記組成物には、処置、適用、調節、又は改善の多様な方法が利用できる。本組成物は、身体の任意の皮膚表面に適用することができる。最も関係のある皮膚表面は、顔の皮膚表面、手及び腕の皮膚表面、足及び脚の皮膚表面、並びに頸部及び胸部の皮膚表面(例えば胸元)のような、通常は衣類によって覆われない皮膚表面である傾向がある。具体的には、額、口周囲、顎、眼窩周囲、鼻、及び/又は頬の皮膚表面を含む顔の皮膚表面上に適用し得る。
皮膚への組成物の適用のための多くのレジメンが存在する。処置期間中に、組成物を少なくとも1日1回、1日2回、又はより多くの頻度で毎日適用してよい。1日2回適用する場合、1回目と2回目の適用には少なくとも1時間〜約12時間間隔を空ける。典型的には、組成物を朝及び/又は晩に、公の場に出る前に適用することができる。
皮膚への組成物の適用工程は、皺を含む区域に局所適用することにより行うことができる。組成物の適用に関して、用語「局所の」、「局所」又は「局所に」は、処置の必要のない皮膚表面への送達をできるだけ少なくしながら組成物を目標区域(皺を含む皮膚の区域など)に送達することを意味する。皮膚に組成物を適用し、軽くマッサージしてもよい。局所適用では、相当量の組成物が、処置される皺に隣接した区域に適用されてもよい(すなわち、組成物がいくらかの展延もなく皺の境界内に適用される又は留まることはほぼ不可能である)ことを認識されたい。局所適用を促進するように、組成物の形態又は皮膚科学的に許容可能な担体を選択する必要がある。本発明の特定の実施形態は皺区域に組成物を局所適用することを企図しているが、本発明の組成物を1つ以上の顔の皮膚表面により一般的に広く適用して、それらの顔の皮膚領域内の皺の外観を減少させてもよいことが理解されるであろう。同様に、本発明の組成物は、連続フィルムとして、又はパターンで適用してもよい。組成物の細溝、パターン化されたスポット、又はランダムな適用が望ましい場合もある。以下に記述するアプリケータは、パターン化された堆積を助けるために有益であり得る。
レジメンは、所望により洗浄工程から始めてもよい。消費者は、好適なクレンザー(例えば、Procter & Gamble Company(オハイオ州Cincinnati)から入手可能なOlay Purifying Mud Lathering Cleanser)を用いて顔を洗い、タオルでやさしく皮膚を乾かしてよい。本発明の処置レジメンの別の任意の工程には、以下の表3に例が記載されている市販の保湿剤(例えば、The Procter & Gamble Company(オハイオ州Cincinnati)から入手可能なOlay Natural White UV Moisturizing Lotion SPF 15)の適用が含まれる。保湿剤は、皮膚平滑化組成物の前に、又は皮膚平滑化組成物の後に、又は両方で、皮膚に適用してよい。
この保湿剤は、油又は顔料を含有していてもよく、含有していなくてもよい。本発明の処置レジメンの別の任意の工程には、メークアッププライマー又はカラー化粧品の適用が含まれ、それらの例は記載されており、市販されている(例えば、Procter & Gamble Company(オハイオ州Cincinnati)から入手可能なOlay Simply Ageless Serum Primer、Covergirl Clean Liquid Makeup、Covergirl Simply Powder Foundation)。例に示されているように、カラーファンデーション工程は、液体、粉末、又は遷移形態でよい。皮膚平滑化組成物の粘着力及び収縮能力の程度は、皮膚へのレジメン製品適用の順序並びに組成物に依存する。
アプリケータ
いくつかの実施形態において、組成物は、局所かつ一般的な適用に適した様々なアプリケータによって送達することができる。一例として、好適なアプリケータは、組成物を含有するドロッパーとボトルであってもよい。組成物を含有することができるハウジングを有するペン様ワンドを使用してもよい。ワンドは、ハンドル、ステム、及びアプリケータヘッドを含むことができる。アプリケータヘッドは、繊維、発泡体、綿、ローラーボール、又は解放可能に組成物を保持することができる任意の他の適当な材料を含むことができる。例えば、これらとしては、Bonne Bell,Inc.に譲渡された公開済みの米国特許出願第2005/0025558 A1号(Raymond J.Severa)、又はThe Procter & Gamble Co.に譲渡された米国特許第5,851,079号(Richard L.Horstman)に記載されているものが挙げられ得るが、これらに限定されない。本明細書に記載の任意のアプリケータに使用するための1つの好ましい発泡体は、The Procter & Gamble Co.に譲渡された公開済みの米国特許出願第2009/0180826 A1号に記載されている勾配溶出発泡体である。
単純な綿棒で、組成物を皺の区域に局所適用することができる。他の好適なアプリケータとしては、Shya Hsin Plastic Works,Inc.(台湾)から入手可能なSH−0127ペン型アプリケータ、及びSwabPlus,Inc.(中国)から入手可能なXpress Tip又は液体充填された綿棒のいずれかが挙げられる。約2mm〜約20mmの概ねの直径を有する皺のある区域に容易に組成物を適用し、組成物が訳0.01〜約2mg/cm2又は約0.1〜約1mg/cm2の用量になるように、アプリケータを構成することができる。
組成物及び細い分注先端部を保持する本体を有する細い先端の管を使用することもできる。この実施形態は、予め充填されたドロッパーとみなすことができる。組成物は、本体内に貯蔵され、尖った先端部を通って分配され得る。図1は、本発明における使用に適した、部分的に切り取られた、アプリケータ10の分解図を示している。キャップ12は取り外し可能であり、組成物のアプリケータ先端部14を保護する。先端部14は、フェルト、スポンジ、多孔質高分子材料などで作製することができる。アプリケータ10の残りの部分は、例えば、金属、プラスチック、ポリマーなど、既知の様々な材料で作製することができる。先端部14は、アプリケータ首部18の周りで、アプリケータ本体20に取り付けられているホルダー16によって適所に保持される。組成物キャビティ24は、本発明の皮膚平滑化組成物を保持する。先端部14は、組成物が先端部14に流れることを確実にするために、キャビティ24と流体連通する必要がある。任意のプランジャ22は、先端部14に向かって皮膚平滑化組成物を促すために使用することができる。ホルダー16及び首部18は、皮膚平滑化組成物が漏出しないように確実にシールする必要がある。ホルダー16と首部18との間のシールは、ねじ山係合、スナップ、接着などによって達成することができる。シールは、永久的でもよく、剥離可能であってもよい。
本明細書に記載するいくつかの方法は、本発明の組成物をアプリケータで適用することを想定しているが、アプリケータは必要なく、本発明の組成物は人の指で直接、又は他の従来の様式で適用できることが認識されるであろう。
下記の表1は、市販の6つの製品と比較した、本発明に従った7つの実施例を示す。6つの市販の製品に関するウェブサイトを、表1の下に記載する。
Figure 0006523225
http://www.hydroxatone.com/product.card.php?name=Hydroxatone_Instant_Effect
http://beauty.hsn.com/serious−skin−care−firma−face−xr−all−over−skin−tightener_m−10045817_xp.aspx
http://www.peterthomasroth.com/p−193−instant−firmx.aspx
http://www.flawlesseffect.com/
http://boydsnyc.com/nolines.aspx
以下の表2は、収縮、白色度、収縮損失の測定値、及び1つの総合性能スコアにおける前述の4つ全てのコンポーネントの重みの計算値を示す。本発明に従った7つの実施例が、表1の6つの競合製品と比較されている。全ての値は21℃(70°F)、相対湿度40%で測定した。
Figure 0006523225
以下の表3は、本発明に従った7つの実施例を記載している。
Figure 0006523225
*A−Veegum HS(R.T.Vanderbilt Company,Inc(コネチカット州Norwalk)から入手可能)
*B−Keltrol CGT(CP Kelco(ジョージア州Atlanta)から入手可能)
*C−N Clear Sodium Silicate(PQ Corporation(ペンシルベニア州Valley Forge)から入手可能)
*D−GLW55GRAP(Kobo Products,Inc.(ニュージャージー州South Plainfield)から入手可能)
実施例1〜7に関しては、適した容器中にて水とケイ酸アルミニウムマグネシウムとを混合する。熱及び/又はせん断の形態で十分なエネルギーを付与することによりケイ酸アルミニウムマグネシウムを水和する。完全に水和されたときに、<30℃に冷却し、次いで、容器にプロピレングリコールを添加し、混合されるまで攪拌する。徐々にキサンタンガムを添加し、キサンタンガムが完全に水和され、バッチが均質な外観になるまで、好適なミキサー(例えば、IKA T25プロペラブレード)を用いて混合する。ケイ酸ナトリウム、次いで酸化鉄分散液を添加する。均質になるまで攪拌する。
試験方法
本明細書で使用するとき、「収縮」を測定するには、皮膚平滑化組成物で処置後に、発泡基材の両端の間の距離をインチ(in)単位で測定する。発泡基材は、1×4cmに切断された、Filtrona Porous Technologiesから市販されている厚さ3mmのオープンセルポリウレタン、Medisponge 50PWである(この発泡体の低ひずみ又はヤング率は38.248kPaである)。21℃+/−2℃(70°F+/−2℃)、相対湿度40%+/−2%の環境において、テフロン被覆した表面上に発泡基材を載せ、150μLの皮膚平滑化組成物を基材の上に均等に点置し、次いで、表面全体を覆うように基材全体に軽く塗り広げる(約0.29N(圧力30g))。
次いで、この一定温度/湿度環境において、処置した基材を24時間乾燥させる。次いで、発泡基材の両端の間の展開距離を、定規を用いてインチ単位で測定する。この手順を3回以上繰り返し、平均値を算出する。
先の文節で詳述したのと同一の手順を、実施例5の製剤でも同時に行う。このデータは、発泡体のロットのばらつきを正規化するために使用する。
次いで、以下の計算を行う。「収縮」=[1.6−(D試料−D実施例5)/1.6]*100、式中、D試料は、インチ単位での、対象試料の展開距離、D実施例5は、インチ単位での、実施例5の展開距離である。この計算では、収縮が欠如した発泡材片のインチ単位の距離である値1.6を用いる。100%を超える値は、試料が基準点である実施例5より大きい収縮率を有することを示す。100%未満の値は、試料が実施例5より低い収縮率を有することを示す。
本明細書で使用するとき、「収縮損失」を測定するには、皮膚平滑化組成物による処置後に発泡基材の両端の間の距離をインチ(in)単位で測定し、その物理的操作を繰り返す。「収縮損失」を決定するために、「収縮」方法(上述)の処置した発泡基材を繰り返し押圧して平らな配向にする。「収縮」の測定後、21℃+/−2℃(70°F+/−2℃)、相対湿度40%+/−2%の環境において、処置した発泡基材を単独で平らに2枚の顕微鏡ガラススライドの間に挟み、次いで、上位のガラススライドの上に2.99N(重量305g)を10秒間付加する。重量を10秒間取り除き、次いで、同じ10秒間隔で更に2回、重量の付加及び除去を行う。ガラススライドから発泡基材を取り除き、テフロン被覆した表面に設置し、次いで、10分後に、定規を用いて発泡基材の両端の間の展開距離をインチ(in)単位で測定した。次いで、この展開距離を「収縮」値と同様のやり方で次の等式を用いて正規化する。「繰り返しインサルト収縮」=[1.6−(RID試料−D実施例5)/1.6]*100、式中、RID試料は、繰り返しインサルト収縮の後の対象試料のインチ単位の展開距離であり、D実施例5は、繰り返しインサルトプロトコルを除いた実施例5のインチ単位の展開距離である。次いで、最終計算を行う。「収縮損失」=「収縮」−「繰り返しインサルト収縮」。
本明細書で使用するとき、「白色度」を測定するには、不透明度又は明度/暗度を測定する。本発明の目的上、色は、知覚される色及び色差を客観的に表す方法を提供するために国際照明委員会(CIEシステム)が定める、XYZ色系に基づいたCIELAB表色系での値に従って定義される。X、Y、及びZは、様々な方法又は「尺度」で表現することができ、その1つがHunterスケールである。「The CIE 1976 Color Difference Formulas」、Color Research Applications(2巻、7〜11頁(1977))でRobertson,A.R.が述べているように、Hunterスケールには、X、Y及びZに数学的に相関するL、a及びbの3つの変数がある。本発明の組成物は、L、a及びbの値を生成するDataColor International(米国ニュージャージー州Lawrenceville)のMicroflash積分球分光光度計により解析することができる。「a」の値は赤−緑(水平)軸に沿った値と相関し、「b」の値は青−黄(垂直)軸に沿った値と相関する。例えば、青色の試料は、負のb値を有し、一方、赤色の試料は正のa値を有することになる。より正の又は負の値は、色の強度がより強いことを表す。「L」の値は、明度及び/又は暗度の指標であり、水平軸及び垂直軸の両方に対して垂直の、z軸に沿った値と相関する。「L」が0は黒色であり、100は拡散白色である。「L」は、フィルムの「白色度」の決定として使用される。
フィルムの白色度を測定するには、まずそれをドローする必要がある。本明細書では、「ドローする」は、組成物を不透明度チャート(Form 2A(ニュージャージー州ManwahのLeneta Company)又はその同等物で、上半分が黒色、下半分が白色)の黒色部分の少なくとも一部に適用し、フィルムアプリケータ(例えば、メリーランド州ColumbiaのBYK Gardnerから市販されているもの、又はその同等物)を用いて、厚さ約0.0076mm(0.003インチ)を有するフィルムになるように塗り広げる。次いで、ドローしたフィルムを21℃+/−2℃(70°F+/−2℃)、相対湿度40%+/−2%の条件下で24時間乾燥させ、分光光度計(例えば、正反射を含むMicroflash積分球分光光度計)を用いて、不透明度チャートの黒色の部分で白色度を測定する。この場合も、ドローしたフィルムの「L」値の基準として白色度を使用する。数値が高いほど、黒色の背景に対して製品が白く見えることを示し、数値が低いほど、製品が白くない及び/又はより透明であり、黒色の背景の可視度が高いことを示す。白色度の決定は、2回の反復により行う。
用語「総合性能スコア」は、収縮、白色度、及び収縮損失のデータを用いて計算される。総合性能スコアは、次の等式を用いて計算する。総合性能スコア=(収縮/100)+(白色度/18)+(%収縮損失/100))。例えば、実施例1では、これは(82/100)+(29/18)+(2/100)=2.4である。この等式で白色度の値を18で割るのは、それが、完全に不可視のフィルムの概ねの値だからである。
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳格に限定されるものとして理解されるべきではない。むしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙された値と、その値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。たとえば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
任意の相互参照又は関連特許又は出願を含む、本明細書に引用された全ての文献は、明示的に除外若しくは制限されない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いずれの文献の引用も、それが本明細書に記載の任意の発明に対する先行技術であること、あるいは、それが単独で又は他の任意の参照(単数又は複数)との任意の組み合わせにおいてそのような任意の発明を教示、示唆、若しくは開示することを認めるものではない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれる文献における同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合は、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を優先するものとする。
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の意図及び範囲から逸脱せずに、他の様々な変更及び修正を行うことができることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるかかる変更及び修正の全てを添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

Claims (30)

  1. 皮膚平滑化組成物であって、
    a)シリカ含有量(SiO2)により測定されたときに、0.5〜4%のケイ酸ナトリウムと、
    b)0.1%〜4.0%の多価ケイ酸塩と、
    c)10%〜98%の水と、を含み、
    前記ケイ酸ナトリウムの前記多価ケイ酸塩に対する重量比が1.0〜2.0であり、前記組成物が水ゲル又は水中油型エマルションの形態であり、
    前記多価ケイ酸塩が、ベントナイト、ラポナイト、スメクタイト、カオリナイト、及びそれらの混合物からなる群から選択されるケイ酸塩粘土(silicate clay)である、皮膚平滑化組成物。
  2. 皮膚平滑化組成物であって、
    a)シリカ含有量(SiO2)により測定されたときに、0.5〜4%のケイ酸ナトリウムと、
    b)0.1%〜4.0%の多価ケイ酸塩と、
    c)1〜20重量%の可塑剤と、
    d)10〜98%の水と、を含み、
    前記ケイ酸ナトリウムと前記多価ケイ酸塩の合計の、可塑剤に対する重量比が、1.8未満であり、前記組成物が水ゲル又は水中油型エマルションの形態であり、
    前記多価ケイ酸塩が、ベントナイト、ラポナイト、スメクタイト、カオリナイト、及びそれらの混合物からなる群から選択されるケイ酸塩粘土(silicate clay)であり、
    前記ケイ酸ナトリウムの前記多価ケイ酸塩に対する重量比が0.7〜2.0である、皮膚平滑化組成物。
  3. 前記多価ケイ酸塩が、10を超えるpHを有する組成物中において安定である、請求項1に記載の組成物。
  4. 少なくとも1種類の可塑剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記可塑剤が、1〜20重量%で存在する、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記可塑剤が、アルキルモノグリコール又はジグリコールである、請求項4に記載の組成物。
  7. 前記可塑剤の構造が、3個〜5個の炭素原子を含む、請求項4に記載の組成物。
  8. 前記可塑剤がプロピレングリコールである、請求項4に記載の組成物。
  9. 少なくとも1種類の多糖類増粘剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記多糖類増粘剤がキサンタンガムである、請求項9に記載の組成物。
  11. 着色及び無着色顔料、干渉顔料、無機粉末、有機粉末、複合材粉末、蛍光増白剤粒子、及びそれらの混合物からなる群から選択される粒子状物質を0.001%〜5%更に含む、請求項1に記載の組成物。
  12. 少なくとも1種類のスキンケア有効成分を更に含む、請求項1に記載の組成物。
  13. 前記スキンケア有効成分が、ビタミンB化合物、ビタミンC化合物、ビタミンE化合物、ペプチド、糖アミン、天然植物抽出物、オイルコントロール剤、皮膚美白剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
  14. 前記スキンケア有効成分が、ナイアシンアミド、パルミトイル−リジン−トレオニン、パルミトイル−リジン−トレオニン−トレオニン−リジン−セリン、N−アセチル−D−グルコサミン、サリチル酸、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、ヘキサミジン化合物、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
  15. 前記多価ケイ酸塩が、10を超えるpHを有する組成物中において安定である、請求項2に記載の組成物。
  16. 前記可塑剤が、アルキルモノグリコール又はジグリコールである、請求項2に記載の組成物。
  17. 前記可塑剤の構造が、3個〜5個の炭素原子を含む、請求項2に記載の組成物。
  18. 前記可塑剤がプロピレングリコールである、請求項2に記載の組成物。
  19. 少なくとも1種類の多糖類増粘剤を更に含む、請求項2に記載の組成物。
  20. 前記多糖類増粘剤がキサンタンガムである、請求項19に記載の組成物。
  21. 着色及び無着色顔料、干渉顔料、無機粉末、有機粉末、複合材粉末、蛍光増白剤粒子、及びそれらの混合物からなる群から選択される粒子状物質を0.001%〜5%更に含む、請求項2に記載の組成物。
  22. 少なくとも1種類のスキンケア有効成分を更に含む、請求項2に記載の組成物。
  23. 前記スキンケア有効成分が、ビタミンB化合物、ビタミンC化合物、ビタミンE化合物、ペプチド、糖アミン、天然植物抽出物、オイルコントロール剤、皮膚美白剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項22に記載の組成物。
  24. 前記スキンケア有効成分が、ナイアシンアミド、パルミトイル−リジン−トレオニン、パルミトイル−リジン−トレオニン−トレオニン−リジン−セリン、N−アセチル−D−グルコサミン、サリチル酸、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、ヘキサミジン化合物、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項23に記載の組成物。
  25. 第1の組成物と第2の組成物とを含むキットであって、
    i)前記第1の組成物が、水ゲル又は水中油型エマルションの形態の皮膚平滑化組成物であり、前記皮膚平滑化組成物が、
    a)シリカ含有量(SiO2)により測定されたときに、0.5〜4%のケイ酸ナトリウムと、
    b)0.1%〜4.0%の多価ケイ酸塩と、
    c)10%〜98%の水と、を含み、前記ケイ酸ナトリウムの前記多価ケイ酸塩に対する重量比が1.0〜2.0であり、前記多価ケイ酸塩が、ベントナイト、ラポナイト、スメクタイト、カオリナイト、及びそれらの混合物からなる群から選択されるケイ酸塩粘土(silicate clay)であり、
    ii)前記第2の組成物が、水中油型エマルション、油中水型エマルション、濃化水ゲル(thickened water gel)、濃化油相、カプセル化された油相、固体油相、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含み、前記第2の組成物が、スキンケア組成物又は着色化粧品組成物であり、
    iii)指示説明書は、ケラチン組織に利益を提供するためのレジメンを遵守するためのものである、キット。
  26. キットであって、
    a)シリカ含有量(SiO2)により測定されたときに、0.5〜4%のケイ酸ナトリウムと、
    b)0.1%〜4.0%の多価ケイ酸塩と、
    c)10〜98%の水と、を含む皮膚平滑化組成物であって、
    前記多価ケイ酸塩が、ベントナイト、ラポナイト、スメクタイト、カオリナイト、及びそれらの混合物からなる群から選択されるケイ酸塩粘土(silicate clay)であり、前記ケイ酸ナトリウムの前記多価ケイ酸塩に対する重量比が1.0〜2.0であり、
    水ゲル又は水中油型エマルションの形態である皮膚平滑化組成物を含むパーソナルケア組成物と、
    d)前記パーソナルケア組成物を皮膚に送達するために、アプリケータ、送達器具、又は通電送達装置からなる群から選択される少なくとも1つの追加の構成要素と、
    e)ケラチン組織に利益を提供するために前記構成要素の1つと前記パーソナルケア組成物との組み合わせを遵守するための指示説明書と、を含む、キット。
  27. キットであって、
    a)シリカ含有量(SiO2)により測定されたときに、0.5〜4%のケイ酸ナトリウムと、
    b)0.1%〜4.0%の多価ケイ酸塩と、
    c)10〜98%の水と、を含む、皮膚平滑化組成物を含むパーソナルケア組成物を含み、
    前記多価ケイ酸塩が、ベントナイト、ラポナイト、スメクタイト、カオリナイト、及びそれらの混合物からなる群から選択されるケイ酸塩粘土(silicate clay)であり、前記ケイ酸ナトリウムの前記多価ケイ酸塩に対する重量比が1.0〜2.0であり、
    前記組成物が、水ゲル又は水中油型エマルションの形態であり、かつ水中油型エマルション、油中水型エマルション、濃化水ゲル、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分中に懸濁し又は懸濁され、これらの組成物がスキンケア組成物又は着色化粧品組成物の形態である、キット。
  28. a)0.1%〜3%の多糖類増粘剤を更に含み、
    組成物は、水ゲル又は水中油型エマルションの形態であり、かつ皮膚上に、
    b)25〜150%の収縮、
    c)40以下の白色度、
    d)20%以下の収縮損失、
    e)及び2.8未満の総合性能スコア、を呈するフィルムを形成する、請求項1に記載の組成物。
  29. 21℃(70°F)及び40%の相対湿度で測定したときに、前記フィルムが、35γp/mJ/m2以下の極性成分表面エネルギーを呈する、請求項28に記載の組成物。
  30. パーソナルケア組成物であって、
    a)シリカ含有量(SiO2)により測定されたときに、0.5〜2%のケイ酸ナトリウムと、
    b)0.1%〜3.0%の多価ケイ酸塩と、
    c)6〜8%の可塑剤と、
    d)0.1%〜3%の多糖類増粘剤と、
    e)10〜98%の水と、を含み、
    前記ケイ酸ナトリウムの前記多価ケイ酸塩に対する重量比が1.0〜2.0であり、
    前記多価ケイ酸塩が、ベントナイト、ラポナイト、スメクタイト、カオリナイト、及びそれらの混合物からなる群から選択されるケイ酸塩粘土(silicate clay)であり、
    前記組成物は、水ゲル又は水中油型エマルションの形態であり、かつ皮膚上に、
    f)50〜125%の収縮、
    g)40以下の白色度、
    h)15%以下の収縮損失、
    i)及び2.7未満の総合性能スコア、を呈するフィルムを形成する、パーソナルケア組成物。
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