JP6415810B2 - 圃場作業機 - Google Patents
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Description
このような実情から、自動走行可能な圃場作業機において、作業走行と非作業走行との間の移行の際に必要な制御の簡単化が要望されている。
(1)走行経路における圃場作業装置2の作業開始動作点及び作業終了動作点を含む動作タイミング情報を生成する動作情報生成部81。動作情報生成部81は、圃場作業装置2の圃場に対する作業箇所が上述した移行点に達した時点を、作業開始動作点または作業終了動作点とする動作タイミング情報を生成する。
(2)動作タイミング情報に基づいて運転者に動作タイミングを報知するための報知情報を生成する報知情報生成部82。報知情報生成部82が、動作タイミング情報に基づいて、ランプやブザーを通じて視覚的または聴覚的に運転者に対して作業走行や非作業走行の終了や開始を報知するので、運転者は圃場作業装置2を正確に操作することができる。報知情報生成部82に音声機能を搭載すれば、話し言葉での操作指示も実現する。
(3)動作タイミング情報に基づいて圃場作業装置2に対する動作制御信号を生成する動作制御信号生成部83。このような動作制御信号生成部83が搭載されると、圃場作業装置2による圃場作業のON・OFF制御を自動化することができる。例えば、圃場作業装置2が苗植付装置の場合、苗植付装置の上昇・下降や苗植付爪の停止・始動などが移行点で自動的に実行されるので、運転者の負担が軽減される。
(a)圃場作業装置2が苗や肥料や農薬などの農用資材を圃場全体に供給する農用資材供給装置(苗植付装置、施肥装置、農薬投与装置)であり、そのような農用資材を収容する資材収容部が備えられている圃場作業機では、圃場の作業対象面積と収容量とから単位作業走行距離当たりの農用資材の供給量ができるだけ一定となるように制御される。また、その際、経路算出部73も、収容量を丁度使い切るような走行経路を算出する経路アルゴリズムを採用することも可能である。
(b)農薬散布機のように農用資材の供給量とその供給方向が可変であるような圃場作業装置2が用いられる場合、運転支援ユニット8は、当該農用資材が畦を超えて他人の圃場に飛び散らないように、供給量または供給方向あるいはその両方が制御される動作制御信号を出力する。
(c)GPSモジュール5からの測位データに高さ(標高)データが含まれるように構成した場合、一定基準高さで農用資材を圃場に供給するような圃場作業装置(例えば田植機の苗植付部)2が、測位データに基づいて所定の高さ(苗植付高さ)となるような動作制御信号を機器制御部62に与える。
図2は、圃場作業機の一例である乗用田植機の側面図であり、図3は平面図である。走行機体1は、車体フレーム10の下部に左右一対の前輪11a及び左右一対の後輪11bを備えている。走行機体1の後部に、粉粒体タンク12aが備えられた粉粒体供給装置12が配備されている。走行機体1の後方に、車体横方向に並んだ6つの苗植付機構21、及び車体横方向に並んだ6つの粉粒体供給部22が備えられた圃場作業装置としての水田作業装置2が連結されている。
図2に示すように、水田作業装置2は、車体フレーム10から後方に上下揺動するように延出されたリンク機構36に支持され、リンク機構36を昇降シリンダ37によって揺動操作することにより、接地フロート23が圃場面に下降して接地した下降作業状態と、接地フロート23が圃場面から高く上昇した上昇非作業状態とにわたって昇降操作できるようになっている。
図4は、粉粒体供給装置12を示す後面図である。図5は、粉粒体供給装置12を示す縦断側面図である。図2〜5に示すように、粉粒体供給装置12は、走行機体1のうちの運転座席33aよりも後方の部位に配備してある。粉粒体供給装置12は、供給装置フレーム15に支持されている。供給装置フレーム15は、左右一対の前支柱15a及び左右一対の後支柱15bを介して車体フレーム10に連結されている。供給装置フレーム15は、後述する繰出機構16の上端部を前後側から挟んで支持する前後一対の車体横向きの支持フレーム15f,15rを備えている(図5参照)。
GPSモジュール5から出力された測位データに基づいてリアルタイムの、つまり走行中の圃場作業装置2における圃場作業位置の座標値を算出するための前処理として、接続部5Cからの識別信号によって特定される取付箇所と圃場作業位置との位置ずれを読み出しておく。GPSモジュール5の位置と圃場作業位置との位置ずれ量:D(x,y,z)は、走行機体1の座標系におけるそれぞれの位置をMPとWPとすれば、
D(x,y,z)=MP−WP
と表すことができる。
この位置ずれ量:D(x,y,z)と、GPSモジュール5から順次送られてくる測位データから得られる受信位置(GPSモジュール5の位置)とから、リアルタイムの圃場作業位置(座標値):WP(x,y,z)が、次のように算出される。WP(x,y,z)=F(R(x,y,z),D(x,y,z))ここで、Fは、位置ずれ量と受信位置とから圃場作業位置を求める関数であり、実用的にはテーブルで構築することができる。圃場作業装置2が2つの圃場作業位置を有する場合は、それぞれの位置ずれ量を用いてそれぞれの圃場作業位置を求めることができる。
(1)圃場情報格納部71aから読み出された地図データとGPSモジュール5からの方位データとに基づいて、畦との距離である枕地幅を算出し、この枕地幅が搭載している水田作業装置2で可能な条数(作業幅)で実施できるような値になるように、水田作業装置2の作業動作を制御する。
(2)水田作業装置2は、上述したように端数条植クラッチ29や端数条縦送りクラッチ20などの動作機器を操作することにより、作業幅を変更することが可能であるが、作業幅の変更を考慮しながら圃場作業をやることは運転者にとって負担が大きい。しかしながら、圃場の全面積を均一に分布する苗によって埋め尽くすことは農家にとって重要なことである。このため、搭載されている水田作業装置2の最大作業幅の倍数値が圃場の幅に一致しない場合には、隣接する作業走行経路の経路間距離:D(図9参照)を微小値だけ変化させることで、作業幅を変更せずに、圃場の全面積を実質的に均一に分布させた苗で埋め尽くすことができる。つまり、作業走行経路の列間距離の積算値が圃場の幅に一致するように、1つの作業走行経路から次の作業走行経路に移行する毎に、その列間距離を微調整する。実際の制御では、そのような作業走行経路は簡単に経路算出部73で算出できるので、あとは、GPSモジュール5からの測位データに基づいて当該作業走行経路に沿うように走行機体1を自動走行させればよい。
(3)圃場情報格納部71aから読み出された地図データから圃場面積を算出し、この乗用田植機に準備されている農用資材の使用可能量とから、株間、苗取量、横送り回数などの水田作業装置2における各動作機器の設定を自動的に行う。また、作業途中において、農用資材の残量と圃場の未作業面積とから各動作機器の設定を再調整する。
(1)上述した実施形態では、経路算出部73は電子制御ユニット7内に構築されていたが、経路算出アルゴリズムが複雑になれば要求される演算能力が高くなるので、経路算出演算は、外部のコンピュータに行わせるクラウドネットワーク方式を採用してもよい。同様に、情報格納部71も外部のコンピュータ内に構築し、必要に応じて圃場作業機からアクセスするような構成にしてもよい。そのためには、圃場作業機にインターネットなどデータ通信回線に接続可能な通信ユニットを備える必要がある。
(2)経路算出部73で行われる経路算出の条件として、圃場の外形や圃場の出入口を取り上げたが、その他、日当たり、風通し、取水口の位置、これまでの実績として記録しておいた過去の走行経路、例えばトラクタによる耕耘や代掻きなどの前作業時における走行経路や圃場の状態、コンバインによる収穫作業時の走行経路や圃場の状態などを、加えてもよい。
(3)上述した実施形態では、1つの圃場に対する作業中において圃場作業装置2の作業幅は変更しないことを前提としていたが、作業幅が変更可能な圃場作業装置2を利用している場合、途中で作業幅を変更する走行経路が算出されるようにしてもよい。
(4)上述した実施形態では、経路算出部73は、非作業走行経路を少なくする旋回低減化経路アルゴリズムを採用していたが、その他の経路アルゴリズムを選択的に備えてもよい。例えば、所定以上の大きな曲率半径を有する曲線路の作業走行経路を算出する曲線経路アルゴリズムは、扇形形状の圃場には有効である。また、タッチパネル66などの入力デバイスを用いて入力された大まかな経路イメージをベースにして精密な走行経路を算出する経路アルゴリズムも、複雑な形状を有する圃場には有効である。
(5)本発明による圃場作業機には、GPS機能と地図データ収納機能が備えられているので、これを利用して、作業対象となる圃場への経路案内を行うことも可能である。
12:粉粒体供給装置
13:粉粒体タンク
2:圃場作業装置(水田作業装置)
21:苗植付機構
22:粉粒体供給部
27:縦送り駆動機構
28:苗載台
28a:苗載置部
30:フロア
31a:ボンネット
33b:ステアリングハンドル
33c:ハンドルポスト
33d:操縦パネル
35:手摺
36:リンク機構
37:昇降シリンダ
39:予備苗載せ台
40:電動パワーステアリング装置
5:GPSモジュール
5A:GPSアンテナ
5B:GPS処理回路
6:動作制御ユニット
61:自動走行制御部
62:作業装置制御部
63:入力信号処理部
7:電子制御ユニット
71:情報格納部
71a:圃場情報格納部
71b:作業情報格納部
72:作業設定部
73:経路算出部
74:作業位置算出部
8:運転支援ユニット
81:動作情報生成部
82:報知情報生成部
83:動作制御信号生成部
Claims (8)
- 走行機体と、
圃場に対する農作業を行う圃場作業装置と、
測位データを出力するGPSモジュールと、
前記圃場作業装置を用いた走行のための作業走行経路を算出する経路算出部と、
前記測位データと前記経路算出部によって予め設定された前記作業走行経路とに基づいて前記走行機体を前記作業走行経路に沿って自動走行させる自動走行制御部と、
前記自動走行制御部による自動走行を禁止する自動走行禁止部と、を備え、
前記走行機体が走行する走行経路が、前記作業走行経路と、当該作業走行経路の終端と次の作業走行経路とをつなぎ、且つ、前記走行機体の方向転換走行を伴う非作業走行経路とを含み、
前記経路算出部が前記走行経路における前記作業走行経路を算出し、
前記GPSモジュールによる前記測位データに基づいて、前記圃場作業装置が前記作業走行経路の前記終端に達したことが判別されると、前記自動走行禁止部が前記自動走行制御部による自動走行を禁止する圃場作業機。 - 前記圃場作業装置は農作業を行う作業状態または前記農作業を行わない非作業状態に切り替え可能であり、前記圃場作業装置を前記作業状態に切り替える第1操作と前記非作業状態に切り替える第2操作を行う作業装置操作具が備えられ、前記作業装置操作具の第1操作時に前記自動走行が許可される請求項1に記載の圃場作業機。
- 前記作業走行経路は、少なくとも前記圃場の境界線を規定する畦の地図データに基づいて算出され、当該作業走行経路に基づいて前記自動走行制御部は前記走行機体を自動走行させる請求項1または2に記載の圃場作業機。
- 前記自動走行制御部による自動走行途中での自動走行からの逸脱を検知する自動走行逸脱検知部が設けられており、前記自動走行逸脱検知部によって自動走行からの逸脱が検知されると前記自動走行禁止部が自動走行を禁止する請求項1から3のいずれか一項に記載の圃場作業機。
- 地図データと前記測位データとに基づいて圃場外走行が検知されると、前記自動走行禁止部が自動走行を禁止する請求項1から4のいずれか一項に記載の圃場作業機。
- 前記走行機体は、左右一対のサイドクラッチ付きの駆動後輪を備えており、前記自動走行は前記サイドクラッチの制御で実行される請求項1から5のいずれか一項に記載の圃場作業機。
- 前記走行機体は、パワーステアリング装置を有する操向輪を備えており、前記自動走行制御部による自動走行時には前記パワーステアリング装置がOFFとなる請求項1から6のいずれか一項に記載の圃場作業機。
- 前記パワーステアリング装置は電動モータによって構成され、前記パワーステアリング装置がOFFとなる自動走行時には、前記電動モータによる前記操向輪の操作によって前記自動走行が行われる請求項7に記載の圃場作業機。
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