JP6516278B2 - バタークリームの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を含有し、比重が0.4〜0.9であるバタークリームを提供するものである。
また本発明のバタークリームの製造方法によれば、油性感が減じられ、生クリームのようなみずみずしい口溶けでありながら、良好な耐熱保形性と乳化安定性を有するバタークリームを容易に安定して得ることができる。
本発明のバタークリームは、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上、好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは4質量%以上、最も好ましくは5〜40質量%である乳原料を含むことを特徴とする。乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%未満である乳原料を用いるとみずみずしい口溶けが得られない。
上記の乳由来の固形分中のリン脂質とは、乳原料中の乳由来の固形分中に含まれる乳由来のリン脂質のことを指す。
先ず、乳原料の脂質をFolch法を用いて抽出する。次いで、抽出した脂質の溶液を湿式分解法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1 食品成分試験法に記載の湿式分解法に準じる)にて分解した後、モリブデンブルー吸光度法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載のリンのモリブデン酸による定量に準じる)によりリン量を求める。求められたリン量から、以下の計算式を用いて、乳原料100g中のリン脂質の含有量(g)を求める。
リン脂質(g/100g)=〔リン量(μg)/乳原料採取量(g)〕×25.4×(0.1/1000)
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。
先ず、牛乳を遠心分離して得られる脂肪濃度30〜40質量%のクリームをプレートで加温し、遠心分離機によってクリームの脂肪濃度を70〜95質量%まで高める。次いで、乳化破壊機で乳化を破壊し、再び遠心分離機で処理することによってバターオイルが得られる。本発明のバタークリームで用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。
バターを溶解機で溶解し、熱交換機で加温する。これを遠心分離機で分離することによってバターオイルが得られる。本発明のバタークリームで用いられる上記水相成分は、遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。バターオイルの製造に用いられるバターとしては、通常のものが用いられる。
バタークリームにおける上記乳原料の含有量が0.01質量%未満であると、油性感の改良効果が乏しくなり好ましくない。また、バタークリームにおける上記乳原料の含有量が10質量%超であると、口溶けが悪化しやすいため好ましくない。
また、本発明のバタークリームにおける甘味料の含有量は、特に制限されるものではなく、求められる甘味度に応じて適宜設定可能であるが、固形分として水相中の85質量%以下、より好ましくは75質量%以下、より好ましくは65質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下とすることが好ましい。
上記乳化剤の含有量は、本発明のバタークリーム中、好ましくは0〜10質量%、さらに好ましくは0〜1質量%である。
なお上記油中水型とは、連続した油相中に、水、あるいは水相を含有するコロイド粒子が分散している形態を指す。具体的な乳化形態としては、W/O型のみならず、O/W/O型やO/O型をも含むものである。
本発明のバタークリームは、その製造過程において、上記乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を添加し、最終比重を0.4〜0.9、より好ましくは0.5〜0.8とする以外は、一般的なバタークリームの製造方法によって得ることができる。
具体的には、油脂に甘味料を添加しクリーミングするか、又はクリーミングした油脂に甘味料を添加する一般的なバタークリームの場合、上記乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料は、油脂に添加してもよく、また甘味料に添加してもよく、また、別途添加してもよいが、製造過程及び得られるバタークリームの乳化安定性が良好であることから、好ましくは油脂に添加する。
なお本発明のバタークリームが卵類を含有する場合であって、卵類が加熱殺菌する工程を経る場合には、上記乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料はみずみずしい口溶けという本発明の効果が得られにくくなるため、卵類には添加しないことが好ましい。
なお、本発明のバタークリームの上記用途における使用量は、各用途により異なるものであり、特に制限されるものではない。
〔製造例1〕
パーム核油とパーム極度硬化油を70:30で混合した配合油のランダムエステル交換油脂とコーン油を60:40の質量比で混合した混合油脂70質量部及び色素液0.1質量部からなる油相と、水29.9質量部からなる水相とを、55℃の温度で混合乳化して油中水型乳化物を得た。この油中水型乳化物を急冷可塑化して油中水型可塑性油脂(マーガリン1)を得た。
パーム核油とパーム極度硬化油を70:30で混合した配合油のランダムエステル交換油脂とコーン油を60:40の質量比で混合した混合油脂68質量部、レシチン1質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル1質量部、及び色素液0.1質量部からなる油相と、水29.9質量部からなる水相とを、55℃の温度で混合乳化して油中水型乳化物を得た。この油中水型乳化物を急冷可塑化して油中水型可塑性油脂(マーガリン2)を得た。
製造例2における混合油脂を68質量部から66質量部に、レシチン1質量部を2質量部に、グリセリンモノオレイン酸エステル1質量部を2質量部に、それぞれ変更した以外は、製造例2と同様の配合・製法で油中水型可塑性油脂(マーガリン3)を得た。
製造例2におけるレシチン1質量部を2質量部に、グリセリンモノオレイン酸エステル1質量部を無添加に、それぞれ変更した以外は、製造例2と同様の配合・製法で油中水型可塑性油脂(マーガリン4)を得た。
製造例2におけるレシチン1質量部を無添加に、グリセリンモノオレイン酸エステル1質量部を2質量部に、それぞれ変更した以外は、製造例2と同様の配合・製法で油中水型可塑性油脂(マーガリン5)を得た。
パーム核油とパーム極度硬化油を70:30で混合した配合油のランダムエステル交換油脂とコーン油を60:40の質量比で混合した混合油脂66質量部、レシチン1質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル1質量部、及び色素液0.1質量部からなる油相と、水29.9質量部からなる水相とを、55℃の温度で混合乳化して油中水型乳化物を得た。この油中水型乳化物に、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)2質量部を添加して十分に混合後、急冷可塑化して油中水型可塑性油脂(マーガリン6)を得た。
製造例6における混合油脂を66質量部から63質量部に、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物2質量部から5質量部に、それぞれ変更した以外は、製造例6と同様の配合・製法で油中水型可塑性油脂(マーガリン7)を得た。
製造例6における混合油脂を66質量部から58質量部に、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物2質量部から10質量部に、それぞれ変更した以外は、製造例6と同様の配合・製法で油中水型可塑性油脂(マーガリン8)を得た。
パーム核油とパーム極度硬化油を70:30で混合した配合油のランダムエステル交換油脂とコーン油を60:40の質量比で混合した混合油脂97.9質量部、レシチン1質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル1質量部、及び色素液0.1質量部からなる油相を55℃に加温し、急冷可塑化して水相を含有しない可塑性油脂(ショートニング1)を得た。
パーム核油とパーム極度硬化油を70:30で混合した配合油のランダムエステル交換油脂とコーン油を60:40の質量比で混合した混合油脂95.9質量部、レシチン1質量部、グリセリンモノオレイン酸エステル1質量部、及び色素液0.1質量部からなる油相を55℃に加温し、ここに、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)2質量部を添加して十分に混合後、急冷可塑化して油中水型可塑性油脂(マーガリン9)を得た。
市販の無塩バター(油分81質量%、水分16質量%)98質量部を室温で軟化させ、ここにクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)2質量部を添加して十分に混合し、油中水型可塑性油脂(バター加工品1)を得た。
〔実施例1〕
上記製造例1で得られたマーガリン1を室温で1時間調温した後、100質量部をミキサーボウルに投入し、卓上ミキサーにセットし、ビーターを使用して低速1分混合し、更に、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)2質量部を添加した後、最高速で比重が0.45となるまでクリーミングした。ここに、転化糖シロップ(糖の固形分の含有量は70質量%)50質量部を添加し、十分に混合し、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.5質量%含有し、油分含量は46質量%、水分含量は30質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム1を得た。
マーガリン1に代えて製造例2で得られたマーガリン2を使用した以外は実施例1と同様にして、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.5質量%含有し、油分含量は45質量%、水分含量は30質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム2を得た。
マーガリン1に代えて製造例3で得られたマーガリン3を使用した以外は実施例1と同様にして、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.5質量%含有し、油分含量は43質量%、水分含量は30質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム3を得た。
マーガリン1に代えて製造例4で得られたマーガリン4を使用した以外は実施例1と同様にして、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.5質量%含有し、油分含量は45質量%、水分含量は30質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム4を得た。
マーガリン1に代えて製造例5で得られたマーガリン5を使用した以外は実施例1と同様にして、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.5質量%含有し、油分含量は45質量%、水分含量は30質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム5を得た。
マーガリン1に代えて製造例2で得られたマーガリン2を使用し、さらに、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料の添加量を2質量部から5質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として1.2質量%含有し、油分含量は44質量%、水分含量は31質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム6を得た。
マーガリン1に代えて製造例2で得られたマーガリン2を使用し、さらに、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料の添加量を2質量部から10質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として2.4質量%含有し、油分含量は43質量%、水分含量は32質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム7を得た。
マーガリン1に代えて製造例2で得られたマーガリン2を使用し、さらに、転化糖シロップの添加量を50質量部から25質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.6質量%含有し、油分含量は54質量%、水分含量は30質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム8を得た。
マーガリン1に代えて製造例2で得られたマーガリン2を使用し、さらに、転化糖シロップの添加量を50質量部から75質量部に変更した以外は実施例1と同様にして、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.4質量%含有し、油分含量は38質量%、水分含量は30質量%であり、比重が0.7である、本発明のバタークリーム9を得た。
上記製造例2で得られたマーガリン2を室温で1時間調温した後、100質量部をミキサーボウルに投入し、卓上ミキサーにセットし、ビーターを使用して最高速で比重が0.45になるまでクリーミングした。ここに、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)2質量部を転化糖シロップ(糖の固形分の含有量は70質量%)50質量部に添加・混合した甘味料含有水溶液を添加し、十分に混合し、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.5質量%含有し、油分含量は45質量%、水分含量は30質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム10を得た。
上記製造例2で得られたマーガリン2を室温で1時間調温した後、100質量部、及び、転化糖シロップ(糖の固形分の含有量は70質量%)50質量部をミキサーボウルに投入し、卓上ミキサーにセットし、ビーターを使用して低速1分混合し、更に、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)2質量部を添加した後、最高速でクリーミングし、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.5質量%含有し、油分含量は45質量%、水分含量は30質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム11を得た。
上記製造例6で得られたマーガリン6を室温で1時間調温した後、100質量部をミキサーボウルに投入し、卓上ミキサーにセットし、ビーターを使用して最高速で比重が0.45となるまでクリーミングした。ここに、転化糖シロップ(糖の固形分の含有量は70質量%)50質量部を添加し、十分に混合し、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.5質量%含有し、油分含量は44質量%、水分含量は31質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム12を得た。
マーガリン6に代えて製造例7で得られたマーガリン7を使用した以外は実施例12と同様にして、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として1.3質量%含有し、油分含量は42質量%、水分含量は32質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム13を得た。
マーガリン6に代えて製造例8で得られたマーガリン8を使用した以外は実施例12と同様にして、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として2.5質量%含有し、油分含量は39質量%、水分含量は34質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム14を得た。
全卵(正味)70質量部及び上白糖20質量部をミキサーボウルに投入し、卓上ミキサーにセットし、ビーターを使用して最高速でクリーム状となるまでクリーミングした。ここに、上白糖50質量部及び水20質量部を115℃まで煮詰めたシロップ液を少しづつ添加、混合し、殺菌加糖卵液を得た。一方、マーガリン6及びマーガリン9を室温で1時間調温した後、それぞれ50質量部をミキサーボウルに投入し、卓上ミキサーにセットし、ビーターを使用して、最高速で比重が0.45となるまでクリーミングした。ここに、上記殺菌加糖卵液の全量を少しづつ添加、混合し、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.3質量%含有し、油分含量は27質量%、水分含量は34質量%であり、比重が0.7である、本発明のバタークリーム15を得た。
卵黄30質量部及び上白糖10質量部をミキサーボウルに投入し、卓上ミキサーにセットし、ビーターを使用して低速1分混合した。ここに、上白糖40質量部及び水13質量部を115℃まで煮詰めたシロップ液を少しづつ添加、混合し、殺菌加糖卵液を得た。一方、マーガリン6及びマーガリン9を室温で1時間調温した後、それぞれ50質量部をミキサーボウルに投入し、卓上ミキサーにセットし、ビーターを使用して、最高速で比重が0.45となるまでクリーミングした。ここに、上記殺菌加糖卵液の全量を少しづつ添加、混合し、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.4質量%含有し、油分含量は38質量%、水分含量は24質量%であり、比重が0.8である、本発明のバタークリーム16を得た。
卵白30質量部及び上白糖10質量部をミキサーボウルに投入し、卓上ミキサーにセットし、ビーターを使用して中速5分混合しメレンゲ1を得た。ここに、上白糖33質量部及び水11質量部を115℃まで煮詰めたシロップ液を少しづつ添加、混合し、イタリアンメレンゲを得た。一方、マーガリン6及びマーガリン9を室温で1時間調温した後、それぞれ50質量部をミキサーボウルに投入し、卓上ミキサーにセットし、ビーターを使用して、最高速で比重が0.45となるまでクリーミングした。ここに、上記イタリアンメレンゲの全量を少しづつ添加、混合し、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.4質量%含有し、油分含量は35質量%、水分含量は30質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム17を得た。
マーガリン6及びマーガリン9を室温で1時間調温した後、それぞれ50質量部をミキサーボウルに投入し、卓上ミキサーにセットし、ビーターを使用して、最高速で比重が0.45となるまでクリーミングした。ここに、市販のカスタードクリーム(油分含量10質量%、糖の固形分含量18質量%、水分含量65質量%)176質量部を少しづつ添加、混合し、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.3質量%含有し、油分含量は29質量%、水分含量は47質量%であり、比重が0.8である、本発明のバタークリーム18を得た。
マーガリン1に代えて製造例9で得られたショートニング1を使用した以外は実施例1と同様にして、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.5質量%含有し、油分含量は64質量%、水分含量は11質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム19を得た。
上記製造例9で得られたショートニング1を室温で1時間調温した後、100質量部、及び、粉糖37.5質量部をミキサーボウルに投入し、卓上ミキサーにセットし、ビーターを使用して低速1分混合し、更に、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)2質量部を添加した後、最高速でクリーミングし、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.5質量%含有し、油分含量は70質量%、水分含量は1質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム20を得た。
マーガリン2に代えて製造例9で得られたショートニング1を使用した以外は実施例11と同様にして、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.5質量%含有し、油分含量は64質量%、水分含量は11質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム21を得た。
マーガリン6に代えて製造例10で得られたマーガリン9を使用した以外は実施例12と同様にして、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.5質量%含有し、油分含量は40質量%、水分含量は10質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム22を得た。
マーガリン1に代えて製造例11で得られたバター加工品1を使用した以外は実施例1と同様にして、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.5質量%含有し、油分含量は53質量%、水分含量は21質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム23を得た。
マーガリン6に代えて市販の無塩バター(油分81%、水分16%)1を使用した以外は実施例12と同様にして、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を固形分として0.5質量%含有し、油分含量は53質量%、水分含量は21質量%であり、比重が0.6である、本発明のバタークリーム24を得た。
マーガリン1に代えて製造例2で得られたマーガリン2を使用し、さらに、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料の添加量を無添加に変更した以外は実施例1と同様にして、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を含有せず、油分含量は45質量%、水分含量は30質量%であり、比重が0.6である、比較例のバタークリーム25を得た。
マーガリン1に代えて製造例9で得られたショートニング1を使用し、さらに、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料の添加量を無添加に変更した以外は実施例1と同様にして、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を含有せず、油分含量は65質量%、水分含量は10質量%であり、比重が0.6である、比較例のバタークリーム26を得た。
マーガリン1に代えて製造例11で使用した無塩バターを使用し、さらに、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料の添加量を無添加に変更した以外は実施例1と同様にして、乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を含有せず、油分含量は54質量%、水分含量は21質量%であり、比重が0.6である、比較例のバタークリーム27を得た。
上記実施例1〜24及び上記比較例1〜3でそれぞれ得られたバタークリーム1〜27について、下記の評価基準にしたがって口溶け及び油性感の評価を行ない、その結果を表1に記載した。
(口溶け評価基準)
◎:さっぱりとしてみずみずしく、キレがある極めて良好な口溶けである。
○+:みずみずしく、キレがある良好な口溶けである。
○:みずみずしい良好な口溶けである。
△:ややもたつきが感じられ、やや不良な口溶けである。
×:口中での溶解性が悪く、不良な口溶けである。
(油性感評価基準)
◎: 油性感が感じられない。
○: 油性感がほとんど感じられない。
△: やや油っぽさを感じる。
×: 油っぽい。
上記実施例1〜24及び上記比較例1〜3でそれぞれ得られたバタークリーム1〜27について、下記の保管テストによって乳化安定性及び耐熱保形性の評価を行ない、その結果を表1に記載した。
なお、保管テストにおいては、バタークリームを一旦25℃に調温した後、絞り袋に入れ、菊型口金でシャーレに花型に絞り、蓋をし、これを5℃に60分調温後、20℃、25℃及び30℃の各恒温槽に一晩おき、表面状況及びダレの状況を観察し、前者を乳化安定性、後者を耐熱保形性の評価とし、下記評価基準に従い4段階で評価した。
(乳化安定性評価基準)
◎: 良好なクリーム表面である。
○: わずかに離水が見られるが良好なクリーム表面である。
△: やや離水が見られる。
×: はっきりした離水が見られる。
(耐熱保形性評価基準)
◎: 線もシャープでありダレが全く見られない。
○: やや線が丸くなったがダレは見られない。
△: ダレが見られるが菊型形状を有している。
×: はっきりしたダレが見られる。
Claims (2)
- 乳由来の固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を油脂に添加し、クリーミングした後、甘味料を添加し、混合し、比重を0.4〜0.9とするバタークリームの製造方法であって、
上記油脂として油中水型乳化物を使用し、
上記油中水型乳化物は、水分含量が20〜60質量%であり、油相中にレシチンを0.5〜2質量%及びグリセリンモノ不飽和脂肪酸エステルを0.5〜2質量%含有することを特徴とする、バタークリームの製造方法。 - 上記バタークリームが、上記乳原料を固形分として0.01〜10質量%含む請求項1記載のバタークリームの製造方法。
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