Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP6421335B2 - 肝幹前駆様細胞の培養方法及びその培養物 - Google Patents

肝幹前駆様細胞の培養方法及びその培養物 Download PDF

Info

Publication number
JP6421335B2
JP6421335B2 JP2015511270A JP2015511270A JP6421335B2 JP 6421335 B2 JP6421335 B2 JP 6421335B2 JP 2015511270 A JP2015511270 A JP 2015511270A JP 2015511270 A JP2015511270 A JP 2015511270A JP 6421335 B2 JP6421335 B2 JP 6421335B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
cell
laminin
culture
progenitor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015511270A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2014168157A1 (ja
Inventor
水口 裕之
裕之 水口
健二 川端
健二 川端
和雄 高山
和雄 高山
関口 清俊
清俊 関口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka University NUC
National Institutes of Biomedical Innovation Health and Nutrition
Original Assignee
Osaka University NUC
National Institutes of Biomedical Innovation Health and Nutrition
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka University NUC, National Institutes of Biomedical Innovation Health and Nutrition filed Critical Osaka University NUC
Publication of JPWO2014168157A1 publication Critical patent/JPWO2014168157A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6421335B2 publication Critical patent/JP6421335B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N5/00Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
    • C12N5/06Animal cells or tissues; Human cells or tissues
    • C12N5/0602Vertebrate cells
    • C12N5/067Hepatocytes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L27/00Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses
    • A61L27/36Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses containing ingredients of undetermined constitution or reaction products thereof, e.g. transplant tissue, natural bone, extracellular matrix
    • A61L27/38Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses containing ingredients of undetermined constitution or reaction products thereof, e.g. transplant tissue, natural bone, extracellular matrix containing added animal cells
    • A61L27/3804Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses containing ingredients of undetermined constitution or reaction products thereof, e.g. transplant tissue, natural bone, extracellular matrix containing added animal cells characterised by specific cells or progenitors thereof, e.g. fibroblasts, connective tissue cells, kidney cells
    • A61L27/3834Cells able to produce different cell types, e.g. hematopoietic stem cells, mesenchymal stem cells, marrow stromal cells, embryonic stem cells
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2533/00Supports or coatings for cell culture, characterised by material
    • C12N2533/50Proteins
    • C12N2533/52Fibronectin; Laminin

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Developmental Biology & Embryology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Transplantation (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)

Description

本発明は、人工多能性幹細胞(iPS細胞: induced pluripotent stem cells)又は胚性幹細胞(ES細胞: embryonic stem cells)等の多能性幹細胞(PSC: pluripotent stem cells) から肝細胞への分化誘導の過程で発生する肝幹前駆様細胞の培養方法及び培養物に関する。
本出願は、参照によりここに援用されるところの日本出願特願2013−080557号優先権を請求する。
多能性幹細胞とは、多分化能と自己複製能を有する未分化細胞であり、組織損傷後の組織修復力を有することが示唆されている。このため、多能性幹細胞は、各種疾患の治療用物質のスクリーニング、再生医療分野において有用であるとして、さかんに研究されている。多能性幹細胞のうち、iPS細胞は、線維芽細胞などの体細胞に、特定の転写因子、例えばOCT3/4、SOX2、KLF4、C-MYC等の遺伝子を導入することにより、体細胞を脱分化して作製された人工多能性幹細胞である。分化多能性を持った細胞は理論上、肝臓等を含む全ての組織や臓器に分化誘導することが可能である。
多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導方法としては、主として細胞凝集塊(胚様体)を形成させたり、液性因子を培地中に加えたり、適当な細胞外マトリクス、フィーダー細胞、マトリゲル等を選択して用いる方法などが試みられてきた。しかしながら、これらの方法により得られた肝細胞の薬物代謝酵素活性は低いことが報告されている(非特許文献1〜3)。幹細胞から成熟肝細胞へ分化させるには、幹細胞から中内胚葉、内胚葉細胞、肝幹前駆細胞の分化の工程を経ることが必要である。各分化の工程において、培養系にアクチビン(activin) A、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF: basic Fibroblast Growth Factor)、BMP4 (bone morphogenetic protein 4)、FGF-4、レチノイン酸、又はDMSOなどの液性因子や化合物が用いられている。また、肝臓発生にHEX、HNF4α、HNF6、FOXA2等の転写因子が必要であることが報告されている(非特許文献4)。
次世代遺伝子治療用ベクターシステムを用いてES細胞又はiPS細胞等の幹細胞から効果的に肝細胞に分化誘導させる場合の遺伝子導入方法について開示がある(特許文献4)。特許文献4ではアデノウイルスベクターを用いることで、ES細胞又はiPS細胞等の幹細胞に、例えばHEX遺伝子、HNF4α遺伝子、HNF6遺伝子及びSOX17遺伝子から選択されるいずれか1又は複数の遺伝子を導入することで、効果的に肝細胞へ分化誘導させうることが開示されている。上述の如く、ES細胞又はiPS細胞等の多能性幹細胞から効果的に肝細胞に分化誘導させる方法については各種検討がなされている。
ヒト多能性幹細胞の培養に関し、ヒトラミニンα5β1γ1(ヒトラミニン511)のE8のフラグメント又はヒトラミニンα3β2γ2(ヒトラミニン322)のE8のフラグメントがコーティングされた細胞培養用基材について開示がある(特許文献5)。特許文献5で開示されているのは、多能性幹細胞をフィーダーフリーの培養環境で、分化多能性を保持したまま培養するものである。しかしながら特許文献5では、ヒト多能性幹細胞の培養については開示されているものの、肝幹前駆様細胞などの組織幹細胞・分化誘導中間細胞の培養細胞に関する記載は一切なく、上記細胞培養用基材の応用は未分化なヒト多能性幹細胞のみに限定されている。
特開2002−272480号公報(特許第3635462号公報) 特開2003−250566号公報 特開2008−136381号公報 国際公開WO2011/052504号パンフレット 特開2011−78370号公報
Hepatology. 51, 297-305 [2010] PLoS One. 6, e24228 [2011] Hepatology. 55, 1193-203 [2012] Nature Reviews Genetics. 3, 499-512 [2002]
本発明は、多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導の過程で発生する「肝幹前駆様細胞」に関し、安定的に維持培養する方法を提供することを課題とする。さらに本発明は、前記培養方法により得られた培養物を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた結果、多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導の過程で発生する肝幹前駆様細胞をラミニン(laminin)と接触させることで上記課題が解決しうることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、以下よりなる。
1.多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導の過程で発生する肝幹前駆様細胞を、ラミニンと接触させる工程、及び前記細胞とラミニンを接触させたのち、ラミニンに接着しない細胞を除去する工程を含むことを特徴とする肝幹前駆様細胞の培養方法。
2.前記多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導の過程で発生する肝幹前駆様細胞と接触させるラミニンが、ラミニンアイソフォームのうちラミニンα2β1γ1(ラミニン211)、ラミニンα4β1γ1(ラミニン411)及びラミニン511からなるラミニンサブタイプを含まないラミニンである、前項1に記載の肝幹前駆様細胞の培養方法。
3.前記多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導の過程で発生する肝幹前駆様細胞と接触させるラミニンの親和性が、インテグリンα3β1対する親和性よりもインテグリンα6β1に対する親和性が強い性質を有するアイソフォームからなるラミニンである、前項1に記載の肝幹前駆様細胞の培養方法。
4.前記多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導の過程で発生する肝幹前駆様細胞と接触させるラミニンが、ラミニンα1β1γ1(ラミニン111)の部分又は全部である、前項1〜3のいずれか1に記載の培養方法。
5.ラミニン111の部分が、少なくともラミニン111のE8フラグメントを含むものである、前項4に記載の肝幹前駆様細胞の培養方法。
6.肝幹前駆様細胞が、人工多能性幹細胞及び/又は採取された胚性幹細胞由来の肝幹前駆様細胞である、前項1〜5のいずれか1に記載の肝幹前駆様細胞の培養方法。
7.以下の工程を含む、前項6に記載の肝幹前駆様細胞の培養方法:
1)人工多能性幹細胞及び/又は採取された胚性幹細胞由来の肝幹前駆様細胞を、ラミニンがコーティングされた細胞培養用固相担体に播種する工程;
2)上記細胞が播種された細胞培養用固相担体において、前記固相担体から非接着細胞を除去する工程;
3)上記2)の工程で前記固相担体に接着した細胞を、ラミニン上で培養する工程。
8.さらに以下の工程を含む、前項7に記載の肝幹前駆様細胞の培養方法:
4)前項7載の1)〜3)の工程で培養して得た肝幹前駆様細胞を、細胞培養用固相担体から分離して、培地に浮遊させる工程;
5)前記浮遊させた細胞を細胞数2.5×102〜1.25×105 個/cm2、好ましくは細胞数2.5×103〜2.5×104 個/cm2、より好ましくは細胞数2×104〜2.5×104 個/cm2となるようにラミニンがコーティングされた細胞培養用固相担体に播種する工程;
6)上記5)の工程で前記固相担体に接着した細胞を、ラミニン上で培養する工程。
9.前項8に記載の4)〜6)の工程を、少なくとも1回以上繰り返すことを特徴とする前項8に記載の肝幹前駆様細胞の培養方法。
10.前項7の工程1)のラミニンがコーティングされた細胞培養用固相担体に細胞を播種する工程前に、人工多能性幹細胞及び/又は採取された胚性幹細胞由来の肝幹前駆様細胞を単一細胞に分散し、分散された肝幹前駆様細胞を工程1)のラミニンがコーティングされた細胞培養用固相担体に細胞を播種することを特徴とする、前項7〜9のいずれか1に記載の肝幹前駆様細胞の培養方法。
11.ラミニンアイソフォームのうちラミニン211、ラミニン411及びラミニン511に対する接着能よりもラミニン111に対する接着能が強い細胞であることを特徴とする、肝幹前駆様細胞の実質的に純粋な培養物。
12.細胞がALB、CK19、CK7、CYP3A7から選択されるいずれか1種又は1種以上の肝幹前駆細胞マーカーを発現し、かつ、インテグリンα6及びインテグリンβ1を発現してなる肝幹前駆様細胞の実質的に純粋な培養物。
13.細胞表面にインテグリンが発現してなる肝幹前駆様細胞培養物であって、インテグリンα6β1がインテグリンα3β1よりも優位に発現してなる細胞である、肝幹前駆様細胞の実質的に純粋な培養物。
14.前項1〜10のいずれか1に記載の肝幹前駆様細胞の培養方法により得られた、実質的に純粋な培養物。
15.前項11〜14のいずれか1に記載の培養物を有効成分として含む、肝細胞及び/又は胆管上皮細胞の再生のための移植用組成物。
16.ラミニン111の部分又は全部がコーティングされている細胞培養用固相担体を含むこと特徴とする肝幹前駆様細胞培養用基材。
17.ラミニン111の部分が、少なくともラミニン111のE8フラグメントを含むものである、前項16に肝幹前駆様細胞培養用基材。
18.多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導の過程で発生する肝幹前駆様細胞を、ラミニンと接触させる工程、及び前記細胞とラミニンを接触させたのち、ラミニンに接着しない細胞を除去する工程を含むことを特徴とする、肝幹前駆様細胞から成熟肝細胞及び/又は胆管上皮細胞への分化誘導前処理方法。
19.前記多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導の過程で発生する肝幹前駆様細胞と接触させるラミニンが、ラミニンアイソフォームのうちラミニン211、ラミニン411及びラミニン511からなるラミニンサブタイプを含まないラミニンである、前項18に記載の肝幹前駆様細胞から成熟肝細胞及び/又は胆管上皮細胞への分化誘導前処理方法。
20.前記多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導の過程で発生する肝幹前駆様細胞と接触させるラミニンの親和性が、インテグリンα3β1対する親和性よりもインテグリンα6β1に対する親和性が強い性質を有するアイソフォームからなるラミニンである、前項18に記載の肝幹前駆様細胞から成熟肝細胞及び/又は胆管上皮細胞への分化誘導前処理方法。
21.前記多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導の過程で発生する肝幹前駆様細胞と接触させるラミニンが、ラミニン111の部分又は全部である、前項18に記載の肝幹前駆様細胞から成熟肝細胞及び/又は胆管上皮細胞への分化誘導前処理方法。
22.ラミニン111の部分が、少なくともラミニン111のE8フラグメントを含むものである、前項21に記載の肝幹前駆様細胞から成熟肝細胞及び/又は胆管上皮細胞への分化誘導前処理方法。
本発明の培養方法によれば、肝幹前駆様細胞を継代培養することができる。ES細胞やiPS細胞由来の肝幹前駆様細胞は継代して培養することが困難である。本発明において継代培養の回数は特に限定されないが、1回以上行なうことが可能であり、例えば3回以上、10回以上、15回以上繰り返しても、肝幹前駆様細胞としての特徴を維持し、分化誘導能も維持することができる。
上記により得られた培養細胞、即ち本発明の培養方法で培養された肝幹前駆様細胞は、AFP(alpha-1-fetoprotein)、ALB、CK7、及びCK19が陽性であった。また、継代回数を重ねた場合でもインテグリンα6及びインテグリンβ1の発現を認めた。継代を重ねた肝幹前駆様細胞について、pan-hepatoblastマーカーであるCK8、CK18、EpCAM及びCD133、並びにhepatoblastマーカーであるAFP、ALB、CYP3A7及びI-CAMなどの発現が認められ、成熟肝細胞や胆管上皮細胞などに分化誘導可能であることが確認できた。また、培養細胞をさらに分化誘導処理することで、成熟肝細胞のマーカーであるCYP3A4、CYP2C9、CYP2C19やαAT(α-1-antitrypsin)を発現する細胞や、胆管上皮細胞のマーカーであるSOX9やIV collagenを発現する細胞を誘導することができる。また、上記培養方法で得られた培養物、又は培養物を成熟幹細胞若しくは胆管上皮細胞に誘導したものを、移植用組成物として肝細胞及び/又は胆管上皮細胞の再生のために使用することができる。
iPS細胞株又はES細胞株を処理して「肝幹前駆様細胞」を作製する方法を示す図である。(参考例2) 図1の方法により得られた9日目の細胞形態を示す図である。(参考例2) 左図には肝幹前駆様細胞のマーカーであるAFPの発現を認める細胞群(HBC: hepatoblast-like cells)が確認される。右図は当該細胞が80%はAFP陽性であることを示す図である。(参考例2) 図3において、AFP発現が認められなかった細胞群を「NHBC : non-hepatoblast-like cells」としたときの、培養9日目の細胞群(HBCとNHBCを含む細胞群:before)、HBC群及びNHBC群について、肝幹前駆様細胞のマーカーとなるAFP、CD133、EpCAM、CK8及びCK18各遺伝子の発現をリアルタイムRT-PCRにより確認した結果を示す図である。(参考例2) ラミニンコーティング細胞培養用固相担体で肝幹前駆様細胞を培養する様子を示す模式図である。ここでは、細胞培養用固相担体に付着した細胞をHBCといい、付着しなかった細胞をNHBCという。(実施例1) 培養9日目の細胞群(HBCとNHBCを含む細胞群:before)、HBC及びNHBCを各種ラミニンコーティング細胞培養用固相担体に播種した後の細胞数を測定した結果を示す図である。(実施例1) 培養9日目の細胞群(HBCとNHBCを含む細胞群:before)、HBC及びNHBCについて、インテグリンα6(ITGA6)及びインテグリンβ1(ITGB1)の発現を確認した結果を示す図である。(実施例1) 各種ラミニンコーティング細胞培養用固相担体でHBCを培養したときの培養時間及び培養細胞数を測定した結果を示す図である。(実施例1) 各種ラミニンコーティング細胞培養用固相担体で培養した細胞について、AFPの発現を確認した結果を示す図である。(実施例1) LN111コーティング処理した細胞培養用固相担体において継代操作を15回繰り返したときの継時的な細胞数を確認した結果図である。(実施例3) LN111コーティング処理した細胞培養用固相担体において継代操作を1回(HBC P1)、10回(HBC P10)及び15回(HBC P15)行なったES細胞(H9)あるいはiPS細胞(Dotcom)由来のHBCについて、肝幹前駆様細胞のマーカーであるAFPの発現を確認した結果を示す図である。(実施例3) 継代を0回(HBC P0)、1回(HBC P1)及び10回(HBC P10)行なったES細胞(H9)由来のHBCについて、フローサイトメトリーを用いてAFP、ALB、CK7及びCK19発現細胞の解析を行った結果を示す図である。(実施例4) 継代を0回(HBC P0)、1回(HBC P1)及び10回(HBC P10)行なったES細胞(H9)由来のHBCについて、フローサイトメトリーを用いてインテグリンα6(ITGA6)及びインテグリンβ1(ITGB1)の発現を確認した結果を示す図である。(実施例4) 継代を0回(HBC P0)、1回(HBC P1)及び10回(HBC P10)行なったES細胞(H9)由来のHBCについて、リアルタイムRT-PCRによりhepatic stem cell、pan-hepatoblast、及びhepatoblastの各マーカー遺伝子の発現を確認した結果を示す図である。(実施例4) ES細胞(H9)由来のHBCの肝細胞への分化誘導方法を示す図である。継代を0回(HBC P0)、10回(HBC P10)行なったES細胞(H9)由来のHBCについて、及び単一細胞由来のHBC(clone)について、肝細胞増殖因子(HGF)、オンコスタチンM(OsM)及びデキサメタゾン(DEX)を含む培地でマトリゲル上において14日間培養した後の各マーカー遺伝子の発現をリアルタイムRT-PCRにより確認した結果を示す図である。(実施例5) 図15の方法により得られた細胞について、ASGR1(asialoglycoprotein receptor 1)陽性細胞率や、ALBや尿素(Urea)の分泌量を確認した結果を示す図である。(実施例5) ES細胞(H9)由来のHBCの胆管上皮細胞への分化誘導方法を示す図である。継代を0回(HBC P0)、10回(HBC P10)行なったHBC、及び単一細胞由来のHBC(clone)について、上皮成長因子(EGF)及びインスリン様成長因子(ILGF2)を含む培地でコラーゲンゲルに包埋し、14日間培養した後の各マーカー遺伝子の発現をリアルタイムRT-PCRにより確認した結果を示す図である。(実施例6) 継代を0回(HBC P0)又は10回(HBC P10)行なったHBCを肝障害免疫不全マウスに移植する態様を示す図である。(実施例7) 移植後2週間でのマウス血清へのヒトALBの分泌を測定した結果を示す図である。(実施例7) 移植後2週間でのALB、AFP及びαATの発現を免疫組織染色法にて確認した結果を示す図である。(実施例7) iPS細胞又はES細胞からHBCを分化誘導し、HBCの維持培養を示す図である。(実施例8) HBCの維持に適したラミニンの探索結果を示す図である。アイソフォームの異なる各種ヒトラミニンのE8フラグメントをコーティング処理した培養用ディッシュで細胞を培養し、AFP陽性率を確認した結果を示す図である。(実施例9) HBCの維持に適したラミニンの探索結果を示す図である。アイソフォームの異なる各種ヒトラミニンのE8フラグメントをコーティング処理した培養用ディッシュで細胞を培養し、細胞増殖能を確認した結果を示す図である。(実施例9) LN111又はLN111E8をコーティングした培養用ディッシュを用いて8回継代した培養物の性状をAFP陽性率で確認した結果を示す図である。(実施例10) LN111又はLN111E8をコーティングした培養用ディッシュを用いて継代した培養物の性状をAFP以外のマーカー陽性率で確認した結果を示す図である。(実施例10) 培養9日目のHBC及びNHBCについて、各種インテグリン遺伝子の発現をリアルタイムRT-PCRにより確認した結果図である。(実施例11)
本発明は、多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導の過程で発生する肝幹前駆様細胞をラミニンと接触させることを特徴とする、肝幹前駆様細胞の培養方法に関し、さらに培養により得られた培養物に関する。
本明細書において「肝幹前駆様細胞」とは、多能性幹細胞由来の内胚葉から肝細胞への分化誘導の過程で発生するあらゆる中間細胞をいい特に限定されない。本明細書の肝幹前駆様細胞は、いわゆる肝幹前駆細胞の他、肝細胞への分化を可能とする細胞、例えば肝幹細胞及び幼若肝細胞なども含まれる。ここで「多能性幹細胞」とは、多分化能及び/又は自己複製能を有する未分化細胞であればよく、特に限定されないが、例えばiPS細胞やES細胞等の多能性幹細胞が挙げられる。
「iPS細胞」とは、体細胞へ数種類の遺伝子を導入することにより、受精卵、余剰胚やES細胞を利用せずに分化細胞の初期化を誘導し、ES細胞と同様な多能性や増殖能を有する誘導多能性幹細胞をいい、2006年にマウスの線維芽細胞から世界で初めて作られた。さらに、マウスiPS細胞の樹立に用いた4遺伝子のヒト相同遺伝子であるOCT3/4、SOX2、KLF4、C-MYCを、ヒト由来線維芽細胞に導入してヒトiPS細胞の樹立に成功したことが報告されている(Cell 131: 861-872, 2007)。本発明で使用されるiPS細胞は、上記のような自体公知の方法により作製されたiPS細胞、又は今後開発される新たな方法により作製されるiPS細胞であってもよい。
「ES細胞」とは、一般的には胚盤胞期胚の内部にある内部細胞塊(inner cell mass)と呼ばれる細胞集塊をin vitro培養に移し、未分化幹細胞集団として単離した多能性幹細胞である。ES細胞は、M.J.Evans & M.H.Kaufman (Nature, 292, 154, 1981)に続いて、G.R.Martin (Natl.Acad.Sci.USA, 78, 7634, 1981)によりマウスで多分化能を有する細胞株として樹立された。ヒト由来ES細胞についても、既に多くの株が樹立されており、ES Cell International社、Wisconsin Alumni Research Foundation、National Stem Cell Bank (NSCB)等から入手することが可能である。ES細胞は、一般に初期胚を培養することにより樹立されるが、体細胞の核を核移植した初期胚からもES細胞を作製することが可能である。また、異種動物の卵細胞、又は脱核した卵細胞を複数に分割した細胞小胞(cytoplasts, ooplastoids)に、所望の動物の細胞核を移植して胚盤胞期胚様の細胞構造体を作製し、それを基にES細胞を作製する方法もある。また、単為発生胚を胚盤胞期と同等の段階まで発生させ、そこからES細胞を作製する試みや、ES細胞と体細胞を融合させることにより、体細胞核の遺伝情報を有したES細胞を作る方法も報告されている。本発明で使用されるES細胞は、上記のような自体公知の方法により作製されたES細胞、又は今後開発される新たな方法により作製されるES細胞であってもよい。
肝幹前駆様細胞を作製する際の、多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導の過程に関し、人工的処理により分化誘導する過程は、自体公知の方法、又は今後開発されるあらゆる方法を適用することができる。背景技術の欄でも言及したが、多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導方法としては、細胞凝集塊(胚様体)を形成させたり、液性因子を培地に加えたり、適当な細胞外マトリクス、フィーダー細胞、マトリゲル等を選択して用いる方法を適用することができる(非特許文献1〜3)。幹細胞から成熟肝細胞へ分化させるには、通常、幹細胞から中内胚葉、内胚葉細胞、肝幹前駆細胞を経ることが必要であり、各分化の過程において、培養系にアクチビンA、FGF-4、レチノイン酸、又はDMSOなどの液性因子や化合物を用いることができる。また、肝臓発生にHEX、HNF4α、HNF6、FOXA2等の転写因子が必要であることが報告されている(非特許文献5)。さらに、ベクターシステムを用いて特定の遺伝子をiPS細胞又はES細胞等の幹細胞に導入し、肝細胞に分化誘導させることもできる。特定の遺伝子としては、例えばHEX遺伝子、HNF4α遺伝子、HNF6遺伝子及びSOX17遺伝子から選択されるいずれか1又は複数の遺伝子が挙げられる(特許文献4)。
ラミニンは、基底膜を構成する主要なタンパク質の一つであり、基底膜又は細胞外マトリックスにおいて、細胞の接着、遊走、増殖に関与するとされる。基底膜又は細胞外マトリックスを構成する主要成分のうち、最も早期(2細胞期)から発現するとされる。ラミニンはα鎖、β鎖、γ鎖をそれぞれ1本ずつ持つヘテロ三量体構造をとる。α鎖、β鎖及びγ鎖はそれぞれ5、4及び3種類あり、その組み合わせによって命名される。本発明において使用されるラミニンは、ラミニンの親和性が、インテグリンα3β1に対する親和性よりもインテグリンα6β1に対する親和性が強い性質を有するアイソフォームからなるラミニン又はその誘導体である。当該ラミニンは、少なくとも10倍以上、インテグリンα6β1への親和性がα3β1への親和性より強い性質を有するものが望ましい。インテグリンα3β1及びインテグリンα6β1へのラミニンの親和性は、インテグリンを強制発現させた培養細胞や、抗インテグリン抗体などを用いた公知の試験系で比較評価することができる(Fujiwara, H et al. et al. J. Biol Chem. 276, 17550-17558[2001]、Yao, CC et al. J. Biol.Chem. 271, 25598-25603[1996] etc. )。
本発明において使用されるラミニンは、具体的にはラミニンアイソフォームのうちラミニン211、ラミニン411及びラミニン511のサブタイプを除くラミニンであり、好ましくはラミニン111である。ラミニンの由来は特に限定されないが特にヒト由来が好適である。本発明において使用されるラミニンは、市販されている全長ラミニンの試薬であってもよいし、自体公知の方法又は今後開発される方法で精製、調製され、又は遺伝子組換え等の手法によって作製されたものであってもよく、特に限定されない。本発明で使用されるラミニンは、ラミニンの活性部位を含むものであれば、全長ラミニンでなくともよい。ラミニンの活性部位としては、インテグリンへの結合活性を有する部位をいい、ラミニンのC末端部分から選択される。具体的にはラミニンアイソフォームのうちラミニン211、ラミニン411及びラミニン511のサブタイプを除くラミニンであって、ラミニンのC末端部分から選択される部位をいう。より具体的にはラミニンアイソフォームのうちラミニン211、ラミニン411及びラミニン511のサブタイプを除くラミニンのE8フラグメントの部位が挙げられ、ラミニン111のE8フラグメントの部位が挙げられる。ラミニン111は、具体的には、GenBank Accession No.(NP_005550、NM_005559)(ラミニンα1)、NP_002282、NM_002291(ラミニンβ1)、NP_002284、NM_002293(ラミニンγ1)で特定されるアミノ酸配列からなるラミニン111が挙げられ、ラミニンの活性部位としては、前記特定されるアミノ酸配列のうちα1E8鎖、β1E8鎖、γ1E8鎖から構成で特定されるラミニン111のE8フラグメントが挙げられる。具体的には、GenBank Accession No.NM_005559(ラミニンα1)で特定される配列のうちPhe1878〜Gln2700(α1E8鎖)、NM_002291(ラミニンβ1)で特定される配列のうちLeu1561〜Leu1786(β1E8鎖)及びNM_002293(ラミニンγ1)で特定される配列のうちAsn1364〜Pro1609(γ1E8鎖)で特定することができる(Ido, H et al. J. Biol Chem. 282, 11144-111548[2007]、Ido, H et al. J. Biol.Chem. 283, 28149-28157[2008])。本発明で使用されうるラミニンは、前記α1E8鎖、β1E8鎖及びγ1E8鎖で特定される部位を含むのが好適である。前記α1E8鎖、β1E8鎖及びγ1E8鎖で特定される部位に加えて、さらにGenBank Accession No.NM_005559(ラミニンα1)、NM_002291(ラミニンβ1)及びNM_002293(ラミニンγ1)に示すアミノ酸配列から選択される部分又は全部を含むアミノ酸配列からなるペプチド又はタンパク質であってもよい。一方、ラミニンの活性部位としては、C末端部分から選択される部位であってインテグリンと結合する部位であれば、E8フラグメントよりも短くてもよい。従って、本発明に使用可能なラミニンとしては、例えば、ラミニンアイソフォームのうちラミニン211、ラミニン411及びラミニン511のサブタイプを除くラミニン、具体的にはラミニン111において、インテグリンと結合する活性があるのであればE8よりも短いものであってもよい。
本明細書において、肝幹前駆様細胞の培養方法は、より具体的には以下の1)〜3)の工程を含む方法による。
1)iPS細胞及び/又はES細胞由来の肝幹前駆様細胞を、ラミニンがコーティングされた細胞培養用固相担体に播種する工程;
2)上記細胞が播種された細胞培養用固相担体において、前記固相担体から非接着細胞を除去する工程;
3)上記2)の工程で前記固相担体に接着した細胞を、ラミニン上で培養する工程。
ここで、ラミニンの細胞培養用固相担体へのコーティング方法は、自体公知の方法又は今後開発されるあらゆる方法を適用することができる。例えば、ラミニンを、リン酸緩衝液(PBS)等の緩衝液を用いて、10〜50μg/ml、好ましくは15〜30μg/ml、さらに好ましくは約20μg/mlの濃度に希釈し、ラミニンコーティング溶液(LCS: Laminin Coating Solution)を作製したものを細胞培養用固相担体上に添加して、室温〜37℃程度で約1〜12時間程度静置することにより、コーティングすることができる。細胞培養用固相担体へのラミニンコーティング濃度は、0.5〜500μg/cm2が好ましく、1.5〜100μg/cm2がより好ましい。本発明の細胞培養用固相担体としては、細胞の培養に使用できるものであればよく、例えば、ガラス製又はプラスチック製の培養用ディッシュ、マルチウェルディッシュ、フラスコ、プレート、マイクロキャリア、ポリビニリデンフルオリド膜等のポリマー膜などが挙げられる。本明細書において、本発明のラミニンコーティングされた細胞培養用固相担体、又はラミニンコーティングされた細胞培養用固相担体を含むガラス製又はプラスチック製の培養用ディッシュ、マルチウェルディッシュ、フラスコ、プレート、マイクロキャリア、ポリビニリデンフルオリド膜等のポリマー膜などを「肝幹前駆様細胞培養用基材」といい、本発明の権利範囲に包含される。本明細書に示す「肝幹前駆様細胞培養用基材」は、必要な培地や試薬等と共にキットとしてもよい。
上記ラミニンがコーティングされた細胞培養用固相担体上で肝幹前駆様細胞を培養する方法について説明する。肝幹前駆様細胞は、細胞数2.5×102〜1.25×105 個/cm2となるように培地に懸濁して細胞浮遊液を調製し、該細胞浮遊液をラミニンがコーティングされた細胞培養用固相担体に播種し、培養することができる。培養は、フィーダーフリーの培養環境で実施することができる。播種する肝幹前駆様細胞は、予めインテグリンα3阻害物質で阻害していても良いし、培養と同時に培地にインテグリンα3阻害物質を含めていても良い。インテグリンα3阻害物質としては、肝幹前駆様細胞に発現するインテグリンα3をブロックするものであればよく、特に限定されないが、例えば抗インテグリンα3抗体が挙げられる。
本明細書において、「培地」とは、細胞の培養に必要な栄養成分を含む液体等をいい、いわゆる基本培地の他、基本培地に添加物が含まれている培養液等も包含される。ここで使用可能な培地としては、例えば、以下に例示される培地を用いることができる。各培地に添加する物質は、目的に応じて、適宜増減することができる。使用する試薬は同等の機能を発揮しうるものであれば、製造・販売元は下記に限定されない。
(A)ヒトES/iPS細胞未分化維持培地としては、ReproStem(ReproCELL社)、iPSellon(Cardio社)、TeSR-E8(Veritas社)、mTeSR(Veritas社)などの各種幹細胞維持培地にbFGFなどを添加して使用することができる。
(B)分化誘導用培地として、ES細胞培養用基本培地であるhESF-GRO(Cell Science & Technology Institute社)に、インスリン(10μg/ml) 、トランスフェリン(5μg/ml)、2-メルカプトエタノール(10μM)、2-エタノールアミン(10μM) 、亜セレン酸ナトリウム(20 nM)及びウシ血清アルブミン(BSA)(1 mg/ml)を含む培地を使用することができる。
(C)分化誘導用培地の他の態様として、ES細胞分化誘導用基本培地であるhESF-DIF(Cell Science & Technology Institute社)に、インスリン(10μg/ml)、トランスフェリン(5μg/ml)、2-メルカプトエタノール(10μM)、2-エタノールアミン(10μM)、亜セレン酸ナトリウム(20 nM)を含む培地 (FASEB J. 23:114-22 (2009))を使用することができる。また、RPMI1640培地(Sigma社)に4 mM L-Glutamine、B27 Supplement(Invitrogen社)、ペニシリン/ストレプトマイシンを含む培地も使用することができる。内胚葉及び肝幹前駆様細胞を分化誘導する際に使用する培地は同等の機能を発揮しうるものであれば、上記に限定されない。
(D)肝幹前駆様細胞用としてDMEM/F12培地を用いることができる。DMEM/F12培地には、10%FBS、インスリン(10μg/ml) 、トランスフェリン(5μg/ml)、亜セレン酸ナトリウム(20 nM)、ニコチンアミド(10 mM)、デキサメタゾン(DEX)(10-7 M)、HEPES(20 mM)、NaHCO3(25 mM)、L-グルタミン(2 mM)、ペニシリン/ストレプトマイシン、HGF (40 ng/ml)及びEGF (20 ng/ml)が含まれる。
上記1)〜3)の工程で培養して得た肝幹前駆様細胞を、さらに以下の工程を含む方法により継代し、培養することができる。
4)上記1)〜3)の工程で培養して得た肝幹前駆様細胞を、細胞培養用固相担体から分離して、培地に浮遊させる工程;
5)前記浮遊させた細胞を培地で細胞数を調整し、細胞数2.5×102〜1.25×105 個/cm2、好ましくは細胞数2.5×103〜2.5×104 個/cm2、より好ましくは細胞数2×104〜2.5×104 個/cm2となるようにラミニンがコーティングされた細胞培養用固相担体に播種する工程;
6)上記5)の工程で前記固相担体に接着した細胞を、ラミニン上で培養する工程。
上記方法で培養することで、肝幹前駆様細胞を継代培養し、本発明の培養物を得ることができる。本発明において継代培養の回数は特に限定されないが、上記4)〜6)の工程を1回以上、例えば3回、10回、15回以上繰り返しても、肝幹前駆様細胞としての特徴を維持し、分化誘導能も維持することができる。本発明は、継代培養後の肝幹前駆様細胞を含む培養物にも及び、実質的に純粋な培養物にも及ぶ。継代培養後の肝幹前駆様細胞を、以降「培養肝幹前駆様細胞」という場合もある。
本明細書において「培養肝幹前駆様細胞」とは、1回以上、例えば3回、10回、15回以上継代操作を経た後に得られる肝幹前駆様細胞をいう。培養肝幹前駆様細胞の性状は、例えばALB、CK19、CK7、CYP3A7から選択されるいずれか1種又は1種以上の肝幹前駆細胞マーカーを発現し、かつ、インテグリンα6及びインテグリンβ1を発現してなる。「実質的に純粋な培養物」とは、上記で定義した「培養肝幹前駆様細胞」をいうが、培養肝幹前駆様細胞の他、培地成分等が含まれていても良いことを意味する。「継代培養」とは、細胞を細胞培養用固相担体に播種し、適当な培地中で一定期間培養し、培地交換等の操作を経て細胞を培養することをいい、培養方法自体は本発明の培養方法に限定されるものではないが、例えば本明細書で定義する「多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導の過程で発生する肝幹前駆様細胞」を、本明細書において定義するラミニンと接触させ、当該ラミニンに接着しない細胞を除去した後に回収することをいい、このような操作を1回以上、例えば3回、10回、15回以上繰り返すことをいう。
本発明の「実質的に純粋な培養物」は、本発明の培養方法によって培養し、得られた培養物であればよいが、本発明の培養方法で培養して得られた培養物には限定されず、以下の性質を有するものであればよい。本発明の「実質的に純粋な培養物」は、継代肝幹前駆様細胞を含む培養物であれば、例えばラミニンアイソフォームのうちラミニン211、ラミニン411及びラミニン511に対する接着能よりもラミニン111に対する接着能が強い性質を有する培養物であってもよい。本発明の「実質的に純粋な培養物」は、継代肝幹前駆様細胞を含む培養物であれば、ALB、CK19、CK7、CYP3A7から選択されるいずれか1種又は1種以上の肝幹前駆細胞マーカーを発現し、かつ、インテグリンα6及びインテグリンβ1を発現してなる培養物であっても良い。本発明の「実質的に純粋な培養物」は、継代肝幹前駆様細胞を含む培養物であれば、細胞表面にインテグリンが発現してなり、インテグリンα6β1がインテグリンα3β1よりも優位に発現してなる培養物であっても良い。
本明細書の培養肝幹前駆様細胞は、1回以上継代後、さらに継代回数を重ねてもインテグリンα6及びインテグリンβ1の発現を確認することができる。継代を重ねた細胞では、pan-hepatoblastマーカーであるCK8、CK18、EpCAM及びCD133、及び/又はhepatoblastマーカーであるAFP、ALB、CYP3A7及びI-CAMなどが認められる。また、培養肝幹前駆様細胞をさらに分化誘導処理することで、成熟肝細胞のマーカーであるCYP3A4、CYP2C9、CYP2C19やαATを発現する細胞や、胆管上皮細胞のマーカーであるSOX9やIV collagenを発現する細胞を誘導することができる。
したがって、本発明の培養物である肝幹前駆様細胞は肝細胞にも胆管上皮細胞にも分化することができる。また、上記実質的に純粋な培養物は肝障害免疫不全マウスへ移植することで、in vivoにおいても肝細胞などに分化誘導させることができる。これにより、上記培養方法で得られた培養物、又は培養物を成熟幹細胞若しくは胆管上皮細胞に誘導したものを、移植用組成物として肝細胞及び/又は胆管上皮細胞の再生のために使用することができる。即ち、本発明の培養物を有効成分として含む肝細胞及び/又は胆管上皮細胞の再生のための移植用組成物にも及ぶ。
通常、ヒトES細胞又はiPS細胞等の多能性幹細胞から肝細胞や胆管上皮細胞に分化誘導させる場合には20日程度の培養期間を要する。また従来は、iPS細胞及び/又はES細胞由来の肝幹前駆様細胞を培養し、維持、増殖させることは困難であったが、本発明の方法により初めて肝幹前駆様細胞を培養し、維持、増殖させることが可能となった。このことから、肝幹前駆様細胞を維持することで、所望の成熟細胞、例えば成熟肝細胞や胆管上皮細胞を短期間に作製し、所望の時期に所定の数の細胞を入手することが可能となる。本発明の培養方法で培養された肝幹前駆様細胞から肝細胞や胆管上皮細胞に分化誘導させる場合には10〜14日程度の培養により所望の成熟細胞、例えば成熟肝細胞や胆管上皮細胞を得ることも可能である。このようにして得られた肝細胞に対して、医薬品候補化合物を添加し、肝毒性マーカーの発現変動を解析することで、生体での医薬品候補化合物の毒性を事前に予測することが可能になる。これにより、毒性の問題により排除されるべき医薬品候補化合物を早期にスクリーニング可能となり、創薬の加速化が期待される。
本発明は、肝幹前駆様細胞から成熟肝細胞及び/又は胆管上皮細胞への分化誘導前処理方法にも及ぶ。具体的には、多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導の過程で発生する肝幹前駆様細胞を、ラミニンと接触させる工程、及び前記細胞とラミニンを接触させたのち、ラミニンに接着しない細胞を除去する工程を含むことを特徴とする、肝幹前駆様細胞から成熟肝細胞及び/又は胆管上皮細胞への分化誘導前処理方法による。前記多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導の過程で発生する肝幹前駆様細胞と接触させるラミニンが、ラミニンアイソフォームのうちラミニン211、ラミニン411及びラミニン511からなるラミニンサブタイプを含まないラミニンとすることができる。また、ラミニンは、インテグリンα3β1に対する親和性よりもインテグリンα6β1に対する親和性が強い性質を有するアイソフォームからなるラミニンとすることができる。
前記肝幹前駆様細胞から成熟肝細胞及び/又は胆管上皮細胞への分化誘導前処理は、1回以上ラミニンと接触させる工程を経ることによって達成され、例えば3回、10回、15回以上接触させる工程を経てもよい。
以下、本発明の理解を深めるために実施例及び実験例を示して本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではないことはいうまでもない。
(参考例1)各種培地組成
本実施例で示す培養方法では、ヒトiPS細胞又はヒトES細胞に対する各種培地が必要である。本参考例では、各種培養に使用可能な培地の組成について説明する。
(A)ヒトES/iPS細胞未分化維持培地としては、ReproStem(ReproCELL社)、iPSellon(Cardio社)、TeSR-E8(Veritas社)、mTeSR(Veritas社)などの各種幹細胞維持培地にbFGFなどを添加して使用することができる。以後、当該培地を「培地1」という。
(B)分化誘導用培地として、ES細胞培養用基本培地であるhESF-GRO(Cell Science & Technology Institute社)に、インスリン(10μg/ml) 、トランスフェリン(5μg/ml)、2-メルカプトエタノール(10μM)、2-エタノールアミン(10μM) 、亜セレン酸ナトリウム(20 nM)及びウシ血清アルブミン(BSA)(1 mg/ml)を含む培地を使用することができる。
(C)分化誘導用培地の他の態様として、ES細胞分化誘導用基本培地であるhESF-DIF(Cell Science & Technology Institute社)に、インスリン(10μg/ml)、トランスフェリン(5μg/ml)、2-メルカプトエタノール(10μM)、2-エタノールアミン(10μM)、亜セレン酸ナトリウム(20 nM)を含む培地 (FASEB J. 23:114-22 (2009))を使用することができる。以後、当該培地を「培地2」という。また、RPMI1640培地(Sigma社)に4 mM L-Glutamine、B27 Supplement(Invitrogen社)、ペニシリン/ストレプトマイシンを含む培地も使用することができる。内胚葉および肝幹前駆様細胞を分化誘導する際に使用する培地は同等の機能を発揮しうるものであれば、上記に限定されない。
(D)肝幹前駆様細胞用としてDMEM/F12培地を用いることができる。DMEM/F12培地には、10%FBS、インスリン(10μg/ml) 、トランスフェリン(5μg/ml)、亜セレン酸ナトリウム(20 nM)、ニコチンアミド(10 mM)、デキサメタゾン(DEX)(10-7 M)、HEPES(20 mM)、NaHCO3(25 mM)、L-グルタミン(2 mM)、ペニシリン/ストレプトマイシン、HGF (40 ng/ml)及びEGF (20 ng/ml)が含まれる。以後、当該培地を「培地3」という。
(参考例2)肝幹前駆様細胞の作製
以降の各実施例では、肝幹前駆様細胞(HBC)を用いて検討した。本参考例では、以降の各実施例で使用されるHBCについて説明する。HBCは、多能性幹細胞であるiPS細胞株又はES細胞株を用いて作製した。iPS細胞株(Dotcom)はJCRB Cell Bank (JCRB Number: JCRB1327) から入手した。ES細胞株(H1、H9)は、文部科学省のガイドラインに従って扱い、実験は倫理委員会の承認を経て行った。上記多能性幹細胞は、マイトマイシンCで処理したマウス胎児線維芽細胞(Millipore社)と共に上記培地1を用いて培養した。
iPS細胞株又はES細胞株に、Activin Aなどの分化誘導因子や、FOXA2遺伝子などの肝関連転写因子を特許文献4(WO2011/052504号パンフレット)に開示される方法により導入し(図1)、分化誘導処理を行いHBCを作製することができる(図2)。本参考例ではES細胞株(H9)を出発原料とし、分化誘導用培地は、参考例1の培地2を用いた。分化誘導処理により図3の左に示す如く、肝幹前駆様細胞のマーカーであるAFPの発現を認めるHBC群が得られた。図1に示す9日目に得られた細胞HBCの80%はAFP陽性であった(図3参照)。継代前の細胞(HBCとNHBCをともに含む細胞集団:before)群、HBC群及びNHBC群について、更に肝幹前駆様細胞のマーカーとなるAFP、CD133、EpCAM、CK8及びCK18の各遺伝子発現を確認したところ、単離されたHBC群では各マーカーが継代前の細胞(HBCとNHBCをともに含む細胞集団:before)及びNHBC群より強く発現していた(図4)。
(実施例1、比較例1)肝幹前駆様細胞の培養
本実施例、比較例では、参考例2で得られたES細胞由来のHBCについて、ラミニンで処理した場合の細胞の性状を確認した。細胞培養用ディッシュについて、アイソフォームの異なる各種ヒトラミニン(ラミニン111(LN111)、ラミニン211(LN211)、ラミニン411(LN111)、ラミニン511(LN511))を用いてコーティング処理を行った。20μg/mlの各ラミニンコーティング溶液を調製し、5μg/cm2を各ウェルへ加え、室温で1時間以上置くことによりコーティング処理を行った。
上記コーティング処理した培養用ディッシュの各ウェルに、継代前の細胞(HBCとNHBCをともに含む細胞集団:before)、HBC及びNHBCの各細胞を各々5×103 個/cm2播種した。培地は、参考例1の培地3を用いた。その結果、各種ヒトラミニンによりHBCとNHBCの間で付着能が異なることが確認された(図6)。
次に、参考例2と同手法により処理して9日目の細胞を、各種ラミニンコーティング培養用ディッシュの各ウェルに7.5×104個/cm2播種し、15分後に培地を交換し、ディッシュに付着した細胞をHBCとし、付着しなかった細胞をNHBCとした(図5参照)。継代前の細胞(HBCとNHBCをともに含む細胞集団:before)、HBC及びNHBCについて、インテグリンα6(ITGA6)及びインテグリンβ1(ITGB1)の発現を確認したところ、HBCはほぼすべての細胞が共陽性であることが確認された(図7)。ディッシュに付着した各HBCをさらに7日間培養したところ、LN111コーティング培養用ディッシュで培養した細胞の増殖率が最も高いことが確認された(図8)。さらに、各種ラミニンコーティング培養用ディッシュで培養した細胞について、AFPの発現を確認した。その結果、LN111コーティング培養用ディッシュで培養した細胞が、継代直後の細胞(PO)群と同様にAFPを発現していることが確認された(図9参照)。以降の各実施例、比較例において、HBC、NHBCの培養には参考例1の培地3を用いた。
(実施例2、比較例2)肝幹前駆様細胞の性状
本実施例、比較例では、実施例1、比較例1と同様に各種ラミニンコーティングした培養用ディッシュの各ウェルに、参考例2で得られたES細胞(H9)由来のHBCを200個/cm2播種し培地3を用いて培養し、培養細胞におけるALB及びCK7の発現を確認した。細胞を播種して5日後に4%パラホルムアルデヒド溶液で固定し、免疫染色を行ったのち、ALB陽性(+)/CK7陽性(+)、ALB陽性(+)/CK7陰性(-)及びALB陰性(-)/CK7陰性(+)であるコロニーの数を計測した。その結果を表1に示した。LN111コーティング培養用ディッシュで培養した場合に、肝幹前駆様細胞コロニーであるALB陽性(+)/CK7陽性(+)コロニーが最も多く認められた。
(実施例3)肝幹前駆様細胞の培養
本実施例では、参考例2で得られたES細胞(H9)由来のHBCと共に、同手法により作製したiPS細胞(Dotcom)由来のHBCの増殖能について確認した。参考例2と同手法により処理して得た9日目のES細胞由来細胞又はiPS細胞由来細胞を、LN111コーティング培養用ディッシュの各ウェルに7.5×104個/cm2播種し、15分後培地を交換した(継代回数0回、day9)。その後毎日培地を交換しながら6〜7日間培養し、細胞数が7.5×104個/cm2になるように細胞懸濁液を調製し、LN111コーティング培養用ディッシュにて継代を行った。このような継代操作を15回行なった。その結果、培養した細胞は15回継代(P15)後も増殖を続けた(図10参照)。継代を1回(HBC P1)、10回(HBC P10)及び15回(HBC P15)を行なった各細胞についてAFP陽性細胞をフローサイトメトリー解析により確認し、いずれの継代数の細胞についても高いAFPの発現率を確認した(図11)。
(実施例4)培養肝幹前駆様細胞の分化誘導能(1)
ES細胞(H9)由来のHBCについて実施例3と同手法により継代を0回(HBC P0)、1回(HBC P1)及び10回(HBC P10)を行なった各細胞について、細胞のAFP、ALB、CK7、及びCK19についてフローサイトメトリーを用いて解析した。コントロールは非染色細胞とした。その結果、ALB、CK7、及びCK19については、継代数が0回ではコントロールと同等であり、継代数が1回及び10回で発現が確認された。AFPはいずれの継代回数の場合でも同様に発現していることが確認された(図12)。
さらに、各細胞についてフローサイトメトリーを用いてインテグリンα6(ITGA6)及びインテグリンβ1(ITGB1)の各発現を確認した。その結果、継代数が0回、1回及び10回のいずれの場合も、ITGA6及びITGB1の発現陽性率が高いことが確認された(図13)。コントロールは非染色細胞を用いており、その細胞における各遺伝子陽性率を0%とした。さらに、各細胞についてhepatic stem cellマーカーであるCK19、N-CAM及びClaudin 3、pan-hepatoblastマーカーであるCK8、CK18、EpCAM及びCD133、並びにhepatoblastマーカーであるAFP、ALB、CYP3A7及びI-CAMについて、リアルタイムRT-PCRの手法により遺伝子発現を確認した(図14)。各種リアルタイムRT-PCR測定用のプライマーセット及び試薬は市販品を使用し、GAPDHをハウスキーピング遺伝子として測定した。これらの結果から、ES細胞(H9)由来のHBCは、過去に報告されているhepatoblastに近い遺伝子発現プロファイルを有していることが示される。
(実施例5)培養肝幹前駆様細胞の分化誘導能(2)
実施例4の結果より、ES細胞(H9)由来のHBCは、肝細胞又は胆管上皮細胞のいずれへも分化が可能であることが示唆された。そこで、本実施例では、HBC(H9)の継代数が0回(HBC P0)、10回(HBC P10)の細胞及び単一細胞由来のHBC(HBC clone)について、HGF、OsM(20 ng/ml)及びDEX(10-6 M)を含む培地でマトリゲル上において14日間培養し、HGF、OsM及びDEXによる肝分化誘導処理前後の各マーカー遺伝子の発現を確認した。クローン細胞は、培養用ディッシュに200個/cm2播種して得た。各マーカー遺伝子の発現はリアルタイムRT-PCRにより確認した。リアルタイムRT-PCR測定用プライマーセット及び試薬は市販品を使用した。CYP3A4、CYP2C9、CYP2C19及びαATは成熟肝細胞マーカーであり、CK7及びCK19は胆管上皮細胞マーカーである。
成熟肝細胞マーカー遺伝子の相対的発現量は、ヒト凍結肝細胞を培養用ディッシュに播種後48時間培養したときの発現量を1として確認した。同様に胆管上皮細胞マーカー遺伝子の相対的発現量はHBC P10の分化誘導前の細胞での発現量を1として確認した。これにより成熟肝細胞のマーカーは、いずれの細胞において、肝分化誘導後の方が分化誘導前よりも高い発現を示した。また、HBC(H9)の継代数が10回(HBC P10)の細胞から分化誘導した肝細胞における成熟肝細胞マーカー遺伝子(CYP3A4、CYP2C9、CYP2C19、αAT)の発現量はLN111によって純化したのみのHBC(HBC P0)から分化誘導した肝細胞よりも高いことが確認された(図15)。これらの結果より、HBC(H9)は肝細胞へ分化が可能であることが示唆された。成熟肝細胞への分化は、フローサイトメトリー解析によるASGR1陽性細胞率(図16A)や、ALBや尿素(Urea)の分泌量(図16B、C)からもHBC(H9)の継代数が10回(HBC P10)の細胞から分化誘導した肝細胞の方がHBC(HBC P0)から分化誘導した肝細胞よりも高いことが確認された。
以上の結果から、HBCをLN111上で維持することにより、肝細胞への分化効率・分化能が向上することが示唆された。
(実施例6)培養肝幹前駆様細胞の分化誘導能(2)
実施例4の結果より、ES細胞由来のHBCは、肝細胞又は胆管上皮細胞のいずれへも分化が可能であることが示唆されたことから、本実施例では胆管上皮細胞への分化誘導能を確認した。そこで、本実施例では、HBC(H9)の継代を0回(HBC P0)、10回(HBC P10)行なった細胞及び単一細胞由来のHBC(clone)について、EGF(50 ng/ml)及びILGF2(20 ng/ml)を含む培地でコラーゲンゲルに包埋し、14日間培養し、EGF及びILGF2による胆管分化誘導処理前後の各マーカー遺伝子の発現を確認した。発現はRT-PCRの手法により確認した(図17)。RT-PCR測定用プライマーセット及び試薬は市販品を使用した。SOX9及びIV collagenは、胆管上皮細胞のマーカーであり、ALB及びαATは、成熟肝細胞のマーカーである。
胆管上皮細胞及び肝細胞マーカー遺伝子の相対的発現量は、HBC P10の分化誘導前の細胞での発現量を1として確認した。胆管上皮細胞のマーカーは、分化させることによって、それらの発現が上昇した。また、HBC P10から分化誘導した胆管上皮細胞における胆管マーカー遺伝子(SOX9、IV collagen)の発現量はHBC P0から分化誘導した胆管上皮細胞よりも高かった(図17)。以上の結果から、ES細胞(H9)由来のHBCは胆管上皮細胞への分化能を有することが示唆される。
以上の結果からHBCをLN111上で維持することにより、胆管上皮細胞への分化能が向上することが示唆された。
(実施例7)培養肝幹前駆様細胞の分化誘導能(3)(in vivo)
本実施例では、CCl4 (4 mL/kg)で処理したRag2/IL2Rgダブルノックアウトしたマウスに、ES細胞(H9)由来のHBCのうち、継代を0回(HBC P0)、又は10回(HBC P10)行なった細胞を参考例1の培地3に懸濁し、2×106個を移植した(図18参照)。移植後2週間目にマウスの血液及び肝臓を採取した。組織は4%PFAで固定し、免疫染色材料とした。さらに、血清へのヒトALBの分泌を市販のELISA測定キット(Bethyl Laboratories)を用いて測定した(図19)。また、移植後2週間でのヒトALB、ヒトAFP及びヒトαATの発現を免疫組織染色法にて確認した。対照として核染色(DAPI)も行った。その結果、HBC P10では移植後2週間でマウスの肝臓からマウスALBではなくヒトALBが観察された。また、ヒトαATについても発現が確認され、in vivoにおいても成熟肝細胞へ分化誘導されることが示唆された(図20)。
(実施例8)培養肝幹前駆様細胞の細胞表面マーカーについて
本実施例では、HBC(H9)の継代を0回(HBC P0)、1回以上(HBC P1〜)行なったHBCの各種マーカーの発現をまとめた(図21)。HBCにおける各種マーカーの発現を表2に示した。
(実施例9)肝幹前駆様細胞の維持に適したラミニンの探索
本実施例では、ヒトES細胞(H9)を出発原料とし、参考例2と同手法で得られたHBCについて、HBCの維持についてさらに適したラミニンがあるかについてAFPの発現を指標として確認した。
アイソフォームの異なる各種ヒトラミニンE8フラグメント(ラミニン111E8(LN111E8)、ラミニン121E8(LN121E8)、ラミニン211E8(LN211E8)、ラミニン221E8(LN221E8)、ラミニン332E8(LN332E8)、ラミニン311E8(LN311E8)、ラミニン321E8(LN321E8)、ラミニン411E8(LN411E8)、ラミニン421E8(LN421E8)、ラミニン511E8(LN511E8)、ラミニン521E8(LN521E8))を用いて細胞培養用ディッシュのコーティング処理を行った。20μg/mlの各ラミニンコーティング溶液を調製し、5μg/cm2を各ウェルへ加え、室温で1時間以上置くことによりコーティング処理を行った。
(1)培養肝幹前駆様細胞のAFP発現について
参考例2と同手法により処理して得た9日目の細胞を、各種ラミニンコーティング培養用ディッシュの各ウェルに7.5×104個/cm2播種し、15分後に培地を交換し、ディッシュに付着した細胞をHBCとし、付着しなかった細胞をNHBCとした。ディッシュに付着した各HBCをさらに7日間培養したときのフローサイトメトリー解析による細胞のAFP陽性率(%)を確認した。その結果、LN111E8コーティング培養用ディッシュで培養した細胞が、LN111コーティング培養用ディッシュで培養した細胞群と同様にAFPを発現していることが確認された(図22参照)。
(2)細胞増殖能について
上述の方法によりディッシュに付着した各HBCをさらに10日間培養したときの細胞数を確認した。その結果、LN111E8コーティング培養用ディッシュで培養した場合は、LN111コーティング培養用ディッシュで培養した細胞群と同程度増殖することが確認された(図23参照)。
(実施例10)LN111又はLN111E8コーティング培養用ディッシュを用いて継代した培養肝幹前駆様細胞の性状
実施例9と同手法により、LN111又はLN111E8コーティング培養用ディッシュを用いて各種ラミニンコーティング培養用ディッシュの各ウェルにHBCを7.5×104個/cm2播種し、15分後培地を交換した(継代回数0回、day9)。その後毎日培地を交換しながら6〜7日間培養し、細胞数が7.5×104個/cm2になるように細胞懸濁液を調製し、LN111コーティング培養用ディッシュ又はLN111E8コーティング培養用ディッシュにて継代を行った。このような継代操作を8回(P8)繰り返したときのAFP陽性率(%)をフローサイトメトリー解析により確認した。その結果、LN111及びLN111E8いずれのコーティング処理の場合もAFPの発現が維持されることが確認された(図24参照)。さらに、継代培養を8回(P8)まで繰り返したときのAFP以外のマーカー(CD133、EpCAM、ALB、CK7及びCK19)についてもフローサイトメトリー解析により確認した。その結果、いずれのマーカーも発現維持していることが確認された(図25参照)。
上記により、LN111又はLN111E8でコーティングした培養物は8回継代した場合も各種マーカーが発現し、HBCの性状が維持されることが確認された。
(実施例11)肝幹前駆様細胞各種インテグリンの発現
ヒトES細胞(H9)を出発原料とした、参考例2で作製した分化誘導処理9日目のHBC及びNHBCについて、実施例1と同手法により各種インテグリン遺伝子の発現をリアルタイムRT-PCR法により確認した。各種リアルタイムRT-PCR測定用のプライマーセット及び試薬は市販品を使用し、GAPDHをハウスキーピング遺伝子として測定した。その結果、インテグリンα6発現についてはHBCの方がNHBCよりも約16倍高く、インテグリンα3発現についてはNHBCの方がNBCよりも約20倍高いことが確認された(図26)。
通常、ヒトES細胞又はiPS細胞等の多能性幹細胞から肝細胞に分化誘導させる場合には20日程度の培養期間を要する。従来は、iPS細胞及び/又はES細胞由来の肝幹前駆様細胞を培養し、維持、増殖させることは困難であった。
以上詳述したように、ラミニンを使用する本発明の方法により初めて肝幹前駆様細胞を培養し、維持、増殖させることが可能となった。
本発明の方法で培養された培養物(肝幹前駆様細胞)は、継代培養を行うことができる。細胞の継代は、通常分化誘導中間細胞は増殖培養することが困難である。本発明において継代培養の回数は特に限定されないが、少なくとも1回以上、例えば3回以上、10回以上、15回以上繰り返しても、肝幹前駆様細胞としての特徴を維持し分化誘導能も維持することができる。
上記により得られた培養肝幹前駆様細胞は、AFP、ALB、CK7、及びCK19が陽性であった。また、継代回数を重ねても、インテグリンα6及びインテグリンβ1の発現を確認した。継代を重ねた培養肝幹前駆様細胞について、pan-hepatoblastマーカーであるCK8、CK18、EpCAM及びCD133、及び/又はhepatoblastマーカーであるAFP、ALB、CYP3A7及びI-CAMなどが認められる。また、培養肝幹前駆様細胞をさらに分化誘導処理することで、成熟肝細胞のマーカーであるCYP3A4、CYP2C9、CYP2C19やαATを発現する細胞や、胆管上皮細胞のマーカーであるSOX9やIV collagenを発現する細胞を誘導することができることから、成熟肝細胞や胆管上皮細胞などに分化誘導できることが示された。また、上記培養方法で得られた実質的に純粋な培養物を移植することで、in vivoにおいても肝細胞などに分化誘導させることができる。これにより、上記培養方法で得られた培養物、又は培養物を成熟幹細胞若しくは胆管上皮細胞に誘導したものを、移植用組成物として肝細胞及び/又は胆管上皮細胞の再生のために使用することができる。
肝幹前駆様細胞を維持することで、所望の成熟細胞、例えば成熟肝細胞や胆管上皮細胞を短期間に作製し、所望の時期に所望の数の細胞を入手することが可能となる。このようにして得られた肝細胞や胆管上皮細胞は、肝細胞及び/又は胆管上皮細胞再生のための細胞治療用材料として利用することができる。さらに、肝細胞に対しては、医薬品候補化合物を添加し、肝毒性マーカーの発現変動を解析することで、生体での医薬品候補化合物の毒性を事前に予測することが可能になる。これにより、毒性の問題により排除されるべき医薬品候補化合物を早期にスクリーニング可能となり、創薬の加速化が期待される。

Claims (7)

  1. 多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導の過程で発生する肝幹前駆様細胞を、ラミニンα1β1γ1のE8フラグメント部分と接触させる工程、及び前記細胞とラミニンα1β1γ1のE8フラグメント部分を接触させたのち、ラミニンに接着しない細胞を除去する工程を含むことを特徴とする肝幹前駆様細胞の培養方法。
  2. 以下の工程を含む、請求項に記載の肝幹前駆様細胞の培養方法:
    1)人工多能性幹細胞及び/又は採取された胚性幹細胞由来の肝幹前駆様細胞を、ラミニンがコーティングされた細胞培養用固相担体に播種する工程;
    2)上記細胞が播種された細胞培養用固相担体において、前記固相担体から非接着細胞を除去する工程;
    3)上記2)の工程で前記固相担体に接着した細胞を、ラミニン上で培養する工程。
  3. さらに以下の工程を含む、請求項に記載の肝幹前駆様細胞の培養方法:
    4)請求項に記載の1)〜3)の工程で培養して得た肝幹前駆様細胞を、細胞培養用固相担体から分離して、培地に浮遊させる工程;
    5)前記浮遊させた細胞を細胞数2.5×102〜1.25×105 個/cm2となるようにラミニンがコーティングされた細胞培養用固相担体に播種する工程;
    6)上記5)の工程で前記固相担体に接着した細胞を、ラミニン上で培養する工程。
  4. 請求項に記載の4)〜6)の工程を、少なくとも1回以上繰り返すことを特徴とする請求項に記載の肝幹前駆様細胞の培養方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1に記載の肝幹前駆様細胞の培養方法により得られた、培養物であって、ALB、CK19、CK7から選択されるいずれか1種又は2種以上の肝幹前駆細胞マーカーと、CYP3A7、CK8、EpCAMから選択されるいずれか1種又は2種以上の肝幹前駆細胞マーカーを発現し、かつ、インテグリンα6及びインテグリンβ1を発現してなる肝幹前駆様細胞の実質的に純粋な培養物。
  6. 請求項に記載の培養物を有効成分として含む、肝細胞及び/又は胆管上皮細胞の再生のための移植用組成物。
  7. 多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導の過程で発生する肝幹前駆様細胞を、ラミニンα1β1γ1のE8フラグメント部分と接触させる工程、及び前記細胞とラミニンα1β1γ1のE8フラグメント部分を接触させたのち、ラミニンに接着しない細胞を除去する工程を含むことを特徴とする、肝幹前駆様細胞から成熟肝細胞及び/又は胆管上皮細胞への分化誘導前処理方法。
JP2015511270A 2013-04-08 2014-04-08 肝幹前駆様細胞の培養方法及びその培養物 Active JP6421335B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013080557 2013-04-08
JP2013080557 2013-04-08
PCT/JP2014/060228 WO2014168157A1 (ja) 2013-04-08 2014-04-08 肝幹前駆様細胞の培養方法及びその培養物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2014168157A1 JPWO2014168157A1 (ja) 2017-02-16
JP6421335B2 true JP6421335B2 (ja) 2018-11-14

Family

ID=51689563

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015511270A Active JP6421335B2 (ja) 2013-04-08 2014-04-08 肝幹前駆様細胞の培養方法及びその培養物

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20160046904A1 (ja)
EP (1) EP2985340A4 (ja)
JP (1) JP6421335B2 (ja)
CN (1) CN105189738A (ja)
CA (1) CA2908225A1 (ja)
EA (1) EA201501002A1 (ja)
SG (1) SG11201507828VA (ja)
WO (1) WO2014168157A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SI3059307T2 (sl) * 2015-02-20 2022-08-31 Inserm(Institut National De La Sante Et De La Recherche Medicale) Uporaba laminina za diferenciacijo pluripotentnih celic v hepatocite
JP6704617B2 (ja) * 2016-01-29 2020-06-03 北海道公立大学法人 札幌医科大学 小型肝細胞の継代培養方法
SG11201907030VA (en) 2017-01-31 2019-08-27 Univ Osaka Method for controlling differentiation of pluripotent stem cells
CN107523537A (zh) * 2017-10-23 2017-12-29 洪丰 一种成体人肝源性干细胞系hn及其制备方法和应用
JP7191041B2 (ja) * 2017-12-27 2022-12-16 明弘 梅澤 機能的肝前駆細胞もしくは肝細胞または機能的小腸上皮前駆細胞もしくは小腸上皮細胞を調製する方法
KR20230009409A (ko) 2020-05-08 2023-01-17 오사카 유니버시티 피브리노겐 단편 및 라미닌 단편을 포함하는 융합단백질 및 그 이용

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3635462B2 (ja) 2000-05-31 2005-04-06 国立医薬品食品衛生研究所長 アデノウイルスベクター
JP2003250566A (ja) 2002-03-01 2003-09-09 Kokuritsu Iyakuhin Shokuhin Eisei Kenkyusho アデノウイルスベクター
US7150990B2 (en) * 2002-03-06 2006-12-19 Reprocell, Inc. Self-renewing pluripotent hepatic stem cells
CN101384705A (zh) * 2005-11-16 2009-03-11 北卡罗来纳大学教堂山分校 用于肝祖细胞扩增或分化的细胞外基质组分
JP2009539358A (ja) * 2006-06-04 2009-11-19 セルアーティス アーベー hBS細胞に由来する新規な肝細胞様細胞及び肝芽細胞様細胞
JP2008136381A (ja) 2006-11-30 2008-06-19 Japan Health Science Foundation 改変型アデノウイルスベクター及びその作製方法
US8951799B2 (en) * 2007-01-04 2015-02-10 Biolamina Ab Composition and method for enabling proliferation of pluripotent stem cells
CN101275121B (zh) * 2007-03-26 2011-05-11 芦银雪 体外培养扩增的人肝脏祖先细胞及其制备方法
EP2362899A1 (en) * 2008-10-31 2011-09-07 Katholieke Universiteit Leuven Optimized methods for differentiation of cells into cells with hepatocyte and hepatocyte progenitor phenotypes, cells produced by the methods, and methods for using the cells
JP5590646B2 (ja) 2009-10-08 2014-09-17 国立大学法人大阪大学 ヒト多能性幹細胞用培養基材およびその利用
JP5745423B2 (ja) 2009-10-28 2015-07-08 公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 幹細胞から肝細胞への分化誘導方法
EP2695894B1 (en) * 2011-04-08 2017-11-01 Osaka University Modified laminin and use thereof
JPWO2013047763A1 (ja) * 2011-09-29 2015-03-30 オリエンタル酵母工業株式会社 ラミニン511を含んだ系で哺乳類細胞を培養する方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP2985340A1 (en) 2016-02-17
JPWO2014168157A1 (ja) 2017-02-16
WO2014168157A1 (ja) 2014-10-16
EA201501002A1 (ru) 2016-02-29
SG11201507828VA (en) 2015-10-29
CN105189738A (zh) 2015-12-23
CA2908225A1 (en) 2014-10-16
EP2985340A4 (en) 2016-11-02
US20160046904A1 (en) 2016-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6421335B2 (ja) 肝幹前駆様細胞の培養方法及びその培養物
Chen et al. Small molecule mesengenic induction of human induced pluripotent stem cells to generate mesenchymal stem/stromal cells
DK2137295T3 (en) Use of a composition and method for enabling proliferation of pluripotent stem cells
JP5777127B1 (ja) 原始腸内胚葉細胞及びその作製方法
JP5745423B2 (ja) 幹細胞から肝細胞への分化誘導方法
EP2457998A1 (en) Methods for obtaining hepatic cells, hepatic endoderm cells and hepatic precursor cells by inducing the differentiation
KR102208889B1 (ko) 다능성줄기세포의 분화 제어 방법
KR101918817B1 (ko) 인간 줄기세포 유래 간세포 분화 방법 및 간세포
JP2010519934A (ja) 肝細胞の維持、増殖及び/又は分化のためのヒアルロナン、他のマトリックス成分、ホルモン及び増殖因子の複合体
JPWO2012056997A1 (ja) 多能性幹細胞の分化誘導効率を改善するための方法及び培地
JP7367992B2 (ja) 多能性幹細胞由来腸管オルガノイドの作製法
JPWO2010134619A1 (ja) 人工多能性幹細胞からの上皮系前駆細胞・幹細胞群及び角膜上皮細胞群の分化誘導方法
JP2011010653A (ja) 細胞の分化誘導方法
JP6139054B2 (ja) 細胞培養基材、およびそれを用いた細胞培養方法並びに多能性幹細胞の分化誘導方法
WO2011016485A1 (ja) iPS細胞から肝実質細胞への分化誘導方法
KR20110024660A (ko) 인간 배아줄기세포 또는 인간 유도만능줄기세포의 혈관내피세포로의 혈청 및 이종 비함유 분화방법
WO2022244841A1 (ja) 脳毛細血管内皮様細胞の製造方法およびその利用
JP6420933B2 (ja) 内皮細胞の製造方法
JP6486619B2 (ja) 薬物評価用細胞及び薬物評価方法
WO2017150294A1 (ja) 多能性幹細胞様スフェロイドの製造方法および多能性幹細胞様スフェロイド
KR20130105124A (ko) Selenium을 이용한 인간 만능줄기세포의 혈액전구세포, 혈관전구세포, 내피세포 및 평활근세포로의 분화방법
JP2019010001A (ja) 幹細胞の培養用培地、増殖促進剤及び培養方法、並びに幹細胞を含む細胞組成物及びその製造方法
JP2020115771A (ja) 多能性幹細胞から軟骨組織を製造する方法
Wahlig et al. Corneal endothelial cells: methods for ex vivo expansion
WO2022254961A1 (ja) 幹細胞を作製するための細胞培養補助剤、及び幹細胞の作製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170403

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170403

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180308

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180821

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180918

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6421335

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150