以下、常用照明と非常用照明に兼用される照明器具に、本発明の技術思想を適用した実施形態について説明する。ただし、本発明の技術思想は、常用照明専用の照明器具、及び非常用照明専用の照明器具にも適用可能である。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、図4に示す向きにおいて上下左右の方向を規定し、さらに図4中の紙面に垂直な方向を前後方向(手前側が前側)と規定する。
本実施形態の照明器具は、図1〜図4に示すように常用光源ユニット2と、非常用照明装置と、器具本体1とで構成される。器具本体1は、吊りボルト200に固定され、天井材100の下面(天井面)に直付けされる。常用光源ユニット2は、器具本体1に対して着脱可能に取り付けられる。非常用照明装置は、非常用光源ユニット3と、非常用電源5と、本発明に係る給電装置の実施形態である制御装置4とで構成されることが好ましい。
器具本体1は、板金に曲げ加工を施すことで長尺且つ上面(天井材100との対向面)が開口する扁平な箱状に形成される。また、器具本体1は、天井材100と反対側(下側)に、常用光源ユニット2及び非常用光源ユニット3を収容するための矩形の凹部11が長手方向(前後方向)の全長に亘って設けられている。また、器具本体1の左右方向(幅方向)における凹部11の両側には、凹部11の開口端縁から延出し且つ外側に向かって上方へ傾斜する傾斜部12がそれぞれ設けられている(図3及び図4参照)。
また、凹部11の底板111には、電線を通すための孔111Aが前後方向(長手方向)におけるほぼ中央に設けられている。さらに、この底板111には、前後方向における両端寄りの位置に吊りボルト200を通すための孔111Bがそれぞれ設けられている(図3参照)。なお、底板111の下面には端子台が取り付けられることが好ましい。
常用光源ユニット2は、図4に示すように、複数(例えば、2つ)のLEDモジュール22と、LEDモジュール22が取り付けられる取付部材21とを備える。また、常用光源ユニット2は、LEDモジュール22を覆うようにして取付部材21に取り付けられるカバー23と、電源装置24とを備える。
LEDモジュール22は、前後方向に長い矩形板状に形成されたプリント配線板221を有する。プリント配線板221は、その下面に複数のLED(発光ダイオード)222が前後方向(長手方向)に沿って1列に並ぶように実装されている。また、一方のLEDモジュール22の前端部には、電源装置24との間を電気的に接続するためのコネクタが実装されている。このコネクタには電線が電気的に接続されており、この電線の端部を電源装置24に電気的に接続することでLEDモジュール22と電源装置24とが電気的に接続される。
また、各LEDモジュール22において隣接するLEDモジュール22と対向する端部には、電源供給用のコネクタがそれぞれ実装されている。そして、両LEDモジュール22のコネクタ同士を接続することで、一方のLEDモジュール22から他方のLEDモジュール22に点灯電力が中継される。
取付部材21は、板金に曲げ加工を施すことでU字状に形成される。取付部材21は、長尺且つ矩形板状に形成された底板211と、底板211の左右方向(幅方向)における両端から上下方向(底板211と直交する方向)に延出する一対の側板212とを有する。各側板212の先端(上端)には、図4に示すように、互いに離れる向き(外向き)に湾曲する引掛部212Aがそれぞれ全長に亘って設けられる。なお、上述したLEDモジュール22は、例えば、取付部材21の底板211の一部を切り起こすことで形成された爪により、取付部材21に固定される。
また、取付部材21は、長手方向における両端寄りの位置において幅方向の一端側に延びる一対の引掛金具と、幅方向の他端側に配置される一対の引掛ばねとを有している。
電源装置24は、電源基板と、電源基板を収納する収納ケース242とを有する。電源基板は、前後方向に長い矩形板状に形成されたプリント配線板からなる。そして、このプリント配線板には、少なくともLED222の点灯電力を生成するために必要な回路部品(例えばトランスやダイオード、コンデンサなど)241が実装されている。
収納ケース242は、一面(取付部材21の底板211との対向面)が開口し且つ前後方向に長い矩形箱状に形成されている。また、収納ケース242は、開口側が取付部材21の底板211と対向するようにして、例えばねじなどを用いて取付部材21の側板212に取り付けられる。
カバー23は、拡散性を有する材料(例えば乳白色のアクリル樹脂)により上面(取付部材21側の面)が開口する長尺の箱形に形成されている。また、カバー23は、左右方向(幅方向)において両端側から中央側に行くほど下側への突出量が大きくなるような凸レンズ形状の曲面部231を有している(図4参照)。
カバー23の左右方向における両端部には、図4に示すように、常用光源ユニット2を器具本体1に取り付けた状態で、上下方向において器具本体1の凹部11の開口端縁と重なる延出部232がそれぞれ設けられている。さらに、カバー23の左右方向において各延出部232の内側には、上側(取付部材21側)に突出する突壁部233がそれぞれ全長に亘って設けられており、各突壁部233の先端には内向きに突出する突起部233Aがそれぞれ設けられている。また、各突壁部233の根元近くには、それぞれ内向きに突出する支持片233Bが設けられている。
非常用光源ユニット3は、図5〜図11に示すように、非常用LEDモジュール30、レンズ31、カバー32、支持部材33、ベース36などを備える。非常用光源ユニット3は、さらに、スイッチブロック34、表示部35、ばね部材37、ケーブルホルダ38などを備えることが好ましい。なお、以下の非常用光源ユニット3の説明においては、特に断りのない限り、図5において、上下、前後、左右の各方向を規定する。
非常用LEDモジュール30は、実装基板300、発光部301、熱伝導シート302、リード線303などを備えることが好ましい。実装基板300は、幅細の矩形平板状に形成されたプリント配線板である。発光部301は、実装基板300の上面における中央部に実装される複数個のLEDチップと、これら複数個のLEDチップを封止する封止材とで構成されることが好ましい。封止材は、透光性を有し且つ蛍光材料が混合された合成樹脂であることが好ましい。すなわち、LEDチップから放射される光(例えば、青色光)の一部が蛍光材料で波長変換され、波長変換された光(例えば、黄色光)と波長変換されなかった光(青色光)が混ざることにより、発光部301から放射される光が全体として白色光となる。熱伝導シート302は、電気絶縁性を有し且つ熱伝導度が相対的に高い材料で矩形平板状に形成され、片面(上面)に実装基板300が貼り付けられる。
レンズ31は、透光性を有し、且つガラス繊維が混入されることで耐熱性(難燃性)が向上された合成樹脂材料(例えば、ポリカーボネート樹脂など)で形成されることが好ましい。レンズ31は、非球面形状の入射面310及び出射面311を有し(図10参照)、いわゆるバットウイング状の配光特性を実現する広角配光レンズであることが好ましい。また、レンズ31は、下側及び左右両側の周縁から外向きに突出する一対のフランジ312を有することが好ましい。
非常用電源5は、例えば、乾電池型の複数の蓄電池50と、これら複数の蓄電池50を収納する合成樹脂材料製の電池ケース51とで構成されることが好ましい(図10及び図11参照)。ただし、電池ケース51として熱収縮チューブが用いられても構わない。なお、非常用電源5は、各蓄電池50の正極及び負極に一端がそれぞれ電気的に接続され、他端がプラグコネクタと電気的に接続された接続線を有することが好ましい。
カバー32は、カバー体320と、第1カバーエンド321と、第2カバーエンド322とを有する。カバー体320は、難燃性の材料(例えば、亜鉛鋼板などの金属板)により、曲面部323及び一対の突片324が一体に構成されることが好ましい。曲面部323は、常用光源ユニット2のカバー23の曲面部231とほぼ同一の曲面形状を有することが好ましい。一対の突片324は、矩形の平板状であって、曲面部323の下面側における前後両端の近傍より下向きに突出するように形成されることが好ましい。また、各突片324の右端寄りの位置に、矩形の貫通孔からなる取付孔3240が設けられることが好ましい。
また、曲面部323には、レンズ31が挿通される挿通孔3230が開口している。この挿通孔3230は、図8に示すように、上下方向から見て八角形状に形成されることが好ましい。さらに、曲面部323の表面(上面)における挿通孔3230の左右両側には、挿通孔3230に向かって下向きに傾斜する傾斜面3231が形成されることが好ましい。ただし、挿通孔3230は、曲面部323の左右方向における中心から左向き(常用光源ユニット2に近付く向き)にずらして設けられることが好ましい。
第1カバーエンド321及び第2カバーエンド322は、カバー体320と同一の材料により、半円板状に形成されることが好ましい。また、第1カバーエンド321は、周縁から突出する接合片3210が曲面部323の右側の下面に溶接されることでカバー体320に接合されることが好ましい。同様に、第2カバーエンド322は、周縁から突出する接合片3220が曲面部323の左側の下面に溶接されることでカバー体320に接合されることが好ましい(図10参照)。また、第2カバーエンド322の下端には、左方向に突出するL字形の突台部3221が設けられることが好ましい(図6参照)。さらに、突台部3221の下端における前端寄りの位置には、矩形の突出部3222が一体に形成されることが好ましい。この突出部3222は、上下方向から見て、突台部3221よりも外側(左側)に突出するように形成されることが好ましい(図8参照)。なお、突出部3222の前端には、円形の挿通孔3223が貫通している。また、突台部3221の下端における前後方向の中央の位置には、矩形の押さえ片3224が形成されことが好ましい(図6参照)。この押さえ片3224は、厚み方向(左右方向)に沿って撓み可能に形成されることが好ましい。
ベース36は、アルミ板のような熱伝導率の高い金属製の板材により、平板部360と、一対の立壁部361、362とを有する角樋状に形成されることが好ましい。平板部360は、概ね矩形の平板状に形成されている。平板部360の左右両端には、互いに大きさの異なる2つの切欠3600、3601が形成されている(図5参照)。左端の切欠3600は寸法が小さく、右端の切欠3601は、切欠3600よりも寸法が大きいことが好ましい。また、平板部360は、左前方及び右後方の角部分に、それぞれねじ孔3602が設けられることが好ましい。さらに、平板部360には、図5及び図10に示すように、複数(図示例では3つ)の突出部3603が設けられることが好ましい。これらの突出部3603は、図10に示すように、支持片3604と押さえ片3605を有することが好ましい。支持片3604は、一端(左端)で平板部360と繋がり、左から右に向かって下向きに突出するように形成されることが好ましい。押さえ片3605は、支持片3604の先端(下端)から、平板部360と平行且つ右向きに突出するように形成されることが好ましい。ただし、押さえ片3605の先端(右端)は、上向きに曲げ起こされることが好ましい。なお、これらの突出部3603は、平板部360から切り起こして形成されることが好ましい。
一対の立壁部361、362は、上端部分が僅かに曲げ起こされ、当該上端部分(以下、ガイド部3610、3620と呼ぶ。)で平板部360と連結されている。また、各立壁部361、362の下端には、前後方向に沿って外向きに突出する固定部363がそれぞれ設けられることが好ましい。固定部363は、右端寄りの部位が他の部位よりも幅広に形成されることが好ましい。そして、当該幅広の部位に、それぞれ円形の挿通孔3630が2つずつ形成されることが好ましい(図5参照)。なお、当該幅広の部位は、例えば、立壁部361、362の一部が切り起こされて形成されることが好ましい。
さらに、各立壁部361、362の右側の下端には、それぞれ取付部364が一体に設けられることが好ましい。各取付部364は、立壁部361、362の右側端縁に連結されたL字型の連結片3640と、連結片3640の下端から前後方向に沿って内向きに突出する取付片3641とを有することが好ましい。また、各取付片3641の中央に、それぞれねじ孔3642が設けられることが好ましい。なお、後方の取付部364の連結片3640には、円形の貫通孔3643が形成されることが好ましい。
また、前方の立壁部361には、カバー32の突出部3222がねじ止めされるねじ止め部365が設けられることが好ましい。ねじ止め部365は、立壁部361の左側の下端から左向きに突出する突片3612の上端に設けられることが好ましい。すなわち、ねじ止め部365は、突片3612の上端から前向きに突出する矩形平板状に形成され、且つねじ孔3650が設けられることが好ましい。
ばね部材37は、矩形の固定片370と、固定片370の前後両端から上向きに立ち上がる一対の起立片371と、各起立片371の上端からそれぞれ上向きに突出する一対の引掛部372と、押さえ片373とを有する。なお、ばね部材37は、ベース36を構成する金属材料よりも弾性係数(ヤング率)の高い金属材料、例えば、ステンレス鋼板などで構成されることが好ましい。
固定片370は、前後両端に丸孔3700がそれぞれ設けられている。なお、これら一対の丸孔3700は、ベース36の取付部364の一対のねじ孔3642の間隔に等しい間隔で設けられる。各起立片371は、左右方向の中央に、上下方向を長手方向とするスリット3710を形成されることが好ましい。各引掛部372は、矩形の板材が左右方向から見てL字形に折り曲げられた形状に形成されることが好ましい。押さえ片373は、固定片370の左端における前後方向の中央部から上向きに立ち上がり、且つ左向きに倒れ込むように折り曲げられた形状に形成されることが好ましい。
ばね部材37は、図9〜図11に示すように、一対の取付部364に固定片370が下から当てられ、各丸孔3700に挿通される2本のねじが各取付部364のねじ孔3642にねじ込まれることで取付部364に取り付けられる。なお、ばね部材37の各起立片371は、何れも取付部364の連結片3640の外側に配置される(図9参照)。また、後方の起立片371のスリット3710を通して、連結片3640の貫通孔3643にケーブルホルダ38が取り付けられる(図9参照)。
表示部35は、市販のパイロットランプで構成されることが好ましい。スイッチブロック34は、プリント配線板340、点検スイッチ341、操作部材342、コネクタ343などで構成されることが好ましい。コネクタ343は、プラグコネクタが挿抜可能に接続されるレセプタクルコネクタが好ましい。点検スイッチ341は、市販されている常開型の押釦スイッチが好ましい。操作部材342は、合成樹脂材料によって半球状に形成されることが好ましい。操作部材342は、上下方向に移動可能なように支持部材33に支持される。プリント配線板340は、矩形平板状に形成され、点検スイッチ341とコネクタ343が上面に実装され、且つコネクタ343の2つのコンタクトと点検スイッチ341の一対の端子とを各別に電気的に接続するように構成されることが好ましい。
スイッチブロック34は、コネクタ343に接続されるプラグコネクタを介して制御装置4から定電圧が供給されており、操作部材342を介して点検スイッチ341が押操作されると、コネクタ343のコンタクト同士を導通するように構成されている。故に、制御装置4は、プラグコネクタの2つのコンタクト間が短絡することにより、点検スイッチ341の操作入力を受け取ることができる。
支持部材33は、第1支持部330と、第2支持部331とを有することが好ましい。ただし、第1支持部330と第2支持部331とは、合成樹脂成形体として一体に形成されることが好ましい(図5、図12、図13参照)。
第1支持部330は、全体として薄型の平板状に形成され、非常用LEDモジュール30を嵌め込んで支持する凹部332、環状のリブ333、2対(合計4つ)の引掛部334、一対のボス335などを有することが好ましい。凹部332は、図10及び図13に示すように、第1支持部330の下面中央に設けられることが好ましい。また、凹部332の底には、矩形の窓孔3320が開口されることが好ましい。つまり、この窓孔3320内に発光部301が配置されることにより、第1支持部330の上面側に発光部301が露出する(図12参照)。環状のリブ333は、第1支持部330の上面に、窓孔3320を囲むように設けられることが好ましい(図5参照)。一方の対の引掛部334は、第1支持部330の上面におけるリブ333の左端部分から上向きに突出し、且つ左右方向に撓み可能に形成されることが好ましい。他方の対の引掛部334は、第1支持部330の上面におけるリブ333の右端部分から上向きに突出し、且つ左右方向に撓み可能に形成されることが好ましい。また、各引掛部334は、逆U字状に形成され、且つ上端部分に三角柱状の爪3340が一体に形成されることが好ましい(図10及び図11参照)。
第2支持部331は、下面が開放された矩形の箱状に形成されることが好ましい。第2支持部331は、スイッチブロック34と表示部35を内部に収納して支持するように構成される。第2支持部331の天面には、第1周壁3310及び第2周壁3311が一体に設けられることが好ましい。第1周壁3310は、円筒形状に形成され、スイッチブロック34の操作部材342が挿入される。操作部材342は、円柱形状の押釦部3420と、複数の爪部3421と、軸部3422とを有する合成樹脂成形体で構成される(図10参照)。操作部材342は、第1周壁3310の内周面に設けられる段部3312に複数の爪部3421がそれぞれ引っ掛けられて抜け止めされる(図10参照)。軸部3422は、押釦部3420の下面中央から下向きに突出する円柱状に形成されることが好ましい(図10参照)。また、第2周壁3311は、円筒状に形成され、表示部35の先端部分が挿通される(図8参照)。つまり、操作部材342は、押釦部3420が押されて下向きに移動すると、軸部3422の先端(下端)で点検スイッチ341を押操作するように構成される。
スイッチブロック34は、図13に示すように、第2支持部331の内壁面から突出する複数(図示例では3つ)の爪3313にプリント配線板340の周縁部分が引っ掛けられて第2支持部331に支持される。また、第2支持部331の天面における前方に、矩形の挿通孔3314が設けられることが好ましい(図12参照)。すなわち、この挿通孔3314を通して、コネクタ(レセプタクルコネクタ)343にプラグコネクタが差込接続される。なお、当該プラグコネクタと電気的に接続される電線は、第2支持部331の前面に設けられる一対のケーブル保持片336に保持されることが好ましい(図12参照)。
次に、非常用光源ユニット3の組立手順を説明する。まず、作業者は、非常用LEDモジュール30を第1支持部330の凹部332に下から嵌め込む(図13参照)。作業者は、非常用LEDモジュール30の一方のリード線303を、第1支持部330に設けられた第1引掛部3300に引っ掛けた後、当該リード線303と他方のリード線303を、第1支持部330に設けられた第2引掛部3301に引っ掛ける。さらに、作業者は、これら一対のリード線303を、第1支持部330の上面側に引き回した後、第1支持部330に設けられた第3引掛部3302に引っ掛けて支持させる(図12参照)。
さらに、作業者は、操作部材342を第1周壁3310内に挿入した後、スイッチブロック34のプリント配線板340を3つの爪3313に引っ掛けてスイッチブロック34を第2支持部331に取り付ける(図10〜図13参照)。また、作業者は、表示部35の外周面に突出する爪350(図5参照)を、第2周壁3311に設けられた孔に引っ掛けることで表示部35を第2支持部331に取り付ける。
続いて、作業者は、第1支持部330をベース36の平板部360の上に載せる。このとき、作業者は、第1支持部330の左前方から下向きに突出した突部337を、平板部360の左端の切欠3600に挿通することにより、平板部360に対して支持部材33を位置決めすることができる(図6参照)。そして、作業者は、各ボス335を貫通する孔3350にねじ345を挿通し、平板部360に設けられた一対のねじ孔3602にそれぞれねじ345を締め込む。このようにして、作業者は、ベース36に支持部材33を固定する(図6参照)。
次に、作業者は、2対の引掛部334の爪3340をレンズ31のフランジ312の上面に引っ掛けることでレンズ31を第1支持部330に支持させる(図10及び図11参照)。それから、作業者は、各固定部363の2つの挿通孔3630にそれぞれねじを挿通し、凹部11の底板111に設けられているねじ孔に各ねじをねじ込むことでベース36を底板111に固定する。このとき、作業者は、ねじ止め部365を内側(常用光源ユニット2に近い側)、すなわち、ばね部材37を外側(常用光源ユニット2から遠い側)とするようにベース36を凹部11内に収納する。また、ベース36が底板111に固定されることにより、ベース36と底板111に囲まれた空間が形成される。
続いて、作業者は、凹部11内において、ねじ止め部365の側から前記空間内に非常用電源5を挿入する(図6参照)。このとき、非常用電源5は、突出部3603の支持片3604に案内されてスムーズに挿入される。次に、作業者は、図6に示すように、上方からカバー32をベース36に被せる。このとき、カバー32の一対の突片324が、ベース36の各立壁部361、362のガイド部3610、3620にガイドされる。そして、ばね部材37の各引掛部372は、それぞれ突片324に押されて内側に撓み、やがて、各突片324の取付孔3240にそれぞれ挿入されて引っ掛かる(図7及び図9参照)。このとき、第1支持部330に支持されたレンズ31は、カバー32の挿通孔3230に挿通される。また、操作部材342は、カバー32の曲面部323において、挿通孔3230の右隣に設けられた円形の第1貫通孔3232を通して外部に露出する。さらに、表示部35は、カバー32の曲面部323において、第1貫通孔3232の後方に設けられた円形の第2貫通孔3233を通して外部に露出する(図7及び図8参照)。
最後に、作業者は、突出部3222の挿通孔3223に挿通したねじを、ベース36のねじ止め部365のねじ孔3650にねじ込むことにより、突出部3222をねじ止め部365にねじ止めする(図7及び図8参照)。このようにして、非常用光源ユニット3が組み立てられる。なお、非常用電源5は、図10に示すように、ばね部材37の押さえ片373と、カバー32の押さえ片3224とに左右方向から押さえられるとともに、3つの突出部3603に下から支えられてがたつきが抑えられる。ただし、上述した組立手順は一例に過ぎず、別の組立手順で組み立てることも可能である。
制御装置4は、常用電源から供給される電力で非常用電源5を充電する充電回路、常用電源の停電時に非常用電源5を電源として非常用LEDモジュール30を点灯させる非常用電源回路などを備えることが好ましい。また、制御装置4は、点検スイッチ341による操作入力を受け取って点検動作を行う制御回路を備えることが好ましい。なお、常用電源は、常用光源ユニット2の電源装置24に給電する電源(例えば、商用の交流電源)であることが好ましい。制御回路は、点検スイッチ341による操作入力を受け取ると、充電回路を停止するとともに、非常用電源回路を動作させることで点検動作を行うように構成されることが好ましい。さらに、制御回路は、常用電源の通電状態や点検動作による点検結果などを表示部35に表示させるように構成されることが好ましい。なお、このような制御回路は、論理回路やマイクロコントローラなどで構成されることが好ましい。
また、制御装置4は、充電回路、非常用電源回路並びに制御回路などを構成するための複数の回路素子が実装されるプリント配線板40と、プリント配線板40を内部に収納する金属製のケース41とを備えることが好ましい(図14参照)。
ケース41は、第1ケース42と、第1ケース42と結合される第2ケース43とを備える。第1ケース42は、図15及び図16に示すように、矩形平板状の底板420と、底板420の長手方向に沿った両端から上向きに立ち上がる一対の第1側壁421とを有する。一対の第1側壁421は、2つの突起4210と、2つの固定片4211とを、長手方向の両端にそれぞれ有する。第1側壁421は、内側に折り曲げられる固定片4211と、突起4210とでプリント配線板40の端部を厚み方向に挟んで支持するように構成される。
一方、第2ケース43は、図17に示すように、矩形平板状の天板430と、天板430の長手方向に沿った両端から下向きに立ち下がる一対の第2側壁431とを有する。一対の第2側壁431は、2つの突部4310を、長手方向の両端にそれぞれ有する。第2側壁431は、各突部4310を第1側壁421に設けられる2つの引掛孔4212にそれぞれ引っ掛けるように構成される。
ここで、固定片4211は、第1側壁421が打ち抜き加工されて形成される。そして、引掛孔4212は、固定片4211が折り曲げられることで第1側壁421に形成される孔で構成される。つまり、本実施形態の制御装置4では、プリント配線板40を支持する構造(突起4210及び固定片4211)と、第1ケース42に第2ケース43を固定する構造(引掛孔4212)とが、何れも第1側壁421に設けられている。そのため、固定片4211を形成するために第1側壁421が打ち抜き加工される際、引掛孔4212も同時に形成することにより、製造コストの削減を図ることができる。
次に、制御装置4の組立手順について、簡単に説明する。まず、作業者は、第1ケース42の底板420の上に絶縁シートを敷いた後、第1ケース42の4つの突起4210の上にプリント配線板40を載せる。すなわち、プリント配線板40と第1ケース42の底板420とが絶縁シートによって電気的に絶縁される。それから、作業者は、ドライバなどの工具を用いて、4つの固定片4211をそれぞれ内側に折り曲げてプリント配線板40を第1ケース42に固定する。続いて、作業者は、第1ケース42の上に第2ケース43を被せる。このとき、第2ケース43の第2側壁431は、第1ケース42の第1側壁421の外側に配置される。そして、第2側壁431の4つの突部4310が、第1側壁421の4つの引掛孔4212に挿入され、且つ引掛孔4212の周囲に引っ掛けられる。故に、第2ケース43は、4つの突部4310が4つの引掛孔4212にそれぞれ引っ掛けられることにより、第1ケース42と結合される(図18参照)。制御装置4は、以上のような組立手順で組み立てられる。
ところで、第2ケース43の天板430がプリント配線板40よりも長手方向の寸法が短く形成されている。そのため、プリント配線板40の一端部に実装される2つのコネクタ400、401がケース41から露出している(図18参照)。一方のコネクタ400は、非常用電源5及び非常用LEDモジュール30と電気的に接続されることが好ましい。他方のコネクタ401は、表示部35と電気的に接続されることが好ましい。また、プリント配線板40の他端部にもコネクタ402が実装される(図15参照)。このコネクタ402は、スイッチブロック34のコネクタ343と電気的に接続されることが好ましい。制御装置4は、第1ケース42の底板420の両端から突出する一対の固定片410が凹部11の底板111にねじ止めされることで器具本体1に取り付けられることが好ましい(図14参照)。
また、プリント配線板40の他端部には、コネクタ402と隣り合うように端子台403が実装される。この端子台403は、速結式(ねじなし式)の端子台であって、常用電源からの給電線が挿抜可能に接続される。すなわち、端子台403は、上面に設けられた2つの解除孔4030に挿入される棒状の治具により、給電線の抜け止めを解除できるように構成されている。そして、本実施形態の制御装置4では、第2ケース43の天板430に、各解除孔4030と上下方向に重なる孔4300が設けられている(図17及び図18参照)。つまり、本実施形態の制御装置4は、第1ケース42に第2ケース43を結合した状態であっても、天板430の孔4300を通して端子台403の解除孔4030に治具を挿入して給電線の抜け止めを解除できるように構成されている。
ここで、非常用光源ユニット3と制御装置4とは、4対(合計8本)の電線で電気的に接続される。すなわち、4対のうちの一対の電線60は、非常用電源5と充電回路及び非常用電源回路とを電気的に接続することが好ましい。また、別の一対の電線61は、非常用電源回路と非常用LEDモジュール30とを電気的に接続することが好ましい。さらに別の一対の電線62は、制御回路と表示部35とを電気的に接続することが好ましい。残り一対の電線63は、制御回路とスイッチブロック34とを電気的に接続することが好ましい。ただし、一対の電線60は、非常用電源5の交換を容易にするため、コネクタ64によって分断可能に構成されることが好ましい(図14参照)。これら4対の電線60〜63は、図14に示すように、シース65で被覆された1本のケーブルとして構成されることが好ましい。なお、4対の電線60〜63は、図14に示すように、ベース36の立壁部362と凹部11の側板との間に形成される隙間に配置されることが好ましい。
次に、本実施形態の照明器具の施工手順を説明する。まず最初に、施工作業を行う作業者は、天井裏に先行配線された電源線を器具本体1の孔111Aに通し、さらに室内側に露出する吊りボルト200を孔111Bに通した後、吊りボルト200にナット201をねじ込んで器具本体1を固定する。さらに、作業者は、電源線の端部を端子台に接続し、さらに端子台から引き出されている電線を電源装置24及び制御装置4と電気的に接続する。
続いて、作業者は、器具本体1の一方の側板112に設けられた一対の挿通孔にそれぞれ引掛金具の先端を引っ掛けた後、一対の引掛ばねを器具本体1の他方の側板112に設けられた引掛部に引っ掛ける。そして、作業者が、引掛金具を支点として常用光源ユニット2を持ち上げるように回転させると、引掛ばねが引掛部に引っ掛かったままで元の状態に戻ることにより、引掛ばねのばね力で常用光源ユニット2が器具本体1に保持される。以上のような手順に従って、照明器具が天井に施工される(図1参照)。
上述のように本実施形態の給電装置(制御装置4)は、給電用の電気回路を構成するための複数の回路素子が実装されるプリント配線板40と、プリント配線板40を内部に収納するケース41とを備える。ケース41は、第1ケース42と、第1ケース42と結合される第2ケース43とを備える。第1ケース42は、平板状の底板420と、底板420の両端から同じ向きに立ち上がる一対の第1側壁421とを有する。一対の第1側壁421は、1乃至複数の突起4210と、1乃至複数の固定片4211とをそれぞれ有し、内側に折り曲げられた固定片4211と、突起4210とでプリント配線板40を厚み方向に挟んで支持するように構成される。第2ケース43は、平板状の天板430と、天板430の両端から同じ向きに立ち下がる一対の第2側壁431とを有する。一対の第2側壁431は、1乃至複数の突部4310をそれぞれ有し、突部4310を第1側壁421に設けられる1乃至複数の引掛孔4212にそれぞれ引っ掛けるように構成される。固定片4211は、第1側壁421が打ち抜き加工されて形成される。引掛孔4212は、固定片4211が折り曲げられることで第1側壁421に形成される孔からなる。
また、本実施形態の照明器具は、給電装置(制御装置4)と、給電装置(制御装置4)から給電されて点灯する光源(非常用LEDモジュール30)と、給電装置(制御装置4)及び光源(非常用LEDモジュール30)を支持する器具本体1とを備える。
本実施形態の給電装置(制御装置4)及び照明器具は上述のように構成され、固定片4211と引掛孔4212を第1側壁421の打ち抜き加工によって同時に形成することにより、製造コストの削減を図ることができる。
さらに、本実施形態の給電装置(制御装置4)において、突部4310は、引掛孔4212に引っ掛けられた状態において、第1側壁421の厚み方向から見て固定片4211と重なるように形成されることが好ましい。
本実施形態の給電装置(制御装置4)が上述のように構成されれば、第2ケース43が第1ケース42に結合される際、引掛孔4212に挿入される過程において、突部4310で固定片4211を折り曲げることができる。故に、ドライバなどの工具を用いて固定片4211を内側に折り曲げる工程が省略できるため、製造コストの更なる削減を図ることができる。
なお、常用光源ユニット2を点灯する電源装置24に、本発明の技術思想を適用しても構わない。