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JP6494254B2 - 銅、モリブデン金属積層膜エッチング液組成物、該組成物を用いたエッチング方法および該組成物の寿命を延ばす方法 - Google Patents

銅、モリブデン金属積層膜エッチング液組成物、該組成物を用いたエッチング方法および該組成物の寿命を延ばす方法 Download PDF

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Description

本発明は、フラットパネルディスプレイなどに用いられる金属積層膜用のエッチング液組成物および該組成物を用いたエッチング方法に関する。
フラットパネルディスプレイなどの表示デバイスの配線材料には、抵抗が低い材料である銅や銅合金が検討されている。しかしながら、銅はガラスなどの基板との密着性が十分ではないこと、また、銅によるシリコン半導体膜への拡散が問題となっている。そこで、配線材料とガラス基板との密着性向上とシリコン半導体膜への拡散防止のため、バリア膜としてモリブデン層を設けることが検討されている。
銅や銅合金を含む積層膜は、レジストをマスクとしてエッチングし、配線または電極パターンを形成する。エッチングで求められる性能は、銅配線端部のエッチング面と下層の基板とのなす角度(テーパー角)が30〜60°の順テーパー形状、レジスト端部から配線の下に設けられるバリア膜までの距離(サイドエッチング)が1.2μm以下、好ましくは1μm以下である。
銅およびモリブデン積層膜用エッチング液としては、例えば中性塩と無機酸と有機酸の中から選ばれる少なくとも一つと過酸化水素、過酸化水素安定化剤を含むエッチング溶液(特許文献1)や、過酸化水素、フッ素原子を含有しない無機酸、アミン化合物、アゾール類、過酸化水素安定剤を含むエッチング溶液(特許文献2)などが提案されている。
特開2002−302780号公報 国際公開第2011/099624号
しかしながら、無機酸のうち、例えば硫酸や硝酸は強酸性であり、エッチング液中のアルカリ成分と強く反応するため、反応熱が発生しやすい。この際、多成分との反応による成分の分解や液の沸騰などによる水分などの揮発を抑制するためには、容器を冷やしながら、ゆっくり添加する必要があり、エッチング液の調製に時間を有するなど、多量製造時に問題があった。また、塩酸、リン酸、次亜リン酸などは、エッチングの性能面に問題があり、これらはエッチングレートを極度に高速化し、テーパー角を極度に高くするため、断面形状の制御が困難であり、実質的な使用は難しい。他の弱酸性の無機酸は、エッチング性能にほとんど効果がなく、例えばホウ酸は毒性が高いことから、人体への影響が懸念される。したがって、無機酸を含むエッチング液は、製造容易性やエッチング性能の観点から必ずしも十分に満足できるエッチング液ではなかった。
また、銅およびモリブデン積層膜のエッチングにおいて、とくにモリブデンまたはモリブデン合金の膜厚が厚い場合は、モリブデン残渣が発生しやすい。これを除去するためには、有機酸の濃度が重要となる。しかし、キレート効果が高い有機酸を使用するとモリブデン層のアンダーカットが発生しやすく、逆にキレート効果が弱いとモリブデン残渣が発生する。モリブデンの膜厚に合わせて、複数の有機酸を使用して、断面形状を整えることは可能だが、このような場合はキレート効果が弱い有機酸の濃度が高くなる。これは銅の溶解量に影響が大きいため、液寿命が短いエッチング液になる問題があった。
したがって、本発明は、銅およびモリブデン積層膜のエッチングにおいて、とくに上記の多量製造時の問題点およびエッチング性能の問題点を解消し、断面形状の制御および断面に合わせて組成濃度を容易に調整することができる、エッチング液組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねる中で、過酸化水素と、有機酸と、アミン化合物と、アゾール類と、過酸化水素安定化剤とを含有し、無機酸を含有しないエッチング液組成物とすることにより、組成物の安定性が向上すること、また、該組成物を用いたエッチング方法により、モリブデンからなる層上に銅からなる層が設けられた金属積層膜一括エッチングが可能であること、さらには、モリブデン層のアンダーカットを抑制し、断面形状の制御が可能であること、強酸などの高い反応性物質が含まれておらず、安定性が高いことから、組成調製が容易であること、さらに、ホスホン酸系キレート剤、アルコール系溶剤、ジオール系溶剤、トリオール系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素五員環系溶剤および/またはスルホキシド系溶剤をさらに含むエッチング組成物とすることにより、上記効果を維持し、かつ液寿命が延びることを見出した。
すなわち、本発明は、
[1] 銅または銅を主成分とする合金からなる層とモリブデンまたはモリブデンを主成分とする合金からなる層とを含む金属積層膜を一括エッチングするのに用いるエッチング液組成物であって、過酸化水素と、有機酸と、アミン化合物と、アゾール類と、過酸化水素安定化剤とを含有する(ただし、無機酸を含まない)エッチング液組成物に関する。
[2] さらに、ホスホン酸系キレート剤、アルコール系溶剤、ジオール系溶剤、トリオール系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素五員環系溶剤およびスルホキシド系溶剤からなる群から選択される少なくとも1種を含む、[1]に記載のエッチング液組成物に関する。
[3] 有機酸が、アラニン、グルタミン酸、グリシン、グリコール酸、コハク酸、シスチン、アスパラギン酸、リンゴ酸、マロン酸、乳酸、酢酸から選択される1種または2種以上である、[1]または[2]に記載のエッチング液組成物に関する。
[4] アミン化合物が、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノエタノール、水酸化テトラメチルアンモニウムから選択される1種または2種以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載のエッチング液組成物に関する。
[5] アゾール類が、1,2,4−1H−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾールおよび5−アミノ−1H−テトラゾールから選択される1種または2種以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載のエッチング液組成物に関する。
[6] 過酸化水素安定剤が、フェニル尿素である、[1]〜[5]のいずれかに記載のエッチング液組成物に関する。
[7] ホスホン酸系キレート剤が、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸である、[2]〜[6]のいずれかに記載のエッチング液組成物に関する。
[8] ジオール系溶剤が、ジプロピレングリコールである、[2]〜[6]のいずれかに記載のエッチング液組成物に関する。
[9] 過酸化水素を5〜20質量%と、有機酸を0.5〜20質量%と、アミン化合物を5〜20質量%と、アゾール類を0.005〜0.2質量%と、過酸化水素安定剤を0.05〜0.5質量%とを含有する、[1]〜[8]のいずれかに記載のエッチング液組成物に関する。
[10] 銅または銅を主成分とする合金からなる層とモリブデンまたはモリブデンを主成分とする合金からなる層とを含む金属積層膜を一括エッチングする方法であって、過酸化水素と、有機酸と、アミン化合物と、アゾール類と、過酸化水素安定化剤とを含有する(ただし、無機酸を含まない)エッチング液組成物を用いてエッチングする工程を含む、前記方法に関する。
[11] エッチングに用いられたエッチング液組成物に有機酸ならびにホスホン酸系キレート剤、アルコール系溶剤、ジオール系溶剤、トリオール系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素五員環系溶剤およびスルホキシド系溶剤からなる群から選択される少なくとも1種を添加する工程を含む、[10]に記載の方法に関する。
[12] 液晶ディスプレイ、カラーフィルム、タッチパネル、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、MEMS、ICのいずれかの製造工程、または、パッケージ工程に用いられる、[10]または[11]に記載の方法に関する。
[13] 過酸化水素と、有機酸と、アミン化合物と、アゾール類と、過酸化水素安定化剤とを含有する(ただし、無機酸を含まない)エッチング液組成物の寿命を延ばす方法であって、前記エッチング液組成物に有機酸ならびにホスホン酸系キレート剤、アルコール系溶剤、ジオール系溶剤、トリオール系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素五員環系溶剤およびスルホキシド系溶剤からなる群から選択される少なくとも1種を添加する工程を含む、前記方法に関する。
本発明によれば、銅または銅を主成分とする合金からなる層とモリブデンまたはモリブデンを主成分とする合金からなる層とを含む金属積層膜を一括エッチングすることが可能であり、かつモリブデン層のアンダーカットを抑制することが可能な、優れた安定性のエッチング液組成物および当該エッチング液組成物を用いたエッチング方法を提供することができる。さらに、本発明によれば、上記エッチング組成物の寿命を延ばす方法を提供することができる。
本発明のエッチング液組成物は、従来のエッチング液組成物と比較して、従来のエッチング液組成物が達成した性能を損なわずに、硫酸や硝酸などの強酸性の無機酸を使用する際に生じる製造時の取り扱い上の問題や実質的には使用は困難であるリン酸など、その他の無機酸による問題点を回避することができる。さらに、本発明のエッチング液組成物は、断面に合わせて組成濃度を調整することが容易である。また、本発明のエッチング液組成物を用いたエッチング方法は、従来のエッチング液組成物を用いたエッチング方法と比較して、銅からなる層とモリブデンからなる層とを含む金属積層膜を一括エッチングするに際し、モリブデン層のアンダーカットを抑制することが可能となり、これにより、断面形状の制御が容易となる。また、本発明のエッチング液組成物に有機酸ならびにホスホン酸系キレート剤、アルコール系溶剤、ジオール系溶剤、トリオール系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素五員環系溶剤およびスルホキシド系溶剤からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含むことにより、上記効果を維持し、かつ銅の溶解性を向上させることから、液寿命を延ばし、液交換作業および人件費を削減し、さらには安全性を向上させることができる。
本発明のエッチング液組成物によって、エッチング処理したCu/Mo基板の断面観察図の模式図である。 実施例におけるMoアンダーカットの状態の評価基準を示す模式図である。 実施例7の液によって処理したCu/Mo基板の断面観察図である。 実施例8の液によって処理したCu/Mo基板の断面観察図である。 実施例59〜77のサイドエッチング(S/E)の結果を示すグラフである。
以下に本発明の実施形態について詳述する。
本発明のエッチング液組成物がエッチングする積層膜は、ガラスまたはシリコン基板上に成膜された、MoまたはMo合金層を有する積層膜であり、例えば、ガラス基板上にスパッタリング法にて、MoまたはMo合金層をバリアメタルとして成膜し、さらにその上にCuまたはCuを成膜した積層膜であり、積層膜の組成はCu/Mo、Cu/MoTi、Cu/MoFeおよびCu/MoZrなどが挙げられる。
Mo合金は、Moを主成分とし、Moおよび任意の他の金属を含んでなる合金であり、例えば、Moを80重量%以上含み、好ましくはMoを90重量%以上含み、さらに好ましくは、Moを95重量%以上含む。
また、本明細書において、Cu/Moとは、2層膜であって、表層から、Cu、Moの順に積層されていることを表している。フラットパネルディスプレイの液晶により光を制御するのはTFT(薄膜トランジスタ:Thin Film Transistor)である。TFTにはゲート電極とソース・ドレイン電極があり、ゲート電極はTFTの最下層に位置し、ソース・ドレイン電極は上層に位置する。ゲート電極は電気的特性の面から、比較的Cu/Moの積層膜を厚めに設定する場合が多いのに対し、ソース・ドレイン電極では、少し薄めに設定する場合がある。例えば、ゲート電極の銅が6000Åでソース・ドレイン電極の銅が3000Åなど。よって、どちらの膜厚にも対応できるように組成を調製するのが望ましい。
積層膜の膜厚は、特に制限はないが、1000〜8000Åが好ましく、3000〜6000Åがより好ましい。Cuの膜厚は、特に制限はないが、2000〜7000Åが好ましく、3000〜6000Åがより好ましい。MoまたはMo合金の膜厚は、特に制限はないが、50〜500Åが好ましく、100〜300Åがより好ましい。
本発明のエッチング液組成物は、過酸化水素と、有機酸と、アミン化合物と、アゾール類と、過酸化水素安定化剤とを含有し、無機酸を含有しないことを特徴とするものである。
本発明のエッチング液組成物で用いられる過酸化水素は、酸化剤として銅配線を酸化する機能を有し、かつモリブデンに対しては酸化溶解する機能を有し、該エッチング液中の含有量は、5〜20質量%が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。過酸化水素の含有量が上記の範囲内であれば、過酸化水素の管理が容易となり、かつ適度なエッチング速度が確保できるので、エッチング量の制御が容易となるので好ましい。
本発明のエッチング液組成物で用いられる有機酸は、銅およびモリブデンのエッチング、およびモリブデン由来の残渣の除去に寄与するものであり、該エッチング液組成物中の含有量は、0.5〜20質量%が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。有機酸の含有量が上記範囲内であれば、銅およびモリブデンのエッチング、およびモリブデン由来の残渣の除去が十分に行われ、かつエッチング後の良好な配線断面形状を得ることができる。また、エッチング後に含有される銅イオンのマスキング剤としても機能しており、銅による過酸化水素の分解を抑制することが出来る。
有機酸としては、炭素数1〜18の脂肪族カルボン酸、炭素数6〜10の芳香族カルボン酸のほか、炭素数1〜10のアミノ酸などが挙げられる。
炭素数1〜18の脂肪族カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、グリコール酸、ジグリコール酸、ピルビン酸、マロン酸、酪酸、ヒドロキシ酪酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、吉草酸、グルタル酸、イタコン酸、アジピン酸、カプロン酸、アジピン酸、クエン酸、プロパントリカルボン酸、trans−アコニット酸、エナント酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。
炭素数6〜10の芳香族カルボン酸としては、安息香酸、サリチル酸、マンデル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。
また、炭素数1〜10のアミノ酸としては、カルバミン酸、アラニン、グリシン、シスチン、アスパラギン、アスパラギン酸、サルコシン、セリン、グルタミン、グルタミン酸、4−アミノ酪酸、イミノジ酪酸、アルギニン、ロイシン、イソロイシン、ニトリロ三酢酸などが挙げられる。
上記有機酸の中で好ましくは、アラニン、グルタミン酸、グリシン、グリコール酸、コハク酸、シスチン、アスパラギン酸、リンゴ酸、マロン酸、乳酸、酢酸が挙げられ、さらに好ましくは、マロン酸やコハク酸が挙げられる。
本発明のエッチング液組成物で用いられるアミン化合物は、エッチング後の良好な配線断面形状に寄与し、炭素数2〜10であり、かつアミノ基と水酸基とをその合計基数が二以上となるように有する化合物である。
このようなアミン化合物としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、1,3−ジアミノブタン、2,3−ジアミノブタン、ペンタメチレンジアミン、2,4−ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、トリメチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、トリエチルエチレンジアミン、1,2,3−トリアミノプロパン、ヒドラジン、トリス(2−アミノエチル)アミン、テトラ(アミノメチル)メタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチルペンタミン、ヘプタエチレンオクタミン、ノナエチレンデカミン、ジアザビシクロウンデセンなどのポリアミン;エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、N−メチルイソプロパノールアミン、N−エチルイソプロパノールアミン、N−プロピルイソプロパノールアミン、2−アミノプロパン−1−オール、N−メチル−2−アミノ−プロパン−1−オール、N−エチル−2−アミノ−プロパン−1−オール、1−アミノプロパン−3−オール、N−メチル−1−アミノプロパン−3−オール、N−エチル−1−アミノプロパン−3−オール、1−アミノブタン−2−オール、N−メチル−1−アミノブタン−2−オール、N−エチル−1−アミノブタン−2−オール、2−アミノブタン−1−オール、N−メチル−2−アミノブタン−1−オール、N−エチル−2−アミノブタン−1−オール、3−アミノブタン−1−オール、N−メチル−3−アミノブタン−1−オール、N−エチル−3−アミノブタン−1−オール、1−アミノブタン−4−オール、N−メチル−1−アミノブタン−4−オール、N−エチル−1−アミノブタン−4−オール、1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オール、2−アミノ−2−メチルプロパン−1−オール、1−アミノペンタン−4−オール、2−アミノ−4−メチルペンタン−1−オール、2−アミノヘキサン−1−オール、3−アミノヘプタン−4−オール、1−アミノオクタン−2−オール、5−アミノオクタン−4−オール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、1−アミノプパン−2,3−ジオール、2−アミノプロパン−1,3−ジオール、トリス(オキシメチル)アミノメタン、1,2−ジアミノプロパン−3−オール、1,3−ジアミノプロパン−2−オール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、ジグリコールアミンなどのアルカノールアミン;水酸化テトラメチルアンモニウムなどの第四級アンモニウム塩などが挙げられ、これらを単独でまたは複数を組み合わせて用いることができる。上記アミン化合物の中で好ましくは、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノエタノール、水酸化テトラメチルアンモニウムが挙げられ、さらに好ましくは、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノールが挙げられる。
本発明のエッチング液組成物中のアミン化合物の含有量は、5〜20質量%が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。アミン化合物の含有量が上記範囲内であれば、エッチング後の良好な配線断面形状を得ることができる。
本発明のエッチング液組成物で用いられるアゾール類としては、1,2,4−1H−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、3−アミノ−1H−トリアゾール、例えば3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、などのトリアゾール類;1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾールなどのテトラゾール類;1H−イミダゾール、1H−ベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類;1,3−チアゾール、4−メチルチアゾールなどのチアゾール類などが挙げられる。これらのうち、トリアゾール類およびテトラゾール類が好ましく、なかでも1,2,4−1H−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾールおよび5−アミノ−1H−テトラゾールが好ましい。
エッチング液組成物中のアゾール類の含有量は、0.005〜0.2質量%が好ましく、0.01〜0.05質量%がより好ましい。アゾール類の含有量が上記範囲内であれば、エッチング後のサイドエッチングの増大を抑えつつ、エッチング後の良好な配線断面形状を得ることができる。
本発明のエッチング液組成物は、過酸化水素安定剤を含有する。過酸化水素安定剤としては、通常過酸化水素安定剤として用いられるものであれば制限なく使用することが可能であるが、フェニル尿素、アリル尿素、1,3−ジメチル尿素、チオ尿素などの尿素系過酸化水素安定剤のほか、フェニル酢酸アミド、フェニルエチレングリコール、ピロリン酸四ナトリウム、スズ酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、アセトアニリド、オキシキノリン、サリチル酸、フェナセチン、ケイ酸ナトリウム、アルキルジアミンテトラメチレンホスホン酸またはその塩、1,10−フェナントロリンなどが好ましく挙げられ、なかでもフェニル尿素が好ましい。
本発明のエッチング液組成物中の過酸化水素安定剤の含有量は、その添加効果を十分に得る観点から、0.05〜0.5質量%が好ましく、0.1〜0.3質量%がより好ましい。
本発明のエッチング液組成物は、無機酸を含まないものであるが、これによって、硫酸や硝酸などの強酸性の無機酸を使用する際に生じる製造時の取り扱い上の問題や実質的には使用は困難であるリン酸など、その他の無機酸による問題点を回避することができる。
本発明のエッチング液組成物は、モリブデン層のアンダーカットが発生しやすい基板のエッチングに使用されることから、酸成分として有機酸を使用するところ、エッチング液組成物を長期的に連続使用すると、銅の溶解量の増加に応じたエッチング性能の低下の問題、あるいは溶液の活性が高くなり、気泡の多量発生、温度上昇、析出物の発生などの問題が生じる。これに対し、本発明のエッチング組成物にホスホン酸系キレート剤、アルコール系溶剤、ジオール系溶剤、トリオール系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素五員環系溶剤およびスルホキシド系溶剤からなる群から選択される少なくとも1種をさらに含むことにより、銅の溶解量を増やし、液寿命を長くし、さらにモリブデン層のアンダーカットを抑制することが可能となった。
過酸化水素は金属イオンが存在すると、分解しやすくなる問題があるが、本発明のエッチング組成物にさらに含まれるホスホン酸系キレート剤は、多種の金属とキレートを形成しやすいため、とくに低純度試薬を使用した際の他金属混入時でも効果を発揮することから、過酸化水素の分解抑制が可能となる。また、本発明のエッチング液組成物にさらに含まれるジオール系溶剤およびトリオール系溶剤は、エッチング液組成物に粘度を付与することにより、モリブデン層のアンダーカットを抑制すると考えられる。さらに、本発明のエッチング液組成物にさらに含まれるケトン系溶剤、含窒素五員環系溶剤およびスルホキシド系溶剤は、モリブデンの表面を保護する働きにより、モリブデン層のアンダーカットを抑制すると考えられる。
本発明のエッチング液組成物で用いられるホスホン酸系キレート剤は、メタンジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチルアミノジ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンジ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、1,2−プロパンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)など、およびこれらのアンモニウム塩、アルカリ金属塩、有機アミン塩などが挙げられる。さらに、これらのホスホン酸系キレート剤のうちその分子中に窒素原子を有するものが酸化されてN−オキシド体となっている酸化体が挙げられる。
上記ホスホン酸系キレート化合物の中でも、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)が好ましい。
本発明のエッチング液組成物中のホスホン酸系キレート剤の含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、1〜6質量%がより好ましい。上記範囲内であれば、Moアンダーカットの抑制効果が得られやすく、コスト的な観点からも有効である。
本発明のエッチング液組成物で用いられるアルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどの一価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどの二価アルコールなどが挙げられる。さらに、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリビニルアルコールから選ばれた水溶性高分子化合物も挙げられる。これらの1種または2種以上を使用してもよい。これらのうち、プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールが好ましく、プロパノール、2−プロパノールがより好ましい。
本発明のエッチング液組成物中のアルコール系溶剤の含有量は、0.1〜50質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。アルコール系溶剤の含有量が上記範囲内であれば、エッチング後のMoアンダーカットを抑えつつ、エッチング後の良好な配線断面形状を得ることができる。
本発明のエッチング液組成物で用いられるジオール系溶剤としてはジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールなどが挙げられる。これらのうち、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールが好ましく、ジプロピレングリコールがより好ましい。
本発明のエッチング液組成物中のジオール系溶剤の含有量は、0.1〜50質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。ジオール系溶剤の含有量が上記範囲内であれば、エッチング後のMoアンダーカットを抑えつつ、エッチング後の良好な配線断面形状を得ることができる。
本発明のエッチング液組成物で用いられるトリオール系溶剤としてはグリセリンなどが挙げられる。
本発明のエッチング液組成物中のトリオール系溶剤の含有量は、0.1〜50質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。トリオール系溶剤の含有量が上記範囲内であれば、エッチング後のMoアンダーカットを抑えつつ、エッチング後の良好な配線断面形状を得ることができる。
本発明のエッチング液組成物で用いられるケトン系溶剤としてはアセトン、エチルメチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、エチルプロピルケトン、ジプロピルケトンなどが挙げられる。これらのうちアセトンが好ましい。
本発明のエッチング液組成物中のケトン系溶剤の含有量は、0.1〜50質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。ケトン系溶剤の含有量が上記範囲内であれば、エッチング後のMoアンダーカットを抑えつつ、エッチング後の良好な配線断面形状を得ることができる。
本発明のエッチング液組成物で用いられる含窒素五員環系溶剤としては、N−メチル−2−ピロリジノン、2−ピロリジノンなどが挙げられる。これらのうちN−メチル−2−ピロリジノンが好ましい。
エッチング液組成物中の含窒素五員環系溶剤の含有量は、0.1〜50質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。含窒素五員環系溶剤の含有量が上記範囲内であれば、エッチング後のMoアンダーカットを抑えつつ、エッチング後の良好な配線断面形状を得ることができる
本発明のエッチング液組成物で用いられるスルホキシド系溶剤としては、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
本発明のエッチング液組成物中のスルホキシド系溶剤の含有量は、0.1〜50質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。スルホキシド系溶剤の含有量が上記範囲内であれば、エッチング後のMoアンダーカットを抑えつつ、エッチング後の良好な配線断面形状を得ることができる
ホスホン酸系キレート剤、アルコール系溶剤、ジオール系溶剤、トリオール系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素五員環系溶剤および/またはスルホキシド系溶剤は、エッチング液組成物を調製するときに添加してもよく、あるいは、エッチングに使用中のエッチング組成物に添加してもよい。
本発明のエッチング液組成物は、上記した成分のほか、水、その他エッチング液組成物に通常用いられる各種添加剤をエッチング液組成物の効果を害しない範囲で含んでもよい。水としては、蒸留、イオン交換処理、フィルター処理、各種吸着処理などによって、金属イオンや有機不純物、パーティクル粒子などが除去されたものが好ましく、特に純水、超純水が好ましい。
本発明のエッチング液組成物は、pH3〜6であることが好ましい。pH3未満やpH6よりも大きいと、過酸化水素が分解しやすい。
本発明のエッチング方法は、銅または銅を主成分とする合金からなる層とモリブデンまたはモリブデンを主成分とする合金からなる層とを含む金属積層膜をエッチングするのに用いるエッチング液組成物であって、過酸化水素と、有機酸と、アミン化合物と、アゾール類と、過酸化水素安定化剤とを含有し、無機酸を含有しないエッチング液組成物を用いて、銅または銅を主成分とする合金からなる層とモリブデンまたはモリブデンを主成分とする合金からなる層とを含む金属積層膜をエッチングすることを特徴とし、エッチング対象物と本発明のエッチング液組成物とを接触させる工程を含むものである。また、本発明のエッチング方法により、銅または銅を主成分とする合金からなる層とモリブデンまたはモリブデンを主成分とする合金からなる層とを含む金属積層膜を一括でエッチングを行うことができ、かつモリブデン層のアンダーカットを抑制することが可能となり、これにより、断面形状の制御が容易となることを見出したものである。
本発明のエッチング方法において、エッチング液組成物は、例えば、図1に示されるような、ガラスなどの基板上に、モリブデン系材料からなるバリア膜(モリブデン層)と銅または銅を主成分とする材料からなる銅配線(銅層)とを順に積層してなる銅層およびモリブデン層を含む多層薄膜上に、さらにレジストを塗布し、所望のパターンマスクを露光転写し、現像して所望のレジストパターンを形成したものをエッチング対象物とする。ここで、本発明においては、銅層およびモリブデン層を含む多層薄膜は、図1のようにモリブデン層の上に銅層が存在する態様をはじめとし、さらに該銅層上にモリブデン層が存在する態様も含まれる。また、このような銅層およびモリブデン層を含む多層薄膜は、フラットパネルディスプレイなどの表示デバイスなどの配線に好ましく用いられるものである。よって、モリブデン層の上に銅層が存在するエッチング対象物は、利用分野の観点からも、好ましい態様である。
銅配線は、銅または銅を主成分とする材料により形成されていれば特に制限はなく、当該バリア膜を形成するモリブデン系材料としては、モリブデン金属あるいはモリブデン系合金などが挙げられる。
エッチング対象物にエッチング液組成物を接触させる方法には特に制限はなく、例えばエッチング液組成物を滴下(枚葉スピン処理)やスプレーなどの形式により対象物に接触させる方法や、対象物をエッチング液組成物に浸漬させる方法などの湿式(ウェット)エッチング方法を採用することができる。本発明においては、エッチング液組成物を対象物に滴下(枚葉スピン処理)して接触させる方法、対象物をエッチング液組成物に浸漬して接触させる方法が好ましく採用される。
エッチング液組成物の使用温度としては、15〜60℃の温度が好ましく、特に30〜50℃が好ましい。エッチング液組成物の温度が20℃以上であれば、エッチング速度が低くなりすぎないので、生産効率が著しく低下することがない。一方、沸点未満の温度であれば、液組成変化を抑制し、エッチング条件を一定に保つことができる。エッチング液組成物の温度を高くすることで、エッチング速度は上昇するが、エッチング液組成物の組成変化を小さく抑えることなども考慮した上で、適宜最適な処理温度を決定すればよい。
エッチング液組成物は通常、コスト削減のため、銅の溶解量を増やし、長く使用することを目的に補給液を使用する。補給液としては、エッチングにより消費される有機酸を補給するために使用されるところ、本発明は、補給液として、本発明のエッチング液組成物に使用される有機酸ならびにホスホン酸系キレート剤、アルコール系溶剤、ジオール系溶剤、トリオール系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素五員環系溶剤およびスルホキシド系溶剤からなる群から選択される少なくとも1種を使用されたエッチング液組成物に添加することにより、有機酸のみを補給液として使用した場合よりも大幅な液寿命の延長が可能となる。
補給液としての有機酸の添加量は、エッチング液組成物100質量%に対して0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。補給液としてのホスホン酸系キレート剤、アルコール系溶剤、ジオール系溶剤、トリオール系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素五員環系溶剤および/またはスルホキシド系溶剤の添加量は、エッチング液組成物100質量%に対して0.1〜20質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
以下に本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
[銅/モリブデン基板の作製]
ガラスを基板とし、モリブデン(Mo)をスパッタしモリブデンからなるバリア膜を形成し、次いで銅をスパッタして銅配線を形成し、次いでレジストを塗布し、パターンマスクを露光転写後、現像して、パターンを形成した銅/モリブデン系多層薄膜を作製した。
各実施例、比較例において用いられた基板のCu膜厚およびMo膜厚は、表1〜5および12〜14ならびに以下に示す。
[実施例1〜2:エッチング試験]
表1に示されるエッチング液組成物を各ビーカーに入れ、35℃に保たれた恒温槽で温度を安定化させた。エッチング液組成物をスターラーで撹拌しながら、1×1cmの銅/モリブデン基板を浸漬させ、エッチング時間を測定した。銅とモリブデンが消失した時点で測定したエッチング時間をジャストエッチング時間とし、ジャストエッチング時間の約2倍を実際のエッチング時間(オーバーエッチング時間)とする。実施例1〜2は、表1に記載のジャストエッチング時間の2倍をオーバーエッチング時間としてエッチングを行い、水洗、乾燥による処理後、SEMで断面形状を確認し、サイドエッチング量、テーパー角、Mo残渣、Moアンダーカットなどの各性能を評価した。
各用語を、図1を用いて説明する。サイドエッチングはレジスト端部からエッチングされた金属端部までの長さを示し、テーパー角は銅配線部のエッチング面と下層の金属とのなす角度、Mo残渣はエッチング後のMoの溶け残り、MoアンダーカットはMo層がCu層よりもエッチングされた形状のことである。
結果を表1に示す。表のMo残渣を示すA〜Cは、Aがとても良好、Bが良好、Cが不良である。Moアンダーカットの状態を示す図2のA〜Cは、Aがとても良好、Bが良好、Cが不良である。銅の溶解性を示すA、Cは、Aが良好、Cが不良であり、不良とは溶け残りがある状態のことをいう。
表1より、無機酸を含まない本発明のエッチング液組成物は、無機酸を含まなくてもMoアンダーカットを抑制することが分かる。
[実施例3〜8:エッチング試験]
表2に示されるエッチング液組成物および表2に示されるMo膜厚の基板を用い、オーバーエッチング時間をジャストエッチング時間の2倍とした以外は、実施例1と同様にエッチングを行った。
結果を表2および図3および4に示す。
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)の添加量が上昇するのに伴い、Moアンダーカットが抑制されることが分かる。またMoの膜厚が140Åの基板のみならず、厚膜の280Åの基板でもMoアンダーカットが抑制できることが分かる。
[実施例9〜20:エッチング試験]
表3および4に示されるpHを有するエッチング液組成物に表3および4に示される量の銅粉末を溶解させ、オーバーエッチング時間を実施例9および11〜13は124秒、実施例10および14〜20は142秒とした以外は、実施例1と同様にエッチングを行った。
結果を表3および4に示す。
過酸化水素、マロン酸、コハク酸、1−アミノ−2−プロパノール(MIPA)、5−アミノ−1H−テトラゾール(ATZ)およびフェニル尿素を含むエッチング液組成物は、実施例9〜13のように銅を溶解させた状態では、pHに関係なく、実施例1および2と同様のMo残渣を示す一方、実施例1および2よりもMoアンダーカットが発生することが分かる。
また、HEDPをさらに含むエッチング液組成物は、実施例14〜20のように銅を溶解させた状態でも、Moアンダーカットが発生しない。とくに、HEDPは酸性のため、添加することでpHが低下し、pHが下がり過ぎると、Moアンダーカットが発生する場合があるが、HEDP量の増加に伴うpHの低下に関わらず、Moアンダーカットは発生しないことが分かる。この結果から、多量に基板処理したエッチング液組成物に補給液としてHEDPを添加することにより、液寿命を延長することが可能となることが分かる。
[実施例21〜28:銅溶解性試験]
表5に示されるエッチング液組成物に表5に示される量の銅粉末を溶解させ、エッチング組成物の銅溶解性を試験した。試験は表5に示されるエッチング液組成物をビーカーに入れ、スターラーで撹拌しながら銅粉末を添加し、液の状態を確認した。
結果を表5に示す。
過酸化水素、マロン酸、コハク酸、MIPA、ATZおよびフェニル尿素を含むエッチング液組成物は、実施例21および22のように銅を1000ppmまたは2000ppm溶解させた状態では、実施例1および2と同様の銅の溶解性を示す一方、実施例23および24のように銅を3000ppmまたは4000ppm溶解させた状態では、銅の溶解性が不十分であり、気泡や析出物の発生がみられたことから、本発明のエッチング液組成物は、一定量の基板処理に耐え得ることが分かる。
また、HEDPをさらに含むエッチング液組成物は、実施例25〜27のように銅を6000ppm、8000ppmまたは10000ppm溶解させた状態でも、実施例1および2と同様の銅の溶解性を示す一方、実施例28のように銅を12000ppm溶解させた状態では、銅の溶解性が不十分であり、析出物の発生がみられたことから、本発明のエッチング液組成物は、HEDPをさらに含むことにより、さらに多くの基板処理に耐え得ることが分かる。すなわち、この結果から、エッチング液組成物調製時にまたは多量に基板処理したエッチング液組成物に補給液としてHEDPを添加することにより、液寿命を延長することが可能となることが分かる。
[実施例29〜58および比較例1〜20:補給液試験]
実施例29〜58
表6に示されるエッチング液組成物をビーカーに入れ、35℃に保たれた恒温槽で温度を安定化させた。エッチング液組成物を入れたビーカーに銅粉末10000ppmを加え、完全に溶解させてから、エッチング液組成物100体積%に対して表7〜10に記載の体積%のマロン酸40重量%水溶液(残部は水)(補給液A)ならびにアルコール系溶剤(イソプロピルアルコール(IPA))、ジオール系溶剤(ジプロピレングリコール(DPG))、トリオール系溶剤(グリセリン)、ケトン系溶剤(アセトン)、含窒素五員環系溶剤(N−メチル−2−ピロリジノン(NMP))またはスルホキシド系溶剤(ジメチルスルホキシド(DMSO))100重量%(補給液B)を添加した。エッチング液組成物をスターラーで撹拌しながら、1×1cmの銅/モリブデン基板(Cu膜厚/Mo膜厚=5500/300)を浸漬させ、エッチング時間を測定した。銅粉末および補給液を添加しない表6に示されるエッチング液組成物のジャストエッチング時間(77秒)の2倍の144秒間をオーバーエッチング時間としてエッチングを行い、水洗、乾燥による処理後、SEMで断面形状を確認し、サイドエッチング量、テーパー角、Mo残渣、Moアンダーカットなどの各性能を評価した。
結果を表7〜9に示す。
比較例1〜20
表10および11に示される銅粉末の量ならびに補給液AおよびBとした以外は、上記と同様にエッチング液組成物を調製し、エッチングを行った。結果を表10および11に示す。
表7〜9に示すように、補給液として有機酸ならびにジオール系溶剤、アルコール系溶剤、トリオール系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素五員環系溶剤またはスルホキシド系溶剤を添加した場合、有機酸のみを補給液として添加した場合と比較して、Moアンダーカットを抑制する効果が大きかった。また、有機酸および上記各溶剤の補給液としての使用は、Moアンダーカットに効果があったが、グリコールエーテル系溶剤(ブチルジグリコール(BDG))、カルボン酸系溶剤(乳酸)、アミン系溶剤(モノエタノールアミン(MEA))を補給液として使用してもMoアンダーカット効果はなかった(表10および11)。よって、ジオール系溶剤、アルコール系溶剤、トリオール系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素五員環系溶剤およびスルホキシド系溶剤は、Moアンダーカットの抑制に効果があることが判明した。上記溶剤は、補給液としてのみならず、エッチング液組成物調製時に添加しても同様に有効である。
[実施例59〜77:エッチング試験]
表12〜14に示されるアミン化合物およびアゾール化合物を含むエッチング液組成物に表12〜14に示される量の銅粉末を溶解させ、表12〜14に示されるMo膜厚の基板を用い、オーバーエッチング時間を実施例59〜65は131秒、実施例66〜77は119秒(銅溶解前のジャストエッチング時間を基準として、それぞれ1.7倍)とした以外は、実施例1と同様にエッチングを行った。
結果を表12〜14および図5に示す。
表12のATZを含むエッチング液組成物は、銅の溶解量が増加するのに伴い、S/Eが大きく低下するが、表13の1,2,4−1H−トリアゾールを含むエッチング液組成物のS/Eは、わずかに低下するのみであり、表14の3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾールを含むエッチング液組成物のS/Eは、ほとんど変化しなかった。また、ATZを含むエッチング液組成物のみ、銅の溶解量3000ppmからMoアンダーカットが発生した。
S/Eが低下する主な原因は、エッチング液組成物の銅やモリブデンの溶解性の低下であり、銅の溶解量増加に応じて、性能維持のために補給液を添加するか、銅の溶解量が低いうちに液を全て交換する必要があるところ、とくに1,2,4−1H−トリアゾールを含むエッチング液組成物や3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾールを含むエッチング液組成物は、銅の溶解量10000ppmでもMoアンダーカットが発生しないことから、基板の処理枚数が増加しても、性能維持が容易になるため、補給液を使用する必要がないため、コスト削減につながるなど多くの利点が得られる。
本発明のエッチング液組成物は、銅または銅を主成分とする合金からなる層とモリブデンまたはモリブデンを主成分とする合金からなる層とを含む金属積層膜のエッチングに好適に用いることができ、該組成物を用いたエッチング方法は、上記金属積層膜を一括エッチングすることができ、かつモリブデン層のアンダーカットを抑制し、断面形状の制御が可能であることから、高い生産性を達成することが可能である。また、本発明のエッチング組成物の寿命を延ばす方法は、銅の溶解性を向上させることから、液寿命を延ばすのみならず、液交換作業および人件費を削減し、さらには安全性を向上させることができる。

Claims (11)

  1. 銅または銅を主成分とする合金からなる層とモリブデンまたはモリブデンを主成分とする合金からなる層とを含む金属積層膜を一括エッチングするのに用いるエッチング液組成物であって、過酸化水素と、マロン酸および/またはコハク酸である有機酸と、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノエタノールおよび水酸化テトラメチルアンモニウムからなる群から選択される1種または2種以上のアミン化合物と、1,2,4−1H−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾールおよび5−アミノ−1H−テトラゾールからなる群から選択される1種または2種以上のアゾール類と、フェニル尿素、アリル尿素、1,3−ジメチル尿素およびチオ尿素からなる群から選択される過酸化水素安定化剤とを含有(ただし、無機酸を含まない)、各成分の含有量が過酸化水素8〜20質量%、有機酸0.5〜20質量%、アミン化合物5〜20質量%、アゾール類0.005〜0.2質量%、過酸化水素安定剤0.05〜0.5質量%である、前記エッチング液組成物。
  2. さらに、ホスホン酸系キレート剤、アルコール系溶剤、ジオール系溶剤、トリオール系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素五員環系溶剤およびスルホキシド系溶剤からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載のエッチング液組成物。
  3. アミン化合物が、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノエタノール、水酸化テトラメチルアンモニウムから選択される1種または2種以上である、請求項1または2に記載のエッチング液組成物。
  4. アゾール類が、1,2,4−1H−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾールおよび5−アミノ−1H−テトラゾールから選択される1種または2種以上である、請求項1〜のいずれかに記載のエッチング液組成物。
  5. 過酸化水素安定剤が、フェニル尿素である、請求項1〜のいずれかに記載のエッチング液組成物。
  6. ホスホン酸系キレート剤が、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸である、請求項2〜のいずれかに記載のエッチング液組成物。
  7. ジオール系溶剤が、ジプロピレングリコールである、請求項2〜のいずれかに記載のエッチング液組成物に関する。
  8. 銅または銅を主成分とする合金からなる層とモリブデンまたはモリブデンを主成分とする合金からなる層とを含む金属積層膜を一括エッチングする方法であって、過酸化水素と、マロン酸および/またはコハク酸である有機酸と、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノエタノールおよび水酸化テトラメチルアンモニウムからなる群から選択される1種または2種以上のアミン化合物と、1,2,4−1H−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾールおよび5−アミノ−1H−テトラゾールからなる群から選択される1種または2種以上のアゾール類と、フェニル尿素、アリル尿素、1,3−ジメチル尿素およびチオ尿素からなる群から選択される過酸化水素安定化剤とを含有(ただし、無機酸を含まない)各成分の含有量が過酸化水素8〜20質量%、有機酸0.5〜20質量%、アミン化合物5〜20質量%、アゾール類0.005〜0.2質量%、過酸化水素安定剤0.05〜0.5質量%であるエッチング液組成物を用いてエッチングする工程を含む、前記方法。
  9. エッチングに用いられたエッチング液組成物にマロン酸および/またはコハク酸である有機酸ならびにホスホン酸系キレート剤、アルコール系溶剤、ジオール系溶剤、トリオール系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素五員環系溶剤およびスルホキシド系溶剤からなる群から選択される少なくとも1種を添加する工程を含む、請求項に記載の方法。
  10. 液晶ディスプレイ、カラーフィルム、タッチパネル、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、MEMS、ICのいずれかの製造工程、またはパッケージ工程に用いられる、請求項またはに記載の方法。
  11. 過酸化水素と、マロン酸および/またはコハク酸である有機酸と、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノエタノールおよび水酸化テトラメチルアンモニウムからなる群から選択される1種または2種以上のアミン化合物と、1,2,4−1H−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾールおよび5−アミノ−1H−テトラゾールからなる群から選択される1種または2種以上のアゾール類と、フェニル尿素、アリル尿素、1,3−ジメチル尿素およびチオ尿素からなる群から選択される過酸化水素安定化剤とを含有(ただし、無機酸を含まない)各成分の含有量が過酸化水素8〜20質量%、有機酸0.5〜20質量%、アミン化合物5〜20質量%、アゾール類0.005〜0.2質量%、過酸化水素安定剤0.05〜0.5質量%であるエッチング液組成物の寿命を延ばす方法であって、前記エッチング液組成物に有機酸ならびにホスホン酸系キレート剤、アルコール系溶剤、ジオール系溶剤、トリオール系溶剤、ケトン系溶剤、含窒素五員環系溶剤およびスルホキシド系溶剤からなる群から選択される少なくとも1種を添加する工程を含む、前記方法。
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